JP7392218B2 - 潤滑構造 - Google Patents
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Description
遊星歯車機構のピニオンギアを支持する軸受に対して、前記ピニオンギアの軸方向側から潤滑油を供給する潤滑油路を有する潤滑構造であって、
前記ピニオンギアの公転に伴い油溜り内を通過する潤滑油導入部を有し、
前記潤滑油導入部は、前記ピニオンギアの公転方向に向かって開口する開口部と、前記開口部から前記公転方向に沿った流れで流入する潤滑油を前記潤滑油路の入口に案内するガイド部と、を有し、
前記潤滑油導入部は、前記開口部の前記公転方向の下流に前記潤滑油を通過させる通過口を有する構成の潤滑構造とした。
図1は、本実施形態にかかる動力伝達装置1を説明する図である。
図2は、動力伝達装置1の減速機構3周りの拡大図である。
図3は、動力伝達装置1の差動装置6周りの拡大図である。
なお、図面中、前後左右上下方向とは、電動車両EVに搭乗する運転者から見た方向を示しているものとして説明する。
モータ2の出力回転は、減速機構3で減速されて差動装置6に入力された後、ドライブシャフト8(8A、8B)を介して、電動車両EVの左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。図1では、ドライブシャフト8Aが、電動車両EVの左輪に回転伝達可能に接続されていると共に、ドライブシャフト8Bが、右輪に回転伝達可能に接続されている。
モータシャフト20では、長手方向の一端20a側と他端20b側の外周に、ベアリングB1、B1が外挿されて固定されている。
モータシャフト20の一端20a側は、ベアリングB1を介して、中間ケース12の円筒状のモータ支持部121で回転可能に支持されている。
モータシャフト20の他端20b側は、ベアリングB1を介して、カバー11の円筒状のモータ支持部111で回転可能に支持されている。
モータハウジング10の他端10bは、当該他端10bに設けたシールリングSにより、カバー11の環状の接合部110に隙間なく接合されている。
本実施形態では、モータハウジング10と、カバー11と、中間ケース12と、後記するケース13および中間カバー14とで、動力伝達装置1の本体ケース9を構成している。
本体ケース9の内部空間は、中間ケース12を境にして、モータハウジング10側の空間Saが、モータ2を収容するモータ室となっている。そして、ケース13側の空間Sb、Scが、減速機構3(第1遊星減速ギア4、第2遊星減速ギア5)を収容するギア室となっている。
そして、ギア室は、後記する中間カバー14により、第1遊星減速ギア4を収容する空間Sbと、第2遊星減速ギア5およびデフケース60を収容する空間Scとに、区画されている。
本実施形態では、カバー11の接合部110をモータハウジング10の他端10bに固定すると、モータ支持部111が、モータハウジング10の内側に挿入されるようになっている。
そして、モータ支持部111と、カバー11の側壁部113とを接続する接続部115は、コイルエンド253bと後記する支持筒112との接触を避けて設けられている。
本実施形態では、中間ケース12をモータハウジング10の一端10aに固定すると、モータ支持部121が、モータハウジング10の内側に挿入されるようになっている。
そして、図2に示すように、基部120とモータ支持部121とを接続する接続部123は、コイルエンド253aと後記する側板部452との接触を避けて設けられている。
ベアリングリテーナ125は、回転軸X方向から見てリング状を成している。ベアリングリテーナ125の内径側は、モータ支持部121で支持されたベアリングB1のアウタレースB1bの側面に回転軸X方向から当接している。ベアリングリテーナ125は、モータ支持部121からのベアリングB1の脱落を阻止している。
モータシャフト20の回転軸X方向から見て、珪素鋼板はリング状を成しており、珪素鋼板の外周側では、図示しないN極とS極の磁石が、回転軸X周りの周方向に交互に設けられている。
本実施形態では、巻線253を、複数のティース部252に跨がって分布巻きした構成のステータコア25を採用しており、ステータコア25は、回転軸X方向に突出するコイルエンド253a、253bの分だけ、ロータコア21よりも回転軸X方向の長さが長くなっている。
図2に示すように、ベアリングB1のインナレースB1aは、回転軸X方向の一方の側面が、モータシャフト20の外周に設けた段部204に当接している。インナレースB1aは、他方の側面に、モータシャフト20の外周に圧入されたリング状のストッパ205が当接している。
ストッパ205によりベアリングB1は、インナレースB1aを、段部204に当接させた位置で位置決めされている。
円筒壁122は、モータ支持部121から差動装置6側に突出しており、円筒壁122の先端122aは、第1遊星減速ギア4のサンギア41の側面41aに間隔をあけて対向している。
リップシールRSは、モータハウジング10の内径側の空間Sa(図1参照)と、中間ケース12の内径側の空間Sb(図1参照)とを、区画するために設けられている。
この一端20a側の領域202の内側には、サンギア41の円筒状の連結部411が挿入されている。この状態において、モータシャフト20の一端20a側の領域202と、サンギア41の連結部411とが、相対回転不能にスプライン嵌合している。
第1遊星減速ギア4は、サンギア41と、リングギア42と、ピニオンギア43と、キャリア45と、を有している。
サンギア41は、貫通孔410を貫通したドライブシャフト8Bの外周で回転可能に支持されている。
中間ケース12は、固定側部材であるので、リングギア42は、回転軸X回りの回転が規制された状態で設けられている。
側板部451、452の間では、複数のピニオンギア43が回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数(例えば、4つ)設けられている。
側板部451において連結部453は、回転軸Xに対して同心に配置されていると共に、回転軸Xに沿って、差動装置6に近づく方向(図中、左方向)に突出している。
中間カバー14の外径側の基部143は、中間ケース12とケース13との間に挟み込まれた状態で設けられている。
側板部451の内径側に設けられた連結部453は、中間カバー14の中央の開口140を、モータ2側から差動装置6側(図中、左側)に貫通している。
連結部453の先端453aは、中間カバー14内に位置している。回転軸X方向において連結部453の先端453aの延長上には、第2遊星減速ギア5のサンギア51と段付きピニオンギア53(大径歯車部531)との噛み合い部分が位置している。
第1遊星減速ギア4では、サンギア41が、モータ2の出力回転の入力部となっており、ピニオンギア43を支持するキャリア45(連結部453)が、入力された回転の出力部となっている。
サンギア51は、内径側の側面51aから回転軸X方向に延びる連結部511を有している。連結部511は、サンギア51と一体に形成されおり、サンギア51の内径側と連結部511の内径側とに跨がって、貫通孔510が形成されている。
サンギア51は、貫通孔510を貫通したドライブシャフト8Bの外周で回転可能に支持されている。
段付きピニオンギア53は、大径歯車部531と小径歯車部532が、回転軸Xに平行な軸線X2方向で並んで、一体に設けられたギア部品である。
段付きピニオンギア53は、貫通孔530を貫通したピニオン軸54の外周で、ニードルベアリングNBを介して回転可能に支持されている。
ピニオン軸54の長手方向の一端と他端は、デフケース60と一体に形成された側板部651と、この側板部に間隔をあけて配置された側板部551で支持されている。
側板部651、551の間では、複数の段付きピニオンギア53が回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数(例えば、3つ)設けられている。
サンギア51に入力された出力回転は、サンギア51に噛合する大径歯車部531を介して、段付きピニオンギア53に入力されて、段付きピニオンギア53が軸線X2回りに回転する。
ここで、小径歯車部532は、ケース13の内周に固定されたリングギア52に噛合している。そのため、小径歯車部532が軸線X2回りに回転すると、段付きピニオンギア53は、軸線X2回りに自転しながら、回転軸X周りに公転する。
そして、第2遊星減速ギア5では、サンギア51が、モータの出力回転の入力部となっており、段付きピニオンギア53を支持するキャリア55が、入力された回転の出力部となっている。
そうすると、第2遊星減速ギア5のサンギア51に入力された回転は、段付きピニオンギア53により大きく減速されたのちに、キャリア55の側板部651が一体に形成されたデフケース60に出力される。
デフケース60では、回転軸X方向(図中、左右方向)の両側部に、筒状の支持部601、602が設けられている。支持部601、602は、シャフト61から離れる方向に、回転軸Xに沿って延出している。
接続片56のデフケース60側の一端は、側板部651とデフケース60の外周とに跨がって設けられており、他端は、回転軸X方向から側板部551に接続されている。
接続片56は、回転軸X回りの周方向で隣り合う段付きピニオンギア53の間に設けられている。
ベアリングB2のアウタレースB2bは、ケース13のリング状の支持部131で保持されており、デフケース60の支持部602は、ベアリングB2を介して、ケース13で回転可能に支持されている。
開口部130の内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト8Aの外周に弾発的に接触することで、ドライブシャフト8Aの外周と開口部130の内周との隙間が封止されている。
ドライブシャフト8Bは、モータ2のモータシャフト20と、第1遊星減速ギア4のサンギア41の内径側と、第2遊星減速ギア5のサンギア51の内径側を回転軸X方向に横切って設けられており、ドライブシャフト8Bの先端側が、支持部601で回転可能に支持されている。
軸孔60a、60bは、回転軸Xに直交する軸線Y上に位置しており、シャフト61の一端61a側および他端61b側が挿入されている。
デフケース60内においてシャフト61には、かさ歯車62A、62Bが外挿して回転可能に支持されている。
サイドギア63A、63Bは、互いの歯部を対向させた状態で、回転軸Xの軸方向に間隔を空けて2つ設けられており、かさ歯車62A、62Bとサイドギア63A、63Bとは、互いの歯部を噛合させた状態で組み付けられている。
本実施形態では、油溜りTは、シャフト61の一端61aまたは他端61bが最も下部側に位置した際に、シャフト61の一端61aまたは他端61bが少なくとも油溜りT内に位置する高さまで貯留されている。
これにより、第2遊星減速ギア5の構成要素(サンギア51、リングギア52、段付きピニオンギア53)が潤滑される。
ピニオン軸54の外周では、大径歯車部531の内径側と、小径歯車部532の内径側に、ニードルベアリングNBがそれぞれ設けられている。ピニオン軸54の外周においてニードルベアリングNB、NBは、軸線X2方向に直列に並んでいる。
ピニオン軸54の内部には、軸線X2に直交する向きで油孔542が設けられている。油孔542は、大径歯車部531を支持するニードルベアリングNBと、小径歯車部532を支持するニードルベアリングNBに対応する位置に、それぞれ1つずつ設けられている。本実施形態では、油孔542は、ニードルベアリングNBの軸線X2方向の長さの略中央位置に設けられている。
図4は、潤滑構造7を説明する図である。図4の(a)は、潤滑油導入部70を説明する図であり、回転軸X方向におけるデフケース60側から見たキャリア55の斜視図である。図4の(b)は、図4の(a)のA-A矢視図である。なお、図4では段付きピニオンギア53の記載は省略してある。
図5は、潤滑構造7を説明する図であり、図4の(b)のB-B断面の模式図である。なお、図5では、段付きピニオンギア53周りを記載した状態を示してある。
図6は、潤滑構造7におけるガイド部72を説明する図である。図6の(a)は、図5のA領域の拡大図である。図6の(b)は、ガイド部72の斜視図である。図6の(c)は、図6の(a)のA-A断面の模式図である。
基部71には、当該基部71の外周縁に設けられた弧状壁711と、基部71の内周縁を全周に亘って囲む円筒壁712と、が設けられている。
この状態において、基部71の弧状壁711は、ガイド部72よりも公転方向上流側に延びている(図4の(b)参照)。
詳細は後記するが、一方の板状部材73は、基部71に固定されている(以下、固定板73と標記する)。他方の板状部材74は、基部71(固定板73)に対して回動可能に設けられている(以下、可動板74と標記する)。
この場合において、可動板74と固定板73は、公転中に潤滑油OLが可動板74側から固定板73側へ向かって流れる(図5における白矢印参照)ように配置されている。
以下の説明では、ガイド部72における可動板74側を公転方向上流側とし、固定板73側を公転方向下流側として説明する。
図6の(a)、(c)に示すように、ガイド部72の固定板73は、基板730を有している。基板730は、当該基板730の厚み方向を軸線X2方向に沿わせた状態で配置されている。
図6の(a)、(c)に示すように、ガイド部72の可動板74は、基板740を有している。基板740は、当該基板740の厚み方向を軸線X2方向に沿わせた状態で配置されている。
図6の(c)に示すように、支持ピンP2は、弧状壁711と円筒壁712とに跨って設けられており、連結ピンP1と平行に配置されている。固定板73は、連結ピンP1と支持ピンP2とによって、基部71に対して回転不能に固定されている。
ガイド部72は、固定板73の基板730の先端730a側が、基部71と軸線X2方向に所定の間隔CL1を空けて配置されている。また、ガイド部72は、可動板74の基板740の先端740a側が、基部71と軸線X2方向に所定の間隔CL2を空けて配置されている。ガイド部72の基本形状において、間隔CL1、CL2は略同じ大きさとなるように設定されている。
デフ収容部132は、デフケース60を収容可能な内径で形成されている。第1収容部133は、第2遊星減速ギア5のリングギア52を収容可能な内径で形成されている。第2収容部134は、大径歯車部531を収容可能な内径で形成されている。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、減速機構3(第1遊星減速ギア4、第2遊星減速ギア5)と、差動装置6と、ドライブシャフト8(8A、8B)と、が設けられている。
ここで、リングギア42は、中間ケース12(固定側部材)の内周にスプライン嵌合しており、中間ケース12との相対回転が規制されている。
そのため、ピニオンギア43は、軸線X1回りに回転しながら、回転軸X回りに公転する。これにより、ピニオンギア43を支持するキャリア45(側板部451、452)が、モータ2の出力回転よりも低い回転速度で回転軸X回りに回転する。
ここで、段付きピニオンギア53の小径歯車部532は、ケース13の内周に固定されたリングギア52に噛合している。そのため、段付きピニオンギア53は、軸線X2回りに自転しながら、回転軸X回りに回転する。
ここで、段付きピニオンギア53では、小径歯車部532の外径R1が大径歯車部531の外径R2よりも小さくなっている(図2参照)。
そのため、第2遊星減速ギア5のサンギア51に入力された回転は、段付きピニオンギア53により、第1遊星減速ギア4の場合よりも大きく減速されたのちに、キャリア55の側板部651が一体に形成されたデフケース60(差動装置6)に出力される。
これにより、油溜りTの潤滑油OLが、第2遊星減速ギア5の構成要素(段付きピニオンギア53、キャリア55)により掻き上げられる。
この際に、キャリア55の回転軸X回りの回転に連動して、潤滑油導入部70のガイド部72は回転軸X周りに公転する。ガイド部72は油溜りTへの突入、脱出を繰り返す。
前記した通り、ケース13下部(空間Sc内)には、潤滑油OLが溜まった油溜りTが形成されている(図3参照)。
(A)油溜りT外から油溜りT内への突入
(B)油溜りT内の移動
(C)油溜りT内から油溜りT外への脱出
(D)油溜りT外の移動
そうすると、上記(A)の状態では、可動板74の先端740aから油溜りTに突入する。この状態において、潤滑油は、可動板74の先端740aと基部71の間から油室Rに流入する(図7の(a)における白矢印参照)。
図7の(a)に示すように、可動板74が中心軸Y2回りに回動すると、取込面740cは、公転方向上流側に向かうほど軸線X2方向における貫通孔713から離れる向きに傾斜する。軸線X2方向における可動板74の先端740a側と基部71との間隔は、CL2からCL3に広がる(CL3>CL2)。
また、油室R内の潤滑油OLの一部は、所定の間隔CL1を有する固定板73の先端730a側と基部71との間から、油室Rの外部に流出する(図7の(a)における白矢印参照)。これにより、段付きピニオンギア53の公転による撹拌抵抗の増加を抑制している。
これにより、撹拌抵抗の増加を抑制しつつも、油室R内部の圧は高められる。油室R内で圧の高まった潤滑油OLは、ピニオン軸54の油孔541、542に放出される(図7の(a)におけるハッチング矢印参照)。
よって、油室Rから段付きピニオンギア53側に効率的に潤滑油OLが供給されるようになっている。
前記したように固定板73は弾性部材であるので、撹拌抵抗が所定値より増加すると、固定板73は弾性変形する。具体的には、固定板73の先端730a側が基部71から離れる方向に変形する。固定板73の変形量は、撹拌抵抗が増加するほど大きくなる。
撹拌抵抗が増加すると、固定板73の先端730aと基部71との間隔がCL1よりも広がる。そうすると、油室Rから外部に逃がす潤滑油OLの量が増える。よって、段付きピニオンギア53の公転速度が高くなっても、撹拌抵抗の増加を抑制することができる。
よって、油室Rに潤滑油OLが順次取り込まれない状態でも、油室Rや油孔541、542内に残留している潤滑油OLを利用して、段付きピニオンギア53側に潤滑油OLを供給することができる。
(1)第2遊星減速ギア5(遊星歯車機構)の段付きピニオンギア53を支持するピニオン軸54(軸受)に対して、段付きピニオンギア53の軸線X2方向側から潤滑油OLを供給する油孔541、542(潤滑油路)を有する。
段付きピニオンギア53の回転軸X周りの公転に伴って、油溜りT内を通過するガイド部72を備える潤滑油導入部70を有する。
潤滑油導入部70のガイド部72は、段付きピニオンギア53の回転軸X周りの公転方向に向かって開口する可動板74(開口部)と、可動板74から公転方向に沿った流れで流入する潤滑油OLを貫通孔713(潤滑油路の入口)に案内する固定板73(ガイド部)と、を有する。
(2)ガイド部72は、公転方向の下流に向かうほど貫通孔713に近づくように傾斜する傾斜面740d及び傾斜面730b(壁部)を有する。
傾斜面740d(壁部のうち少なくとも一部)は、ガイド部72を構成する可動板74に設けられている。
(3)潤滑油導入部70のガイド部72は、可動板74の公転方向の下流に位置する傾斜面730b(堰止部)を有する。
傾斜面730bは、ガイド部72を構成する固定板73に設けられている。
(4)潤滑油導入部70のガイド部72は、固定板73の先端730a側と基部71との間(開口部の公転方向の下流)に所定の間隔CL1(潤滑油OLを通過させる通過口)を空けて配置されている。
(5)ガイド部72の固定板73は弾性部材である。段付きピニオンギア53の公転速度が高まるほど、固定板73が弾性変形して、基部71との所定の間隔CL1(通過口の面積)が広がる。
本実施形態では、ガイド部材72(固定板73と可動板74)が弾性部材である場合を例示したが、これに限定されない。例えば、固定板73の先端730a側にヒンジを設けても良い。これにより、段付きピニオンギア53の公転速度が高まって撹拌抵抗が増加した場合、固定板73のヒンジ部分が開いて(変形して)、固定板73の先端730aと基部71との間隔CL1を広げることができる。
(6)モータ2の動力が減速機構3(遊星歯車機構)に伝達される。
(7)潤滑油導入部70は、弧状壁711(第1壁部)と円筒壁712(第2壁部)とを有する。
ガイド部72は、回転軸Xの径方向(公転方向と交差する方向)において弧状壁711及び円筒壁712に挟まれて配置されている。
変形例にかかる潤滑構造7Aについて説明する。
図8は、変形例にかかる潤滑構造7Aを説明する図であり、回転軸X方向におけるデフケース60側から潤滑油導入部70Aを見た図である。
(8)潤滑油導入部70Aは、弧状壁711(第1壁部)と弧状壁712A(第2壁部)とを有する。
弧状壁711は、弧状壁712Aよりも外周側に位置する。
弧状壁711の公転方向の長さは、弧状壁712Aの公転方向の長さよりも長い。
例えば、モータ2の下流に接続された第1遊星減速ギア4という場合は、モータ2から第1遊星減速ギア4へと動力が伝達されることを意味する。
また、本明細書における用語「直接接続」とは、他の減速機構、増速機構、変速機構などの減速比が変換される部材を介さずに部材同士が動力伝達可能に接続されていることを意味する。
10 モータハウジング
11 カバー
110 接合部
111 モータ支持部
112 支持筒
113 側壁部
114 開口部
115 接続部
12 中間ケース
120 基部
121 モータ支持部
122 円筒壁
123 接続部
125 ベアリングリテーナ
13 ケース
130 開口部
131 支持部
132 デフ収容部
133 第1収容部
134 第2収容部
135 フランジ部
14 中間カバー
140 開口
143 基部
2 モータ
20 モータシャフト
203 大径部
204 段部
205 ストッパ
21 ロータコア
23 ストッパ
25 ステータコア
251 ヨーク部
252 ティース部
253 巻線
253a、253b コイルエンド
3 減速機構
4 第1遊星減速ギア(遊星ギア)
41 サンギア
410 貫通孔
411 連結部
42 リングギア
43 ピニオンギア
44 ピニオン軸
45 キャリア
451、452 側板部
453 連結部
5 第2遊星減速ギア(遊星ギア)
51 サンギア
510 貫通孔
511 連結部
52 リングギア
53 段付きピニオンギア
530 貫通孔
531 大径歯車部
532 小径歯車部
54 ピニオン軸
541、542 油孔
55 キャリア
551 側板部
552 筒状部
56 接続片
6 差動装置
60 デフケース
601 支持部
602 支持部
61 シャフト
62A、62B かさ歯車
63A、63B サイドギア
651 側板部
651a 側面
651b 支持孔
7、7A 潤滑構造
70、70A 潤滑油導入部
71 基部
711 弧状壁
712 円筒壁
712A 弧状壁
713 貫通孔
72 ガイド部
73 固定板
730 基板
730a 先端
730b 傾斜面
731 連結片
732 当接片
74 可動板
740 基板
740a 先端
740b 対向面
740c 取込面
740d 傾斜面
741 連結片
742 当接片
8(8A、8B) ドライブシャフト
9 本体ケース
B1、B2、B3 ベアリング
B1b、B2b アウタレース
B1a、B2a インナレース
NB ニードルベアリング
F 付勢力
OL 潤滑油
P ピン
P1 連結ピン
P2 支持ピン
R 油室
RS リップシール
S シールリング
Sa 空間(モータ室)
Sb 空間(ギア室)
Sc 空間(ギア室)
Sp スプリング
T 油溜り
X 回転軸
X1、X2、Y 軸線
Y2 中心軸
Claims (6)
- 遊星歯車機構のピニオンギアを支持する軸受に対して、前記ピニオンギアの軸方向側から潤滑油を供給する潤滑油路を有する潤滑構造であって、
前記ピニオンギアの公転に伴い油溜り内を通過する潤滑油導入部を有し、
前記潤滑油導入部は、前記ピニオンギアの公転方向に向かって開口する開口部と、前記開口部から前記公転方向に沿った流れで流入する潤滑油を前記潤滑油路の入口に案内するガイド部と、を有し、
前記潤滑油導入部は、前記開口部の前記公転方向の下流に前記潤滑油を通過させる通過口を有することを特徴とする潤滑構造。 - 請求項1において、
前記潤滑油導入部は、前記ピニオンギアの公転速度が高まるほど前記通過口の面積が広がるように構成されていることを特徴とする潤滑構造。 - 遊星歯車機構のピニオンギアを支持する軸受に対して、前記ピニオンギアの軸方向側から潤滑油を供給する潤滑油路を有する潤滑構造であって、
前記ピニオンギアの公転に伴い油溜り内を通過する潤滑油導入部を有し、
前記潤滑油導入部は、前記ピニオンギアの公転方向に向かって開口する開口部と、前記開口部から前記公転方向に沿った流れで流入する潤滑油を前記潤滑油路の入口に案内するガイド部と、
第1壁部と第2壁部とを有し、
前記潤滑油導入部は、前記公転方向と交差する方向において前記第1壁部及び前記第2壁部に挟まれて配置していることを特徴とする潤滑構造。 - 請求項3において、
前記第1壁部は前記第2壁部よりも外周側に位置し、
前記第1壁部の公転方向の長さは前記第2壁部よりも大きいことを特徴とする潤滑構造。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記潤滑油導入部は、前記開口部の前記公転方向の下流に位置する堰止部を有し、
前記堰止部により前記ガイド部の少なくとも一部が構成されていることを特徴とする潤滑構造。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
駆動用モータの動力が前記遊星歯車機構に伝達されることを特徴とする潤滑構造。
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