JP7228363B2 - マット材、巻付体及びマット材の挿入方法 - Google Patents
マット材、巻付体及びマット材の挿入方法 Download PDFInfo
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Description
また、接着剤を用いるため、層間に接着剤層が形成され、吸音性を阻害することが懸念される。
第1主面と、上記第1主面と反対側の第2主面と、第1端部と、上記第1端部と反対側の第2端部を有する平面視矩形状のマット材であって、
上記マット材は、上記第1端部から所定の距離だけ上記第2端部に向かう領域である第1領域と、上記第1領域に隣接する第2領域とを有し、
上記第1領域には複数の貫通孔が形成されており、
上記マット材は、上記第1主面を内側にして少なくとも2周巻回されることになり、
上記第1領域は、巻回された上記マット材において、1周目に位置することになり、
上記第2領域は、巻回された上記マット材において、2周目に位置することになることを特徴とする。
本発明のマット材は、第1主面を内側にして、少なくとも2周巻回されることになる。
この際、第1領域は、巻回されたマット材において、1周目に位置することになり、第2領域は、巻回された上記マット材において、2周目に位置することになる。
すなわち、第1領域が巻回され、その外側(第1領域の第2主面側)を第2領域が巻回されることになる。
そのため、第1領域の第2主面側の貫通孔の底部には、第2領域の第1主面が位置することになる。つまり、巻回されたマット材では、マット材の内側に第1領域の貫通孔と第2領域の第1主面からなる有底孔が形成されることになる。
本発明のマット材を用いることにより、内側に有底孔を有する巻回されたマット材を容易に作製することができる。
円状又は楕円状に巻回されたマット材は、外部からの圧力が集中しにくくなり、破損しにくくなる。
第1領域が円状に巻回される場合、マット材の厚さ、及び、第1領域の長さに基づき、第2領域の長さを容易に設計することができる。
無機材料層が形成された本発明のマット材を、第1主面を内側にして巻回すると、本発明のマット材は良好な吸音機能を示す。
無機材料層が形成された本発明のマット材を巻回した場合、マット材の第1領域の第1主面は、音を受ける面になる。
マット材の第1領域の第1主面が音を受けると、その音は、第1領域の貫通孔の側壁、及び、第1領域の貫通孔の底部に位置する第2領域の第1主面まで到達することになる。その後、音は、反射され、減衰するともにマット材内で吸収されることになる。
また、一部の音は、マット材の第1領域の内部を通り、貫通孔が形成されていない第1領域の第1主面から外部に出ようとする。しかし、マット材の第1領域の第1主面には、無機材料層が形成されているので、この外部に出ようとする音は、無機材料層により反射される。その結果、音が外に漏れることを防ぐことができ、効率よく音を吸収することができる。
本発明のマット材を筒状体に挿入するマット材の挿入方法であって、
上記マット材の第1主面が内側になるように、上記マット材の第1領域を巻回する、第1領域巻回工程と、
上記第1領域巻回工程の後、上記マット材の第2領域を、上記マット材の第1領域の第2主面を1周するように巻回する、第2領域巻回工程と、
上記第2領域巻回工程の後、上記マット材の長手方向と垂直な方向を挿入方向として上記マット材を上記筒状体に挿入する挿入工程とを含むことを特徴とする。
挿入方向側のマット材が凸状であると、巻回されたマット材を筒状体に挿入しやすくなる。
巻回されたマット材を筒状体に挿入する際に、マット材と筒状体との摩擦により、巻回されたマット材が、挿入方向と逆の方向にずれることがある。
このようなずれをあらかじめ計算し、挿入方向側のマット材を凹状とすることにより、筒状体に挿入後の巻回されたマット材の側面を揃えることができる。
本発明のマット材の挿入方法を用いることにより、効率的に消音器を製造することができる。
上記マット材は、上記管状体に少なくとも2周するように巻き付けられており、
上記第1主面と上記管状体とが接する1周目の上記マット材の領域は第1領域であり、
2周目の上記マット材の領域は、第2領域であり、
上記第1領域には複数の貫通孔が形成されており、
上記管状体の側壁には、管状体貫通孔が形成されていることを特徴とする。
本発明の巻付体では、マット材の第1主面を内側にして、第1領域が管状体に巻付けられ、その外側(すなわち第1領域の第2主面側)を第2領域が巻き付けられている。マット材の第1領域の第2主面側の貫通孔の底部には、マット材の第2領域の第1主面が位置する。そのため、本発明の巻付体では、マット材の第1領域の貫通孔とマット材の第2領域の第1主面とが有底孔を形成している。
このような巻付体は、第1領域に貫通孔を形成したマット材を用いることにより容易に作製することができる。
管状体の底部の形状が円状又は楕円状であると、マット材は、管状体に円状又は楕円状に巻き付いている。
このように巻き付けられたマット材は、外部からの圧力が集中しにくくなり、破損しにくくなる。
パンチングメタルは、消音器における消音機構として機能する。
そのため、本発明の巻付体をそのまま消音器の部品として使用することができる。
本発明の巻付体は、筒状の消音器に挿入されることになる。この際、マット材の第1領域の第1主面は、管状体の管状体貫通孔を通った音を受ける面になる。
マット材の第1領域の第1主面が音を受けると、その音は、第1領域の貫通孔の側壁、及び、第1領域の貫通孔の底部に位置する第2主面の第1領域まで到達することになる。その後、音は、反射され、減衰するともにマット材内で吸収されることになる。
また、一部の音は、マット材の第1領域の内部を通り、貫通孔が形成されていない第1領域の第1主面から外部に出ようとする。しかし、マット材の第1領域の第1主面には、無機材料層が形成されているので、この外部に出ようとする音は、無機材料層により反射される。その結果、音が外に漏れることを防ぐことができ、効率よく音を吸収することができる。
以下、本発明のマット材について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係るマット材について図面を用いながら説明する。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係るマット材の一例を模式的に示す斜視図である。図1(b)は、図1(a)に示すマット材が巻回された状態を模式的に示す斜視図である。
マット材10は、第1端部13から距離L1だけ第2端部14に向かう領域である第1領域15と、第1領域15に隣接する第2領域16とを有する。
そして、第1領域15には複数の貫通孔21が形成されている。
巻回されたマット材10において、第1領域15は1周目に位置することになり、第2領域16は2周目に位置することになる。
つまり、第1領域15が巻回され、その外側(第1領域15の第2主面12側)を第2領域16が巻回されることになる。
マット材10を用いることにより、内側に有底孔22を有する巻回されたマット材10を容易に作製することができる。
マット材の厚さが1.5mm未満であるとマット材の強度が弱くなりやすい。
マット材の厚さが25mmを超えると、マット材を巻回しにくくなる。
無機繊維としては、アルミナ繊維、アルミナ-シリカ繊維、シリカ繊維、グラスウール、ロックウール等が挙げられる。これらの中では、アルミナ-シリカ繊維であることが望ましい。
これらの無機繊維は耐熱性が高く、このような無機繊維により形成されたマット材は、温度変化によって形状変化しにくい。
無機繊維の平均繊維長が1mm未満であると、無機繊維の繊維長が短すぎるため、無機繊維同士の交絡が不充分となり、マット材の強度が得られにくくなり、マット材の形状保持性が低下しやすくなる。
繊維の平均繊維長が150mmを超えると、繊維の繊維長が長すぎるため、マット材を構成する繊維本数が減少するため、緻密性が低下する。
無機繊維の平均繊維長が0.1mm未満であると、無機繊維の繊維長が短すぎるため、マット材としての形状保持性が低下してしまう。さらに、マット材として繊維集合体にしたときに無機繊維同士に好適な絡み合いが起こらず、充分な面圧を得ることが困難になる。
無機繊維の平均繊維長が20mmを超えると、無機繊維の繊維長が長すぎるため、抄造工程で水に無機繊維を分散したスラリー溶液中の無機繊維同士の絡み合いが強くなりすぎるため、マット材としたときに無機繊維が不均一に集積しやすくなり、せん断強度も低下しやすくなる。
本明細書において、平均繊維長とは、マット材から無機繊維300本を抜き取り、繊維長を計測した平均長さを意味する。マット材から無機繊維を破断せずに抜き取れない場合、マット材を脱脂処理して、脱脂済みマット材を水の中へ投入し、無機繊維同士の絡みをほぐしながら無機繊維が破断しないように採取すると良い。
無機繊維の平均繊維径が1μm未満であると、強度が弱く、衝撃等により無機繊維が裁断されやすくなる。
無機繊維の平均繊維径が20μmを超えると、繊維径が太すぎ無機繊維自体のヤング率が高くなりマット材の柔軟性が低くなりやすくなる。
また、その底面の面積は、0.20~15mm2であることが望ましく、2.0~7.0mm2であることがより望ましい。
このような配列としては特に限定されないが、以下のような配列パターンが挙げられる。
すなわち、貫通孔は、正三角形を縦横に連続的に並べた平面において、貫通孔の中心が正三角形の頂点に位置するように配列されていてもよい。
また、貫通孔は、正方形を縦横に連続的に並べた平面において、貫通孔の中心が正方形の頂点に位置するように配列されていてもよい。
また、貫通孔は、正六角形を縦横に連続的に並べた平面において、貫通孔の中心が正六角形の頂点に位置するように配列されていてもよい。
マット材は、円状、楕円状、三角形状、四角形状等に巻回されてもよい。これらの中では、円状又は楕円状が望ましく、円状であることがより望ましい。
マット材が円状に巻回される場合を例に挙げ、マット材の第2領域の長さを説明する。
図2に示すように、マット材10を円状に巻回する場合、第1領域15の長さをL1とすると、第1領域15の第1主面11が形成する円の円周はL1となり、半径は、L1/2πと算出されることになる。
また、マット材10の厚さをTとすると、第1領域15の第2主面12が形成する円の半径は、T+L1/2πと計算されることになる。
マット材10の第2領域16は、この外側に巻回されることになるので、第2領域16の長さは、2π×(T+L1/2π)=L1+T×2πと計算されることになる。
そのため、2周目となる第2領域の長さは、マット材10の伸縮性や柔軟性に基づき調整することが望ましい。マット材10の伸縮性や柔軟性を考慮すると、第2領域16の長さは、(L1+2π×T)×0.95~(L1+2π×T)×1.05であることが望ましい。
この場合も、マット材の伸縮性や柔軟性に基づき第2領域の長さを調整することが望ましい。
すなわち、第1端部では、第1主面の端部が、第2主面の端部よりも外側に配置されるように、直線状又は曲線状に形成されていてもよい。
また、第2端部では、第1主面の端部が、第2主面の端部よりも内側に配置されるように、直線状又は曲線状に形成されていてもよい。
図3(a)は、第1端部及び第2端部が斜めに形成されている本発明の第1実施形態に係るマット材の一例を模式的に示す側面図である。図3(b)は、図3(a)に示すマット材を巻回した状態を示す側面図である。
第1端部13及び第2端部14が斜めに形成されている場合、その角度は特に限定されず、マット材10の材質、長さ、厚さ、巻回される形状に応じて適宜決定することが望ましい。
無機バインダとしは特に限定されずアルミナゾル、シリカゾル等が使用できる。
以下の説明する本発明のマット材の製造方法は、(1)繊維層作製工程及び(2)貫通孔形成工程を含む。
図4(a)及び(b)は、本発明のマット材の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。
図4(a)に示すように、本工程では、繊維層10´を準備する。繊維層10´を準備する方法は特に限定されない。以下に、その一例である抄造法による繊維層10´を準備する方法を説明する。以下に説明する抄造法は、混合液調製ステップと、脱水ステップと、加熱加圧ステップとを含んでいる。
繊維と、無機バインダと、水とを混合し、撹拌機で撹拌することにより混合液を調製する。この際、必要に応じて無機粒子や、有機バインダも混合してもよい。なお、本ステップで用いる繊維の望ましい種類等は、既に説明しているのでここでの説明は省略する。
混合液調整ステップにより得られた混合液を底面にろ過用のメッシュが形成された成形器に流し込む。その後、混合液中の水を、メッシュを介して脱水することにより原料シートを作製する。
原料シートを加熱加圧し、繊維層を作製する。また、加熱加圧の際、原料シートに熱風を通気させて乾燥する熱処理をしてもよくし、あるいは熱処理をせずに湿潤状態としてもよい。
以上のステップを経て繊維層を準備することができる。
繊維層作製工程では、第1領域となる領域15´及び第2領域となる領域16´を決定する。
図4(b)に示すように、本工程では、上記(1)繊維層作製工程にて作製した繊維層10´の第1領域となる領域15´に、貫通孔21を形成する。貫通孔21の形状等は既に説明しているのでここでの説明は省略する。
貫通孔21を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、カッター、レーザー、ドリル等を用いて繊維層10´を貫通する方法が挙げられる。
この挿入方法は、(1)第1領域巻回工程、(2)第2領域巻回工程及び(3)挿入工程を含む。以下各工程について図面を用いながら説明する。
図5(a)~(c)は、本発明の第1実施形態に係るマット材の挿入方法の一例を順に模式的に示す工程図である。
本工程では、図5(a)に示すように、マット材10の第1主面11が内側になるように、マット材10の第1領域15を巻回する。
なお、図5(a)では、マット材10は円形に巻回されているが、マット材10は、円状以外に、楕円状、三角形状、四角形状等に巻回されてもよい。
本工程では、図5(b)に示すように、マット材10の第2領域16を、マット材10の第1領域15の第2主面12を1周するように巻回する。
これにより、第1領域15の第2主面12側の貫通孔21の底部には、第2領域16の第1主面11が位置することになる。つまり、第2領域巻回工程後のマット材10では、マット材10の内側に第1領域15の貫通孔21と第2領域16の第1主面11からなる有底孔22が形成されることになる。
本工程では、図5(c)に示すように、マット材10の長手方向と垂直な方向を挿入方向として、マット材10を筒状体40に挿入する。
筒状体の内径が、巻回されたマット材の直径の90%未満であると、巻回されたマット材を筒状体に挿入しにくくなる。
筒状体の内径が、巻回されたマット材の直径の110%を超えると、巻回されたマット材が筒状体から脱落しやすくなる。
図6(a)及び(b)は、本発明の第1実施形態に係るマット材の挿入方法の変形例を示す工程図である。
図7(a)~(c)は、本発明の第1実施形態に係るマット材の挿入方法の別の変形例を示す工程図である。
挿入方向側のマット材10が凸状であると、図6(b)に示すように、巻回されたマット材10を筒状体40に挿入しやすくなる。
次に、本発明の第2実施形態に係るマット材を説明する。
図8(a)は、本発明の第2実施形態に係るマット材の一例を模式的に示す斜視図である。図8(b)は、図8(a)に示すマット材が巻回された状態を模式的に示す斜視図である。図8(c)は、図8(b)に示すマット材の貫通孔部分を拡大した拡大図である。
マット材110は、第1端部113から距離L2だけ第2端部114に向かう領域である第1領域115と、第1領域115に隣接する第2領域116とを有する。
そして、第1領域115の第1主面111には、無機材料層131が形成されている
巻回されたマット材110において、第1領域115は1周目に位置することになり、第2領域116は2周目に位置することになる。
つまり、第1領域115が巻回され、その外側(第1領域115の第2主面112側)に第2領域116が巻回されることになる。
マット材110が良好な吸音機能を示す原理を以下に図面を用いて説明する。
図9は、本発明の第2実施形態に係るマット材の消音機能の原理を模式的に説明する模式図である。
図9に示すように、無機材料層131が形成されたマット材110を巻回した場合、マット材110の第1領域115の第1主面111は、音Sを受ける側の面になる。
マット材110の第1領域115の第1主面111が音を受けると、その音Sは、第1領域115の貫通孔121の側壁、及び、第1領域115の貫通孔121の底部121aに位置する第2領域116の第1主面111まで到達することになる。その後、音Sは、反射され、減衰するともにマット材110内で吸収されることになる。
また、一部の音Sは、マット材110の第1領域115の内部を通り、貫通孔121が形成されていない第1領域115の第1主面111から外部に出ようとする。しかし、マット材110の第1領域115の第1主面111には、無機材料層131が形成されているので、この外部に出ようとする音Sは、無機材料層131により反射される。その結果、音Sが外に漏れることを防ぐことができ、効率よく音Sを吸収することができる。
無機材料層の厚さが、0.1mm未満であると、無機材料層があることによる音の反射効果が得られにくくなる。
無機材料層の厚さが、5mmを超えると、無機材料層の柔軟性が損なわれマット材を必要部位に当接する際にクラックが入るなどし、結果的に開口形状が維持されないことがある。
また、無機材料層は、これらの単独の無機材料からなっていてもよく、複数の無機材料からなっていてもよい。
また、無機材料層の密度は、無機材料層が形成されていない部分のマット材の密度の3倍以上であることが望ましく、さらに、無機材料層の密度は、無機材料層が形成されていない部分のマット材の密度の3~30倍であることが望ましい。
本発明の第2実施形態に係るマット材の製造方法は、上記本発明の第1実施形態に係るマット材における(1)繊維層作製工程及び(2)貫通孔形成工程を行った後、以下の(3)無機材料層形成工程を行う。
本工程では、貫通孔が形成されたマット材の第1領域の第1主面に無機材料層を形成する。無機材料層の形成の方法は、特に限定されないが、例えば、塗布、印刷等が挙げられる。
塗布により無機材料層を形成する方法を以下に説明する。
本ステップでは、粉末状の無機材料を準備する。なお、無機材料の種類等については、既に説明しているので、ここでの説明は省略する。
本ステップでは、まず、貫通孔が形成されていない第1領域の第1主面に粉末状の無機材料を付与する。
次に、無機材料に水を付与し、無機材料をスラリー状にする。
このように、第1領域の第1主面に粉末状の無機材料を付与してから無機材料をスラリー状にすることで、形成される無機材料層が強固に固定されることになる。
本ステップでは、スラリー状の無機材料を乾燥させ無機材料層とする。
乾燥の条件としては、特に限定されないが、70~100℃、5~15分の条件であることが好ましい。
しかし、本発明の第2実施形態に係るマット材の製造方法では、第1領域の第1主面にスラリー状の無機材料を直接塗布してもよい。
挿入方法としては、上記第1実施形態に係るマット材と同様の方法を適用することができる。
上記の通り、本発明の第2実施形態に係るマット材は、良好な吸音機能を示す。従って、本発明の第2実施形態に係るマット材が挿入された消音器も優れた吸音機能を示すことになる。
また、このようなマット材の挿入方法により、効率的に消音器を製造することができる。
次に、本発明の第3実施形態である巻付体について説明する。
図10は、本発明の第3実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。
図11(a)は、本発明の第3実施形態に係る巻付体に用いられるマット材の一例を模式的に示す斜視図である。図11(b)は、図11(a)に示すマット材が巻回された状態を模式的に示す斜視図である。
図12は、本発明の第3実施形態に係る巻付体に用いられる管状体の一例を模式的に示す斜視図である。
また、図11(b)に示すように、マット材210は、2周巻回されることになる。
さらに第1領域215には複数の貫通孔221が形成されている。
また、巻付体250では、マット材210の第1主面211を内側にして、第1領域215が管状体260に巻付けられ、その外側(すなわち第1領域215の第2主面212側)を第2領域216が巻き付けられている。
マット材210の第1領域215の第2主面212側の貫通孔221の底部には、マット材210の第2領域216の第1主面211が位置する。そのため、巻付体250では、マット材210の第1領域215の貫通孔221とマット材210の第2領域216の第1主面211とが有底孔を形成している。
このような巻付体250は、第1領域215に貫通孔221を形成したマット材210を用いることにより容易に作製することができる。
マット材の望ましい材料や形状に関しては、上記第1実施形態に係るマット材及び上記第2実施形態係るマット材の望ましい材料や形状と同じである。
この場合、本発明の第3実施形態に係る巻付体を筒状の消音器に挿入することにより消音機能を向上させることができる。その原理を以下に説明する。
本発明の第3実施形態に係る巻付体を筒状の消音器に挿入した場合、マット材の第1領域の第1主面は、管状体の管状体貫通孔を通った音を受ける面になる。
マット材の第1領域の第1主面が音を受けると、その音は、第1領域の貫通孔の側壁、及び、第1領域の貫通孔の底部に位置する第2主面の第1領域まで到達することになる。その後、音は、反射され、減衰するともにマット材内で吸収されることになる。
また、一部の音は、マット材の第1領域の内部を通り、貫通孔が形成されていない第1領域の第1主面から外部に出ようとする。しかし、マット材の第1領域の第1主面には、無機材料層が形成されているので、この外部に出ようとする音は、無機材料層により反射される。その結果、音が外に漏れることを防ぐことができ、効率よく音を吸収することができる。
管状体の底部の形状が円状又は楕円状であると、マット材は、管状体に円状又は楕円状に巻き付いている。
このように巻き付けられたマット材は、外部からの圧力が集中しにくくなり、破損しにくくなる。
パンチングメタルは、消音器における消音機構として機能する。
そのため、本発明の第3実施形態に係る巻付体をそのまま消音器の部品として使用することができる。
また、パンチングメタルの材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、スチール、チタン、インコネル等であってもよい。
なお、無機バインダとしは特に限定されず、アルミナゾル、シリカゾル等が使用できる。
筒状体としては、消音器であることが望ましい。
本発明の第3実施形態に係る巻付体を用いることで、消音器の消音機能を向上させることができる。
本発明の第1実施形態~第3実施形態に係るマット材は丁度2周巻回できる長さのマット材であった。
しかし、本発明のマット材は、少なくとも2周巻回できる長さであれば丁度2周巻回できる長さより長くてもよい。
また、マット材の長さは、丁度周回できる長さでなくてもよく、例えば、2周半できる長さであってもよく、2周と3/4周できる長さであってもよい。
10´ 繊維層
11、111、211 第1主面
11a、11b 第1主面の端部
12、112、212 第2主面
12a、12b 第2主面の端部
13、113、213 第1端部
14、114、214 第2端部
15、115、215 第1領域
15´ 第1領域となる領域
16、116、216 第2領域
16´ 第2領域となる領域
21、121、221 貫通孔
21a、121a 貫通孔の底部
22、122、222 有底孔
40 筒状体
131 無機材料層
250 巻付体
260 管状体
261 管状体貫通孔
Claims (12)
- 第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、第1端部と、前記第1端部と反対側の第2端部を有する平面視矩形状のマット材であって、
前記マット材は、前記第1端部から所定の距離だけ前記第2端部に向かう領域である第1領域と、前記第1領域に隣接する第2領域とを有し、
前記第1領域には複数の貫通孔が形成されており、
前記マット材は、前記第1主面を内側にして少なくとも2周巻回されることになり、
前記第1領域は、巻回された前記マット材において、1周目に位置することになり、
前記第2領域は、巻回された前記マット材において、2周目に位置することになり、
前記貫通孔は、前記第1領域のみに形成されていることを特徴とするマット材。 - 前記マット材を側面視した際に、前記第1領域は、円状又は楕円状に巻回されることになる請求項1に記載のマット材。
- 前記マット材を側面視した際に、前記第1領域は円状に巻回されることになり、
前記第1領域の長さをL1とし、前記マット材の厚さをTとすると、
前記第2領域の長手方向の長さが、(L1+2π×T)×0.95~(L1+2π×T)×1.05である請求項2に記載のマット材。 - 前記マット材は、無機繊維からなり、前記第1領域の前記第1主面には、無機材料層が形成されている請求項1~3のいずれかに記載のマット材。
- 請求項1~4のいずれかに記載のマット材を筒状体に挿入するマット材の挿入方法であって、前記マット材の第1主面が内側になるように、前記マット材の第1領域を巻回する、第1領域巻回工程と、
前記第1領域巻回工程の後、前記マット材の第2領域を、前記マット材の第1領域の第2主面を1周するように巻回する、第2領域巻回工程と、
前記第2領域巻回工程の後、前記マット材の長手方向と垂直な方向を挿入方向として前記マット材を前記筒状体に挿入する挿入工程とを含むことを特徴とするマット材の挿入方法。 - 前記第1領域巻回工程及び前記第2領域巻回工程では、挿入方向側の前記マット材が凸状になるように前記マット材を螺旋状に巻回する請求項5に記載のマット材の挿入方法。
- 前記第1領域巻回工程及び前記第2領域巻回工程では、挿入方向側の前記マット材が凹状になるように前記マット材を螺旋状に巻回する請求項5に記載のマット材の挿入方法。
- 前記筒状体は、消音器である請求項5~7のいずれかに記載のマット材の挿入方法。
- 第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、第1端部と、前記第1端部と反対側の第2端部を有する平面視矩形状のマット材と、前記第1主面が接するように前記マット材が巻き付けられた管状体とからなる巻付体であって、
前記マット材は、前記管状体に少なくとも2周するように巻き付けられており、
前記第1主面と前記管状体とが接する1周目の前記マット材の領域は第1領域であり、
2周目の前記マット材の領域は、第2領域であり、
前記第1領域には複数の貫通孔が形成されており、
前記管状体の側壁には、管状体貫通孔が形成されており、
前記貫通孔は前記第1領域のみに形成されていることを特徴とする巻付体。 - 前記管状体は、底部の形状が円状又は楕円状である請求項9に記載の巻付体。
- 前記管状体は、パンチングメタルからなる請求項9又は10に記載の巻付体。
- 前記マット材は、無機繊維からなり、前記第1領域の前記第1主面には、無機材料層が形成されている請求項9~11のいずれかに記載の巻付体。
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