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JP7508914B2 - 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム - Google Patents

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム Download PDF

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JP7508914B2
JP7508914B2 JP2020121925A JP2020121925A JP7508914B2 JP 7508914 B2 JP7508914 B2 JP 7508914B2 JP 2020121925 A JP2020121925 A JP 2020121925A JP 2020121925 A JP2020121925 A JP 2020121925A JP 7508914 B2 JP7508914 B2 JP 7508914B2
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Description

本開示は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関する。
電子写真方式の画像形成装置において、本来トナーが付着するべきでない部分までトナーが付着する現象、いわゆる「がぶり現象」が画像品質の点で問題となることがある。
たとえば、特開2006-301479号公報(特許文献1)は、非磁性1成分現像剤をトナーとして用いた場合において、長期にわたって地かぶりの発生を防止することを課題とする。具体的に、積算印刷枚数の増加に伴うトナーの電荷量の低下を補うために、現像バイアス電圧の時間平均電圧と静電潜像の背景部電位との電位差を大きくすることなく、現像バイアス電圧のピーク電圧と背景部電位との電位差が、小さくなるように制御される。
また、特開2005-140917号公報(特許文献2)に開示された画像形成装置は、現像器の運転状況および湿度などに応じて現像剤の帯電量が変化した場合に、現像ローラーの回転速度を調整することによって画像濃度を維持し、かぶり現象の発生を防止する。
特開2006-301479号公報 特開2005-140917号公報
ところで、感光体の表面とクリーニングブレードとの間には、トナーと外添剤とによって静止層が形成されることが知られている。この静止層によってトナーをブロッキングすることより、感光体の表面を良好にクリーニングすることができる。
画像品質を良好に保つためには、適量の静止層を常に形成する必要がある。本願発明者は、適量の静止層を常に形成するためには、適正な範囲内の量のかぶりトナーを現像器から感光体に供給することが効果的であることを見出した(詳細については、実施の形態において説明する)。
本開示は、上記の検討結果に基づいてなされたものであり、その目的の1つは、適量の静止層を感光体表面とクリーニングブレードとの間に形成するために、適正範囲のかぶりトナーを感光体の表面に供給する画像形成装置を提供することである。
一実施形態の画像形成装置は、像担持体と、帯電部材と、露光装置と、現像器と、クリーニング部材と、制御部とを備える。帯電部材は、像担持体の表面を帯電させる。露光装置は、像担持体の表面を露光することによって静電潜像を形成する。現像器は、トナーおよびキャリアを含む現像剤を担持する現像剤担持体を含み、現像剤担持体から供給するトナーによって像担持体の表面の静電潜像を現像する。クリーニング部材は、像担持体の表面に当接してトナーを除去する。制御部は、現像器の稼働頻度または現像器の稼働頻度に関係する量である評価量に応じて、予め定められた範囲内の量のかぶりトナーが像担持体に供給されるように、帯電部材による像担持体の表面の帯電電位または現像剤担持体のバイアス電位のうちの少なくとも一方を調整することにより、像担持体の帯電電位と現像剤担持体のバイアス電位との電位差の絶対値である操作量を調整する。制御部は、評価量が閾値に達するまでは操作量を変更せず、評価量が閾値を超えると評価量に応じて操作量を変更する。制御部は、画像形成装置によって印刷する画像の平均カバレッジ、画像形成装置の機内湿度、または印刷線速のうちの少なくとも1つ応じて、閾値および操作量を変更する
一態様において、現像器の稼働頻度に関係する量は、現時点までの評価期間内の印刷枚数または評価期間内の現像剤担持体の積算回転数である。
一態様において、制御部は、評価量が閾値を超えた場合に、評価量が増加するほど操作量を増加させる。
一態様において、制御部は、平均カバレッジが減少するほど、上記閾値を減少させ、上記操作量を増加させる。
一態様において、制御部は、機内湿度が減少するほど、上記閾値を減少させ、上記操作量を増加させる。
一態様において、制御部は、印刷線速が増加するほど、上記閾値を減少させ、上記操作量を増加させる。
他の実施形態において、上記の画像形成装置の制御方法が提供される。制御方法は、制御部が、画像形成装置の経時的な稼働状況を記憶装置に記憶させるステップと、制御部が、経時的な稼働状況に基づいて、現像器の稼働頻度または現像器の稼働頻度に関係する量を評価量として算出するステップと、制御部が、評価量に応じて、予め定められた範囲内の量のかぶりトナーが像担持体に供給されるように、帯電部材による像担持体の表面の帯電電位または現像剤担持体のバイアス電位のうちの少なくとも一方を調整することにより、像担持体の帯電電位と現像剤担持体のバイアス電位との電位差の絶対値である操作量を調整するステップとを備える。操作量を調整するステップは、制御部が、評価量が閾値に達するまでは操作量を変更せず、評価量が閾値を超えると評価量に応じて操作量を変更するステップを含む。制御方法はさらに、制御部が、画像形成装置によって印刷する画像の平均カバレッジ、画像形成装置の機内湿度、または印刷線速のうちの少なくとも1つ応じて、閾値および操作量を変更するステップを備える。
さらに他の実施形態において、上記の画像形成装置の制御プログラムが提供される。制御プログラムは、コンピューターに、画像形成装置の経時的な稼働状況を記憶装置に記憶させるステップと、経時的な稼働状況に基づいて、現像器の稼働頻度または現像器の稼働頻度に関係する量を評価量として算出するステップと、評価量に応じて、予め定められた範囲内の量のかぶりトナーが像担持体に供給されるように、帯電部材による像担持体の表面の帯電電位または現像剤担持体のバイアス電位のうちの少なくとも一方を調整することにより、像担持体の帯電電位と現像剤担持体のバイアス電位との電位差の絶対値である操作量を調整するステップとを実行させる。操作量を調整するステップは、評価量が閾値に達するまでは操作量を変更せず、評価量が閾値を超えると評価量に応じて操作量を変更するステップを含む。制御プログラムはさらに、コンピューターに、画像形成装置によって印刷する画像の平均カバレッジ、画像形成装置の機内湿度、または印刷線速のうちの少なくとも1つ応じて、閾値および操作量を変更するステップを実行させる。
上記の各実施形態によれば、適正範囲のかぶりトナーを感光体の表面に供給することによって、適量の静止層を感光体表面とクリーニングブレードとの間に形成できる。
電子写真方式によるカラー画像形成装置の概略構成の一例を示す図である。 作像ユニットの詳細な構成例を示す図である。 制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 感光体とクリーニングブレードとの間に形成される静止層について説明するための図である。 日内印刷枚数とかぶりトナー量との関係を示す図である。 現像器14を連続稼働した場合のかぶりトナー量の変化を示す図である。 現像器14の稼働時間に応じた帯電量分布の変化を説明する図である。 図7(C)の帯電量分布を説明するための図である。 かぶりマージンとかぶりトナー量との関係を説明する図である。 かぶりマージンによるかぶりトナー量の制御を説明するための図である。 実施の形態1による画像形成装置の制御手順を示すフローチャートである。 図11のステップS130の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。 図12のステップS310で参照されるテーブルの一例を示す図である。 現像器内のトナーの平均帯電量と現像器の積算使用時間との関係を示す図である。 実施の形態2の画像形成装置において、図11のステップS130の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。 日内印刷枚数と平均カバレッジとに応じたかぶりトナー量の制御を説明するための図である。 日内印刷枚数と機内湿度とに応じたかぶりトナー量の制御を説明するための図である。 日内印刷枚数とマシン線速とに応じたかぶりトナー量の制御を説明するための図である。
以下、実施形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない。
<実施の形態1>
[画像形成装置の概略構成]
図1は、電子写真方式によるカラー画像形成装置の概略構成の一例を示す図である。以下では、2次転写方式の画像形成装置を例に挙げて説明するが、直接転写方式の画像形成装置の場合にも後述するかぶりトナー量の制御方法を適用可能である。なお、図1では、各ローラーの回転方向が矢印で示されている。
図1を参照して、画像形成装置1は、タンデム方式でカラー画像を形成するように構成されたプリンター20と、記録媒体としての用紙を収納する給紙トレイ30と、用紙を搬送する搬送機構とを含む。プリンター20の上部に図示しないスキャナーが配置されていてもよい。
プリンター20は、4つの作像ユニット10Y,10M,10C,10Kと、中間転写ベルト21と、1次転写ローラー22と、2次転写ローラー25と、クリーナー26と、定着装置35とを含む。搬送機構は、給紙ローラー31と、レジストローラー33と、排出ローラー38とを含む。
図1に示すように、イエロー画像を形成するための作像ユニット10Y、マゼンタ画像を形成するための作像ユニット10M、シアン画像を形成するための作像ユニット10C、およびブラック画像を形成するための作像ユニット10Kが並置されている。以下、作像ユニット10Y,10M,10C,10Kについて、総称する場合または不特定のものを示す場合に作像ユニット10と記載する。
各作像ユニット10は、各感光体11上に形成された各色のトナー画像を矢印Z方向に回転する中間転写ベルト21上に1次転写ローラー22から付与される電界により順次転写する。これにより、中間転写ベルト21上で各色のトナー画像が合成される。合成されたトナー画像は、2次転写ローラー25から付与される電界により記録媒体上に転写される。中間転写ベルト21上の残留トナーは、クリーニングブレード(図示せず)を含むクリーナー26によって除去される。
図2は、作像ユニットの詳細な構成例を示す図である。図2を参照して、作像ユニット10は、像担持体としての感光体11と、帯電器12と、露光装置13と、現像器14と、クリーニング部材としてのクリーニングブレード15aを含むクリーナー15とを含む。
帯電器12は、感光体11の表面を目的の帯電電位に帯電させる。図2では、コロナ放電方式による帯電器12が図示されているが、帯電方式はコロナ放電方式に限定されない。コロナ放電方式に代えて、近接放電方式、または電荷注入方式などのいずれであってもよい。コロナ放電方式の場合には、帯電部材12aとしてのワイヤーに流れる電流Icを制御することにより感光体11の表面の帯電電位Vsを調整できる。また、近接放電方式および電荷注入方式の場合には、高圧電源16から帯電部材12a(ローラーなど)に印加する電位Vaに応じて感光体11の表面の帯電電位Vsを調整できる。
露光装置13は、原稿画像データに基づいて、レーザビームなどの光を感光体11の表面に照射する。これによって、照射部分の表面電位が失われることにより、感光体11上に静電潜像が形成される。
現像器14は、現像剤担持体としての現像ローラー14aによって、帯電したトナーを感光体11の表面に搬送する。これによって、感光体11の表面の静電潜像が現像される。本実施形態では、2成分現像プロセスが用いられる。2成分現像では、トナーはキャリアとの摩擦によって帯電される。帯電されたトナーは、高圧電源17から現像ローラー14aに印加された電位Vbと静電潜像の電位との電位差によって生じる電界によって、感光体11の表面に運ばれる。
クリーナー15は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード15aを感光体11の表面に当接させることによって、感光体11の表面の残留トナー、かぶりトナー、およびテスト用のトナーパッチなどを除去する。
ここで、かぶりトナーとは、画像形成とは無関係に現像ローラー14aから感光体11の表面に飛来するトナーをいう。かぶりトナーが生成される原因として以下が挙げられる。(i)通常の帯電量を有しているトナーが物理的に(たとえば、回転している現像ローラー14aから受ける遠心力によって)感光体11の表面に飛来する。(ii)トナーの帯電量が低いために現像ローラー14aの表面のキャリアと電気的に十分に引き合うことができずに感光体11の表面に飛来する。(iii)通常のトナーとは逆帯電しているために電気的に反発することにより現像ローラー14aから感光体11の表面に飛来する。
再び図1を参照して、2段に配置された給紙トレイ30は、記録媒体としての用紙を積載収納する。給紙ローラー31は、プリンター20から用紙を1枚ずつ取り出す。給紙された用紙の先端は、停止中のレジストローラー33の当接部に突き当たる。その後、中間転写ベルト21上を合成トナー画像が搬送されるタイミングを合わせて、レジストローラー33が回転開始されることにより、用紙が2次転写ローラー25に搬送される。この結果、合成トナー画像が用紙に2次転写される。その後、用紙上に形成された合成トナー画像は、定着装置35の定着ローラー35aによって加熱加圧されることにより定着される。最終的に用紙は、排出ローラー38によって排出部5に排出される。
画像形成装置1は、さらに、画像形成装置1の動作を全体的に制御する制御部60と、記憶装置(図2の65)と、温度センサー67および湿度センサー68とを含む。
図3は、制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、制御部60は、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)61と、少なくとも1つのRAM(Random Access Memory)62と、少なくとも1つのROM(Read Only Memory)63とを含むコンピューターをベースに構成される。少なくとも1つのCPU61に代えて、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)または少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって、制御部60が構成されていてもよい。もしくは、制御部60は、CPU、FPGA、およびASICのうちのいずれかの組み合わせによって構成されていてもよい。
制御部60は、バスを介して、操作パネル64、プリンター20、記憶装置65、温度センサー67、および湿度センサー68などと接続される。操作パネル64は、ユーザーに情報を表示する表示装置およびユーザーから入力を受け付ける入力装置として機能する。
制御部60は、操作パネル64を介して制御プログラムの実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置65またはROM63からRAM62に制御プログラムを読み出す。RAM62は、ワーキングメモリとして機能し、制御プログラムの実行に必要な各種データを一時的に格納する。制御プログラムは、非一時的な記録媒体に格納されて提供されてもよいし、ネットワークを介して提供されてもよい。
記憶装置65は、たとえば、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、またはその他の記憶装置である。記憶装置65は、たとえば、上記の制御プログラムおよびデータなどを格納する。本実施形態の画像形成装置1の場合、記憶装置65は、画像形成装置1(特に現像器14)の経時的な稼働状況(すなわち、稼働しているか否か)を表す稼働履歴情報66を格納する。
温度センサー67および湿度センサー68は、画像形成装置1の筐体内の温度および湿度を検出する。制御部60は、検出した温度および湿度のデータを記憶装置65に記憶させる。さらに、制御部60は、検出した温度および湿度のデータに基づいてプリンター20を制御する。
[本開示における技術的課題]
次に、本開示における技術的課題について詳細に説明する。図4は、感光体とクリーニングブレードとの間に形成される静止層について説明するための図である。
通常、トナーには滑剤が外添される。この理由は、感光体11上のトナーの離型性の向上、クリーニングブレード15aの摩耗の抑制、クリーニングブレード15aと感光体11との接触による感光体11のトルクの低減抑制、および帯電器12による感光体11の放電劣化の抑制などのためである。
したがって、図4に示すように、クリーニングブレード15aと感光体11との間で、感光体11の回転方向の上流側には、トナーと滑剤とによって静止層が形成される。この静止層によってトナーがブロッキングされて掻き落とされる。なお、感光体表面のトナーには、かぶりトナー、転写残トナー、およびテスト用のトナーパッチなどが含まれる。
画像品質の観点から、適量の静止層が常に形成される必要がある。たとえば、静止層の量が少なすぎると、トナーがクリーニングされずに拭き残されてしまう。この結果、感光体11の表面上にスジ状の画像ノイズが発生する。逆に、静止層の量が多すぎると、感光体11の表面上の滑剤量が過多になり、滑剤が感光体11上に固着する。この結果、その固着した滑剤にトナーが付着し、雨だれと呼ばれる点状の画像ノイズが発生する。
適量の静止層を常に形成し続けるには、かぶりトナーを適量で供給することが一番効果的である。なぜなら、転写残トナーは画像形成時にのみに供給され、トナーパッチは非画像形成時のみに供給されるのに対して、かぶりトナーは画像形成時にも非画像形成時にも常に供給されるからである。
ここで、かぶりトナーの供給量は、現像器14の稼働頻度に応じて変化する点に注意する必要がある。たとえば、均一な頻度で印刷を実行する場合において、かぶりトナー量は、1日当たりの積算印刷枚数(以下、「日内印刷枚数」と称する)に応じて変化する。
図5は、日内印刷枚数とかぶりトナー量との関係を示す図である。図5に示すように、日内印刷枚数がある閾値(図5の場合、約4000枚)を超えると、かぶりトナー量が急に増加し始める。さらに、日内印刷枚数が増加するにつれてかぶりトナー量も増加する。図5に示す例では、かぶりトナー量が約1.3mg/枚を超えると、雨だれと呼ばれる点状の画像ノイズが発生する。また、かぶりトナー量が約0.7mg/枚より小さくなると、トナーの拭き残しが生じるためにスジ状の画像ノイズが発生する。したがって、かぶりトナー量の適切な範囲は、およそ0.7mg/枚から画像形成装置1.3mg/枚までの範囲である。
また、現像器14を連続的に稼働したり、連続的に停止したりする場合には、かぶりトナー量は連続稼働時間および連続停止時間に応じて変化する。
図6は、現像器14を連続稼働した場合のかぶりトナー量の変化を示す図である。図6では、現像器14が稼働中の場合を実線および黒丸で示し、現像器14が停止中の場合を破線および白丸で示す。経過時間が0までは、現像器14は長期間停止中である。
図6(A)は、現像器14を11時間連続稼働した場合のかぶりトナー量の時間的変化を示す。図6(B)は、現像器14を7時間連続稼働し、その後連続的に停止した場合のかぶりトナー量の時間的変化を示す。図6(C)は、現像器14を5時間連続稼働し、その後2時間連続的に停止し、その後4時間連続稼働した場合のかぶりトナー量の時間的変化を示す。図6(D)は、現像器14を4時間連続稼働し、その後1時間連続的に停止し、その後5時間連続稼働し、その後連続的に停止した場合のかぶりトナー量の時間的変化を示す。図6(E)は、現像器14を2時間連続稼働し、その後3時間連続的に停止し、その後3時間連続稼働し、その後停止した場合のかぶりトナー量の変化を示す。
図6(A)~図6(E)に示す例では、現像器14の稼働開始から2時間程度までは、かぶりトナー量を増加しない。現像器14の稼働開始から約2時間を超えるとかぶりトナー量が増加し始める。その後、時間の経過ととともに増加割合が増える。ただし、図6(A)に示すように現像器14の連続稼働時間が約8時間を超えると、かぶりトナーの発生量は飽和する。
一方、現像器14を停止すると、かぶりトナー量の直ちに減少し始める。かぶりトナー量は、1時間当たりおよそ0.75mg/枚の割合で元のかぶりトナー量である1mg/枚に戻るまで減少する。
上記のようにかぶりトナー量が現像器14の稼働状況、特に稼働頻度に応じて変化する要因について次に説明する。
図7は、現像器14の稼働時間に応じた帯電量分布の変化を説明する図である。以下の説明において、トナーは負に帯電されるものとする。
図7(A)は、現像器14の稼働開始後すぐの時点または現像器14が低頻度で稼働された場合の帯電量分布を表す図である。図7(B)は、現像器14をしばらく連続稼働したとき、または現像器14が中頻度で稼働された場合の帯電量分布を表す図である。図7(A)の帯電量分布と比較して、図7(B)の帯電量分布は高帯電量分布側にシフトする。この現象は、現像器14の稼働時間が多いほどキャリアとトナーとが擦れる回数が増えることにより、摩擦帯電量が高くなるために生じる。
図7(C)は、現像器14をさらに連続稼働したとき、または現像器14が高頻度で稼働された場合の帯電量分布を表す図である。図7(C)の帯電量分布は、図7(B)の帯電量分布(図7(C)において破線で示す)の裾の部分がより低帯電量側にシフトしたものに相当する。
図8は、図7(C)の帯電量分布を説明するための図である。図8を参照して、トナーの帯電量が平均的に高くなると、現像器14内においてキャリア72と高帯電量トナー70とが強く引き付け合う。このため、帯電量分分布の低帯電側の裾の部分に対応する低帯電量トナー71は、キャリア72と擦れ難くなってしまい、帯電量が低下する。結果として、帯電量分布の低帯電量側の裾の部分がより低帯電量側にシフトする。
図7(C)の場合よりも、現像器14をさらに長時間連続的に稼働したとき、または現像器14がさらに高頻度で稼働された場合に、現像器14に補給される比較的低帯電のトナーは、現像器14内のトナーと擦れ難いために低帯電量のままになる。さらに、現像器14内に元々存在する帯電量分布の裾の部分の低帯電量トナーの帯電量はより減少する。この結果、低帯電量トナーの割合がさらに増加する。低帯電量トナーは、現像器14内に電気的に強く引き付けられないため、かぶりトナーとなって感光体11に飛来する。結果として、かぶりトナー量が増加する。
以上のとおり、感光体11とクリーニングブレード15aとの間に適切な量の静止層を常に形成するには、現像器14の稼働状況に応じて変化するかぶりトナー量に注意する必要がある。特に、現像器14の連続稼働時間または現像器14の稼働頻度がある閾値を超えたときに、かぶりトナー量が急に増加する点に注意しなければならない。
[技術的課題の解決策]
次に、上記の課題の解決策について説明する。本実施形態では、かぶりトナー量を適切な範囲内に維持するために、現像ローラー14aのバイアス電位Vbと感光体11の表面の帯電電位Vsとの電位差の絶対値、すなわち|Vb-Vs|を、現像器14の稼働状況に応じて変化させる。本開示において、この電位差の絶対値|Vb-Vs|を「かぶりマージン」または「操作量」と称する。具体的には、現像器14の稼働頻度または稼働頻度に関係する量が増加するほど、かぶりマージンを増加させる。現像器14の稼働頻度に関係する量として、現時点までの定められた評価期間内の印刷枚数または評価期間内の現像ローラー14aの積算回転数が挙げられる。本開示において、上記の現像器14の稼働頻度または稼働頻度に関係する量を「評価量」と称する。
かぶりマージンを変化させるためには、帯電器12の帯電部材12aに印加する電位Va(またはコロナ放電方式の場合には帯電部材12aに流れる電流Ic)または現像ローラー14aのバイアス電位Vbのうちの少なくとも一方を変化させる。画像安定化を実施してから次の画像安定化が実施されるまでの間は、現像剤担持体としての現像ローラー14aに印加されるバイアス電位Vbは一定に保たれるので、帯電器12の帯電部材12aに印加する電位Va(またはコロナ放電方式の場合には帯電部材12aに流れる電流Ic)を操作するほうが望ましい。
図9は、かぶりマージンとかぶりトナー量との関係を説明する図である。図9を参照して、通常帯電のトナーは負に帯電しているとする。現像ローラーのバイアス電位Vbを-300Vとして、感光体の表面の帯電電位Vsが-350V(かぶりマージン:50V)の場合と-400V(かぶりマージン:100V)の場合とを比較する。
かぶりトナーは、現像ローラーの遠心力によって現像ローラーから飛ばされることによって生成される。このとき、感光体の表面の帯電電位Vsが-400Vのほうが-350Vの場合に比べて、負帯電トナーが受ける電気的な反発力が大きくなる。この結果、感光体の表面にまで飛来するかぶりトナー量は、感光体の表面の帯電電位Vsが-400Vのほうが(すなわち、かぶりマージンが大きい方が)-350Vの場合よりも減少する。
図10は、かぶりマージンによるかぶりトナー量の制御を説明するための図である。図10(A)は、日内印刷枚数に応じた適切なかぶりマージンの設定値を示す図である。図10(B)は、図10(A)のかぶりマージンの設定値に対応するかぶりトナー量と、日内印刷枚数との関係を示す図である。図10(B)では、かぶりマージンを日内印刷枚数に応じて変化させた場合を実線で示し、日内印刷枚数によらずにかぶりマージンを一定値(100V)にした場合を破線で示す。
図10(A)および図10(B)に示すように、日内印刷枚数がある閾値(図10の例では約4000枚)に達するまではかぶりマージンは一定に保たれている。日内印刷枚数が閾値を超えると、日内印刷枚数の増加に応じてかぶりマージンを徐々に増加させることによって、かぶりトナー量を適切な範囲内に維持することができる。この結果、画像ノイズの発生を防止できる。
[画像形成装置の制御手順]
図11は、実施の形態1による画像形成装置の制御手順を示すフローチャートである。以下、これまでの説明を総括しながら、画像形成装置の制御手順について説明する。
図11のステップS100において、画像形成装置1の制御部60は、ユーザーから印刷設定を受け付ける。次のステップS110において、制御部60は、印刷設定に従ってジョブを開始する。
まず、プリンター20による印刷を開始する前に、ステップS120において制御部60は、記憶装置65から画像形成装置1の稼働履歴情報66を読み出す。その次のステップS130において、制御部60は、稼働履歴情報66に基づいてかぶりマージンの適否を判定する。
図12は、図11のステップS130の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。ステップS300において、制御部60は、現像器14の稼働頻度として、現時点までの評価期間内の現像器14の稼働時間を算出する。現像器14の稼働時間に代えて、現像器14の稼働頻度に関係付けられる値を算出してもよい。たとえば、制御部60は、稼働履歴情報66に基づいて現時点までの評価期間内の画像形成装置1の印刷枚数を算出してもよい。
次のステップS310において、制御部60は、テーブルを参照して、または数式に従って現像器14の稼働時間(または画像形成装置1の印刷枚数)に対応する最適なかぶりマージンを決定する。
図13は、図12のステップS310で参照されるテーブルの一例を示す図である。図13では、現時点より3時間前から現時点までの評価期間内の印刷枚数とかぶりマージンとの対応関係が示されている。制御部60は、図13のテーブルに従って、評価期間内の印刷枚数に対応する最適なかぶりマージンを決定する。制御部60は、図13のテーブルに示されていない印刷枚数については内挿によって対応する最適なかぶりマージンを決定する。
評価期間として、かぶりトナー量が適正範囲に維持されるように、実験的にまたはシミュレーションによって適切な値が選択される。複数の評価期間を設定してもよい。たとえば、現時点より1時間前から現時点まで、現時点より2時間前から1時間前まで、現時点より3時間前から2時間前までのように3個の評価期間を定め、これらの評価期間ごとの印刷枚数の平均値に基づいてかぶりマージンを決定してもよい。複数の評価期間ごとの印刷枚数の平均値は、より新しい評価期間の平均値ほど重視されるような加重平均であってもよい。
再び図11を参照して、ステップS130におけるかぶりマージンの適否判定の結果、かぶりマージンの変更が必要な場合(ステップS140でYES)、制御部60は処理をステップS150に進める。
ステップS150において、制御部60は、最適なかぶりマージンとなるように、帯電部材12aに印加するバイアス電位Va(またはコロナ放電方式の場合には帯電部材12aに流れる電流Ic)を変更するように高圧電源16を制御する。もしくは、制御部60は、最適なかぶりマージンとなるように、現像ローラー14aに印加するバイアス電位Vbを変更するように高圧電源17を制御する。その後、制御部60は、ステップS160に処理を進める。
一方、ステップS130におけるかぶりマージンの適否判定の結果、かぶりマージンの変更が必要でない場合(ステップS140でNO)、制御部60は、現在のかぶりマージンを維持したままで、ステップS160に処理を進める。
ステップS160において制御部60は、プリンター20によって用紙1枚に画像を印刷させる。次のステップS170において、制御部60は、記憶装置65に格納されている画像形成装置1の稼働履歴情報66を更新する。
その次のステップS180において、制御部60は、他に印刷する用紙がある場合には(ステップS180でYES)、処理をステップS120に戻して、上記のステップS120~S170を繰り返す。一方、他に印刷する用紙がない場合には(ステップS180でNO)、制御部60は、印刷ジョブを終了する(ステップS190)。
[実施の形態1の効果]
上記のとおり、実施の形態1の画像形成装置1は、感光体の表面とクリーニングブレードとの間に常に適量の静止層を形成するために、かぶりトナーの生成量が適切な範囲内になるように制御する。具体的に、制御部60は、現時点までの評価期間内の現像器の稼働時間または用紙の印刷枚数が増加するほど、かぶりマージンを増加させる。これにより、かぶりトナー量をほぼ一定に保つことができる。結果として、雨だれと呼ばれる点状の画像ノイズおよびスジ状の画像ノイズの無い良好な画像を形成できる。
以下、本実施の形態と特開2006-301479号公報(特許文献1)および特開2005-140917号公報(特許文献2)との相違点について説明する。
図14は、現像器内のトナーの平均帯電量と現像器の積算使用時間との関係を示す図である。図14(A)は、比較例として特開2006-301479号公報(特許文献1)に開示されているように、非磁性1成分現像剤の場合を示す。図14(B)は、本実施形態のように、2成分現像剤の場合を示す。
図14(A)を参照して、非磁性1成分現像剤の場合には、現像器内の平均帯電量は時間の経過と共に徐々に減少する。ある短い時間間隔についても同様に、現像器内の平均帯電量は徐々に減少する。現像器が寿命時点に達したとき現像器内の平均帯電量は使用開始時に比べてかなり低下している。
図14(B)を参照して、本実施形態のように2成分現像剤の場合には、現像器が稼働し続けるとトナーとキャリアとが擦れるためにトナーの平均帯電量は増加し、現像器が稼働しないとトナー平均帯電量は減少する。本実施の形態では、かぶりマージンを調整することによって、ある短い時間間隔で平均帯電量は微小な増減を繰り返し得るが、全体的には平均帯電量をほぼ一定に保つことができる。
また、特開2005-140917号公報(特許文献2)に開示された画像形成装置では、現像ローラーの回転速度を調整することによって画像濃度を維持し、かぶり現象の発生を防止している。
現像ローラーの回転速度を調整する方法を用いることにより、たとえば、現像剤担持体の回転速度が遅くなれば遠心力によって生じるかぶりトナー量は抑えられる。しかしながら、回転速度が遅いことにより現像ローラー14aと感光体11との現像ニップ時間が長くなってしまい、電気的に感光体11に引き付けられる逆帯電したかぶりトナーの量が多くなってしまう。したがって、現像ローラーの回転速度を調整する方法では、かぶりトナー量の制御は難しい。本実施形態の画像形成装置1では、遠心力によって生じるかぶりトナーは変化させずに、電気的な力のみによってかぶりトナー量を制御するため、より精度の高いかぶりトナー量の制御が可能である。
<実施の形態2>
現像器の稼働時間以外に、用紙に印刷された画像の平均カバレッジ、画像形成装置の機内湿度、および印刷線速(マシン線速とも称する)も、かぶりトナー量の変化に関係している。実施の形態2の画像形成装置1では、現像器の稼働時間(または印刷枚数)に加えて、これらの画像の平均カバレッジ、機内湿度、印刷線速に基づいてかぶりマージンが制御される。
なお、図1~図3に示す画像形成装置1のハードウェア構成および図11に示す基本的な制御手順は実施の形態2の場合も同様であるので、説明を繰り返さない。
[かぶりマージンの適否判定手順]
図15は、実施の形態2の画像形成装置において、図11のステップS130の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。以下のステップS400~S430はどの順番に実行してもよいし、並行して実行してもよい。
ステップS400において、制御部60は、稼働履歴情報66に基づいて、現時点までの評価期間内の現像器14の稼働時間を算出する。現像器14の稼働時間に代えて、現像器14の稼働時間に関係付けられる量を算出してもよい。たとえば、制御部60は、現時点までの評価期間内の画像形成装置1の印刷枚数を算出してもよい。
ステップS410において、制御部60は、印刷ジョブの原稿画像データに基づいて、用紙1枚ごとの画像の平均カバレッジの情報を取得する。
ステップS420において、制御部60は、画像形成装置1の筐体内に設けられた湿度センサー68の検出値を取得する。
ステップS430において、制御部60は、図11のステップS100で設定されたジョブの条件に基づいて、印刷線速の情報を取得する。印刷線速とは、用紙に画像を転写するときの単位時間あたりの用紙の搬送距離をいう。
次のステップS440において、制御部60は、以上のステップS400~S430において取得した情報に基づいて、判定期間内の現像器の稼働時間(または印刷枚数)、平均カバレッジ、機内温度、および印刷線速に対応する最適なかぶりマージンを決定する。以下、各パラメーターとかぶりマージンとの関係についてさらに説明する。
[平均カバレッジ]
図16は、日内印刷枚数と平均カバレッジとに応じたかぶりトナー量の制御を説明するための図である。図16(A)は、平均カバレッジが1%の場合と5%の場合とにおいて、かぶりトナー量と日内印刷枚数との関係を示す図である。図16(B)は、平均カバレッジが1%の場合と5%の場合とにおいて、日内印刷枚数に応じた適切なかぶりマージンの設定値を示す図である。図16(A)および図16(B)では、平均カバレッジが1%の場合を実線で示し、平均カバレッジが5%の場合を破線で示している。
一般に、画像の平均カバレッジが低くなると、現像器内のトナー消費量が少なくなる。この結果、現像器内に残る多くのトナーとキャリアとが擦れる回数が多くなるので、現像器内のトナーの平均帯電量が高くなる。したがって、現像器の稼働頻度(すなわち、日内印刷枚数)が一定の条件では、平均カバレッジが低いほどかぶりトナー量が多い。かぶりトナー量が増加し始める現像器の稼働頻度の閾値は、平均カバレッジが低いほど小さい。
具体的に、図16(A)に示されるように、平均カバレッジが5%の場合には、日内印刷枚数が約4000枚を超えるとかぶりトナー量が増加するのに対して、平均カバレッジが1%の場合には、日内印刷枚数が約3400枚を超えるとかぶりトナー量が増加する。また、同じ日内印刷枚数に対しては、平均カバレッジが1%の場合のほうが、平均カバレッジが5%の場合よりもかぶりトナー量が多い。
そこで、制御部60は、現像器の稼働頻度が同一の場合には、平均カバレッジが低いほどかぶりマージンを増加させる。また、制御部60は、かぶりマージンを増加させ始める現像器の稼働頻度の閾値を、平均カバレッジが低いほど小さくする。これによって、平均カバレッジの相違によらず、かぶりトナー量を適正な範囲内に収めることができる。
具体的に、図16(B)に示されるように、同じ日内印刷枚数に対しては、平均カバレッジが1%の場合のほうが、平均カバレッジが5%の場合よりもかぶりマージンは大きな値に設定される。また、平均カバレッジが1%の場合には、平均カバレッジが5%の場合に比べて、より小さな日内印刷枚数に対してもかぶりマージンを増加させる。
[機内湿度]
図17は、日内印刷枚数と機内湿度とに応じたかぶりトナー量の制御を説明するための図である。図17(A)は、機内湿度が15%の場合と65%の場合とにおいて、かぶりトナー量と日内印刷枚数との関係を示す図である。図17(B)は、機内湿度が15%の場合と65%の場合とにおいて、日内印刷枚数に応じた適切なかぶりマージンの設定値を示す図である。図17(A)および図17(B)では、機内湿度が15%の場合を実線で示し、機内湿度が65%の場合を破線で示している。
一般に、画像の機内湿度が低くなると、現像器内の水分量が少なくなるために現像器内の帯電したトナーから電荷が逃げ難くなる。この結果、現像器内のトナーの平均帯電量が高くなる。したがって、現像器の稼働頻度(すなわち、日内印刷枚数)が一定の条件では、機内湿度が低いほどかぶりトナー量が多い。かぶりトナー量が増加し始める現像器の稼働頻度の閾値は、機内湿度が低いほど小さい。
具体的に、図17(A)に示されるように、機内湿度が65%の場合には、日内印刷枚数が約4000枚を超えるとかぶりトナー量が増加するのに対して、機内湿度が15%の場合には、日内印刷枚数が約3400枚を超えるとかぶりトナー量が増加する。また、同じ日内印刷枚数に対しては、機内湿度が15%の場合のほうが、機内湿度が65%の場合よりもかぶりトナー量が多い。
そこで、制御部60は、評価期間内の稼働頻度が同一の場合には、機内湿度が低いほどかぶりマージンを増加させる。また、制御部60は、かぶりマージンを増加させ始める現像器の稼働頻度の閾値を、機内湿度が低いほど小さくする。これによって、機内湿度の相違によらず、かぶりトナー量を適正な範囲内に収めることができる。
具体的に、図17(B)に示されるように、同じ日内印刷枚数に対しては、機内湿度が15%の場合のほうが、機内湿度が65%の場合よりもかぶりマージンは大きな値に設定される。また、機内湿度が15%の場合には、機内湿度が65%の場合に比べて、より小さな日内印刷枚数に対してもかぶりマージンを増加させる。
[マシン線速]
図18は、日内印刷枚数とマシン線速とに応じたかぶりトナー量の制御を説明するための図である。図18(A)は、マシン線速が290mm/sの場合と145mm/sの場合とにおいて、かぶりトナー量と日内印刷枚数との関係を示す図である。図18(B)は、マシン線速が290mm/sの場合と145mm/sの場合とにおいて、日内印刷枚数に応じた適切なかぶりマージンの設定値を示す図である。図18(A)および図18(B)では、マシン線速が290mm/sの場合を実線で示し、マシン線速が145mm/sの場合を破線で示している。
一般に、画像のマシン線速が大きくなると、現像ローラーの回転速度が大きくなる。これにより、現像器内でトナーとキャリアとが攪拌される速度も大きくなるので、トナーとキャリアとが擦れる回数が多くなり、結果として現像器内のトナーの平均帯電量が高くなる。したがって、現像器の稼働頻度(すなわち、日内印刷枚数)が一定の条件では、マシン線速が大きいほどかぶりトナー量が多い。かぶりトナー量が増加し始める現像器の稼働頻度の閾値は、マシン線速が大きいほど小さい。
具体的に、図18(A)に示されるように、マシン線速が145mm/sの場合には、日内印刷枚数が約4000枚を超えるとかぶりトナー量が増加するのに対して、マシン線速が290mm/sの場合には、日内印刷枚数が約3400枚を超えるとかぶりトナー量が増加する。また、同じ日内印刷枚数に対しては、マシン線速が290mm/sの場合のほうが、マシン線速が145mm/sの場合よりもかぶりトナー量が多い。
そこで、制御部60は、現像器の稼働頻度が同一の場合には、マシン線速が大きいほどかぶりマージンを増加させる。また、制御部60は、かぶりマージンを増加させ始める現像器の稼働頻度の閾値を、マシン線速が大きいほど小さくする。これによって、マシン線速の相違によらず、かぶりトナー量を適正な範囲内に収めることができる。
具体的に、図18(B)に示されるように、同じ日内印刷枚数に対しては、マシン線速が290mm/sの場合のほうが、マシン線速が145mm/sの場合よりもかぶりマージンは大きな値に設定される。また、マシン線速が290mm/sの場合には、マシン線速が145mm/sの場合に比べて、より小さな日内印刷枚数に対してもかぶりマージンを増加させる。
[実施の形態2の効果]
上記のとおり、実施の形態2の画像形成装置1では、現像器の稼働頻度(または評価期間内の印刷枚数)に加えて、画像の平均カバレッジ、機内湿度、および印刷線速(マシン線速とも称する)に応じて、かぶりマージンが変更される。これによって、より精度良くかぶりトナー量を適正な範囲内に保つことができるので、感光体の表面とクリーニングブレードとの間に常に適量の静止層を形成できる。結果として、雨だれと呼ばれる点状の画像ノイズおよびスジ状の画像ノイズの無い良好な画像を形成できる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この出願の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像形成装置、10 作像ユニット、11 感光体(像担持体)、12 帯電器、12a 帯電部材、13 露光装置、14 現像器、14a 現像ローラー(現像剤担持体)、15,26 クリーナー、15a クリーニングブレード(クリーニング部材)、16,17 高圧電源、20 プリンター、21 中間転写ベルト、22 1次転写ローラー、25 2次転写ローラー、30 給紙トレイ、31 給紙ローラー、33 レジストローラー、35 定着装置、35a 定着ローラー、38 排出ローラー、60 制御部、64 操作パネル、65 記憶装置、66 稼働履歴情報、67 温度センサー、68 湿度センサー、70 高帯電量トナー、71 低帯電量トナー、72 キャリア、Va,Vb バイアス電位、Vs 帯電電位。

Claims (8)

  1. 画像形成装置であって、
    像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、
    前記像担持体の表面を露光することによって静電潜像を形成する露光装置と、
    トナーおよびキャリアを含む現像剤を担持する現像剤担持体を含み、前記現像剤担持体から供給するトナーによって前記像担持体の表面の前記静電潜像を現像する現像器と、
    前記像担持体に表面に当接してトナーを除去するクリーニング部材と、
    前記現像器の稼働頻度または前記現像器の稼働頻度に関係する量である評価量に応じて、予め定められた範囲内の量のかぶりトナーが前記像担持体に供給されるように、前記帯電部材による前記像担持体の表面の帯電電位または前記現像剤担持体のバイアス電位のうちの少なくとも一方を調整することにより、前記像担持体の帯電電位と前記現像剤担持体のバイアス電位との電位差の絶対値である操作量を調整する制御部とを備え
    前記制御部は、前記評価量が閾値に達するまでは前記操作量を変更せず、前記評価量が前記閾値を超えると前記評価量に応じて前記操作量を変更し、
    前記制御部は、前記画像形成装置によって印刷する画像の平均カバレッジ、前記画像形成装置の機内湿度、または印刷線速のうちの少なくとも1つ応じて、前記閾値および前記操作量を変更する、画像形成装置。
  2. 前記現像器の稼働頻度に関係する量は、現時点までの評価期間内の印刷枚数または前記評価期間内の前記現像剤担持体の積算回転数である、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記評価量が前記閾値を超えた場合に、記評価量が増加するほど、前記操作量を増加させる、請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記平均カバレッジが減少するほど、前記閾値を減少させ、前記操作量を増加させる、請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、前記機内湿度が減少するほど、前記閾値を減少させ、前記操作量を増加させる、請求項1~4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、前記印刷線速が増加するほど、前記閾値を減少させ、前記操作量を増加させる、請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 画像形成装置の制御方法であって、
    前記画像形成装置は、
    像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、
    前記像担持体の表面を露光することによって静電潜像を形成する露光装置と、
    トナーおよびキャリアを含む現像剤を担持する現像剤担持体を含み、前記現像剤担持体から供給するトナーによって前記像担持体の表面の前記静電潜像を現像する現像器と、
    前記像担持体の表面に当接してトナーを除去するクリーニング部材とを備え、
    前記制御方法は、
    制御部が、前記画像形成装置の経時的な稼働状況を記憶装置に記憶させるステップと、
    前記制御部が、前記経時的な稼働状況に基づいて、前記現像器の稼働頻度または前記現像器の稼働頻度に関係する量を評価量として算出するステップと、
    前記制御部が、前記評価量に応じて、予め定められた範囲内の量のかぶりトナーが前記像担持体に供給されるように、前記帯電部材による前記像担持体の表面の帯電電位または前記現像剤担持体のバイアス電位のうちの少なくとも一方を調整することにより、前記像担持体の帯電電位と前記現像剤担持体のバイアス電位との電位差の絶対値である操作量を調整するステップとを備え
    前記操作量を調整するステップは、前記制御部が、前記評価量が閾値に達するまでは前記操作量を変更せず、前記評価量が前記閾値を超えると前記評価量に応じて前記操作量を変更するステップを含み、
    前記制御方法はさらに、前記制御部が、前記画像形成装置によって印刷する画像の平均カバレッジ、前記画像形成装置の機内湿度、または印刷線速のうちの少なくとも1つ応じて、前記閾値および前記操作量を変更するステップを備える、画像形成装置の制御方法。
  8. 画像形成装置の制御プログラムであって、
    前記画像形成装置は、
    像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、
    前記像担持体の表面を露光することによって静電潜像を形成する露光装置と、
    トナーおよびキャリアを含む現像剤を担持する現像剤担持体を含み、前記現像剤担持体から供給するトナーによって前記像担持体の表面の前記静電潜像を現像する現像器と、
    前記像担持体に表面に当接してトナーを除去するクリーニング部材とを備え、
    前記制御プログラムは、コンピューターに、
    前記画像形成装置の経時的な稼働状況を記憶装置に記憶させるステップと、
    前記経時的な稼働状況に基づいて、前記現像器の稼働頻度または前記現像器の稼働頻度に関係する量を評価量として算出するステップと、
    前記評価量に応じて、予め定められた範囲内の量のかぶりトナーが前記像担持体に供給されるように、前記帯電部材による前記像担持体の表面の帯電電位または前記現像剤担持体のバイアス電位のうちの少なくとも一方を調整することにより、前記像担持体の帯電電位と前記現像剤担持体のバイアス電位との電位差の絶対値である操作量を調整するステップとを実行させ
    前記操作量を調整するステップは、前記評価量が閾値に達するまでは前記操作量を変更せず、前記評価量が前記閾値を超えると前記評価量に応じて前記操作量を変更するステップを含み、
    前記制御プログラムはさらに、前記コンピューターに、前記画像形成装置によって印刷する画像の平均カバレッジ、前記画像形成装置の機内湿度、または印刷線速のうちの少なくとも1つ応じて、前記閾値および前記操作量を変更するステップを実行させる、画像形成装置の制御プログラム。
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