JP7349897B2 - 半導体基板用浸漬液組成物 - Google Patents
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Description
ポリマーA:下記式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位a1と、下記式(II)で表されるモノマーa2由来の構成単位a2とを含むポリマー又はその塩。
(1)研磨された半導体基板を、本開示の浸漬液組成物に浸漬させる工程。
(2)工程(1)で得られた半導体基板を、洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程。
一般的に、半導体基板の製造において、研磨機と洗浄機は一体型ではないため、研磨機から洗浄機まで搬送する必要がある。洗浄機でウェーハ表面に付着したパーティクルを効率よく除去するためには、洗浄する前に、ウェーハ表面に付着している残留物の量を減らすことや、残留物がウェーハ表面から剥がれやすくしておくことが考えられる。
本開示では、ポリマーA中のアルキレンオキシ基[式(II)の-(CH2)rO(AO)m-X]とカルボン酸ユニット[式(I)中のCOOM1]の双方がウェーハに吸着することにより、半導体基板に対する濡れ性を向上でき、ウェーハ表面に付着しているパーティクルが剥がれやすくなると考えられる。浸漬液組成物中でカルボン酸ユニットが解離している場合、解離したカルボン酸ユニットによる電荷反発により、パーティクルのウェーハ表面への再付着を抑制できると考えられる。このようにして、表面欠陥の原因となるパーティクルがウェーハ表面から除去されると考えられる。
ただし、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示の浸漬液組成物は、一又は複数の実施形態において、下記ポリマーA(以下、単に「成分A」ともいう)を含む。成分Aは、1種又は2種以上の組合せでもよい。
モノマーa1は、下記式(I)で表されるモノマーである。
式(I)において、M1及びM2はそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アル
カリ土類金属(1/2原子)、又はアンモニウム基を示し、濡れ性向上の観点、及び、ウェーハ表面上の残留物低減の観点から、アルカリ金属が好ましく、ナトリウム及びカリウムがより好ましい。アンモニウム基としては、「NH4 +」で表される基(アンモニウム基)、有機アンモニウム基が挙げられる。
式(I)において、pは0以上2以下の整数であって、濡れ性向上の観点、及び、ウ
ェーハ表面上の残留物低減の観点から、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
モノマーa2は、下記式(II)で表されるモノマーである。
式(II)において、mは、濡れ性向上の観点、及び、ウェーハ表面上の残留物低減の観点から、1以上であって、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、15以上が更に好ましく、そして、300以下であって、150以下が好ましく、100以下がより好ましく、40以下が更に好ましい。より具体的には、mは、1以上300以下の数であって、5以上150以下が好ましく、10以上100以下がより好ましく、15以上40以下が更に好ましい。
式(II)において、Xは、水素原子又は炭素数1以上18以下のアルキル基を示し、濡れ性向上の観点、及び、ウェーハ表面上の残留物低減の観点から、水素原子又は炭素数1以上12以下のアルキル基が好ましく、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基がより好ましく、水素原子が更に好ましい。該アルキル基は、直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよい。炭素数1以上18以下のアルキル基としては、濡れ性向上の観点、及び、ウェーハ表面上の残留物低減の観点から、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
本開示の浸漬液組成物は、一又は複数の実施形態において、水(以下、「成分B」ともいう)を含む。成分Bとしては、例えば、超純水、純水、イオン交換水、蒸留水等が挙げられる。本開示の浸漬液組成物中における成分Bの含有量は、成分A及び必要に応じて配合される後述する任意成分を除いた残余とすることができる。具体的には、本開示の浸漬液組成物における成分Bの含有量は、ウェーハ表面上の残留物低減の観点から、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、99.99質量%以下が好ましく、99.98質量%以下がより好ましく、99.97質量%以下がさらに好ましい。
本開示の浸漬液組成物は、一又は複数の実施形態において、ウェーハ表面上の残留物低減の観点から、アルカリ剤(以下、「成分C」ともいう)をさらに含有してもよい。成分Cとしては、一又は複数の実施形態において、無機アルカリ剤及び有機アルカリ剤から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。無機アルカリ剤としては、例えば、アンモニア;水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;等が挙げられる。有機アルカリ剤としては、例えば、ヒドロキシアルキルアミン、第四級アンモニウム塩等が挙げられる。ヒドロキシアルキルアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン、メチルジプロパノールアミン、及びアミノエチルエタノールアミン等が挙げられる。第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、及びコリン等が挙げられる。成分Cは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
本開示の浸漬液組成物は、一又は複数の実施形態において、ウェーハ表面上の残留物低減の観点から、有機酸(以下、「成分D」ともいう)をさらに含有することができる。
成分Dとしては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、マレイン酸、酢酸、イタコン酸、コハク酸、酒石酸、マロン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、乳酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)、アミノトリメチルホスホン酸、及びホスホノブタントリカルボン酸から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらのなかでも、ウェーハ表面上の残留物低減の観点から、成分Dとしては、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸及びHEDPから選ばれる少なくとも1種が好ましく、リンゴ酸、マレイン酸、及びHEDPから選ばれる少なくとも1種がより好ましい。成分Dは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
本開示は、その他の態様において、下記工程(1)及び(2)を含む、半導体基板の製造方法(以下、「本開示の半導体基板製造方法」ともいう)に関する。
(1)研磨された半導体基板を、本開示の浸漬液組成物に浸漬させる工程(以下、「浸漬工程」ともいう)。
(2)工程(1)で得られる半導体基板を、洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程(以下、「洗浄工程」ともいう)。
工程(1)は、研磨された半導体基板を、本開示の浸漬液組成物に浸漬させる工程(浸漬工程)である。工程(1)は、一又は複数の実施形態において、研磨された半導体基板を本開示の浸漬液組成物に浸漬し、工程(2)に運ばれるまで保管する工程であってもよい。したがって、本開示の浸漬液組成物は、一又は複数の実施形態において、研磨された半導体基板の保管に用いることができる。
工程(2)は、工程(1)で得られた半導体基板を、洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程(洗浄工程)である。洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、ウェーハ表面上の残留物低減の観点から、有機化合物を実質的に含まないことが好ましい。ここで、洗浄剤組成物が有機化合物を実質的に含まないとは、洗浄剤組成物中の有機化合物の含有量が0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは実質的に0質量%であることをいう。工程(2)で用いられる洗浄剤組成物の一実施形態としては、例えば、過酸化水素、アンモニア、塩酸、硫酸、フッ酸及びオゾン水から選ばれる少なくとも1種を含む無機物洗浄剤が挙げられる。
ここで、RCA洗浄とは、基本的には、ウェーハ表面に付着したパーティクルの除去に使用されるSC1洗浄、及び、ウェーハ表面に付着した重金属の除去に使用されるSC2洗浄を含み、必要に応じて、ウェーハ表面に付着した有機物の除去に使用されるSPM洗浄、及び、ウェーハ表面の不要な酸化膜の除去に使用されるDHF洗浄を含むものである。SCROD洗浄は、パーティクルの除去や重金属の除去に使用されるものである。RCA洗浄及びSCROD洗浄の洗浄方法としては、例えば、浸漬洗浄法や枚葉洗浄法が挙げられる。
SC1洗浄では、例えば、アンモニアと過酸化水素と水とからなる洗浄剤組成物が用いられる。SC2洗浄では、例えば、塩酸と過酸化水素水と水とからなる洗浄剤組成物が用いられる。SPM洗浄では、例えば、硫酸と過酸化水素水とからなる洗浄剤組成物が用いられる。DHF洗浄では、例えば、フッ酸と水とからなる洗浄剤組成物が用いられる。SCROD洗浄では、オゾン水やフッ酸が用いられる。
上述した洗浄の各洗浄工程の後に、水でリンスし、乾燥する工程が含まれていてもよい。
表1に示すポリマーA1~A6の調製には、下記原料を用いた。
MAA:メタクリル酸(東京化成工業株式会社製)
AA:アクリル酸(富士フィルム和光純薬工業株式会社製)
(モノマーa2-1)
メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル(平均分子量1500、EO平均付加モル数32)、ユニオックスPKA-5010(日油株式会社製)
(モノマーa2-2)
ポリエチレングリコール-3-メチル-3-ブテニルエーテル(EO平均付加モル数50)
(モノマーa2-3)
ポリエチレングリコールアリルエーテル(EO平均付加モル数25)
2-メルカプトエタノール(東京化成工業株式会社製)
β-メルカプトプロピオン酸(東京化成工業株式会社製)
<重合連鎖移動剤兼溶媒>
1,2-プロパンジオール(富士フィルム和光純薬工業株式会社製)
<重合開始剤>
ペルオキソ二硫酸アンモニウム(過硫酸アンモニウム)(ナカライテスク株式会社製)
過酸化水素水(30~35.5質量%水溶液、ナカライテスク株式会社製)
ペルオキソ二硫酸ナトリウム(ナカライテスク株式会社製)
<中和剤>
水酸化ナトリウム(48質量%NaOH、旭硝子株式会社製)
なお、中和剤に用いた水酸化ナトリウムは、成分Cに含まれない。
攪拌機付反応容器に水:90.5g(5.0モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。MAA:63.7g(0.65モル)とモノマーa2-1:525g(0.35モル)(質量比=11/89、モル比=65/35)、水:161g(8.9モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:37.0gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:14.8gを30分かけて滴下し、3時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液を108g加えて中和し、その後、カラムに陽イオン交換樹脂(イオン交換樹脂:三菱ケミカル製 DIAION SK1BH)を100ml充填し、熟成終了後の中和物を固形分濃度が30質量%となるように水で希釈したものを空間速度SV値が4.0となる条件でイオン交換処理することにより、ナトリウム含有量が1ppm以下のポリマーA1(30質量%水溶液)を得た。
攪拌機付反応容器に水:234g(13.0モル)、モノマーa2-2:546g(0.24モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で65℃まで昇温し、過酸化水素水8.6gを滴下した。次にAA:54.4g(0.76モル)及び水:45.6g(2.5モル)を混合溶解したものと、β-メルカプトプロピオン酸:8.0g、L-アスコルビン酸3.3g及び水:38.8gを混合溶解したものを、それぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。その後、1時間同温度(65℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液を62.9g加えて中和し、その後、カラムに陽イオン交換樹脂(イオン交換樹脂:三菱ケミカル製 DIAION SK1BH)を100ml充填し、熟成終了後の中和物を固形分濃度が30質量%となるように水で希釈したものを空間速度SV値が4.0となる条件でイオン交換処理することにより、ナトリウム含有量が1ppm以下のポリマーA2(30質量%水溶液)を得た(AA/モノマーa2-2質量比=9/91、モル比=76/24)。
攪拌機付反応容器に水:193g(10.7モル)、1,2-プロパンジオール:295g(3.9モル)、AA:5.0g(0.069モル)、モノマーa2-3:150g(0.13モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で85℃まで昇温した。AA:49.7g(0.69モル)とモノマーa2-3:150g(0.13モル)及び水:50.3g(2.8モル)を混合溶解したものと、ペルオキソ二硫酸ナトリウム:5.3g及び水:21.2gを混合溶解したものを、それぞれ同時に反応系に75分かけて滴下した。次に、AA:45.1g(0.63モル)、ペルオキソ二硫酸ナトリウム:4.8g及び水:30.3gを混合溶解したものを、それぞれ同時に反応系に135分かけて滴下した。その後、3時間同温度(85℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液を52.2g加えて中和し、その後、カラムに陽イオン交換樹脂(イオン交換樹脂:三菱ケミカル製 DIAION SK1BH)を100ml充填し、熟成終了後の中和物を固形分濃度が20質量%となるように水で希釈したものを空間速度SV値が4.0となる条件でイオン交換処理することにより、ナトリウム含有量が1ppm以下のポリマーA3(20質量%溶液)を得た(AA/モノマーa2-3質量比=25/75、モル比=84/16)。
アクリル酸/ポリエチレングリコールアクリル酸エステル(EO平均付加モル数5、重量平均分子量3,000、花王社製)
[ポリマーA5]
ポリアクリル酸(重量平均分子量20,000、ナカライテスク社製)
[ポリマーA6]
ポリエチレングリコール(重量平均分子量20,000、富士フィルム和光純薬工業社製)
ポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」ともいう)法を用いて下記条件で測定した。測定結果を表1に示した。
[GPC条件]
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1(体積比)
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.5mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算
表2及び表3に示す各成分を混合し、実施例1~10及び比較例1~6の浸漬液組成物を調製した。pH調整には、クエン酸、アンモニアを用いた。表2及び表3における各成分の含有量は、浸漬液組成物の使用時における各成分の含有量(質量%、有効分)である。調製した実施例1~10及び比較例3の浸漬液組成物中のナトリウム含有量は1ppm以下であった。
(成分B)
水:超純水
(成分C)
NH3:アンモニア[関東化学社製、29質量%アンモニア水]
MEA:モノエタノールアミン[富士フィルム和光純薬工業社製]
(成分D)
クエン酸[扶桑化学工業社製]
リンゴ酸[扶桑化学工業社製]
マレイン酸[富士フィルム和光純薬工業社製]
浸漬液組成物の25℃におけるpH値は、pHメータ(東亜電波工業社製、「HM-30G」)を用いて測定した値であり、pHメータの電極を浸漬液組成物へ浸漬して1分後の数値である。
浸漬液組成物中のナトリウム含有量の測定は、ICP質量分析装置(Agilent社製、型名:7700s、ICP-MS)にて内標準法で定量を行い、同時に実施した操作ブランク値を差し引いて含有量を求めた。
[浸漬による除去性(Si溶出量)]
下記の評価用シリコンウェーハを用い、浸漬によるウェーハ表面の残留物の除去性の評価を以下のようにして行った。
<評価用シリコンウェーハ>
単結晶シリコンウェーハ[直径200mmのシリコン片面鏡面ウェーハ、伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率:0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満]
ポリシリコンウェーハ[直径200mmのシリコン片面鏡面ウェーハ、伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率:0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満の上にSiO2膜を4400Å分プラズマCVD法により堆積させ、続いてポリシリコン膜を8000Å同じくプラズマCVD法により堆積させたウェーハ]
<浸漬による除去性の評価方法>
(1)4cm×4cmにカットした評価用シリコンウェーハを、1質量%フッ酸水溶液でシリコン撥水処理した。
(2)シリカ粒子(コロイダルシリカ、平均二次粒子径70nm、扶桑化学社製の「PL-3」)、HEC(重量平均分子量80万、住友精化社製の「CF-V」)、アンモニア及び超純水を混合して研磨液組成物を調製した。研磨液組成物中の各成分の含有量は、シリカ粒子が0.3質量%、HECが0.015質量%、アンモニアが0.015質量%であり、その残余が超純水である。研磨液組成物のpHは、10.7であった。
(3)調製した研磨液組成物(温度25℃)100mLにシリコン撥水処理したシリコンウェーハを1分間浸漬した。
(4)研磨液組成物中からシリコンウェーハを引き上げ、流水で5秒間水洗いした。
(5)水洗いしたシリコンウェーハ(表面積0.0016m2)を、調製した各浸漬液組成物(温度25℃)0.1Lに30分間浸漬した。
(6)浸漬液組成物からシリコンウェーハを静かに取り出し、浸漬液組成物中のSi濃度(ppb)を、核誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS、アジレント製、7700S)を用いて測定した。測定結果を表2~3に示した。なお、表2は、単結晶シリコンウェーハ表面の残留物の除去性の評価結果を示し、表3は、ポリシリコンウェーハ表面の残留物の除去性の評価結果を示す。浸漬液組成物中のSi濃度が高いほど、ウェーハ表面から残留物が除去され、ウェーハ表面上の残留物が低減されたと判断できる。
各浸漬液組成物のシリコンウェーハに対する濡れ性を目視で確認したところ、実施例1~10の浸漬液組成物は、成分Aを含有しない系(水のみ、及び、比較例1~4)に比べて、シリコンウェーハに対する濡れ性が向上していることを確認した。
[清浄性(LPD)]
下記の評価用シリコンウェーハを用い、ウェーハ表面の表面欠陥(LPD)の評価を以下のようにして行った。
<評価用シリコンウェーハ>
単結晶シリコンウェーハ[直径200mmのシリコン片面鏡面ウェーハ、伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率:0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満]
ポリシリコンウェーハ[直径200mmのシリコン片面鏡面ウェーハ、伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率:0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満の上にSiO2膜を4400Å分プラズマCVD法により堆積させ、続いてポリシリコン膜を8000Å同じくプラズマCVD法により堆積させたウェーハ]
<仕上げ研磨工程>
シリカ粒子(コロイダルシリカ、平均二次粒子径70nm、扶桑化学社製の「PL-3」)、HEC(重量平均分子量80万、住友精化社製の「CF-V」)、アンモニア及び超純水を混合して仕上げ研磨用研磨液組成物を調製した。研磨液組成物中の各成分の含有量は、シリカ粒子が0.3質量%、HECが0.015質量%、アンモニアが0.015質量%であり、その残余が超純水である。仕上げ研磨用研磨液組成物のpHは、10.5であった。
調製した仕上げ研磨液組成物を用いて、評価用シリコンウェーハを下記仕上げ研磨条件で仕上げ研磨を行った。当該仕上げ研磨に先だって評価用シリコンウェーハに対し市販の研磨液組成物を用いて予め粗研磨を実施した。粗研磨を終了し仕上げ研磨に供したシリコンウェーハの表面粗さ(Haze)は、5.13ppm(DWO)及び9.77ppm(DNN)であった。Hazeの測定値は、後述する表面欠陥の測定と同じ方法を用いて測定したものである。
(仕上げ研磨条件)
研磨機:片面8インチ研磨機「GRIND-X SPP600s」(岡本工作製)
研磨パッド:スエードパッド(東レ コーテックス社製、アスカー硬度:64、厚さ:1.37mm、ナップ長:450um、開口径:60um)
シリコンウェーハ研磨圧力:100g/cm2
定盤回転速度:60rpm
研磨時間:5分
研磨液組成物の供給速度:150g/cm2
研磨液組成物の温度:23℃
キャリア回転速度:62rpm
<浸漬工程>
研磨工程後の直径200mmシリコンウェーハを、調製した各浸漬液組成物(温度25℃)5Lに30分間浸漬した。
<洗浄工程>
浸漬工程後のシリコンウェーハに対して、オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を下記のとおり行った。オゾン洗浄では、20ppmのオゾンを含んだ水溶液をノズルから流速1L/min、600rpmで回転するシリコンウェーハの中央に向かって3分間噴射した。このときオゾン水の温度は常温とした。次に希フッ酸洗浄を行った。希フッ酸洗浄では、0.5質量%のフッ化水素アンモニウム(特級、ナカライテスク株式会社)を含んだ水溶液をノズルから流速1L/min、600rpmで回転するシリコンウェーハの中央に向かって6秒間噴射した。上記オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を1セットとして計2セット行い、最後にスピン乾燥を行った。スピン乾燥では1,500rpmでシリコンウェーハを回転させた。
<表面欠陥(LPD)の測定>
測定機器:表面粗さ測定装置「Surfscan SP1-DLS」(KLA Tencor社製)
評価:洗浄後のウェーハ表面上の粒径が45nm以上のパーティクル数を測定することによって評価した。表面欠陥(LPD)の評価結果は、数値が小さいほど表面欠陥が少なく、清浄性に優れていることを示す。表面欠陥(LPD)の測定は、各々3枚のシリコンウェーハに対して行い、各々平均値を算出した。単結晶シリコンウェーハ表面の表面欠陥(LPD)の評価結果を表2に、ポリシリコンウェーハ表面の表面欠陥(LPD)の」評価結果を表3に示した。表2において、実施例1~9及び比較例1~4の結果は、比較例1を100とした相対値を示した。表3において、実施例10及び比較例5~6の結果は、比較例6を100とした相対値を表3に示した。
表3に示されるように、ポリマーA(成分A)を含む浸漬液組成物を用いた実施例10は、ポリマーA(成分A)を含まない比較例5~6に比べて、研磨されたポリシリコンウェーハ表面上の残留物の除去性が向上していた。さらに、表面欠陥(LPD)が低減されていた。
Claims (11)
- 下記ポリマーA(成分A)を含む、半導体基板用浸漬液組成物であって、
前記半導体基板用浸漬液組成物が単結晶シリコンウェーハ又はポリシリコンウェーハ用の浸漬液組成物である、浸漬液組成物。
ポリマーA:下記式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位a1と、下記式(II)で表されるモノマーa2由来の構成単位a2とを含むポリマー又はその塩。
- 成分Aの全構成単位中における構成単位a1と構成単位a2とのモル比(a1/a2)は、50/50以上99/1以下である、請求項1に記載の浸漬液組成物。
- 成分Aの全構成単位中における構成単位a1及び構成単位a2の合計含有量は、85モル%以上である、請求項1又は2に記載の浸漬液組成物。
- 成分Aの重量平均分子量は、5,000以上100,000以下である、請求項1から3のいずれかに記載の浸漬液組成物。
- ナトリウム含有量が1ppm以下である、請求項1から4のいずれかに記載の浸漬液組成物。
- アルカリ剤(成分C)をさらに含有する、請求項1から5のいずれかに記載の浸漬液組成物。
- 成分Aの含有量は0.001質量%以上10質量%以下である、請求項1から6のいずれかに記載の浸漬液組成物。
- pHが1以上5以下である、請求項1から7のいずれかに記載の浸漬液組成物。
- 有機酸(成分D)をさらに含有する、請求項1から8のいずれかに記載の浸漬液組成物。
- 下記工程(1)及び(2)を含む、半導体基板の製造方法。
(1)研磨された半導体基板を、請求項1から9のいずれかに記載の浸漬液組成物に浸漬させる工程。
(2)工程(1)で得られた半導体基板を、洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程。 - 工程(2)で用いられる洗浄剤組成物は、過酸化水素、アンモニア、塩酸、硫酸、フッ酸及びオゾン水から選ばれる少なくとも1種を含む無機物洗浄剤である、請求項10に記載の半導体基板の製造方法。
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JP2017222840A (ja) | 2016-06-09 | 2017-12-21 | 花王株式会社 | ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物 |
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