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JP7272052B2 - リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法 Download PDF

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JP7272052B2 JP2019063232A JP2019063232A JP7272052B2 JP 7272052 B2 JP7272052 B2 JP 7272052B2 JP 2019063232 A JP2019063232 A JP 2019063232A JP 2019063232 A JP2019063232 A JP 2019063232A JP 7272052 B2 JP7272052 B2 JP 7272052B2
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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法に関するものである。
近年、スマートフォン、タブレット端末、デジタルカメラ、ノート型パソコンなどの携帯電子機器が普及するに伴い、エネルギー密度が高く、小型軽量化が可能なリチウムイオン二次電池の需要が高まっている。また、ハイブリット自動車をはじめとする電気自動車用の駆動用あるいは補機用の電池として、高出力のリチウムイオン二次電池の需要が高まっている。更に、正極、負極及び電解質が全て固体からなる全固体電池の実用化が期待されている。
上記の特徴を有するリチウムイオン二次電池は、負極、正極及び電解質から主に構成され、これらのうち、充放電に伴いリチウムの脱離及び挿入が生じる負極及び正極の活物質には、様々な材料が提案されており、現在も研究開発が盛んに行われている。特に、層状又はスピネル型のリチウム金属複合酸化物を正極材料に用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、既に実用化が進んでいる。
これまで提案されている主なリチウム金属複合酸化物の材料としては、合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、コバルトよりも安価なニッケルを用いたリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、マンガンを用いたリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)、ニッケル及びマンガンを両方用いたリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)などを挙げることができる。これらのうち、ニッケルを含んだリチウムニッケル複合酸化物やリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物、ニッケルの一部をコバルトやアルミニウムで置換したリチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物などのリチウムニッケル系複合酸化物は、高容量が得られる材料として注目されており、更なる高出力化に必要な低抵抗化を目指して研究が続けられている。
ところで、粉粒体の形態を有する上記のリチウムニッケル系複合酸化物においては、電池特性を向上させるため、その粒子表面を被覆することが行われている。例えば特許文献1には、リチウムニッケル系複合酸化物粉末と、リチウムを含まないタングステン化合物粉末とを混合して熱処理を施すことで、各リチウムニッケル系複合酸化物粒子の表面部に含まれる水酸化リチウムにタングステン化合物を反応させて、タングステンを含有する被覆層で被覆されたリチウム遷移金属系化合物粒子を製造する手法が提案されている。
これにより、リチウム二次電池正極材料用の被覆されたリチウム遷移金属系化合物粒子を容易且つ高い生産性で製造することができるので、工業的規模での製造が可能になると記載されている。なお、特許文献1には、リチウムニッケル系複合酸化物粒子の表面部に含まれるタングステン化合物として、LiWO及びLiWOの2種類が挙げられている。
特開2017-134996号公報
上記のように、リチウムイオン二次電池においては、環境自動車の車載用などに用途が広がるに従い、更なる高出力化及び低抵抗化などの電池性能の向上を目指して正極活物質を含んだ正極材料の特性をより一層向上させることが求められている。しかしながら、上記特許文献1に開示されているような従来の被覆されたリチウムニッケル系複合酸化物粒子及びその製造方法では、出力性能にばらつきが生ずることがあった。本発明は係る従来の被覆されたリチウムニッケル系複合酸化物粒子が抱える問題点に鑑みてなされたものであり、正極材に用いられた場合に高出力が得られるリチウムイオン二次電池用正極活物質を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、リチウムイオン二次電池用正極活物質として用いられているリチウムニッケル系複合酸化物の粉体特性、及び電池の正極抵抗に対する影響について鋭意研究したところ、タングステンを含まないリチウムニッケル系複合酸化物からなる母材粉末とタングステン化合物粉末とを混合した後、該母材粉末の各粒子表面にリチウムタングステン化合物で被覆する際、該母材粉末に含まれる水酸化リチウムのモル量に対する上記タングステン化合物粉末に含まれるタングステンのモル量の比が、被覆後のタングステン化合物からなる被覆層の形態に影響を及ぼすことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法は、一般式LiNi1-a-b-cCo(但し、0≦a≦0.35、0.01≦b≦0.30、0≦c≦0.35、0.97≦d≦1.15、MはMn、Ca、V、Mg、Mo、Nb、Ti及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される被覆されたリチウムニッケル系複合酸化物粉末からなる正極活物質の製造方法であって、タングステンを含まないリチウムニッケル系複合酸化物からなる母材粉末と、タングステン化合物粉末とを混合して混合物を得る混合工程と、該混合物を熱処理してリチウムタングステン化合物で被覆されたリチウムニッケル系複合酸化物粉末を得る熱処理工程とを有し、前記混合工程において、前記母材粉末に含まれる水酸化リチウムのモル量xに対する前記タングステン化合物粉末に含まれるタングステンのモル量yの比y/xが0.2を超え1.8未満であることを特徴としている。
また、本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質は、一般式LiNi1-a-b-cCo(但し、0≦a≦0.35、0.01≦b≦0.30、0≦c≦0.35、0.97≦d≦1.15、MはMn、Ca、V、Mg、Mo、Nb、Ti及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される被覆されたリチウムニッケル系複合酸化物粉末からなる正極活物質であって、X線回折法により同定したときにリチウムニッケル系複合酸化物と共にLiWO の回折パターンに帰属されるピークのみを示す被覆層で前記被覆されていることを特徴としている。
本発明によれば、従来よりも高出力のリチウムイオン二次電池用正極活物質を工業的規模で容易に提供することができる。
電池のインピーダンス評価の測定例と、解析に使用した等価回路の概略説明図である。 本発明の実施例の電池評価に用いたコイン型電池の斜視図及び縦断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法について、下記の記載順に説明する。なお、本発明は以下の説明の内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更例や代替例を含むことができる。
1.リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
2.リチウムイオン二次電池用正極活物質
3.電池評価
1.リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
以下、本発明の実施形態に係る正極活物質の製造方法について工程ごとに詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、後述する本発明の実施形態の正極活物質を作製できるのであれば下記の製造方法以外の方法を用いてもかまわない。本発明の実施形態のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法は、一般式(1):LiNi1-a-b-cCo(但し、0≦a≦0.35、0.01≦b≦0.30、0≦c≦0.35、0.97≦d≦1.15、MはMn、Ca、V、Mg、Mo、Nb、Ti及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される被覆されたリチウムニッケル系複合酸化物粉末からなるリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法である。
この被覆されたリチウムニッケル系複合酸化物粉末の製造方法は、タングステンを含まないリチウムニッケル系複合酸化物からなる母材粉末と、タングステン化合物粉末とを混合して混合物を得る混合工程と、該混合物を熱処理することで該母材粉末の各粒子表面をリチウムタングステン化合物からなる被覆層で被覆し、リチウムタングステン化合物で被覆されたリチウムニッケル系複合酸化物粉末を得る熱処理工程とを有している。そして、上記の混合工程において、上記母材粉末に含まれる水酸化リチウムのモル量xに対する上記タングステン化合物粉末に含まれるタングステンのモル量yの比y/xが0.2を超え1.8未満である。以下、これら混合工程及び熱処理工程の各々について具体的に説明する。
[混合工程]
混合工程は、一次粒子若しくは該一次粒子が凝集して構成された二次粒子、又はこれら一次粒子及び二次粒子が混在してものからなるリチウムニッケル系複合酸化物粉末にタングステン化合物粉末を添加して混合する工程である。リチウムニッケル系複合酸化物粉末は、上記のように一次粒子及び/又は該一次粒子が凝集して構成された二次粒子からなるものであればよく、これは公知の技術を用いて作製することができる。例えば、リチウムニッケル系複合酸化物を構成する金属元素を共沈殿させてニッケル複合水酸化物を生成した後、該ニッケル複合水酸化物を更に酸化雰囲気で熱処理して得られるニッケル複合酸化物とリチウム化合物とを混合して焼成することでリチウムニッケル系複合酸化物粒子を得ることができる。
このリチウムニッケル系複合酸化物粒子は、最終的に得られる正極活物質の母材となるものであるため、その組成は母材と同様の一般式(2):LiNi1-a-bCo(但し、0≦a≦0.35、0≦c≦0.35、0.97≦d≦1.15、MはMn、Ca、V、Mg、Mo、Nb、Ti及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素)に調整される。この母材としてのリチウムニッケル系複合酸化物粉末にタングステン化合物粉末を添加する方法としては、タングステン化合物粉末を、水を含んだ湿潤状態のリチウム金属複合酸化物粒子に添加して混合する方法を用いることができる。この方法により、リチウムニッケル系複合酸化物に含有される水分中にタングステン化合物が溶解してリチウムニッケル系複合酸化物粉末に浸透することで、リチウムニッケル系複合酸化物粉末を構成する電解液と接触可能な一次粒子表面にタングステン(W)を分散させることができる。
なお、本発明の実施形態に係る正極活物質の製造方法においては、正極活物質の品質を向上させるため、上記混合工程の前に母材としてのリチウムニッケル系複合酸化物粉末を予め水洗することが好ましい。この水洗方法には特に限定はなく、公知の方法及び条件でかまわない。但し、過度に水洗するとリチウム金属複合酸化物粉末からリチウムが溶出して電池特性が劣化するおそれがあるので、このような劣化が生じない範囲で十分に洗浄するのが好ましい。このようにして水洗処理することで得た湿潤状態の洗浄ケーキか、あるいは単に母材粉末に水を添加して得た湿潤状態の粉末に対して、タングステン化合物粉末を混合して、リチウムニッケル系複合酸化物粒子とタングステン化合物粉末との混合物(タングステン混合物とも称する)を得る。
このタングステン化合物は、二次粒子内部の一次粒子表面まで浸透させるため、混合物に含有される水分に溶解する水溶性であることが望ましい。また、混合物中の水分はリチウムの溶出によってアルカリ性となるため、アルカリ性において溶解可能な化合物であってもよい。また、上記混合物は、後工程の熱処理工程で加熱されるため、常温では水に溶解させることが困難であっても、熱処理工程時の加温で水に溶解するか、若しくはリチウムニッケル系複合酸化物粉末の各粒子表面部のリチウム化合物と反応してタングステン酸リチウムを形成して溶解するものであるのが好ましい。更に、溶解したタングステン化合物は、二次粒子内部の一次粒子表面まで浸透できる量があればよいため、上記混合工程の完了時、あるいはその後工程の熱処理工程の完了時に一部が固体の状態になっていてもよい。
上記のように、タングステン化合物は、熱処理工程の加熱の際に水に溶解可能な状態となっていればよく、このようなタングステン化合物としては、酸化タングステン、タングステン酸、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸リチウムなどを挙げることができる。これらの中では、不純物混入の可能性が低い酸化タングステン(WO)又は一水和物のタングステン酸(WO・HO)が好ましい。
上記の湿潤状態の母材粉末とタングステン化合物との混合は、雰囲気温度50℃以下で行うことが好ましい。この雰囲気温度が50℃を超えると、混合中の乾燥によりリチウム化合物とタングステン化合物との反応を促進させるために必要な混合物中の水分量が得られないことがある。上記の湿潤状態のリチウムニッケル系複合酸化物粉末とタングステン化合物粉末との混合には、一般的な混合機を用いることができる。例えば、シェーカーミキサー、レーディゲミキサー、ジュリアミキサー、Vブレンダーなどを用いるのが好ましい。その際、リチウムニッケル系複合酸化物粒子の形骸が破壊されない程度の条件で十分に混合するのが好ましい。
本発明の実施形態の製造方法における湿潤状態のリチウムニッケル系複合酸化物粉末とタングステン化合物粉末との混合工程において、添加するタングステンの量は、最終的に得られる正極活物質に含まれるタングステンの量に一致する。したがって、この混合工程における母材粉末とタングステン化合物との配合割合は、リチウムニッケル系複合酸化物粉末中に含まれる水酸化リチウムのモル量xに対するタングステン化合物粉末中のタングステンのモル量yの比y/xが0.2を超え1.8未満となるように調整する。
これにより、リチウムニッケル系複合酸化物粉末からの過剰なLiの溶出を抑制するとともに、Liイオンの移動を促す効果が高いタングステン酸リチウムの生成を促進することができる。これにより、母材粉末を構成する一次粒子の表面に形成されるタングステン化合物からなる被覆層の形態をイオン伝導性の高いLiWOにすることができ、その結果、正極活物質の高出力化が可能になる。
上記のモル比y/xが0.2以下では、添加したタングステン量が十分でなく、生成したリチウムタングステン化合物の効果を十分に発現することができず、抵抗が増大して出力が低下するため好ましくない。逆に上記のモル比y/xが1.8以上では、添加したタングステン量が過剰となり、LiWOよりもイオン伝導性に劣るLiWOやLiが生成したり、未反応のタングステン化合物が残存したりすることで、抵抗低減効果が限定的となってしまうため好ましくない。
リチウムニッケル系複合酸化物粉末中に含まれる水酸化リチウム量は、タングステンを含まないリチウムニッケル系複合酸化物粉末を用いて予備試験を行うことで求めることができる。すなわち、タングステンを含まないリチウムニッケル系複合酸化物粉末を溶液中に分散させ、得られたスラリーに対して、塩酸、硫酸、硝酸及び有機酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸で中和滴定する。この中和滴定で求めたアルカリ分を水酸化リチウム量に換算することにより、タングステンと反応してタングステン化合物を形成することのできる水酸化リチウム量を求めることができる。
[熱処理工程]
熱処理工程は、上記混合工程によりタングステン(W)を分散させたリチウムニッケル系複合酸化物粉末を乾燥すると共に、被覆層を形成する工程である。すなわち、タングステン化合物より供給されるタングステン(W)と、混合後の湿潤状態のリチウムニッケル系複合酸化物粉末中の水分に溶解しているリチウム(Li)とから、W及びLiを含む化合物が形成され、リチウムニッケル系複合酸化物粉末の各一次粒子表面に、W及びLiを含む化合物を有する被覆層が形成される。これにより、リチウムイオン二次電池用正極活物質が得られる。この熱処理方法には特に限定はないが、リチウムイオン二次電池用正極活物質として用いたときの電気特性の劣化を防止するため、雰囲気温度100~250℃の酸化性雰囲気又は真空雰囲気中で熱処理することが好ましい。
この雰囲気温度が100℃未満では、水分の蒸発が十分ではなく、化合物が十分に形成されない場合がある。逆にこの雰囲気温度が250℃を超えると、乾燥に時間がかかるだけでなく製造装置も大規模になり、工業的規模での製造に適さない。熱処理時の雰囲気を酸素雰囲気などの酸化性雰囲気又は真空雰囲気とする理由は、雰囲気中の水分や炭酸との反応を避けるためである。
熱処理時間にも特に限定はないが、湿潤状態のリチウムニッケル複合酸化物粉末の水分を十分に蒸発させて化合物を形成するため、該熱処理工程の雰囲気温度の温度プロフィールの最高到達温度が0.5時間以上維持されることが好ましい。また、水分のある状態で温度を上げるとリチウムニッケル系複合酸化物粉末からLiの溶出が多くなりすぎるおそれがあるため、湿潤状態の母材粉末の水分が1質量%以上である場合は、100℃を超えない雰囲気温度にすることが望ましい。
2. リチウムイオン二次電池用正極活物質
本発明に係るリチウムイオン二次電池用正極活物質は、一般式LiNi1-a-b-cCo(但し、0≦a≦0.35、0.01≦b≦0.30、0≦c≦0.35、0.97≦d≦1.15、MはMn、Ca、V、Mg、Mo、Nb、Ti及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される一次粒子及び一次粒子が凝集して構成された二次粒子からなるリチウムニッケル系複合酸化物粉末において、前記リチウムタングステン化合物Cが、LiWOであることを特徴とする。LiWOはリチウムイオン伝導性が他のリチウムタングステン化合物よりも高く、リチウムニッケル系複合酸化物表面を被覆した際の抵抗低減効果が高いため好ましい。
3.電池評価
本発明の実施形態の正極活物質は、図2に示すような2032型コイン電池1(以下、コイン型電池と称す)の正極材料に用いることで好適に評価することができる。このコイン型電池1は、ケース2と、このケース2内に収容された電極3とから構成されている。ケース2は、上端部が開口する円筒形状の正極缶2aと、該正極缶2aよりも僅かに小さな外径を有し、下端部が開口する円筒形状の正極缶2aとを、それらの開口側同士を互いに対向させて嵌め合せることで構成される。これら正極缶2aと負極缶2bとによって形成される空間内部に電極3が収容されている。この電極3は、正極3a、セパレータ3c及び負極3bがこの順に下から上に積層した構造を有しており、正極3aは正極缶2aの内面に接触しており、負極3bは負極缶2bの内面に接触している。
これら正極缶2aと負極缶2bの両周縁部には、それらが互いに非接触の状態を維持するようにガスケット2cが設けられている。このガスケット2cは、正極缶2a及び負極缶2bが互いに相対的に移動しないように固定する役割を担っている。このガスケット2cは、更に正極缶2aと負極缶2bとの隙間を密封して、ケース2の内側を外部から気密・液密に遮断する機能も有している。
上記の図2に示すコイン型電池1は、例えば以下のようにして製作することができる。先ずリチウムイオン二次電池用正極活物質52.5mg、アセチレンブラック15mg、及びポリテトラフッ化エチレン樹脂(PTFE)7.5mgを混合し、100MPaの圧力でプレス成形して直径11mm、厚さ100μmの円板状の正極3aを作製する。得られた正極3aを真空乾燥機に装入し、雰囲気温度120℃で12時間かけて乾燥する。
負極3bとして、直径14mmの円盤状に打ち抜かれた銅箔の片面に、平均粒径20μm程度の黒鉛粉末とポリフッ化ビニリデンとが塗布された負極シートを用意する。セパレータ3cとして、膜厚25μmのポリエチレン多孔膜を用意する。電解液として、1MのLiClOを支持電解質とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等量混合液(富山薬品工業株式会社製)を用意する。露点が-80℃に管理されたAr雰囲気のグローブボックス内で上記の正極3a、負極3b、セパレータ3c及び電解液を用いて上述したコイン型電池1を組み立てる。
製造したコイン型電池1の性能を示す正極抵抗は、以下のように評価した。コイン型電池1を充電電位4.1Vで充電して、周波数応答アナライザ及びポテンショガルバノスタット(ソーラトロン製、1255B)を使用して交流インピーダンス法により測定すると、図1に示すナイキストプロットが得られる。このナイキストプロットは、溶液抵抗、負極抵抗とその容量、及び、正極抵抗とその容量を示す特性曲線の和として表しているため、このナイキストプロットに基づき等価回路を用いてフィッティング計算を行うことで、正極抵抗の値を算出することができる。以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
平均粒径12μmのニッケル複合水酸化物粒子(組成式Ni0.91Co0.045Al0.045(OH))に対して、Li/(Ni+Co+Al)=1.015となるように水酸化リチウムを混合した。得られた混合物を745℃の酸素気流中にて8時間かけて焼成し、冷却した後に解砕した。この解砕した粉末1250gに対して水1Lを添加してスラリーを調製し、このスラリーを撹拌することで水洗処理した。その後、濾過及び乾燥してリチウムニッケル系複合酸化物粉末(水洗粉末)を得た。
この水洗粉末を一部採取して水を加えてスラリーにした後、塩酸で中和滴定してアルカリ分を求めることで、粉末中に含まれる水酸化リチウム量を求めた。このようにして求めた水酸化リチウム量に基づき、水洗粉末に含まれる水酸化リチウムのモル量に対する酸化タングステン中に含まれるタングステンのモル量の比が0.85になるように、これら水洗粉末及び酸化タングステンを配合して混合した。この混合物を雰囲気温度190℃の真空乾燥機内で熱処理してタングステン被覆リチウムニッケル系複合酸化物粉末からなる正極活物質を作製した。
得られたタングステン被覆リチウムニッケル系複合酸化物粉末をX線回折法により同定したところ、リチウムニッケル系複合酸化物と共に、LiWOの回折パターンに帰属されるピークが確認された。最後に目開き38μmの篩にかけ解砕することにより、一次粒子表面にタングステン酸リチウムの化合物を有する正極活物質を得た。
得られた正極活物質のタングステン含有量及びLi/MeをICP法により分析したところ、タングステン含有量はNi、Co及びMの原子数の合計に対して0.07原子%の組成であることが確認され、そのLi/Meは0.973であった。得られた正極活物質を使用して作製された正極を有する図2に示すコイン型電池1の正極抵抗を評価したところ、2.75Ωであった。以下、実施例2、参考例及び比較例1~3については、上記実施例1と変更した物質、条件のみを示す。また、実施例1~2、参考例及び比較例1~3の正極抵抗の評価値を表1に示す。
[実施例2]
水洗粉末に含まれる水酸化リチウムのモル量に対する酸化タングステン中に含まれるタングステンのモル量の比を0.85に代えて0.25とした以外は実施例1と同様にしてタングステン被覆リチウムニッケル系複合酸化物粉末からなる正極活物質を作製した。得られたタングステン被覆リチウムニッケル系複合酸化物粉末をX線回折法により同定したところ、リチウムニッケル系複合酸化物と共に、LiWOの回折パターンに帰属されるピークが確認された。また、タングステン含有量をICP法により分析したところ、Ni、Co及びMの原子数の合計に対してのタングステン含有量は0.02原子%であった。
参考例
水洗粉末に含まれる水酸化リチウムのモル量に対する酸化タングステン中に含まれるタングステンのモル量の比を0.85に代えて1.77とした以外は実施例1と同様にしてタングステン被覆リチウムニッケル系複合酸化物粉末からなる正極活物質を作製した。得られたタングステン被覆リチウムニッケル系複合酸化物粉末をX線回折法により同定したところ、リチウムニッケル系複合酸化物と共に、LiWOと(LiWO)(HO)の回折パターンに帰属されるピークが確認された。また、タングステン含有量をICP法により分析したところ、Ni、Co及びMの原子数の合計に対してのタングステン含有量は0.16原子%であった。
[比較例1]
水洗粉末に含まれる水酸化リチウムのモル量に対する酸化タングステン中に含まれるタングステンのモル量の比を0.85に代えて1.85とした以外は実施例1と同様にしてタングステン被覆リチウムニッケル系複合酸化物粉末からなる正極活物質を作製した。得られたタングステン被覆リチウムニッケル系複合酸化物粉末をX線回折法により同定したところ、リチウムニッケル系複合酸化物と共に、(LiWO)(HO)とWOの回折パターンに帰属されるピークが確認された。また、タングステン含有量をICP法により分析したところ、Ni、Co及びMの原子数の合計に対してのタングステン含有量は0.17原子%であった。
その結果を表1に示す。
[比較例2]
水洗粉末に含まれる水酸化リチウムのモル量に対する酸化タングステン中に含まれるタングステンのモル量の比を0.85に代えて0.11とした以外は実施例1と同様にしてタングステン被覆リチウムニッケル系複合酸化物粉末からなる正極活物質を作製した。得られたタングステン被覆リチウムニッケル系複合酸化物粉末をX線回折法により同定したところ、リチウムニッケル系複合酸化物と共に、LiWOの回折パターンに帰属されるピークが確認された。また、タングステン含有量をICP法により分析したところ、Ni、Co及びMの原子数の合計に対してのタングステン含有量は0.009原子%であった。
[比較例3]
タングステンを添加しない以外は実施例1と同様にしてタングステン被覆リチウムニッケル系複合酸化物粉末からなる正極活物質を作製した。得られたリチウムニッケル系複合酸化物粉末をX線回折法により同定したところ、リチウムニッケル系複合酸化物に帰属されるピークのみが確認された。また、ICP法による分析でもタングステン含有量を分析したところ、タングステンは検出されなかった。上記実施例1~2、参考例及び比較例1~3の結果をまとめたものを下記表1に示す。
Figure 0007272052000001
[評価]
上記表1から明らかなように、実施例1~の正極活物質は、本発明に従って製造されたため、比較例に比べて正極抵抗が低いものとなっており、優れた特性を有した電池となっている。比較例1は、投入した酸化タングステン量が過剰であるため、LiWOよりもリチウムイオン伝導性の低いLiWOが生成し、なおかつリチウムと反応できずに残った酸化タングステンが存在するため、抵抗が増加してしまった。
比較例2は、LiWOが生成しているものの、投入したタングステン量が0.01原子%を下回っているため、リチウムタングステン化合物の抵抗低減効果を十分に得られず、抵抗が高くなってしまった。比較例3は、タングステンを添加していないため、リチウムタングステン化合物を形成することによる抵抗低減効果が全く得られず、抵抗が高くなってしまった。
本発明のリチウムイオン二次電池は、高出力が要求される電気自動車用電池に好適である。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、優れた安全性を有し、小型化、高出力化が可能であることから、搭載スペースに制約を受ける電気自動車用電源として好適である。なお、本発明は、純粋に電気エネルギーで駆動する電気自動車用の電源のみならず、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃焼機関と併用するいわゆるハイブリッド車用の電源としても用いることができる。
1 コイン型電池
2 ケース
2a 正極缶
2b 負極缶
2c ガスケット
3 電極
3a 正極
3b 負極
3c セパレータ

Claims (4)

  1. 一般式LiNi1-a-b-cCo(但し、0≦a≦0.35、0.01≦b≦0.30、0≦c≦0.35、0.97≦d≦1.15、MはMn、Ca、V、Mg、Mo、Nb、Ti及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される被覆されたリチウムニッケル系複合酸化物粉末からなる正極活物質の製造方法であって、タングステンを含まないリチウムニッケル系複合酸化物からなる母材粉末と、タングステン化合物粉末とを混合して混合物を得る混合工程と、該混合物を熱処理してリチウムタングステン化合物で被覆されたリチウムニッケル系複合酸化物粉末を得る熱処理工程とを有し、前記混合工程において、前記母材粉末に含まれる水酸化リチウムのモル量xに対する前記タングステン化合物粉末に含まれるタングステンのモル量yの比y/xが0.2を超え1.8未満であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  2. 前記母材粉末が、一次粒子若しくは該一次粒子が凝集した二次粒子、又はこれら一次粒子と二次粒子が混在したものからなることを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 前記母材粉末に含まれる水酸化リチウムのモル量xは、前記母材粉末に水を添加してスラリーにした後、該スラリーを固液分離して得た液相に対して、塩酸、硫酸、硝酸及び有機酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸で中和滴定することによりアルカリ分を求め、水酸化リチウム量に換算することを特徴とする、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 一般式LiNi1-a-b-cCo(但し、0≦a≦0.35、0.01≦b≦0.30、0≦c≦0.35、0.97≦d≦1.15、MはMn、Ca、V、Mg、Mo、Nb、Ti及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される被覆されたリチウムニッケル系複合酸化物粉末からなる正極活物質であって、X線回折法により同定したときにリチウムニッケル系複合酸化物と共にLiWO の回折パターンに帰属されるピークのみを示す被覆層で前記被覆されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質。
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