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JP7251406B2 - コバルト水溶液の製造方法 - Google Patents

コバルト水溶液の製造方法 Download PDF

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JP7251406B2 JP2019153430A JP2019153430A JP7251406B2 JP 7251406 B2 JP7251406 B2 JP 7251406B2 JP 2019153430 A JP2019153430 A JP 2019153430A JP 2019153430 A JP2019153430 A JP 2019153430A JP 7251406 B2 JP7251406 B2 JP 7251406B2
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Description

本発明は、コバルト水溶液の製造方法に関する。さらに詳しくは、溶媒抽出によりコバルトを含む粗ニッケル水溶液からコバルトを回収してコバルト水溶液を製造する方法に関する。
ニッケル水溶液、特に高純度ニッケル水溶液はニッケル塩類およびニッケル化合物の原料として用いられる。ニッケル塩類およびニッケル化合物は、一般的なめっき材料、ハードディスク用の無電解めっき材料、触媒材料、コンデンサーおよびインダクターなどの電子部品用材料、電池用材料などとして用いられる。
ニッケル水溶液からコバルト、マグネシウムなどの不純物を除去する方法として溶媒抽出法が知られている(例えば、特許文献1)。具体的には、ニッケルを担持した酸性抽出剤と不純物を含む粗硫酸ニッケル水溶液とを接触させることにより、酸性抽出剤中のニッケルと粗硫酸ニッケル水溶液中の不純物とを置換して、高純度硫酸ニッケル水溶液を得る。
置換後の酸性抽出剤にはコバルトが担持されている。酸性抽出剤に担持されたコバルトを逆抽出すればコバルト水溶液が得られる。コバルト水溶液にはマグネシウムなどの不純物も同時に逆抽出されている。
特開2017-149609号公報
コバルト水溶液は、電気コバルト、電池材料などの製造に用いられる。コバルト水溶液から電気コバルト、電池材料などを製造するには、コバルト水溶液からマグネシウムなどの不純物を除去する必要がある。コバルト水溶液のマグネシウム濃度が低いほうが、その後の浄液に必要となる薬剤の量を少なくでき、操業コストを低減できる。具体的には、コバルト水溶液からマグネシウムを除去するに当たって、酸化、還元、硫化、イオン交換、溶媒抽出などの一般的な分離手段を採用すると、コバルトが回収され、マグネシウムが非回収物となる。必要となる薬剤の量は回収されるコバルト見合いとなるため、コバルト水溶液中に微量に存在するマグネシウムを除去する場合、非効率である。よって、必要に応じて、あらかじめマグネシウム濃度が低いコバルト水溶液を製造することが好ましい。そこで、管理基準値を満たすように、コバルト水溶液のマグネシウム濃度を調整することが求められる。
本発明は上記事情に鑑み、マグネシウム濃度を調整できるコバルト水溶液の製造方法を提供することを目的とする。
第1発明のコバルト水溶液の製造方法は、少なくともコバルトおよびマグネシウムを含む粗ニッケル水溶液とニッケルを担持した酸性抽出剤とを接触させて、前記粗ニッケル水溶液中のコバルトおよびマグネシウムと前記酸性抽出剤中のニッケルとを置換し、高純度ニッケル水溶液を得る交換段と、前記交換段の後、前記酸性抽出剤に担持されたコバルトを逆抽出してコバルト水溶液を得るコバルト回収段と、を備え、前記交換段において、反応前における前記粗ニッケル水溶液中のコバルトに対する前記酸性抽出剤に担持されたニッケルの重量比であるニッケル・コバルト比を調整することで、前記コバルト水溶液のマグネシウム濃度を調整することを特徴とする。
第2発明のコバルト水溶液の製造方法は、第1発明において、前記コバルト水溶液のマグネシウム濃度が目標値よりも高い場合に、前記ニッケル・コバルト比を低下させ、前記コバルト水溶液のマグネシウム濃度が前記目標値よりも低い場合に、前記ニッケル・コバルト比を上昇させることを特徴とする。
第3発明のコバルト水溶液の製造方法は、第1または第2発明において、前記粗ニッケル水溶液のマグネシウム濃度が19~31mg/Lであり、コバルト濃度が8~12g/Lであり、前記交換段において、前記ニッケル・コバルト比を1.2~1.7の範囲で調整することを特徴とする。
第4発明のコバルト水溶液の製造方法は、第1~第3発明のいずれかにおいて、前記交換段において、前記ニッケル・コバルト比とともに抽出温度を調整することで、前記コバルト水溶液のマグネシウム濃度を調整することを特徴とする。
第5発明のコバルト水溶液の製造方法は、第4発明において、抽出温度を39~60℃の範囲で調整することを特徴とする。
第6発明のコバルト水溶液の製造方法は、第1~第5発明のいずれかにおいて、前記ニッケル・コバルト比を第1設定値に調整して、マグネシウム濃度が第1濃度の前記高純度ニッケル水溶液と、マグネシウム濃度が第2濃度の前記コバルト水溶液とを得る第1工程と、前記ニッケル・コバルト比を前記第1設定値よりも高い第2設定値に調整して、マグネシウム濃度が前記第1濃度より低い第3濃度の前記高純度ニッケル水溶液と、マグネシウム濃度が前記第2濃度より高い第4濃度の前記コバルト水溶液とを得る第2工程と、前記第1工程で得られた前記コバルト水溶液と、前記第2工程で得られた前記コバルト水溶液とを混合して、混合液を得る混合工程と、を備えることを特徴とする。
第7発明のコバルト水溶液の製造方法は、第1~第6発明のいずれかにおいて、前記粗ニッケル水溶液は粗硫酸ニッケル水溶液であり、前記高純度ニッケル水溶液は高純度硫酸ニッケル水溶液であり、前記コバルト水溶液は塩化コバルト水溶液であることを特徴とする。
第8発明のコバルト水溶液の製造方法は、第1~第7発明のいずれかにおいて、前記酸性抽出剤は燐酸エステル系酸性抽出剤であることを特徴とする。
本発明によれば、ニッケル・コバルト比を調整することで、所望のマグネシウム濃度のコバルト水溶液を得ることができる。
高純度硫酸ニッケル水溶液の製造プロセスの全体工程図である。 溶媒抽出工程の詳細工程図である。 ニッケル・コバルト比と高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率との関係を示すグラフである。 高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率およびコバルト水溶液のマグネシウム濃度の推移を示すグラフである。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係るコバルト水溶液の製造方法は、不純物として少なくともコバルトおよびマグネシウムを含む粗ニッケル水溶液から不純物を除去して高純度ニッケル水溶液を得る溶媒抽出に適用される。コバルト水溶液は溶媒抽出の副産物として得られる。
ニッケル水溶液として硫酸ニッケル水溶液、塩化ニッケル水溶液などが挙げられる。粗ニッケル水溶液とはコバルト、マグネシウムなどの不純物を含むニッケル水溶液である。高純度ニッケル水溶液とは溶媒抽出により不純物が除去された後のニッケル水溶液である。不純物を含む硫酸ニッケル水溶液を粗硫酸ニッケル水溶液という。溶媒抽出により不純物が除去された後の硫酸ニッケル水溶液を高純度硫酸ニッケル水溶液という。コバルト水溶液として硫酸コバルト水溶液、塩化コバルト水溶液などが挙げられる。
(高純度硫酸ニッケル水溶液製造プロセス)
前記溶媒抽出は、例えば、図1に示すプロセスに利用される。
原料としてニッケル・コバルト混合硫化物(MS:ミックスサルファイド)が用いられる。低品位ラテライト鉱などのニッケル酸化鉱石を加圧酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leaching)し、浸出液から鉄などの不純物を除去した後、硫化水素ガスを浸出液に吹き込むことで硫化反応を生じさせ、ニッケル・コバルト混合硫化物が得られる。
ニッケル・コバルト混合硫化物の組成は、ニッケルが50~60重量%、コバルトが4~6重量%、硫黄が30~34重量%(いずれも乾燥量基準)である。ニッケル・コバルト混合硫化物には、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛などの不純物が含まれている。ニッケル・コバルト混合硫化物にはマグネシウムが比較的多く含まれており、その含有率は80~150ppmである。
加圧浸出工程では、ニッケル・コバルト混合硫化物を含むスラリーを、オートクレーブで加圧浸出する。浸出条件は、例えば圧力1.8~2.0MPaG、温度140~180℃である。加圧浸出により、ニッケル・コバルト混合硫化物に含まれるニッケル、コバルト、その他の不純物が浸出され、粗硫酸ニッケル水溶液が得られる。
加圧浸出反応は、以下の式1および式2で表される。
NiS+2O2→Ni2++SO4 2-・・・(式1)
CoS+2O2→Co2++SO4 2-・・・(式2)
脱鉄工程では、粗硫酸ニッケル水溶液に中和剤を添加して中和することで、粗硫酸ニッケル水溶液に含まれる鉄を中和澱物として除去する。中和剤としては、例えば消石灰が用いられる。消石灰にはマグネシウムが含まれている。
脱鉄反応は、以下の式3で表される。
4FeSO4+4Ca(OH)2+O2+2H2O→4Fe(OH)3+4CaSO4・・・(式3)
溶媒抽出工程では、溶媒抽出により粗硫酸ニッケル水溶液から不純物を除去して高純度硫酸ニッケル水溶液を得る。溶媒抽出工程では、副産物としてコバルト水溶液も得られる。溶媒抽出工程の詳細は後に説明する。
得られた高純度硫酸ニッケル水溶液は、その後、用途に応じた処理に付される。例えば、高純度硫酸ニッケル水溶液は、晶析装置を用いて濃縮、晶析され、硫酸ニッケル結晶となる。高純度硫酸ニッケル水溶液は、水溶液のままの状態で二次電池の正極材料の製造に用いられることもある。また、得られたコバルト水溶液は、例えば、不純物が除去された後、電気コバルト、電池材料の製造に用いられる。
原料であるニッケル・コバルト混合硫化物にはマグネシウムが比較的多く含まれている。また、脱鉄工程で添加される消石灰にはマグネシウムが含まれている。さらに、各工程で用いられる工業用水にはある程度のマグネシウムが含まれている。そのため、溶媒抽出工程に供給される粗硫酸ニッケル水溶液にはマグネシウムが含まれている。
粗硫酸ニッケル水溶液に含まれるマグネシウムは溶媒抽出工程で除去される。また、溶媒抽出工程から得られる高純度硫酸ニッケル水溶液はその用途によりマグネシウム濃度の規格が異なる。そこで、溶媒抽出工程において高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム濃度を調整することが求められる。また、電気コバルト、電池材料などの製造に用いられるコバルト水溶液はマグネシウム濃度が低いほうが好ましい。そこで、管理基準値を満たすように、コバルト水溶液のマグネシウム濃度を調整することが求められる。
(溶媒抽出工程)
つぎに、図2に基づき、溶媒抽出工程の詳細を説明する。なお、図2において実線矢印は水相の流れを意味し、破線矢印は有機相の流れを意味する。
溶媒抽出工程には酸性抽出剤が用いられる。酸性抽出剤としては、特に限定されないが、2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-2-エチルヘキシル、ジ-(2-エチルヘキシル)ホスホン酸(通称D2EHPA)などの燐酸エステル系酸性抽出剤が用いられる。
一般に、酸性抽出剤は希釈剤で希釈して用いられる。有機溶媒の酸性抽出剤濃度は10~40体積%に調整される。酸性抽出剤を希釈するのは、有機溶媒を適正な粘性に調整して、油水分離性、すなわち分相性を良くするためである。希釈剤としては、水への溶解度が低く、粘性が低く、酸性抽出剤と反応をしないものであれば特に限定されないが、例えば飽和炭化水素が用いられる。
溶媒抽出工程は、抽出段、洗浄段、交換段、ニッケル回収段、コバルト回収段、逆抽出段からなる。これらの工程には、向流多段方式の抽出装置、特にミキサーセトラーが用いられる。以下、順に説明する。
抽出段:
抽出段には洗浄段から洗浄後液が供給される。洗浄後液は硫酸ニッケル水溶液である。抽出段では、洗浄後液中のニッケルを有機相に抽出し、酸性抽出剤にニッケルを担持させる。得られた有機相をニッケル保持有機相と称する。洗浄後液にはカルシウム、マグネシウムなどのニッケルよりも低いpHで有機相に抽出される不純物が含まれている。抽出段ではこれらの不純物も有機相に抽出される。そのため、ニッケル保持有機相にはこれらの不純物も含まれている。
酸性抽出剤を用いた溶媒抽出では、抽出反応に水素イオンが関与するため、pHによって抽出率が変化する。抽出率は金属によって異なり、Fe>Zn>Cu>Mn>Co>Ca>Mg>Niの順に抽出されやすい。抽出段、洗浄段、交換段、ニッケル回収段、コバルト回収段、逆抽出段と、有機相の流れに従って順にpHを下げていくと、それぞれの段で各金属を分離回収できる。
酸性抽出剤による抽出反応は、以下の式4で表される。ここで、式中のRは官能基を含む有機化合物全体を表す。式4に示した通り、金属イオンの抽出に伴い、水素イオンが放出される。
2R-H+Ni2+→R2-Ni+2H+・・・(式4)
水素イオンが放出されるとpHが下がる。不純物を除去するためには適正なpHを維持する必要があるため、抽出段では、苛性ソーダなどのアルカリを添加してpHを調整する。
洗浄段:
抽出段で得られたニッケル保持有機相は洗浄段に送られる。洗浄段では、ニッケル保持有機相を、ニッケルを含有する洗浄液で洗浄する。洗浄液は交換段にて精製された高純度硫酸ニッケル水溶液の一部を水で希釈したものである。晶析装置を用いて高純度硫酸ニッケル水溶液から硫酸ニッケル結晶を製造する場合には、晶析工程から排出された母液を水で希釈したものを洗浄液の一部または全部として用いてもよい。洗浄後液は抽出段に供給される。
抽出段では有機相に微細な液滴粒子が残留する場合がある。抽出段で苛性ソーダを添加した場合、有機相中の液滴粒子にナトリウムが含まれる。すなわち、ニッケル保持有機相にナトリウムが含まれる。洗浄段では、ニッケル保持有機相に含まれたナトリウムが除去される。
交換段:
交換段では、洗浄後のニッケル保持有機相(ニッケルを担持した酸性抽出剤)と粗硫酸ニッケル水溶液とを接触させて、ニッケル保持有機相中のニッケルと粗硫酸ニッケル水溶液中の不純物とを置換し、高純度硫酸ニッケル水溶液を得る。ここで、粗硫酸ニッケル水溶液には不純物として少なくともコバルトおよびマグネシウムが含まれている。粗硫酸ニッケル水溶液中のコバルトおよびマグネシウムと酸性抽出剤中のニッケルとが置換する。
ニッケル保持有機相中のニッケルと粗硫酸ニッケル水溶液中の不純物との置換反応は、以下の式5、式6で表される。ここで、式中のRは官能基を含む有機化合物全体を表す。
2-Ni+Co2+→R2-Co+Ni2+・・・(式5)
2-Ni+Mg2+→R2-Mg+Ni2+・・・(式6)
式5で表される反応は、コバルトイオンが酸性抽出剤に抽出される際に生成される水素イオンにより酸性抽出剤のニッケルが水溶液に逆抽出されるという反応である。ニッケルがコバルトよりも酸性抽出剤に抽出されにくい性質を利用した反応である。
交換段に供給される粗硫酸ニッケル水溶液の組成は、例えば、ニッケル濃度が110~140g/L、コバルト濃度が8~12g/L、マグネシウム濃度が19~31mg/L、カルシウム濃度が0.3~0.6g/L、鉄濃度が約0.01g/Lである。
置換反応後の高純度硫酸ニッケル水溶液の組成は、例えば、ニッケル濃度が118~152g/L、コバルト濃度が1~60mg/L、マグネシウム濃度が1~20mg/L、カルシウム濃度が1~15mg/L、鉄濃度が1~5mg/Lである。
通常、ニッケル保持有機相のニッケル濃度は、置換反応後の有機相にある程度の量のニッケルが残留するような過剰量に調整されている。そのため、置換後有機相にはニッケルが担持されている。
ニッケル回収段:
ニッケル回収段では、置換後有機相に硫酸を添加してpH3.5程度に調整する。これにより、有機相に担持されたニッケルの大部分を逆抽出して、ニッケル回収液を得る。ニッケル回収液はコバルト、マグネシウムなどの不純物を含む硫酸ニッケル水溶液である。
コバルト回収段:
ニッケルを逆抽出した後のニッケル回収後有機相はコバルト回収段に送られる。コバルト回収段では、有機相に塩酸を添加してpH1.0程度に調整する。これにより、酸性抽出剤に担持されたコバルトを逆抽出して、コバルト水溶液を得る。コバルト水溶液は塩化コバルト水溶液である。コバルト水溶液には、有機相に含まれるマグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛などの不純物の一部も同時に逆抽出されている。
逆抽出段:
コバルトを逆抽出した後のコバルト回収後有機相は逆抽出段に送られる。逆抽出段では、有機相に硫酸を添加して有機相に残存する不純物を除去する。逆抽出段で不純物が除去された有機相は、抽出段と交換段とに繰り返し供給される。
(ニッケル・コバルト比調整)
溶媒抽出工程の交換段では、コバルト、マグネシウムなどの不純物を含む粗硫酸ニッケル水溶液とニッケルを担持した酸性抽出剤(ニッケル保持有機相)とを接触させて、粗硫酸ニッケル水溶液中の不純物と酸性抽出剤中のニッケルとを置換し、高純度硫酸ニッケル水溶液を得る。
置換反応前における粗ニッケル水溶液中のコバルトに対する酸性抽出剤に担持されたニッケルの重量比を、ニッケル・コバルト比(Ni/Co)と称する。交換段においてニッケル・コバルト比を調整することで、コバルト回収段から得られるコバルト水溶液のマグネシウム濃度を調整する。これにより、所望のマグネシウム濃度のコバルト水溶液を得ることができる。なお、ニッケル・コバルト比を調整すると、高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム濃度も調整される。
ニッケル・コバルト比を高くするほど、マグネシウム濃度が高いコバルト水溶液を得ることができる。逆に、ニッケル・コバルト比を低くするほど、マグネシウム濃度が低いコバルト水溶液を得ることができる。
なお、ニッケル・コバルト比を高くするほど、マグネシウム濃度が低い高純度硫酸ニッケル水溶液が得られる。逆に、ニッケル・コバルト比を低くするほど、マグネシウム濃度が高い高純度硫酸ニッケル水溶液が得られる。
ニッケル・コバルト比は、例えば、以下の手順で調整される。予め、コバルト水溶液のマグネシウム濃度の目標値を定めておく。溶媒抽出工程の操業期間中、コバルト回収段から得られたコバルト水溶液のマグネシウム濃度を測定する。そして、コバルト水溶液のマグネシウム濃度が目標値よりも高い場合には、ニッケル・コバルト比を低下させる。そうすると、コバルト水溶液のマグネシウム濃度が低くなる。また、高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム濃度が高くなる。逆に、コバルト水溶液のマグネシウム濃度が目標値よりも低い場合には、ニッケル・コバルト比を上昇させる。そうすると、コバルト水溶液のマグネシウム濃度が高くなる。また、高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム濃度が低くなる。このようなフィードバック制御をすることで、コバルト水溶液のマグネシウム濃度を目標値に調整する。
ニッケル・コバルト比の調整は、例えば、交換段に供給される粗硫酸ニッケル水溶液とニッケル保持有機相との流量比により調整できる。粗硫酸ニッケル水溶液およびニッケル保持有機相の一方の流量を増減させてもよいし、両方の流量を増減させてもよい。また、流量比の調整に代えて、または加えて、粗硫酸ニッケル水溶液のコバルト濃度を調整してもよいし、ニッケル保持有機相のニッケル濃度を調整してもよい。
ニッケル・コバルト比は1.2~1.7の範囲で調整することが好ましい。そうすれば、コバルト水溶液のマグネシウム濃度を広い範囲で調整できる。
(抽出温度調整)
交換段において、ニッケル・コバルト比を調整するとともに、抽出温度を調整してもよい。すなわち、粗硫酸ニッケル水溶液と酸性抽出剤との混合液の温度を調整する。そうすれば、コバルト水溶液のマグネシウム濃度をより広い範囲で調整できる。
抽出温度を高くするほど、マグネシム濃度が高いコバルト水溶液を得ることができる。逆に、抽出温度を低くするほど、マグネシウム濃度が低いコバルト水溶液を得ることができる。
なお、抽出温度を高くするほど、マグネシム濃度が低い高純度硫酸ニッケル水溶液が得られる。逆に、抽出温度を低くするほど、マグネシウム濃度が高い高純度硫酸ニッケル水溶液を得ることができる。
したがって、コバルト水溶液のマグネシウム濃度が目標値よりも高い場合には、抽出温度を低下させる。そうすると、コバルト水溶液のマグネシウム濃度が低くなる。また、高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム濃度が高くなる。逆に、コバルト水溶液のマグネシウム濃度が目標値よりも低い場合には、抽出温度を上昇させる。そうすると、コバルト水溶液のマグネシウム濃度が高くなる。また、高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム濃度が低くなる。このようなフィードバック制御をすることで、コバルト水溶液のマグネシウム濃度を目標値に調整する。
抽出温度は39℃以上に調整することが好ましい。そうすれば、コバルト水溶液のマグネシウム濃度をより広い範囲で調整できる。また、抽出温度を60℃以下に調整することが好ましい。そうすれば、希釈剤が揮発しにくい。昇温にかかるコストを抑えるためには、抽出温度は50℃以下に調整することがより好ましい。
(溶媒抽出工程の操業の最適化)
高純度硫酸ニッケル水溶液はその用途によりマグネシウム濃度の規格が異なり、マグネシウム濃度を比較的低くした高純度硫酸ニッケル水溶液と、マグネシウム濃度を比較的高くした高純度硫酸ニッケル水溶液との2種類を製造することがある。一方、コバルト水溶液は不純物を除去する浄液のコストを低減するためマグネシウム濃度が低いほど好ましいことがある。以下の手順で溶媒抽出工程を操業すれば、マグネシウム濃度の異なる複数種類の高純度硫酸ニッケル水溶液を製造しつつ、マグネシウム濃度を低減したコバルト水溶液を製造することができる。
例えば、溶媒抽出設備を2系列用意する。第1系列の溶媒抽出設備では、交換段においてニッケル・コバルト比を第1設定値R1に調整する。そうすると、マグネシウム濃度が第1濃度C1の高純度硫酸ニッケル水溶液と、マグネシウム濃度が第2濃度C2のコバルト水溶液とが得られる(第1工程)。また、第2系列の溶媒抽出設備では、交換段においてニッケル・コバルト比を第2設定値R2に調整する。ここで、第2設定値R2は第1設定値R1よりも高い値であるとする。そうすると、マグネシウム濃度が第1濃度C1より低い第3濃度C3の高純度硫酸ニッケル水溶液と、マグネシウム濃度が第2濃度C2より高い第4濃度C4のコバルト水溶液とが得られる(第2工程)。
第1系列の溶媒抽出設備ではマグネシウム濃度を比較的高くした高純度硫酸ニッケル水溶液が製造される。第2系列の溶媒抽出設備ではマグネシウム濃度を比較的低くした高純度硫酸ニッケル水溶液が製造される。このように、マグネシウム濃度の異なる2種類の高純度硫酸ニッケル水溶液を製造できる。
第1系列の溶媒抽出設備(第1工程)で製造されたマグネシウム濃度が第2濃度C2のコバルト水溶液と、第2系列の溶媒抽出設備(第2工程)で製造されたマグネシウム濃度が第4濃度C4のコバルト水溶液とを混合して、混合液を得る(混合工程)。混合液は、マグネシウム濃度が第2濃度C2より高く、第4濃度C4より低いコバルト水溶液である。このコバルト水溶液は、マグネシウム濃度を比較的低くした高純度硫酸ニッケル水溶液を製造する溶媒抽出設備において、副産物として得られるコバルト水溶液に比べて、マグネシウム濃度が低減されている。
溶媒抽出設備は2系列に限定されず、より多数の系列を用いてもよい。各系列で所望のマグネシウム濃度に調整された高純度硫酸ニッケル水溶液を得るとともに、各系列で得られたコバルト水溶液を混合して、マグネシウム濃度が低減されたコバルト水溶液を製造してもよい。
また、1系列の溶媒抽出設備の操業期間を複数に分け、期間ごとにニッケル・コバルト比の設定値を変更してもよい。そうすれば、期間ごとに異なるマグネシウム濃度に調整された高純度硫酸ニッケル水溶液を得ることができる。また、各期間で得られたコバルト水溶液を混合して、マグネシウム濃度が低減されたコバルト水溶液を製造できる。すなわち、交換段において、ニッケル・コバルト比などの条件を調整してマグネシウム濃度の異なる高純度硫酸ニッケル水溶液を作り分けることによって、単一の条件によってマグネシウム濃度の低い方の高純度硫酸ニッケル水溶液を作り続けるよりも、マグネシウム濃度の低いコバルト水溶液を製造できる。
つぎに、実施例を説明する。
(高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率)
溶媒抽出により粗硫酸ニッケル水溶液に含まれる不純物を除去して高純度硫酸ニッケル水溶液を得た。溶媒抽出工程の交換段を5基のミキサーセトラーを用いた向流多段抽出方式により行った。酸性抽出剤として2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-2-エチルヘキシルを用いた。置換反応後の高純度硫酸ニッケル水溶液のpHは4.0~4.4の範囲である。
交換段へ供給する粗硫酸ニッケル水溶液と交換段へ供給するニッケル保持有機相との流量比を、ニッケル・コバルト比が1.1から1.8の範囲内で変化するように調整しつつ操業を行った。なお、ミキサーセトラーに供給する粗硫酸ニッケル水溶液に対するニッケル保持有機相の流量比(O/A)は2.40~2.45である。ここで、O/Aは、リサイクル有機、すなわち同一のミキサーセトラーのセトラー部出口からミキサー部に自己循環される有機流量が含まれた値である。また、流量比とともに抽出温度も変化させた。
ニッケル・コバルト比(Ni/Co)および高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率を求めた。ここで、ニッケル・コバルト比(Ni/Co)およびマグネシウム残留率は以下の式で求められる。
〔Ni/Co〕=(〔ニッケル保持有機相のニッケル濃度〕×〔ニッケル保持有機相の流量〕)÷(〔粗硫酸ニッケル水溶液のコバルト濃度〕×〔粗硫酸ニッケル水溶液の流量〕)
〔マグネシウム残留率〕=(〔高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム濃度〕×〔高純度硫酸ニッケル水溶液の流量〕)÷(〔置換後有機相のマグネシウム濃度〕×〔置換後有機相の流量〕+〔高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム濃度〕×〔高純度硫酸ニッケル水溶液の流量〕)×100%
図3にニッケル・コバルト比と高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率との関係を示す。また、図3に示した測定点の一部について、測定結果の詳細を表1に示す。
Figure 0007251406000001
図3および表1から分かるように、抽出温度を一定とした場合、ニッケル・コバルト比が高いほど高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率が低くなる。また、ニッケル・コバルト比を一定とした場合、抽出温度が高いほど高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率が低くなる。ニッケル・コバルト比および抽出温度の両方を調整することで、高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率を約20~100%の範囲で調整できる。
なお、通常、高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率は70%以下に調整される。抽出温度を42℃以上にすれば、マグネシウム残留率を70%以下に調整できる。
(コバルト水溶液のマグネシウム濃度)
2系列の溶媒抽出設備で操業を行った。各系列の溶媒抽出設備は、交換段が5基、コバルト回収段が3基の向流多段抽出方式によるミキサーセトラーを有するものであり、第1系列、第2系列ともに同等の規模を有する。酸性抽出剤として2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-2-エチルヘキシルを用いた。置換反応後の高純度硫酸ニッケル水溶液のpHは4.0~4.4の範囲、逆抽出後の塩化コバルト水溶液(コバルト水溶液)のpHは0.3~1.0の範囲である。
第1系列および第2系列の交換段から得られた高純度硫酸ニッケル水溶液のそれぞれについてマグネシウム残留率を求めた。また、第1系列のコバルト回収段から得られたコバルト水溶液と、第2系列のコバルト回収段から得られたコバルト水溶液とを混合し、混合液のマグネシウム濃度を測定した。
図4に、操業期間中の高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率およびコバルト水溶液(混合液)のマグネシウム濃度の推移を示す。
操業期間中、第1系列では交換段においてニッケル・コバルト比および抽出温度を徐々に低下させた。そのため、第1系列で得られた高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率は20%から70%まで上昇している。一方、第2系列ではニッケル・コバルト比および抽出温度をほぼ一定にした。そのため、第2系列で得られた高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率は20%から30%までの間で安定している。
コバルト水溶液のマグネシウム濃度は0.12g/Lから0.04g/Lまで低減されている。これは、第1系列ではニッケル・コバルト比および抽出温度を徐々に低下させたため、第1系列で得られたコバルト水溶液のマグネシウム濃度が低下したためである。以上より、ニッケル・コバルト比を低くすればマグネシウム濃度が低いコバルト水溶液が得られること、および、抽出温度を低くすればマグネシウム濃度が低いコバルト水溶液が得られることが確認できた。
表2に、溶媒抽出工程の1ヶ月間のマグネシウム収支を示す。インプット、アウトプットの各項目は、溶媒抽出工程への1ヶ月間のマグネシウムのインプット量を100%として、その割合を求めた。
Figure 0007251406000002
実施例1において、交換段に供給された粗硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム濃度は28.0mg/Lであった。第1系列、第2系列ともに、マグネシウム濃度が6mg/L未満の高純度硫酸ニッケル水溶液-1を製造した。そのため、両系列とも、高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率が20%となるように、ニッケル・コバルト比および抽出温度を調整した。
その結果、インプットされたマグネシウムの19%が高純度硫酸ニッケル水溶液に分配され、46%がコバルト水溶液に分配された。
実施例2において、交換段に供給された粗硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム濃度は19.7mg/Lであった。第1系列では、マグネシウム濃度が6mg/L未満の高純度硫酸ニッケル水溶液-1を製造した。そのため、第1系列では、高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率が26%となるように、ニッケル・コバルト比および抽出温度を調整した。第2系列では、マグネシウム濃度が40mg/L未満の高純度硫酸ニッケル水溶液-2を製造した。そのため、第2系列では、高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率が52%となるように、ニッケル・コバルト比および抽出温度を調整した。両系列あわせると、高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム残留率は37%となる。
その結果、インプットされたマグネシウムの35%が高純度硫酸ニッケル水溶液に分配され、35%がコバルト水溶液に分配された。実施例2では、マグネシウム濃度の比較的低い高純度硫酸ニッケル水溶液-1に加え、マグネシウム濃度の比較的高い高純度硫酸ニッケル水溶液-2を製造していることから、インプットされたマグネシウムの高純度硫酸ニッケル水溶液への分配率が、実施例1よりも高くなっている。その結果、コバルト水溶液へのマグネシウム分配率を、実施例1よりも低減できている。
以上より、マグネシウム濃度の異なる2種類の高純度硫酸ニッケル水溶液を製造するとともに、マグネシウム濃度が低減されたコバルト水溶液を製造できることが確認された。

Claims (8)

  1. 少なくともコバルトおよびマグネシウムを含む粗ニッケル水溶液とニッケルを担持した酸性抽出剤とを接触させて、前記粗ニッケル水溶液中のコバルトおよびマグネシウムと前記酸性抽出剤中のニッケルとを置換し、高純度ニッケル水溶液を得る交換段と、
    前記交換段の後、前記酸性抽出剤に担持されたコバルトを逆抽出してコバルト水溶液を得るコバルト回収段と、を備え、
    前記交換段において、反応前における前記粗ニッケル水溶液中のコバルトに対する前記酸性抽出剤に担持されたニッケルの重量比であるニッケル・コバルト比を調整することで、前記コバルト水溶液のマグネシウム濃度を調整する
    ことを特徴とするコバルト水溶液の製造方法。
  2. 前記コバルト水溶液のマグネシウム濃度が目標値よりも高い場合に、前記ニッケル・コバルト比を低下させ、
    前記コバルト水溶液のマグネシウム濃度が前記目標値よりも低い場合に、前記ニッケル・コバルト比を上昇させる
    ことを特徴とする請求項1記載のコバルト水溶液の製造方法。
  3. 前記粗ニッケル水溶液のマグネシウム濃度が19~31mg/Lであり、コバルト濃度が8~12g/Lであり、
    前記交換段において、前記ニッケル・コバルト比を1.2~1.7の範囲で調整する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のコバルト水溶液の製造方法。
  4. 前記交換段において、前記ニッケル・コバルト比とともに抽出温度を調整することで、前記コバルト水溶液のマグネシウム濃度を調整する
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のコバルト水溶液の製造方法。
  5. 抽出温度を39~60℃の範囲で調整する
    ことを特徴とする請求項4記載のコバルト水溶液の製造方法。
  6. 前記ニッケル・コバルト比を第1設定値に調整して、マグネシウム濃度が第1濃度の前記高純度ニッケル水溶液と、マグネシウム濃度が第2濃度の前記コバルト水溶液とを得る第1工程と、
    前記ニッケル・コバルト比を前記第1設定値よりも高い第2設定値に調整して、マグネシウム濃度が前記第1濃度より低い第3濃度の前記高純度ニッケル水溶液と、マグネシウム濃度が前記第2濃度より高い第4濃度の前記コバルト水溶液とを得る第2工程と、
    前記第1工程で得られた前記コバルト水溶液と、前記第2工程で得られた前記コバルト水溶液とを混合して、混合液を得る混合工程と、を備える
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のコバルト水溶液の製造方法。
  7. 前記粗ニッケル水溶液は粗硫酸ニッケル水溶液であり、
    前記高純度ニッケル水溶液は高純度硫酸ニッケル水溶液であり、
    前記コバルト水溶液は塩化コバルト水溶液である
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のコバルト水溶液の製造方法。
  8. 前記酸性抽出剤は燐酸エステル系酸性抽出剤である
    ことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のコバルト水溶液の製造方法。
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