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JP7364324B2 - 酸変性共役ジエン系重合体組成物及び酸変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法 - Google Patents

酸変性共役ジエン系重合体組成物及び酸変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法 Download PDF

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JP7364324B2
JP7364324B2 JP2018152610A JP2018152610A JP7364324B2 JP 7364324 B2 JP7364324 B2 JP 7364324B2 JP 2018152610 A JP2018152610 A JP 2018152610A JP 2018152610 A JP2018152610 A JP 2018152610A JP 7364324 B2 JP7364324 B2 JP 7364324B2
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Description

本発明は、酸変性共役ジエン系重合体組成物及び酸変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法に関する。
自動車タイヤ用の重合体組成物として、共役ジエン系エラストマーポリブタジエン、スチレン-ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体を含有する組成物は用いられている。このような重合体組成物を保存しておいた場合、時間の経過と共にその形状が崩れる、「コールドフロー」と呼ばれる現象が生じることがある。例えば、特許文献1では、特定のエラストマー組成物を用いることで、コールドフローを低減することが検討されている。
また、アルコキシシリル基等の加水分解性の基を有する変性共役ジエン系重合体は、時間の経過とともに分子量が変化すること、そして、時間の経過とともに粘度が上昇することが知られている。例えば、特許文献2及び3では、変性共役ジエン系重合体の分子量分布の経時変化を抑制することが検討されている。
特開平11-20954号公報 特開2012-201863号公報 特表2003-514960号公報
構造中にケイ素原子を有する変性共役ジエン系重合体を含む重合体組成物には、貯蔵時における粘度の経時変化を抑制し、コールドフローを更に改善することが求められている。本発明は、貯蔵時における粘度の経時変化を抑制する、耐コールドフロー性に優れる酸変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法、及び酸変性共役ジエン系重合体組成物を提供することを目的とする。
本発明は、構造中にケイ素原子を有する変性共役ジエン系重合体と、有機酸との混合物を、(1)55℃以上の温度で45分間以上熱処理する工程、又は、(2)100℃以上の温度で混練する工程を含む酸変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法であり、当該酸変性共役ジエン系重合体組成物を50℃で2週間保管した際の100℃におけるムーニー粘度ML(1+4)100℃の変化幅が、10以内である方法に関する。
本発明はまた、構造中にケイ素原子を有する酸変性共役ジエン系重合体と、有機酸由来の化合物とを含み、50℃で2週間保管した際の100℃におけるムーニー粘度ML(1+4)100℃の変化幅が、10以内である、酸変性共役ジエン系重合体組成物に関する。
本発明によれば、耐コールドフロー性に優れる酸変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法、及び酸変性共役ジエン系重合体組成物を提供することができる。
本実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書では、ヒドロカルビル基は炭化水素から1個の水素原子を除いた1価の基を表す。ヒドロカルビレン基は、炭化水素から2個の水素原子を除いた2価の基を表す。ヒドロカルビルオキシ基は、ヒドロキシ基の水素原子がヒドロカルビル基で置き換えられた構造を有する1価の基を表す。置換基を有するアミノ基(以下、置換アミノ基と記すこともある。)は、アミノ基の少なくとも1個の水素原子が、水素原子以外の1価の原子又は1価の基に置き換えられた構造を有する基、又はアミノ基の2個の水素原子が2価の基で置き換えられた構造を有する基を表す。置換基を有するヒドロカルビル基(以下、置換ヒドロカルビル基と記すこともある。)は、ヒドロカルビル基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置き換えられた構造を有する1価の基を表す。窒素原子及び/又は酸素原子を有するヒドロカルビレン基とは、ヒドロカルビレン基の水素原子が除かれている炭素原子以外の炭素原子及び/又は水素原子が、窒素原子及び/又は酸素原子を有する基で置き換えられた構造を有する2価の基を表す。
[酸変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法]
本実施形態の酸変性共役ジエン系重合体組成物(以下、「重合体組成物」と略記する場合がある。)の製造方法は、構造中にケイ素原子を有する変性共役ジエン系重合体(以下、「変性共役ジエン系重合体」と略記する場合がある。)と、有機酸との混合物を、(1)55℃以上の温度で45分間以上熱処理する工程(以下、工程(1)という。)、又は、(2)100℃以上の温度で混練する工程(以下、工程(2)という。)を含む。
工程(1)の場合、変性共役ジエン系重合体と、有機酸との混合物を、55℃以上の温度で45分間以上熱処理することで、本実施形態に係る重合体組成物を調製することができる。工程(2)の場合、変性共役ジエン系重合体と、有機酸との混合物を、100℃以上の温度で混練することで、本実施形態に係る重合体組成物を調製することができる。
変性共役ジエン系重合体と、有機酸とを混合する方法は、例えば、有機酸を変性共役ジエン系重合体溶液に混合する方法をとることができる。液体状の有機酸は希釈して用いてもよく、固体状の有機酸は溶解又は融解して用いてもよい。変性共役ジエン系重合体と有機酸との混合は、溶媒の存在下で行ってもよい。変性共役ジエン系重合体と有機酸との混合時間は、1分間から1時間であってもよい。また、変性共役ジエン系重合体と有機酸とを混合する際の温度は、55℃未満であってもよく、10℃~50℃でもよく、20℃~40℃でもよい。
工程(1)における熱処理は、変性共役ジエン系重合体と有機酸とを混合しながら温度を55℃以上に上げることで行ってもよいし、変性共役ジエン系重合体と有機酸とを混合した後に55℃以上の温度で静置した状態で行ってもよい。工程(1)における熱処理を混合しながら行う場合は、攪拌翼付きタンク、インラインミキサー等の公知の攪拌機によって行うことができる。
工程(1)における熱処理は、例えば、変性共役ジエン系重合体、有機酸及び溶媒の混合液から、溶媒を除去しながら行うことができる。溶媒を除去する方法としては、例えば、混合液を撹拌しながら熱湯中に投入してスチームストリッピングにより溶媒を除去する方法(例えば、特許第5815736号参照。)、混合液を減圧下で加熱して溶媒を除去する方法等が挙げられる。
工程(1)における熱処理は、例えば、熱風乾燥機、減圧乾燥機、恒温槽等を用いて行うことができる。熱処理温度は、好ましくは55℃以上であり、55~220℃でもよく、60~150℃でもよく、より好ましくは65~120℃である。温度に合わせて、熱処理時間を調整することができる。熱処理時間は、好ましくは45分間以上10時間以下であり、より好ましくは1時間以上8時間以下であり、更に好ましくは1.5時間以上7時間以下である。
工程(2)における混練は、例えば、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、二軸押出機等の公知の混練機を用いて行うことができる。二軸押出機は特に限定されず、各成分の供給口と、溶媒等の揮発成分を脱気するベント口とを有する公知の押出機を用いてもよい。ベント口から溶媒を除去しながら、重合体組成物を調製することができる。二軸押出機は、ベント式単段押出機でもよく、ベント式多段押出機でもよい。二軸押出機として、特開2011-225805号公報に記載されているようなベント式押出機を用いてよい。
工程(2)における混練の温度は、100℃以上であり、好ましくは120~220℃であり、より好ましくは121~210℃であり、更に好ましくは125~200℃である。温度に合わせて、混練時間を調整することができる。混練時間は、好ましくは15秒間以上であり、より好ましくは20秒間以上45分間未満であり、更に好ましくは30秒間以上30分間以下である。長時間、高温で混練を行った場合、副反応によって変性共役ジエン系重合体と有機酸との混合物に劣化を生じる恐れがある。したがって、混練は、上記条件の範囲で行うのが好ましい。
本実施形態に係る変性共役ジエン系重合体は、ケイ素原子を有する化合物に由来する基を有している。当該変性共役ジエン系重合体は、数日から数十日の時間を経て、徐々にケイ素原子を有する化合物に由来する基の一部に反応を生じ、徐々に架橋構造が形成されることで、徐々に粘度が上昇することが知られている。本発明では、変性共役ジエン系重合体と有機酸とを特定の条件で処理をすることで、上述の反応に類する反応を変性共役ジエン系重合体に生じさせ、当該変性共役ジエン系重合体を酸変性することによって、重合体組成物を保管した場合の粘度の経時変化及びコールドフローを抑制している。
(有機酸)
本実施形態に係る有機酸としては、酸性を示す基と炭化水素基とを有する化合物であれば特に限定されない。酸性を示す基としては、例えば、カルボキシ基、スルホ基、水酸基及びリン酸エステル由来の基が挙げられる。有機酸は、リン酸エステル由来の基を有しない化合物であり、カルボキシ基を有する化合物であることが好ましい。有機酸として、脂肪族カルボン酸、脂肪族ヒドロキシカルボン酸化合物等の有機カルボン酸を好適に用いることができる。
脂肪族カルボン酸として、炭素数2~30の炭化水素基とカルボキシ基とを有する化合物を用いることができる。脂肪族カルボン酸としては、例えば、酢酸、オクタン酸、デカン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸等の飽和脂肪族カルボン酸;パルミトレイン酸、オレイン酸、リシノレン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリストレイン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の不飽和脂肪族カルボン酸が挙げられる。入手容易性から、好ましくはステアリン酸である。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸化合物として、水酸基とカルボキシ基とを有する脂肪族化合物を用いることができる。脂肪族ヒドロキシカルボン酸化合物は、直鎖状の炭化水素基を有していることが好ましく、該炭化水素基は、不飽和結合を有していてもよい。不飽和結合を有する場合は、トランス体が好ましい。脂肪族ヒドロキシカルボン酸化合物の炭素数は、好ましくは2~40であり、より好ましくは8~30である。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸化合物としては、例えば、ヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシパルミチン酸、ヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシステアリン酸及びヒドロキシエライジン酸が挙げられる。コールドフローをより抑制できることから、脂肪族ヒドロキシカルボン酸化合物として、好ましくは12-ヒドロキシステアリン酸又は2-ヒドロキシカプリル酸であり、より好ましくは12-ヒドロキシステアリン酸である。
変性共役ジエン系重合体と有機酸とを用いて重合体組成物を調製することで、粘度の経時変化及びコールドフローを抑制することができる。有機酸の含有量は、コールドフローをより抑制することから、変性共役ジエン系重合体100質量部に対して、好ましくは0.1質量部超であり、より好ましくは0.2~5質量部であり、更に好ましくは0.25~4.5質量部であり、特に好ましくは0.3~4質量部である。
(共役ジエン系重合体)
本実施形態に係る変性共役ジエン系重合体は、ケイ素原子を有する化合物に由来する単位を有している。変性共役ジエン系重合体は、ケイ素原子を有する化合物(以下、「変性剤」ということがある)によって共役ジエン系重合体を変性することによって得ることができる。共役ジエン系重合体は、重合開始剤を使用して共役ジエン化合物を含む単量体を重合することで作製することができる。以下、本実施形態に係る変性共役ジエン系重合体の作製に用いることができる各成分について、説明する。
共役ジエン化合物としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン、3-ブチル-1,3-オクタジエン及び1,3-ヘキサジエンが挙げられ、好ましくは、1,3-ブタジエン又はイソプレンである。これらの共役ジエン化合物は、1種を単独で使用しても2種以上を組合せて用いてもよい。
本実施形態に係る単量体は、共役ジエン化合物と共に、芳香族ビニル化合物を含むことができる。芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン及びジビニルナフタレンが挙げられ、好ましくはスチレンである。
単量体中の芳香族ビニル化合物の含有量は、単量体の総量を100質量%として、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上である。また、芳香族ビニル化合物の含有量は、省燃費性を高めるために、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは45質量%以下であり、更に好ましくは40質量%以下である。
本実施形態に係る変性共役ジエン系重合体は、共役ジエン単量体単位、変性剤単量体単位、及び、芳香族ビニル単量体単位以外のその他の単量体単位を有していてもよい。その他の単量体としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン等の鎖状オレフィン化合物;シクロペンテン、2-ノルボルネン等の環状オレフィン化合物;1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネン等の非共役ジエン化合物が挙げられる。本実施形態に係る共役ジエン系重合体鎖中における、その他の単量体単位の含有割合は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
本実施形態に係る変性共役ジエン系重合体は、イソプレン単量体単位を主成分とする重合体ブロック(A)と、1,3-ブタジエン単量体単位を主成分とする重合体ブロック(B)とを備えてもよい。
重合体ブロック(A)のMwは、1000~30000が好ましい。重合体ブロック(A)は、イソプレン単量体単位を主成分とするものであればよく、特に限定されず、イソプレン単量体単位のみからなるものであってよいし、あるいは、イソプレン単量体単位と、イソプレン以外の単量体単位とからなるものであってもよい。イソプレン以外の単量体としては、芳香族ビニル化合物であってもよい。重合体ブロック(A)は、イソプレン単量体単位と、芳香族ビニル単量体単位とを含有してもよい。
重合体ブロック(A)中における、イソプレン単量体単位の含有割合は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。また、イソプレン単量体単位の含有割合の上限は、特に限定されないが、好ましくは99質量%以下である。重合体ブロック(A)中のイソプレン単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、共役ジエン系重合体にシリカ等の補強材を配合した場合に、共役ジエン系重合体とシリカ等の補強材との親和性をより高めることができ、得られるゴム架橋物を、低発熱性及びウェットグリップ性により優れたものとすることができる。
重合開始剤としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ金属と極性化合物との錯体、アルカリ金属を有するオリゴマー、有機アルカリ金属化合物、チーグラーナッタ触媒及びメタロセン触媒が挙げられる。重合開始剤として、好ましくは、有機アルカリ金属化合物である。重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムが挙げられる。アルカリ金属と極性化合物との錯体としては、例えば、カリウム-テトラヒドロフラン錯体及びカリウム-ジエトキシエタン錯体が挙げられる。アルカリ金属を有するオリゴマーとしては、例えば、α-メチルスチレンテトラマーのナトリウム塩が挙げられる。
有機アルカリ金属化合物としては、例えば、窒素原子を含有する基を有する有機アルカリ金属化合物、及びヒドロカルビル基を有する有機アルカリ金属化合物が挙げられる。
ヒドロカルビル基を有する有機アルカリ金属化合物としては、例えば、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、tert-オクチルリチウム、n-デシルリチウム、フェニルリチウム、2-ナフチルリチウム、2-ブチルフェニルリチウム、4-フェニルブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、1,4-ジリチオブタン、1,4-ジリチオ-2-ブテン、1,3,5-トリリチオベンゼン、1,3,5-トリス(リチオメチル)ベンゼン、2,3,5-トリス(リチオメチル)ナフタレン、1,4,5-トリス(リチオメチル)ナフタレン、1,3,3-トリリチオオクチン、ナトリウムナフタレニド、ナトリウムビフェニリド及びカリウムナフタレニドが挙げられ、好ましくはn-ブチルリチウムである。
窒素原子を含有する基を有する有機アルカリ金属化合物としては、例えば、メチルアミノプロピルリチウム、ジエチルアミノプロピルリチウム、tert-ブチルジメチルシリロキシプロピルリチウム、N-モルホリノプロピルリチウム、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、3-(ジメチルアミノ)プロピルリチウム又は3-(ジエチルアミノ)プロピルリチウムに、イソプレンを反応させて得られる化合物等の窒素原子を含有する基を有する有機アルカリ金属化合物が挙げられる。
窒素原子を含有する基を有する有機アルカリ金属化合物として、好ましくは、下記式(2)で表される基を有する有機アルカリ金属化合物である。
Figure 0007364324000001
式(2)中、R21及びR22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基又はトリヒドロカルビルシリル基を表すか、あるいは、R21の一部とR22の一部とが結合して成る、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基、-Si(R32-(CH-Si(R32-で表される炭素原子数5以上20以下の基(R32はヒドロカルビル基を表し、xは1以上10以下の整数である。)、又は、-Si(R33-(CH-で表される炭素原子数4以上20以下の基(R33はヒドロカルビル基を表し、yは2以上11以下の整数である。)を形成していてもよい。
21及びR22におけるヒドロカルビル基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基を挙げることができる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ドデシル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基を挙げることができる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリール基、1-プロペニル基及びイソプロペニル基を挙げることができる。アルキニル基としては、例えば、エチニル基及び2-プロピニル基を挙げることができる。アリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ベンジル基、トリル基及びキシリル基を挙げることができる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基を挙げることができる。ヒドロカルビル基として、好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基である。
21及びR22における置換基を有するヒドロカルビル基としては、例えば、1以上の水素原子が置換アミノ基で置換されたヒドロカルビル基、1以上の水素原子がヒドロカルビルオキシ基で置換されたヒドロカルビル基、1以上の水素原子がトリアルキルシリル基で置換されたヒドロカルビル基、1以上の水素原子がトリアルコキシシリル基で置換されたヒドロカルビル基等を挙げることができる。
ここで、置換アミノ基としては、例えば、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基等のN,N-ジアルキルアミノ基、1-ピロリル基、1-ピペリジル基、1-イミダゾリル基等の環状アミノ基が挙げられる。
1以上の水素原子が置換アミノ基で置換されたヒドロカルビル基としては、例えば、N,N-ジメチルアミノメチル基、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル基、2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル基、3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル基、3-(N,N-ジエチルアミノ)プロピル基等の(N,N-ジアルキルアミノ)アルキル基;4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル基、3-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル基、4-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル基、3-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル基等の(N,N-ジアルキルアミノ)アリール基;4-(N,N-ジメチルアミノ)メチルフェニル基、4-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]フェニル基等の(N,N-ジアルキルアミノ)アルキルアリール基;3-(1-ピロリジニル)プロピル基、3-(1-ピペリジニル)プロピル基、3-(1-イミダゾリル)プロピル基等の環状アミノ基で置換されたアルキル基;4-(1-ピロリジニル)フェニル基、4-(1-ピペリジニル)フェニル基、4-(1-イミダゾリル)フェニル基等の環状アミノ基で置換されたアリール基;4-[2-(1-ピロリジニル)エチル]フェニル基、4-[2-(1-ピペリジニル)エチル]フェニル基、4-[2-(1-イミダゾリル)エチル]フェニル基等の環状アミノ基で置換されたアルキルアリール基を挙げることができる。
1以上の水素原子がヒドロカルビルオキシ基で置換されたヒドロカルビル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等のアルコキシアルキル基を挙げることができる。
1以上の水素原子がトリアルキルシリル基で置換されたヒドロカルビル基としては、例えば、トリメチルシリルメチル基、2-トリメチルシリルエチル基、3-トリメチルシリルプロピル基等のトリアルキルシリルアルキル基を挙げることができる。
1以上の水素原子がトリアルコキシシリル基で置換されたヒドロカルビル基としては、例えば、トリメトキシシリルメチル基、2-トリメトキシシリルエチル基、3-トリメトキシシリルプロピル基等のトリアルコキシシリルアルキル基を挙げることができる。
置換基を有していてもよいヒドロカルビル基としては、炭素原子数1以上20以下の置換基を有していてもよいヒドロカルビル基が好ましく、炭素原子数1以上20以下のヒドロカルビル基がより好ましく、炭素原子数1以上10以下のアルキル基が更に好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基又はtert-ブチル基が一層好ましく、メチル基又はエチル基が特に好ましい。
21及びR22におけるトリヒドロカルビルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリペンチルシリル基、トリヘキシルシリル基、tert-ブチル-ジメチルシリル基等のトリアルキルシリル基を挙げることができ、好ましくは、トリメチルシリル基又はトリエチルシリル基である。
21の一部とR22の一部とが結合して成る窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基とは、ヒドロカルビレン基、又は、窒素原子及び/又は酸素原子を有するヒドロカルビレン基である。
ヒドロカルビレン基としては、例えば、アルキレン基、アルケンジイル基、アリーレン基、アリーレン基がアルキレン基に結合して成る基(以下、アリーレン-アルキレン基と称することがある。)等が挙げられる。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基及び2,2,4-トリメチルへキサン-1,6-ジイル基を挙げることができる。アルケンジイル基としては、例えば、ペンタン-2-エン-1,5-ジイル基を挙げることができる。アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基及びビフェニレン基を挙げることができる。アリーレン-アルキレン基として、例えば、フェニレン-アルキレン基、ナフチレン-アルキレン基及びビフェニレン-アルキレン基を挙げることができる。ヒドロカルビレン基として、好ましくはアルキレン基であり、より好ましくは炭素原子数4以上7以下のアルキレン基である。
窒素原子及び/又は酸素原子を有するヒドロカルビレン基としては、例えば、-CH=N-CH=CH-で表される基、-CH=N-CH-CH-で表される基、-CH-CH-O-CH-CH-で表される基等を挙げることができ、好ましくは、-CH=N-CH-CH-、又は-CH-CH-O-CH-CH-で表される基である。
窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基としては、炭素原子数3以上20以下の窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基が好ましく、炭素原子数3以上20以下のヒドロカルビレン基が好ましく、炭素原子数4以上7以下のアルキレン基がより好ましく、テトラメチレン基、ペンタメチレン基又はヘキサメチレン基が更に好ましい。
21の一部とR22の一部とが結合して成る-Si(R35-(CH-Si(R35-で表される炭素原子数5以上20以下の基(R35はヒドロカルビル基を表し、xは1以上10以下の整数を表す。)としては、-Si(CH-CH-CH-Si(CH-で表される基等を挙げることができる。
21の一部とR22の一部とが結合して成る-Si(R36-(CH-で表される炭素原子数4以上20以下の基(R36はヒドロカルビル基を表し、yは2以上11以下の整数を表す。)としては、-Si(CH-CH-CH-CH-で表される基等を挙げることができる。
21及びR22は、それぞれ独立して、ヒドロカルビル基を表すか、あるいは、R21の一部とR22の一部とが結合して成るヒドロカルビレン基を表すことが好ましく、それぞれ独立して、炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すか、あるいは、R21の一部とR22の一部とが結合して成る炭素原子数4以上7以下のアルキレン基を表すことがより好ましく、それぞれ独立して、炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すことが更に好ましく、それぞれ独立して、メチル基又はエチル基を表すことが一層好ましい。
式(2)で表される基を有する有機アルカリ金属化合物として、具体的には、ジメチルアミノプロピルリチウム、ジエチルアミノプロピルリチウム、tert-ブチルジメチルシリロキシプロピルリチウム、N-モルホリノプロピルリチウム、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド等が挙げられる。
式(2)で表される基を有する有機アルカリ金属化合物の製造方法としては、式(3)で表される化合物を用いる方法、有機アルカリ金属化合物と式(2)で表される基を有する2級アミン化合物とを反応させる方法等を挙げることができる。
Figure 0007364324000002

式(3)中、R21及びR22は、それぞれ、式(2)におけるR21及びR22と同義であり、R31は炭素原子数6以上100以下のヒドロカルビレン基を表し、Mはアルカリ金属原子を表す。
31の炭素原子数6以上100以下のヒドロカルビレン基は、好ましくは炭素原子数7以上90以下のヒドロカルビレン基であり、より好ましくは炭素原子数8以上80以下のヒドロカルビレン基である。
31の炭素原子数8以上80以下のヒドロカルビレン基は、好ましくは式(3-1)で表される基である。
Figure 0007364324000003

式(3-1)中、R34は共役ジエン化合物由来の構造単位及び/又は芳香族ビニル化合物由来の構造単位を表し、i及びfは1以上10以下の整数である。なお、式(3-1)中の-(CHが式(3)の窒素原子に結合し、R34が式(3)のMに結合する。
34における共役ジエン化合物由来の構造単位及び/又は芳香族ビニル化合物由来の構造単位として、好ましくはイソプレン由来の構造単位、スチレン由来の構造単位、又はブタジエン由来の構造単位である。
fとして、好ましくは1以上5以下の整数である。
iとして、好ましくは2以上4以下の整数であり、より好ましくは3である。
上記式(3-1)で表される基として、好ましくは、R34がイソプレン由来の構造単位であり、iが1である基、R34がイソプレン由来の構造単位を表し、iが2である基、又はR34がイソプレン由来の構造単位を表し、iが3である基である。
Mのアルカリ金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウムを挙げることができ、好ましくはリチウムである。
式(3)で表される化合物のうち、R31が式(3-1)で表される基を表し、R21及びR22が、それぞれ独立して、ヒドロカルビル基を表し、Mがリチウムを表す化合物としては、(ジアルキルアミノ)アルキルリチウム化合物にイソプレンを反応させて得られる化合物を挙げることができる。このような化合物として、例えば、3-(ジメチルアミノ)プロピルリチウム、3-(ジエチルアミノ)プロピルリチウム、3-(ジブチルアミノ)プロピルリチウム、4-(ジメチルアミノ)ブチルリチウム、4-(ジエチルアミノ)ブチルリチウム、4-(ジプロピルアミノ)ブチルリチウム及び3-(ジブチルアミノ)ブチルリチウムを挙げることができる。
式(3)で表される化合物のうち、R31が式(3-1)で表される基を表し、R21及びR22が、R21の一部とR22の一部とが結合して成るヒドロカルビレン基を表し、Mがリチウムを表す化合物としては、環状アミノ基を有するアルキルリチウム化合物にイソプレンを反応させて得られる化合物を挙げることができる。環状アミノ基を有するアルキルリチウム化合物としては、例えば、3-(1-ピロリジニル)プロピルリチウム、3-(1-ピペリジニル)プロピルリチウム、3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピルリチウム及び3-[1-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル)]プロピルリチウムを挙げることができる。
式(3)で表される化合物のうち、R31が式(3-1)で表される基を表し、R21及びR22が、R21の一部とR22の一部とが結合して成る窒素原子及び/又は酸素原子を有するヒドロカルビレン基を表し、Mがリチウムを表す化合物としては、環状アミノ基を有するアルキルリチウム化合物にイソプレンを反応させて得られる化合物等を挙げることができる。環状アミノ基を有するアルキルリチウム化合物としては、例えば、3-(1-モルホリノ)プロピルリチウム、3-(1-イミダゾリル)プロピルリチウム及び3-(4,5-ジヒドロ-1-イミダゾリル)プロピルリチウムを挙げることができる。
式(3)で表される化合物のうち、R31が式(3-1)で表される基を表し、R21及びR22が、R21の一部とR22の一部とが結合して成る-Si(R35-(CH-Si(R35-で表される炭素原子数5以上20以下の基(R35はヒドロカルビル基を表し、xは1以上10以下の整数である。)を表し、Mがリチウムを表す化合物としては、3-(2,2,5,5-テトラメチル-1-アザ-2,5-ジシラ-1-シクロペンチル)プロピルリチウムと、イソプレン、ブタジエン又はスチレンとを反応させて得られる化合物等を挙げることができる。
式(3)で表される化合物のうち、R31が式(3-1)で表される基を表し、R21及びR22が、R21の一部とR22の一部とが結合して成る-Si(R36-(CH-で表される炭素原子数4以上20以下の基(R36はヒドロカルビル基を表し、yは2以上11以下の整数である。)を表し、Mがリチウムを表す化合物としては、3-(2,2-ジメチル-1-アザ-2-シラ-1-シクロペンチル)プロピルリチウムと、イソプレン、ブタジエン又はスチレンとを反応させて得られる化合物等を挙げることができる。
式(3)で表される化合物としては、好ましくは、R31が式(3-1)で表される基を表し、R21及びR22が、それぞれ独立してヒドロカルビル基を表し、Mがリチウムを表す化合物であり、より好ましくは、R21及びR22が、それぞれ独立して炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、Mがリチウムを表し、R31が式(3-1)で表される基であり、式(3-1)中のR34がイソプレン由来の構造単位を表し、fが1以上5以下であり、iが2以上4以下である化合物であり、更に好ましくは、3-(ジメチルアミノ)プロピルリチウム又は3-(ジエチルアミノ)プロピルリチウムに、イソプレンを反応させて得られる化合物である。
式(3)で表される化合物は、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤として、活性末端を有する共役ジエン系重合体を用いてもよい。活性末端を有する共役ジエン系重合体は、重合開始剤と共役ジエン化合物を含む単量体とを反応させて得ることができる。重合開始剤としては、上述した化合物と同様のものを用いることができる。活性末端を有する共役ジエン系重合体に用いる単量体は特に制限されないが、当該単量体として、例えば、上述した共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、及び共役ジエン化合物と共重合可能な化合物を用いることができる。活性末端を有する共役ジエン系重合体は単量体単位としてイソプレンのみ、又はイソプレンと芳香族ビニル化合物とを含んでいることが好ましい。
変性剤は、式(5)で表される構造を有する化合物を含むことができる。
Figure 0007364324000004
式(5)中、Rはアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基又はアリール基を表し、Mはケイ素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子又はリン原子を表し、Lはハロゲン原子又はヒドロカルビルオキシ基を表し、R及びLが複数ある場合はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、Mがケイ素原子、スズ原子又はゲルマニウム原子であるとき、nは0を表し、m及びlはそれぞれ独立にm+l=4を満たす0~4の整数を表し、Mがリン原子であるとき、nは0又は1を表し、m及びlはそれぞれ独立にm+l=3を満たす0~3の整数を表す。
における、アルキル基としては、炭素原子数1~12のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ドデシル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。アルケニル基としては、炭素原子数2~12のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基及びイソプロペニル基が挙げられる。アリール基としては、炭素原子数6~12のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ベンジル基、トリル基及びキシリル基が挙げられる。
における、ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。ヒドロカルビルオキシ基としては、例えば、アルコキシ基及びアリールオキシ基を挙げられる。アルコキシ基としては、炭素原子数1~12のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基及びオクチルオキシ基が挙げられる。アリールオキシ基としては、炭素原子数6~12のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ基及びベンジルオキシ基が挙げられる。
式(5)で表される構造を有する化合物としては、例えば、Mがケイ素原子であるシラン化合物、Mがスズ原子であるスズ化合物、Mがゲルマニウム原子であるゲルマニウム化合物及びMがリン原子であるリン化合物が挙げられる。
シラン化合物としては、例えば、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、クロロトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジクロロジメトキシシラン及びトリクロロメトキシシランが挙げられる。
スズ化合物としては、例えば、四塩化スズ、モノメチルトリクロロスズ、モノエチルトリクロロスズ、モノブチルトリクロロスズ、モノフェニルトリクロロスズ、テトラメトキシスズ及びテトラエトキシスズが挙げられる。
ゲルマニウム化合物としては、例えば、四塩化ゲルマニウム、四臭化ゲルマニウム、四ヨウ化ゲルマニウム、メチルトリクロロゲルマニウム、エチルトリクロロゲルマニウム、フェニルトリクロロゲルマニウム、ジメチルジクロロゲルマニウム、ジエチルジクロロゲルマニウム、ジブチルジクロロゲルマニウム、ジフェニルジクロロゲルマニウム、テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトライソプロポキシゲルマニウム及びテトラブトキシゲルマニウムが挙げられる。
リン化合物としては、例えば、トリクロルホスフィン、トリブロモホスフィン等のハロゲン化リン化合物、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト等の亜リン酸エステル化合物、トリメチルホスフェイト、トリエチルホスフェイト等のリン酸エステル化合物が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、単量体の総量100gあたり、好ましくは0.01mmol~15mmolである。
単量体の重合は、炭化水素溶媒中で行われることが好ましい。炭化水素溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素等を用いることができる。炭化水素溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、工業用ヘキサンのような脂肪族炭化水素及び脂環族炭化水素の混合物を用いてもよい。
脂肪族炭化水素としては、例えば、プロパン、n-ブタン、iso-ブタン、n-ペンタン、iso-ペンタン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、n-ヘキサン、プロペン、1-ブテン、iso-ブテン、トランス-2-ブテン、シス-2-ブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、1-ヘキセン及び2-ヘキセンが挙げられる。芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン及びエチルベンゼンが挙げられる。脂環族炭化水素としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン及びメチルシクロペンタンが挙げられる。
溶媒中で単量体の重合を行う場合、溶媒中の単量体の濃度は、通常、1~50質量%であり、好ましくは5~30質量%である。重合温度は、通常25~100℃であり、好ましくは35~90℃であり、より好ましくは50~80℃である。重合時間は、通常10分~5時間である。
本実施形態に係る変性共役ジエン系重合体は、変性剤であるケイ素原子を有する化合物に由来する単位を当該重合体の末端又は分子鎖中のいずれかに有している。当該単位は、共役ジエン系重合体の末端、分子鎖中、又は、末端及び分子鎖中に有していてもよい。ケイ素原子を有する化合物は、アルコキシシリル基を有する化合物であってもよく、変性共役ジエン系重合体は、アルコキシシリル基を有する化合物に基づく基を末端に有していてもよい。
変性剤として、式(6)で表される構造を有する化合物を用いることができる。共役ジエン化合物を含む単量体を重合して得られる重合体を、式(6)で表される構造を有する化合物と反応させることで、式(6)で表される構造を有する化合物に基づく単位を末端に有する変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
Figure 0007364324000005
式(6)中、X、X及びXはそれぞれ独立に、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、ハロゲン原子、又は、共役ジエン系重合体の活性末端と反応しうる官能基を表し、R61及びR62はそれぞれ独立に、水素原子又はヒドロカルビル基を表し、R61及びR62が複数ある場合はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Aは、酸素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子及びケイ素原子からなる群より選択される少なくとも一種の原子を有する有機基(酸素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子又はケイ素原子のいずれか、あるいは複数を含む有機基)を表し、Aは環構造を有していてもよく、X、X又はXの構造の一部がAの一部と結合していてもよい。すなわち、Aは、X、X又はXを介して式(6)中のケイ素原子と結合していてもよい。aは0~10の整数を表す。
、X及びXにおける、ヒドロカルビル基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アルケニル基及びアラルキル基が挙げられる。アルキル基としては、好ましくは炭素原子数1~12のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ドデシル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。アリール基としては、好ましくは炭素原子数6~12のアリール基であり、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ベンジル基、トリル基及びキシリル基が挙げられる。アルケニル基としては、好ましくは炭素原子数2~12のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基及びイソプロペニル基が挙げられる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基が挙げられる。
ヒドロカルビルオキシ基としては、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基としては、好ましくは炭素原子数1~12のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基及びtert-ブトキシ基が挙げられる。アリールオキシ基としては、好ましくは炭素原子数6~12のアリールオキシ基であり、例えば、フェノキシ基及びベンジルオキシ基が挙げられる。ヒドロカルビルオキシ基として、好ましくはアルコキシ基であり、より好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。
ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
共役ジエン系重合体の活性末端と反応しうる官能基としては、例えば、エポキシ基を有する炭化水素基及びカルボニル基を有する炭化水素基が挙げられる。
61及びR62における、ヒドロカルビル基としては、好ましくは炭素原子数1~4のヒドロカルビル基であり、より好ましくは炭素原子数1~4のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基又はエチル基である。R61が複数ある場合、複数のR61は互いに同じであっても異なっていてもよく、R62が複数ある場合、複数のR62は互いに同じであっても異なっていてもよい。
aは、省燃費性を高める観点から、好ましくは3以上であり、製造時の経済性を高める観点から、好ましくは4以下である。
少なくとも窒素原子を有する有機基であるAとしては、例えば、式(6-1)で表される基を挙げることができる。
Figure 0007364324000006
式(6-1)中、R63及びR64はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基又はトリヒドロカルビルシリル基を表すか、あるいは、R63の一部とR64の一部とが結合して成る、ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子からなる原子群より選択される少なくとも一種の原子を有していてもよいヒドロカルビレン基を表す。
ここで、式(6-1)で表される基は、R63の一部とR64の一部とが結合していない場合、非環状アミノ基であり、R63とR64とが結合している場合、環状アミノ基である。
63及びR64における、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基は、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基である。
ヒドロカルビル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基等の炭素原子数1~12のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基等の炭素原子数2~12のアルケニル基;フェニル基、ベンジル基等の炭素原子数6~12のアリール基を挙げることができ、好ましくはアルキル基又はアリール基であり、より好ましくはメチル基、エチル基又はベンジル基である。
置換ヒドロカルビル基としては、例えば、オキシラニル基、テトラヒドロフラニル基等のオキサシクロアルキル基を挙げることができ、好ましくはテトラヒドロフラニル基である。
本明細書において、オキサシクロアルキル基は、シクロアルキル基の脂環上のCHが酸素原子に置き換わった基を表す。
63及びR64における、トリヒドロカルビルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、tert-ブチル-ジメチルシリル基を挙げることができ、好ましくはトリメチルシリル基である。
63の一部及びR64の一部が結合して成る、ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子からなる群より選択される少なくとも一種の原子を有していてもよいヒドロカルビレン基は、ヒドロカルビレン基、又は、ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子からなる群より選択される少なくとも一種の原子を有するヒドロカルビレン基(ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン基)である。
ヒドロカルビレン基としては、例えば、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、2,2,4-トリメチルへキサン-1,6-ジイル基等の炭素原子数2~12のアルキレン基を挙げることができ、中でも炭素原子数4~7のアルキレン基が好ましく、ペンタメチレン基又はヘキサメチレン基が特に好ましい。
ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン基としては、例えば、ケイ素原子含有ヒドロカルビレン基、窒素原子含有ヒドロカルビレン基及び酸素原子含有ヒドロカルビレン基を挙げることができる。
ケイ素原子含有ヒドロカルビレン基としては、例えば、-Si(CH-CH-CH-Si(CH-で表される基を挙げることができる。窒素原子含有ヒドロカルビレン基としては、例えば、-CH=N-CH=CH-で表される基及び-CH=N-CH-CH-で表される基を挙げることができる。酸素原子含有ヒドロカルビレン基としては、例えば、-CH-CH-O-CH-CH-で表される基を挙げることができる。
少なくとも酸素原子を有する有機基であるAとしては、例えば、式(6-2)で表される基を挙げることができる。
Figure 0007364324000007
式(6-2)中、Xは酸素原子を有していてもよい炭素原子数が1~6のヒドロカルビレン基を表し、R65は水素原子又は炭素原子数が1~6のヒドロカルビル基を表す。
における、酸素原子を有していてもよい炭素原子数が1~6のヒドロカルビレン基としては、例えば、無置換のヒドロカルビレン基、及び、酸素原子を有する基を置換基として有するヒドロカルビレン基を挙げることができる。
として、具体的には、ヒドロカルビレン基及びヒドロカルビレンオキシ基を挙げることができ、より具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、1-オキシエチレン基、1-オキシトリメチレン基及び1-オキシテトラメチレン基を挙げることができる。Xとして好ましくは、1-オキシトリメチレン基である。
65における、炭素原子数が1~6のヒドロカルビル基としては、例えば、アルキル基及びアリール基を挙げることができ、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基及びフェニル基を挙げることができる。R65として好ましくは、水素原子又はメチル基である。
少なくとも硫黄原子を有する有機基であるAとしては、例えば、式(6-3)で表される基を挙げることができる。
Figure 0007364324000008
式(6-3)中、R66はトリヒドロカルビルシリル基を表す。トリヒドロカルビルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチル-ジメチルシリル基を挙げることができ、好ましくはトリメチルシリル基又はトリエチルシリル基である。
少なくともケイ素原子を有する有機基であるAとしては、例えば、式(6-4)で表される基を挙げることができる。すなわち、式(6)で表される化合物としては、例えば、Aとして式(6-4)で表される基を有するポリオルガノシロキサン化合物を挙げることができる。
Figure 0007364324000009
式(6-4)中、R66、R67及びR68はそれぞれ独立に、ヒドロカルビル基、又は、ヒドロカルビレンオキシ基の繰り返し単位を有する基を表し、X及びXはそれぞれ独立に、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビレンオキシ基の繰り返し単位を含有する基、ハロゲン原子、又は、共役ジエン系重合体の活性末端及び/又は変性剤と反応しうる官能基を表し、gは0~600の整数を表し、複数存在するR66及びXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
66、R67、R68、X及びXにおける、ヒドロカルビル基としては、例えば、アルキル基、アリール基及びアラルキル基が挙げられる。アルキル基としては、炭素原子数1~12のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ドデシル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。アリール基としては、炭素原子数6~12のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、トリル基及びキシリル基が挙げられる。アラルキル基としては、炭素原子数7~13のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基が挙げられる。
66、R67、R68、X及びXにおける、ヒドロカルビレンオキシ基の繰り返し単位を有する基としては、例えば、アルキレングリコールに基づく繰り返し単位を有する基が挙げられる。ヒドロカルビレンオキシ基としては、例えば、1-オキシエチレン基、1-オキシトリメチレン基及び1-オキシテトラメチレン基が挙げられ、好ましくは1-オキシエチレン基である。
及びXにおける、ヒドロカルビルオキシ基としては、例えば、アルコキシ基及びアリールオキシ基が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素原子数1~12のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基及びオクチルオキシ基が挙げられる。アリールオキシ基としては、炭素原子数6~12のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ基及びベンジルオキシ基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
共役ジエン系重合体の活性末端及び/又は変性剤と反応しうる官能基としては、例えば、エポキシ基を有する炭素数4~12の基、及び、カルボニル基を有する炭化水素基が挙げられる。
エポキシ基を有する炭素数4~12の基としては、例えば、下記式(6-4-1)で表される基が挙げられる。
-Z-Z-E (6-4-1)
式(6-4-1)中、Zは、炭素数1~10のアルキレン基又はアルキルアリーレン基であり、Zはメチレン基、硫黄原子又は酸素原子であり、Eはエポキシ基を有する炭素数2~10の炭化水素基である。
式(6-4-1)で表される基としては、Zが酸素原子である基が好ましく、Zが酸素原子であり、かつ、Eがグリシジル基である基がより好ましく、Zが炭素数1~3のアルキレン基であり、Zが酸素原子であり、かつ、Eがグリシジル基である基が特に好ましい。
gは、取扱いの観点から、好ましくは3~360であり、省燃費性能の観点から好ましくは4~120である。
式(6)で表される構造を有する化合物のうち、Aが式(6-1)で表される非環状アミノ基である化合物として、例えば、[3-(ジメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、[3-(ジメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、[3-(エチルメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、[3-(エチルメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メチルジメトキシシラン、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]メチルジメトキシシラン、[3-(ジメチルアミノ)プロピル]エチルジメトキシシラン、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]エチルジメトキシシラン、[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ジメチルメトキシシラン、[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ジエチルメトキシシラン、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]ジメチルメトキシシラン、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]ジエチルメトキシシラン、[(3-メチル-3-エチルアミノ)プロピル]メチルジメトキシシラン、[(3-メチル-3-エチルアミノ)プロピル]エチルジメトキシシラン、[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メチルジエトキシシラン、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]メチルジエトキシシラン、[3-(ジメチルアミノ)プロピル]エチルジエトキシシラン、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]エチルジエトキシシラン、[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ジメチルエトキシシラン、[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ジエチルエトキシシラン、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]ジメチルエトキシシラン、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]ジエチルエトキシシラン、[3-(エチルメチルアミノ)プロピル]メチルジエトキシシラン、[3-(エチルメチルアミノ)プロピル]エチルジエトキシシラン、[3-(ベンジルメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、[3-(ベンジルメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、{3-[ジ(メトキシメチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、{3-[ジ(メトキシエチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、{3-[ジ(メトキシメチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、{3-[ジ(メトキシエチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、{3-[ジ(エトキシエチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、{3-[ジ(エトキシメチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、{3-[ジ(エトキシエチル)アミノ]プロピル]トリエトキシシラン、{3-[ジ(エトキシメチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、{3-[N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、{3-[N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、{3-[N,N-ビス(t-ブチルジメチルシリル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、{3-[N,N-ビス(t-ブチルジメチルシリル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、{3-[N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、{3-[N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、{3-[N,N-ビス(t-ブチルジメチルシリル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、{3-[N,N-ビス(t-ブチルジメチルシリル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、{3-[N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、{3-[N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、{3-[N,N-ビス(t-ブチルジメチルシリル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、{N,N-ビス-[ジ(t-ブチルジメチルシリル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、[3-(エチルメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、[3-(エチルメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、[3-(エチルメチルアミノ)プロピル]メチルジメトキシシラン、[3-(エチルメチルアミノ)プロピル]エチルジメトキシシラン、[3-(エチルメチルアミノ)プロピル]メチルジエトキシシラン及び[3-(エチルメチルアミノ)プロピル]エチルジエトキシシランを挙げることができる。
式(6)で表される構造を有する化合物のうち、Aが式(6-1)で表される非環状アミノ基である化合物としては、省燃費性を高める観点から、[3-(ジメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、[3-(ジメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン又は[3-(ジエチルアミノ)プロピル]トリエトキシシランが好ましい。
式(6)で表される構造を有する化合物のうち、Aが式(6-1)で表される環状アミノ基である化合物として、例えば、3-モルホリノプロピルトリメトキシシラン、3-モルホリノプロピルトリエトキシシラン、3-モルホリノプロピルメチルジメトキシシラン、3-モルホリノプロピルエチルジメトキシシラン、3-モルホリノプロピルメチルジエトキシシラン、3-モルホリノプロピルエチルジエトキシシラン、3-ピペリジノプロピルトリメトキシシラン、3-ピペリジノプロピルトリエトキシシラン、3-ピペリジノプロピルメチルジメトキシシラン、3-ピペリジノプロピルエチルジメトキシシラン、3-ピペリジノプロピルメチルジエトキシシラン、3-ピペリジノプロピルエチルジエトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)-4,5-イミダゾール、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-イミダゾール、3-ヘキサメチレンイミノプロピルトリメトキシシラン、3-ヘキサメチレンイミノプロピルトリエトキシシラン、3-ヘキサメチレンイミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-ヘキサメチレンイミノプロピルエチルジメトキシシラン、3-ヘキサメチレンイミノプロピルメチルジエトキシシラン及び3-ヘキサメチレンイミノプロピルエチルジエトキシシランを挙げることができる。
式(6)で表される構造を有する化合物のうち、Aが式(6-1)で表される環状アミノ基である化合物としては、省燃費性を高める観点から、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)-4,5-イミダゾール又はN-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-イミダゾールが好ましい。
式(6)で表される構造を有する化合物のうち、Aが式(6-2)で表される基である化合物としては、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及び3-グリシドキシプロピルエチルジエトキシシランを挙げることができる。
式(6)で表される構造を有する化合物のうち、Aが式(6-2)で表される基である化合物としては、省燃費性を高める観点、化合物の入手容易性、長期保存安定性を高める観点から、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
式(6)で表される構造を有する化合物のうち、Aが式(6-3)で表される基である化合物としては、例えば、S-トリメチルシリルメルカプトプロピルトリメトキシシラン、S-トリメチルシリルメルカプトプロピルトリエトキシシラン、S-トリメチルシリルメルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、S-トリメチルシリルメルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、S-トリエチルシリルメルカプトプロピルトリメトキシシラン、S-トリエチルシリルメルカプトプロピルトリエトキシシラン、S-トリエチルシリルメルカプトプロピルメチルジメトキシシラン及びS-トリエチルシリルメルカプトプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。
式(6)で表される構造を有する化合物のうち、Aが式(6-4)で表される基である化合物としては、例えば、ジグリシドキシポリジメチルシロキサン、ジメチル(メトキシ-メチルシロキサン)ポリジメチルシロキサン、ジメチル(アセトキシ-メチルシロキサン)ポリジメチルシロキサン、ジグリシジルポリシロキサン及びジクロロポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
上記化合物以外の式(6)で表される構造を有する化合物としては、例えば、トリス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート、トリス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート、トリス[3-(トリプロポキシシリル)プロピル]イソシアヌレート、トリス[3-(トリブトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート等のトリス[(アルコキシシリル)アルキル]イソシアヌレート化合物を挙げることができる。中でも、式(6)で表される化合物として、トリス[3-(トリアルコキシシリル)プロピル]イソシアヌレートが好ましく、アルコキシ基が炭素原子数1~4のアルコキシ基であるトリス[3-(トリアルコキシシリル)プロピル]イソシアヌレートがより好ましく、トリス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレートが更に好ましい。
上記化合物以外の式(6)で表される構造を有する化合物としては、例えば、1,4-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]ピペラジン、1,4-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ピペラジン、ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-N-トリメチルシリルアミン、ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-N-トリメチルシリルアミン、ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]メチルアミン、ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]メチルアミン、ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチルアミン、ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]エチルアミン、トリス(トリメトキシシリルメチル)アミン、トリス(トリエトキシシリルメチル)アミン、2,2-ジメトキシ-1-(3-トリメトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2,2-ジエトキシ-1-(3-トリエトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、N-[2-(トリメトキシシラニル)-エチル]-N,N’,N’-トリメチルエタン-1,2-ジアミン、2-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,3-ジメチルイミダゾリジン及び2-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,3-(ビストリメチルシリル)イミダゾリジンが挙げられる。
変性剤として、式(7)で表される構造を有する化合物を用いることができる。当該化合物は、共役ジエン化合物と共重合可能な官能基を有している。共役ジエン化合物と共に、式(7)で表される構造を有する化合物を含む単量体を重合することで、式(7)で表される構造を有する化合物に基づく単位を分子鎖中に有する共役ジエン系重合体を得ることができる。
Figure 0007364324000010
式(7)中、R71は水素原子又はヒドロカルビル基を表し、sは0又は1(0~1の整数)を表し、R72はヒドロカルビレン基を表し、X、X及びXはそれぞれ独立に、置換アミノ基、又は、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基を表し、X、X及びXの少なくとも1つが置換アミノ基である。
71におけるヒドロカルビル基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基及びアリール基を挙げることができる。
アルキル基としては、炭素原子数1~12のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基を挙げることができ、好ましくはメチル基である。アルケニル基としては、炭素原子数2~12のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基及びイソプロペニル基を挙げることができ、好ましくはビニル基である。アリール基としては、炭素原子数6~12のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、メチルフェニル基及びエチルフェニル基を挙げることができ、好ましくはフェニル基である。
71として、好ましくは水素原子、メチル基、ビニル基又はフェニル基であり、より好ましくは水素原子である。
72におけるヒドロカルビレン基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基、及び、アリーレン基とアルキレン基とが結合した基を挙げることができる。
アルキレン基としては、炭素原子数2~6のアルキレン基が好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基及びトリメチレン基を挙げることができ、好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。アリーレン基としては、炭素原子数5~12のアリーレン基が好ましく、例えば、フェニレン基、ナフチレン基及びビフェニレン基を挙げることができ、好ましくはフェニレン基である。アリーレン基とアルキレン基とが結合した基としては、例えば、フェニレン基とアルキレン基とが結合した基、ナフチレン基とアルキレン基とが結合した基及びビフェニレン基とアルキレン基とが結合した基を挙げることができ、好ましくはフェニレン基とアルキレン基とが結合した基である。
アリーレン基とアルキレン基とが結合した基としては、式(7)のR71が結合している炭素原子に、当該基のアリーレン基の炭素原子が結合していることが好ましい。
フェニレン基とアルキレン基とが結合した基(フェニレン-アルキレン基)としては、例えば、式(7-R)で表される基を挙げることができる。
Figure 0007364324000011

式中、dは1~10の整数を表す。
フェニレン-アルキレン基としては、アルキレン基が結合するベンゼン環上の炭素原子の位置によって、パラ-フェニレン-アルキレン基、メタ-フェニレン-アルキレン基、オルト-フェニレン-アルキレン基を挙げることができる。式(7-R)で表される基の場合、パラ-フェニレン-アルキレン基は式(7-Ra)で表される基であり、メタ-フェニレン-アルキレン基は式(7-Rb)で表される基であり、オルト-フェニレン-アルキレン基は式(7-Rc)で表される基である。
Figure 0007364324000012

Figure 0007364324000013

Figure 0007364324000014

式中、d1、d2及びd3はそれぞれ独立に、1~10の整数を表す。
アリーレン基とアルキレン基とが結合した基としては、好ましくは、フェニレン基とアルキレン基とが結合した基(フェニレン-アルキレン基)であり、より好ましくは、式(7-Ra)で表される基又は式(7-Rb)で表される基であり、更に好ましくは、パラ-フェニレン-メチレン基(d1=1である式(7-Ra)で表される基)、メタ-フェニレン-メチレン基(d2=1である式(7-Rb)で表される基)、パラ-フェニレン-エチレン基(d1=2である式(7-Ra)で表される基)又はメタ-フェニレン-エチレン基(d2=2である式(7-Rb)で表される基)である。
、X及びXにおける、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基としては、ヒドロカルビル基及び置換ヒドロカルビル基を挙げることができる。
、X及びXのヒドロカルビル基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基を挙げることができる。アルキル基としては、炭素原子数1~12のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基を挙げることができる。アルケニル基としては、炭素原子数2~12のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基及びイソプロペニル基を挙げることができる。アルキニル基としては、炭素原子数2~12のアルキニル基が好ましく、エチニル基及び2-プロピニル基を挙げることができる。アリール基としては、炭素原子数6~12のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基及びキシリル基を挙げることができる。アラルキル基としては、炭素原子数7~13のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基を挙げることができる。ヒドロカルビル基として、好ましくはアルキル基である。
、X及びXの置換ヒドロカルビル基としては、酸素原子、窒素原子及びケイ素原子からなる群より選択される少なくとも一種の原子を有する基を挙げることができる。
酸素原子を有する置換ヒドロカルビル基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等のアルコキシアルキル基を挙げることができる。
窒素原子を有する置換ヒドロカルビル基としては、例えば、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基等のジアルキルアミノアルキル基を挙げることができる。
ケイ素原子を有する置換ヒドロカルビル基としては、例えば、トリメチルシリルメチル基、トリメチルシリルエチル基、トリエチルシリルメチル基、トリエチルシリルエチル基等のトリアルキルシリルアルキル基を挙げることができる。
置換基を有していてもよいヒドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは1~10であり、より好ましくは1~4である。置換基を有していてもよいヒドロカルビル基としては、好ましくは、アルキル基又はアルコキシアルキル基である。アルキル基としては、更に好ましくは炭素原子数が1~4のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。アルコキシアルキル基としては、好ましくは、炭素原子数2~4のアルコキシアルキル基である。
、X及びXにおける置換アミノ基として、例えば、式(7-X)で表される基及び式(7-Y)で表される基が挙げられる。
Figure 0007364324000015

式(7-X)中、R73及びR74はそれぞれ独立に、ヒドロカルビル基又はトリヒドロカルビルシリル基を表すか、あるいは、R73の一部とR74の一部とが結合して成る、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基を表す。
Figure 0007364324000016

式(7-Y)中、R75は、ヒドロカルビリデン基を表す。なお、R75は、式(7-X)において、R73及びR74が一つの基であって、窒素原子に二重結合で結合する基に対応する基である。
73及びR74における、ヒドロカルビル基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基を挙げることができる。アルキル基としては、炭素原子数1~12のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基を挙げることができる。アルケニル基としては、炭素原子数2~12のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基及びイソプロペニル基を挙げることができる。アルキニル基としては、炭素原子数2~12のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基及び2-プロピニル基を挙げることができる。アリール基としては、炭素原子数6~12のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基及びキシリル基を挙げることができる。アラルキル基としては、炭素原子数7~13のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基を挙げることができる。
ヒドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは1~10であり、より好ましくは1~4であり、更に好ましくは1~2である。ヒドロカルビル基としては、好ましくはアルキル基であり、より好ましくは直鎖アルキル基である。
73及びR74における、トリヒドロカルビルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert-ブチル-ジメチルシリル基等の炭素原子数3~12のトリアルキルシリル基を挙げることができる。
トリヒドロカルビルシリル基としては、好ましくは、炭素原子数が3~9のトリアルキルシリル基であり、より好ましくは、ケイ素原子に結合したアルキル基が炭素原子数1~3のアルキル基であるトリアルキルシリル基であり、更に好ましくは、トリメチルシリル基である。
73の一部とR74の一部とが結合した、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基としては、例えば、ヒドロカルビレン基、窒素原子含有ヒドロカルビレン基及び酸素原子含有ヒドロカルビレン基を挙げることができる。
ヒドロカルビレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等のアルキレン基を挙げることができる。
窒素原子含有ヒドロカルビレン基としては、例えば、-CHCH-NH-CH-で表される基、-CHCH-N=CH-で表される基、-CH=CH-N=CH-で表される基及び-CHCH-NH-CHCH-で表される基を挙げることができる。
酸素原子含有ヒドロカルビレン基としては、例えば、-CHCH-O-CHCH-で表される基を挙げることができる。
窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基の炭素原子数は、好ましくは2~20であり、より好ましくは2~7であり、更に好ましくは4~6である。
窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基としては、好ましくはヒドロカルビレン基であり、より好ましくはアルキレン基であり、更に好ましくはポリメチレン基である。
73及びR74としては、好ましくは、それぞれ独立にアルキル基又はトリアルキルシリル基であるか、R73の一部とR74の一部とが結合したアルキレン基であり、より好ましくはそれぞれ独立にアルキル基である。
式(7-X)で表される基としては、非環状アミノ基又は環状アミノ基を挙げることができる。
非環状アミノ基のうち、式(7-X)においてR73及びR74がヒドロカルビル基である基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n-プロピル)アミノ基、ジ(イソプロピル)アミノ基、ジ(n-ブチル)アミノ基、ジ(sec-ブチル)アミノ基、ジ(tert-ブチル)アミノ基、エチルメチルアミノ基等のジアルキルアミノ基を挙げることができる。
非環状アミノ基のうち、式(7-X)においてR73及びR74がトリヒドロカルビルシリル基である基としては、例えば、ビス(トリメチルシリル)アミノ基、ビス(tert-ブチル-ジメチルシリル)アミノ基等のビス(トリアルキルシリル)アミノ基を挙げることができる。
環状アミノ基のうち、式(7-X)において、R73の一部とR74の一部とが結合した基がヒドロカルビレン基である基としては、例えば、1-アジリジニル基、1-アゼチジニル基、1-ピロリジニル基、1-ピペリジニル基、1-ヘキサメチレンイミノ基及び1-ピロリル基を挙げることができる。
環状アミノ基のうち、式(7-X)において、R73の一部とR74の一部とが結合した基が窒素原子含有ヒドロカルビレン基である基としては、例えば、1-イミダゾリル基、4,5-ジヒドロ-1-イミダゾリル基、1-イミダゾリジニル基、1-ピペラジニル基を挙げることができる。
環状アミノ基のうち、式(7-X)において、R73の一部とR74の一部とが結合した基が酸素原子含有ヒドロカルビレン基である基としては、モルホリノ基を挙げることができる。
75におけるヒドロカルビリデン基としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基、1-メチルエチリデン基、1-メチルプロピリデン基及び1,3-ジメチルブチリデン基を挙げることができる。
ヒドロカルビリデン基の炭素原子数は、好ましくは2~20であり、より好ましくは2~6である。
式(7-Y)で表される基としては、例えば、エチリデンアミノ基、1-メチルプロピリデンアミノ基、1,3-ジメチルブチリデンアミノ基、1-メチルエチリデンアミノ基、4-N,N-ジメチルアミノベンジリデンアミノ基等の非環状アミノ基を挙げることができる。
式(7)において、X、X及びXにおける置換アミノ基は、好ましくは非環状アミノ基であり、より好ましくは、ジアルキルアミノ基であり、更に好ましくは、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n-プロピル)アミノ基又はジ(n-ブチル)アミノ基であり、特に好ましくは、ジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基である。
式(7)において、X、X及びXの少なくとも1つが置換アミノ基であり、好ましくは、X、X及びXの2つ以上が、置換アミノ基であり、より好ましくは、X、X及びXのうちの2つが、置換アミノ基である。
式(7)で表される化合物のうち、R71が水素原子であり、X、X及びXのうち1つがジアルキルアミノ基である化合物として、次の化合物を挙げることができる。
式(7)中のsが0である化合物としては、例えば、(ジメチルアミノ)ジメチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジメチルビニルシラン、(ジプロピルアミノ)ジメチルビニルシラン、(ジブチルアミノ)ジメチルビニルシラン、(ジメチルアミノ)ジエチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジエチルビニルシラン、(ジプロピルアミノ)ジエチルビニルシラン及び(ジブチルアミノ)ジエチルビニルシランが挙げられる。
式(7)中のsが1である化合物としては、例えば、(ジメチルアミノ)ジメチル(4-ビニルフェニル)シラン、(ジメチルアミノ)ジメチル(3-ビニルフェニル)シラン、(ジエチルアミノ)ジメチル(4-ビニルフェニル)シラン、(ジエチルアミノ)ジメチル(3-ビニルフェニル)シラン、(ジプロピルアミノ)ジメチル(4-ビニルフェニル)シラン、(ジプロピルアミノ)ジメチル(3-ビニルフェニル)シラン、(ジブチルアミノ)ジメチル(4-ビニルフェニル)シラン、(ジブチルアミノ)ジメチル(3-ビニルフェニル)シラン、(ジメチルアミノ)ジエチル(4-ビニルフェニル)シラン、(ジメチルアミノ)ジエチル(3-ビニルフェニル)シラン、(ジエチルアミノ)ジエチル(4-ビニルフェニル)シラン、(ジエチルアミノ)ジエチル(3-ビニルフェニル)シラン、(ジプロピルアミノ)ジエチル(4-ビニルフェニル)シラン、(ジプロピルアミノ)ジエチル(3-ビニルフェニル)シラン、(ジブチルアミノ)ジエチル(4-ビニルフェニル)シラン及び(ジブチルアミノ)ジエチル(3-ビニルフェニル)シランが挙げられる。
式(7)で表される化合物のうち、R71が水素原子であり、X、X及びXのうち2つがジアルキルアミノ基である化合物として、次の化合物を挙げることができる。
式(7)中のsが0である化合物としては、例えば、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジプロピルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジブチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(ジプロピルアミノ)エチルビニルシラン及びビス(ジブチルアミノ)エチルビニルシランが挙げられる。
式(7)中のsが1である化合物としては、例えば、ビス(ジメチルアミノ)メチル(4-ビニルフェニル)シラン、ビス(ジメチルアミノ)メチル(3-ビニルフェニル)シラン、ビス(ジエチルアミノ)メチル(4-ビニルフェニル)シラン、ビス(ジエチルアミノ)メチル(3-ビニルフェニル)シラン、ビス(ジプロピルアミノ)メチル(4-ビニルフェニル)シラン、ビス(ジプロピルアミノ)メチル(3-ビニルフェニル)シラン、ビス(ジブチルアミノ)メチル(4-ビニルフェニル)シラン、ビス(ジブチルアミノ)メチル(3-ビニルフェニル)シラン、ビス(ジメチルアミノ)エチル(4-ビニルフェニル)シラン、ビス(ジメチルアミノ)エチル(3-ビニルフェニル)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチル(4-ビニルフェニル)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチル(3-ビニルフェニル)シラン、ビス(ジプロピルアミノ)エチル(4-ビニルフェニル)シラン、ビス(ジプロピルアミノ)エチル(3-ビニルフェニル)シラン、ビス(ジブチルアミノ)エチル(4-ビニルフェニル)シラン及びビス(ジブチルアミノ)エチル(3-ビニルフェニル)シランが挙げられる。
式(7)で表される化合物のうち、R71がメチル基でありX、X及びXのうち2つがジアルキルアミノ基である化合物として、次の化合物を挙げることができる。
式(7)中のsが1である化合物としては、例えば、ビス(ジメチルアミノ)メチル(4-イソプロペニルフェニル)シラン、ビス(ジメチルアミノ)メチル(3-イソプロペニルフェニル)シラン、ビス(ジエチルアミノ)メチル(4-イソプロペニルフェニル)シラン、ビス(ジエチルアミノ)メチル(3-イソプロペニルフェニル)シラン、ビス(ジプロピルアミノ)メチル(4-イソプロペニルフェニル)シラン、ビス(ジプロピルアミノ)メチル(3-イソプロペニルフェニル)シラン、ビス(ジブチルアミノ)メチル(4-イソプロペニルフェニル)シラン、ビス(ジブチルアミノ)メチル(3-イソプロペニルフェニル)シラン、ビス(ジメチルアミノ)エチル(4-イソプロペニルフェニル)シラン、ビス(ジメチルアミノ)エチル(3-イソプロペニルフェニル)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチル(4-イソプロペニルフェニル)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチル(3-イソプロペニルフェニル)シラン、ビス(ジプロピルアミノ)エチル(4-イソプロペニルフェニル)シラン、ビス(ジプロピルアミノ)エチル(3-イソプロペニルフェニル)シラン、ビス(ジブチルアミノ)エチル(4-イソプロペニルフェニル)シラン及びビス(ジブチルアミノ)エチル(3-イソプロペニルフェニル)シランが挙げられる。
式(7)で表される化合物としては、R71がビニル基であり、X、X及びXのうち2つがジアルキルアミノ基である化合物として、次の化合物を挙げることができる。
式(7)中のsが0である化合物としては、例えば、ビス(ジメチルアミノ)メチル(1-メチレン-2-プロペニル)シラン、ビス(ジエチルアミノ)メチル(1-メチレン-2-プロペニル)シラン、ビス(ジプロピルアミノ)メチル(1-メチレン-2-プロペニル)シラン、ビス(ジブチルアミノ)メチル(1-メチレン-2-プロペニル)シラン、ビス(ジメチルアミノ)エチル(1-メチレン-2-プロペニル)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチル(1-メチレン-2-プロペニル)シラン、ビス(ジプロピルアミノ)エチル(1-メチレン-2-プロペニル)シラン及びビス(ジブチルアミノ)エチル(1-メチレン-2-プロペニル)シランが挙げられる。
式(7)で表される化合物としては、R71がフェニル基であり、X、X及びXのうち2つがジアルキルアミノ基である化合物として、次の化合物を挙げることができる。
式(7)中のsが1である化合物としては、例えば、1-{4-[ビス(ジメチルアミノ)メチルシリル]フェニル}-1-フェニルエチレン、1-{4-[ビス(ジエチルアミノ)メチルシリル]フェニル}-1-フェニルエチレン、1-{4-[ビス(ジプロピルアミノ)メチルシリル]フェニル}-1-フェニルエチレン、1-{4-[ビス(ジブチルアミノ)メチルシリル]フェニル}-1-フェニルエチレン、1-{4-[ビス(ジメチルアミノ)エチルシリル]フェニル}-1-フェニルエチレン、1-{4-[ビス(ジエチルアミノ)エチルシリル]フェニル}-1-フェニルエチレン、1-{4-[ビス(ジプロピルアミノ)エチルシリル]フェニル}-1-フェニルエチレン及び1-{4-[ビス(ジブチルアミノ)エチルシリル]フェニル}-1-フェニルエチレンが挙げられる。
式(7)で表される化合物としては、R71が水素原子であり、X、X及びXの3つがジアルキルアミノ基である化合物として、次の化合物を挙げることができる。
式(7)中のsが0である化合物としては、例えば、トリス(ジメチルアミノ)ビニルシラン、トリス(ジエチルアミノ)ビニルシラン及びトリス(ジプロピルアミノ)ビニルシラン、トリス(ジブチルアミノ)ビニルシランが挙げられる。
式(7)中のsが1である化合物としては、例えば、トリス(ジメチルアミノ)(4-ビニルフェニル)シラン、トリス(ジメチルアミノ)(3-ビニルフェニル)シラン、トリス(ジエチルアミノ)(4-ビニルフェニル)シラン、トリス(ジエチルアミノ)(3-ビニルフェニル)シラン、トリス(ジプロピルアミノ)(4-ビニルフェニル)シラン、トリス(ジプロピルアミノ)(3-ビニルフェニル)シラン、トリス(ジブチルアミノ)(4-ビニルフェニル)シラン及びトリス(ジブチルアミノ)(3-ビニルフェニル)シランが挙げられる。
式(7)で表される化合物としては、R71がメチル基であり、X、X及びXの3つがジアルキルアミノ基である化合物として、次の化合物を挙げることができる。
式(7)中のsが1である化合物としては、例えば、トリス(ジメチルアミノ)(4-イソプロペニルフェニル)シラン、トリス(ジメチルアミノ)(3-イソプロペニルフェニル)シラン、トリス(ジエチルアミノ)(4-イソプロペニルフェニル)シラン、トリス(ジエチルアミノ)(3-イソプロペニルフェニル)シラン、トリス(ジプロピルアミノ)(4-イソプロペニルフェニル)シラン、トリス(ジプロピルアミノ)(3-イソプロペニルフェニル)シラン、トリス(ジブチルアミノ)(4-イソプロペニルフェニル)シラン及びトリス(ジブチルアミノ)(3-イソプロペニルフェニル)シランが挙げられる。
式(7)で表される化合物としては、R71がビニル基であり、X、X及びXの3つがジアルキルアミノ基である化合物として、次の化合物を挙げることができる。
式(7)中のsが0である化合物としては、例えば、トリス(ジメチルアミノ)(1-メチレン-2-プロペニル)シラン、トリス(ジエチルアミノ)(1-メチレン-2-プロペニル)シラン、トリス(ジプロピルアミノ)(1-メチレン-2-プロペニル)シラン及びトリス(ジブチルアミノ)(1-メチレン-2-プロペニル)シランが挙げられる。
式(7)で表される化合物としては、R71がフェニル基であり、X、X及びXのうち3つがジアルキルアミノ基である化合物として、次の化合物を挙げることができる。
式(7)中のsが1である化合物としては、例えば、1-[4-トリス(ジメチルアミノ)シリルフェニル]-1-フェニルエチレン、1-[4-トリス(ジエチルアミノ)シリルフェニル]-1-フェニルエチレン、1-[4-トリス(ジ-n-プロピルアミノ)メチルシリルフェニル]-1-フェニルエチレン及び1-[4-トリス(ジ-n-ブチルアミノ)メチルシリルフェニル]-1-フェニルエチレンが挙げられる。
式(7)で表される化合物として好ましくは、式(7)中のX、X及びXのうち2つがジアルキルアミノ基である化合物であり、より好ましくは、式(7)中のX、X及びXのうち2つがジアルキルアミノ基であり、R71が水素原子であり、sが0である化合物である。
式(7)で表される化合物として最も好ましくは、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジプロピルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジブチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(ジプロピルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(ジブチルアミノ)エチルビニルシランである。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、炭化水素溶媒中で、共役ジエン化合物を含む単量体を反応させて得ることができる。
変性共役ジエン系重合体の末端及び/又は分子鎖中には、変性剤であるケイ素原子を有する化合物に基づく単位を導入することができる。変性剤に基づく単位を重合体の分子鎖中に導入する場合は、ケイ素原子を有する化合物として、共役ジエン化合物と共重合可能な官能基を有する化合物(例えば、式(7)で表される化合物)を単量体として用いることができる。すなわち、変性共役ジエン系重合体は、炭化水素溶媒中、重合開始剤の存在下、共役ジエン化合物と、共役ジエン化合物と共重合可能な官能基を有する化合物とを含む単量体を共重合させて得ることができる。
変性剤に基づく単位を共役ジエン系重合体の末端に導入する場合は、ケイ素原子を有する化合物として、重合体の活性末端と反応し得る官能基を有する化合物(例えば、式(6)で表される化合物)を用いることができる。この場合、変性共役ジエン系重合体は、以下の方法により作製してもよい。
まず、炭化水素溶媒中、重合開始剤の存在下、共役ジエン化合物を含む単量体を重合させ、活性末端を有する重合体を得る。次に、この重合体を、重合体の活性末端と反応し得る官能基を有するケイ素化合物とを反応させて、該重合体の末端にケイ素原子を有する化合物に基づく単位を導入する。
本実施形態に係る変性共役ジエン系重合体の製造方法は、炭化水素溶媒中で、共役ジエン化合物を含む単量体を反応させて共役ジエン系重合体を得る工程と、共役ジエン系重合体を、ケイ素原子を有する化合物と反応させて、ケイ素原子を有する化合物に基づく単位を末端に有する変性共役ジエン系重合体を得る工程とを備えてもよい。
また、共役ジエン化合物と共重合可能な官能基を有するケイ素化合物と、重合体の活性末端と反応しうる官能基を有するケイ素化合物とを併用して、重合体の分子鎖中及び末端にケイ素原子を有する化合物に基づく単位を導入してもよい。
変性共役ジエン系重合体は、公知の回収方法、例えば、変性共役ジエン系重合体の炭化水素溶液に凝固剤を添加する方法、変性共役ジエン系重合体の炭化水素溶液にスチームを添加する方法によって、変性共役ジエン系重合体の炭化水素溶液から回収することができる。回収した変性共役ジエン系重合体は、バンドドライヤー、押出型ドライヤー等の公知の乾燥機で乾燥してもよい。また、酸変性共役ジエン系重合体の加工性を改良するために、変性共役ジエン系重合体の重合溶液から溶媒を分離する前に、当該溶液に伸展油を混合し、変性共役ジエン系重合体を油展ゴムとして回収してもよい。
上記変性共役ジエン系重合体の作製は、共役ジエン化合物に由来する単量体単位のビニル結合量を調整する剤、変性共役ジエン系重合体鎖中での共役ジエン化合物に由来する単量体単位と芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位とそれら以外の化合物に由来する単量体単位の分布を調整する剤(以下、総称して「調整剤」と記す。)の存在下で行ってもよい。
調整剤としては、エーテル化合物、第三級アミン、ホスフィン化合物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属フェノキシド等を用いることができる。エーテル化合物としては、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、2,2-ジ(テトラヒドロフリル)プロパン等の環状のエーテル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等の脂肪族モノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等の脂肪族ジエーテル;ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等の脂肪族トリエーテル;ジフェニルエーテル、アニソール、1,2-ジメトキシベンゼン、3,4-ジメトキシトルエン等の芳香族エーテルが挙げられる。第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、1,1,2,2-テトラメチルエチレンジアミン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジン及びキノリンが挙げられる。ホスフィン化合物として、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン及びトリフェニルホスフィンが挙げられる。アルカリ金属アルコキシドとしては、例えば、ナトリウム-tert-ブトキシド、カリウム-tert-ブトキシド、ナトリウム-tert-ペントキシド及びカリウム-tert-ペントキシドが挙げられる。アルカリ金属フェノキシドとしては、例えば、ナトリウムフェノキシド及びカリウムフェノキシドが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る変性共役ジエン系重合体を作製する際には、単量体の重合開始から重合停止までに、重合溶液にカップリング剤を添加してもよい。
カップリング剤としては、例えば、四塩化珪素、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、四塩化スズ、メチルトリクロロスズ、ジメチルジクロロスズ、トリメチルクロロスズ、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン及びジエトキシジエチルシランが挙げられる。
カップリング剤の添加量は、特に限定されないが、重合開始剤がアルカリ金属を含む場合、生成する共役ジエン系重合体の耐コールドフロー性を高めるために、アルカリ金属1mol当たり、好ましくは0.03mol以上であり、より好ましくは0.05mol以上である。また、カップリング剤の添加量は、酸変性共役ジエン系重合体組成物の省燃費性を高めるために、アルカリ金属1mol当たり、好ましくは0.4mol以下であり、より好ましくは0.3mol以下である。
本実施形態に係る変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、引張破断強度を高めるために、好ましくは80000~1200000であり、より好ましくは85000~800000であり、更に好ましくは85000~500000である。共役ジエン系重合体の分子量分布は、省燃費性を高めるために、好ましくは1~5であり、より好ましくは1~2である。分子量分布は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、数平均分子量(Mn)及びMwを測定し、MwをMnで除すことにより求められる。Mw及びMnは、例えば、東ソー社製のGPC装置「HLC-8020」等により測定することができる。カラムとしては、例えば、東ソー社製の「GMH-XL」等を用いることができる。分子量標準物質としては、例えば、東ソー(株)製の標準ポリスチレンを用いることができる。
変性共役ジエン系重合体のムーニー粘度(ML1+4)は、引張破断強度を高めるために、好ましくは10以上であり、より好ましくは20以上である。また、変性共役ジエン系重合体のムーニー粘度は、加工性を高めるために、好ましくは200以下であり、より好ましくは150以下である。ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K6300-1(2013)に従って、100℃にて測定される。
変性共役ジエン系重合体のビニル結合量は、共役ジエン化合物に由来する単量体単位の含有量を100mol%として、省燃費性を高めるために、好ましくは80mol%以下であり、より好ましくは70mol%以下である。また、変性共役ジエン系重合体のビニル結合量は、グリップ性を高めるために、共役ジエン化合物に由来する単量体単位の含有量を100mol%として、好ましくは10mol%以上であり、より好ましくは15mol%以上であり、更に好ましくは20mol%以上であり、特に好ましくは30mol%以上である。該ビニル結合量は、赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm-1付近の吸収強度より求められる。
[酸変性共役ジエン系重合体組成物]
本実施形態の酸変性共役ジエン系重合体組成物は、ケイ素原子を有する変性共役ジエン系重合体と、有機酸由来の化合物とを含み、50℃の恒温槽で2週間保管した際の100℃におけるムーニー粘度ML(1+4)100℃の変化幅が、10以内である。
本実施形態に係る酸変性共役ジエン系重合体は、上述の製造方法によって得ることができる。例えば、変性共役ジエン系重合体が加水分解性のアルコキシシリル基を有する場合、酸変性共役ジエン系重合体は、アルコキシシリル基が加水分解された単位を有している。
本実施形態に係る有機酸由来の化合物は、上述した有機酸であってもよく、重合体組成物を調製する際に、当該有機酸から誘導された化合物であってもよい。
コールドフローを十分に抑制することから、本実施形態に係る重合体組成物は、50℃で2週間保管した際の100℃におけるムーニー粘度の変化幅(ΔML)が、好ましくは5以内であり、より好ましくは4以内であり、更に好ましくは3以内である。ΔMLは、初期の重合体組成物のムーニー粘度と、初期の重合体組成物を50℃の恒温槽で2週間保管した後に測定されるムーニー粘度とから求めることができる。
有機酸由来の化合物の含有量は、重合体組成物のコールドフローをより抑制することから、酸変性共役ジエン系重合体100質量部に対して、好ましくは0.2質量部超であり、より好ましくは0.25~5質量部であり、更に好ましくは0.3~4質量部である。
本実施形態に係る重合体組成物には、補強材を配合してもよい。補強材としては、例えば、シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム及びカーボンブラックが挙げられる。補強材は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカとしては、例えば、乾式シリカ(無水ケイ酸)、湿式シリカ(含水ケイ酸)、コロイダルシリカ及び沈降シリカが挙げられる。シリカのBET比表面積は、好ましくは、50m/g~250m/gである。該BET比表面積は、ASTM D1993-03に従って測定される。シリカの市販品としては、エボニック社製の商品名「ウルトラシルVN3GR」、「ウルトラシル7000GR」、「ウルトラシル9100GR」、ウルトラシル5000GR」、東ソー・シリカ社製の商品名「VN3」、「AQ」、「ER」、「RS-150」、ソルベイ社製の商品名「Zeosil 1115MP」、「Zeosil 1165MP」等を用いることができる。シリカは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック及びグラファイトが挙げられる。チャンネルブラックとしては、例えば、EPC、MPC及びCCが挙げられる。ファーネスカーボンブラックとしては、例えば、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、SRF、GPF、APF、FF、CF、SCF及びECFが挙げられる。サーマルブラックとしては、例えば、FT及びMTが挙げられる。カーボンブラックは、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは、5m/g~200m/gである。カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸収量は、好ましくは、5mL/100g~300mL/100gである。窒素吸着比表面積は、ASTM D4820-93に従って測定することができ、DBP吸収量は、ASTM D2414-93に従って測定することができる。カーボンブラックの市販品としては、三菱化学社製の商品名「ダイヤブラックN339」、東海カーボン社製の商品名「シースト6」、「シースト7HM」、「シーストKH」、オリオン・エンジニアド・カーボンズ社製の商品名「CK 3」、「Special Black 4A」等を用いることができる。
重合体組成物における補強材の含有量は、重合体100質量部に対して、好ましくは10~150質量部である。また、該配合量は、耐摩耗性及び強度を高めるために、より好ましくは20質量部以上であり、更に好ましくは30質量部以上である。また、補強材の含有量は、補強性を高めるために、より好ましくは120質量部以下であり、更に好ましくは100質量部以下である。
本実施形態に係る重合体組成物には、他の重合体成分、添加剤等を更に配合してもよい。
他の重合体成分としては、例えば、従来のスチレン-ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、ブタジエン-イソプレン共重合体ゴム、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン-プロピレン共重合体及びエチレン-オクテン共重合体が挙げられる。これらの重合体成分は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
他の重合体成分を配合する場合、重合体組成物における本実施形態に係る酸変性共役ジエン系重合体の含有量は、ウェットグリップ性能を高める観点から、重合体成分の総量(酸変性共役ジエン系重合体を含む)100質量部に対して、好ましくは10質量部以上であり、より好ましくは20質量部以上である。
添加剤としては、公知のものを用いることができ、硫黄等の加硫剤;チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤等の加硫促進剤;ステアリン酸、酸化亜鉛等の加硫活性化剤;ジクミルパーオキシド、ジ-tert-ブチルパーオキシド等の有機過酸化物;炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカ等の充填剤;シランカップリング剤;伸展油;加工助剤;老化防止剤;滑剤を例示することができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、γ-トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド及びγ-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドが挙げられる。シランカップリング剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。市販品としては、エボニック社製の商品名「Si69」、「Si75」等を用いることができる。
シランカップリング剤の配合量は、補強材100質量部に対して、好ましくは1~20質量部であり、より好ましくは2~15質量部であり、更に好ましくは5~10質量部である。
伸展油としては、例えば、アロマチック系鉱物油(粘度比重恒数(V.G.C.値)0.900~1.049)、ナフテン系鉱物油(V.G.C.値0.850~0.899)及びパラフィン系鉱物油(V.G.C.値0.790~0.849)が挙げられる。伸展油の多環芳香族含有量は、好ましくは3質量%未満であり、より好ましくは1質量%未満である。多環芳香族含有量は、英国石油学会346/92法に従って測定される。伸展油の芳香族化合物含有量(CA)は、好ましくは20質量%以上である。伸展油は、単独で又は2種以上組み合わされて用いてもよい。
硫黄としては、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄及び高分散性硫黄が挙げられる。硫黄の配合量は、重合体成分100質量部に対して、好ましくは0.1~15質量部であり、より好ましくは0.3~10質量部であり、更に好ましくは0.5~5質量部である。
加硫促進剤としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤が挙げられる。加硫促進剤は、単独で又は2種以上組み合わされて用いてもよい。加硫促進剤の配合量は、重合体成分100質量部に対して、好ましくは0.1~5質量部、より好ましくは0.2~3質量部である。
加硫剤及び加硫促進剤を配合した組成物は、通常、プレス加硫等の加硫処理を行って加硫シートとして用いることができる。加硫温度としては、通常120~200℃、好ましくは140~180℃である。
本実施形態に係る重合体組成物は、貯蔵時における粘度の経時変化が小さく、耐コールドフロー性に優れている。当該重合体組成物は、タイヤ、靴底、床材、防振材等に用いることができ、特に、タイヤに好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
物性評価は次の方法で行った。
1.スチレン単位の含有量(単位:質量%)
JIS K6383(2001)に従って、屈折率から重合体のスチレンに由来する単量体単位の含有量を求めた。
2.ビニル結合量(単位:mol%)
赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm-1付近の吸収強度より重合体のビニル結合量を求めた。
3.分子量分布(Mw)
下記の条件(1)~(8)でゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、重合体のMwを測定した。
(1)装置:東ソー社製HLC-8220
(2)分離カラム:東ソー社製TSKgel SuperHM-H(2本直列)
(3)測定温度:40℃
(4)キャリア:テトラヒドロフラン
(5)流量:0.6mL/分
(6)注入量:5μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準:標準ポリスチレン
4.ムーニー粘度(ML(1+4))
JIS K6300-1(2013)に従って、重合体組成物を作製した後3時間以内に100℃の条件で重合体組成物のムーニー粘度(保管前のムーニー粘度)を測定した。次いで、重合体組成物を50℃の恒温槽に2週間保管した後のムーニー粘度を測定した。以下の式に従い、ムーニー粘度の変化幅(ΔML)を算出した。
ΔML=(保管後のムーニー粘度)―(保管前のムーニー粘度)
また、重合体組成物を用いてコンパウンドを作製する前24時間以内に重合体組成物のムーニー粘度を測定した。次いで、重合体組成物を用いてコンパウンドを作製した後6時間以内にコンパウンドムーニー粘度を測定した。コンパウンドムーニー粘度が低いほど、加工性に優れるといえる。
5.コールドフロー試験
重合体組成物を作製した後3時間以内に、重合体組成物を100℃で20分間プレス成形し、直径29mm、高さ25mmの円柱状の試験片を作製した。試験片を40℃に加熱したオーブン内で保管し、7日間経過後の試験片の高さを測定し、高さ保持率を下記式にて求めた。
高さ保持率(%)=(7日間経過後の試験片高さ/試験前の試験片高さ)×100
6.ウェットグリップ特性
シート状の加硫成形体から幅1mm又は2mm、長さ40mmの短冊状試験片を打ち抜き、試験に用いた。測定は、粘弾性測定装置(上島製作所社製)によって、歪み2.5%及び周波数10Hzの条件下で、温度0℃での試験片の損失正接(tanδ(0℃))を測定した。この値が大きいほど、ウェットグリップ性能に優れる。
7.省燃費性
シート状の加硫成形体から幅1mm又は2mm、長さ40mmの短冊状試験片を打ち抜き、試験に用いた。測定は、粘弾性測定装置(上島製作所社製)によって、歪み1%及び周波数10Hzの条件下で、温度70℃での試験片の損失正接(tanδ(70℃))を測定した。この値が小さいほど、省燃費性に優れる。
[実施例1]
(変性共役ジエン系重合体)
内容積20Lの撹拌装置付きステンレス製重合反応器の中を、乾燥窒素で置換した。次に、工業用ヘキサン(住友化学社製、商品名:ヘキサン(一般品)、密度0.68g/mL)10.2kg、1,3-ブタジエン720g、スチレン80g、テトラヒドロフラン6.07mL、及びエチレングリコールジエチルエーテル0.75mLを上記重合反応器内に投入した。次に、n-ブチルリチウム(n-BuLi)を13.33mmol含量するn-ヘキサン溶液を重合反応器内に投入し、撹拌速度130rpm、重合反応器内温度65℃の条件で混合液を撹拌した。
上記混合液に、1,3-ブタジエン1080g及びスチレン120gを連続的に供給しながら、上記条件で、更に2.5時間混合液の撹拌を行い、重合溶液を得た。次に、得られた重合溶液に、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン13.33mmolを添加して15分間撹拌した後、メタノール0.81mLを含むヘキサン溶液20mLを加え、重合溶液を更に5分間撹拌し、重合溶液a1を得た。
重合溶液a1に、2-tert-ブチル-6-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)8.0g及びペンタエリスリチルテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP-D)4.0gを加え、変性共役ジエン系重合体Aを含む重合溶液a2を得た。
(重合体組成物)
変性共役ジエン系重合体Aを300g含む重合溶液a2に、ステアリン酸を6.0g含むTHF溶液50mLを加え撹拌した後バットに広げ、室温で12時間静置することで乾燥し、更に65℃で6.5時間減圧しながら熱処理して、重合体組成物を得た。
[実施例2]
ステアリン酸の量を3.0gに変更した以外は実施例1と同様にして、重合体組成物を作製した。
[実施例3]
ステアリン酸の量を2.1gに変更した以外は実施例1と同様にして、重合体組成物を作製した。
[実施例4]
ステアリン酸の量を1.2gに変更した以外は実施例1と同様にして、重合体組成物を作製した。
[比較例1]
ステアリン酸を加えなかった以外は実施例1と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物を作製した。
実施例1~4、比較例1における変性共役ジエン系重合体Aのスチレン単位の含有量、ビニル結合量及びMw、変性共役ジエン系重合体A100質量部に対する有機酸の含有量、重合体組成物の熱処理条件、ΔML及びコールドフロー試験の結果を表1に示す。
Figure 0007364324000017
[実施例5]
(変性共役ジエン系重合体)
内容積20Lの撹拌装置付きステンレス製重合反応器の中を、乾燥窒素で置換した。次に、工業用ヘキサン7.7kg、1,3-ブタジエン608g、スチレン192g、テトラヒドロフラン4.56mL、及びエチレングリコールジエチルエーテル3.28mLを重合反応器内に投入した。次に、n-BuLiを13.70mmol含量するn-ヘキサン溶液を重合反応器内に投入し、撹拌速度130rpm、重合反応器内温度65℃の条件で混合液を撹拌した。
上記混合液に、1,3-ブタジエン912g及びスチレン288gを連続的に供給しながら、上記条件で、更に3時間混合液の撹拌を行った後、四塩化ケイ素を0.21mmol含むn-ヘキサン溶液1.60mLを重合反応器内に投入し、15分間撹拌を行い、重合溶液を得た。次に、得られた重合溶液に、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン11.51mmolを添加して15分間撹拌した後、メタノール0.85mLを含むヘキサン溶液20mLを加え、重合溶液を更に5分間撹拌し、重合溶液b1を得た。
重合溶液b1に、「スミライザーGM」8.0g及び「スミライザーTP-D」4.0gを加え、変性共役ジエン系重合体Bを含む重合溶液b2を得た。
(重合体組成物)
変性共役ジエン系重合体Bを600g含む重合溶液b2に、ステアリン酸を6.0g含むTHF溶液50mLを加えて撹拌した後バットに広げ、室温で12時間静置することで乾燥、更に65℃で6.5時間減圧しながら熱処理して、重合体組成物を作製した。
(加硫シート)
上記重合体組成物100質量部に、シリカ(エボニック社製、商品名:ウルトラシルVN3GR)80.0質量部、シランカップリング剤(エボニック社製、商品名:Si69)6.4質量部、カーボンブラック(三菱ケミカル社製、商品名:ダイヤブラックN339)5.0質量部、伸展油(ジャパンエナジー社製、商品名:JOMOプロセスNC-140)40.0質量部、老化防止剤(住友化学社製、商品名:アンチゲン6C)2.0質量部、ワックス(大内新興化学工業社製、商品名:サンノックN)2.0質量部、ワックス(ストラクトール社製、商品名:EF44)1.0質量部、及び亜鉛華3.0質量部を加え、ラボプラストミルにて混練して、重合体組成物を調製した。
次いで、重合体組成物241質量部に、加硫促進剤(住友化学社製、商品名:ソクシノールCZ)1.5質量部、加硫促進剤(住友化学社製、商品名:ソクシノールD)2.0質量部及び硫黄1.5質量部を添加し、6インチロールでシート状に成形したコンパウンドを作製した。コンパウンドを160℃で55分加熱して加硫させ、加硫シートを作製した。
[比較例2]
ステアリン酸を加えなかった以外は、実施例5と同様にして、重合体組成物、コンパウンド及び加硫シートを作製した。
実施例5及び比較例2における変性共役ジエン系重合体Bのスチレン単位の含有量、ビニル結合量及びMw、変性共役ジエン系重合体B100質量部に対する有機酸の含有量、重合体組成物の熱処理条件、ムーニー粘度、ウェットグリップ性及び省燃費性の結果を表2に示す。表2中のウェットグリップ性及び省燃費性は、実施例5を100とした相対値である。
Figure 0007364324000018
[実施例6]
(変性共役ジエン系重合体)
内容積30Lの撹拌装置付きステンレス製重合反応器の中を、乾燥窒素で置換した。次に、工業用ヘキサン12.2kg、シクロヘキサン3.51kg、1,3-ブタジエン900g、スチレン300g、テトラヒドロフラン9.10mL、及びエチレングリコールジエチルエーテル6.53mLを上記重合反応器内に投入した。次に、n-BuLiを19.48mmol含量するn-ヘキサン溶液を重合反応器内に投入し、撹拌速度130rpm、重合反応器内温度65℃の条件で混合液を撹拌した。
上記混合液に、1,3-ブタジエン1350g及びスチレン450gを連続的に供給しながら、上記条件で、更に2.5時間混合液の撹拌を行い、重合溶液を得た。次に、得られた重合溶液に、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン19.48mmolを添加して15分間撹拌した後、メタノール1.18mLを含むヘキサン溶液20mLを加え、重合溶液を更に5分間撹拌し、重合溶液c1を得た。
重合溶液c1に、「スミライザーGM」12.0g及び「スミライザーTP-D」6.0gを加え、変性共役ジエン系重合体Cを含む重合溶液c2を得た。次いで、重合溶液c2をバットに広げ、室温で12時間静置した後、65℃で6.5時間減圧しながら熱処理して、変性共役ジエン系重合体Cを調製した。
(重合体組成物)
内容量60mLのラボプラストミルに、変性共役ジエン系重合体C40gを投入して素練りし、樹脂温度を150℃にした。次に、ラボプラストミルにステアリン酸0.12gを投入し、変性共役ジエン系重合体Cとステアリン酸とを150℃で1分間混練して、重合体組成物を得た。
[比較例3]
樹脂温度を30℃に変更した以外は実施例6と同様にして、重合体組成物を得た。
[実施例7]
内容量60mLのラボプラストミルに、変性共役ジエン系重合体C40gを投入して素練りし、樹脂温度を150℃にした。次に、ラボプラストミルにステアリン酸0.04gを投入し、変性共役ジエン系重合体Cとステアリン酸とを150℃で30秒間混練した後、水0.4gを投入し、更に30秒間混練して、重合体組成物を得た。
[比較例4]
樹脂温度を30℃に変更した以外は実施例7と同様にして、重合体組成物を得た。
実施例6及び7、比較例3及び4における変性共役ジエン系重合体Cのスチレン単位の含有量、ビニル結合量及びMw、変性共役ジエン系重合体C100質量部に対する有機酸の含有量、重合体組成物の混練条件、ΔML及びコールドフロー試験の結果を表3に示す。
Figure 0007364324000019
[実施例8]
(変性共役ジエン系重合体)
内容積20Lの撹拌装置付きステンレス製重合反応器の中を、乾燥窒素で置換した。次に、工業用ヘキサン10.2kg、1,3-ブタジエン600g、スチレン200g、テトラヒドロフラン6.07mL、及びエチレングリコールジエチルエーテル4.24mLを重合反応器内に投入した。次に、n-BuLiを12.98mmol含量するn-ヘキサン溶液を重合反応器内に投入し、撹拌速度130rpm、重合反応器内温度65℃の条件で混合液を撹拌した。
上記混合液に、1,3-ブタジエン900g及びスチレン300gを連続的に供給しながら、上記条件で、更に2.5時間混合液の撹拌を行い、重合溶液を得た。次に、得られた重合溶液に、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン12.98mmolを添加して15分間撹拌した後、メタノール0.79mLを含むヘキサン溶液20mLを加え、重合溶液を更に5分間撹拌し、重合溶液d1を得た。
重合溶液d1に、「スミライザーGM」8.0g及び「スミライザーTP-D」4.0gを加え、変性共役ジエン系重合体Dを含む重合溶液d2を得た。
(重合体組成物)
変性共役ジエン系重合体Dを600g含む重合溶液d2に、ステアリン酸を1.2g含むTHF溶液50mLを加えて撹拌した後バットに広げた。次に、バットに広げた重合溶液d2を室温で12時間静置し、室温で30.5時間減圧しながら乾燥した後、70℃に設定した恒温槽で60分間熱処理して、重合体組成物を得た。
[比較例5]
恒温槽の温度を50℃に変更した以外は実施例8と同様にして、重合体組成物を得た。
[比較例6]
恒温槽での熱処理時間を30分間に変更した以外は実施例8と同様にして、重合体組成物を得た。
実施例8、比較例5及び6における変性共役ジエン系重合体Dのスチレン単位の含有量、ビニル結合量及びMw、変性共役ジエン系重合体D100質量部に対する有機酸の含有量、重合体組成物の熱処理条件、ΔML及びコールドフロー試験の結果を表4に示す。
Figure 0007364324000020

Claims (1)

  1. 構造中にケイ素原子を有する変性共役ジエン系重合体と、有機酸との混合物を、(1)55℃以上120℃以下の温度で45分間以上熱処理する工程を含む、酸変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法であり、
    前記有機酸が、ラウリン酸、トリデシン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸及びアラキジン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の飽和脂肪族カルボン酸であり、
    前記変性共役ジエン系重合体が、アルコキシシリル基を有する化合物に基づく基を末端に有し、前記アルコキシシリル基を有する化合物が、式(6)で表される構造を有する化合物であり、
    [式(6)中、X、X及びXはそれぞれ独立に、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、ハロゲン原子、又は、共役ジエン系重合体の活性末端と反応しうる官能基を表し、R61及びR62はそれぞれ独立に、水素原子又はヒドロカルビル基を表し、R61及びR62が複数ある場合はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Aは、酸素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子及びケイ素原子からなる群より選択される少なくとも一種の原子を有する有機基を表し、aは3~10の整数を表す。]
    前記飽和脂肪族カルボン酸の含有量が、前記変性共役ジエン系重合体100質量部に対して、0.2~5質量部であり、
    当該酸変性共役ジエン系重合体組成物を、50℃で2週間保管した際の100℃におけるムーニー粘度の変化幅が、10以内である、方法。
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