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JP7369363B2 - 水晶振動素子、水晶振動子及び水晶発振器 - Google Patents

水晶振動素子、水晶振動子及び水晶発振器 Download PDF

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Description

本発明は、水晶振動素子、水晶振動子及び水晶発振器に関する。
振動子は、移動通信端末、通信基地局、家電などの各種電子機器において、タイミングデバイス、センサ、発振器などの用途に用いられている。電子機器の高機能化に伴い、小型且つ薄型な振動素子が求められている。
特許文献1には、常温より高温側の領域の周波数温度特性が良好な2回回転Yカット水晶振動素子が開示されている。
特開2003-324332号公報
低周波の水晶振動素子の場合、水晶片の厚みが大きく、水晶片の厚みに対する電極の厚みの割合が小さいので、周波数温度特性を考えるときに電極の影響を無視できる。しかしながら、高周波の水晶振動素子の場合、水晶片の厚みが小さくなるため、水晶片に対する電極の厚みの割合が大きくなり、電極が周波数温度特性に影響を及ぼすこととなる。このため、特許文献1に記載の水晶振動素子やATカット水晶振動素子の周波数温度特性は、高周波領域において劣化する可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、周波数温度特性が良好な水晶振動素子、水晶振動子及び水晶発振器の提供である。
本発明の一態様に係る水晶振動素子は、X軸、Y軸及びZ軸を結晶軸とする水晶結晶のX軸及びZ軸を含む面を、Z軸を中心にφ度回転させ、さらにX軸をφ度回転させたX´軸を中心にθ度回転させて得られる面を主面とする水晶片と、水晶片に接触して設けられた電極と、を備え、水晶片の厚みTと、水晶片に接触して設けられた電極の厚みtとが、x=t/T≧0.01の関係を満たし、|φ-(-98.6x3+114.0x2-22.3x+1.3)|≦5且つ|θ-(-9.5x3-10.9x2+1.4x+35.3)|≦0.5の関係が成り立つ。
本発明の一態様に係る水晶振動素子は、X軸、Y軸及びZ軸を結晶軸とする水晶結晶のX軸及びZ軸を含む面を、Z軸を中心にφ度回転させ、さらにX軸をφ度回転させたX´軸を中心にθ度回転させて得られる面を主面とする水晶片と、水晶片に接触して設けられた電極と、を備え、水晶片の厚みTと、水晶片に接触して設けられた電極の厚みtとが、x=t/T≧0.01の関係を満たし、|φ-(-0.017θ3+1.37θ2-37.6θ+351)|≦5の関係が成り立つ。
本発明によれば、周波数温度特性が良好な水晶振動素子、水晶振動子及び水晶発振器が提供できる。
第1実施形態に係る水晶発振器の構成を概略的に示す分解斜視図である。 第1実施形態に係る水晶発振器の構成を概略的に示す断面図である。 第1実施形態に係る水晶振動子の構造を概略的に示す分解斜視図である。 第1実施形態に係る水晶振動子の構成を概略的に示す断面図である。 水晶結晶の第1回転を示す図である。 水晶結晶の第2回転を示す図である。 水晶片の最適な回転角を示すグラフである。 水晶片の最適な回転角を示すグラフである。 実施例の周波数温度特性を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。各実施形態の図面は例示であり、各部の寸法や形状は模式的なものであり、本願発明の技術的範囲を当該実施形態に限定して解するべきではない。
各々の図面には、各々の図面相互の関係を明確にし、各部材の位置関係を理解する助けとするために、便宜的にX´軸、Y´´軸及びZ´軸からなる直交座標系を付すことがある。X´軸、Y´´軸及びZ´軸は各図面において互いに対応している。X´軸はX軸を1回回転して得られる軸であり、Y´´軸はY軸を2回回転して得られる軸であり、Z´軸はZ軸を1回回転して得られる軸である。X軸、Y軸及びZ軸は、それぞれ、水晶結晶の結晶軸(Crystallographic Axes)に対応している。X軸が水晶の電気軸(極性軸)、Y軸が水晶の機械軸、Z軸が水晶の光学軸に相当する。X´軸、Y´´軸及びZ´軸の詳細は後述する。
以下の説明において、X´軸に平行な方向を「X´軸方向」、Y´´軸に平行な方向を「Y´´軸方向」、Z´軸に平行な方向を「Z´軸方向」という。また、X´軸、Y´´軸及びZ´軸の矢印の先端方向を「+(プラス)」、矢印とは反対の方向を「-(マイナス)」という。また、X´軸及びY´´軸によって特定される面を「X´Y´´面」と呼ぶ。他の軸によって特定される面についても同様とする。なお、便宜的に、+Y´´軸方向を上方向、-Y´´軸方向を下方向として説明するが、水晶振動素子10、水晶振動子1及び水晶発振器100の上下の向きはこれに限定されるものではない。
<第1実施形態>
まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る水晶発振器100の概略構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る水晶発振器の構成を概略的に示す分解斜視図である。図2は、第1実施形態に係る水晶発振器の構成を概略的に示す断面図である。図2は、X´Y´´面と平行な断面を示している。
水晶発振器100は、水晶振動子1、外部基板130、外部キャップ140、封止枠150、半田153、コンデンサ156、ICチップ160、ダイボンド材163及びボンディングワイヤ166を備えている。水晶振動子1、半田153、コンデンサ156、ICチップ160、ダイボンド材163及びボンディングワイヤ166は、外部基板130と外部キャップ140との間に形成される空間に封止されている。この空間は、例えば液密に封止されるが、真空状態で気密に封止されてもよく、不活性ガスなどの気体が充填された状態で気密に封止されてもよい。
水晶振動子1は、圧電振動子(Piezoelectric Resonator Unit)の一種であり、水晶振動素子(Quartz Crystal Resonator)を備えた水晶振動子(Quartz Crystal Resonator Unit)である。水晶振動素子は、圧電効果によって励振される圧電片として、水晶片(Quartz Crystal Element)を利用する。水晶振動子1は、外部基板130に搭載され、外部基板130と外部キャップ140との間に形成される空間に封止されている。
外部基板130は、互いに対向する上面131A及び下面131Bを有する、平板状の回路基板である。外部基板130は、例えばアルミナを用いて設けられている。上面131Aには配線層が設けられ、下面131Bには図示を省略した端子が設けられる。外部基板130の側面には、セミスルーホールをメタライズして設けられたキャスタレーション電極が設けられており、上面131Aの配線層と下面131Bの端子とは、当該キャスタレーション電極によって電気的に接続されている。
外部キャップ140は、外部基板130の側に水晶振動子1を収容する有底の開口部を有している。言い換えると、外部キャップ140は、平板状の天壁部と、当該天壁部の外縁から外部基板130に向かって延在する側壁部とを有している。当該天壁部は、水晶振動子1を挟んで外部基板130と対向し、当該側壁部は、外部基板130の上面131Aと平行な面方向において水晶振動子1を囲んでいる。
封止枠150は、外部基板130と外部キャップ140とを接合している。具体的には、外部基板130の上面131Aと、外部キャップ140の側壁部の先端とを接合している。封止枠150は、矩形状の枠状に設けられており、外部基板130の上面131Aを平面視したとき、水晶振動子1、コンデンサ156、ICチップ160などを囲んでいる。封止枠150は、例えば、電気絶縁性の樹脂製接着剤によって設けられている。
コンデンサ156は、外部基板130の上面131Aに搭載されている。コンデンサ156は、外部基板130の配線層を通して、水晶振動子1又はICチップ160に電気的に接続されている。コンデンサ156は、例えば、水晶振動子1を発振させる発振回路の一部である。
半田153は、外部基板130の配線層と水晶振動子1とを接合し、外部基板130の配線層とコンデンサ156とを接合している。
ICチップ160は、例えば、水晶振動子1の上に搭載されている。ICチップ160は、水晶振動子1の発振回路を有するASIC(application specific integrated circuit)である。ICチップ160は、例えば、水晶振動子1の温度特性を補正する回路の一部である。
ダイボンド材163は、水晶振動子1とICチップ160とを接合している。ダイボンド材163は、例えば、樹脂製接着剤によって設けられている。例えば、ダイボンド材163は導電性を有しており、ダイボンド材163を通して水晶振動子1が接地される。ダイボンド材163は、望ましくは低弾性樹脂を含み、例えばシリコーン系樹脂を含む。これによれば、ICチップ160に作用する応力が緩和できる。また、ダイボンド材163は、望ましくは熱伝導性が高い材料によって設けられる。これによれば、水晶振動子1の温度に対するICチップ160の温度の追従性が高まる。
ボンディングワイヤ166は、ICチップ160を外部基板130の配線層に電気的に接続している。
なお、水晶発振器100は、本発明の一実施形態に係る水晶振動素子10を有する水晶振動子1を備える一例を示したものであり、本発明は図1及び図2に示す構成に限定されるものではない。例えば、外部基板130は、水晶振動子1を収容可能な凹部を有する箱状でもよく、外部キャップ140は平板状でもよい。例えば、ICチップ160は、外部基板130又は外部キャップ140に設けられてもよく、発振回路の少なくとも一部が水晶振動子1に内蔵されてもよい。また、図1及び図2に示した部品の一部が省略されてもよく、図1及び図2に示していない部品が備えられてもよい。例えば、水晶発振器100は、水晶振動子1の温度を一定に保つ恒温槽をさらに備えてもよい。
次に、図3及び図4を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る水晶振動子1の構成について説明する。図3は、第1実施形態に係る水晶振動子の構造を概略的に示す分解斜視図である。図4は、第1実施形態に係る水晶振動子の構成を概略的に示す断面図である。図4は、X´Y´´面と平行な断面を示している。
水晶振動子1は、水晶振動素子10と、ベース部材30と、蓋部材40と、接合部材50とを備えている。水晶振動素子10は、ベース部材30と蓋部材40との間に設けられている。ベース部材30及び蓋部材40は、水晶振動素子10を収容するための保持器を構成している。図3及び図4に示した例では、ベース部材30が平板状を成しており、蓋部材40の凹部49に水晶振動素子10が収容されている。但し、水晶振動素子10のうち少なくとも励振される部分が保持器に収容されれば、ベース部材30及び蓋部材40の形状は上記に限定されるものではない。例えば、ベース部材30は、蓋部材40の側に水晶振動素子10の少なくとも一部を収容する凹部を有してもよい。
まず、水晶振動素子10について説明する。
水晶振動素子10は、圧電効果により水晶を振動させ、電気エネルギーと機械エネルギーとを変換する素子である。水晶振動素子10は、薄片状の水晶片11と、一対の励振電極を構成する第1励振電極14a及び第2励振電極14bと、一対の引出電極を構成する第1引出電極15a及び第2引出電極15bと、一対の接続電極を構成する第1接続電極16a及び第2接続電極16bとを備えている。
水晶片11は、互いに対向する上面11A及び下面11Bを有している。上面11Aは、ベース部材30に対向する側とは反対側、すなわち後述する蓋部材40の天壁部41に対向する側に位置している。下面11Bは、ベース部材30に対向する側に位置している。上面11A及び下面11Bは、水晶片11の一対の主面に相当する。
例えば、水晶片11の主面11A,11Bは、X´Z´面と平行な平面である。水晶片11は、人工水晶(Synthetic Quartz Crystal)の結晶体を切断及び研磨加工して得られる水晶基板(例えば、水晶ウェハ)をエッチング加工することで形成される。水晶片11を用いた水晶振動素子10の主要振動は、厚みすべり振動モード(Thickness Shear Vibration Mode)である。なお、水晶片11の主面は、X´Z´面から得られるのであれば平面に限定されず、凹面又は凸面などの曲面でもよく、X´Z´面に対して傾いた傾斜面でもよい。水晶片11の主面は、平面、曲面及び傾斜面の組み合わせであってもよい。
水晶片11は、X´軸方向に平行な長辺が延在する長辺方向と、Z´軸方向に平行な短辺が延在する短辺方向と、Y´´軸方向に平行な厚みが延在する厚み方向とを有する板状である。水晶片11の上面11Aを平面視したとき、水晶片11の平面形状は矩形状を成している。
水晶片11の上面11Aを平面視したとき、水晶片11は、中央に位置し励振に寄与する励振部17と、励振部17に隣接する周辺部18と、ベース部材30に接続される接続部19とを有している。励振部17は、矩形状の島状に設けられ、枠状の周辺部18に囲まれている。接続部19は、水晶片11の+X軸方向の側の端部に位置し、Z´軸方向に沿って並ぶ一対の矩形状の島状に設けられている。接続部19は励振部17から離れており、励振部17と接続部19との間には周辺部18が位置している。
なお、上面11Aを平面視したときの水晶片11の平面形状は矩形状に限定されるものではない。水晶片11の平面形状は、多角形状、円形状、楕円形状又はこれらの組合せであってもよい。励振部17の平面形状は矩形状に限定されるものではなく、周辺部18の平面形状は枠状に限定されるものではない。例えば、励振部17及び周辺部18は、それぞれ、水晶片11のZ´軸方向に沿った全幅に亘って帯状に形成されてもよい。接続部19の平面形状は、一対の矩形状の島状に限定されるものではない。接続部19の平面形状は、多角形状、円形状、楕円形状又はこれらの組合せであってもよい。また、接続部19は、Z´軸方向に沿って延在する、連続した1つの帯状に設けられてもよい。言い換えると、1つの接続部19に第1接続電極16a及び第2接続電極16bの両方が設けられてもよい。
励振部17は上面17A及び下面17Bを有し、周辺部18は上面18A及び下面18Bを有し、接続部19は上面19A及び下面19Bを有している。上面17A,18A,19Aは、それぞれ、水晶片11の上面11Aの一部である。下面17B,18B,19Bは、それぞれ、水晶片11の下面11Bの一部である。上面17A及び下面17Bは、励振部17における水晶片11の一対の主面に相当する。上面18A及び下面18Bは、周辺部18における水晶片11の一対の主面に相当する。上面19A及び下面19Bは、接続部19における水晶片11の一対の主面に相当する。上面17A,18A,19A及び下面17B,18B,19Bは、それぞれ、X´Z´面である。
水晶片11は、励振部17の厚みが周辺部18の厚みよりも大きい、いわゆるメサ型構造である。励振部17においてメサ型構造を有する水晶片11によれば、水晶振動素子10の振動漏れが抑制できる。水晶片11は両面メサ型構造であり、上面11A及び下面11Bの両側において、励振部17が周辺部18から突出している。励振部17と周辺部18との境界は、厚みが連続的に変化するテーパ形状を成している。言い換えると、励振部17及び周辺部18のそれぞれの上面17A,18A同士を繋ぐ面、及び下面17B,18B同士を繋ぐ面は、傾きが一様な傾斜面である。
励振部17と周辺部18との境界は、厚みの変化が不連続な階段形状を成してもよい。当該境界は、厚みの変化量が連続的に変化するコンベックス構造、又は厚みの変化量が不連続に変化するベベル構造であってもよい。言い換えると、励振部17及び周辺部18のそれぞれの上面17A,18A同士を繋ぐ面、及び下面17B,18B同士を繋ぐ面は、複数の傾斜面で構成されてもよく、曲面を含んでもよい。また、励振部17は、水晶片11の上面11A又は下面11Bの片側において周辺部18から突出する片面メサ型構造であってもよい。また、水晶片11は、励振部17の厚みが周辺部18の厚みよりも小さい、いわゆる逆メサ型構造であってもよい。水晶片11は、励振部17の厚みと周辺部18の厚みとが略等しい平板状であってもよい。
水晶片11は、励振部17と同様に、接続部19においてメサ型構造を有している。言い換えると、接続部19の厚みが周辺部18の厚みよりも大きい。接続部19においてメサ型構造を有する水晶片11によれば、水晶振動素子10の導電性保持部材36a,36bとの接合強度が向上する。例えば、接続部19におけるメサ型構造は、励振部17におけるメサ型構造と同じプロセスによって同時に形成される。
励振部17と接続部19との間の周辺部18には、穴部又は溝部が形成されてもよい。このような穴部又は溝部は、励振部17から接続部19への振動漏れを抑制し、水晶振動素子10の等価抵抗値(CI値)を小さくできる。また、このような穴部又は溝部は、接続部19から励振部17への応力の伝搬を抑制し、水晶振動素子10の周波数の変動を抑制できる。
第1励振電極14a及び第2励振電極14bは、水晶片11の励振部17に電圧を印加する一対の電極である。第1励振電極14aは励振部17の上面17Aに設けられ、第2励振電極14bは励振部17の下面17Bに設けられている。第1励振電極14a及び第2励振電極14bは、水晶片11を挟んで互いに対向している。水晶片11の上面11Aを平面視したとき、第1励振電極14a及び第2励振電極14bは、それぞれ矩形状をなしており、互いの略全体が重なり合うように配置されている。
なお、水晶片11の上面11Aを平面視したときの第1励振電極14a及び第2励振電極14bのそれぞれの平面形状は矩形状に限定されるものではない。第1励振電極14a及び第2励振電極14bのそれぞれの平面形状は、多角形状、円形状、楕円形状又はこれらの組合せであってもよい。
第1引出電極15aは周辺部18の上面18Aに設けられ、第2引出電極15bは周辺部18の下面18Bに設けられている。第1引出電極15aは、第1励振電極14aと第1接続電極16aとを電気的に接続している。第2引出電極15bは、第2励振電極14bと第2接続電極16bとを電気的に接続している。第1引出電極15aの一端が励振部17において第1励振電極14aに接続され、第1引出電極15aの他端が接続部19において第1接続電極16aに接続されている。また、第2引出電極15bの一端が励振部17において第2励振電極14bに接続され、第2引出電極15bの他端が接続部19において第2接続電極16bに接続されている。
第1接続電極16a及び第2接続電極16bは、それぞれ、接続部19の下面19Bに設けられている。第1接続電極16a及び第2接続電極16bは、接続部19の上面19A及び水晶片11の側面にも設けられている。
第1励振電極14a、第1引出電極15a及び第1接続電極16aからなる一方の電極群は、互いに連続的に形成されており、例えば互いに一体的に形成されている。第2励振電極14b、第2引出電極15b及び第2接続電極16bからなる他方の電極群も同様に、互いに連続的に形成されており、例えば互いに一体的に形成されている。このように、水晶振動素子10には一対の電極群が設けられている。水晶振動素子10の一対の電極群は、例えば多層構造であり、下地層と最表層とをこの順に積層して設けられている。下地層は、水晶片11に接触する層であり、水晶片11との密着性が良好な材料で設けられる。最表層は、一対の電極群の最表面に位置する層であり、化学的安定性が良好な材料で設けられる。一対の電極群をこのような多層構造とすることで、一対の電極群の酸化や水晶片11からの剥離が抑制でき、信頼性の高い水晶振動素子10が提供できる。下地層は例えばクロム(Cr)を含有し、最表層は例えば金(Au)を含有する。
励振部17に電圧が印加可能であれば、水晶振動素子10の一対の電極群のうち、少なくとも一方が水晶片11から離れて設けられてもよい。例えば、第1励振電極14aと励振部17との間にギャップが設けられてもよい。
水晶振動素子10の一対の電極群を構成する材料はCr及びAuに限定されるものではなく、例えばチタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、インジウム(In)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、銅(Cu)、錫(Sn)、鉄(Fe)などの金属材料を含有してもよい。一対の電極群は、導電性セラミック、導電性樹脂、半導体などを含有してもよい。
次に、水晶片11の厚みT、及び水晶片11に接触して設けられた電極の厚みtについて説明する。
水晶片11の厚みTは、励振部17の厚みである。水晶片11がコンベックス構造やベベル構造であって励振部17の厚みが一様ではない場合、水晶片11の厚みTは、例えば励振部17の中央部の厚みである。
図4に示すように、一対の電極(第1励振電極14a及び第2励振電極14b)の両方が水晶片11に接触して設けられた場合、水晶片11に接触して設けられた電極の厚みtは、第1励振電極14aの厚みtaと、第2励振電極14bの厚みtbとの和である(t=ta+tb)。例えば、第1励振電極14aの厚みtaは、第1励振電極14aの中央部の厚みであり、第2励振電極14bの厚みtbは、第2励振電極14bの中央部の厚みである。但し、第1励振電極14a及び第2励振電極14bのうち一方の電極が水晶片11から離れて設けられた場合、厚みtは、水晶片11に接触して設けられた他方の電極の厚みに等しい。例えば、第1励振電極14aと励振部17との間にギャップが設けられた場合、厚みtは、第2励振電極14bの厚みtbとなる(t=tb)。
水晶片11の厚みTと、水晶片11に接触して設けられた電極の厚みtとは、t/T≧0.01の関係を満たす。言い換えると、水晶片11の厚みTに対する電極の厚みtの比率t/Tが0.01以上である。厚みの比率t/Tは、望ましくは0.02以上であり、さらに望ましくは0.05以上であり、さらに望ましくは0.1以上である。また、厚みの比率t/Tは0.5以下であることが望ましい。
水晶振動素子10の主要振動が厚みすべり振動モードである場合、水晶振動素子10を高周波化するためには、水晶振動素子10を薄肉化する必要がある。水晶片11に接触して設けられた電極は水晶片11に比べて薄肉化が難しいため、水晶振動素子10を薄肉化すると、厚みの比率t/Tが大きくなる。したがって、水晶振動素子10を高周波化するためには、厚みの比率t/Tを大きくする必要がある。但し、厚みの比率t/Tが大きくなるほど、周波数温度特性に対する電極の影響が大きくなる。
次に、ベース部材30について説明する。
ベース部材30は、水晶振動素子10を励振可能に保持している。ベース部材30は、互いに対向する上面31A及び下面31Bを有する基体31を備えている。上面31A及び下面31Bは、基体31の一対の主面に相当する。上面31Aは、水晶振動素子10及び蓋部材40に対向する側に位置し、水晶振動素子10が搭載される搭載面に相当する。下面31Bは、外部基板130に対向する側に位置し、外部基板130が接続される実装面に相当する。基体31は、例えば絶縁性セラミック(アルミナ)などの焼結材である。熱応力の発生を抑制する観点から、基体31は耐熱性材料から構成されることが好ましい。熱履歴によって水晶振動素子10にかかる応力を抑制する観点から、基体31は、水晶片11に近い熱膨張率を有する材料によって設けられてもよく、例えば水晶によって設けられてもよい。また、熱応力による基体31の損傷を抑制する観点から、基体31は、蓋部材40に近い熱膨張率を有する材料によって設けられてもよい。
ベース部材30は、第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bを備えている。第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、基体31の上面31Aに設けられている。第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、ベース部材30に水晶振動素子10を電気的に接続するための端子である。酸化による信頼性の低下を抑制する観点から、第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bのそれぞれの最表層は金を含有するのが望ましく、ほぼ金のみからなるのがさらに望ましい。例えば、第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、基体31との密着性を向上させる下地層と、金を含み酸化を抑制する最表層とを有する積層構造であってもよい。第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、一対の電極パッドに相当する。
ベース部材30は、第1外部電極35a、第2外部電極35b、第3外部電極35c及び第4外部電極35dを備えている。第1外部電極35a~第4外部電極35dは、基体31の下面31Bに設けられている。第1外部電極35a及び第2外部電極35bは、外部基板130の配線層と水晶振動子1とを電気的に接続するための端子である。第3外部電極35c及び第4外部電極35dは、例えば電気信号等が入出力されないダミー電極であるが、蓋部材40を接地させて蓋部材40の電磁シールド機能を向上させる接地電極であってもよい。なお、第3外部電極35c及び第4外部電極35dは、省略されてもよい。
第1電極パッド33aは、基体31をY´´軸方向に沿って貫通する第1貫通電極34aを介して、第1外部電極35aに電気的に接続されている。第2電極パッド33bは、基体31をY´´軸方向に沿って貫通する第2貫通電極34bを介して、第2外部電極35bに電気的に接続されている。
第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bのそれぞれは、基体31の上面31Aと下面31Bとを繋ぐ側面に設けられた側面電極を介して、第1外部電極35a及び第2外部電極35bに電気的に接続されてもよい。当該側面電極は、キャスタレーション電極でもよい。
ベース部材30は、第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bを備えている。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、水晶振動素子10を励振可能に保持している。言い換えると、励振部17がベース部材30及び蓋部材40に接触しないように、水晶振動素子10を保持している。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、水晶振動素子10とベース部材30とを電気的に接続している。具体的には、第1導電性保持部材36aが第1電極パッド33aと第1接続電極16aとを電気的に接続し、第2導電性保持部材36bが第2電極パッド33bと第2接続電極16bとを電気的に接続している。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、一対の導電性保持部材に相当する。
第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等を含む導電性接着剤の硬化物であり、第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bの主成分は、例えばシリコーン樹脂である。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bは導電性粒子を含んでおり、当該導電性粒子としては例えば銀(Ag)を含む金属粒子が用いられる。
第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bの主成分は、硬化性樹脂であればシリコーン樹脂に限定されるものではなく、例えばエポキシ樹脂やアクリル樹脂などであってもよい。また、第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bの導電性は、銀粒子による付与に限定されるものではなく、その他の金属、導電性セラミック、導電性有機材料などによって付与されてもよい。第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bの主成分が導電性高分子であってもよい。
第1導電性保持部材36a及び第2導電性保持部材36bの樹脂組成物には、任意の添加剤を含有してもよい。添加剤は、例えば、導電性接着剤の作業性や保存性の向上などを目的とする粘着付与剤、充填剤、増粘剤、増感剤、老化防止剤、消泡剤などである。また、硬化物の強度を増加させる目的、あるいはベース部材30と水晶振動素子10との間隔を保つ目的のフィラーが添加されてもよい。
次に、蓋部材40について説明する。
蓋部材40は、ベース部材30に接合されている。蓋部材40は、ベース部材30との間に水晶振動素子10を収容する内部空間を形成する。蓋部材40はベース部材30の側に開口する凹部49を有しており、本実施形態における内部空間は、凹部49の内側の空間に相当する。凹部49は、例えば真空状態で封止されているが、窒素や希ガスなどの不活性ガスが充填された状態で封止されてもよい。凹部49は、液密な状態で封止されてもよい。蓋部材40の材質は、望ましくは導電材料であり、さらに望ましくは気密性の高い金属材料である。蓋部材40が導電材料で構成されることによって、内部空間への電磁波の出入りを低減する電磁シールド機能が蓋部材40に付与される。また、蓋部材40を通してICチップ160が接地できる。熱応力の発生を抑制する観点から、蓋部材40の材質は、基体31に近い熱膨張率を有する材料であることが望ましく、例えば常温付近での熱膨張率がガラスやセラミックと広い温度範囲で一致するFe-Ni-Co系合金である。なお、蓋部材40の材質は、基体31の材質と同じであってもよく、セラミック、水晶、樹脂などを含んでもよい。
蓋部材40は、平板状の天壁部41と、天壁部41の外縁に接続されており且つ高さ方向に沿って延在する側壁部42とを有している。蓋部材40の凹部49は、天壁部41と側壁部42とによって形成されている。具体的には、天壁部41は、基体31の上面31Aに沿って延在し、高さ方向において水晶振動素子10を挟んでベース部材30と対向している。また、側壁部42は、天壁部41からベース部材30に向かって延在しており、基体31の上面31Aと平行な方向において水晶振動素子10を囲んでいる。蓋部材40はさらに、側壁部42のベース部材30側の先端部に接続されており且つ基体31の上面31Aに沿って外側に延在するフランジ部43を有している。言い換えると、側壁部42の上端部に接続された天壁部41と、側壁部42の下端部に接続されたフランジ部43とが、互いに反対方向へ延在している。基体31の上面31Aを平面視したとき、フランジ部43は、水晶振動素子10を囲むように枠状に延在している。
次に、接合部材50について説明する。
接合部材50は、ベース部材30及び蓋部材40の各全周に亘って設けられ、矩形の枠状をなしている。ベース部材30の上面31Aを平面視したとき、第1電極パッド33a及び第2電極パッド33bは、接合部材50の内側に配置されており、接合部材50は水晶振動素子10を囲むように設けられている。接合部材50は、ベース部材30と蓋部材40とを接合し、内部空間に相当する凹部49を封止している。具体的には、接合部材50は、基体31とフランジ部43とを接合している。水晶振動素子10の周波数特性の変動を抑制する観点から、接合部材50の材質は、透湿性が低いことが望ましく、ガス透過性が低いことがさらに望ましい。また、接合部材50を介して蓋部材40を接地電位に電気的に接続するためには、接合部材50が導電性を有することが望ましい。これらの観点から、接合部材50の材質は金属が望ましい。一例として、接合部材50は、基体31の上面31Aに設けられたモリブデン(Mo)からなるメタライズ層と、メタライズ層とフランジ部43との間に設けられた金錫(Au-Sn)系の共晶合金からなる金属半田層とによって設けられている。
なお、接合部材50は、水ガラスなどを含むケイ素系接着剤や、セメントなどを含むカルシウム系接着剤などの無機系接着剤によって設けられてもよい。接合部材50の材質は、エポキシ系、ビニル系、アクリル系、ウレタン系又はシリコーン系の有機系接着剤によって設けられてもよい。接合部材50が無機系又は有機系接着剤によって設けられる場合、ガス透過性を下げるために、接合部材50の外側に当該接着剤よりもガス透過性が低いコーティングが設けられてもよい。ベース部材30と蓋部材40とは、シーム溶接によって接合されてもよい。
次に、図5~図8を参照しつつ、水晶片11のカット角について、より詳細に説明する。図5は、水晶結晶の第1回転を示す図である。図6は、水晶結晶の第2回転角を示す図である。図7は、水晶片の最適な回転角を示すグラフである。図8は、水晶片の最適な回転角を示すグラフである。
水晶片11は、Y板を2回回転させて得られる水晶基板から形成されている。まずは、図5に示すように、水晶結晶のX軸及びZ軸を含む面を、Z軸を中心にφ度回転させる。φ度は、第1回転の回転角に相当する。第1回転の向きは、X軸の正方向側をY軸の正方向側に回転させる向きであり、+Z軸方向からXY面を平面視したときに反時計回りとなる向きである。このとき、X軸,Y軸のそれぞれを第1回転させて得られるのがX´軸,Y´軸である。
次に、図6に示すように、第1回転によって得られた面を、X´軸を中心にθ度回転させる。θ度は、第2回転の回転角に相当する。第2回転の向きは、Y´軸の正方向側をZ軸の正方向側に回転させる向きであり、+X´軸方向からY´Z面を平面視したときに反時計回りとなる向きである。このとき、Y´軸,Z軸のそれぞれを第2回転させて得られるのがY´´軸,Z´軸である。このように、ZX面を2回回転させて得られたZ´X´面をもとに、水晶片11の主面が得られる。
図7のグラフの横軸は厚みの比率t/Tを示し、縦軸は第1回転の回転角φ度又は第2回転の回転角θ度を示す。図中のグラフは、厚みの比率t/Tを変数xとしたとき、周波数温度特性の1次係数及び2次係数がゼロになる回転角φ及びθをプロットしたものである。当該プロットの近似式から、周波数温度特性の1次係数及び2次係数をゼロとする回転角φ及びθは、次式を満たすことがわかった。
φ=-98.6x3+114.0x2-22.3x+1.3
θ=-9.5x3-10.9x2+1.4x+35.3
回転角φが上記の式で求められる値の±5度以内、且つ、回転角θが上記の式で求められる値の±0.5度以内であれば、周波数温度特性を充分に改善できる。このため、本実施形態においては、
|φ-(-98.6x3+114.0x2-22.3x+1.3)|≦5
且つ
|θ-(-9.5x3-10.9x2+1.4x+35.3)|≦0.5
の関係が成り立つように、水晶片11が設けられている。
図8のグラフの横軸は第2回転の回転角θを示し、縦軸は第1回転の回転角φを示す。図中のグラフは、回転角θを変数としたとき、周波数温度特性の1次係数及び2次係数がゼロになる回転角φをプロットしたものである。当該プロットの近似式から、周波数温度特性の1次係数及び2次係数をゼロとする回転角φ及びθは、次式を満たすことがわかった。
φ=-0.017θ3+1.37θ2-37.6θ+351
回転角φ上記の式で求められる値の±5度以内であれば、周波数温度特性を充分に改善できる。このため、本実施形態においては、
|φ-(-0.017θ3+1.37θ2-37.6θ+351)|≦5
の関係が成り立つように、水晶片11が設けられている。
次に、図9を参照しつつ、本発明の実施例及び比較例の周波数温度特性について説明する。実施例は、水晶片の両面に一対の電極を設けた水晶振動素子である。水晶片及び一対の電極は、それぞれ、矩形状の平板である。一対の電極は、アルミニウムによって設けられている。水晶片の主面の面積は120μm2、水晶の厚みは1μm、電極の主面の面積は50μm2、電極の一方の厚みは0.2μm、一対の電極の厚みの和は0.4μmである。第1回転の回転角φは4.9度、第2回転の回転角θは33.4度である。
比較例1及び比較例2は、実施例に対して回転角のみ異なっている。具体的には、比較例1の水晶片はATカットである。比較例1において、回転角φは0度、回転角θは35度25分である。比較例2の水晶片は、周波数温度特性が改善するように、ATカットの回転角を修正したものである。比較例2において、回転角φは0度、回転角θは33度45分である。
比較例1の周波数温度特性は、水晶片が薄いため電極の影響を大きく受け、t/T<0.01の水晶振動素子の周波数温度特性よりも悪化している。比較例2の周波数温度特性は、比較例1の周波数温度特性に比べて、1次係数が補正されたことによって改善されている。しかし、比較例2の周波数温度特性は充分に改善されているとは言えず、高温領域での周波数の変化が大きい。実施例の周波数温度特性は1次係数及び2次係数がゼロになるため、実施例における周波数の温度変化は、比較例2における周波数の温度変化に比べて小さい。
以上のように、一実施形態では、水晶片11の厚みTと、水晶片11に接触して設けられた電極の厚みtとが、x=t/T≧0.01の関係を満たし、|φ-(-98.6x3+114.0x2-22.3x+1.3)|≦5、且つ、|θ-(-9.5x3-10.9x2+1.4x+35.3)|≦0.5の関係が成り立つ。
また、|φ-(-0.017θ3+1.37θ2-37.6θ+351)|≦5の関係が成り立つ。
これによれば、周波数温度特性が改善される。
以下に、本発明の実施形態の一部又は全部を付記し、その効果について説明する。なお、本発明は以下の付記に限定されるものではない。
本発明の一態様によれば、X軸、Y軸及びZ軸を結晶軸とする水晶結晶のX軸及びZ軸を含む面を、Z軸を中心にφ度回転させ、さらにX軸をφ度回転させたX´軸を中心にθ度回転させて得られる面を主面とする水晶片と、水晶片に接触して設けられた電極と、を備え、水晶片の厚みTと、水晶片に接触して設けられた電極の厚みtとが、x=t/T≧0.01の関係を満たし、|φ-(-98.6x3+114.0x2-22.3x+1.3)|≦5且つ|θ-(-9.5x3-10.9x2+1.4x+35.3)|≦0.5の関係が成り立つ、水晶振動素子が提供される。
これによれば、周波数温度特性が改善される。
本発明の他の一態様によれば、X軸、Y軸及びZ軸を結晶軸とする水晶結晶のX軸及びZ軸を含む面を、Z軸を中心にφ度回転させ、さらにX軸をφ度回転させたX´軸を中心にθ度回転させて得られる面を主面とする水晶片と、水晶片に接触して設けられた電極と、を備え、水晶片の厚みTと、水晶片に接触して設けられた電極の厚みtとが、x=t/T≧0.01の関係を満たし、|φ-(-0.017θ3+1.37θ2-37.6θ+351)|≦5の関係が成り立つ、水晶振動素子が提供される。
一態様として、水晶片に接触して設けられた電極の厚みtは、水晶片に電圧を印加する一対の電極のそれぞれの厚みの和である。
一態様として、水晶振動素子の主要振動は、厚みすべり振動モードである。
一態様として、水晶片に設けられた電極は、アルミニウムからなる。
一態様として、前述のいずれかの水晶振動素子と、ベース部材と、ベース部材に接合された蓋部材と、を備え、水晶振動素子は、ベース部材と蓋部材との間の内部空間に設けられた、水晶振動子が提供される。
一態様として、前述の水晶振動子と、水晶振動子の発振回路を有するICチップと、を備える、水晶発振器が提供される。
本発明に係る実施形態は、タイミングデバイス、発音器、発振器、荷重センサなど、圧電効果により電気機械エネルギー変換を行うデバイスであれば、特に限定されることなく適宜適用可能である。
以上説明したように、本発明の一態様によれば、周波数温度特性が良好な水晶振動素子、水晶振動子及び水晶発振器が提供できる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1…水晶振動子、
10…水晶振動素子、
11…水晶片、
14a,14b…励振電極、
15a,15b…引出電極、
16a,16b…接続電極、
17…励振部、
18…周辺部、
19…接続部、
11A,17A,18A,19A…上面、
11B,17B,18B,19B…下面、
φ…第1回転の回転角、
θ…第2回転の回転角、

Claims (10)

  1. X軸、Y軸及びZ軸を結晶軸とする水晶結晶のX軸及びZ軸を含む面を、Z軸を中心にφ度(0<φ)回転させ、さらにX軸をφ度回転させたX´軸を中心にθ度回転させて得られる面を主面とする水晶片と、
    前記水晶片に接触して設けられた電極と、
    を備え、
    前記水晶片の厚みTと、前記水晶片に接触して設けられた電極の厚みtとが、x=t/T≧0.01の関係を満たし、
    |φ-(-98.6x3+114.0x2-22.3x+1.3)|≦5
    且つ
    |θ-(-9.5x3-10.9x2+1.4x+35.3)|≦0.5
    の関係が成り立つ、水晶振動素子。
  2. 0.02≦t/Tの関係を満たす、
    請求項に記載の水晶振動素子。
  3. 0.05≦t/Tの関係を満たす、
    請求項に記載の水晶振動素子。
  4. 0.1≦t/Tの関係を満たす、
    請求項に記載の水晶振動素子。
  5. t/T≦0.5の関係を満たす、
    請求項1からのいずれか1項に記載の水晶振動素子。
  6. 前記水晶片に接触して設けられた電極の厚みtは、前記水晶片に電圧を印加する一対の電極のそれぞれの厚みの和である、
    請求項1からのいずれか1項に記載の水晶振動素子。
  7. 前記水晶振動素子の主要振動は、厚みすべり振動モードである、
    請求項1からのいずれか1項に記載の水晶振動素子。
  8. 前記水晶片に設けられた電極は、アルミニウムからなる、
    請求項1からのいずれか1項に記載の水晶振動素子。
  9. 請求項1からのいずれか1項に記載の水晶振動素子と、
    ベース部材と、
    前記ベース部材に接合された蓋部材と、
    を備え、
    前記水晶振動素子は、前記ベース部材と前記蓋部材との間の内部空間に設けられた、水晶振動子。
  10. 請求項に記載の水晶振動子と、
    前記水晶振動子の発振回路を有するICチップと、
    を備える、水晶発振器。
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