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JP7460013B1 - 電子部品搭載基板及び電子機器 - Google Patents

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JP7460013B1
JP7460013B1 JP2023202349A JP2023202349A JP7460013B1 JP 7460013 B1 JP7460013 B1 JP 7460013B1 JP 2023202349 A JP2023202349 A JP 2023202349A JP 2023202349 A JP2023202349 A JP 2023202349A JP 7460013 B1 JP7460013 B1 JP 7460013B1
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玲季 松尾
和規 松戸
健次 安東
航 遠藤
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Artience Co Ltd
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Artience Co Ltd
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Abstract

【課題】密着性・耐傷性に優れ、加工後には部品角部の滑らかさを増せる剥落防止層を設け基板及び基板上の電子部品を強固に覆うことで、電子部品搭載などの工程作業中に人の爪や他の部品と搭載された電子部品との引掛かかりを抑え、外部ダメージによる電子部品の基板からの剥落を防止するような電子部品搭載基板を提供する。【解決手段】基板と、電子部品と、剥落防止層とを備える電子部品搭載基板であって、当該剥落防止層は(1)下記[式1]で求められる、静摩擦係数の変化率Xを-50%以上200%以下に、(2)下記式2で求められる指数Yを0.8以上20.0以下とすることにより解決される。[式1]X=(μk300-μk100)/μk100×100)[式2]Y=R2/(R1+A1)。【選択図】 図1

Description

本発明は、電子部品搭載基板及び電子機器に関する。
スマートフォン、ウェアラブル機器をはじめとする端末系の電子機器は多種多様な環境で使用されることから、過酷な条件下でも誤作動を生じることの無いよう、高い信頼性が求められている。更には電子機器の小型化・低背化が進んだことで使用される電子部品搭載基板のサイズも小型化し、基板と電子部品の接地面積も縮小している。これに伴い電子部品と基板との密着性が低下し基板から電子部品が剥落する原因となっている背景から、物理的ダメージ、熱や湿度から電子部品の破損や滑落を防ぐ必要性が高まっている。
そこでICチップやMLCC(積層セラミックコンデンサ)といった電子部品を樹脂層で埋めることで電子部品を外部ダメージから保護する方法が知られている(特許文献1)。
しかし電子部品搭載基板の低背化やコストカットの観点から、より薄く、加工後の厚みを抑えた保護層の形成が求められている。
特開2021-004314号公報
前述のとおり、被覆保護された電子部品搭載基板に関する発明が開示されているが、保護層を薄膜化すると、以下に述べる多くの課題が生じており、これら課題を一挙に解決できる電子部品搭載基板が望まれている。
電子機器を組み立てる工程では、はんだや接着剤を用いて基板に種々の電子部品を搭載する、いくつもの作業工程を挟む。電子部品搭載基板とした後に電子機器への組み立てや信頼性試験等の工程を経るが、当該作業中に人の爪や他の部品と搭載された電子部品とが引掛かることによる基板からの剥落や位置ずれが発生することがある。近年では積層セラミックコンデンサ(以下、MLCCと表記)等をはじめとした電子部品の小型化・低背化が急速に進んでおり、それに伴って基板との接地面積も小さくなったことで部品と基板との密着性が低下し、上記電子部品の剥落防止の重要性がより高まっている。
また、金属などの硬い部材と電子部品が接触や擦れがあった場合でも、それに耐えうる耐摩擦性や耐傷性を持つ保護部材が求められている。さらに高温高湿の環境下長期間使用しても保護部材が剥離しない信頼性の高い電子部品搭載基板が求められている。
本発明の課題は、小型化・低背化した電子部品搭載基板においても、耐摩耗性、耐傷性に優れ、外部ダメージによって電子部品が落剥しにくく、高温高湿下で長期にわたり使用可能な信頼性の高い電子部品搭載基板を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下の特徴を有する物品(電子部品搭載基板、剥落防止層及び剥落防止シート)を用いることにより、前記課題を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すことを特徴とする電子部品搭載基板、剥落防止層及び剥落防止シート、に関する。
[1]:基板と、前記基板の少なくとも一方の面に搭載された電子部品と、前記基板及び前記電子部品を被覆する剥落防止層とを備え、前記剥落防止層が(1)(2)を全て満たすことを特徴とする、電子部品搭載基板。
(1)下記[式1]で求められる、静摩擦係数の変化率Xが-50%以上200%以下である。
X=(μk300-μk100)/μk100×100 [式1]
(μk100;剥落防止層の往復摩耗試験100回目での静摩擦係数、μk300;剥落防止層の往復摩耗試験300回目での静摩擦係数)
(2)下記[式2]で求められる指数Yが0.8以上20.0以下である。
Y=R2/(R1+A1) [式2]
(R1;電子部品搭載基板の断面における電子部品角部の曲面の曲率半径、R2;電子部品搭載基板の断面における剥落防止層の角部の曲率半径、A1;電子部品搭載基板の断面における剥落防止層の角部厚み)
[2]:前記剥落防止層は、バインダー(A)と、フィラー(B)とを含み、
前記フィラー(B)のBET比表面積[m2/g]と前記剥落防止層100質量%中の前記フィラー(B)の含有率[質量%]との積が0.01~15[質量%・m2/g]である、[2]記載の電子部品搭載基板。
[3]:前記剥落防止層の厚みA2が5~300μmであることを特徴とする、[1]記載の電子部材搭載基板。
[4]:[1]~[3]いずれかに記載の電子部品搭載基板が搭載された電子機器。
本開示により、小型化・低背化した電子部品搭載基板においても、長期にわたり外部ダメージによる電子部品の落剥が抑制された電子部品搭載基板及び、これを搭載する電子機器を提供できる。
本実施形態に係る電子部品搭載基板の模式的な断面図である。 指数Yを構成する電子部品角部曲面上のR、R、Aを明示した、本実施形態に係る電子部品搭載基板の模式的な断面図である。 本実施形態に係る電子部品搭載基板の製造工程のフローの一部を示した図である。 本実施形態に係る電子部品搭載基板の一例を示す模式的断面図である。 実施例に係る電子部品搭載基板の評価方法を示した図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
《電子部品搭載基板》
本発明の電子部品搭載基板は、図1に示すように、基板1と、基板1上に実装された電子部品2と、基板1及び電子部品を被覆保護する剥落防止層3、を含む。前記基板1または電子部品2は樹脂成分を含む領域を持ち(不図示)、剥落防止層3はその表面を被覆する。
基板1は、電子部品2を搭載可能であり、且つ各用途の成形プロセスに耐え得る基板であればよく、任意に選択できる。基板1には、電極・配線パターン、ビア(不図示)等を任意に設けることができる。基板はリジッド性を有するものでも、フレキシブル性を有するものでもよい。例えば銅箔等からなる導電パターンが表面及び/又は内部に形成されたワークボード、実装モジュール基板、プリント配線板、ビルドアップ法等により形成されたビルドアップ基板が挙げられる。
電子部品2は、例えば、コネクタ、フィルムコンデンサ、ICチップのようにウエハやワイヤーをモールディングした部品、インダクタ、サーミスタ、MLCC、コイル、ダイオード、電解コンデンサ、水晶振動子等が挙げられる。これらの中でもMLCC、ICチップの小型化が進んでいることから本発明に適用する対象として好ましい。
電子部品2を複数搭載する場合、それぞれの形状及び高さは同一でも、異なっていてもよい。
電子部品2の大きさや高さは特に限定されないが、昨今の小型化・低背化の背景から、高さは3mm以下が好ましい。ICチップの形状は矩形の他、円筒形、コイン型、薄膜型などでもよい。MLCCは、主流パッケージサイズである0402(長さ0.4mm、幅0.2mm)、0603(長さ0.6mm、幅0.3mm)が好ましいが、他の1005や1608といった大型のものが搭載されていてもよい。インダクタの形状は、ソノレイド、ドーム型コイル、平板型コイルなどを含む。サーミスタは表面実装用の矩形や円柱形、リードタイプ等を含む。
電子部品2は半田バンプ4を介して基板と電気的に接続されていてもよく、電子部品から延長される接続端子と基板が直接接続されていてもよい。電子部品2が半田バンプ4を介して基板と接続される場合、図1に示すように電子部品2と基板1の間には中空部分5が生じる。
剥落防止層3は前記中空部分5を維持するようにして電子部品2と基板1を被覆保護してもよく、中空部分5を埋めるように被覆保護してもよい。
剥落防止層は後述する方法によって製造することができる。
剥落防止層3は、基板及び前記電子部品を被覆する。図1においては、電子部品2の上面から側面、更に、基板1の全面または一部の端面に亘り被覆されている。つまり、電子部品2の搭載によって形成された段差部(凹凸部)に追随するように被覆され被覆層3が設けられている。剥落防止層3は、剥落防止層3の前駆体である剥落防止シートを用いて形成される。本剥落防止シートから剥落防止層3を形成する方法は限定されないが、プレス成形法、3次元表面被覆工法であるTOM(Three dimension Overlay Method)成形法、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法、射出成形法のいずれか一つの方法が好適である。これらの中でも、本剥落防止シートはプレス成形法が特に好適である。
図1の例においては、基板1の片方の表面上に電子部品2を搭載する例を説明したが、基板の両面に電子部品2を搭載し、基板の両面を剥落防止層により被覆してもよい。
《剥落防止層》
次いで本発明の剥落防止層についてより詳細に説明する。剥落防止層は、上述の通り基板上に配置された電子部品群を搭載基板上からの剥落することを防止するためのものである。
剥落防止層は、以下の(1)及び(2)を全て満たす。
(1)下記式1で求められる、静摩擦係数の変化率Xが-50%以上200%以下である。
(2)下記式2で求められる指数Yが0.8以上20.0以下である。
なお、これらの数値X及びYは下記に示す[式1]及び[式2]で算出する値であり、X、Yの測定はそれぞれ実施例に記載の方法・条件に従う。
《静摩擦係数の変化率X》
剥落防止層の往復摩耗試験により得られる静摩擦係数の変化率X(以下、静摩擦係数の変化率X)は以下の[式1]で表すことができる。
X=(μk300-μk100)/μk100×100 [式1]
ここで、μk100は、剥落防止層の往復摩耗試験100回目での静摩擦係数であり、μk300は剥落防止層の往復摩耗試験300回目での静摩擦係数である。
上記の静摩擦係数μk100、μk300の測定方法は実施例で詳細を記載する。
静摩擦係数の変化率Xは、摩耗試験機を用いて試験し、測定時の静摩擦係数が安定したときの回数と耐摩耗性の有無を判断する基準となる回数とで比較するため、100回目の静摩擦係数μk100と、耐摩耗性の有無の指標となる300回目の静摩擦係数μk300を用いて算出する。静摩擦係数の変化率Xは、往復摩耗試験を続けたときに一定の静摩擦係数を保つ状態、すなわち耐摩耗性を確認する指標となる。また静摩擦係数の変化率Xが正の場合は摩耗の進行を表し、大きい値程耐摩耗性が低いことを示す。負の場合は摩耗の進行が少なく剥落防止層表面での滑りが増したことを示すが、これは膜表面が削れた際に露出したフィラーや、剥落防止層表面の摩耗粉、摩擦熱の影響を受けていると考えられる。
尚、上記の摩耗試験機による試験は、安定的な測定値を得る観点から電子部品または基材の樹脂含有領域上に形成された剥落防止層の平滑な面に対して行う。前記樹脂領域とは、モールド樹脂やガラスエポキシ樹脂等の表面が樹脂によって覆われている部位を示す。
本発明における静摩擦係数の変化率Xは、-50%以上200%以下であることで、電子部品搭載基板上の剥落防止層の耐摩耗性を良化することができる。Xは、-25%以上150%以下が好ましく、-5%以上100%以下がより好ましい。剥落防止層上における、変化率Xを上記範囲とすることで、剥落防止層に傷が付きにくくなり、耐摩耗性及び耐傷性が向上する。
[制御の方法]
剥落防止層の静摩擦係数の変化率Xを制御する方法は、従来公知の方法を含めた、あらゆる方法を適用することができる。例えば、配合成分の調整により剥落防止層表面を硬くすることで摩擦に対する耐性を向上させる方法、剥落防止層にワックス成分等を添加し補油面の滑り性を向上させる方法、添加する粒子状成分の低減や形状変更で表面の凹凸を減らす方法(表面の摩擦係数の低減)、剥落防止層の耐熱性を上げる方法、電子部品搭載基板上へ剥落防止層の前駆体となる剥落防止シートを形成する際に使用する保護フィルムの種類により表面の凹凸を低減させる、といった方法が挙げられる。剥落防止層表面の耐摩耗性を制御する方法としては、例示した方法に限定されるものではないが、剥落防止層中の硬化剤量を増やし表面を硬くする方法か、剥落防止層中の粒子状物質の量及び形状を調整し表面の凹凸を減らす方法であれば、特に前/後処理も行う必要がなくなるため、生産性の観点から好ましい。
《指数Y》
本発明における剥落防止層は下記[式2]で求められる、指数Yが0.8以上、20.0以下である。上記数値範囲とすることで電子部品搭載基板表面を滑らかに被覆し電子部品の剥落を防止する適度な形状が得られる。
剥落防止層厚みの均一性(部品への追従性)や電子部品角部の厚み担保の観点からは0.9以上12.0が好ましく、1.0以上5.0以下がより好ましい。

Y=R/(R+A) [式2]

なお、[式2]におけるR、R、Aは、図2に示す電子部品搭載基板を基板面に対し垂直に断面を取った際の断面の測定値から求められ、電子部品搭載基板の断面における電子部品角部の曲面の曲率半径をR、その上に搭載された、電子部品搭載基板の断面における剥落防止層の角部の曲率半径をR、電子部品搭載基板の断面における剥落防止層の角部厚みをA(以下、剥落防止層の角部厚みA)とする。
電子部品搭載基板の断面は、ダイシングや研磨法を用いて断面出しを行い、その断面を例えばデジタルマイクロスコープ VHX-7000(キーエンス社製)を用いた測長測定でR、R、Aを求めることができる。
なお、曲率半径R及びRは各角部における最も引掛りが起きやすい箇所を示すため、各角部での測定時に最小値となるような曲率半径を指す。
指数Yは、電子部品の角部と、電子部品上の剥落防止層角部との、滑らかさの変化を表す値であって、指数Yを上記範囲とすることで、電子部品搭載基板の検査時や後工程で電子部品搭載基板を電子機器へ搭載する時などに発生する、電子部品と爪や他の部品との引掛りによる電子部品の剥落を防止することができる。
指数Yは、加工時の剥落防止シートの電子部品に対する追従性及び流動性を調整することにより制御できる。具体的には、後述の剥落防止シートを構成するバインダー(A)及びフィラー(B)の選択により調整する方法、剥落防止シート加工時の加工条件(加工温度、加工時間、加圧条件、真空度等)を調整することで基板及び電子部品への剥落防止シートの追従性を調整する方法、剥落防止シート加工時の積層構成の変更により剥落防止シートの流動性を制御する方法、が挙げられる。それぞれ異なった方法を適用することもでき、あるいは共通した方法を適用することもできる。
《バインダー(A)》
剥落防止層は、バインダー(A)を含む。バインダー(A)は剥落防止層の基体となり、後述するフィラー(B)やその他の任意成分を担持する機能をもつ。バインダー(A)は、熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂及び硬化性化合物、のいずれかを用いることができる。
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、ジエン系樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリマー、フッ素樹脂等が挙げられる。特に限定するものではないが、耐熱性の観点から、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリマー、フッ素樹脂がより好ましい。
熱可塑性樹脂は、単独または2種類以上併用できる。
[熱硬化性樹脂]
熱硬化性樹脂は、硬化性化合物と反応可能な官能基を複数有する樹脂である。官能基は、例えば、水酸基、フェノール性水酸基、酸無水物基、メトキシメチル基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリン基、オキサジン基、アジリジン基、チオール基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、ブロック化カルボキシル基、シラノール基等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、例えば、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フェノール系樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ポリ乳酸樹脂、オキサゾリン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の公知の樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、単独または2種類以上併用できる。
これらの中でも耐熱性の点から、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好ましい。
[硬化性化合物]
硬化性化合物は、熱硬化性樹脂の官能基と反応可能な官能基を複数有している。硬化性化合物は、例えばエポキシ化合物、酸無水物基含有化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、アミン化合物、フェノール化合物、有機金属化合物等の公知の化合物が挙げられる。
硬化性化合物は、単独または2種類以上併用できる。
硬化性化合物は、2官能以上であることが好ましく、3官能以上の硬化性化合物を含有することがより好ましい。架橋密度を調整し、後述の電子部品搭載基板成型時における加工適正と剥落防止シートの前駆体である組成物の経時安定性を両立させる観点では、2官能の硬化性化合物と3官能以上の硬化性化合物を併用させることが望ましい。
前記組成物の硬化性化合物の含有量によっても調整できる。後述のように硬化性化合物の含有量を調整することで、剥落防止層に強固な架橋構造が形成されるようになり、剥落防止層と基材との密着性を上げ信頼性が向上する。
2官能の硬化性化合物は、熱硬化性樹脂100質量部に対して各種1~50質量部含むことが好ましく、15~30質量部含むことがより好ましい。2官能の硬化性化合物量が1質量部以上にすることで剥落防止層に強固な架橋構造を形成し熱的ダメージへの耐性を向上させる。更に15質量部以上にすることで剥落防止層の表面の硬度や強度を調整し、耐摩耗性を向上させることができる。一方、硬化性化合物量が50質量部以下であることで、剥落防止層の過剰な硬化を抑制し、剥落防止シート硬化後の収縮による割れを抑制する。
3官能以上の硬化性化合物は、熱硬化性樹脂100質量部に対して各種0.2~20質量部含むことが好ましく、0.3~5質量部含むことがより好ましく、0.8~3質量部含むことが更に好ましい。0.8質量部以上であることで、剥落防止層と基材との密着性が上がり、信頼性を向上させることができる。また、3官能以上の硬化性化合物が5質量部以下であることで、後述する電子部品搭載基板の製造工程において、加熱加圧時に剥落防止シート6が電子部品の形状に追随して変形し、欠陥のない剥落防止層を形成することができる。
[滑剤]
本剥落防止層は、ワックス等の滑剤を含んでいてもよい。これらを添加することにより、剥落防止層表面の滑り性が増し、耐摩耗性が改善できる。剥落防止層表面を割れにくくするために信頼性の向上も期待できる。例えばワックスとしては、蜜蝋、ラノリンワックス、鯨蝋、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木蝋、ホホバ油、パーム油等の動植物系ワックス;モンタンワックス、オゾゲライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の鉱物、石油系ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、テフロン(登録商標)ワックス等の合成ワックス、等が挙げられる。
《フィラー(B)》
剥落防止層は、フィラー(B)を含む。フィラー(B)の種類、平均粒子径、及び添加量を適宜変更することにより、指数Y及び静摩擦係数の変化率Xをコントロールする。また、剥落防止層中の凝集力を調整し、最大点応力T、といった機械的性質を良好な範囲とすることができる。
絶縁性が求められる場合には絶縁性フィラーを、導電性が求められる場合には導電性フィラーを、電磁波吸収性が求められる場合には電磁波吸収フィラーを用いる。フィラーの形状は適宜選定できる。例えば、フレーク状、針状、球状、デンドライト状、繊維状フィラーが挙げられる。形状の異なるフィラーを併用してもよい。好適例として、平均粒子径が10倍以上異なる球状フィラーの組み合わせや、フレーク状フィラーとデンドライト状フィラーの組合せが挙げられる。
絶縁性フィラーは、例えば、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素マグネシウム、炭化ケイ素、チタニア、ガラス、セラミック等の非金属無機フィラーが挙げられる。絶縁性フィラーは、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
導電性フィラーは、金属フィラー、導電性セラミックスフィラー及びそれらの混合物が例示できる。金属フィラーは、金、銀、銅、ニッケル等の金属粉、ハンダ等の合金粉、銀コート銅粉、金コート銅粉、銀コートニッケル粉、金コートニッケル粉のコアシェル型フィラーが例示できる。優れた導電特性を得る観点から、銀を含有する導電性フィラーが好ましい。コストの観点からは、銀コート銅粉が特に好ましい。
電磁波吸収フィラーとして、例えば、鉄、Fe-Ni合金、Fe-Co合金、Fe-Cr合金、Fe-Si合金、Fe-Al合金、Fe-Cr-Si合金、Fe-Cr-Al合金、Fe-Si-Al合金等の鉄合金、Mg-Znフェライト、Mn-Znフェライト、Mn-Mgフェライト、Cu-Znフェライト、Mg-Mn-Srフェライト、Ni-Znフェライト等のフェライト系物質並びに、カーボンフィラーなどが挙げられる。カーボンフィラーは、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノナノチューブからなるフィラー、グラフェンフィラー、グラファイトフィラー及びカーボンナノウォールが例示できる。
フィラー(B)の平均粒子径は0.005~50μmが好ましい。剥落防止層表面の平滑性を保ち、摩耗した際の摩耗粉の影響を低減させ、耐摩耗性を向上させる観点からは、0.02~20μmがより好ましい。
剥落防止層100質量%中のフィラー(B)の含有率は、0.1~80質量%であることが好ましく、剥落防止層表面からフィラー(B)の脱落を抑えつつ表面特性を改善し耐傷性を向上させる観点からは、1.0~35質量%であることがより好ましい。フィラー(B)の含有量が35質量%以下である場合、耐摩耗性が良化する。
剥落防止層中のフィラー(B)のBET比表面積[m/g]と剥落防止層100質量%中の含有率[質量%]との積(以下、比表面積と含有率の積)は0.01~15であることが好ましく、0.1~10であることがより好ましい。フィラー(B)が2種類以上用いる場合、この比表面積と含有率の積は、剥落防止層に含まれる各種フィラー(B)それぞれで求められる比表面積と含有率の積の総和とする。
比表面積と含有率の積が上記範囲内であると、フィラー(B)が剥落防止シート中で補強材となるように働くため、後述する電子部品搭載基板の製造工程において、加熱加圧時に剥落防止シート6の破断を防ぎ、欠陥のない剥落防止層を形成することができる。
また、比表面積と含有量の積が15以下である場合、基材及び電子部品への剥落防止層の密着性を担保することで、耐傷性及び剥落防止性を最適化することができる。
フィラー(B)のBET比表面積[m/g]は0.1~150が好ましい。
本剥落防止シートは、柔軟性調整剤を含んでいてもよい。柔軟性調整剤により、剥落防止シートの成形加工時の皺や破れを改善できる。柔軟性調整剤としては、可塑剤、それ自体科学的に反応性の無い不活性な熱可塑性樹脂が例示できる。
前記可塑剤として、例えば脂肪酸エステル、フタル酸エステル、芳香族多価カルボン酸エステル、ポリエステルが挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、トリメリット酸トリオクチル(TOTM)、三菱ガス化学トレーディング社製、ブチルステアレート、ユニスターM-9676、ユニスターM-2222SL、ユニスターH-476、ユニスターH-476D、パナセート800B、パナセート875、パナセート810(以上、日油製)、DBA、DIBA、DBS、DOA、DINA、DIDA、DOS、BXA、DOZ、DESU(以上、大八化学製)が例示できる。フタル酸エステルとしては、DMP、DEP、DBP、#10、BBP、DOP、DINP、DIDP(以下、大八化学製)、PL-200、DOIP(以上、シージーエスター製)、サンソサイザーDUP(新日本理化製)が例示できる。芳香族多価カルボン酸エステルとしては、TOTM(大八化学製)、モノサイザーW-705(大八化学製)、UL-80、UL-100(ADEKA製)が例示できる。ポリエステルとしては、ポリサイザーTD-1720、ポリサイザーS-2002、ポリサイザーS-2010(以上、DIC製)、BAA-15(大八化学製)が例示できる。
これらの中でも、DMP、DEP、DBP、DOP、DINP、DIDP、TOTMがより好ましい。可塑剤は1種単独、若しくは2種以上を併用して用いられる。
前記イナートな熱可塑性樹脂として、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、ジエン系樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリマー、フッ素樹脂が例示できる。特に限定するものではないが、耐熱性の観点から、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリマー、フッ素樹脂がより好ましい。
更に、本剥落防止シートは、基板及び電子部品との密着性向上のために粘着付与樹脂を含んでいてもよい。粘着付与樹脂とは、粘着力を補助的に向上させる成分であって、重量平均分子量が5,000未満であり、上記熱可塑性樹脂、バインダーとは区別されるものである。粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂環式系石油樹脂、及び芳香族系石油樹脂が例示できる。
本剥落防止シートは、更に、着色剤、UV発色剤、難燃剤、滑剤、ブロッキング防止剤等を含んでいてもよい。着色剤としては、例えば、有機顔料、カーボンブラック、群青、弁柄、亜鉛華、酸化チタン、黒鉛、及び、染料等が挙げられる。UV発色剤としては、例えば、蛍光顔料、蛍光染料、蛍光体等が挙げられる。難燃剤としては、例えば、ハロゲン含有難燃剤、りん含有難燃剤、窒素含有難燃剤、無機難燃剤等が挙げられる。滑剤としては、例えば、脂肪酸エステル、炭化水素樹脂、パラフィン、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪族アルコール、金属石鹸、変性シリコーン等が挙げられる。ブロッキング防止剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、ポリメチルシルセスキオサン、ケイ酸アルミニウム塩等が挙げられる。また、これらのうちの1種類または複数種類を併用して用いてもよい。
《剥落防止層の厚みA
剥落防止層の厚みAは5~300μmであることが、電子部品の剥落防止性(耐摩耗性、耐傷性)と薄膜化を両立する観点から好ましく、15~200μmであることがより好ましい。尚、図2に示すように、上記厚みAは電子部品の断面画像において、電子部品の上面領域に形成された最も厚みのある個所の測定値である。
《剥落防止層の最大点応力T》
剥落防止層の最大点応力Tとは、JIS K 7162に準拠した引張試験で得られた値である。具体的には、100℃の雰囲気下(大気中、50%RH)にて、有効引っ張りサイズ20×23mmの剥落防止層を50mm/分で引っ張った際の最大時の応力Tのことである。
最大点応力Tは1MPa以上100MPa以下であることが好ましく、15MPa以上40MPa以下であることがより好ましい。
最大点応力Tが1MPa以上である場合、耐摩耗性や耐傷性を向上することができる。一方、最大点応力Tが100MPa以下である場合、電子部品へ剥落防止層を形成する際に、剥落防止シートの電子部品に対する追従性を向上させる。更に、剥落防止層―基板間、あるいは剥落防止層―電子部品間での空隙の発生や、剥落防止層の割れやクラックが生じやすくなるために電子部品の剥落や角部での剥落防止層の破断が発生、といった外観及び加工の不良を抑制することができる。
剥落防止層の最大点応力Tは、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の選択、本剥落防止層中の架橋密度、及びフィラーの選択により調整できる。架橋密度について、剥落防止層を形成するための組成物中の硬化性化合物の官能基数、当量を調整する方法が好適である。フィラーの選択については、フィラーの材質や形状、大きさ、表面状態、比表面積、添加量等の因子から選択できるが、フィラーの比表面積と添加量を考慮した選択が好適である。
《剥落防止層のTg》
剥落防止層のTgは、動的粘弾性測定装置を用いて測定した値であり、剥落防止層のTgが複数確認できる場合はtanδが最も高い値を示すものとする。5℃以上180℃以下が好ましく、20℃以上80℃以下がより好ましい。Tgを5℃以上180℃以下とし剥落防止層の流動性を調整することで、剥落防止層を最適な形状に加工でき、指数Yを最適な範囲にすることができる。また、Tgを20℃以上80℃以下にすることで摩耗による摩擦熱や後工程での検査における熱的ダメージへの耐性も両立させ、信頼性を向上させることができる。
バインダー(A)が熱硬化性樹脂を含む場合、当該最大点応力T及びTgは加熱硬化後のものを指す。
《剥落防止シート》
剥落防止シートは剥落防止層の前駆体である。剥落防止シートが熱硬化性樹脂を含む場合、剥落防止シートを所定以上の時間、温度で加熱し、硬化反応を起こすことによって剥落防止層となる。剥落防止シートは表面保護のために、片面あるいは両面に剥離性シートを具備していてもよい。また、後述する剥落防止シートによる被覆保護工程において用いられるクッション材があらかじめ積層されていてもよい。
《剥落防止シートの製造方法》
剥落防止シートの製造方法は、特に限定されないが、例えば、剥落防止層を形成する上記バインダー(A)等の材料を溶媒等に溶解させた組成物を、剥離シートに塗布する方法等が挙げられる。塗布方法として、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレード方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピコート方式、ディップコート方式、又は、各種印刷方式等が挙げられる。
本発明の剥落防止シートは、所望の厚みを実現するために2枚以上の剥落防止シートを積層してもよい。前述のように積層された構成物については、剥落防止シートのみから構成されていてもよく、中間層として特定の機能を有する層を含んでいてもよい。
《剥落防止シートの用途》
本発明の剥落防止シートは、各種基板、すなわち、リジッド基板、FPC基板など各種基板と、それに搭載された電子部品の保護に好適に用いることができる。
また、本発明の剥落防止シートは、基板が、金属、樹脂、繊維、セラミック、ガラス、及び導電性シリコーンのいずれである場合にも、実用上十分な密着力を示す。金属としては、アルミニウム、銅、真鍮、ステンレス、鉄、クロムなどに使用できる。樹脂としてはエポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン系グラフトポリマー、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどに使用できる。それゆえに本剥落防止シートは極性の異なる異種材料間の密着にも好適に用いることができる。
《電子部品搭載基板の製造方法》
電子部品搭載基板の製造方法について説明する。
本発明の電子部品搭載基板の製造方法は、1つ以上の電子部品を基板上に実装する工程(工程i)、剥落防止シートを用意する工程(工程ii)、前記電子部品のうち、最も高さの高い電子部品と、剥落防止シートが接するように剥落防止シートを載置する工程(工程iii、仮張り工程ともいう)、加熱加圧により前記剥落防止シートを個々の電子部品の形状に沿うように変形させ、前記電子部品及び基板の少なくとも一部を被覆する工程(工程iv)、変形した剥落防止シートを変形した状態で硬化させ剥落防止層を形成する工程(工程v)により、電子部品搭載基板を本発明の剥落防止シートから形成される剥落防止層により被覆保護することができる。工程ivと工程vとは一連の工程とすることもできる。
以下、工程iii~工程vについて図3を用いて、剥落防止シートを用いた加熱加圧による電子部品搭載基板の被覆保護方法の一例を説明する。
(工程iii;剥落防止シート載置工程)
基板1に電子部品2が直接または半田バンプ4によって実装された実装基板100を用意する。電子部品2は半導体チップ、コンデンサ、トランジスタ、インダクタ、サーミスタ等であり基板1に半田バンプ4を介して実装されていてもよく、電子部品2と基板1に間隙が存在していてもよい。またそれぞれの電子部品2は高さが異なっていてもよい。
次いで電子部品2の実装面上に、所定のサイズにカットした剥落防止シート6を載置する。剥落防止シート6は電子部品2の高さのあるものと接触し仮貼りされる。なお、剥落防止シート6がしなり、他の電子部品2と接触することもある(図3では図示せず)。
尚、剥落防止シート6にはクッション材7を積層しても良く、図3はクッション材7を使用した例を示す。クッション材7は剥落防止シート6を載置した後に積層しても良く、あらかじめ剥落防止シート6とクッション材7とを重ねた積層体を載置しても良い。上記クッション材7とは加熱加圧時に軟化もしくは溶融する材料であり、剥落防止シート6の電子部品2への、そして電子部品同士の隙間への追随性を促す機能を有する。
クッション材7は、例えば熱可塑性を有する素材であれば特に限定されないが、加圧時の温度よりも低い溶融温度及びガラス転移点(Tg)であることが好ましい。好適な例として、ポリオレフィン系フィルム、塩化ビニルフィルム、PVAフィルムが例示できる。溝の深さによるが通常、100μm~1mm程度である。クッション材7を複数積層する場合には、合計の厚みがこの範囲にあることが好ましい。
尚、本願に示した電子部品搭載基板は一例であって、電子部品と基板の構造は特に限定されるものではなく、電子部品2と基板1との間には隙間があってもなくともよい。実装する電子部品の配置位置は限定されない。
(工程iv;電子部品及び基板の少なくとも一部を被覆する工程)
次いで、加熱加圧機20により加熱加圧を行うことで、前記剥落防止シート6が変形し、個々の電子部品の形状に沿うように、即ち電子部品2の上面と側面に沿うように変形させ、電子部品群及び基板1の少なくとも一部に追従させる。クッション材7は熱によって軟化もしくは溶融し剥落防止シート6の実装基板100の電子部品間の凹凸への追随を促す。
加熱加圧時において加熱加圧機20とクッション材7との間に、剥離性シートを介する方法も好ましい。剥離性シートは、紙やプラスチック等の基材に公知の剥離処理を行ったシートである。また、テフロン(登録商標)等の極性が低いプラスチックシートを用いることもできる。
加熱温度は、剥落防止シート6が適度に軟化し、個々の電子部品の形状に沿い、変形し、個々の電子部品同士の間隙に入り込める温度であればよく、100~260℃であることが好ましく、120~240℃であることがより好ましい。温度が低すぎると搭載された個々の電子部品同士の間隙への剥落防止シート6の入り込み性が低下する。一方で、温度が高すぎると、剥落防止シート6の熱硬化性樹脂の熱硬化反応が急速に進み、搭載された電子部品間への剥落防止シートの入り込み性が低下する。
加熱加圧する場合の圧力は、0.01~15MPaが好ましく、0.1~6.0MPaがより好ましい。上記の圧力で加熱加圧することで、電子部品を破損することなく、埋め込み性がより向上する。
加熱時間は、通常0.5~30分であり、1~20分の範囲が好ましい。加熱時間が短すぎると搭載された電子部品間への剥落防止シート6の入り込み性が低下する。一方で時間が長すぎると、熱硬化性樹脂の熱分解や酸化が起こりやすくなり、反応生成物などによる接着部位の信頼性低下の可能性が増す。上記加熱加圧工程は真空状態で行うことが好ましい。
加熱加圧の方法として、加熱加圧機を用いる他に、所定の圧力になるよう適度な重量の金属板を積層し、この積層物をオーブンに投入する方法も好ましい。
一方、加熱加圧機以外の加熱加圧方法としては、真空成形法または真空圧空成形も好ましい。
(工程v;変形した剥落防止シートの硬化工程)
剥落防止シート6が熱硬化性樹脂を含む場合、加熱加圧後、剥落防止シート6を変形した状態で、更に150℃~230℃の温度で10分から60分加熱することにより、剥落防止シート6中の熱硬化性樹脂を熱硬化し、剥落防止層3を形成する。剥落防止層は電子部品及び基板と強固に接着し、外部の衝撃や擦傷から電子部品の破損を防止、保護するための剥落防止層として機能する。尚、(工程iv)の段階で加熱加圧の温度を150℃以上、時間を30分以上とすることで、熱硬化を完了させ剥落防止層3を形成することもできる。
本発明の電子部品搭載基板は、剥落防止層が最外層であってあることが好ましい。また、内層側に他の機能層を積層してもよい。他の機能層とは、例えば、導電性、ハードコート性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、熱伝導性、低誘電率、高誘電率性または耐熱性等の機能を有する層である。なかでも、導電性を持つ機能層は被覆保護する電子部品を電磁波ノイズから保護する目的で用いられることがある。
例えば、図4に剥落防止層上に導電性を持つ機能層8を有する電子部品搭載基板13の構成例を示す。導電性を持つ機能層8は剥落防止層3の上層に形成され、グランド9に接続される。グランド9との接続点は基板1の表面上に存在していてもよく、基板1の側面に存在していてもよい。導電性を持つ機能層8は、剥落防止層3表面上にスパッタやメッキにより金属層を形成する、あるいは導電性のある金属箔や不織布等を剥落防止層3上に積層させて形成する、といった方法によって形成することができる。
《電子機器》
本発明の電子部品搭載基板は、液晶ディスプレイ、タッチパネル等のほか、ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の電子機器に備えることが好ましい。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」に基づく値である。
《原料》
実施例で使用した原料を以下に示す。
<熱硬化性樹脂>
熱硬化性樹脂(r1):ポリウレタン樹脂(分子量(Mw)=130000、酸価10mgKOH/g、Tg=20℃)、トーヨーケム株式会社製
熱硬化性樹脂(r2):ポリウレタン樹脂(分子量(Mw)=125000、酸価10mgKOH/g、Tg=―6℃)、トーヨーケム株式会社製
熱硬化性樹脂(r3):アクリル樹脂(分子量(Mw)=55000、酸価7mgKOH/g、Tg=―20℃)、トーヨーケム株式会社製
<硬化性化合物>
硬化性化合物(c1):4官能エポキシ樹脂「TETRAD-X」(エポキシ当量=100/eq)、三菱ケミカル株式会社製
硬化性化合物(c2):2官能エポキシ樹脂「jER828」(エポキシ当量=189g/eq)、三菱ケミカル株式会社製
硬化性化合物(c3):2官能エポキシ樹脂「AER9000」(エポキシ当量=380g/eq)、旭化成イーマテリアルズ株式会社製
<滑剤>
滑剤(L1):カルナバワックス「CERACOL79」(不揮発分20%)、BYK社製
<フィラー(B)>
フィラーf1:カーボンブラック「MA100」(平均一次粒子径:24nm、BET比表面積:120m/g)三菱ケミカル社製
フィラーf2:シリカ「ウルトラシルU360」(平均一次粒子径:28nm、BET比表面積:50m/g)NANOCYL社製
フィラーf3:シリカ「アドマファインSO-C5」(平均一次粒子径:2.0μm、BET比表面積:2.1m/g)、アドマテックス社製
フィラーf4:プレート状窒化ホウ素「HP-1」(平均一次粒子径:9.0μm、BET比表面積:3.1m/g)、JFEミネラル社製
フィラーf5:シリカ「エクセリカSE-30K」(平均一次粒子径:25.1μm、BET比表面積:0.7m/g)トクヤマ社製
フィラーf6:フレーク状銀粉「FA-S-18」(平均一次粒子径:3.1μm、BET比表面積:2.0m/g)、DOWA社製
フィラーf7:デンドライト状銀コート銅粉「ACAX-225M」(平均一次粒子径:7.4μm、BET比表面積:0.86m/g)、三井金属鉱業社製
≪測定方法≫
<往復摩耗試験時の静摩擦係数の変化率X>
各実施例及び比較例の剥落防止層について、剥落防止層の下が、樹脂含有領域のうち、モールド樹脂(封止樹脂)製のチップ(電子部品)または電子部品搭載基板上の6mm×6mm角以上の平滑部分を試験試料として測定した。連続加重式表面性測定機 HEIDON トライボギア TYPE:22H(新東科学株式会社製)を用い、十分に乾燥した試験試料を試験台の上に取り付け、摩擦子に100gの荷重をかけ、往復回数が100回目及び300回目のときの静摩擦係数μk100、μk300を記録した。なお、試験試料表面を往復する際の測定治具はボール圧子を用い、摩擦子にSUS球(φ3.0mm)を使用した。得られた静摩擦係数μk100、μk300を以下の[式1]に当てはめ、往復摩耗試験時の静摩擦係数の変化量Xを算出した。
[式1] X=(μk300-μk100)/μk100×100
<指数Y>
図2に示すように、後述する方法で作成された各実施例及び比較例の剥落防止層3及び電子部品搭載基板12を、研磨法によって断面出しを行い、デジタルマイクロスコープ VHX-7000(キーエンス社製)で電子部品及び被覆している剥落防止層角部の曲面の曲率半径R、Rを求めた。同様にして、剥落防止層の角部のうち最も薄い部分の厚み(剥落防止層の角部厚み)Aを求めた。これら電子部品及び剥落防止層の評価ではMLCCのうち短辺0.3mm、長辺0.6mmのサイズのもの(以下、0603MLCCともいう、0603MLCC30)を用いた。得られた曲率半径R、R、剥落防止層の角部厚みAを以下の[式2]に当てはめ指数Yを算出した。
[式2] Y=R/(R+A
<剥落防止層の厚みA
電子部品搭載基板における剥落防止層の厚みは、研磨法によって断面出しを行い、デジタルマイクロスコープ VHX-7000(キーエンス社製)で観察した電子部品の上面領域における最も厚みのある箇所の膜厚とした。異なる電子部品搭載基板の断面出しのサンプル5つについて同様に測定し、その平均値を厚みAとした。
<フィラー(B)の平均粒子径>
フィラー(B)の平均粒子径は透過型電子顕微鏡(TEM)により5万倍~100万倍程度に拡大した画像から観察できる20個の一次粒子の平均値から求めた。なお、フィラー(B)の粒子形状が、1.5以上の平均アスペクト比(長軸長さ/短軸長さ)を有する場合、平均粒子径は、長軸長さを平均して求めた。
<剥落防止層の最大点応力T>
各実施例・比較例の剥離フィルム付剥落防止シートを180℃の条件で2時間加熱し、これを幅20mm×長さ60mmの大きさに切断した。次いで、剥離フィルムを剥離することにより剥落防止シートからなる測定試料(剥落防止層)を得た。各測定試料(剥落防止層)を常温から100℃の雰囲気下(大気中、50%RH)に投入し、その1分後に当該温度で引張速度50mm/分、相対湿度50%の条件下、小型卓上試験機EZ-TEST(島津製作所社製)を用いて、有効引っ張りサイズ20×23mmで引っ張り試験を実施し、引張速度50mm/分での最大時の応力T(最大点応力T)を求めた。
<ガラス転移温度Tg>
各実施例及び比較例の測定試料(剥落防止層)を、JIS K7198に準拠して、動的粘弾性測定装置DVA-200(アイティー計測制御株式会社製)にてTgを測定した。測定試料は、各例の剥落防止層を0.5cm×3cmにカットし、剥離フィルムを剥がしたものを用いた。変形様式は引張で、歪み0.08%、周波数10Hz、昇温速度10℃/minで測定される損失正接(tanδ)の主分散ピークの現れる温度をTgとした。ただし、剥落防止層が脆いために測定途中に破断してしまうような場合の測定結果についてはTgを算出することができないため、実施例表には「測定不可」と表記した。
《剥落防止シートの作製》
[実施例1]
熱硬化性樹脂r1(固形分)100部と、硬化剤c1を2.0部と、硬化剤c2を30部と、フィラーf1を2.9部と、フィラーf4を159部と、を容器に仕込み、不揮発分濃度が45質量%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(質量比2:1)の混合溶剤を加えディスパーで10分攪拌することで組成物を得た。この組成物を乾燥厚みが80μmになるようにドクターブレードを使用して、離型性シートに塗工した。そして、100℃で2分間乾燥することで実施例1の剥落防止シート6を得た。
[実施例2~21、比較例1~4]
表1~2中の材料の種類及び配合量を変更した以外は同様の所作によって、実施例2~21、及び比較例1~4に係る積層シートをそれぞれ得た。各積層シートに関し後述する評価結果も併せて記載する。
[電子部品搭載基板1の作成]
(実装基板の作製)
ガラスエポキシからなる基板上に、モールド封止された電子部品(1cm×1cm)を5×1個、0603MLCC(長さ0.6mm、幅0.3mm)を8×2個のアレイ状に搭載した基板(実装基板)を用意した。基板の厚みは0.6mmであり、モールド封止厚、即ち基板上面からモールド封止材の頂面までの高さ(部品高さ)Hは0.7mmである。0603MLCCの搭載間隔は200μmである。
上記実装基板に、各実施例及び比較例の積層シートを2MPa、180℃の条件で5分間熱圧着し、クッション材を手で剥離した。その後、180℃2時間加熱を行い、表1に基づき、各実施例及び比較例の電子部品搭載基板を得た。
≪評価≫
[耐摩耗性]
各実施例及び比較例の剥落防止層について、上記実装基板のうちモールド封止された電子部品上の剥落防止層を試験エリアとして測定した。連続加重式表面性測定機 HEIDON トライボギア TYPE:22H(新東科学株式会社製)を用い、十分に乾燥した試験試料を試験台の上に取り付け、摩擦子に100gの荷重をかけ、下記の評価基準の往復回数後に、試験試料の表面状態を観察し、基材の露出及び剥落防止層の破れが発生していないかを確認した(往復摩耗試験)。これらの評価が目視で難しい場合には、デジタルマイクロスコープ VHX-7000(キーエンス社製)を用いて20倍で表面状態を観察した。なお、試験試料表面を往復する際の測定治具はボール圧子を用い、摩擦子にSUS球(φ3.0mm)を使用した。またこの結果から以下の基準で耐摩耗性を評価した。
+++:500回往復後に剥落防止層の下の電子部品が露出していない。(極めて良好)
++:400回往復後に剥落防止層の下の電子部品が露出せず、500回までに剥落防止層の下の電子部品が露出した。(良好)
+:300回往復後に剥落防止層の下の電子部品が露出せず、400回往復までに剥落防止層の下の電子部品が露出した。(実用レベル)
NG:往復回数が300回よりも少ない時点で剥落防止層の下の電子部品が露出した。(不良)
[剥落防止性]
図5に示すように、前記の方法で作成した電子部品搭載基板上の電子部品2のうち0603MLCC30の角上の剥落防止層3に対して厚さNi-SUS板14(厚さ0.2mmの市販のSUS304板の表面に厚さ2μmのニッケル層を形成したもの)の端を45°に当て、各0603MLCC30の角の側面側から天面側に向かってはじく。これを1部位につき各30回繰り返し、電子部品搭載基板12に搭載された16個すべての0603MLCC30上の剥落防止層3に行った後の、電子部品搭載基板上から剥落した電子部品30の個数を数え、剥落防止性として評価した(剥落試験)。ここで剥落防止層が被覆されていない0603MLCCは、同様の試験をした場合に10回前後の試験で部品が剥落した。
なお、剥落とは、試験前と比較して、電子部品搭載基板と電子部品の間または電子部品搭載基板と剥落防止層との間の破損により剥落または遊離が生じ、電子部品搭載基板と電子部品との間の接触が無くなった箇所がある状態を示す。
+++:剥落したMLCCの数が0個である。(極めて良好)
++:剥落したMLCCの数が1個である。(良好)
+:剥落したMLCCの数が2個または3個である。(実用レベル)
NG:剥落したMLCCの数が4個以上である。(不良)
[耐傷性]
30mm×80mmのNi-SUS板(厚さ0.2mmの市販のSUS304板の表面に厚さ2μmのニッケル層を形成したもの)を用意した。これに各実施例及び比較例の剥落防止シート(25mm×70mm)をそれぞれ2MPa、180℃の条件で5分間熱圧着し、クッション材を手で剥離した。その後、180℃2時間加熱を行い、測定試料(剥落防止層)を得た。測定試料に対し、JIS K7317に準拠して、連続加重式表面性測定機 HEIDON トライボギア TYPE:22H(新東科学株式会社製)を用い、基材に被覆した剥落防止シートが剥離する垂直荷重を50mm/minで連続的に測定する引っ掻き試験を行った。試験試料表面の引っ掻く針としては、ダイヤモンド製(0.25mmR)を使用し、測定試料から基材が露出する際の荷重に応じて以下の基準で耐傷性として評価した。
なお、耐傷性における傷とは、引掻き治具の先端が剥落防止層を引掻いた際に剥落防止層が割けたりや伸びたりすることで剥離し基材が露出する状態を指し、観察者によって観察結果が変わりやすいような針の痕のことではない。
+++:基材が露出した際の垂直荷重≧350g(極めて良好)
++:350g>基材が露出した際の垂直荷重≧250g。(良好)
+:250g>基材が露出した際の垂直荷重≧200g。(実用可能)
NG:200g>基材が露出した際の垂直荷重。(不良)
[信頼性]
モールド樹脂基板(60mm×50mm)を用意し、各実施例及び比較例の剥落防止シート(55mm×45mm)を、それぞれ2MPa、180℃の条件で5分間熱圧着し、クッション材を手で剥離した。その後、180℃2時間加熱を行い、測定試料(剥落防止層)を得た。この測定試料にJISK5600に準じてクロスカットガイドを使用し、間隔が1mmの碁盤目を電子部品上の剥落防止層面に25個作成した後、粘着テープを圧着させ、テープの端を45°の角度で一気に引き剥がしてクロスカット試験を行った。粘着テープは、幅18mmのニチバン製粘着テープを用いた。
剥落防止層の基板目のうち、モールド樹脂基板上に残った剥落防止層の状態(クロスカット残存率)を、以下の基準で評価した。
+++:100/100のクロスカット残存率を示す。(極めて良好)
++:95~99/100のクロスカット残存率を示す。(良好)
+:80~94/100のクロスカット残存率を示す。(実用可能)
NG:80/100の残存率未満である。(不良)
表2~5に示した含有率と厚さTaと保護フィルムに変更した以外は実施例1と同様の
方法によって封止シートを作成し、同様に評価した。なお、いずれの架橋剤、オリゴマー
、モノマー、重合開始剤、その他成分も同時に添加した。
Figure 0007460013000002
Figure 0007460013000003
静摩擦係数の変化率Xが-50%未満の、もしくは200%を超えるような剥落防止層は、比較例1または2に示すように耐摩耗性及び剥落防止性に課題があることが確認された。指数Yが0.8未満の、もしくは20.0を超えるような剥落防止層は、比較例3または4に示すように、剥落防止性に課題があることが確認された。これに対し、上述した請求項1の(1)と(2)の全てを満たす本実施例の剥落防止層は、耐摩耗性、剥落防止性、耐傷性、信頼性にも優れることが確認された。
(図の説明)
1:基板
2:電子部品
3:剥落防止層
4:半田バンプ
5:中空部分
6:剥落防止シート
7:クッション材
8:機能層
9:グランド
10:電子部品搭載基板
11:電子部品搭載基板
12:機能層を有する電子部品搭載基板
13:Ni-SUS板
20:加熱加圧機
30:0603MLCC
100:実装基板

Claims (4)

  1. 基板と、
    前記基板の少なくとも一方の面に搭載された電子部品と、
    前記基板及び前記電子部品を被覆する剥落防止層とを備え、
    前記剥落防止層が(1)(2)を全て満たすことを特徴とする、電子部品搭載基板。
    (1)下記[式1]で求められる、静摩擦係数の変化率Xが-50%以上200%以下である。
    X=(μk300-μk100)/μk100×100 [式1]
    (μk100;剥落防止層の往復摩耗試験100回目での静摩擦係数、μk300;剥落防止層の往復摩耗試験300回目での静摩擦係数)

    (2)下記[式2]で求められる指数Yが0.8以上20.0以下である。
    Y=R/(R+A) [式2]
    (R;電子部品搭載基板の断面における電子部品角部の曲面の曲率半径、R;電子部品搭載基板の断面における剥落防止層の角部の曲率半径、A;電子部品搭載基板の断面における剥落防止層の角部厚み)
  2. 前記剥落防止層は、バインダー(A)と、フィラー(B)とを含み、
    前記フィラー(B)のBET比表面積[m/g]と前記剥落防止層100質量%中の前記フィラー(B)の含有率[質量%]との積が0.01~15[質量%・m/g]である、請求項1記載の電子部品搭載基板。
  3. 前記剥落防止層の厚みAが5~300μmであることを特徴とする、請求項1記載の電子部材搭載基板。
  4. 請求項1~3いずれかに記載の電子部品搭載基板が搭載された電子機器。
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