JP7234625B2 - ポリビニルアルコール系フィルム及びその製造方法、ならびに薬剤包装体 - Google Patents
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Description
そして、本発明は、(I)ケン化度、粘度、変性種、変性量のうち少なくとも1つが異なる2種以上のポリビニルアルコール系樹脂を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)を主成分とするポリビニルアルコール系樹脂組成物を溶解させてポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得る工程、(II)前記ポリビニルアルコール系樹脂水溶液に対して炭素数1~3の1価アルコールを0.001~2重量%含有させる工程、(III)前記工程(II)で得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いて製膜する工程、をこの順序で含有し、前記ポリビニルアルコール系樹脂(A)が未変性ポリビニルアルコール樹脂とカルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂とを含有し、前記未変性ポリビニルアルコール樹脂と前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂との含有比率が重量比で、未変性ポリビニルアルコール樹脂/カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂=1/99~99/1であり、炭素数1~3の1価アルコールがメタノール、エタノールから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法にも関するものである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、ケン化度、粘度、変性種、変性量のうち少なくとも1つが異なる2種以上のポリビニルアルコール系樹脂を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)を主成分とし、炭素数1~3の1価アルコールを1~2000ppm含有することが必要である。
以下、ポリビニルアルコールを「PVA」、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とするフィルムを「PVA系フィルム」と略記することがある。
また、炭素数が4以上の1価アルコールでは、1価アルコールの水溶性が低く、親水性が不足することでPVA系樹脂水溶液の濁度や粘度安定性が低下する恐れがあり好ましくない。
具体的には、フィルム試料(約5mg)を動的ヘッドスペース装置にて120℃、60分の条件で1価アルコール成分を揮発させて、凝集装置により捕集したガス成分をGC/MS装置にて同定、定量を行う。GCのMSスペクトルより1価アルコール成分を同定して、各アルコール成分の検量線をもとにGCで得られたアバンダンス強度のピーク面積より揮発量を求めて、測定に供したフィルム試料重量から換算することで、PVA系フィルムにおける炭素数1~3の1価アルコールの含有量を求めることができる。
炭素数1~3の1価アルコールを2種以上併せて含有している場合には、検出された各アルコール含有量を合計した値を炭素数1~3の1価アルコールの含有量として算出することができる。
ここでPVA系樹脂(A)を主成分とするとは、水溶性フィルム全体に対して、PVA系樹脂(A)を通常50重量%以上、好ましくは55重量%以上、特に好ましくは60重量%以上含有することを意味する。
まず、本発明で用いられるケン化度、粘度、変性種、変性量のうち少なくとも1つが異なる2種以上のPVA系樹脂を含有するPVA系樹脂(A)について説明する。
以下、「ケン化度、粘度、変性種、変性量のうち少なくとも1つが異なる2種以上のポリビニルアルコール系樹脂を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)」を単に「PVA系樹脂(A)」と略記することがある。
本発明で用いられるPVA系樹脂(A)は、未変性PVAや変性PVA系樹脂から選択され、ケン化度、粘度、変性種、変性量のうち少なくとも1つが異なる2種以上のPVA系樹脂を含有するPVA系樹脂である。具体例としては、未変性PVA同士を2種以上併用すること、変性PVA系樹脂同士を2種以上併用すること、未変性PVAと変性PVA系樹脂を2種以上併用することなどが挙げられる。
また、フィルム強度の点からは、未変性PVAと変性PVA系樹脂を含有することが好ましく、更には未変性PVAとアニオン性基変性PVA系樹脂を含有することが好ましく、特には未変性PVAとカルボキシル基変性PVA系樹脂を含有することが好ましい。
特に溶解性や水シール性などのフィルム物性の観点からは、未変性PVA/変性PVA系樹脂=5/95~40/60であることが好ましく、特に好ましくは6/94~30/70、更に好ましくは7/93~20/80である。未変性PVAの含有割合が少なすぎると水シール性が低下する傾向があり、変性PVA系樹脂の含有割合が小さすぎると溶解性が低下する傾向がある。
本発明のPVA系フィルムにおいては、さらに可塑剤(B)を含有させることがフィルムに柔軟性や、成形容易性を付与する点で好ましい。可塑剤(B)は1種のみを用いても、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが、包装体として用いる場合のフィルム自身の強靭さや、特に液体洗剤を包装した際の包装体の経時的な形状安定性の点で好ましい。
上記のなかでも、PVA系フィルムの引張強度の点で融点が85℃以上、特には90℃以上のものが好ましい。なお、融点の上限は通常300℃、特には200℃が好ましい。
耐カール性に優れる点や強度と柔軟性のバランスが良い点からは、可塑剤(B1)と(B2)に加えて、さらに可塑剤(B3)として融点が50℃により大きく80℃未満である多価アルコールの3種類の可塑剤を用いることが好ましく、特には可塑剤(B3)としてトリメチロールプロパンを用いることが好ましい。
かかる可塑剤(B1)が少なすぎるとPVA系フィルムが硬くなりすぎる傾向があり、多すぎるとPVA系フィルムが柔らかくなりすぎる傾向がある。また、可塑剤(B2)が少なすぎるとPVA系フィルムが硬くなりすぎる傾向があり、低湿環境下で脆くなる傾向があり、多すぎるとPVA系フィルムが柔らかくなり過ぎて、ブロッキングが生じやすくなる傾向がある。
上記フィラー(C)は、耐ブロッキング性の目的で含有されるものであり、有機フィラー(C1)や無機フィラー(C2)があげられるが、なかでも有機フィラー(C1)が好適に用いられる。また、包装体作製時の水シール性改良の点からは、有機フィラー(C1)と無機フィラー(C2)の両方を併用することが好ましい。
かかる有機フィラー(C1)としては、主に高分子化合物の中から選択され、例えば、メラミン系樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂の他、澱粉、ポリ乳酸等の生分解性樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、ポリメチル(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、澱粉、等の生分解性樹脂が好ましく、特にはPVA系樹脂(A)に対する分散性の点から澱粉が好ましい。
無機フィラー(C2)としては、例えば、シリカ(二酸化ケイ素)、珪藻土、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化亜鉛等の酸化物系無機化合物や、タルク、クレー、カオリン、雲母、アスベスト、石膏、グラファイト、ガラスバルーン、ガラスビーズ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、ウイスカー状炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドーソナイト、ドロマイト、チタン酸カリウム、カーボンブラック、ガラス繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、加工鉱物繊維、炭素繊維、炭素中空球、ベントナイト、モンモリロナイト、銅粉、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アルミニウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、クロム酸カリウム等が挙げられる。これらは、単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。
本発明で用いられる界面活性剤(D)としては、PVA系フィルム製造時のキャスト面からの剥離性改善の目的で含有されるものであり、通常、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤が挙げられる。例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルノニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルモノエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。なかでも、製造安定性の点でポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルモノエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテルが好適である。
本発明のPVA系フィルムは、下記の方法で製造することができる。
上記のケン化度、粘度、変性種、変性量のうち少なくとも1つが異なる2種以上のポリビニルアルコール系樹脂を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)、好ましくは更に可塑剤(B)、必要に応じて更に、フィラー(C)及び界面活性剤(D)等を含有してなるPVA系樹脂組成物を得て、(I)ケン化度、粘度、変性種、変性量のうち少なくとも1つが異なる2種以上のポリビニルアルコール系樹脂を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)を主成分とするポリビニルアルコール系樹脂組成物を溶解させてポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得る溶解工程、(II)前記ポリビニルアルコール系樹脂水溶液に対して炭素数1~3の1価アルコールを0.001~5重量%含有させて製膜原料を調製する工程、(III)前記工程(II)で得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液(製膜原料)を用いて製膜する製膜工程、をこの順序で含有することを特徴とした製造方法によってPVA系フィルムとする。
本発明においては、溶剤の効果について着目し、通常はアルコール系溶媒が消失して残存しない溶解後のPVA系水溶液に対して、敢えて1価アルコールを含有させて製膜することにより、フィルムの気泡発生を制御できることを新たに見出した。
以下、各工程について具体的に説明する。
溶解工程では、上記PVA系樹脂組成物を水で溶解または分散して、PVA系樹脂水溶液を調製する。
なお、溶解工程はPVA系樹脂組成物が水に溶解または分散して未溶解物のない水溶液を得るまでの工程を示す。
上記PVA系樹脂組成物を水に溶解する際の溶解方法としては、通常、常温溶解、高温溶解、加圧溶解等が採用され、なかでも、未溶解物が少なく、生産性に優れる点から高温溶解、加圧溶解が好ましい。
溶解時間としては、溶解温度、溶解時の圧力により適宜調整すればよいが、通常1~20時間、好ましくは2~15時間、更に好ましくは3~10時間である。溶解時間が短すぎると未溶解物が残る傾向にあり、長すぎると生産性が低下する傾向にある。
更に、溶解した後、得られたPVA系樹脂水溶液に対して脱泡処理が行われるが、かかる脱泡方法としては、例えば、静置脱泡、真空脱泡、二軸押出脱泡等が挙げられる。なかでも静置脱泡、二軸押出脱泡が好ましい。静置脱泡の温度としては、通常50~100℃、好ましくは70~95℃であり、脱泡時間は、通常2~30時間、好ましくは5~20時間である。
本発明のPVA系フィルムは、上記の溶解工程後、即ちPVA系樹脂組成物を溶解したPVA系樹脂水溶液を調製した後に、PVA系樹脂水溶液に対して、炭素数1~3の1価アルコールを0.001~5重量%含有させて製膜原料を調製し、ついで製膜の順序で製造することで得ることができる。
製膜工程では、溶解工程及び炭素数1~3の1価アルコール配合工程で調製した製膜原料を膜状に賦形し、必要に応じて乾燥処理を施すことで、水分率を15重量%以下にしたPVA系フィルムに調整する。
製膜に当たっては、例えば、溶融押出法や流延法等の方法を採用することができ、膜厚の精度の点で流延法が好ましい。
流延法を行うに際しては、例えば、上記製膜原料を、(i)アプリケーター、バーコーターなどを用いてギャップ間に通過させて金属表面等のキャスト面に流延する方法、(ii)T型スリットダイ等のスリットから吐出させ、エンドレスベルトやドラムロールの金属表面等のキャスト面に流延する方法、などにより製膜原料を流延した後に乾燥することにより本発明のPVA系フィルムを製造することができる。
流延後、キャスト面上で製膜原料を乾燥させるのであるが、上記キャスト面の表面温度は、50~110℃であることが好ましく、特に好ましくは70~100℃である。かかる表面温度が低すぎると、乾燥不足でフィルムの含水率が高くなり、ブロッキングしやすくなる傾向があり、高すぎると製膜原料が発泡し、製膜不良となる傾向がある。
また、製膜時の乾燥においては、熱ロールによる乾燥、フローティングドライヤーを用いてフィルムに熱風を吹き付ける乾燥や遠赤外線装置、誘電加熱装置による乾燥等を併用することもできる。
かかる凹凸加工に際しては、加工温度は、通常60~150℃であり、好ましくは80~140℃である。加工圧力は、通常2~8MPa、好ましくは3~7MPaである。加工時間は、上記加工圧力、製膜速度にもよるが、通常0.01~5秒であり、好ましくは0.1~3秒である。
また、必要に応じて、凹凸加工処理の後に、熱によるフィルムの意図しない延伸を防止するために、冷却処理を施してもよい。
長尺形状のPVA系フィルムを製造する場合においては、上記の製膜工程の後で、巻取工程、包装、保管、輸送などが必要に応じて実施される。
巻取工程では、製膜工程でキャスト面等から剥離したPVA系フィルムを搬送して巻き取り、芯管(S1)に巻き取ることによりフィルムロールに調製する。得られたフィルムロールは、そのまま製品として供給することもできるが、好ましくは巻き取ったPVA系水溶性フィルムを所望のサイズ幅にスリットした後、フィルム幅に見合った長さの芯管(S2)に巻き取り直し、所望のサイズのフィルムロールとして供給することもできる。
芯管(S1)の内径は、3~30cmが好ましく、より好ましくは10~20cmである。芯管(S1)の肉厚は、1~30mmが好ましく、より好ましくは2~25mmである。芯管(S1)の長さは、PVA系フィルムの幅より長くすることが必要で、フィルムロールの端部から1~50cm突出するようにするのが好ましい。
芯管(S2)の内径は、3~30cmが好ましく、より好ましくは10~20cmである。芯管(S2)の肉厚は、1~30mmが好ましく、より好ましくは3~25mmである。芯管(S2)の長さは、製品のPVA系フィルム幅と同等或いはそれ以上の長さのものであればよく、好ましくは同等~50cm長いものである。
かかるスリットに当たっては、シェア刃やレザー刃などを用いてスリットされるが、好ましくはシェア刃でスリットすることがスリット断面の平滑性の点で好ましい。
このようにして、本発明のPVA系フィルムを製造することができる。
帯電防止剤としては、例えば、アルキルジエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、高級脂肪酸アルカノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル等が使用される。
保護パッドの形状は、フィルムロールにあわせて、円盤状のシート、フィルムが実用的である。保護効果を顕著にするため発泡体、織物状、不織布状等の緩衝機能を付加させるのが好ましい。また、湿度からフィルムロールを守るため乾燥剤を別途封入したり、前記保護パッドに積層又は混入したりしておくこともできる。保護パッドの素材はプラスチックが好ましく、その具体例としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
市販されているシート状乾燥剤の例としては、アイディ社製の「アイディシート」や品川化成社製の「アローシート」、「ゼオシート」、ハイシート工業社製の「ハイシートドライ」等がある。
ブラケットはベニヤ板やプラスチック板からなるものであり、その大きさは通常ブラケットの4辺がフィルムロールの直径より大きいものである。
なかでも、本発明のPVA系フィルムは、ケン化度、粘度、変性種、変性量のうち少なくとも1つが異なる2種以上のポリビニルアルコール系樹脂を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)を主成分とすることから、溶解性や水シール性に優れ、液体包装時の液漏れ耐性が良好であるため薬剤等の個包装用途(薬剤包装体)に有用である。
本発明の薬剤包装体は、本発明のPVA系フィルムで薬剤を内包してなる包装体である。
内包する薬剤としては、特に制限はなく、例えば、殺虫剤、殺菌剤、除草剤等の農薬、肥料、洗剤等が挙げられ、特に洗剤が好ましい。
薬剤の形状は、液体であっても固体であってもよく、液体の場合は、液状であり、固体の場合は、顆粒状、錠剤状、粉状等が挙げられる。薬剤は、水に溶解または分散させて用いる薬剤が好ましく、本発明においては、とりわけ液体洗剤を内包することが好ましい。
また、薬剤のpHは、アルカリ性、中性、酸性のいずれであっても良い。
液体洗剤包装体は、保存の際には液体洗剤を内包した形状が保持されている。そして、使用時(洗濯時)には、包装体(PVA系フィルム)が水と接触することにより、包装体が溶解して内包されている液体洗剤が包装体から流出することとなる。
液体洗剤包装体の大きさは、通常長さ10~50mm、好ましくは20~40mmである。また、PVA系フィルムからなる包装体のフィルムの厚みは、通常10~120μm、好ましくは15~110μm、より好ましくは20~100μmである。内包される液体洗剤の量は、通常5~50mL、好ましくは10~40mLである。
例えば、2枚のPVA系フィルムを用いて貼り合わせることにより製造され、成型装置の下部にある金型の上に、フィルム(ボトムフィルム)を固定し、装置の上部にもフィルム(トップフィルム)を固定する。ボトムフィルムをドライヤーで加熱し、金型に真空成型し、その後、成型されたフィルムに液体洗剤を投入した後、トップフィルムとボトムフィルムを圧着する。圧着した後は真空を解放し、包装体を得ることができる。
フィルムの圧着方法としては、例えば、(1)熱シールする方法、(2)水シールする方法、(3)糊シールする方法などが挙げられ、なかでも(2)水シールする方法が汎用的で生産性に優れる点で好ましい。
また、液体洗剤の水分量が15重量%以下であることが好ましく、特には0.1~10重量%、更には0.1~7重量%であるものが好ましく、PVA系フィルムがゲル化したり不溶化することがなく水溶性に優れることとなる。
液体薬剤は、流動性で、容器に合わせて形を変える液状の薬剤であれば、その粘度は特に限定されないが、好ましくは10~200mPa・sである。なお、かかる液体薬剤の粘度は、常温下におけるB型回転粘度計にて測定される。
PVA系樹脂(A)として、20℃における4%水溶液粘度22mPa・s、平均ケン化度94モル%、マレイン酸モノメチルエステルによる変性量2.0モル%のカルボキシル基変性PVA(A1)を90部、20℃における4%水溶液粘度18mPa・s、平均ケン化度88モル%の未変性PVA(A2)を10部、可塑剤(B)としてソルビトール(b1)を20部及びグリセリン(b2)を20部、フィラー(C)として澱粉(平均粒子径20μm)を8部、界面活性剤(D)としてポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルモノエタノールアミン塩を0.2部、及び水525部を混合し、90℃の条件で90分間撹拌を行ってPVA系樹脂組成物を溶解させて、固形分濃度22%のPVA系樹脂水溶液を得た。上記のPVA系樹脂水溶液を80℃に温度調整したのち、上記のPVA系樹脂水溶液に対してエタノール2部(PVA系樹脂水溶液に対して0.3重量%)を添加して、撹拌機(アズワン社 MIX-ROTAR「MR-5」)を用いて30分間の撹拌混合を行った。ついで、エタノールを撹拌混合したPVA系樹脂水溶液を80℃に加温して30分静置保管した後、ギャップ740μmのアプリケーターを用いて表面温度を85℃に調整したクロムメッキ表面処理した金属板の上に流延した。流延したPVA系樹脂水溶液を温度85℃の金属板上で7分30秒間乾燥させた後、金属板から25mm/秒の速度で乾燥フィルムを剥離して長さ20cm、幅15cm、厚み85μm、水分率5.8重量%のPVA系フィルムを得た。得られたPVA系フィルムのエタノール含有量を測定した結果、110ppmであった。
実施例1においてエタノール添加量を15部(PVA系樹脂水溶液に対して2.2重量%)に変えた以外は同様にして、PVA系フィルムを得た。得られたPVA系フィルムのエタノール含有量を測定した結果、830ppmであった。
実施例1において、エタノールを添加しなかった以外は同様にして、PVA系フィルムを得た。得られたPVA系フィルムのエタノール含有量を測定した結果、0ppmであった。
実施例1において、エタノール添加量を40部(PVA系樹脂水溶液に対して5.6重量%)に変えた以外は同様にして、PVA系フィルムを得た。得られたPVA系フィルムのエタノール含有量を測定した結果、2200ppmであった。
実施例1において、PVA系樹脂(A)として、変性PVA(A1)を100部のみに変えた以外は同様にして、PVA系フィルムを得た。得られたPVA系フィルムのエタノール含有量を測定した結果、110ppmであった。
得られたPVA系フィルムから、幅方向中央部で5cm×5cmサイズの水分率測定用の試料を切り出した。切り出したフィルム試料について、フィルム重量(W)を電子天秤で秤量したのち、フィルム試料を水分率0.03%以下の脱水メタノール15ml(S)内に浸漬させて室温,1時間の条件でフィルム内の水分を抽出した。カールフィッシャー水分計(京都電子工業社製、「MKA-610」)を用いて、容量滴定法によって抽出液10ml(E)の水分量を測定し、以下の式からフィルム水分率(重量%)を算出した。
V: 抽出液10mlの滴定に用いたカールフィッシャー試薬量(ml)
B: 脱水メタノール10mlの滴定に用いたカールフィッシャー試薬量(ml)
W: 5cm×5cmサイズにしたフィルム試料の重量(g)
E: カールフィッシャー測定に使用した抽出液の量(ml)
S: フィルム試料の水分抽出に使用した脱水メタノールの量(ml)
PVA系フィルムの炭素数1~3の1価アルコール含有量については、動的ヘッドスペース装置を備えたGC/MS分析を用いて以下に示した条件で測定した。
<動的ヘッドスペース条件>
・加熱脱着装置: TDS-3(ゲステル社製)
・試料量 : 約5mg
・加熱条件 : 120℃、60分
<GC/MS測定条件>
・GC部装置: Agilent 7890GC(アジレント・テクノロジー社製)
・カラム : DB-WAX(架橋PEGキャピラリーカラム)
・カラム温度: 40℃×5分 - 10℃/分 - 250℃×10分
・注入口温度: -150℃(捕集)→ 250℃
・キャリアーガス: ヘリウム
・カラム流量: 1.0mL/分
・スプリット比: 1/30
・MS部装置: Agilent 5977MSD(アジレント・テクノロジー社製)
・モード : SCANモード
(評価方法)
得られたPVA系フィルムから、幅方向中央部で5cm×5cmサイズの試料を切り出した。切り出したフィルム試料について、撹拌時に発生した気泡(長さ方向または幅方向の気泡径が250μm以上)と乾燥時に発生した小気泡(長さ方向または幅方向の気泡径が250μm未満)の残存状態についてデジタルマイクロスコープで観察して、5段階の評価基準で評価した。
(評価基準)
5: 気泡が認められず良好
4: 気泡径250μm未満の小気泡がわずかに存在(1個以上3個未満)
3: 気泡径250μm未満の小気泡が存在(3個以上10個未満)
2: 気泡径250μm以上の気泡のみ存在(1個以上)
もしくは、気泡径250μm未満の小気泡のみ多量に存在(10個以上)
1: 気泡径250μm以上の気泡が存在(1個以上)して、
なおかつ気泡径250μm未満の小気泡も存在(10個以上)
得られたPVA系フィルムを3cm×5cmのサイズにカットし、治具に固定した。次に、1リットルビーカーに水(1リットル)を入れ、スターラーにより撹拌(回転子長3cm、回転数750rpm)しながら水温を5℃に保ちつつ、治具に固定したPVA系フィルムをかかる水中に浸漬し、該フィルムが溶解するまでの時間(秒)を測定した。「溶解」の基準として直径1mm以上の不溶微粒子の分散が見られない場合を溶解とした。
PVA系フィルムを23℃、50%RHに24時間調湿を行った後、PVA系フィルムの幅方向における中央部から、PVA系フィルムを一辺がMD方向(流れ方向)と平行となるように50mm×50mmの正方形状にフィルムを切り出し、PVA系フィルム(1)とする。また、PVA系フィルムの幅方向における中央部から、MD方向(流れ方向)平行な一辺が70mm、TD方向(幅方向)と平行な一辺が15mmの長方形となるようにフィルムを切り出し、PVA系フィルム(2)とする。
(剥離強度の測定)
30cm角のガラス板上に、50mm×50mmに切り出した上記PVA系フィルム(1)を載せ、その上から、PVAスポンジローラ(アイオン社製「シグナスローラー」)に水を充分に含ませ、ローラー全体と水の総重量110gとしたローラーでPVA系フィルム(1)の上を転がせてPVA系フィルムに水を含ませた。その後、もう1枚の、15mm×70mmに切り出した上記PVA系フィルム(2)を、水で濡らしたPVA系フィルム(1)の上に載せ、その上から別のゴム製ローラー(幅250mm、直径60mm、重さ2750g)を2回、転がしてPVA系フィルム2枚を接着させた。
これを1分放置した後、下部のPVA系フィルム(1)は基板ガラスに固定し、上部のPVA系フィルム(2)の端面に、ばねばかりを取り付け、上方に10cm/秒の速さで引っ張ることで、剥離強度(g/15mm)を測定した。なお、測定は、23℃、50%RH環境下で行った。
上記で得られたPVA系フィルムについて、Engel社製包装体製造機を用いて、下記の手順にて液体洗剤包装体を合計20個作製した。
即ち、装置の下部にある金型(縦41.5mm、横46.5mm、深さ20mm)の上に、TD(幅方向)を縦にしてフィルム(ボトムフィルム、サイズ:縦120mm×横150mm)を固定し、装置の上部にもMD(流れ方向)を横にしてフィルム(トップフィルム、サイズ:縦80mm×横120mm)を固定した。その後、ボトムフィルムを90℃の熱風を発生させるドライヤーで10秒間加熱し、ボトムフィルムを金型に真空成型した。次に、P&G社製パワージェルボールに包装された液体洗剤(含有成分の一部:グリセリン5.4%、プロピレングリコール22.6%、水分10.4%)を取り出して、成型されたフィルムに20mL投入した。続いて、トップフィルム全面に水を1.5g塗布して、トップフィルムとボトムフィルムを圧着し、30秒間圧着した後に、真空を解放し、液体洗剤包装体(2個)を得た。
(評価方法)
得られた薬剤包装体のうち液漏れの発生した検体数の割合を算出し、薬剤包装体の不良率(%)を求めた。
不良率(%)= 液漏れが発生した検体数 /20 ×100
なお、液漏れの発生した検体はいずれもフィルムの気泡欠点に起因する小孔発生による液漏れであり、水シール部分等から液漏れした検体はみられなかった。
なかでも、本発明のPVA系フィルムはケン化度、粘度、変性種、変性量のうち少なくとも1つが異なる2種以上のポリビニルアルコール系樹脂を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)を主成分とすることから、溶解性や水シール性に優れ、液体製品包装時の液漏れ耐性が良好であるため薬剤等の個包装用途(薬剤包装体)に有用である。
Claims (5)
- ケン化度、粘度、変性種、変性量のうち少なくとも1つが異なる2種以上のポリビニルアルコール系樹脂を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)を主成分とするポリビニルアルコール系フィルムであって、前記ポリビニルアルコール系樹脂(A)が未変性ポリビニルアルコール樹脂とカルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂とを含有し、前記未変性ポリビニルアルコール樹脂と前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂との含有比率が重量比で、未変性ポリビニルアルコール樹脂/カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂=1/99~99/1であり、炭素数1~3の1価アルコールを1~500ppm含有し、前記炭素数1~3の1価アルコールがメタノール、エタノールから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルム。
- 請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルムを張り合わせてなる包装体と、前記包装体に内包された薬剤とを含有することを特徴とする薬剤包装体。
- 薬剤が洗剤であることを特徴とする請求項2記載の薬剤包装体。
- 薬剤が液体洗剤であることを特徴とする請求項2または3記載の薬剤包装体。
- (I)ケン化度、粘度、変性種、変性量のうち少なくとも1つが異なる2種以上のポリビニルアルコール系樹脂を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)を主成分とするポリビニルアルコール系樹脂組成物を溶解させてポリビニルアルコール系樹脂水溶液を得る工程、
(II)前記ポリビニルアルコール系樹脂水溶液に対して炭素数1~3の1価アルコールを0.001~2重量%含有させる工程、
(III)前記工程(II)で得られたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を用いて製膜する工程、
をこの順序で含有し、前記ポリビニルアルコール系樹脂(A)が未変性ポリビニルアルコール樹脂とカルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂とを含有し、前記未変性ポリビニルアルコール樹脂と前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂との含有比率が重量比で、未変性ポリビニルアルコール樹脂/カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂=1/99~99/1であり、炭素数1~3の1価アルコールがメタノール、エタノールから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
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