本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。以下の実施の形態では、本開示のコンピュータプログラムを適用した検知システムについて説明する。
図1は、検知システム100の概要図である。検知システム100は、学校、学童保育、公民館、図書館等の公的な教育機関に配備される。その他、子どもが定期的に訪れる施設であってもよい。本実施の形態の検知システム100の対象の子どもは、画面に表示される質問に対し、タブレット端末等を操作して答えることができ、小学校に通う児童から高校の生徒とするが、未就学児であってもよい。対象の子どもは障碍者学級に通う児童等も含む。以下及び図1の説明では、検知システム100は、小学校に配備され、検知の対象は小学生(児童)とする。
検知システム100は、異なる小学校に各々配備される児童用クライアント装置1及びスタッフ用クライアント装置2を含む。検知システム100は、検知サービスを提供する提供者によって管理されるサーバ装置3、及び、管理者用クライアント装置4を含む。児童用クライアント装置1及びスタッフ用クライアント装置2は、学校内のローカルネットワークSL内で相互に通信接続が可能であると共に、ネットワークNを介してサーバ装置3と通信接続が可能である。管理者用クライアント装置4は、ネットワークNを介してサーバ装置3と通信接続が可能である。
ネットワークNは、公衆通信網及び/又はキャリアネットワークを含む。ネットワークNは、教育用のイントラネットを含んでもよい。
本実施の形態の検知システム100では、児童用クライアント装置1にて、児童からログインがあったタイミングで、設定された頻度で児童に向けて質問を投げかけ、児童からの回答を収集する。収集された回答は、学内のネットワークSL内でアクセス可能な記憶装置28に記憶されると共に、サーバ装置3へ送信されて蓄積される。収集された回答を基に、虐待又はいじめ等が疑われる児童についてのアラートが、学校で指定されたスタッフが用いるスタッフ用クライアント装置2へ通知される。スタッフ用クライアント装置2は、虐待やいじめの検知に関わる、学校指定の特定のスタッフ(以下、第一種スタッフという)が閲覧操作できる装置である。第一種スタッフは例えば、養護教員又は学校に勤務する看護師である。第一種スタッフはその他教育機関が指定する、校長、教頭、主任等でもよく、学校側で、他の職員等、システムに対して制約のある第二種スタッフと区別して指定される。またサーバ装置3では、バックエンドサーバとして、児童(生徒)の識別データに対応付けた質問及び回答の履歴を、全イベントに亘って消去することなく記録する。
警察庁の報告では、児童虐待に関しては、被害者の児童の74%以上が誰にも相談できていない状況である(警察庁、犯罪被害類型別調査より)。その理由として、「低年齢であったため、相談することを思い至らない」が挙げられている。本実施の形態の検知システム100において、児童は、養育者と共に生活する場所以外で定期的に通う「学校」という教育機関で、特に児童が能動的に「相談する」という行動を起こさずとも、児童用クライアント装置1から投げかけられる質問に対して受動的に答えるのみでよい。本実施の形態の検知システム100では、養育者から受けている被害を原因とする潜在的な心の不安を、その児童のもう一つの居場所である教育機関における養護教員等を始めとする第一種スタッフや、システムの運営事業者のオペレータに早く気付いてもらえる可能性を高める。また本実施の形態における検知システム100では、児童からの回答等の情報に対する閲覧制限の有無等、教育機関内でも第一種スタッフと第二種スタッフとを区別させた運用が可能である。
本実施の形態の検知システム100では、サーバ装置3で、質問及び回答が蓄積される。回答の改ざんを防止することもできる。児童用クライアント装置1からログインができたとしても過去の内容を閲覧することもできず、個人情報保護を徹底させることが可能である。また、児童に割り当てられた児童識別データは、児童の引っ越しや進学で学校が変更になったとしても引き継がれるものとして扱う。これにより、転校時に、転校前の情報が見えなくなり、転校先での児童に対するフォローが不十分になるといった状況を回避することができる。
このようなシステムを実現するための具体的な構成及び具体的な処理内容について以下に説明する。図2は、検知システム100に含まれる児童用クライアント装置1の構成を示すブロック図である。児童用クライアント装置1はタブレット端末である。児童用クライアント装置1はスマートフォンであってもよい。児童用クライアント装置1はその他、デスクトップ型又はラップトップ型のパーソナルコンピュータであってもよい。児童用クライアント装置1は、複数人で共有するパーソナルコンピュータであってもよい。児童用クライアント装置1は、処理部10、記憶部11、通信部12、表示部13、及び操作部14を備える。
処理部10は、CPU(Central Processing Unit )及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサである。処理部10は、記憶部11に記憶されている児童用クライアントプログラム1Pに基づき、表示部13に質問を表示して、操作部14で回答を受け付け、サーバ装置3との間でデータの送受信を実行する。
記憶部11は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを用いる。記憶部11は、処理部10が参照するデータを記憶する。記憶部11は、児童用クライアントプログラム1Pを記憶する。児童用クライアントプログラム1Pは、記録媒体7に記憶してある児童用クライアントプログラム7Pを処理部10が読み出して記憶部11に複製したものであってもよい。
通信部12は、ネットワークNを介したデータ通信、及び、学内ネットワークSLを介したスタッフ用クライアント装置2との通信を各々実現する。通信部12は具体的には、例えばネットワークカードである。処理部10は、通信部12によってサーバ装置3との間でデータを送受信する。
表示部13は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイである。表示部13は、記憶部11に記憶されているデータに基づく情報を含む画面を表示する。表示部13は、タッチパネル内蔵型ディスプレイであってもよい。
操作部14は、処理部10との間で入出力が可能なキーボード及びポインティングデバイス等のユーザインタフェースである。操作部14は、音声入力部であってもよい。操作部14は、表示部13のタッチパネルであってもよい。操作部14は、物理ボタンであってもよい。操作部14は、児童による操作データを処理部10へ通知する。
児童用クライアント装置1は、通信部12を介し、学校毎の児童のデータ、質問データ、及びそれに対する回答を記憶する記憶装置28に対してデータの読み出しと、回答の書き込みが可能である。
図3は、スタッフ用クライアント装置2の構成を示すブロック図である。スタッフ用クライアント装置2は、処理部20、記憶部21、通信部22、表示部23、及び操作部24を備える。スタッフ用クライアント装置2のハードウェア構成は基本的に、児童用クライアント装置1と同様であるから、対応する符号を付して各構成部の詳細な説明を省略する。スタッフ用クライアント装置2の記憶部21には、スタッフ用クライアントプログラム2Pが記憶されている。スタッフ用クライアントプログラム2Pは、記録媒体8に記憶してあるスタッフ用クライアントプログラム8Pを処理部20が読み出して記憶部21に複製したものであってもよい。
スタッフ用クライアント装置2は、通信部22を介し、学校毎の児童のデータ、質問データ、及びそれに対する回答を記憶する記憶装置28に対してデータの読み書き可能である。記憶装置28は、スタッフ用クライアント装置2内部に構成されてもよい。
また、検知システム100は、学校における他の職員(システム上で学校にて第一種スタッフとして指定されている者以外の第二種スタッフ)が使用できる職員用クライアント装置5を別途含む。職員用クライアント装置5にて閲覧できるデータはスタッフ用クライアント装置2よりも少なく設定され、原則として職員用クライアント装置5からデータの書き込みは不可として設定される。職員用クライアント装置5は、スタッフ用クライアント装置2と同様の構成であるから詳細な説明は省略する。
図4は、検知システム100に含まれるサーバ装置3の構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、処理部30、記憶部31、及び通信部32を備える。処理部30は、CPU及び/又はGPUを用いたプロセッサである。処理部30は、記憶部31に記憶されているサーバプログラム3Pに基づき、各クライアント装置1,2,4から送信されるデータを記憶する処理を実行する。
記憶部31は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD等の不揮発性メモリを用いる。記憶部31は、大容量の記憶装置であることが好ましい。記憶部31は、各クライアント装置1,2,4から送信されるデータを記憶する。記憶部31はこれらのデータを、そのデータが流出した場合であっても個人情報が特定されない形式で記憶する。記憶部31は、サーバプログラム3Pを記憶する。サーバプログラム3Pは、記録媒体9に記憶してあるサーバプログラム9Pを処理部30が読み出して記憶部31に複製したものであってもよい。
通信部32は、ネットワークNを介したデータ通信を実現する。通信部32は具体的には、例えばネットワークカードである。処理部30は、通信部32によって各クライアント装置1,2,4との間でデータを送受信する。
図5は、管理者用クライアント装置4の構成を示すブロック図である。管理者用クライアント装置4は、処理部40、記憶部41、通信部42、表示部43、及び操作部44を備える。管理者用クライアント装置4のハードウェア構成は、児童用クライアント装置1及びスタッフ用クライアント装置2と同様であるから、対応する符号を付して各構成部の詳細な説明を省略する。管理者用クライアント装置4には、管理者用の特別な管理者用クライアントプログラム4Pが記憶されているとして以下説明する。
児童用クライアント装置1、スタッフ用クライアント装置2、管理者用クライアント装置4及び職員用クライアント装置5は、いずれも表示用ディスプレイ、操作用インタフェース及び通信インタフェースを備える同一のハードウェア構成である。これらのクライアント装置1,2,4,5の動作の差異は、各クライアント装置1,2,4,5向けのクライアントプログラム1P,2P,4P,5Pにて実現される機能の差異によって生じ、異なるクライアントプログラムに基づいて動作するものとして説明する。しかしながら、クライアントプログラム1P,2P,4P,5Pは共通のWebベースのクライアントプログラム(例えばWebブラウザ)であって、サーバ装置3が提供するWebサービスへのログインアカウントに対して付与されているアカウント種別(児童、第一種スタッフ、第二種スタッフ、管理者等の複数種類)によって機能が異なるものとしてもよい。
また、サーバ装置3は、上述したように、児童用クライアント装置1、スタッフ用クライアント装置2、及び管理者用クライアント装置4からネットワークNを介して通信接続されるクラウド型として説明する。しかしながら、サーバ装置3は、各学校に配備されて学内ネットワークSL内のみで接続可能なオンプレミス型であってもよい。
このように構成される検知システム100の動作について詳細を説明する。第1に、検知システム100の利用準備段階について説明し、第2に利用準備が整った後の児童からの質問に対する回答の回収処理について説明し、第3に、回答に基づく虐待やいじめの検知及び通知について説明する。
利用準備段階においては、検知システム100を利用する学校の管理者から、サーバ装置3の運営事業者に対し、利用依頼が届けられる。利用依頼はサーバ装置3が提供するWebサービス上で受け付けられてもよいし、郵送等の手段によって運営者に届けられてもよい。
運営事業者は、利用依頼の依頼元の学校に対し、学校識別データを発行する。具体的には、利用依頼に対して、サーバ装置3が利用依頼元の学校の情報(学校名、住所、第一種スタッフ連絡先)に対応付けて学校識別データを発行し、依頼元のスタッフ用クライアント装置2へ送付する。第一種スタッフあるいは代表者が、発行された学校識別データを把握する。以後、検知システム100における学校のスタッフ用クライアント装置2及び児童用クライアント装置1、並びにそれらのクライアント装置1,2で受け付けられるデータについては第一種スタッフのみが管理者権限を付与され、児童の全データを取り扱う。運営事業者は、管理者用クライアント装置4にて、第一種スタッフを識別するデータを学校識別データと対応付けて登録する。
第一種スタッフは、スタッフ用クライアント装置2を用い、学校識別データに対応付けて、学校のクラス編成のデータをサーバ装置3へ登録する。具体的には、スタッフ用クライアント装置2は、学年数、学年毎の組数等の情報を含むクラス編成を示す生徒データの登録の他、追加及び編集を受け付け、記憶装置28に記憶すると共にサーバ装置3へ送信し、サーバ装置3で学校識別データに対応付けて学年・クラス編成のデータを記憶する。これらの処理は、運営事業者によって管理者クライアント装置4で実施されてもよい。
第一種スタッフは、スタッフ用クライアント装置2によって、学校の児童数分、児童夫々を固有に識別する児童識別データを発行し、サーバ装置3へ送信する。スタッフ用クライアント装置2では、児童を識別する児童識別データと、対応する初期パスワードとを発行する。児童識別データ及び初期パスワードは、サーバ装置3で全体に亘って個別となるように自動的に発行されてよい。
児童識別データは、異なる学校の児童同士で重複しないように発行される。スタッフ用クライアント装置2で発行される児童識別データは例えば、学校識別データを上位桁に持ち、下位数桁を学内での識別データとして持つ。各児童に発行された児童識別データは、児童が他の学校へ転校した場合であっても引き継がれる。この場合、転校した時点で同一児童に割り当てられる児童識別データの上位桁は、転校先の学校の学校識別データに変更される。下位数桁が転校先の他の在校生と重複した場合は下位数桁も変更されてもよく、この場合、転校前後の児童識別データ同士の対応付けが記憶される。
第一種スタッフは、スタッフ用クライアント装置2(又は登録用のクライアント装置)を用い、各児童に発行された児童識別データに児童の属性(学年、クラス、生年月日等)を対応付ける追加処理を実行する(図11参照)。スタッフ用クライアント装置2は、児童識別データと属性の対応を記憶部に記憶すると共に、サーバ装置3へ送信する。各児童への質問の元となる質問表のデータが、サーバ装置3から送信される。送信された質問表のデータは、記憶装置28に記憶される。質問表は、学年別、その他の特性に応じたパターン別のテーブルに区別されて構成されており、第一種スタッフは、スタッフ用クライアント装置2を用いて、学年毎、又は学校種別毎に、記憶装置28に記憶されている質問表に含まれる質問を割り当てる。第一種スタッフは、低学年には週毎のテストでも例えば上限10個程度の質問数、高学年には15個程度の質問を割り当てるなど、質問数も学年に応じて設定することができる。質問の割り当ては、児童の学年に応じて自動的に実行されてもよい。質問表のデータは、サーバ装置3から適宜、更新される。
そして、児童が使用する汎用タブレット端末に、児童用クライアントプログラム1Pをインストールする。児童用クライアントプログラム1Pがインストールされて利用可能になったタブレット端末は児童用クライアント装置1となり、サーバ装置3と通信接続できる状態で利用準備が整う。
第一種スタッフは、スタッフ用クライアント装置2を用いて、各児童に対して質問を投げかけるテストの頻度を日毎、週毎、及び月毎のいずれか1つ又は複数に設定する。第一種スタッフは、テストの頻度を学校毎、学年毎に設定することができる。テストの頻度のデータは、サーバ装置3にて学校識別データ、及び/又は、クラス識別データに対応付けて記憶される。これらの処理は、運営事業者によって管理者クライアント装置4で実施されてもよい。
第2段階の児童への質問出力及び回答回収について説明する。
図6は、児童用クライアント装置1における処理手順の一例を示すフローチャートである。児童用クライアント装置1の処理部10は、児童用クライアントプログラム1Pに基づき、各児童に対して所属する学年や、所属する学校に対して設定された頻度で、以下に示す処理手順を実行する。
処理部10は、ログイン画面を表示部13に表示し(ステップS101)、ログインデータを操作部14にて受け付ける(ステップS102)。処理部10は、ログインデータに基づいて児童に対して認証を実行する(ステップS103)。
ステップS103において具体的には、処理部10はログインデータをサーバ装置3へ送信して認証を受けてもよいし、学校内ネットワークSLを介して記憶装置28に記憶されているデータに基づいて認証を実行してもよい。ログインデータは例えば、学校名、クラス名及び児童名、並びに、児童識別データのいずれかと、それに対応するパスワードを含む。パスワードは、例えば数字又は英数字によって構成される。学年が低い児童が扱えるよう、4桁の数字等としてもよい。パスワードは、指紋、顔認識等の生体情報に代替されてもよい。
処理部10は、児童への気分に関する質問を、質問表から抽出する(ステップS104)。処理部10は、抽出した質問を含む質問画面を表示部13に表示する(ステップS105)。ステップS105で表示される質問画面は、児童用クライアントプログラム1Pに含まれていてもよい。質問画面は、質問表を記憶しているサーバ装置3からその都度提供されてもよい。
処理部10は、質問画面に表示されている気分に関する質問に対し、所定時間以内に回答があったか否かを判断し(ステップS106)、回答があったと判断された場合(S106:YES)、回答を記憶装置28に記憶すると共にサーバ装置3へ送信し(ステップS107)、処理をステップS109へ進める。回答は、選択肢のいずれかであってもよいし、コメントであってもよい。
回答が無かったと判断された場合(S106:NO)、無回答であることを記憶装置28に記憶すると共にサーバ装置3へ送信し(ステップS108)、処理をステップS109へ進める。ステップS108において処理部10は、質問画面を表示後に中断があった場合に後に再開できるように、質問を識別するデータを記憶してサーバ装置3へ送信して処理を終了してもよい。この場合、処理部10はログイン後にステップS109から処理を再開してもよい。
処理部10は、ステップS107で記憶した回答に基づいて次に質問が存在するか否かを判断する(ステップS109)。処理部10は、無回答であったことに基づいて判断してもよい。
ステップS109にて存在しないと判断された場合(S109:NO)、質問の終了を示す画面を表示部13に表示し(ステップS110)、処理を終了する。この場合、処理部10は、質問画面から他のアプリケーションプログラムへ移行するようにしてもよい。
ステップS109にて次の質問が存在すると判断された場合(S109:YES)、次の質問を含む画面の画面データを表示部13に表示する(ステップS111)。処理部10は、次の質問に対する回答があったか否か、ステップS106へ処理を戻して判断する。
図6のフローチャートに示した処理手順により、各児童に対する質問及びそれに対する回答がその頻度に応じて記憶装置28に記憶される。
図7は、検知の処理手順の一例を示すフローチャートである。スタッフ用クライアント装置2の処理部20は、児童から受け付けて記憶されている回答に基づき、児童あるいは児童が所属する学校種別や学年に対して設定されている質問頻度に応じて以下の処理を実行する。図7のフローチャートに示す処理手順は、バックエンドサーバであるサーバ装置3で、各児童用クライアント装置1から送信され、記憶部31に記憶されているデータに基づいて実行してもよい。
処理部20は、児童識別データを選択する(ステップS201)。処理部20は、選択した児童識別データで識別される児童からの回答を読み出し(ステップS202)、回答に基づくポイントを集計する(ステップS203)。
処理部20は、集計されたポイント(スコア)に応じた状態データを特定し(ステップS204)、児童識別データに対応付けて記憶装置28に記憶すると共に、サーバ装置3へ送信する(ステップS205)。サーバ装置3へ送信された児童識別データ及び状態データは、記憶部31に記憶される。
ステップS204において処理部20は、状態データを、児童が虐待又はいじめを受けている可能性の高さで特定する。処理部20は、ポイント数に応じて低/中/高の三段階の内のいずれの状態であるかを特定する。記憶装置28には、日毎のポイント、週毎のポイント、月毎のポイント集計結果に対し、低/中/高のいずれに該当するかの対応関係が記憶されている。対応関係は、学年別(学校種別)に異なるものであってもよい。
処理部20は、集計されたポイントが、予め記憶してあるアラート閾値を超過するか否かを判断する(ステップS206)。質問の頻度が、アラート閾値は、質問の頻度の設定別に記憶してある。質問の頻度が毎日である場合、処理部20は、日毎のテストに対するアラート閾値とポイントとを比較して判断する。
ステップS203-S206において、日毎のテストに含まれる質問が1問しかない場合、ポイント集計結果ではなく、その質問に対する回答の選択肢に応じてアラートを通知するか否かが設定されていてもよい。
集計されたポイントがアラート閾値を超過すると判断された場合(S206:YES)、処理部20は、選択中の児童識別データを対応付けて、第一種スタッフ向けにアラートを通知し(ステップS207)、処理をステップS208へ進める。ステップS207において具体的には、処理部20は、表示部23にアラートメッセージを表示する。ステップS207において処理部20は、メッセージアプリ、電子メールを用いて通知してもよい。処理部20は、スタッフ用クライアントプログラム2Pを起動した場合の最初の画面に、アラートであることを示す表示をしてもよい。
集計されたポイントがアラート閾値以下であると判断された場合(S206:NO)、処理部20は、ステップS207の処理を省略し、処理をステップS208へ進める。
処理部20は、全ての児童識別データに対して処理を実行したか否かを判断する(ステップS208)。ここでいう「全て」とは例えば、対象期間内にログインした児童を対象とする。欠席した児童については別途異なる処理で分析してよい。全ての児童識別データに対して処理を実行していないと判断された場合(S208:NO)、処理部20は処理をステップS201へ戻す。
全ての児童識別データに対して処理を実行したと判断された場合(S208:YES)、処理部20は、処理を終了する。終了の判断は、テストの実施期間が終了したか否かであってもよい。
図7のフローチャートに示す処理手順については児童用クライアント装置1が、図6のフローチャートで回答を受け付ける都度にポイントを集計し、集計の都度、アラート閾値と比較してアラートを通知するか否かを判断してもよい。
児童用クライアント装置1にて質問に対する回答を受け付ける都度に、児童用クライアント装置1はサーバ装置3へ回答を送信する。その回答は、サーバ装置3の記憶部31に蓄積される。これらのデータは、サーバ装置3を管理する運営事業者のオペレータが使用する管理者用クライアント装置4からも確認が可能である。例えば、管理者用クライアント装置4にて、運営事業者のオペレータのログインデータを用いて管理者用クライアントプログラム4Pを実行すると、表示部43には運営事業者のオペレータ向けのメイン画面が表示される。メイン画面(図9参照)には、学校の追加、生徒の追加等を受け付けるメニューの他に、直近で、虐待又はいじめを受けている可能性の高さを示すポイントがアラート閾値を超過している児童のリストが表示可能であるとよい。このリストは、異なる学校、異なる学年の児童を含む。オペレータは、異なる学校に亘って、注視が必要であろう児童を確認し、要注意や対処済みといった状態を記録することができる。運営事業者のオペレータが、管理者用クライアント装置4にて表示されるリストを閲覧し、特に注視すべき児童については、学校の第一種スタッフへアラートを通知させるようにしてもよい。なおこのとき、スタッフ用クライアント装置2(又はサーバ装置3)における処理に基づいてアラートがスタッフ用クライアント装置2へ通知されている。
アラートを通知された第一種スタッフは、スタッフ用クライアント装置2を用いて、児童がどのような状態であるのか、質問に対する回答内容を確認することができる。図8は、スタッフ用クライアント装置2における情報表示処理の一例を示すフローチャートである。
処理部20は、記憶装置28(又はサーバ装置3)に記憶されている児童識別データに対応付けられた回答、及び状態データの内、アラートが通知された児童識別データの回答及び状態データを抽出する(ステップS301)。
処理部20は、抽出された児童識別データ及び状態データのリストを、各状態データを、状態データ夫々に対応付けられている色、光、形状又はフォント等の態様で強調させて表示部23に表示させる(ステップS302)。
ステップS302において例えば処理部20は、日毎のテストの質問の結果、具体的にはポイントの集計結果であるスコアが、低スコアである場合には黄色、中程度のスコアではオレンジ色、高スコアである場合には赤色等で強調する。処理部20は、気分を問う質問に関して、つらいといった選択がされた場合には直ちに赤等、目立つ色で強調してもよい。週毎のテストである場合、処理部20は、設定した質問数に応じた集計ポイントの最大値に対して所定第1割合未満である場合には強調なし、第1割合よりも高い所定の第2割合以下である場合には黄色、第2割合超過である場合には赤等で強調する。月毎のテストである場合、処理部20は、集計ポイントの最大値の所定の第3割合%未満である場合には強調なし、第3割合よりも高い所定の第4割合未満である場合には黄色、第4割合よりも高い所定の第5割合未満である場合にはオレンジ色、第5割合以上である場合には赤で強調する。
児童識別データ及びそれに対応付けて表示されている状態データ、児童名は、その児童の情報(氏名、学年、クラス等)、及び、回答の履歴を表示するためのリンクを含むとよい。処理部20は、いずれかの児童識別データの選択を受け付け(ステップS303)、選択された児童識別データの情報及び回答履歴を含む詳細画面を表示部23に表示させる(ステップS304)。処理部20は選択された児童識別データに対応付けて、その児童についての状態を記録し(ステップS305)、処理を終了する。ステップS305の「状態」は、第一種スタッフが記録してもよい。
各装置による上述のフローチャートに示した処理及び各機能を、クライアント装置1,2,4で表示される画面例を参照して具体的に説明する。
図9は、利用準備段階の管理者用クライアント装置4で表示される画面例を示す図である。図9は、管理者用クライアント装置4に運営事業者のオペレータがログインした場合に表示されるメイン画面400の一例を示す。メイン画面400は、学校、クラス、児童、職員などのスタッフ等の追加メニュー401、及び、学校、児童、職員などのスタッフ等のリスト表示メニュー402を含む。メイン画面は、上述したように、その時点で注視が必要と判断される児童のリスト403を含む。児童のリストの内の状態データ部分が、状態データの内容に応じて異なる態様(色、フォント、文字色)等で表示されている。図9では、態様の違いをハッチングの違いで表している。レポートを表示するメニューを含んでもよい。
図9の追加メニュー401からいずれかが選択されると、追加する学校、クラス、児童、管理者又は学校の名称、並びに、クラス名、児童名等の属性の入力画面が表示される。図10は、入力画面404の一例を示す。図10の例では、学校の名称及び所在地の入力画面が表示されている。運営事業者のオペレータが入力画面404にテキスト又は選択肢によってデータを入力すると、入力されたデータが記憶部41に記憶され、サーバ装置3の記憶部31にも記憶される。学校のスタッフ用クライアント装置2へ学校識別データ等が通知される。
図9のリスト表示メニュー402が選択されると、選択された学校のクラスリスト、異なる学校に亘る児童のリスト、並びに、異なる学校に亘るスタッフ、更に運営事業者のオペレータのリストが表示される。リストはいずれも個別に、識別データに対応付けられている名称や所在地、名前、回答履歴等の詳細情報を表示する画面へのリンクを含んでいる。
管理者用クライアント装置4で表示されるメイン画面は、質問表を閲覧又は編集するためのメニュー405を含む。質問表のメニュー405が選択されると、質問のリストが表示される。図11は、質問表の例を示す図である。図11に示すように、質問表は表形式で質問をリスト化したものであり、各質問のテキストを含む。質問表には、重複しているためにスキップすべき質問など、表示の条件等を含んでもよい。質問には夫々、学年別の表記、頻度別の割り当てが対応付けられている。例えば、1番目の質問「朝ご飯を食べることができたか?」は、日毎の質問として割り当てられており、低学年にはひらがなで「きょう、あさごはんを、たべた」、高学年には「今日、あさごはんを、食べた」、中学生及び高校生には「今日、朝ごはんを食べた」と異なる表記がリスト化されている。この質問に対する回答は、はい/いいえの選択式である。
図11に示す質問表を、記憶装置28(又はサーバ装置3)からステップS104で抽出する際、処理部10は、認証された児童の児童識別データに対応付けられている属性(学年等)に応じた質問を抽出する。いずれの質問を抽出するかはランダムでもよいが、図11に示すように、次に表示されるべきでない質問が設定されていてもよい。また児童の回答に応じて次に表示する質問が選択され表示されてもよい。なお、類似する質問が連続にならないように設定される。回答結果に応じて次の質問が異なるように、例えば「はい」の場合は終わり、中間的な回答「ときどき」又は否定的な回答「いいえ」の場合には次の質問へ移るように設定されていてもよい。つまり、条件や回答の傾向によって、次の適切な質問へ移るように設定されていてもよい。
質問には、回答の内容に応じてポイントが対応付けられている。図11に示す質問の例では、肯定的な回答「はい」には、0(ゼロ)ポイント、中間的な回答「ときどき」(わからない・どちらでもない等でもよい)には2ポイント、否定的な回答「いいえ」には4ポイントが、割り当てられるように設計されている。図11に示すように、肯定的な回答「はい」に4ポイントが割り当てられる質問もある。質問毎に重みが異なり、異なるポイントが割り当てられていてもよいし、否定的な回答が続いた場合には、ポイント集計が単なる加算ではなく、連続数の大きさに応じて増大して算出されるよう設計されていてもよい。
図12は、利用準備段階のスタッフ用クライアント装置2で表示される画面例を示す図である。図12は、スタッフ用クライアント装置2に第一種スタッフがログインした場合に表示されるメイン画面200の一例を示す。メイン画面は、クラス、児童、職員等の追加メニュー201、及び、クラス、児童、職員のリスト表示メニュー202を含む。図12は、図9で例示した管理者用クライアント装置4にて表示される画面と異なり、所属している学校以外の学校に関するメニューは表示されない。メイン画面にはレポートを表示するメニュー204が含まれる。
また図12のスタッフ用クライアント装置2におけるメイン画面200には、図7のフローチャートに示した処理手順によって集計されたポイントに基づき、注視すべきとして抽出された児童のリスト203が表示される。
図12のメイン画面の追加メニュー201から、いずれかが選択されると追加するクラス、児童、職員等、並びに、それらの属性の入力画面が表示される。図13は、入力画面205の一例を示す。図13の例では、追加する児童の名前、学年、誕生日等の属性の入力画面が表示されている。学校の第一種スタッフ(又は運営事業者のオペレータ)が入力画面に選択肢又はテキストによってデータを入力すると、入力されたデータが記憶部21に記憶され、サーバ装置3の記憶部31にも記憶される。
児童への質問の投げかけ、及び回答の回収に関する画面例について説明する。図14-16は、児童用クライアント装置1に表示される画面例を示す図である。図14は、児童がログインに成功した場合に表示される質問画面101の一例を示す。図14に例示する質問画面101は、テストの選択肢ボタン102を含む。選択肢ボタン102は、学校の希望に基づき運営事業者によって設定されたクラス別、又は特定の児童向けに割り当てられているテストに夫々対応する。図14の例では、ログインした児童には日毎のテスト、週毎のテスト、及び月毎のテストのいずれも設定されており、質問画面101に選択可能とされたテストが表示されている。
図15は、図14にて、日毎のテストの選択肢ボタン102が選択された場合に表示される第1の質問を含む。第1の質問は、「きょうのきぶんは?」と気分を問う質問であり、回答は、所謂絵文字に対応するイラスト(感情を表す画像)、及び絵文字が現している気分を示すテキストのいずれかから選択する形式の質問である。感情を表す絵文字のようなイラストを選択肢とすることによって、低学年の児童であっても選択しやすい。第1の質問を含む画面には、次の質問を示す画面、又はテストの終了画面へ遷移するためのボタン103が含まれている。このボタン103が選択された場合、第1の質問への回答内容に応じて次の質問が表示されたり(S111)、次の質問が存在せずに(S109:NO)終了したりする。
図16は、図15にて「次へ」のボタンが選択され、次の質問が存在しなかった場合に表示される終了を示す画面の例を示している。終了を示す画面には、テストを実行したことを褒めるメッセージ又は画像が含まれている。その他、モチベーションを高めるため、テストの実行日数や連続数に応じた絵文字、画像素材等が表示されてもよい。
図14-図16で示したような簡易な質問に対する回答を集約してポイントを集計することにより、各児童の虐待又はいじめに対する不安な気分であることや、不安定さが露見する予兆を数値化することが可能になる。図15に示した画面にて、「しあわせ」又は「ふつう」「いまいち」が選択された場合には、ポイントはゼロであり、「イライラ」「かなしい」が選択された場合には、ポイントは2、残りの「つらい」が選択された場合には、ポイントは4等と高めとするように設定されている。「つらい」が選択された場合、例えばポイントが4である場合には、アラートが通知される。
アラートの通知を受けた第一種スタッフは、スタッフ用クライアント装置2を用いて児童の質問及び質問への回答を閲覧できる。スタッフ用クライアント装置2に表示されるメイン画面200から、児童の回答を表示させることができる。例えば、図12のスタッフ用クライアント装置2のメイン画面200では、注視すべきリスト203が表示されており、ポイントが高い児童については色が変更されて強調されている。
また、スタッフ用クライアント装置2で表示されるメイン画面200(図12)には、レポートを表示するメニュー204が含まれている。メニュー204が選択された場合、直近までの質問に対する回答のクラス毎、学校毎等の集計結果を示すレポート画面が表示される。第一種スタッフはこのレポートから、アラートが通知されている児童を把握することも可能である。運営事業者でも、レポートメニューからレポートの内容を把握可能である。図17は、レポート画面206の一例を示す。図17の例では、レポート画面206は、日毎、週毎、及び月毎に、学年別の回答児童数、虐待可能性のポイント数を含む。運営事業者も学校、学年・クラス毎の全体概要を把握することができる。
更に、メイン画面200にてリスト表示メニュー202を選択する操作がされた場合、スタッフ用クライアント装置2の処理部20は、児童の児童識別データに対応付けて、名前、及び集計結果のリストを表示する。図18は、スタッフ用クライアント装置2での児童リストの表示例を示す図である。図18では、児童識別データに対応付けて、所属学年・クラス及び状態データのリストが表形式で表示されている。図18に示すように、状態データが虐待又はいじめを受けている可能性の高/中/低の各段階に応じて、状態データの欄の色が変更されて強調されている(図8のS302)。
図19は、スタッフ用クライアント装置2での児童リストの表示の他の例を示す図である。図19では、アラートが通知された児童のみに絞り込まれたリストが表示されている。アラートの通知を受けたスタッフ用クライアント装置2では、メイン画面200で児童リストを表示させるメニュー202を選択すると、このようにアラートが通知された児童のみのリストに絞り込まれて表示されてよい。
図19に示したスタッフ用クライアント装置2で表示される児童リストでは、各児童識別データには、要注意や対処済みといった状態を管理用に記録できるよう状態の具体的記述(ノート)欄が対応付けられて設けられており、「常時モニタリングが必要である」といった状態がリストで閲覧可能である。図20は、図19のリストに対して状態の具体的記述を書き込む場合の表示例を示す図である。なおこの具体的記述欄は、他の画面(例えば児童個別の詳細プロフィール画面)で書き込みがされた児童からのコメントが表示される構成としてもよい。図20に示すように、第一種スタッフが状態の具体的記述欄を操作部24で操作すると、状態の管理をすることが可能になる。
図21は、児童の情報の詳細画面207を示す図である。図21の詳細画面207は、図18又は図20で示した児童リストの内のいずれかの児童に関するデータが選択された場合に(図8のS303)、表示される画面である(図8のS304)。児童の詳細画面は、児童識別データ、学年、生年月日、等の属性のほか、質問への回答履歴が閲覧可能である。なおプロフィールの情報の一部は、各児童が児童用クライアント装置1で編集することができる。図21の詳細画面では、日毎、週毎等のテスト1回単位でリストが表示されている。テストの単位はいずれも、そのテストで投げかけられた質問に対する回答を表示するための画面へのリンクを含む。
図22は、質問に対する回答の詳細画面の例を示す図である。図22は、図21の詳細画面207の内のいずれかのテストが選択された場合に表示される。図22に示すように回答の詳細画面207は、質問及びその質問に対する回答と、コメントが存在する場合にはそのコメントの内容とを含み、更に、そのテストにおける回答に基づいて集計されたポイントを示す数値を含む。第一種スタッフが注視すべきとしてアラートされた児童の詳細画面を確認することによって、経過を把握することができる。なお、図21及び図22の画面は、管理者用クライアント装置4によって、運営事業者のオペレータも閲覧可能である。
図23は、職員用クライアント装置にて閲覧できる画面の一例を示す図である。職員用クライアント装置では、図20のスタッフ用クライアント装置2での表示例と比較すると、児童名及び具体的記述欄が閲覧できない。このように、クライアント装置(アカウント)の種別に応じて、表示させる内容にマスクし、第一種スタッフ以外に個人情報である児童の心理的状態の詳細を見せないようにすることによって、児童に質問に安心して回答させ、児童を保護することができる。
図24-図27は、転校する児童のデータ引継ぎに係る画面について説明する。図24は、スタッフ用クライアント装置2で表示される他の画面例を示す図である。図24は、図12に示したスタッフ用クライアント装置2にて表示されるメイン画面200に対し、児童の転校を登録するか、転校者のリストを表示するための転校メニュー210が含まれている。転校メニュー210における児童の移転登録が選択されると、その時点における児童の児童識別データ及びいずれの学校への移転であるのかの選択を受け付ける画面が表示される。図25は、転校先の選択画面211の一例を示している。図25の選択画面211には、児童識別データ、転校元、転校理由等の事情の入力画面の他に、転校の登録リクエストを送信するためのボタンが含まれている。第一種スタッフが操作部24によってボタンを選択すると、スタッフ用クライアント装置2からサーバ装置3を経由し、転校先の学校のスタッフ用クライアント装置2へ、登録リクエストが通知される。
図26は、転校先のスタッフ用クライアント装置2で表示される他の画面例を示す図である。図26は、メイン画面200を示しているが、図25に示したメイン画面200と異なり、転校メニュー210に、リクエスト通知を示す通知アイコン212が追加されている。通知アイコン212に限らず、メイン画面200にメッセージが通知されてもよい。通知アイコン212が、転校先の第一種スタッフによって選択操作されると、児童の転校を確認するための確認画面213が表示される。図27は、確認画面213の一例を示す図である。確認画面213は、児童識別データ、転校元、転校理由等の事情を示すテキストを含むと共に、承認ボタン及び非承認ボタンを含む。承認ボタンが選択された場合、児童識別データが、転校先の学校の学校識別データに対応付けられて、転校先の学校の記憶装置28、及びサーバ装置3にて記憶される。転校前後の学校の履歴は、児童識別データに対応付けられて記憶される。
非承認ボタンが選択された場合、その児童のデータが受け入れられない理由(例えば間違っている等)を書き込み、リクエストに応じられない旨の応答が、転校元の学校のスタッフ用クライアント装置2へ通知される。
このようにして、児童が転校したとしても、その質問及び回答の履歴データは転校先の第一種スタッフによって閲覧可能に引き継がれる。上述の実施の形態では、小学校を例にして説明したが勿論、中学校、高校における転校であっても同様にして引継ぎが可能になる。
上述のように開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。