JP7315856B2 - 1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents
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Description
本実施形態では、1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(以下、1223xdとも記す)を製造する方法(以下、単に製造方法と記す)を説明する。本製造方法は、1,1,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン(以下、233daとも記す)、あるいは1,2,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン(以下、233abとも記す)から選択されるハロゲン化飽和炭化水素を脱塩化水素して1223xdを生成することを含む。以下、この反応を脱塩化水素と記す。233daと233abは、それぞれ1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(以下、1233zdとも記す)と2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(以下、1233xfとも記す)に塩素を付加する(以下、この反応を塩素付加と記す)ことで生成することができる。これらの反応は以下の反応式(I)で表される。さらに本製造方法は、1223xdの幾何異性化を含む。以下、それぞれの反応について説明する。
塩素付加における出発物質としては、1233xdと1233xfのいずれか一方、あるいは両者を含む混合物を用いることができる。混合物を用いる場合、その混合比にも制約はなく、任意の混合比の混合物を用いればよい。1233xdと1233xfの塩素化によって233daと233abの両方を含む混合生成物が得られ、この混合生成物を脱塩化水素することで1223xdを得ることができる。1233zdとしては、幾何異性体である(E)1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))、(Z)1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(Z))のいずれを用いてもよい。例えばいずれか一方の異性体のみを用いてもよく、これら幾何異性体の混合物を用いてもよい。
脱塩化水素は、233da、あるいは233abを気相中にて活性炭触媒と接触させることによって行う。具体的には、反応管に活性炭触媒を充填し、気体状の233da、あるいは233abを活性炭触媒と接触させる。反応の方式としては、固定床型気相反応、流動床型気相反応などの方式をとることができる。
脱塩化水素によって得られる1223xdはシス体とトランス体を含むが、これらの異性体を異性化によって相互に変換することができ、これにより、一方の異性体を優先的に生成することが可能である。異性化の方法は特に限定されないが、金属、金属酸化物、金属ハロゲン化物、活性炭、あるいはこれらの複合物(例、金属担持活性炭)の固体触媒を用いる気相反応が挙げられる。金属ハロゲン化物としては、フッ素化アルミナ、フッ素化クロミア、フッ素化チタニア、フッ素化ジルコニアなどを用いることができる。
異性化においては、脱塩化水素後の未精製の1223xdを使用することができる。したがって、1223xd(Z)と1223xd(E)の混合物も使用可能である。目的化合物として1223xd(Z)を得たい場合、つまり、1223xd(E)から1223xd(Z)に変換する場合、原料中に存在する1223xd(E)は、少なくとも50重量%、好ましくは70重量%、より好ましくは90重量%含まれていることが好適である。一方、1223xd(Z)の含有率が高い原料を用いてもよいが、この場合、1223xd(E)から1223xd(Z)への見かけ上の転化率は小さくなる。
(1)概要
異性化は、反応系内にラジカルを発生させることで開始される。ラジカルを発生させる方法は特に制限されないが、例えば、光、熱、触媒によってラジカルを発生させる方法が挙げられる。光によってラジカルを発生させる場合は、光増感剤などを併用することも可能である。操作性の観点から、外部からのエネルギー付与によりラジカルを容易に発生するラジカル発生剤を添加する方法が好ましい。
ラジカル発生剤としては、光や熱などの外部エネルギーの付与によってラジカルを発生するものであればよく、特に限定されない。例えば、塩素、臭素などのハロゲン、酸素、オゾン、過酸化水素、窒素酸化物などの酸素含有ガス、または、ハロゲン化炭素などが挙げられる。酸素を用いる場合、空気を用いてもよい。上記のラジカル発生剤の中で、安価で入手のし易さから、酸素、空気、または塩素が好ましい。空気または酸素は、生成物との分離が容易であるので、特に好ましい。
ラジカル機構ではラジカルは連鎖的に生成するので、ラジカル発生剤は触媒量添加することで異性化を行うことができる。これにより、ラジカル発生剤の効率的な使用が可能となり、かつ、反応後におけるラジカル発生剤と1223xd(Z)の分離工程への負荷が軽減される。例えば比較的分離が容易な空気を用いる場合でも、添加量を抑制することで、凝縮工程や蒸留工程の能力の低下を回避することができる。また、塩素を用いる場合、塩素付加体の副生を抑制することができる。1223xd(Z)に塩素が付加した化合物は、地球温暖化、オゾン層破壊物質であるHCFCであるので、塩素付加体の副生は少ない方が好ましい。
異性化はバッチ式または流通式を適用することができるが、工業的に生産性の高い気相流通方式が好ましい。異性化における圧力に特に制限が無いが、異性化は常圧近傍で行うことが好ましい。1MPa以上の加圧反応は高価な耐圧性の装置が必要となるだけでなく、原料または生成物の重合が懸念されるため好ましくない。
1223xd(Z)/1223xd(E)の平衡比は、温度が低い程大きくなる。このため、1223xd(Z)を目的化合物とする場合、異性化の温度は150℃以上700℃以下、好ましくは200℃以上700℃以下、より好ましくは300℃以上650℃以下である。150℃よりも反応温度が低いとラジカルが十分に発生しないので、反応速度が非常に小さくなることがある。一方、700℃よりも高い場合は、原料または生成物がオイル状の高沸物に変化したり(タール化)、コーキングしたりするので好ましくない。
耐圧硝子社製SUS316オートクレーブ(200mL)に1233zd(E)を91.23g(0.70mol)加えた。オートクレーブを密閉した後、反応液を撹拌しながら加熱し、内温が65℃になった時点でオートクレーブ内の圧力が0.8MPaとなるように塩素を注入した。この後、圧力が0.8MPa付近を維持するよう塩素を断続的に注入した。塩素供給量が54.30g(0.77mol)になった時点(約4時間後)で塩素の供給を停止し、さらに80℃に昇温して2時間攪拌を継続した。冷却後、反応液を抜出し、水で洗浄し、ガスクロマトグラフィー(アジレント社製、型番7890B。以下同じ)で分析を行った。ガスクロマトグラフィーの分析結果から、1233zd(E)の転化率は99.96%であり、233daへの選択率は98.04%であった。また、1233zd(E)基準の233da収率は98.00%であった。
耐圧硝子社製SUS316オートクレーブ(1500mL)に1233zd(E)を652.45g(5.00mol)加えた。オートクレーブを密閉した後、反応液を撹拌しながら加熱し、内温が80℃になった時点でオートクレーブ内の圧力が0.8MPaとなるように塩素を注入した。この後、圧力が0.8MPa付近を維持するよう塩素を断続的に注入した。塩素供給量が355.00g(5.00mol)になった時点(約5.5時間後)で塩素の供給を停止し、さらに2時間攪拌を継続した。冷却後、反応液を抜出すことで1007.01gの233daを得た。得られた生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、1233zd(E)の転化率は99.40%であり、233daへの選択率は96.94%であった。また、1233zd(E)基準の233da収率は96.36%であった。
耐圧硝子社製SUS316オートクレーブ(1500mL)に1233zd(E)を653.40g(5.01mol)を加え、オートクレーブを密閉し、さらにオートクレーブに塩素を101.50g(1.43mol)注入した。反応液を撹拌しながら80℃まで昇温した。この時の内圧は0.95MPaであった。その後、内圧が0.57MPa以上を維持するよう、塩素を断続的に注入した。塩素供給の開始後、加えた塩素の総量が359.00g(5.06mol)となった時点(2.4時間)で塩素の供給を停止し、さらに反応液を90℃に昇温して2時間攪拌を継続した。冷却後、反応液を抜出し、1011.42gの233daを得た。生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、1233zd(E)の転化率は99.82%であり、233daへの選択率は97.27%であった。また、1233zd(E)基準の233da収率は97.09%であった。
耐圧硝子社製SUS316オートクレーブ(200mL)に1233zd(E)を12.87g(98.62mmol)加え、オートクレーブを密閉し、さらに塩素を2.46g(34.64mmol)オートクレーブに注入した。反応液を撹拌しながらウォーターバスを用いて昇温したところ、内温が60℃を越えたあたりから、反応の進行を示唆する圧力低下が観察された。圧力低下が観察されなくなるまで温度を65℃に維持し、その後80℃に昇温し、攪拌を2時間維持した。冷却後、反応液を抜出し、10wt%亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、ガスクロマトグラフィーで分析を行った。その結果、1233zd(E)の転化率は36.70%であり、233daへの選択率は80.78%であった。また、1233zd(E)基準の233da収率は29.64%であり、塩素基準の233da収率は84.40%であった。
耐圧硝子社製SUS316オートクレーブ(300mL)に1233zd(Z)を40.20g(308.04mmol)加え、オートクレーブを密閉し、さらに塩素を4.90g(69.01mmol)オートクレーブに注入した。反応液を撹拌しながらウォーターバスを用いて昇温したところ、内温が65℃を越えたあたりから、反応の進行を示唆する圧力低下が観察された。圧力低下が観察されなくなるまで温度を65℃に維持し、その後70℃に昇温し、攪拌を2時間維持した。冷却後、反応液を抜出し、未洗浄のままガスクロマトグラフィーで分析を行った。その結果、1233zdの転化率は23.00%であり、233daへの選択率は98.83%であった。また、1233zd(Z)基準の233da収率は22.73%であり、塩素基準の233da収率は100%であった。
耐圧硝子社製SUS316オートクレーブ(200mL)に1233zd(E)を13.04g(99.92mmol)を加え、オートクレーブを氷水で冷却しながら塩素を4.63g(65.21mmol)オートクレーブに加えた。反応温度を0℃に保つために氷で冷却しながら撹拌を行った。この時の圧力は0.15MPaであった。7時間後の圧力は0.15MPaを維持していた。反応液を抜出し、10wt%亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄してからガスクロマトグラフィーで分析を行った。1233zd(E)の転化率は6.76%であり、233daへの選択率は96.45%であった。また、1233zd(E)基準の、233da収率は6.52%であり、塩素基準の、233da収率は9.93%であった。
粒状活性炭(白鷺G2x4/6:日本エンバイロケミカル株式会社製、比表面積1200m2/g、細孔容積0.86cm3/g)50mLを充填した金属製電気ヒーターを備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径25mm、長さ300mm)に窒素を10mL/minの流速で流しながら徐々に昇温し、反応管の温度が250℃に達したところで、233daを含む塩素付加の粗生成物を気化させ、約0.25g/minの流速で3時間かけて233da44.5gを供給した(接触時間107秒)。この間の反応管内の温度は240℃以上250℃以下であった。反応管から流出する生成ガスを氷水浴中で冷却した水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通し、塩化水素の吸収および反応生成物の捕集を行った。捕集された33.4gの粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、組成は、1223xdが97.82%(内訳、1223xd(Z)92.74%、1223xd(E)5.08%)であった。1223xdの収率は、91.4%であった。
粒状活性炭(白鷺G2x4/6:大阪ガスケミカル株式会社製、比表面積1150m2/g、細孔容積0.51cm3/g、ヤシ殻由来)50mLを充填した金属製電気ヒーターを備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径25mm、長さ300mm)に窒素を45mL/minの流速で流しながら徐々に昇温し、反応管の温度が250℃に達したところで、233daを含む塩素付加の粗生成物を気化させた。窒素を3mL/minの流速で流しながら原料の流速を安定化させた。原料の流速が安定したところで窒素の供給を停止し、約0.65g/minの流速で1時間かけて233da39.0gを供給した(接触時間42秒)。この間の反応管内の温度は250℃であった。反応管から流出する生成ガスを氷水浴中で冷却した水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通し、塩化水素の吸収および反応生成物の捕集を行った。捕集された27.4gの粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、組成は、1223xdが97.96%(内訳、1223xd(Z)93.51%、1223xd(E)4.45%)であった。1223xdの収率は、96.5%であった。
粒状活性炭(白鷺C2x4/6:大阪ガスケミカル株式会社製、比表面積1300m2/g、細孔容積0.53cm3/g、ヤシ殻由来)50mLを充填した金属製電気ヒーターを備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径25mm、長さ300mm)に窒素を45mL/minの流速で流しながら徐々に昇温し、反応管の温度が250℃に達したところで、233daを含む塩素付加の粗生成物を気化させた。窒素を3mL/minの流速で流しながら原料の流速を安定化させた。原料の流速が安定したところで窒素の供給を停止し、約0.67g/minの流速で1時間かけて233da40.3gを供給した(接触時間40秒)。この間の反応管内の温度は250℃であった。反応器から流出する生成ガスを氷水浴中で冷却した水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通し、塩化水素の吸収および反応生成物の捕集を行った。捕集された28.7gの粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、組成は、1223xdが97.42%(内訳、1223xd(Z)93.11%、1223xd(E)4.31%)であった。1223xdの収率は、96.2%であった。
粒状活性炭(白鷺GS3x4/6:大阪ガスケミカル株式会社製、比表面積1000m2/g、細孔容積0.45cm3/g、ヤシ殻由来)50mLを充填した金属製電気ヒーターを備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径25mm、長さ300mm)に窒素を45mL/minの流速で流しながら徐々に昇温し、反応管の温度が250℃に達したところで、233daを含む塩素付加の粗生成物を気化させた。窒素を3mL/minの流速で流しながら原料の流速を安定化させた。原料の流速が安定したところで窒素の供給を停止し、約0.67g/minの流速で1時間かけて233da40.2gを供給した(接触時間40秒)。この間の反応管内の温度は250℃であった。反応器から流出する生成ガスを氷水浴中で冷却した水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通し、塩化水素の吸収および反応生成物の捕集を行った。捕集された27.9gの粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、組成は、1223xdが97.78%(内訳、1223xd(Z)92.64%、1223xd(E)5.14%)であった。1223xdの収率は、95.7%であった。
粒状活性炭(白鷺GA3x4/6:大阪ガスケミカル株式会社製、比表面積750m2/g、細孔容積0.36cm3/g、ヤシ殻由来)50mLを充填した金属製電気ヒーターを備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径25mm、長さ300mm)に窒素を45mL/minの流速で流しながら、徐々に昇温し、反応管の温度が250℃に達したところで、233daを含む塩素付加の粗生成物を気化させた。窒素を3mL/minの流速で流しながら原料の流速を安定化させた。原料の流速が安定したところで窒素の供給を停止し、約0.66g/minの流速で1時間かけて233da39.6gを供給した(接触時間41秒)。この間の反応管内の温度は250℃であった。反応器から流出する生成ガスを氷水浴中で冷却した水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通し、塩化水素の吸収および反応生成物の捕集を行った。捕集された27.7gの粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、組成は、1223xdが97.78%(内訳、1223xd(Z)90.00%、1223xd(E)8.06%)であった。1223xdの収率は、96.3%であった。
粒状活性炭(白鷺WH5x4/6:大阪ガスケミカル株式会社製、比表面積1000m2/g、細孔容積0.55cm3/g、石炭系)50mLを充填した金属製電気ヒーターを備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径25mm、長さ300mm)に窒素を45mL/minの流速で流しながら徐々に昇温し、反応管の温度が250℃に達したところで、233daを含む塩素付加の粗生成物を気化させた。窒素を3mL/minの流速で流しながら原料の流速を安定化させた。原料の流速が安定したところで窒素の供給を停止し、約0.66g/minの流速で45分間かけて233da29.8gを供給した(接触時間41秒)。この間の反応管内の温度は250℃であった。反応器から流出する生成ガスを氷水浴中で冷却した水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通し、塩化水素の吸収および反応生成物の捕集を行った。捕集された19.5gの粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、組成は、1223xdが98.04%(内訳、1223xd(Z)89.11%、1223xd(E)8.93%)であった。1223xdの収率は、94.8%であった。
球状活性炭(白鷺X7100H:大阪ガスケミカル株式会社製、比表面積1000m2/g、細孔容積0.55 cm3/g、石炭系)50mLを充填した金属製電気ヒーターを備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径25mm、長さ300mm)に窒素を45mL/minの流速で流しながら徐々に昇温し、反応管の温度が250℃に達したところで、233daを含む塩素付加の粗生成物を気化させた。窒素を3mL/minの流速で流しながら原料の流速を安定化させた。原料の流速が安定したところで窒素の供給を停止し、約0.66g/minの流速で45分間かけて233da29.8gを供給した(接触時間41秒)。この間の反応管内の温度は250℃であった。反応器から流出する生成ガスを氷水浴中で冷却した水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通し、塩化水素の吸収および反応生成物の捕集を行った。捕集された19.5gの粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、組成は、1223xdが98.23%(内訳、1223xd(Z)92.17%、1223xd(E)6.06%)であった。1223xdの収率は、94.8%であった。
粒状活性炭(白鷺G2x4/6:大阪ガスケミカル株式会社製、比表面積1150m2/g、細孔容積0.51cm3/g、ヤシ殻由来)50mLを充填した金属製電気ヒーターを備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径25mm、長さ300mm)に窒素を45mL/minの流速で流しながら徐々に昇温し、反応管の温度が275℃に達したところで、233daを含む塩素付加の粗生成物を気化させた。窒素を3mL/minの流速で流しながら原料の流速を安定化させた。原料の流速が安定したところで窒素の供給を停止し、約0.67g/minの流速で30分間かけて233da20.1gを供給した(接触時間40秒)。この間の反応管内の温度は275℃であった。反応器から流出する生成ガスを氷水浴中で冷却した水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通し、塩化水素の吸収および反応生成物の捕集を行った。捕集された12.5gの粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、組成は、1223xdが97.57%(内訳、1223xd(Z)93.85%、1223xd(E)3.72%)であった。1223xdの収率は、95.0%であった。
粒状活性炭(白鷺G2x4/6:大阪ガスケミカル株式会社製、比表面積1150m2/g、細孔容積0.51cm3/g、ヤシ殻由来)50mLを充填した金属製電気ヒーターを備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径25mm、長さ300mm)に窒素を45mL/minの流速で流しながら徐々に昇温し、反応管の温度が175℃に達したところで、233daを含む塩素付加の粗生成物を気化させた。窒素を3mL/minの流速で流しながら原料の流速を安定化させた。原料の流速が安定したところで窒素の供給を停止し、約0.65g/minの流速で35分間かけて233da22.7gを供給した(接触時間40秒)。この間の反応管内の温度は175℃であった。反応器から流出する生成ガスを氷水浴中で冷却した水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通し、塩化水素の吸収および反応生成物の捕集を行った。捕集された14.4gの粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、組成は、1223xdが95.56%(内訳、1223xd(Z)85.66%、1223xd(E)9.90%)であった。1223xdの収率は、92.0%であった。
粒状活性炭(白鷺G2x4/6:大阪ガスケミカル株式会社製、比表面積1150m2/g、細孔容積0.51cm3/g、ヤシ殻由来)50mLを充填した金属製電気ヒーターを備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径25mm、長さ300mm)に窒素を45mL/minの流速で流しながら、徐々に昇温し、反応管の温度が150℃に達したところで、233daを含む塩素付加の粗生成物を気化させた。窒素を3mL/minの流速で流しながら原料の流速を安定化させた。原料の流速が安定したところで窒素の供給を停止し、約0.64g/minの流速で30分間かけて233da19.3gを供給した(接触時間42秒)。この間の反応管内の温度は150℃であった。反応器から流出する生成ガスを氷水浴中で冷却した水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通し、塩化水素の吸収および反応生成物の捕集を行った。捕集された13.5gの粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、組成は、1223xdが55.83%(内訳、1223xd(Z)49.74%、1223xd(E)6.09%)であった。1223xdの収率は、54.7%であった。
粒状活性炭(白鷺G2x4/6:大阪ガスケミカル株式会社製、比表面積1150m2/g、細孔容積0.51cm3/g、ヤシ殻由来)50mLを充填した金属製電気ヒーターを備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径25mm、長さ300mm)に窒素を45mL/minの流速で流しながら、徐々に昇温し、反応管の温度が250℃に達したところで、233daを含む塩素付加の粗生成物を気化させた。窒素を3mL/minの流速で流しながら原料の流速を安定化させた。原料の流速が安定したところで窒素の供給を停止し、約1.37g/minの流速で30分間かけて233da41.2gを供給した(接触時間20秒)。この間の反応管内の温度は250℃であった。反応器から流出する生成ガスを氷水浴中で冷却した水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通し、塩化水素の吸収および反応生成物の捕集を行った。捕集された29.3gの粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、組成は、1223xdが96.90%(内訳、1223xd(Z)91.43%、1223xd(E)5.47%)であった。1223xdの収率は、95.3%であった。
粒状活性炭(白鷺G2x4/6:大阪ガスケミカル株式会社製、比表面積1150m2/g、細孔容積0.51cm3/g、ヤシ殻由来)50mLを充填した金属製電気ヒーターを備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径25mm、長さ300mm)に窒素を45mL/minの流速で流しながら、徐々に昇温し、反応管の温度が250℃に達したところで、233daを含む塩素付加の粗生成物を気化させた。窒素を3mL/minの流速で流しながら原料の流速を安定化させた。原料の流速が安定したところで窒素の供給を停止し、約0.88g/minの流速で30分間かけて233da53.0gを供給した(接触時間31秒)。この間の反応管内の温度は250℃であった。反応器から流出する生成ガスを氷水浴中で冷却した水入りのフッ素樹脂製ガス洗浄瓶に通し、塩化水素の吸収および反応生成物の捕集を行った。捕集された38.3gの粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、組成は、1223xdが96.90%(内訳、1223xd(Z)93.45%、1223xd(E)4.55%)であった。1223xdの収率は、96.6%であった。
外部加熱装置を具備する空塔の円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS316L製、内径6mm、長さ260mm)に約100mL/分の流速で窒素ガスを流しながら反応管を加熱した。
Claims (15)
- 液相中、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、および2-クロロ―3,3,3-トリフルオロプロペンから選択されるハロゲン化オレフィンに塩素を付加して1,1,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン、および1,2,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパンから選択されるハロゲン化飽和炭化水素を生成すること、および
活性炭を含む触媒、および塩素の存在下、前記ハロゲン化飽和炭化水素を脱塩化水素することを含む、1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する方法。 - 前記ハロゲン化飽和炭化水素は1,1,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパンである、請求項1に記載の方法。
- 前記脱塩化水素において、前記塩素の量は、前記ハロゲン化飽和炭化水素の量に対して0.1モル%以上30モル%以下である、請求項1に記載の方法。
- 前記脱塩化水素は気相中で行われる、請求項1に記載の方法。
- 前記脱塩化水素は、前記触媒が充填された反応管に気体状の前記ハロゲン化飽和炭化水素を供給することで行う、請求項1に記載の方法。
- 前記ハロゲン化オレフィンは1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンである、請求項1に記載の方法。
- 前記塩素の付加は、50℃以上200℃以下の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
- 前記塩素の付加は、0.1MPa以上5MPa以下の圧力下で行われる、請求項1に記載の方法。
- 前記脱塩化水素は、塩素、および精製された前記ハロゲン化飽和炭化水素とを前記反応管に供給することによって行われる、請求項5に記載の方法。
- 前記脱塩化水素は、前記塩素の付加によって得られる粗生成物を精製することなく、前記触媒が充填された反応管に供給することによって行われる、請求項1に記載の方法。
- 前記脱塩化水素は、塩素を追加的に供給することなく行われる、請求項10に記載の方法。
- 1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを幾何異性化することをさらに含む請求項1に記載の方法。
- 前記幾何異性化は、(E)-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの(Z)-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンへの異性化を含む、請求項12に記載の方法。
- 前記幾何異性化は、ラジカル発生剤の存在下で行う、請求項12に記載の方法。
- 前記ラジカル発生剤が、塩素、酸素、臭素、空気、過酸化水素、オゾン、窒素酸化物、ハロゲン化炭素から選択される、請求項14に記載の方法。
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