以下、添付の図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本開示の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が簡略化して図示されている場合がある。
<1. 第1実施形態>
図1は、第1実施形態の画像形成システム100を示す図である。画像形成システム100は、画像形成装置1と、サーバ7と、登録装置8とを備える。画像形成装置1と、サーバ7とは、インターネットを介して通信可能に接続される。図1に示すように、サーバ7は、インターネットを介して複数の画像形成装置1と通信可能である。また、サーバ7と登録装置8とは、インターネットを介して通信可能に接続される。
画像形成システム100においては、画像形成装置1のユーザと、画像形成装置1または画像形成装置1で使用される供給品(トナーカートリッジ30やドラムカートリッジ20)の供給者との間で、契約が締結される。契約では、例えば、ユーザが供給品を使用してページを印刷することに対する課金額が設定される。課金額は、具体的には、印刷枚数、各色トナーの使用量、モノクロ印刷またはカラー印刷などの印刷モード、印刷の解像度、または、印刷用紙のサイズ等に応じて適宜設定され得る。課金額は、例えば、一定期間(例えば、1ヶ月)で特定の印刷枚数については定額とする定額制であってもよいし、印刷量に応じる従量制とされてもよい。また、課金額は、所定の印刷量までを一定額とし、所定の印刷量を超える分を追加的に課金する方式とされてもよい。以下、供給者と契約を締結したユーザを「契約ユーザ」と称し、契約を締結していないユーザを「通常ユーザ」と称する場合がある。
サーバ7は、契約ユーザに関する情報の管理、課金額および支払いに関する管理、契約ユーザに対する各種サービスの提供等の管理を実行するための装置である。契約ユーザに提供されるサービスは、例えば、供給品を契約ユーザに発送するサービスを含む。サーバ7は、制御部71、記憶部73、ネットワークI/F75を有する。制御部71は、バス配線によって、記憶部73及びネットワークI/F75と電気的に接続されている。
制御部71は、CPU711及びメモリ713を有する。メモリ713は、情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶媒体であり、具体的には、フラッシュROMまたはEEPROMであり、プログラム715を記憶している。制御部71は、CPU711がプログラム715に従って動作することにより、各種処理を実行する。記憶部73は、具体的には、ハードディスクドライブなどのストレージである。記憶部73は、登録情報731を記憶している。登録情報731は、具体的には、契約ユーザに関する情報、契約ユーザが登録した画像形成装置1に関する情報、支払い情報(クレジットカードの情報や銀行口座の情報等)等を含む。
登録装置8は、サーバ7に、各種情報を登録するために使用される情報端末である。登録装置8は、具体的には、契約を希望するユーザが所持するスマートフォンやタブレットなどの携帯端末、画像形成装置1にケーブル等を介して接続されたコンピュータ、あるいは、供給者等が操作する情報端末である。
登録装置8は、制御部81と、ネットワークI/F83とを有する。制御部81とネットワークI/Fとは、バス配線などを介して接続されている。制御部81は、CPU811とメモリ813とを有する。メモリ813は、情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶媒体であり、具体的には、フラッシュROMまたはEEPROMである。メモリ831は、プログラム815を記憶している。CPU811がプログラム815に従って動作することにより、制御部81が各種処理を実行する。プログラム815は、サーバ7との間で各情報を送受信する処理を制御部81に実行させるためのアプリケーションソフトウェアを含む。
<画像形成装置の構成>
図2は、第1実施形態の画像形成装置1を示す概略構成図である。図3は、第1実施形態の感光体ドラム21および周辺要素を示す概略的断面図である。図4は、第1実施形態の画像形成装置1における制御部51と他の要素との電気的接続を示す図である。
図2に示すように、画像形成装置1は、本体筐体10と、カバー11と、ドラムカートリッジ20と、4つのトナーカートリッジ30と、4つの光源ユニット(図示省略)と、転写ユニット40と、制御部51と、ディスプレイ60とを備える。
本体筐体10は、矩形の箱状である。ドラムカートリッジ20と、4つのトナーカートリッジ30と、転写ユニット40と、制御部51とは、本体筐体10に収容される。ドラムカートリッジ20と、4つのトナーカートリッジ30と、転写ユニット40とは、本体筐体10に対する着脱交換が可能とされる。ディスプレイ60は、本体筐体10の外表面に位置する。本体筐体10は、ドラムカートリッジ20を保持するフレームを有する。
カバー11は、図2において実線で示す開位置と、二点鎖線で示す閉位置との間で、第1方向に延びる回転軸11aについて回転可能である。カバー11が開位置に配置された場合、本体筐体10の開口が開放される。カバー11が閉位置に配置された場合、本体筐体10の開口部がカバー11に覆われる。カバー11の開閉は、制御部51と電気的に接続されている開閉センサ12によって検出される。
ドラムカートリッジ20は、4つのスロットSLを有する。各スロットSLには、1つのトナーカートリッジ30が着脱可能に装着される。4つのトナーカートリッジ30を保持したドラムカートリッジ20が、プロセスカートリッジとして、本体筐体10に装着される。
図2に示すように、ドラムカートリッジ20は、4つの感光体ドラム21を有する。感光体ドラム21は、第1方向に延びる円筒状の部材であり、第1方向に延びるドラム軸について回転可能である。図3に示すように、感光体ドラム21は、具体的には、第1方向に延びる円筒状のアルミ素管211と、アルミ素管211の外周を覆う感光層213と、を有する。感光層213は、感光材料で構成されている。
図2に示すように、ドラムカートリッジ20は、ドラムメモリ22を有する。ドラムメモリ22は、例えば、フラッシュROMまたはEEPROMである。ドラムメモリ22は、ドラムメモリ22が取り付けられているドラムカートリッジ20に関する情報を記憶する。
ドラムカートリッジ20は、4つの帯電器23を備えている。各帯電器23は、対応する感光体ドラム21を帯電させる。図3に示すように、帯電器23は、第1方向に延びる帯電ワイヤ231と、グリッド233とを含む、いわゆるスコロトロン型の帯電器である。帯電ワイヤ231及びグリッド233は、本体筐体10に設けられた電圧印加回路15と電気的に接続される。電圧印加回路15は、制御部51の制御下で、帯電ワイヤ231及びグリッド233に、所定のバイアスを印加する。電圧印加回路15は、例えば、トランスを備える。
画像形成装置1は、電圧印加回路15と電気的に接続された検出器17を備えている。検出器17は、ドラムカートリッジ20の異常であって、具体的には、帯電器23における異常放電を検出する。異常放電は、通常の放電であるコロナ放電とは異なる放電であって、具体的には、アーク放電や火花放電である。
帯電器23は、例えば長期間使用されると、帯電ワイヤ231にトナーの成分(例えば、シリカ)が付着して、帯電ワイヤ231のインピーダンスが上昇する。インピーダンスが上昇すると、グリッド233に流れる電流が下がる。このため、グリッド233の電流を定電流制御しようとすると、帯電ワイヤ231の電圧値が上昇する。帯電ワイヤ231の電圧値が所定値以上になると、帯電ワイヤ231とグリッド233との間で、異常放電が生じて多量の電流が流れる。なお、帯電ワイヤ231と感光体ドラムの表面との間でも異常放電が生じて多量の電流が流れる場合がある。異常放電が発生すると、感光体ドラム21を均一に帯電できなくなり、画像品質が低下するおそれがある。
画像形成装置1は、異常放電を検出するため、検出器17を備えている。制御部51が電圧印加回路15を制御することによって、帯電ワイヤ231及びグリッド233に所定のバイアスを印加した際に、異常放電が発生すると、電圧印加回路15に設けられたトランスに過電流が発生する。検出器17は、電圧印加回路15で流れた所定の閾値以上の過電流を検出する。制御部51は、検出器17と電気的に接続されており、検出器17からの出力に基づいて、帯電器23における異常放電を検出する。なお、制御部51は、帯電ワイヤ231及びグリッド233と電気的に接続されており、帯電ワイヤ231及びグリッド233に印加されている電圧値を読み取ることができる。
図2に示すように、トナーカートリッジ30は、現像ローラ31と、トナーメモリ32と、ケーシング33とを備える。現像ローラ31は、第1方向に延びる円筒状の部材である。現像ローラ31は、第1方向に延びる現像軸について回転可能である。トナーメモリ32は、情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶媒体であり、具体的には、フラッシュROMまたはEEPROMである。トナーメモリ32は、トナーメモリ32が取り付けられているトナーカートリッジ30に関する情報を記憶する。4つのトナーカートリッジ30の各ケーシング33は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックのいずれか1色)のトナーを収容している。
図2に示すように、トナーカートリッジ30が装着されたドラムカートリッジ20は、カバー11が開位置に配置された状態で、本体筐体10に装着される。トナーカートリッジ30が装着されたドラムカートリッジ20は、本体筐体10の開口を通過して、カートリッジ保持部に装着される。
4つの光源ユニットは、本体筐体10の内表面に取り付けられている。各光源ユニットは、本体筐体10にドラムカートリッジ20が装着されて、カバー11が閉位置とされたときに、感光体ドラム21の表面と向かい合う。また、各光源ユニットは、感光体ドラム21の外周面に、光を照射可能である。光源は、レーザまたはLED(発光ダイオード)である。
転写ユニット40は、転写ベルト41と、駆動ローラ43と、従動ローラ45と、4つの転写ローラ47とを有する。転写ベルト41は、環状(無端帯)である。感光体ドラム21の外周面は、転写ベルト41の外周面と接触可能である。転写ベルト41は、駆動ローラ43と従動ローラ45との間に掛け渡されている。制御部51は、駆動ローラ43を駆動することにより、転写ベルト41を回転させる。従動ローラ45は、駆動ローラ43の駆動による転写ベルト41の移動に従って回転する。
4つの転写ローラ47は、転写ベルト41の内側に位置する。転写ローラ47は、第1方向に延びる円筒状であり、第1方向に延びる回転軸について回転可能である。転写ローラ47の外表面は、例えば、導電性のゴムで構成されている。転写ローラ47は、電圧印加回路15と電気的に接続されており、必要時に転写バイアスが印加される。
転写ローラ47は、感光体ドラム21の下方に位置する。転写ベルト41は、感光体ドラム21と転写ローラ47との間に挟まれる。転写ローラ47の外表面に転写バイアスが印加されると、感光体ドラム21の外表面に付着しているトナーが、転写ベルト41側へ移動する。これにより、トナーは、転写ベルト41上の印刷用紙へ移動し、印刷用紙に転写される。
画像形成装置1において印刷処理を行う場合、帯電器23が、感光体ドラム21の表面全体を均一に帯電させる。そして、光源ユニットが、印刷対象の画像に応じたレーザ光またはLED光を、感光体ドラム21に照射する。そして、現像ローラ31が、露光された感光体ドラム21の表面にトナーを付着させる。さらに、転写ユニット40が、感光体ドラム21に付着したトナーを、印刷用紙に転写する。印刷用紙に転写されたトナーは、熱定着ユニット(不図示)によって加熱され、印刷用紙に定着する。また、感光体ドラム21に残留したトナーは、クリーニングローラ25によって、感光体ドラム21から除去される。
図4に示すように、画像形成装置1は、制御部51と、操作部53と、ディスプレイ55と、ネットワークI/F57とを有する。制御部51は、CPU511と本体メモリ513とを有する。本体メモリ513は、プログラム515を記憶している。CPU511がプログラム515に従って動作することにより、制御部51が各種処理を実行する。なお、制御部51は、ASIC(特定用途向け半導体集積回路)など、専用回路を備えていてもよい。
制御部51は、「契約モード」または「通常モード」のいずれか一方の動作モードに設定され、設定された動作モードに応じた処理を実行する。後述するように、画像形成装置1の動作モードは、サーバ7から送られる設定命令に基づいて、契約モードまたは通常モードに設定される。契約モードおよび通常モードそれぞれに応じた処理内容は、プログラム515に規定されている。
操作部53は、ユーザの操作を受け付けるボタンである。ディスプレイ55は、様々な情報を表す画像を表示する。ディスプレイ55が、いわゆるタッチパネルで構成されることによって、操作部53として機能してもよい。
図4に示すように、ドラムカートリッジ20及び4つのトナーカートリッジ30が本体筐体10に装着されると、ドラムメモリ22及び4つのトナーメモリ32が、制御部51と電気的に接続される。これにより、制御部51が、ドラムメモリ22及び各トナーメモリ32と、データ通信可能となる。
ドラムメモリ22は、ドラムIDと、ドラム寿命情報と、ドラム種別情報と、ドラム履歴情報と、発注済フラグと、閾値情報と、を記憶する。ドラムIDは、個々のドラムカートリッジ20を識別するための識別情報であり、具体的には、シリアルナンバーである。ドラム寿命情報は、例えば、感光体ドラム21の累積回転数と、感光体ドラム21を用いての累積印刷枚数とを含む。感光体ドラム21の累積回転数は、ドラム識別情報により特定されるドラムカートリッジ20において、印刷(ジョブ)の度にインクリメントまたはデクリメントされて算出される回転数である。感光体ドラム21を用いての累積印刷枚数は、ドラム識別情報により特定されるドラムカートリッジ20において、印刷(ジョブ)の度にインクリメントまたはデクリメントされて算出される印刷枚数である。
ドラム種別情報は、ドラムカートリッジ20の種類を表す情報である。具体的には、ドラム種別情報は、「通常ドラム」または「廉価ドラム」のいずれか一方の種類を表す情報である。以下では、ドラム種別情報が「通常ドラム」を表すドラムカートリッジ20を、「通常ドラムカートリッジ20」と称し、ドラム種別情報が「廉価ドラム」を表すドラムカートリッジ20を「廉価ドラムカートリッジ20」と称する場合がある。
廉価ドラムカートリッジ20は、通常ドラムカートリッジ20よりも廉価とされる。また、通常ドラムカートリッジ20よりも耐久性が低い。具体的には、感光層213の素材と、感光層213の厚さと、クリーニングローラ25の素材との少なくとも1つを異ならせることによって、ドラムカートリッジ20の価格、または、耐久性を変更することができる。
ドラム履歴情報は、ドラムカートリッジ20の異常を検出したことを示す情報である。制御部51は、ドラムカートリッジ20の異常を検出すると、ドラム履歴情報として記録する。ドラム履歴情報は、具体的には、ドラムカートリッジ20が有する帯電器23の異常が検出されたことを示す放電履歴情報を含む。放電履歴情報は、具体的には、放電前検出回数と、放電検出回数とを含む。
放電検出回数は、後述する放電チェック処理(図12参照)において検出される放電異常の回数である。放電異常とは、異常放電が発生した状態を意味する、具体的には、帯電器23において検出器17が過電流を検出した場合、制御部51は放電異常が検出されたとして、カウントを行う。
なお、制御部51は、所定時間以内に帯電器23において発生した異常放電の回数が、放電異常を表す閾値を超えた場合、放電異常が検出されたとしてカウントを行ってもよい。異常放電の発生回数は、具体的には、帯電ワイヤ231の電流値が、異常放電を表す閾値以上となった回数としてもよい。例えば、制御部51は、50msec以内に3回以上の異常放電(過電流)が発生した場合、1回の放電異常が検出されたものとして、1カウントを行ってもよい。
また、放電前検出回数は、放電チェック処理において検出される放電前異常の回数である。放電前異常とは、異常放電が発生しやすい状態を意味する。具体的には、帯電器23に所定のバイアスを印加したときの、帯電ワイヤ231の電圧値が所定の閾値以上となった場合、制御部51は放電前異常が検出されたとして、カウントを行う。z
発注済フラグは、新たなドラムカートリッジ20の注文が行われたか否かを表す情報である。画像形成装置1では、ドラムカートリッジ20について、残りの寿命がなくなる前、あるいは、異常が検出された場合に、制御部51が、新たなドラムカートリッジ20を注文するための注文情報を、サーバ7に送信する送信処理を実行する。制御部51は、送信処理を実行した場合、新たなドラムカートリッジ20の発注が行われたものとして、本体筐体10に装着されているドラムメモリ22の発注済フラグを更新する。発注済みフラグを更新することによって、新たなドラムカートリッジ20が二重に発注されることを防止することができる。
閾値情報は、制御部51が、ドラムカートリッジ20について実行する各種判定処理において使用される閾値を表す情報である。閾値情報には、例えば、ドラムカートリッジ20の残りの寿命の有無等を判定するための閾値、ドラムカートリッジ20の異常を判定するための閾値等が含まれる。
ドラムメモリ22は、ドラムカートリッジ20の適合機種、ドラムカートリッジ20の仕様、新品であるか否かを示す情報、純正品であるか否かを示す情報、エラー履歴などの情報を記憶していてもよい。
図4に示すように、トナーメモリ32は、トナーIDと、トナー寿命情報と、トナー種別情報とを記憶する。トナーIDは、個々のトナーカートリッジ30を識別するための識別情報であり、具体的には、シリアルナンバーである。トナー寿命情報は、現像ローラ31の累積回転数、現像ローラ31を用いての累積印刷枚数、及び累積ドット数のうち、少なくとも1つである。現像ローラ31の累積回転数は、トナーIDによって特定される1つのトナーカートリッジ30において、印刷(ジョブ)の度にインクリメントまたはデクリメントされて算出される回転数である。現像ローラ31を用いての累積印刷枚数は、トナーIDによって特定される1つのトナーカートリッジ30において、印刷(ジョブ)の度にインクリメントまたはデクリメントされて算出される印刷枚数である。また、現像ローラ31を用いての累積ドット数は、トナー識別情報により特定される1つのトナーカートリッジ30において、印刷(ジョブ)の度にインクリメントまたはデクリメントされて算出されるドット数である。トナーメモリ32は、累積ドット数の代わりに、ケーシング33に収容されているトナーの残量を表す情報を記憶してもよい。
トナー種別情報は、トナーカートリッジ30の種別を表す情報であって、具体的には、「契約用」または「通常用」のいずれか一方を表す情報である。以下、トナー種別情報が「契約用」であるトナーカートリッジ30を、「契約用トナーカートリッジ30」と称し、トナー種別情報が「通常用」であるトナーカートリッジ30を、「通常用トナーカートリッジ30」と称する場合がある。後述するように、トナー種別情報は、画像形成装置1におけるトナーカートリッジ30の使用を制御するために使用される情報である。
また、トナーメモリ32は、トナーカートリッジ30の適合機種、トナーカートリッジ30の仕様、新品であるか否かを示す情報、純正品であるか否かを示す情報などを記憶していてもよい。
制御部51は、通常用トナーカートリッジ30については、通常モード及び契約モードに関わらず使用を許可する。すなわち、通常用トナーカートリッジ30であれば、制御部51が通常モード及び契約モードのどちらに設定されていても、印刷処理を遂行することが可能とされる。これに対して、制御部51は、契約用トナーカートリッジ30については、通常モードに設定されている場合は印刷処理を禁止し、契約モードに設定されている場合は印刷処理を許可する。なお、通常モードにおいて、制御部51が契約用トナーカートリッジ30の使用を禁止することは必須ではなく、一定条件の制限下で使用可能としてもよい。例えば、制御部51は、交換を促す画面や規約違反であることを表す警告画面等を、ディスプレイ55に表示してもよい。
本体メモリ513は、ドラム情報およびトナー情報を記憶する。ドラム情報は、本体筐体10に装着されているドラムカートリッジ20に関する情報であり、具体的には、ドラムIDと、ドラム寿命情報と、ドラム種別情報と、ドラム履歴情報と、発注済フラグと、閾値情報とを含む。トナー情報は、本体筐体10に装着されている各トナーカートリッジ30に関する情報であり、具体的には、トナーIDと、トナー種別情報と、トナー寿命情報とを含む。
制御部51は、ドラムメモリ22から読み出した各種情報を、ドラム情報として本体メモリ513に記憶させる。また、制御部51は、各トナーメモリ32から読み出した各種情報を、トナー情報として本体メモリ513に記憶させる。また、制御部51は、必要に応じて、ドラム情報及びトナー情報を更新する。また、制御部51は、更新したドラム情報またはトナー情報に基づいて、対応するドラムメモリ22または各トナーメモリ32が記憶している各種情報を更新する。
<画像形成システムの運用例>
図5は、第1実施形態の画像形成システム100において実行される契約処理S1および解約処理S2を示す図である。契約処理S1は、通常ユーザが供給者と契約を締結する際に行われる処理であって、画像形成システム100上では、対象の画像形成装置1の動作モードを、通常モードから契約モードに変更する処理を含む。解約処理S2は、契約ユーザが契約を解除する際に行われる処理であって、画像形成システム100上では、対象の画像形成装置1の動作モードを、契約モードから通常モードに変更する処理である。以下、各処理について説明する。
<契約処理>
契約処理S1では、まず、登録装置8が、契約要求Rq1をサーバ7へ送信する(契約要求送信処理S11)。契約要求Rq1には、契約を希望するユーザに関する情報(ユーザの氏名や住所等を含む)と、課金額など契約に関する情報と、支払いに関する情報と、ユーザが使用する画像形成装置1を識別するためのデバイス情報(デバイスID)とが含まれ得る。なお、登録装置8が契約要求送信処理を行うことは必須ではない。例えば、画像形成装置1においてユーザが所定の操作を行うことにより、画像形成装置1が契約要求Rq1をサーバ7へ送信してもよい。
サーバ7は、受信した契約要求Rq1に基づいて、契約を要求された画像形成装置1に、変更命令Rs1を送信する(変更命令送信処理S12)。変更命令Rs1は、対象の画像形成装置1が備える制御部51に対する命令であって、制御部51の動作モードを契約モードに設定させる命令である。制御部51は、変更命令Rs1を受信すると、動作モードを契約モードに設定する(動作モード設定処理S13)。以下では、制御部51の動作モードが契約モードに設定されている画像形成装置1を、「契約画像形成装置1」と称する場合がある。
また、後述するように、契約モードは、「低額契約モード」と「高額契約モード」の2つのサブ動作モードを含む。制御部51は、設定されたサブ動作モードに応じて、ドラムカートリッジ20の残りの使用に関して、異なる制御を実行する。具体的な制御の内容については、後述する。なお、「低額契約モード」は、例えば、「高額契約モード」よりも、課金額が小さい(低額)の契約が締結された際に設定されるサブ動作モードである。
<解約処理>
解約処理S2では、まず、登録装置8が、解約要求Rq2をサーバ7へ送信する(解約要求送信処理S21)。解約要求Rq2には、解約を希望するユーザに関する情報が含まれ得る。なお、登録装置8が解約要求送信処理を行うことは必須ではない。例えば、画像形成装置1においてユーザが所定の操作を行うことにより、画像形成装置1が解約要求Rq2をサーバ7へ送信してもよい。
サーバ7は、受信した解約要求Rq2に基づいて、解約を要求された画像形成装置1に、変更命令Rs2を送信する(変更命令送信処理S22)。変更命令Rs2は、対象の画像形成装置1が備える制御部51に対する命令であって、制御部51の動作モードを通常モードに設定させる命令である。制御部51は、変更命令Rs2を受信すると、動作モードを通常モードに設定する(動作モード設定処理S23)。以下では、制御部51の動作モードが通常モードに設定されている画像形成装置1を、「通常画像形成装置1」と称する場合がある。
図6は、画像形成装置1においてドラムカートリッジ20が交換された際に実行されるドラムチェック処理の流れを示す図である。図6に示す各処理は、特に断らない限り、画像形成装置1の制御部51が実行する処理であるものとする。
画像形成装置1の制御部51は、交換判定処理S31を実行する。交換判定処理S31は、ドラムカートリッジ20が交換されたかを判定する処理である。具体的に、画像形成装置1の電源がONからOFFに切り換えられた場合、または、カバー11が開位置から閉位置へ移動したことを開閉センサ12が検出した場合、制御部51が、ドラムカートリッジ20のドラムIDと、本体メモリ513に予め記憶されているドラムIDとを比較する。制御部51は、ドラムIDが一致した場合、ドラムカートリッジ20が交換されていないと判定し(交換判定処理S31においてNO)、ドラムIDが一致しなかった場合、ドラムカートリッジ20が交換されたと判定する(交換判定処理S31においてYES)。
制御部51は、交換判定処理S31によってドラムカートリッジ20が交換されたと判定した場合、ドラム情報ラッチ処理S32を実行する。ドラム情報ラッチ処理S32は、制御部51が、ドラムメモリ22に記憶されている各種情報を読み出し、読み出した各種情報を本体メモリ513に書き込む処理である。
図7は、ドラム情報ラッチ処理S32の詳細な流れを示す図である。図7に示すように、ドラム情報ラッチ処理S32は、ドラム寿命情報の読み出しおよび書き込み(読書処理S41)、ドラム種別情報の読み出しおよび書き込み(読書処理S42)、ドラム履歴情報の読み出し及び書き込み(読書処理S43)、発注済フラグの読み出し及び書き込み処理(読書処理S44)、及び、閾値情報の読み出し及び書き込み(読書処理S45)を含む。
なお、制御部51は、読書処理S41において、ドラムメモリ22から読み出したドラム寿命情報が表す累積印刷枚数、及び、累積ドラム回転数を、ドラム情報として本体メモリ513に記憶させる。また、制御部51は、読書処理S43において、ドラムメモリ22から読み出したドラム履歴情報が表す放電前検出回数、及び、放電検出回数を、ドラム情報として本体メモリ513に記憶させる。
図6に戻って、制御部51は、ドラム情報ラッチ処理S32を終了すると、延長可否判定処理S33を実行する。延長可否判定処理S33は、ドラムカートリッジ20の種別情報を判定する処理である。制御部51は、延長可否判定処理S33の結果に応じて、延長許可処理S34、延長制限処理S35、エラー処理S36のいずれかを実行する。
図8は、動作モード及びドラム種別情報に応じたドラムカートリッジ20の使用制御処理の内容を示す図である。制御部51は、設定されている動作モード、および、ドラムメモリ22に記憶されているドラム種別情報に応じて、延長許可制御と延長制限制御とを切り換えて実行する。
延長許可制御は、具体的には、ドラムカートリッジ20について、本体メモリ513に記憶されたドラム寿命情報が表す残りの寿命を越えた場合であっても、ドラムカートリッジ20の使用の延長を許可する制御である。また、延長制限制御は、ドラムカートリッジ20について、本体メモリ513に記憶されたドラム寿命情報が表す残りの寿命を超えた使用を制限する制御である。
具体的には、図8に示すように、制御部51は、通常ドラムカートリッジ20については、動作モードに関わらず、使用の延長を許可する延長許可制御を行う。また、制御部51は、廉価ドラムカートリッジ20については、低額契約モードの場合、使用の延長を許可する延長許可制御を行い、高額契約モードの場合、使用の延長を制限する延長制限処理を行う。
なお、制御部51は、通常モードに設定されている場合、廉価ドラムカートリッジ20の使用を不可とする。これにより、廉価ドラムカートリッジ20の使用が、契約ユーザのみに限定される。
ドラム種別情報は、高額契約モードにおいて、「通常ドラム」は、ドラムカートリッジ20について、残りの寿命を越えた使用の延長を許可する「許可情報」に対応する。また、高額契約モードにおいて、「廉価ドラム」は、ドラムカートリッジ20の残りの寿命を越えた使用を制限する「制限情報」に対応する。
図6に示す延長許可処理S34及び延長制限処理S35は、具体的には、制御部51が、使用の延長を許可するかまたは制限するかを表す延長許可フラグを本体メモリ513に記憶させる処理を含む。また、エラー処理S36は、具体的には、制御部51が、ドラムカートリッジ20の使用を禁止することを表す使用不可フラグを本体メモリ513に記憶させる処理を含む。また、エラー処理S36は、本体筐体10に装着されている廉価ドラムカートリッジ20を、適切な通常ドラムカートリッジ20への交換を要求する所定の画面をディスプレイ55に表示する処理を含んでもよい。制御部51は、エラー処理S36を実行すると、ドラムチェック処理を終了する。
制御部51は、延長許可処理S34または延長制限処理S35を実行した後、ドラム寿命チェック処理S37を実行する。ドラム寿命チェック処理S37は、制御部51が、ドラム情報ラッチ処理S32によって、本体メモリ513に記憶させたドラム履歴情報及びドラム寿命情報をチェックする処理である。
図9は、図6に示すドラム寿命チェック処理S37の詳細を示す図である。制御部51は、ドラム寿命チェック処理S37を開始すると、まず、判定処理S51を実行する。判定処理S51は、本体メモリ513に記憶されているドラム履歴情報に基づいて、ドラムカートリッジ20が交換すべき状態(以下、「要交換状態」と称する。)であるかを判定する処理である。判定処理S51において、制御部51は、ドラム履歴情報が表す「放電前検出回数」が要交換状態を表す閾値T1Eを越えるかを判定するとともに、ドラム履歴情報が表す「放電検出回数」が要交換状態を表す閾値T2Eを越えるかを判定する。なお、判定処理S51において、制御部51は、少なくとも、ドラム履歴情報が表す「放電検出回数」が要交換状態を表す閾値T2Eを越えるか、を判定していればよい。または、判定処理S51において、制御部51は、ドラム履歴情報が表す「放電前検出回数」が要交換状態を表す閾値T1Eを越えるか、及び、ドラム履歴情報が表す「放電検出回数」が要交換状態を表す閾値T2Eを越えるか、のいずれかを判定すればよい。
判定処理S51によって、放電前検出回数が閾値T1Eを越えると制御部51が判定した場合、または、放電検出回数が閾値T2Eを越えると制御部51が判定した場合(判定処理S51においてYES)、ドラムカートリッジ20が要交換状態であるとして、制御部51は後述する表示処理S53を実行する。なお、制御部51は、判定処理S51によって、放電検出回数が閾値T2Eを越えると判定した後、さらに、帯電ワイヤ231の電圧値を測定してもよい。そして、制御部51は、測定された帯電ワイヤ231の電圧値が所定の電圧値より低い(または、測定された帯電ワイヤ231の電圧値が異常値である)と判定した場合、表示処理S53を実行してもよい。判定処理S51によって、放電前検出回数が閾値T1Eを越えず、かつ、放電検出回数が閾値T2Eを越えないと制御部51が判定した場合(判定処理S51においてNO)、制御部51は判定処理S52を実行する。
判定処理S52は、本体メモリ513に記憶されているドラム寿命情報に基づいて、ドラムカートリッジ20が要交換状態であるかを判定する処理である。判定処理S52において、制御部51は、ドラム寿命情報の「累積印刷枚数」が要交換状態を表す閾値T3Eを越えるか、及び、ドラム寿命情報の「累積ドラム回転数」が要交換状態を表す閾値T4Eを越えるかを判定する。判定処理S52によって、累積印刷枚数が閾値T3Eを越えると制御部51が判定した場合、または、累積ドラム回転数が閾値T4Eを越えると制御部51が判定した場合(判定処理S52においてYES)、制御部51は表示処理S53を実行する。判定処理S52によって、累積印刷枚数が閾値T3Eを越えず、かつ、累積ドラム回転数が閾値T4Eを越えないと制御部51が判定した場合(判定処理S52においてNO)、制御部51は判定処理S56を実行する。
表示処理S53は、制御部51がドラムカートリッジ20の交換を促す画像(例えば、「Replace Drum」の文字を含む画像)をディスプレイ55に表示させる処理である。制御部51は、表示処理S53を完了すると、使用の延長が許可されているかを判定する延長可否判定処理S54を実行する。すなわち、制御部51は、延長許可処理S34(図6)によって、延長許可制御を行っている場合(延長可否判定処理S54においてYES)、ドラム寿命チェック処理を終了する。一方、制御部51は、延長制限処理S35(図6)によって、延長制限制御を行っている場合(延長可否判定処理S54においてNO)、エラー処理S55を実行する。エラー処理S55は、例えば、制御部51が所定のエラー画面をディスプレイ55に表示させる処理(例えば、「Drum Stop」)や、ドラムカートリッジ20の使用を禁止する処理を含む。なお、エラー処理S55において、ドラムカートリッジ20の使用が禁止されることは必須ではなく、一定の条件下での使用が許可されてもよい。
判定処理S56は、ドラム寿命情報に基づいて、ドラムカートリッジ20が、要発注状態であるかを判定する処理である。要発注状態は、要交換状態になるよりも前の状態であって、新たなドラムカートリッジを発注すべき状態である。要発注状態は、具体的には、残りの寿命が少なくなった状態、あるいは、故障等のトラブルが発生する可能性が高い状態とされる。
判定処理S56において、制御部51は、ドラム寿命情報の「累積印刷枚数」が要発注状態を表す所定の閾値T3を越えるか、及び、ドラム寿命情報の「累積ドラム回転数」が要発注状態を表す閾値T4を越えるかを判定する。累積印刷枚数が閾値T3を越えると制御部51が判定した場合、または、累積ドラム回転数が閾値T4を越えると制御部51が判定した場合(判定処理S56においてYES)、制御部51は表示処理S57を実行する。一方、累積印刷枚数が閾値T3を越えず、かつ、累積ドラム回転数が閾値T4を越えないと制御部51が判定した場合(判定処理S56においてNO)、制御部51はドラム寿命チェック処理を終了する。
表示処理S57は、制御部51がドラムカートリッジ20が要発注状態であることを表す画面(例えば、「Drum EndSoon」の文字を含む画像)をディスプレイ55に表示させる処理である。制御部51は、表示処理S57を完了すると、ドラム寿命チェック処理を終了する。また、制御部51は、判定処理S56において、累積印刷枚数が閾値T3を越えず、かつ、累積ドラム回転数が閾値T4を越えないと判定した場合、ドラム寿命チェック処理を終了する。
図6に戻って、制御部51は、ドラム寿命チェック処理S37を完了すると、動作要求待ち処理S38を実行する。動作要求待ち処理S38は、画像形成装置1を"Ready"(動作要求待ち)の状態とする処理である。すなわち、制御部51は、画像形成装置1を印刷要求待ちの状態にして、画像形成装置1を待機させる。
図10は、画像形成装置1において実行される第1定期実施処理の流れを示す図である。第1定期実施処理は、制御部51が定期的、または、所定のイベント毎に実行する処理であって、ドラムメモリ22に記憶されているドラム寿命情報を更新する処理である。制御部51は、第1定期実施処理を開始すると、更新判定処理S61を実行する。更新判定処理S61は、本体メモリ513に記憶されているドラム寿命情報(具体的には、累積印刷枚数及び累積ドラム回転数)が更新されたかを判定する処理である。詳細には、制御部51は、本体メモリ513に記憶されているドラム寿命情報と、ドラムメモリ22に記憶されているドラム寿命情報とを比較して、各ドラム寿命情報が異なる場合に、ドラム寿命情報が更新されたと判定する。
制御部51は、ドラム寿命情報が更新されていないと判定した場合(更新判定処理S61においてNO)、第1定期更新処理を終了する。また、制御部51は、ドラム寿命情報が更新されたと判定した場合(更新判定処理S61においてYES)、書込処理S62を実行する。書込処理S62は、本体メモリ513のドラム寿命情報を、ドラムメモリ22に書き込む処理である。制御部51は、書込処理S62を完了すると、ドラム寿命チェック処理S37(図9)を実行する。制御部51は、ドラム寿命チェック処理S37を完了すると、第1定期実施処理を終了する。
図11は、契約モードで動作する画像形成装置1において実行される第2定期実施処理を示す図ある。第2定期実施処理は、制御部51が定期的、または、所定のイベント毎に実行する処理であって、新たなドラムカートリッジ20を発注するために行われる処理である。
制御部51は、第2定期実施処理を開始すると、まず、新たなドラムカートリッジ20が未発注であるかを判定する発注判定処理S71を実行する。発注判定処理S71において、制御部51は、本体メモリ513に記憶されている発注済フラグに基づいて、判定を行う。制御部51は、発注判定処理S71によって、未発注であると判定した場合は、発注判定処理S72を実行し、発注済みであると判定した場合は、第2定期実施処理を終了する。
発注判定処理S72は、本体メモリ513に記憶されているドラム履歴情報の放電前検出回数に基づいて、ドラムカートリッジ20が要発注状態であるかを判定する処理である。具体的には、制御部51は、発注判定処理S72において、放電前検出回数が要発注状態を表す閾値T1を越えるかを判定する。発注判定処理S72によって、放電前検出回数が閾値T1を越えると制御部51が判定した場合(発注判定処理S72においてYES)、制御部51は後述する注文情報送信処理S75を実行する。また、発注判定処理S72によって、放電前検出回数が閾値T1を越えないと制御部51が判定した場合(発注判定処理S72においてNO)、制御部51は発注判定処理S73を実行する。
発注判定処理S73は、本体メモリ513に記憶されているドラム履歴情報の放電検出回数に基づいて、ドラムカートリッジ20が要発注状態であるかを判定する処理である。制御部51は、発注判定処理S73において、放電検出回数が要発注状態を表す閾値T2を越えるかを判定する。発注判定処理S73によって、放電検出回数が閾値T2を越えると制御部51が判定した場合(発注判定処理S73においてYES)、制御部51は後述する注文情報送信処理S75を実行する。発注判定処理S73によって、放電検出回数が閾値T2を越えないと制御部51が判定した場合(発注判定処理S73においてNO)、制御部51は発注判定処理S74を実行する。
発注判定処理S74は、本体メモリ513に記憶されているドラム寿命情報に基づいて、ドラムカートリッジ20が要発注状態であるかを判定する処理である。制御部51は、発注判定処理S74において、累積印刷枚数が要発注状態を表す閾値T3を越えるか、及び、累積ドラム回転数が要発注状態を表す閾値T4を越えるかを判定する。発注判定処理S74によって、累積印刷枚数または累積ドラム回転数の少なくとも一方が対応する閾値T3,T4を越えると制御部51が判定した場合(発注判定処理S74においてYES)、制御部51は注文情報送信処理S75を実行する。また、発注判定処理S74によって、累積印刷枚数及び累積ドラム回転数が対応する閾値T3,T4を越えないと制御部51が判定した場合(発注判定処理S74においてNO)、制御部51は第2定期実施処理を終了する。
注文情報送信処理S75は、制御部51がサーバ7に新たなドラムカートリッジ20を注文するための情報を送信する処理である。注文情報は、例えば、新たなドラムカートリッジ20を要求することを表す情報と、画像形成装置1のデバイス情報とを含む。図5に示すように、サーバ7は、注文情報を受信すると、発送業者のサーバ9に対して、発注情報を送信する(発注処理S751)。発注情報は、具体的には、注文情報に対応する契約ユーザの氏名や住所などの情報と、新たなドラムカートリッジ20の種別(通常ドラムまたは廉価ドラム)を表す情報と、を含む。発送業者は、発注情報に基づき、対象の契約ユーザに対して、新たなドラムカートリッジ20を発送する(発送処理S752)。これにより、契約ユーザは、本体筐体10に装着されているドラムカートリッジ20が要交換状態となる前に、新たなドラムカートリッジ20を受け取ることができる。
なお、注文情報送信処理S75は、制御部51が、注文情報を送信する承認を受けたかを判定する承認判定処理を含んでいてもよい。具体的には、制御部51が、ディスプレイ55に承認を求める画像を表示することによって、ユーザに対して承認の入力を要求する。そして、制御部51は、所定の入力を受け付けた場合に承認を受けたと判定するとよい。承認判定処理によって、承認を受けたと制御部51が判定した場合、制御部51が注文情報を送信する。これにより、ユーザの承認なしに、自動的に注文情報がサーバ7へ送信されることを抑制できる。
制御部51は、注文情報送信処理S75を完了すると、発注済フラグ処理S76を実行する。発注済フラグ処理S76は、発注済フラグを本体メモリ513及びドラムメモリ22に保存する処理である。制御部51は、発注済フラグ処理S76を完了すると、第2定期更新処理を終了する。
なお、放電前検出回数がカウントアップ方式のパラメータである場合、閾値T1は閾値T1Eよりも小さい値とされる。ここで、放電前検出回数がカウントダウン方式のパラメータとしてもよい。放電前検出回数がカウントダウン方式のパラメータとした場合、閾値T1は閾値T1Eよりも大きい値とすればよい。放電検出回数についての閾値T2,T2E、累積印刷枚数についての閾値T3,T3E、及び、累積ドラム回転数についての閾値T4,T4Eについても、同様である。
図12は、画像形成装置1において実行される放電チェック処理を示す図ある。制御部51は、放電チェック処理を開始すると、帯電器23にバイアスの印加を開始したかを判定する(バイアス判定処理S81)。バイアスの印加を開始したと制御部51が判定した場合、制御部51は放電前判定処理S82を実行する。放電前判定処理S82は、帯電器23に所定のバイアスが印加された状態で、帯電ワイヤ231に印加されている電圧値が所定の閾値以上であるかを、制御部51が判定する処理である。帯電ワイヤの電圧値が所定の閾値を越えると制御部51が判定した場合(放電前判定処理S82においてYES)、制御部51は放電前異常が発生したとして、帯電器23に対するバイアスの印加を停止する(バイアス印加停止処理S83)。制御部51は、帯電器23に対するバイアスの印加を停止すると、本体メモリ513に記憶されているドラム履歴情報の放電前検出回数をインクリメントする(インクリメント処理S84)。制御部51は、インクリメントを完了すると、放電前検出エラー処理S85を実行する。放電前検出エラー処理S85は、具体的には、制御部51が、帯電ワイヤ231をクリーニングすることを促す画像を、ディスプレイ55に表示させる処理を含む。制御部51は、放電前検出エラー処理S85を完了すると、放電チェック処理を終了する。
また、放電前異常が発生していないと制御部51が判定した場合(放電前判定処理S82においてNO)、制御部51は放電判定処理S86を行う。放電判定処理S86は、帯電器23に所定のバイアスが印加された状態で、検出器17が過電流を検出したかを、制御部51が判定する処理である。検出器17が過電流を検出したと制御部51が判定した場合(放電判定処理S86においてYES)、制御部51は、放電異常が発生したとして、帯電器23に対するバイアスの印加を停止する(バイアス印加停止処理S87)。制御部51が帯電器23に対するバイアスの印加を停止すると、本体メモリ513に記憶されているドラム履歴情報の放電検出回数をインクリメントする(インクリメント処理S88)。制御部51は、インクリメントを完了すると、放電検出エラー処理S89を実行する。放電検出エラー処理S89は、具体的には、制御部51が、帯電ワイヤ231をクリーニングすることを促す画像を、ディスプレイ55に表示させる処理を含む。制御部51は、放電検出エラー処理S89を完了すると、放電チェック処理を終了する。
放電前判定処理S82および放電判定処理S86は、交換部品であるドラムカートリッジ20の異常が検出されたかを判定する異常判定処理の一例である。
図13は、画像形成装置1においてトナーカートリッジ30が交換された際に実行されるトナーチェック処理の流れを示す図である。図13に示す各処理は、特に断らない限り、画像形成装置1の制御部51が実行する処理であるものとする。
画像形成装置1の制御部51は、トナー交換判定処理S91を実行する。トナー交換判定処理S91は、トナーカートリッジ30が交換されたかを判定する処理である。具体的に、画像形成装置1の電源がONからOFFに切り換えられた場合、または、カバー11が開位置から閉位置へ移動したことを開閉センサ12が検出した場合、制御部51が、トナーカートリッジ30のトナーIDと、本体メモリ513に予め記憶されているトナーIDとを比較する。制御部51は、トナーIDが一致した場合、トナーカートリッジ30が交換されていないと判定し(トナー交換判定処理S91においてNO)、トナーIDが一致しなかった場合、トナーカートリッジ30が交換されたと判定する(トナー交換判定処理S91においてYES)。
制御部51は、交換判定処理S91によってトナーカートリッジ30が交換されたと判定した場合、トナー情報ラッチ処理S92を実行する。トナー情報ラッチ処理S92は、制御部51が、トナーメモリ30に記憶されているトナーID及びトナー寿命情報を読み出し、読み出した情報を本体メモリ513に書き込む処理である。トナー情報ラッチ処理S92は、トナー寿命情報記憶処理の一例である。
制御部51は、トナー情報ラッチ処理S92を完了すると、トナー寿命チェック処理S93を実行する。トナー寿命チェック処理S93は、トナー寿命情報が、所定の閾値を越えるかを判定するトナー寿命判定処理を含む。所定の閾値は、例えば、トナーカートリッジ30の交換すべき状態を表す値とし得る。制御部51は、トナー寿命判定処理により、トナー寿命情報が所定の閾値を越えないと判定した場合、トナー寿命チェック処理S93を終了する。一方、トナー寿命情報が所定の閾値を越えると判定した場合、トナーカートリッジ30が寿命に達したものとして、制御部51が、例えば、トナーカートリッジ30を交換することを表す画像を、ディスプレイ55に表示させる処理を行う。
<2. 第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。なお、以降の説明において、第1実施形態で説明した要素と同様の機能を有する要素については、同じ符号又はアルファベット文字を追加した符号を付して、詳細な説明を省略する場合がある。
第1実施形態の画像形成システム100では、図11において説明したように、ドラムカートリッジ20が要発注状態にあるかの判定が、契約画像形成装置1において行われている。しかしながら、契約画像形成装置1の制御部51が要発注状態であるかを判定することは必須ではない。
図14は、第2実施形態の契約画像形成装置1において実行される第1定期実施処理を示す図ある。第2実施形態の契約画像形成装置1では、制御部51は、第1定期実施処理において、ドラム寿命チェック処理S37を完了すると、ドラム情報送信処理S63を実行する。ドラム情報送信処理S63は、契約画像形成装置1の制御部51が、本体メモリ513に記憶されているドラム情報を、サーバ7へ送信する処理である。また、ドラム情報送信処理S63において、制御部51は、ドラム履歴情報とともに、契約画像形成装置1のデバイス情報をサーバ7へ送信する。すなわち、デバイス情報とドラム情報とが関連付けされた状態でサーバ7に送信される。制御部51は、ドラム情報送信処理S63を完了すると、第1定期実施処理を終了する。なお、通常画像形成装置1では、ドラム情報送信処理S63は実行されない。すなわち、通常モードに設定されている制御部51は、図10において説明した第1定期実施処理を実行する。
図15は、第2実施形態のサーバ7において実行される第2定期実施処理を示す図である。図15に示す第2定期実施処理は、図11に示す第2定期実施処理と一部類似する。ただし、図15に示す第2定期実施処理はサーバ7が実行する処理であるのに対して、図11に示す第2定期実施処理は契約画像形成装置1が実施する処理である点で、互いに相違する。
第2実施形態のサーバ7は、ドラム情報及びデバイス情報を受信したかを判定する受信判定処理S70を実行する。ドラム情報及びデバイス情報は、契約画像形成装置1がドラム情報送信処理S63(図14)によって送信した情報である。受信判定処理S70によって、サーバ7がドラム情報及びデバイス情報を受信した場合、サーバ7は、発注判定処理S71aを実行する。発注判定処理S71は、サーバ7が受信したドラム情報について、新たなドラムカートリッジ20が未発注であるかを判定する。
サーバ7は、新たなドラムカートリッジ20の発注を行った場合、後述する発注済フラグ処理S76aによって、登録情報731の対応するドラムIDに、発注済フラグを保存する。このため、発注判定処理S71aでは、サーバ7は、登録情報731において、受信したドラム情報のドラムIDに発注済フラグが保存されているかを確認する。未発注であるとサーバ7が判定した場合(発注判定処理S73においてYES)、サーバ7は、発注判定処理S72aを実行する。
発注判定処理S72a,S73b,S74bは、ドラムカートリッジ20が要発注状態であるかを判定する処理であり、サーバ7が実行する点以外は、図11において説明した発注判定S72,S73,S74と同様である。すなわち、サーバ7は、放電前検出回数が閾値T1を越えるか(発注判定処理S72a)、放電検出回数が閾値T2を越えるか(発注判定処理S73a)、及び、累積印刷枚数が閾値T3を越えるか、または、累積ドラム回転が閾値T4を越えるか(発注判定処理S74a)を適宜実行する。
発注判定処理S72a,S73b,S74bにより、ドラムカートリッジ20が要発注状態であるとサーバ7が判定した場合(発注判定処理S72a,S73b,S74bにおいてYES)、サーバ7は発注処理S751を実行する。発注判定処理S72a,S73b,S74bによって、ドラムカートリッジ20が要発注状態であるとサーバ7が判定した場合(発注判定処理S72a,S73b,S74bにおいてNO)、サーバは第2定期実施処理を終了する。
発注処理S751は、図5において説明したように、サーバ7が発送業者のサーバ9に発注情報を送信する処理である。図5に示すように、発送業者は、サーバ9が受信した発注情報に基づいて、新たなドラムカートリッジ20を対象の契約ユーザに発送する(発送処理S752)。これにより、契約ユーザは、契約画像形成装置1に装着されているドラムカートリッジ20が要交換状態となる前に、新たなドラムカートリッジ20を受け取ることができる。
図15に戻って、サーバ7は、発注処理S751を完了すると、発注済フラグ処理S76を実行する。発注済フラグ処理S76は、上述したように、登録情報731において、発注が行われたドラムIDに、発注済フラグを保存する処理である。
以上ように、第2実施形態では、ドラム情報送信処理S63(図14)によって契約画像形成装置1の制御部51がドラム情報を送信し、サーバ7が新たなドラムカートリッジ20の発注の要否を判定する。すなわち、ドラム情報送信処理S63において、制御部51がサーバ7に送信するドラム情報は、新たなドラムカートリッジ20を注文するための注文情報の一例である。また、ドラム情報送信処理S63は、制御部51がサーバ7へ注文情報を送信する送信処理の一例である。
<3. 第3実施形態>
図16は、第3実施形態に係る、動作モード及びドラム種別情報に応じたドラムカートリッジの使用制御処理の内容を示す図である。第3実施形態の画像形成システム100では、図16に示すように、制御部51の動作モードが高額契約モードである場合、ドラムカートリッジ20の種別にかかわらず、使用の延長を制限する延長制限処理が行われる。例えば、ドラムカートリッジ20が長期間使用されると、感光体ドラム21の表面に異物が付着する可能性があり、印刷品質が低下するおそれがある。そこで、高額契約モードのような特定の動作モードにおいて、ドラムカートリッジ20の種別によらず延長制限処理を行うことによって、寿命を越えた使用を制限することにより、異物の付着等による画像品質の低下が抑制される。
<4. 第4実施形態>
図17は、第4実施形態に係る、第4実施形態に係るドラム寿命チェック処理を示す図である。第4実施形態に示すドラム寿命チェック処理は、判定処理S51の前に判定処理S50が追加されている点で、図9に示すドラム寿命チェック処理と相違する。判定処理S50は、ドラム寿命情報に基づいて、ドラムカートリッジ20が要チェック状態であるかを制御部51が判定する処理である。要チェック状態は、要交換状態になるよりも前の状態であって、放電履歴情報のチェックが必要な状態である。
判定処理S50において、制御部51は、ドラム寿命情報の「累積印刷枚数」が要チェック状態を表す所定の閾値T31を越えるか、及び、ドラム寿命情報の「累積ドラム回転数」が要チェック状態を表す閾値T41を越えるかを判定する。なお、閾値T31は、要発注状態を表す閾値T3またはT3Eと同じであってもよい。また、閾値T41は、要発注状態を表す閾値T4またはT4Eと同じであってもよい。
累積印刷枚数が閾値T31を越えると制御部51が判定した場合、または、累積ドラム回転数が閾値T41を越えると制御部51が判定した場合(判定処理S50においてYES)、制御部51は判定処理S51を行う。一方、累積印刷枚数が閾値T31を越えず、かつ、累積ドラム回転数が閾値T41を越えないと制御部51が判定した場合(判定処理S50においてNO)、制御部51は判定処理S51をスキップして、判定処理S52を実行する。以上のように、制御部51は、放電履歴情報をチェックする判定処理S51を、ドラムカートリッジ20の寿命情報に基づいて行ってもよい。
<5. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本開示は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、帯電器23は、スコロトロン型であることは必須ではなく、帯電ローラ等の別の方式のものであってもよい。
上記実施形態では、図8において説明したように、制御部51は、動作モード及びドラム種別情報に応じて、ドラムカートリッジ20の使用延長の制御(具体的には、延長許可制御と延長制限制御)を切り換えて行っている。しかしながら、ドラム種別情報に応じて使用延長の制御を切り換えることは必須ではない。例えば、動作モードのみに応じて、制御部51が使用延長の制御を切り換えて行ってもよい。具体的には、制御部51は、契約モードに設定されている場合、使用延長を制限する制御を行い、通常モードに設定されている場合、使用延長を許可する制御を行ってもよい。また、動作モードに応じて、使用延長の制御を切り換えることは必須ではない。例えば、制御部51がドラム種別情報のみに応じて使用延長の制御を切り換えて行ってもよい。
サーバ7は、通信装置の一例であり、通信装置は、サーバ7に限定されるものではない。通信装置は、PCやスマートフォン、タブレットなどの情報端末であってもよい。そして、画像形成装置1の制御部51は、情報端末に、注文情報(第2実施形態におけるドラム情報等を含む。)を送信してもよい。この場合、情報端末が、注文情報をサーバ7へ送信してもよい。また、各装置間のデータ通信に、E-mailが利用されてもよい。
画像形成装置1は、複数色のトナーカートリッジ30を備えるカラープリンタとして構成されているが、単色のモノクロプリンタであってもよい。画像形成装置がモノクロプリンタである場合、1つのトナーカートリッジ30に対して、1つの感光体ドラム21を有するドラムカートリッジが設けられてもよい。また、ドラムカートリッジ20は、4つのトナーカートリッジ30を同時に保持するように構成されていることは必須ではない。図18は、変形例の画像形成装置1aを示す概略構成図である。画像形成装置1aは、本体筐体10aを有しており、本体筐体10aには、4つのドラムカートリッジ20aが交換可能に装着される。各ドラムカートリッジ20aは、1つの感光体ドラム21と、ドラムメモリ22とを有する。各ドラムカートリッジ20aには、1つのトナーカートリッジ30が交換可能に装着される。画像形成装置1aを、図1に示す画像形成システム100に適用してもよい。なお、本実施形態では、トナーカートリッジ30が現像ローラ31を備えていたが、トナーカートリッジ30が現像ローラ31を備えなくてもよい。ドラムカートリッジ20が、現像ローラ31を備えても良い。また、現像ローラを持たないトナーカートリッジ30と、ドラムカートリッジ20とに加え、現像ローラ31を備える現像カートリッジが備えられ、3部品式のカートリッジであっても良い。この場合、現像カートリッジがドラムカートリッジ20に装着可能であり、トナーカートリッジ30がドラムカートリッジ20に装着可能である。
上記実施形態では、本体筐体10に装着可能であり、トナーカートリッジ30と共に画像形成に用いられる交換部品として、ドラムカートリッジ20を例示したが、交換部品はドラムカートリッジ20に限定されない。交換部品は、例えば、転写ユニット40、または、光源ユニットなどでもよい。
本開示は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、本開示がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。