JP7355677B2 - 架橋ゴム発泡成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
[1]
(A)エチレン・炭素数3~20のα-オレフィン・非共役ポリエン共重合体を100質量部、
(B)炭酸塩を5~150質量部、
(C)有機過酸化物を3~10質量部、および
(Dx)界面活性剤を0.1~15質量部
含有するゴム組成物(X)からなる未架橋成形体の表面に、界面活性剤(Dy)を1質量%以上含有する液体(Y)を接触させ、空気存在下で前記未架橋成形体を発泡させつつ有機過酸化物架橋する工程を含み、
前記ゴム組成物(X)および前記液体(Y)の少なくとも一方が、酸(E)を合計で0.1~15質量部含有する
架橋ゴム発泡成形体の製造方法。
前記ゴム組成物(X)が、前記酸(E)を0.1~15質量部含有する、前記[1]の架橋ゴム発泡成形体の製造方法。
前記界面活性剤(Dx)および前記界面活性剤(Dy)が、それぞれ独立に陽イオン性界面活性剤および陰イオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種である、前記[1]または[2]の製造方法。
前記界面活性剤(Dx)および前記界面活性剤(Dy)がいずれも前記陽イオン性界面活性剤である前記[3]の製造方法。
前記共重合体(A)が下記要件(a1)~(a3)を満たす前記[1]~[4]のいずれかの製造方法。
要件(a1):エチレン含量が41~77質量%である。
要件(a2):非共役ポリエン含量が0.5~14.0質量%である。
要件(a3):ムーニー粘度(ML(1+4)125℃)が8~63である。
前記[1]~[5]のいずれかの方法により製造され、比重が0.6~1.0である架橋ゴム発泡成形体。
(A)エチレン・炭素数3~20のα-オレフィン・非共役ポリエン共重合体を100質量部、
(B)炭酸塩を5~150質量部、
(C)有機過酸化物を3~10質量部、および
(Dx)界面活性剤を0.1~15質量部
含有するゴム組成物(X)からなる未架橋成形体の表面に、界面活性剤(Dy)を1質量%以上含有する液体(Y)を接触させ、空気存在下で前記未架橋成形体を発泡させつつ有機過酸化物架橋する工程を含み、
前記ゴム組成物(X)および前記液体(Y)の少なくとも一方が、酸(E)を合計で0.1~15質量部含有する
ことを特徴としている。
前記未架橋成形体は、エチレン・炭素数3~20のα-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)(以下、単に「共重合体(A)」とも記載する。)、炭酸塩(B)、有機過酸化物(C)、および界面活性剤(Dx)を所定の割合で含むゴム組成物(X)からなる。
前記共重合体(A)は、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンと非共役ポリエンとの共重合体である。
前記炭素原子数3~20のα-オレフィンの例としては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセンおよび1-エイコセンが挙げられる。原料コストが比較的安価であり、得られるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体が優れた機械的性質を示し、さらにゴム弾性を持った成形体を得ることができることから、これらの中でも、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセンおよび1-オクテンなどの炭素原子数3~8のα-オレフィンが好ましく、プロピレンがより好ましい。これらのα-オレフィンは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン、5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)、ノルボルナジエンおよびメチルテトラヒドロインデン等の環状非共役ポリエン、ならびに
1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエンおよび4-エチリデン-1,7-ウンデカジエン等の鎖状非共役ポリエン
が挙げられる。これらの非共役ポリエンは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらの中でも、架橋効率が優れることからENBが好ましい。
前記共重合体(A)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記共重合体(A)は、エチレン由来の構造単位を、好ましくは41~77質量%、より好ましくは45~65質量%含有する。エチレン由来の構造単位の含有量が上記範囲にあると、ゴム弾性、機械的強度および柔軟性に優れた架橋ゴム発泡成形体を製造することができる。
エチレン由来の構造単位の含有量は、13C-NMR法により測定することができる。
前記共重合体(A)は、前記非共役ポリエン由来の構造単位を、好ましくは0.5~14.0質量%、より好ましくは5.0~14.0質量%含有する。前記非共役ポリエン由来の構造単位の含有量が上記範囲にあると、機械的強度に優れた架橋ゴム発泡成形体を製造することができる。
前記非共役ポリエン由来の構造単位の含有量は、13C-NMR法により測定することができる。
前記共重合体(A)のムーニー粘度(ML(1+4)125℃)は、好ましくは8~63、より好ましくは30~55である。ムーニー粘度が上記範囲にあると、前記ゴム組成物(X)から前記未架橋成形体を製造する際の加工性が良好である。前記ムーニー粘度は、ムーニー粘度計(たとえば、(株)島津製作所社製 SMV202型)を用いて、JIS K6300に準拠して測定することができる。
本発明において前記炭酸塩(B)は、発泡剤として用いられ、さらに無機充填剤としての機能を担う場合もある。
前記炭酸塩(B)の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム(たとえば「ホワイトン(登録商標)SB赤」(商品名、白石カルシウム(株)製))が挙げられ、これらの中でもゴムコンパウンド中への分散性が優れることから炭酸カルシウムが好ましい。
前記有機過酸化物(C)の例としては、
ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ-t-アミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン(たとえば「パーヘキサ(登録商標)25B-40」(商品名、日油(株)製))、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3などのジアルキルパーオキサイド;および
2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン、n-ブチル-4,4-ジ-t-ブチルバレレート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール
が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらの中でも、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイドが好ましい。
前記界面活性剤(Dx)の例としては、非イオン界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤および両性界面活性剤が挙げられる。
非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミドが挙げられる。
前記ゴム組成物(X)および後述する液体(Y)の少なくとも一方は、(E)酸を含有する。困難なく均一な発泡を行う観点からは、好ましくは、前記ゴム組成物(X)は前記酸(E)を含有する。
前記ゴム組成物(X)は、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに、共架橋剤、加硫助剤、加工助剤、活性剤、軟化剤、充填材など、従来公知のゴム組成物に配合され得る添加剤などを含有していてもよい。
前記共架橋剤の例としては、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、ジメタクリル酸エチレン(たとえば「サンエステルEG」(商品名、三新化学工業(株)製))、ジメタクリル酸1,3-ブチレン、およびトリメタクリル酸トリメチロールプロパンが挙げられる。
前記ゴム組成物(X)中の前記共架橋剤の含有量は、前記共重合体(A)100質量部に対し、好ましくは1~5質量部、より好ましくは2~4質量部である。
前記加硫助剤の例としては、酸化マグネシウム、および亜鉛華(たとえば「META-Z102」(商品名、井上石灰工業(株)製)などの酸化亜鉛)が挙げられる。
前記加硫助剤は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物(X)中の前記加硫助剤の含有量は、前記共重合体(A)100質量部に対し、好ましくは0.5~10.0質量部、より好ましくは2.0~7.0質量部である。
前記加工助剤の例としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸の塩;リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸のエステル類;が挙げられる。
前記加工助剤は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物(X)中の前記加工助剤の含有量は、前記共重合体(A)100質量部に対し、好ましくは0.1~5.0質量部、より好ましくは0.5~2.0質量部である。
前記活性剤の例としては、ジ-n-ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエタノールアミンなどのアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(たとえば「PEG#4000」(商品名、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製))、レシチン、トリアリルトリメリテート、脂肪族および芳香族カルボン酸の亜鉛化合物(たとえば「Struktol activator 73」、「Struktol IB 531」および「Struktol FA541」(商品名、Schill & Seilacher社製))、過酸化亜鉛調整物(たとえば「ZEONET ZP」(商品名、日本ゼオン(株)製)、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、および特殊四級アンモニウム化合物(たとえば「リポカード2HTフレーク」(商品名、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)が挙げられる。
前記ゴム組成物(X)中の前記活性剤の含有量は、前記共重合体(A)100質量部に対し、好ましくは0.1~3.0質量部、より好ましくは0.3~1.0質量部である。
軟化剤の例としては、
パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル等の石油系軟化剤;
合成油系軟化材;
エチレンとα-オレフィンのコオリゴマー;
パラフィン・ワックス;
流動パラフィン;
ホワイト・オイル(白油);
ペトロラタム;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、綿実油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油、パーム油、大豆油、落花生油、木ろう、ロジン、パインオイル、ジペンテン、パインタール、トール油等の植物油系軟化剤;
黒サブ、白サブ、飴サブ等のサブ(ファクチス);
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸塩;
ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤;
クマロン・インデン樹脂;
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂;
テルペン・フェノール樹脂;
ポリテルペン樹脂;
合成ポリテルペン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、脂肪族・脂環族系石油樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂、水添変性脂環族系炭化水素樹脂、水添炭化水素樹脂、液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、アタクチックポリプロピレン等の石油系炭化水素樹脂
が挙げられる。
前記軟化剤は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物(X)の前記軟化剤の含有量は、前記共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは15~50質量部、より好ましくは20~40質量部である。
充填剤としては、特に限定はないが、無機充填剤が、ゴム組成物の引張強度、引裂強度、耐摩耗性などの機械強度を向上させるため好ましい。
前記ゴム組成物(X)の前記充填剤の含有量は、前記共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは10~120質量部、より好ましくは50~90質量部である。
前記未架橋成形体は、前記ゴム組成物(X)からなり、前記ゴム組成物(X)に含まれる各成分を、従来公知の方法で混合すると共に所望の形状に成形することにより、得ることができる。
前記未架橋成形体の厚さは、たとえば0.5mm~5.0mmである。
本発明の製造方法においては、前記未架橋成形体の表面に、界面活性剤(Dy)を1質量%以上含む液体(Y)を接触させる。
前記界面活性剤(Dy)の具体例は、上述した界面活性剤(Dx)の具体例と同様である。前記界面活性剤(Dy)は、好ましくは陽イオン性界面活性剤および陰イオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種であり、より好ましくは陽イオン性界面活性剤である。
前記液体(Y)中の前記界面活性剤(Dy)の濃度は1質量%以上、好ましくは3~10質量%である。濃度が前記範囲にあると液体(Y)(噴霧液などの形態で用いられる。)の濡れ性が優れることから、前記未架橋成形体の表面に液体(Y)を均一に塗布でき、以って比重が小さい有機過酸化物架橋発泡成形体を製造することができる。さらには、前記未架橋成形体の表面に均一に塗布された前記液体(Y)によって、有機過酸化物架橋の際に前記未架橋成形体の表面での前記共重合体(A)の分解が抑制され、得られる架橋発泡成形体の表面粘着性を低くすることができる。
前記未架橋成形体の表面に前記液体(Y)を接触させる方法の例としては、前記未架橋成形体の表面に前記液体(Y)を刷毛等により塗布する方法、前記未架橋成形体の表面に前記液体(Y)を噴霧する方法、前記液体(Y)に前記未架橋成形体を浸漬する方法、が挙げられ、均一に塗布ができるという観点から、前記未架橋成形体の表面に前記液体(Y)を噴霧する方法が好ましい。
前記液体(Y)の噴霧は、従来公知の装置、たとえば特開2005-133090号公報または特開2005-139294号公報に記載の装置を使用して行うことができる。
本発明の製造方法では、前記未架橋成形体の表面に前記液体(Y)を接触させ、空気存在下で前記未架橋成形体を発泡させつつ有機過酸化物架橋する。
本発明の方法により製造される架橋ゴム発泡成形体の比重は、たとえば0.6~1.0である。
[測定ないし評価方法]
<未加硫ゴム物性の評価>
(ムーニー粘度、最低粘度(Vm)およびスコーチ時間)
JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、125℃におけるムーニー粘度(ML(1+4)125℃)を測定した。測定開始後の試料の最低粘度(Vm)を求め、さらにその最低粘度Vmより5ポイントまたは35ポイント上昇するまでの時間を求め、これをスコーチ時間(t5(125℃)、分)およびスコーチ時間(t35(125℃)、分)とした。
後述する製造例1(未架橋成形体の製造)における第一段階での配合物を、シート状ダイスを装着した60mmφ押出機を用いて、コンパウンドBを、ダイス温度80℃、シリンダー(ダイス側)温度70℃、シリンダー(スクリュー側)温度60℃、スクリュー温度50℃の条件で押し出して100cm×20cm×0.2cmの大きさの試験片を作製した。この試験片の表面に、実施例および比較例で使用した噴霧液を5ml滴下し、試験片を垂直に傾け、10分間の間に噴霧液が流れるか、流れる場合にはどの程度流れるかを観測した。評価基準は以下のとおりである。
3:噴霧液が流れずに留まった。
2:噴霧液が流れた(ただし、試験片の端部までは流れなかった。)。
1:噴霧液が試験片の端部までは流れた。
実施例および比較例における未架橋のゴム組成物を用いて、測定装置:MDR2000P(ALPHA TECHNOLOGIES社製)により、温度180℃かつ時間20分の測定条件下で、加硫速度(tc10、tc30、tc50およびtc90)を以下のとおり測定した。
(比重)
実施例または比較例で得られた架橋ゴム成形体から試験片を打ち抜き、その表面の汚れをアルコールで拭き取った。この試験片を25℃雰囲気下で自動比重計((株)東洋精機製作所製M-1型)に取り付け、空気中および純水中での質量の差から比重を測定した。
実施例または比較例で得られた架橋ゴム発泡成形体の表面を指で擦って下記基準により官能評価を行った。
1:擦ると抵抗が2よりも少なく、さらさらしている
2:擦ると抵抗を3よりも弱く感じる
3:擦ると抵抗を感じる
4:擦ると抵抗を3よりも強く感じる
5:擦ると滑らない
実施例等で使用した原料は以下のとおりである。
《共重合体(A)》
・三井EPT 9090M(商品名)(エチレン・プロピレン・ENB共重合体、三井化学(株)製、エチレンから導かれる構造単位含有量:41質量%、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)から導かれる構造単位含有量:14質量%、ムーニー粘度[ML1+4(125℃)]:8)
・三井EPT 3072(商品名)(エチレン・プロピレン・ENB共重合体、三井化学(株)製、エチレンから導かれる構造単位含有量:64質量%、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)から導かれる構造単位含有量:5.4質量%、ムーニー粘度[ML1+4(125℃)]:51)
《炭酸塩(B)》
・ホワイトンSB赤(商品名)(炭酸カルシウム、白石カルシウム(株)製)
《有機過酸化物(C)》
・パーヘキサ25B-40(商品名)(2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、日油(株)製)
《界面活性剤(D)》
・リポカード 2HTフレーク(商品名)(塩化ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウム、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
《共架橋剤》
・サンエステルEG(商品名)(エチレングリコールジメタクリレート、三新化学工業(株)製)
《加硫促進剤(加硫助剤、活性剤)》
・META-Z102(商品名)(活性亜鉛華、井上石灰工業(株)製)
・PEG#4000(商品名)(ポリエチレングリコール、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
《加工助剤》
・粉末ステアリン酸さくら(商品名)(ステアリン酸、日油(株)製)
《補強材》
・旭#60UG(商品名)(カーボンブラック、旭カーボン(株)製)
《軟化剤》
・ダイアナプロセスオイルPS-430(商品名)(パラフィン系プロセスオイル、出光興産(株)製)
第一段階として、BB-4型バンバリーミキサー((株)神戸製鋼所製)を用いて、50質量部の三井EPT 9090M、および70質量部の三井EPT 3072を30秒間素練りし、次いでこれに5質量部のMETA-Z102、1質量部の粉末ステアリン酸さくら、0.5質量部のPEG#4000、75質量部の旭#60UG、および40質量部のホワイトンSB赤、27質量部のダイアナプロセスオイルPS-430を加え、140℃で2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行ない、さらに、1分間混練を行ない、約150℃で排出し、第一段階の配合物を得た。
精製水にリポカード2HTフレークを加えてこれらを撹拌し、濃度が5質量%のリポカード2HTフレーク水溶液(以下「噴霧液」とも記載する。)を得た。
製造例1で得られた未架橋成形体を、厚さ方向が鉛直になるように設置し、その両面に製造例2で得られた噴霧液を噴霧圧0.15MPa、流量15mL/分、噴射時間26秒の条件で6.5mL噴霧した後、直ちに180℃に設定したHAV(熱風加硫槽)で10分間処理した。得られた架橋ゴム発泡成形体の物性を表1に示す。
製造例1においてリポガード2HTフレークを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、架橋ゴム発泡成形体を製造した。得られた架橋ゴム発泡成形体の物性を表1に示す。
Claims (6)
- (A)エチレン・炭素数3~20のα-オレフィン・非共役ポリエン共重合体を100質量部、
(B)炭酸塩を5~150質量部、
(C)有機過酸化物を3~10質量部、および
(Dx)界面活性剤を0.1~15質量部
含有するゴム組成物(X)からなる未架橋成形体の表面に、界面活性剤(Dy)を1質量%以上含有する液体(Y)を接触させ、空気存在下で前記未架橋成形体を発泡させつつ有機過酸化物架橋する工程を含み、
前記ゴム組成物(X)および前記液体(Y)の少なくとも一方が、酸(E)を合計で0.1~15質量部含有する
架橋ゴム発泡成形体の製造方法。 - 前記ゴム組成物(X)が、前記酸(E)を0.1~15質量部含有する、請求項1に記載の架橋ゴム発泡成形体の製造方法。
- 前記界面活性剤(Dx)および前記界面活性剤(Dy)が、それぞれ独立に陽イオン性界面活性剤および陰イオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記界面活性剤(Dx)および前記界面活性剤(Dy)がいずれも前記陽イオン性界面活性剤である請求項3に記載の製造方法。
- 前記共重合体(A)が下記要件(a1)~(a3)を満たす請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
要件(a1):エチレン含量が41~77質量%である。
要件(a2):非共役ポリエン含量が0.5~14.0質量%である。
要件(a3):ムーニー粘度(ML(1+4)125℃)が8~63である。 - 請求項1~5のいずれか一項に記載の方法により製造され、比重が0.6~1.0である架橋ゴム発泡成形体。
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