JP7219250B2

JP7219250B2 - コネクタ

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Publication number: JP7219250B2
Application number: JP2020126061A
Authority: JP
Inventors: 尚一長坂; 薫澤入
Original assignee: Yazaki Corp
Current assignee: Yazaki Corp
Priority date: 2020-07-27
Filing date: 2020-07-27
Publication date: 2023-02-07
Anticipated expiration: 2040-07-27
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Description

本発明は、コネクタに関する。

従来、コネクタについては、端子金具と、この端子金具が収容されるハウジングと、このハウジングに組み付けられるカバーと、その端子金具に電気接続され且つハウジング及びカバーの成す開口から外方に引き出される導電部品と、を備えるものが知られている。ハウジングは、相手方嵌合接続部に対する挿抜が可能な嵌合接続部を有しており、その嵌合接続部を少なくとも除いた場所がカバーによって覆われている。この種のコネクタは、例えば、下記の特許文献１に開示されている。

特開２０１６－２１９３０８号公報

ところで、コネクタにおいては、端子金具と相手方端子金具との間の電気接続状態を作り出す際に、相手方嵌合接続部に対して嵌合接続部を挿入嵌合方向（コネクタ嵌合方向）に沿って挿入嵌合させる。また、このコネクタにおいては、その端子金具と相手方端子金具との間の電気接続状態を解除する際に、そのコネクタ嵌合方向とは逆方向（コネクタ抜去方向）に嵌合接続部を相手方嵌合接続部から抜き取る。ここで、作業者は、その相手方嵌合接続部からのコネクタ抜去操作を行う際に、コネクタのカバー側を把持したままコネクタ抜去方向に引っ張る。このため、このコネクタにおいては、そのコネクタ抜去操作に際してカバーに力が掛けられたとしても、このカバーがハウジングから外れないようにしておくことが望ましい。その一方で、このコネクタにおいては、ハウジングとカバーを組み付ける際の組付け力の増大を抑える必要もある。

そこで、本発明は、ハウジングとカバーの組付け力の増大を抑えつつコネクタ抜去操作に際してのカバーの外れを抑止し得るコネクタを提供することを、その目的とする。

上記目的を達成する為、本発明は、端子金具と、相手方嵌合接続部へのコネクタ挿入方向に沿った嵌合接続及び前記相手方嵌合接続部からのコネクタ抜去方向に沿った抜き取りが可能な嵌合接続部を有し、かつ、前記嵌合接続部の内方に前記端子金具を収容させるハウジングと、前記ハウジングに組み付けられ、かつ、前記嵌合接続部及び前記相手方嵌合接続部が嵌合接続完了状態のときに、前記ハウジングにおける前記相手方嵌合接続部からの突出部分を外方から覆い隠すカバーと、前記端子金具に電気接続させ、かつ、組付け完了状態の前記ハウジング及び前記カバーの成す引出口から外方に引き出させる導電部品と、を備え、前記カバーは、前記突出部分を覆うための主体を成すカバー主壁と、互いに間隔を空けて対向配置させ、かつ、前記カバー主壁の両端部に各々直交状態で連接させ、かつ、可撓性を持たせた第１カバー側壁及び第２カバー側壁と、前記カバー主壁と前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁における前記コネクタ挿入方向側のそれぞれの端部を周縁部とする第１開口と、前記第１カバー側壁及び前記第２カバー側壁の対向配置方向と前記コネクタ挿入方向とに対する直交方向における前記カバー主壁と前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁のそれぞれの端部を周縁部とし、かつ、一部が前記引出口として利用される第２開口と、を有し、前記ハウジングは、前記組付け完了状態のときに前記第１カバー側壁に対向配置させる第１ハウジング側壁と、前記組付け完了状態のときに前記第２カバー側壁に対向配置させる第２ハウジング側壁と、前記嵌合接続部及び前記相手方嵌合接続部が前記嵌合接続完了状態のときに、前記相手方嵌合接続部に設けた相手方係止体に係止させて、前記嵌合接続部及び前記相手方嵌合接続部を前記嵌合接続完了状態のまま保持させる係止体と、前記嵌合接続部を前記相手方嵌合接続部から抜き取る際に前記係止体と前記相手方係止体との間の係止可能な状態を解除させる係止解除アームと、を有し、前記係止体と前記係止解除アームは、前記組付け完了状態のときに前記ハウジングにおける前記第２開口側とは逆側に配置され、前記係止解除アームは、前記係止体と前記相手方係止体との間の係止可能な状態を解除する際に、前記第２開口側に向けて押動操作させる力点部を有し、前記カバーは、前記力点部を覆い、自らを前記第２開口側に変位させることで前記力点部を前記第２開口側に向けて押し動かす押動部を有し、前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁のそれぞれの外壁面における前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁のそれぞれの重心位置よりも前記コネクタ抜去方向側には、前記嵌合接続部を前記相手方嵌合接続部から抜き取る際に手指を引っ掛けて当該手指で把持させることが可能な把持部を設け、前記ハウジングと前記カバーとの間には、これらが前記組付け完了状態のときに、前記ハウジングに対する前記カバーの前記コネクタ抜去方向への動きを係止して、これらを前記組付け完了状態のまま保持させる主係止構造及び副係止構造を設け、前記主係止構造は、前記ハウジングに設けた第１主係止体と、前記カバーに設け、前記組付け完了状態のときに前記第１主係止体との間で係止し合って前記ハウジングと前記カバーを前記組付け完了状態のまま保持させる第２主係止体と、を備え、前記副係止構造は、前記ハウジングに設けた第１副係止体と、前記カバーにおける前記第２主係止体よりも前記第２開口側に設け、前記組付け完了状態のときに前記第１副係止体との間で係止し合って前記ハウジングと前記カバーを前記組付け完了状態のまま保持させる第２副係止体と、を備え、前記第１主係止体と前記第１副係止体は、前記第１ハウジング側壁と前記第２ハウジング側壁に各々設け、前記第２主係止体と前記第２副係止体は、前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁に各々設け、前記第１主係止体と前記第２主係止体は、前記組付け完了状態のときに前記ハウジングと前記カバーの接続方向に対する逆向きの動きを互いに係止させるよう対向配置させた係止可能な状態とし、前記第１副係止体と前記第２副係止体は、前記組付け完了状態のときに前記接続方向に対する逆向きの動きを互いに係止させるよう対向配置させた係止可能な状態とし、前記第２副係止体は、前記組付け完了状態のときに前記第１副係止体に対して前記第１副係止体よりも前記コネクタ挿入方向側で対向配置させて前記第１副係止体との間での前記係止可能な状態となり、かつ、それぞれの前記把持部に手指を引っ掛けながら前記コネクタ抜去方向に力が加えられて前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁が撓み、その撓みに伴い前記第１主係止体と前記第２主係止体との間の前記係止可能な状態が解除されたときにも、前記第１副係止体に対して前記第１副係止体よりも前記コネクタ挿入方向側で対向配置させて前記第１副係止体との間での前記係止可能な状態を保ち続けることを特徴としている。

ここで、前記第１カバー側壁は、少なくとも前記第１ハウジング側壁から離れる方向へと撓み変形させるものとして形成され、前記第２カバー側壁は、少なくとも前記第２ハウジング側壁から離れる方向へと撓み変形させるものとして形成されることが望ましい。

また、前記第２主係止体と前記第２副係止体は、前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁におけるそれぞれの前記重心位置よりも前記第１開口側に設けることが望ましい。

また、前記第２主係止体は、前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁におけるそれぞれの前記重心位置よりも前記第１開口側に設け、前記第２副係止体は、前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁におけるそれぞれの前記重心位置よりも前記第１開口側で且つそれぞれの前記重心位置よりも前記第２開口側に設けることが望ましい。

本発明に係るコネクタにおいては、ハウジングとカバーとの間に主係止構造とは別の副係止構造も設けているが、その副係止構造が主係止構造よりも第２開口側に配置されるように構成されているので、第１カバー側壁と第２カバー側壁の撓みによって、ハウジングとカバーとを組み付ける際の第１副係止体と第２副係止体との間の抵抗力の軽減が可能になり、その組付けに際しての組付け力の増大を抑えることができる。そして、このコネクタにおいては、嵌合接続部を相手方嵌合接続部から抜き取る際にカバーに力が加えられたとしても、主係止構造と副係止構造によってハウジングとカバーを組付け完了状態のままに保ち続けることができる。このように、本発明に係るコネクタは、ハウジングとカバーの組付け力の増大を抑えつつコネクタ抜去操作に際してのカバーのハウジングからの外れを抑止することができる。

図１は、実施形態のコネクタを示す斜視図である。図２は、実施形態のコネクタを嵌合接続部側から見た平面図である。図３は、実施形態のコネクタを引出口側から見た平面図である。図４は、カバー接続前のコネクタを示す分解斜視図である。図５は、カバー接続前のコネクタを別角度から見た分解斜視図である。図６は、カバー接続前のコネクタを更に別角度から見た分解斜視図である。図７は、実施形態のコネクタ（カバーを除く）を示す分解斜視図である。図８は、実施形態のコネクタを相手方コネクタと共に示す斜視図である。図９は、図２のＸ－Ｘ線断面の部分拡大図である。図１０は、図４のＡ部拡大図である。図１１は、図６のＢ部拡大図である。図１２は、図２のＹ－Ｙ線断面の部分拡大図である。

以下に、本発明に係るコネクタの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。

［実施形態］
本発明に係るコネクタの実施形態の１つを図１から図１２に基づいて説明する。

図１から図８の符号１は、本実施形態のコネクタを示す。このコネクタ１は、端子金具１０と、この端子金具１０が収容されるハウジング２０と、このハウジング２０に組み付けられるカバー３０と、組付け完了状態のハウジング２０及びカバー３０の成す内方の空間で端子金具１０に対して物理的且つ電気的に接続され、かつ、その内方の空間から外方に引き出される導電部品４０と、を備える。

尚、導電部品４０については、フレキシブルプリント回路基板等のシート状のものを後で詳述するが、このシート状のものに替えて電線を用いてもよい。また、その導電部品４０については、導電性材料から成る所謂バスバと当該バスバに電気接続させた電線を用いてもよい。この場合、そのコネクタ１においては、バスバと端子金具１０を電気接続させた上で、そのバスバに電気接続させた電線を組付け完了状態のハウジング２０及びカバー３０の成す内方の空間から外方に引き出させる。

端子金具１０は、金属等の導電性材料で成形される。例えば、この端子金具１０は、母材となる金属板に対する折曲げ加工や切断加工等のプレス成形によって所定形状に成形される。この端子金具１０は、相手方コネクタ５０１の相手方端子金具５１０（図８）に対して物理的且つ電気的に接続させる端子部１１と、導電部品４０に対して物理的且つ電気的に接続させる導体接続部１２と、を有する（図７）。尚、相手方コネクタ５０１は、例えば、相手方の電気機器（インバータ等）に電気接続されているコネクタであってもよく、相手方の電気機器に設けられている端子台が有するコネクタ部の如きものであってもよい。

端子部１１は、例えば、雌端子形状又は雄端子形状に形成される。ここで示す端子部１１は、角筒状の箱体を有する雌端子形状に形成されており、その筒軸方向に沿って相手方端子金具５１０との間の挿抜が行われる。また、導体接続部１２は、筒軸方向が端子部１１の筒軸方向と同じ向きの円筒状に形成されている。

本実施形態のコネクタ１は、この端子金具１０を１つ又は複数備えるものとして構成される。ここで示すコネクタ１は、複数の端子金具１０を備えている。

ハウジング２０は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。このハウジング２０は、端子金具１０の端子部１１を内方の収容室２０ａに収容させ、かつ、端子金具１０の導体接続部１２を収容室２０ａの開口（以下、「端子引出口」という。）２０ｂから外方に突出させる（図７）。よって、このハウジング２０は、その端子引出口２０ｂが設けられた端子引出領域２０ｃを有している（図７）。このハウジング２０においては、その端子引出口２０ｂから端子部１１を収容室２０ａの中に収容させ、導体接続部１２を相手方コネクタ５０１に対するコネクタ嵌合方向とは逆向き（つまり、コネクタ抜去方向）に端子引出口２０ｂから突出させる。

ここで示すハウジング２０においては、複数の収容室２０ａが設けられており、その収容室２０ａ毎に端子部１１が収容される。全ての収容室２０ａは、それぞれに端子部１１を同じ向きで収容させ、かつ、それぞれの端子引出口２０ｂを同一平面上に配置させるように形成されている。そして、このハウジング２０においては、全ての収容室２０ａが格子状に並べられている。よって、ここで示すハウジング２０は、複数の端子引出口２０ｂが設けられた矩形の端子引出領域２０ｃを有している。

尚、このコネクタ１においては、全ての収容室２０ａに端子金具１０を収容させる必要はなく、電気回路上で必要とされる場所の収容室２０ａに端子金具１０が収容されていればよい。

ここで示すハウジング２０は、その全ての収容室２０ａが形成されたハウジング本体２１を有している（図１から図７）。この例示のハウジング本体２１は、方体状に形成されており、第１から第６の外壁面２１ａ－２１ｆを有している（図１、図２及び図４から図７）。

第１外壁面２１ａには、全ての端子引出口２０ｂが配置されている。よって、端子引出領域２０ｃは、その第１外壁面２１ａに設けられている（図７）。

このハウジング本体２１において、第３外壁面２１ｃと第４外壁面２１ｄは、平行状態に配置され、かつ、第１外壁面２１ａに対して直交状態で連接させている。ハウジング２０においては、端子引出口２０ｂから飛び出ている全ての端子金具１０の導体接続部１２を第３外壁面２１ｃ側と第４外壁面２１ｄ側から覆い隠すことによって、これらの保護を図る。よって、このハウジング２０は、第３外壁面２１ｃに対して間隔を空けて対向配置された状態で連結させ、かつ、第１外壁面２１ａよりも突出させた第１保護体２２と、第４外壁面２１ｄに対して間隔を空けて対向配置された状態で連結され、かつ、第１外壁面２１ａよりも突出させた第２保護体２３と、を有している（図１から図７）。

その第１保護体２２と第２保護体２３は、ハウジング本体２１における嵌合接続部２１ｇを除いた部分に配置される（図１及び図４から図７）。その嵌合接続部２１ｇとは、相手方ハウジング５２０の相手方嵌合接続部５２１ｇ（図８）の内方へのコネクタ挿入方向に沿った嵌合接続とその相手方嵌合接続部５２１ｇの内方からのコネクタ抜去方向に沿った抜き取りとが可能な部位であり、その内方に端子金具１０が収容されている。この嵌合接続部２１ｇは、ハウジング本体２１において第２外壁面２１ｂ側に設けられている。よって、第１保護体２２と第２保護体２３は、ハウジング本体２１における第１外壁面２１ａ側に配置される。また、ハウジング２０においては、第１保護体２２が一方の側方の端部に配置され、第２保護体２３が他方の側方の端部に配置される。従って、以下においては、必要に応じて、第１保護体２２を「第１ハウジング側壁２２」と称し、第２保護体２３を「第２ハウジング側壁２３」と称する。

この例示の第１保護体２２は、第３外壁面２１ｃに対して間隔を空けて平行状態で対向配置させた矩形の平板状の平板部２２ａを有している（図１、図２及び図４から図７）。この第１保護体２２においては、第１外壁面２１ａよりも突出させた突出部２２ａ_１を平板部２２ａが有しており、その突出部２２ａ_１によって全ての端子金具１０の導体接続部１２を第３外壁面２１ｃ側から覆い隠す。また、この例示の第２保護体２３は、第４外壁面２１ｄに対して間隔を空けて平行状態で対向配置させた矩形の平板状の平板部２３ａを有している（図１、図２及び図４から図７）。この第２保護体２３においては、第１外壁面２１ａよりも突出させた突出部２３ａ_１を平板部２３ａが有しており、その突出部２３ａ_１によって全ての端子金具１０の導体接続部１２を第４外壁面２１ｄ側から覆い隠す。

また、このハウジング本体２１において、第５外壁面２１ｅと第６外壁面２１ｆは、平行状態に配置され、かつ、第１外壁面２１ａと第３外壁面２１ｃと第４外壁面２１ｄに対して各々直交状態で連接させている。ここで示すコネクタ１においては、後述するように、第６外壁面２１ｆ側に導電部品４０を引き出させる。

このコネクタ１においては、このハウジング２０にカバー３０を組み付ける前に、収容室２０ａに収容された端子金具１０に対して導電部品４０を接続する。

本実施形態の導電部品４０については、シート状のものを用いる。このシート状の導電部品４０とは、可撓性（言うなれば柔軟性）を持たせた導電体及び絶縁体による平らな積層体のことである。この導電部品４０は、複数の導電体を備えており、そのそれぞれの導電体によって回路パターンが形成されている。例えば、この導電部品４０としては、フレキシブルプリント回路基板（所謂ＦＰＣ）、メンブレン配線板等の印刷回路体、フラットケーブル（所謂ＦＣ）やフレキシブルフラットケーブル（所謂ＦＦＣ）等が考えられる。ここで示す導電部品４０は、フレキシブルプリント回路基板（所謂ＦＰＣ）であり、矩形に形成されている。

導電部品４０は、組付け完了状態のハウジング２０及びカバー３０の成す内方の空間に収容され、かつ、端子引出口２０ｂから飛び出ている端子金具１０の導体接続部１２に対して導電体を電気接続させる導体接続領域４０ａと、組付け完了状態のハウジング２０及びカバー３０の成す引出口３０ｃから外方に引き出させる引出領域４０ｂと、を有する（図５及び図７）。ここで示す導電部品４０は、矩形の導体接続領域４０ａと矩形の引出領域４０ｂとに区分けされている。

導体接続領域４０ａは、導体接続部１２を挿通させる貫通孔であり、その貫通孔の内周面における導電体の電気接続部を導体接続部１２に電気接続させるスルーホール４１を有している（図７）。ここで示す導体接続領域４０ａには、全ての端子金具１０の導体接続部１２を電気接続させるので、その端子金具１０毎に円形のスルーホール４１が形成されている。

ここで、この導体接続領域４０ａには、補強板５０が積層状態で一体化される（図７）。その補強板５０は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。ここで示す補強板５０は、導体接続領域４０ａと同じ外郭形状（つまり、導体接続領域４０ａと同形状の矩形）の平板として形成されている。この補強板５０は、導体接続領域４０ａに対して接着剤等で貼り付けることによって、この導体接続領域４０ａに対して積層状態で一体化される。

この補強板５０は、ハウジング本体２１の端子引出領域２０ｃと導電部品４０の導体接続領域４０ａとの間に介在させる。よって、この補強板５０には、スルーホール４１と同心の貫通孔（以下、「端子挿通孔」という。）５０ａがスルーホール４１毎に形成されている（図７）。ここで示す端子挿通孔５０ａは、スルーホール４１と同形状に形成されている。

例えば、ここで示す導体接続領域４０ａと補強板５０の成す積層部においては、収容室２０ａに収容されている全ての端子金具１０の導体接続部１２をスルーホール４１と端子挿通孔５０ａに挿通させることによって、補強板５０がハウジング本体２１の端子引出領域２０ｃに載せ置かれる。このコネクタ１においては、その端子金具１０とハウジング２０と導電部品４０と補強板５０の設置状態で、対になる導体接続部１２とスルーホール４１の組み合わせ毎に半田付けを行って、その導体接続部１２とスルーホール４１を固着させる。このコネクタ１においては、その後、カバー３０が組み付けられる。

カバー３０は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。このカバー３０は、ハウジング２０に組み付けられることによって、このハウジング２０を外方から覆う。具体的に、このカバー３０は、嵌合接続部２１ｇ及び相手方嵌合接続部５２１ｇが嵌合接続完了状態のときに、ハウジング２０における相手方嵌合接続部５２１ｇからの突出部分を外方から覆い隠すものとして形成される。換言するならば、このカバー３０は、カバー内の内部空間から嵌合接続部２１ｇを突出させた状態でハウジング２０の残りの部分を外方から覆い隠すものとして形成される。よって、このカバー３０は、端子引出領域２０ｃ（つまり、端子引出口２０ｂから飛び出ている全ての端子金具１０の導体接続部１２）を覆っている。

このカバー３０は、先の突出部分（嵌合接続部２１ｇ及び相手方嵌合接続部５２１ｇが嵌合接続完了状態のときに、ハウジング２０における相手方嵌合接続部５２１ｇからの突出部分）を覆うための主体を成すカバー主壁３１を有する（図１及び図３から図６）。ここで示すカバー主壁３１は、交差状態で連接させた第１壁体３１Ａと第２壁体３１Ｂとを有している（図４から図６）。このカバー３０においては、第１壁体３１Ａを第１外壁面２１ａに対して間隔を空けて対向配置させ、かつ、第２壁体３１Ｂを第５外壁面２１ｅにおける第１外壁面２１ａ側に対して間隔を空けて対向配置させる。

更に、このカバー３０は、互いに間隔を空けて対向配置させ、かつ、カバー主壁３１の両端部に各々直交状態で連接させ、かつ、可撓性を持たせた第１カバー側壁３２及び第２カバー側壁３３を有する（図１及び図３から図６）。その第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３は、コネクタ挿入方向（又はコネクタ抜去方向）と導電部品４０の引出方向とに対する直交方向（以下、「幅方向」という。）で互いに間隔を空けて対向配置させる。そして、この第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３は、その幅方向におけるカバー主壁３１の両端部（第１壁体３１Ａと第２壁体３１Ｂのそれぞれの両端部）に各々直交状態で連接させる。

このカバー３０においては、ハウジング２０との間で組付け完了状態となっているときに、平板状の第１カバー側壁３２を第１ハウジング側壁２２の平板部２２ａに対して外側から平行状態で対向配置させ、かつ、平板状の第２カバー側壁３３を第２ハウジング側壁２３の平板部２３ａに対して外側から平行状態で対向配置させる。第１カバー側壁３２は、少なくとも第１ハウジング側壁２２から離れる方向へと撓み変形させるものとして形成されている。そして、第２カバー側壁３３は、少なくとも第２ハウジング側壁２３から離れる方向へと撓み変形させるものとして形成されている。

また、カバー３０は、カバー主壁３１と第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３におけるコネクタ挿入方向側のそれぞれの端部を周縁部とする第１開口３０ａと、導電部品４０の引出方向｛つまり、第１カバー側壁３２及び第２カバー側壁３３の対向配置方向（幅方向）とコネクタ挿入方向（又はコネクタ抜去方向）とに対する直交方向｝におけるカバー主壁３１と第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３のそれぞれの端部を周縁部とし、かつ、一部が後述する導電部品４０の引出口３０ｃとして利用される第２開口３０ｂと、を有する（図４及び図６）。ここで示す第１開口３０ａは、第１壁体３１Ａに対してコネクタ挿入方向側で間隔を空けて対向配置させ、かつ、第２壁体３１Ｂと第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３のそれぞれの辺部を周縁部とする開口として形成されている。また、ここで示す第２開口３０ｂは、第２壁体３１Ｂに対して間隔を空けて対向配置させ、かつ、第１壁体３１Ａと第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３のそれぞれの辺部を周縁部とする開口として形成されている。このカバー３０においては、その第１開口３０ａと第２開口３０ｂが直交状態で連接している。よって、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３は、各々、第１開口３０ａ側と第２開口３０ｂ側とが交差する交差部で最も撓み変形量が大きくなる。

このコネクタ１においては、ハウジング本体２１の第１外壁面２１ａと第１保護体２２の突出部２２ａ_１と第２保護体２３の突出部２３ａ_１とカバー３０の第１壁体３１Ａ及び第２壁体３１Ｂとの間に空間が形成され、その空間の中に全ての端子金具１０の導体接続部１２が配置される。また、このコネクタ１においては、その空間が第２開口３０ｂの一部を介して外方に連通している。その第２開口３０ｂの一部とは、ハウジング２０と第１壁体３１Ａとの間に形成される隙間のことである（図３）。よって、このコネクタ１においては、その隙間が導電部品４０を第６外壁面２１ｆ側から外方へと引き出させる開口（以下、「引出口」という。）３０ｃになる。

カバー３０は、コネクタ嵌合方向に沿って第１外壁面２１ａ側からハウジング２０に差込接続させる。ハウジング２０とカバー３０との間には、その接続方向に沿って組付け完了位置まで互いを案内し合うガイド構造６０が設けられている（図１、図２、図４、図６及び図９）。そのガイド構造６０は、ハウジング２０とカバー３０の内の一方に設けた突起であり、これらの接続方向に対する直交断面が楔形で且つその接続方向に沿って延在させたガイド突起６１と、その内の他方に設けた溝であり、挿入されてきたガイド突起６１との間で接続方向に沿って案内し合うべく、接続方向に沿って延在させたガイド溝６２と、を備える。ガイド突起６１とガイド溝６２は、それぞれに、ハウジング２０とカバー３０の接続方向に沿う互いに平行な又は互いに交差させた２つの平面を少なくとも有している。

ここで示すガイド突起６１は、その接続方向に沿う２つの平面（第１突起壁面６１ａ、第２突起壁面６１ｂ）を互いに交差させた楔形の突起として形成されている（図９及び図１０）。このガイド突起６１においては、第１突起壁面６１ａに対して第２突起壁面６１ｂが導電部品４０の引出方向側に配置されている。そして、第１突起壁面６１ａは、ハウジング２０及びカバー３０の接続方向と幅方向とに沿わせた平面（つまり、導電部品４０の引出方向に対する直交平面）として形成されている。

また、ここで示すガイド溝６２は、第１突起壁面６１ａに対向配置させる第１溝壁面６２ａと、第２突起壁面６１ｂに対向配置させる第２溝壁面６２ｂと、を有している。そして、ここで示すガイド溝６２は、その第１溝壁面６２ａ及び第２溝壁面６２ｂを連結させる溝底としての第３溝壁面６２ｃを有している（図９及び図１１）。第１溝壁面６２ａは、ハウジング２０及びカバー３０の接続方向と幅方向とに沿わせた平面（導電部品４０の引出方向に対する直交平面）として形成されており、第１突起壁面６１ａに対して平行状態で間隔を空けて対向配置させる。

このガイド構造６０においては、ハウジング２０とカバー３０が組付け完了状態のときに、これらの接続方向で、ガイド突起６１の先端部６１ｄとガイド溝６２の先端部６２ｄとが同等の位置に配置され、かつ、ガイド突起６１の後端部６１ｅとガイド溝６２の後端部６２ｅとが同等の位置に配置される（図９）。よって、このガイド構造６０においては、ガイド突起６１が第１開口３０ａ側の先端部６１ｄからガイド溝６２の第１外壁面２１ａ側の後端部６２ｅに挿入され、ハウジング２０とカバー３０が組付け完了状態となったときに、一対の第１突起壁面６１ａ及び第１溝壁面６２ａにおける先端部６１ｄ，６２ｄ同士と後端部６１ｅ，６２ｅ同士が各々対向配置させられ、かつ、一対の第２突起壁面６１ｂ及び第２溝壁面６２ｂにおける先端部６１ｄ，６２ｄ同士と後端部６１ｅ，６２ｅ同士が各々対向配置させられる。

ここで示すコネクタ１においては、このガイド構造６０を２箇所に設けている。この２箇所のガイド構造６０は、一方のガイド突起６１の突出方向と他方のガイド突起６１の突出方向とが互いに逆向きになるように設けている。ここで示すガイド突起６１は、カバー３０の第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３とに設けている。ここでは、矩形の平板状の第１カバー側壁３２と矩形の平板状の第２カバー側壁３３のそれぞれの第２開口３０ｂ側の辺部にガイド突起６１が形成されている。カバー３０においては、それぞれのガイド突起６１を内方に向けて突出させ、かつ、それぞれのガイド突起６１を対向配置させている。また、ここで示すガイド溝６２は、ハウジング２０の第１ハウジング側壁２２と第２ハウジング側壁２３とに設けている。第１ハウジング側壁２２のガイド溝６２は、第６外壁面２１ｆ側で平板部２２ａに隣接配置させている。第２ハウジング側壁２３のガイド溝６２は、第６外壁面２１ｆ側で平板部２３ａに隣接配置させている。

また、このハウジング２０とカバー３０との間には、これらが組付け完了状態のときに、ハウジング２０に対するカバー３０のコネクタ抜去方向への動きを係止して、これらを組付け完了状態のまま保持させる主係止構造７１及び副係止構造７２を設けている（図４から図６）。その主係止構造７１及び副係止構造７２は、換言するならば、ハウジング２０とカバー３０とが組付け完了状態のときに互いの接続方向に対する逆向き（つまり、ハウジング２０とカバー３０との間の脱離方向）の動きを係止し合うことによって、これらを組付け完了状態のまま保持させるものである。

主係止構造７１は、ハウジング２０に設けた第１主係止体７１Ａと、カバー３０に設け、ハウジング２０とカバー３０とが組付け完了状態のときに第１主係止体７１Ａとの間で係止し合ってハウジング２０とカバー３０を組付け完了状態のまま保持させる第２主係止体７１Ｂと、を備える（図４、図６及び図１２）。その第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂは、ハウジング２０とカバー３０とが組付け完了状態のときに接続方向に対する逆向きの動きを互いに係止させるよう対向配置させる。

主係止構造７１は、第１ハウジング側壁２２と第１カバー側壁３２との間及び第２ハウジング側壁２３と第２カバー側壁３３との間の２箇所に設ける。つまり、第１主係止体７１Ａは、第１ハウジング側壁２２と第２ハウジング側壁２３に各々設ける。そして、第２主係止体７１Ｂは、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３に各々設ける。ここでは、その第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂが各々突起として形成されている。第１主係止体７１Ａは、第１ハウジング側壁２２の平板部２２ａと第２ハウジング側壁２３の平板部２３ａの外壁面からそれぞれ外方に向けて突出させている（図１２）。それぞれの第１主係止体７１Ａは、その突出方向が互いに逆向きになるように形成されている。ここで示す第１主係止体７１Ａは、その平板部２２ａ，２３ａの外壁面から各々垂設させ且つコネクタ挿入方向に向けた平面であり、導電部品４０の引出方向に延在させた係止面を有している。また、第２主係止体７１Ｂは、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３の内壁面からそれぞれ内方に向けて突出させている（図１２）。それぞれの第２主係止体７１Ｂは、その突出方向が互いに逆向きになるように形成されている。ここで示す第２主係止体７１Ｂは、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３の内壁面から各々垂設させ且つコネクタ抜去方向に向けた平面であり、導電部品４０の引出方向に延在させた係止面を有している。

ここで示す第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３には、先に示すように可撓性を持たせている。このため、このコネクタ１においては、ハウジング２０とカバー３０をガイド構造６０に沿って差込接続しているときに、対になる第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂが互いの傾斜面に力を作用させ合いながら、第１カバー側壁３２を第１ハウジング側壁２２から離れる方向へと、そして、第２カバー側壁３３を第２ハウジング側壁２３から離れる方向へと撓ませる。このコネクタ１においては、その第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３を撓ませながら、対になる第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂを互いに乗り越えさせることによって、その乗り越えと共に第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３の撓みが解消されるので、第２主係止体７１Ｂが第１主係止体７１Ａに対してコネクタ挿入方向側で対向配置される。これにより、このコネクタ１においては、第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂの係止面同士がハウジング２０とカバー３０との間の脱離方向（接続方向とは逆方向）での係止が可能な状態に対向配置される。このコネクタ１においては、対になる第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂが互いに乗り越え可能な状態となったときに、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３の撓み変形量が最大になる。

副係止構造７２は、ハウジング２０に設けた第１副係止体７２Ａと、カバー３０における第２主係止体７１Ｂよりも第２開口３０ｂ側に設け、ハウジング２０とカバー３０とが組付け完了状態のときに第１副係止体７２Ａとの間で係止し合ってハウジング２０とカバー３０を組付け完了状態のまま保持させる第２副係止体７２Ｂと、を備える（図４、図６及び図９から図１１）。その第１副係止体７２Ａと第２副係止体７２Ｂは、ハウジング２０とカバー３０とが組付け完了状態のときに接続方向に対する逆向きの動きを互いに係止させるよう対向配置させる。

この副係止構造７２においては、第２副係止体７２Ｂを第２主係止体７１Ｂよりも第２開口３０ｂ側に設けているので、第１副係止体７２Ａについても第１主係止体７１Ａよりも第６外壁面２１ｆ側（換言するならば、ハウジング２０とカバー３０とが組付け完了状態のときの第２開口３０ｂ側）に設けられる。具体的に、ハウジング２０においては、第１主係止体７１Ａと第１副係止体７２Ａとがコネクタ挿抜方向（コネクタ挿入方向又はコネクタ抜去方向）で同等の位置に配置され、かつ、第１副係止体７２Ａが第１主係止体７１Ａよりも第６外壁面２１ｆ側に配置される（図１１）。また、カバー３０においては、第２主係止体７１Ｂと第２副係止体７２Ｂとがコネクタ挿抜方向で同等の位置に配置され、かつ、第２副係止体７２Ｂが第２主係止体７１Ｂよりも第２開口３０ｂ側に配置される（図１０）。

副係止構造７２は、第１ハウジング側壁２２と第１カバー側壁３２との間及び第２ハウジング側壁２３と第２カバー側壁３３との間の２箇所に設ける。つまり、第１副係止体７２Ａは、第１ハウジング側壁２２と第２ハウジング側壁２３に各々設ける。そして、第２副係止体７２Ｂは、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３に各々設ける。ここでは、その第１副係止体７２Ａと第２副係止体７２Ｂが各々突起として形成されている。第１副係止体７２Ａは、第１ハウジング側壁２２と第２ハウジング側壁２３におけるそれぞれのガイド溝６２の第１溝壁面６２ａから突出させている（図９及び図１１）。ここで示す第１副係止体７２Ａは、そのそれぞれの第１溝壁面６２ａから各々垂設させ且つコネクタ挿入方向に向けた平面から成る係止面を有している。また、第２副係止体７２Ｂは、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３におけるそれぞれのガイド突起６１の第１突起壁面６１ａから突出させている（図９及び図１０）。ここで示す第２副係止体７２Ｂは、そのそれぞれの第１突起壁面６１ａから各々垂設させ且つコネクタ抜去方向に向けた平面から成る係止面を有している。

このコネクタ１において、第２主係止体７１Ｂと第２副係止体７２Ｂは、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３におけるそれぞれの第１開口３０ａ側に設けることが望ましい。つまり、第２副係止体７２Ｂは、第１カバー側壁３２及び第２カバー側壁３３の撓み変形量がカバー主壁３１側よりも大きい第１開口３０ａ側に設けることが望ましい。ここで示す第２副係止体７２Ｂについては、更に、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３におけるそれぞれの第２開口３０ｂ側に設けている。つまり、ここで示す第２副係止体７２Ｂは、第１カバー側壁３２及び第２カバー側壁３３の撓み変形量が最も大きい第１開口３０ａ側と第２開口３０ｂ側の交差部に設けている。

ここで示すコネクタ１においては、先に示したように、ハウジング２０とカバー３０をガイド構造６０に沿って差込接続しているときに、対になる第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂが互いの傾斜面に力を作用させ合いながら、第１カバー側壁３２を第１ハウジング側壁２２から離れる方向へと、そして、第２カバー側壁３３を第２ハウジング側壁２３から離れる方向へと撓ませる。このコネクタ１においては、その第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３の撓みに伴い、この第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３に設けている第２副係止体７２Ｂについても、第１ハウジング側壁２２及び第２ハウジング側壁２３から離れていく。

例えば、このコネクタ１においては、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３の撓み変形量が最大となったときに、対になる第１副係止体７２Ａと第２副係止体７２Ｂをハウジング２０とカバー３０の接続方向で対向配置させない。これにより、このコネクタ１においては、対になる第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂが相互間で乗り越えたときに、対になる第１副係止体７２Ａと第２副係止体７２Ｂについても互いに乗り越えることができる。よって、このコネクタ１においては、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３の撓みの解消と共に、第２主係止体７１Ｂが第１主係止体７１Ａに対してコネクタ挿入方向側で対向配置されると共に、第２副係止体７２Ｂが第１副係止体７２Ａに対してコネクタ挿入方向側で対向配置される。これにより、このコネクタ１においては、対になる第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂの係止面同士をハウジング２０とカバー３０との間の脱離方向での係止が可能な状態に対向配置させると共に、対になる第１副係止体７２Ａと第２副係止体７２Ｂの係止面同士をその脱離方向での係止が可能な状態に対向配置させることができる。

従って、このコネクタ１においては、ハウジング２０とカバー３０との間に主係止構造７１とは別の副係止構造７２も設けているが、その副係止構造７２が主係止構造７１よりも第２開口３０ｂ側に配置されるように構成されているので、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３の撓みによって、ハウジング２０とカバー３０とを組み付ける際の第１副係止体７２Ａと第２副係止体７２Ｂとの間の抵抗力の軽減が可能になり、その組付けに際しての組付け力の増大を抑えることができる。そして、このコネクタ１においては、嵌合接続部２１ｇを相手方嵌合接続部５２１ｇから抜き取る際にカバー３０に力が加えられたとしても、主係止構造７１と副係止構造７２によってハウジング２０とカバー３０を組付け完了状態のままに保ち続けることができる。このように、このコネクタ１は、ハウジング２０とカバー３０の組付け力の増大を抑えつつコネクタ抜去操作に際してのカバー３０のハウジング２０からの外れを抑止することができる。

しかしながら、この場合のコネクタ１においては、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３の撓みに伴って対になる第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂとの間における脱離方向での係止可能な状態が解除されたときに、対になる第１副係止体７２Ａと第２副係止体７２Ｂについても、その間における脱離方向での係止可能な状態が解除される。例えば、ここで示す第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３のそれぞれの外壁面におけるコネクタ抜去方向側には、嵌合接続部２１ｇを相手方嵌合接続部５２１ｇから抜き取る際に手指を引っ掛けて当該手指で把持させることが可能な把持部３４が設けられている（図１から図６）。このため、このコネクタ１においては、嵌合接続部２１ｇを相手方嵌合接続部５２１ｇから抜き取る際に、それぞれの把持部３４に手指を引っ掛けながらコネクタ抜去方向に力を加えることができる。しかし、その一方で、このコネクタ１においては、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３のそれぞれのコネクタ抜去方向側が手指で挟み込まれるので、この第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３が撓んで、この第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３のそれぞれの第１開口３０ａ側や第１開口３０ｂ側が第１ハウジング側壁２２と第２ハウジング側壁２３から離れていってしまう可能性がある。よって、このコネクタ１においては、嵌合接続部２１ｇを相手方嵌合接続部５２１ｇから抜き取る際に、そのように第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３が把持されて撓んでしまうと、対になる第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂとの間及び対になる第１副係止体７２Ａと第２副係止体７２Ｂとの間の双方で脱離方向での係止可能な状態が解除されてしまう。

そこで、第２副係止体７２Ｂは、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３の撓みに伴い、対になる第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂとの間における脱離方向での係止可能な状態が解除されたときにも、第１副係止体７２Ａに対してコネクタ挿入方向側で対向配置させる。これにより、このコネクタ１においては、嵌合接続部２１ｇを相手方嵌合接続部５２１ｇから抜き取る際に、カバー３０の第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３が把持されており、かつ、対になる第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂとの間で脱離方向での係止可能な状態が解除されたとしても、対になる第１副係止体７２Ａと第２副係止体７２Ｂを脱離方向での係止が可能な状態に保ち続けることができる。よって、このコネクタ１は、嵌合接続部２１ｇを相手方嵌合接続部５２１ｇから抜き取る際に、カバー３０の第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３が把持されたとしても、このカバー３０のハウジング２０からの外れを抑止することができる。

一方、その対になる第１副係止体７２Ａと第２副係止体７２Ｂについての係止面同士の対向面積は、対になる第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂとの間の係止可能な状態が解除されているときに、ハウジング２０とカバー３０とが組付け完了状態のときよりも、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３の撓みによって小さくなっている。つまり、本実施形態のコネクタ１においては、副係止構造７２が主係止構造７１よりも第２開口３０ｂ側に配置されているので、先の例示よりも大きくはなってしまうが、ハウジング２０とカバー３０とを組み付ける際の第１副係止体７２Ａと第２副係止体７２Ｂとの間の抵抗力の軽減が可能になり、その組付けに際しての組付け力の増大を抑えることができる。例えば、対になる第１副係止体７２Ａと第２副係止体７２Ｂには、ハウジング２０とカバー３０とを組み付けるときに相互間での乗り越えを可能にする形状（例えば、傾斜面）を設ければよい。これにより、この対になる第１副係止体７２Ａと第２副係止体７２Ｂにおいては、ハウジング２０とカバー３０とを組み付ける際に、互いの傾斜面同士に作用させた力で第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３を更に撓ませて、お互いを乗り越えさせることができる。

このように、本実施形態のコネクタ１は、ハウジング２０とカバー３０の組付け力の増大を抑えつつコネクタ抜去操作に際してのカバー３０のハウジング２０からの外れを抑止することができる。

尚、このコネクタ１においては、主係止構造７１と副係止構造７２の係止方向に対する直交方向でハウジング２０とカバー３０を係止させる係止構造（以下、「直交係止構造」という。）７３が設けられている（図１、図２及び図４）。その直交係止構造７３は、ハウジング２０とカバー３０との間に設けられ、これらが組付け完了状態のときに互いの接続方向と第１カバー側壁３２及び第２カバー側壁３３の対向配置方向（幅方向）とに対する直交方向（つまり、導電部品４０の引出方向）の動きを係止し合うものとして構成される。この直交係止構造７３は、ハウジング２０に設けた第１係止体７３Ａと、カバー３０に設けた第２係止体７３Ｂと、を備える。

この例示の直交係止構造７３においては、ハウジング本体２１の第５外壁面２１ｅにおける第１外壁面２１ａ側に突出状態で第１係止体７３Ａを設け、この第１係止体７３Ａを引っ掛ける係止溝としての第２係止体７３Ｂがカバー３０の第２壁体３１Ｂに形成されている。その第１係止体７３Ａと第２係止体７３Ｂは、ハウジング２０とカバー３０の接続方向に対する直交断面が略台形で、かつ、その接続方向に沿って延在させた立体形状を成している。この第１係止体７３Ａと第２係止体７３Ｂは、その直交断面たる略台形の上底が第５外壁面２１ｅ側に向くように形成されている。よって、この第１係止体７３Ａと第２係止体７３Ｂは、ハウジング２０とカバー３０とが組付け完了状態のときに導電部品４０の引出方向における相対的な動きを係止させる。また、この第１係止体７３Ａと第２係止体７３Ｂは、ハウジング２０とカバー３０とを差込接続させる際のガイド構造を兼ねている。ここで示すコネクタ１は、この直交係止構造７３を２箇所に設けている。

また、このコネクタ１においては、先に示したように、ハウジング本体２１の嵌合接続部２１ｇを相手方ハウジング５２０の相手方嵌合接続部５２１ｇに嵌合接続させる。ここでは、相手方嵌合接続部５２１ｇが角筒状に形成されており、この相手方嵌合接続部５２１ｇの内方に嵌合接続部２１ｇを挿入嵌合させる。ハウジング２０と相手方ハウジング５２０との間には、その嵌合接続完了状態を保持させるための保持構造８０が設けられる（図１、図２及び図４から図６）。ハウジング２０は、その保持構造８０の構成要素として、嵌合接続部２１ｇ及び相手方嵌合接続部５２１ｇが嵌合接続完了状態のときに、嵌合接続方向とは逆方向で相手方嵌合接続部５２１ｇの相手方係止体５２１ｈ（図８）に係止させて、嵌合接続部２１ｇ及び相手方嵌合接続部５２１ｇを嵌合接続完了状態のまま保持させる係止体８１と、力点部８２ａに対する係止解除力の付与に伴い撓んで、係止体８１と相手方係止体５２１ｈとの間の係止可能な状態を解除させる係止解除アーム８２と、を有する。

その係止体８１と係止解除アーム８２は、ハウジング２０とカバー３０とが組付け完了状態のときにハウジング２０における第２開口３０ｂ側とは逆側（つまり、ハウジング２０の第５外壁面２１ｅ側）に配置される。そして、係止解除アーム８２は、係止体８１と相手方係止体５２１ｈとの間の係止可能な状態を解除する際に、第２開口３０ｂ側に向けて（つまり、第５外壁面２１ｅに向けて）押動操作させるものとして形成される。この係止解除アーム８２は、その押動操作を作業者に実施させる場所として力点部８２ａを有している。

ここでは、係止体８１が係止突起として形成され、この係止体８１を挿入させた上で係止する貫通孔として相手方係止体５２１ｈが形成されている。ここで示す係止体８１は、その貫通孔としての相手方係止体５２１ｈの周壁に係止される。また、ここで示す係止解除アーム８２は、固定端を支点にした弾性変形が可能な片持ち形状を成している。ここでは、その固定端を第５外壁面２１ｅにおける嵌合接続部２１ｇ側に設け、その自由端を第５外壁面２１ｅにおける第１外壁面２１ａ側（嵌合接続部２１ｇを除いた部分）に設けている。この係止解除アーム８２においては、その自由端が力点部８２ａとなる。ここでは、その力点部８２ａが矩形の平板状に形成されている。また、この係止解除アーム８２は、ハウジング本体２１の第５外壁面２１ｅにおける嵌合接続部２１ｇ側に間隔を空けて対向配置された壁面を有している。この係止解除アーム８２においては、その壁面とは逆側の壁面で、かつ、固定端と自由端の間に係止体８１が突出状態で設けられている。このように形成された係止解除アーム８２においては、係止体８１と相手方係止体５２１ｈとの間の係止可能な状態を解除させる際に、力点部８２ａに対して第５外壁面２１ｅに向けた係止解除力を付与させる。この保持構造８０においては、その係止解除力によって係止解除アーム８２が撓み、この係止解除アーム８２の撓みに連動して係止体８１が第５外壁面２１ｅ側に変位させられて、係止体８１と相手方係止体５２１ｈとの間の係止可能な状態が解除される。

カバー３０は、先に示したように第２壁体３１Ｂを第５外壁面２１ｅにおける第１外壁面２１ａ側に対して間隔を空けて対向配置させるので、その第２壁体３１Ｂによって、第５外壁面２１ｅの第１外壁面２１ａ側だけでなく、係止解除アーム８２の自由端（つまり、力点部８２ａ）についても覆っている。そこで、第２壁体３１Ｂは、その力点部８２ａを覆い、自らを第２開口３０ｂ側（第５外壁面２１ｅ側）に変位させることで力点部８２ａを第５外壁面２１ｅ側に向けて押し動かす押動部３５を設けている（図１、図２及び図４から図６）。その押動部３５は、可撓性を持たせた片持ち形状に形成されている。ここで示す押動部３５は、第１壁体３１Ａ側を固定端とし、第１開口３０ａ側を自由端とする片体状に形成されており、第５外壁面２１ｅ側に押し動かされることによって、接触状態にある力点部８２ａを第５外壁面２１ｅ側に押し動かして、係止体８１と相手方係止体５２１ｈとの間の係止可能な状態を解除させる。

ここで、このコネクタ１においては、嵌合接続部２１ｇを相手方嵌合接続部５２１ｇから抜き取る際に、例えば、カバー３０の第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３を把持しながら、同じ手の別の指でカバー３０の押動部３５を押して係止体８１と相手方係止体５２１ｈとの間の係止可能な状態を解除させる。その際、このコネクタ１においては、押動部３５の押し込み量が足りず、係止体８１と相手方係止体５２１ｈとの間の係止可能な状態が完全に解除されていなければ、作業者が意識せずとも第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３に対する把持力を増加させながら、嵌合接続部２１ｇの抜き取り方向（コネクタ抜去方向）の力を増加させてしまう可能性がある。そして、この場合、カバー３０においては、第１カバー側壁３２と第２カバー側壁３３が第１ハウジング側壁２２と第２ハウジング側壁２３から離れる方向へと撓み変形してしまったり、係止体８１と相手方係止体５２１ｈの係止点を支点にしたハウジング２０に対する回転力が作用してしまったりするなど、不測の力が作用してしまう可能性がある。しかしながら、このコネクタ１においては、そのような不測の力が嵌合接続部２１ｇを相手方嵌合接続部５２１ｇから抜き取る際に作用し、対になる第１主係止体７１Ａと第２主係止体７１Ｂとの間における脱離方向での係止可能な状態が解除されたとしても、先に示したように、対になる第１副係止体７２Ａと第２副係止体７２Ｂを脱離方向での係止が可能な状態に保ち続けることができるので、カバー３０のハウジング２０からの脱離を抑止することができる。

このように、本実施形態のコネクタ１は、コネクタ抜去操作に際してのカバー３０に不測の力が作用したとしても、ハウジング２０とカバー３０の組付け力の増大を抑えつつコネクタ抜去操作に際してのカバー３０のハウジング２０からの外れを抑止することができる。

１コネクタ
１０端子金具
２０ハウジング
２１ｇ嵌合接続部
２２第１ハウジング側壁
２３第２ハウジング側壁
３０カバー
３０ａ第１開口
３０ｂ第２開口
３０ｃ引出口
３１カバー主壁
３２第１カバー側壁
３３第２カバー側壁
３４把持部
３５押動部
４０導電部品
７１主係止構造
７１Ａ第１主係止体
７１Ｂ第２主係止体
７２副係止構造
７２Ａ第１副係止体
７２Ｂ第２副係止体
８１係止体
８２係止解除アーム
８２ａ力点部
５２１ｈ相手方係止体
５２１ｇ相手方嵌合接続部

Claims

端子金具と、
相手方嵌合接続部へのコネクタ挿入方向に沿った嵌合接続及び前記相手方嵌合接続部からのコネクタ抜去方向に沿った抜き取りが可能な嵌合接続部を有し、かつ、前記嵌合接続部の内方に前記端子金具を収容させるハウジングと、
前記ハウジングに組み付けられ、かつ、前記嵌合接続部及び前記相手方嵌合接続部が嵌合接続完了状態のときに、前記ハウジングにおける前記相手方嵌合接続部からの突出部分を外方から覆い隠すカバーと、
前記端子金具に電気接続させ、かつ、組付け完了状態の前記ハウジング及び前記カバーの成す引出口から外方に引き出させる導電部品と、
を備え、
前記カバーは、前記突出部分を覆うための主体を成すカバー主壁と、互いに間隔を空けて対向配置させ、かつ、前記カバー主壁の両端部に各々直交状態で連接させ、かつ、可撓性を持たせた第１カバー側壁及び第２カバー側壁と、前記カバー主壁と前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁における前記コネクタ挿入方向側のそれぞれの端部を周縁部とする第１開口と、前記第１カバー側壁及び前記第２カバー側壁の対向配置方向と前記コネクタ挿入方向とに対する直交方向における前記カバー主壁と前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁のそれぞれの端部を周縁部とし、かつ、一部が前記引出口として利用される第２開口と、を有し、
前記ハウジングは、前記組付け完了状態のときに前記第１カバー側壁に対向配置させる第１ハウジング側壁と、前記組付け完了状態のときに前記第２カバー側壁に対向配置させる第２ハウジング側壁と、前記嵌合接続部及び前記相手方嵌合接続部が前記嵌合接続完了状態のときに、前記相手方嵌合接続部に設けた相手方係止体に係止させて、前記嵌合接続部及び前記相手方嵌合接続部を前記嵌合接続完了状態のまま保持させる係止体と、前記嵌合接続部を前記相手方嵌合接続部から抜き取る際に前記係止体と前記相手方係止体との間の係止可能な状態を解除させる係止解除アームと、を有し、
前記係止体と前記係止解除アームは、前記組付け完了状態のときに前記ハウジングにおける前記第２開口側とは逆側に配置され、
前記係止解除アームは、前記係止体と前記相手方係止体との間の係止可能な状態を解除する際に、前記第２開口側に向けて押動操作させる力点部を有し、
前記カバーは、前記力点部を覆い、自らを前記第２開口側に変位させることで前記力点部を前記第２開口側に向けて押し動かす押動部を有し、
前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁のそれぞれの外壁面における前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁のそれぞれの重心位置よりも前記コネクタ抜去方向側には、前記嵌合接続部を前記相手方嵌合接続部から抜き取る際に手指を引っ掛けて当該手指で把持させることが可能な把持部を設け、
前記ハウジングと前記カバーとの間には、これらが前記組付け完了状態のときに、前記ハウジングに対する前記カバーの前記コネクタ抜去方向への動きを係止して、これらを前記組付け完了状態のまま保持させる主係止構造及び副係止構造を設け、
前記主係止構造は、前記ハウジングに設けた第１主係止体と、前記カバーに設け、前記組付け完了状態のときに前記第１主係止体との間で係止し合って前記ハウジングと前記カバーを前記組付け完了状態のまま保持させる第２主係止体と、を備え、
前記副係止構造は、前記ハウジングに設けた第１副係止体と、前記カバーにおける前記第２主係止体よりも前記第２開口側に設け、前記組付け完了状態のときに前記第１副係止体との間で係止し合って前記ハウジングと前記カバーを前記組付け完了状態のまま保持させる第２副係止体と、を備え、
前記第１主係止体と前記第１副係止体は、前記第１ハウジング側壁と前記第２ハウジング側壁に各々設け、
前記第２主係止体と前記第２副係止体は、前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁に各々設け、
前記第１主係止体と前記第２主係止体は、前記組付け完了状態のときに前記ハウジングと前記カバーの接続方向に対する逆向きの動きを互いに係止させるよう対向配置させた係止可能な状態とし、
前記第１副係止体と前記第２副係止体は、前記組付け完了状態のときに前記接続方向に対する逆向きの動きを互いに係止させるよう対向配置させた係止可能な状態とし、
前記第２副係止体は、前記組付け完了状態のときに前記第１副係止体に対して前記第１副係止体よりも前記コネクタ挿入方向側で対向配置させて前記第１副係止体との間での前記係止可能な状態となり、かつ、それぞれの前記把持部に手指を引っ掛けながら前記コネクタ抜去方向に力が加えられて前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁が撓み、その撓みに伴い前記第１主係止体と前記第２主係止体との間の前記係止可能な状態が解除されたときにも、前記第１副係止体に対して前記第１副係止体よりも前記コネクタ挿入方向側で対向配置させて前記第１副係止体との間での前記係止可能な状態を保ち続けることを特徴としたコネクタ。
前記第１カバー側壁は、少なくとも前記第１ハウジング側壁から離れる方向へと撓み変形させるものとして形成され、
前記第２カバー側壁は、少なくとも前記第２ハウジング側壁から離れる方向へと撓み変形させるものとして形成されることを特徴とした請求項１に記載のコネクタ。
前記第２主係止体と前記第２副係止体は、前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁におけるそれぞれの前記重心位置よりも前記第１開口側に設けることを特徴とした請求項１又は２に記載のコネクタ。
前記第２主係止体は、前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁におけるそれぞれの前記重心位置よりも前記第１開口側に設け、
前記第２副係止体は、前記第１カバー側壁と前記第２カバー側壁におけるそれぞれの前記重心位置よりも前記第１開口側で且つそれぞれの前記重心位置よりも前記第２開口側に設けることを特徴とした請求項１又は２に記載のコネクタ。
前記第１主係止体と前記第１副係止体は、前記コネクタ挿入方向又は前記コネクタ抜去方向で同等の位置に配置され、
前記第１副係止体は、前記第１主係止体よりも前記組付け完了状態のときの前記第２開口側に配置され、
前記第２主係止体と前記第２副係止体は、前記コネクタ挿入方向又は前記コネクタ抜去方向で同等の位置に配置され、
前記第２副係止体は、前記第２主係止体よりも前記第２開口側に配置されることを特徴とした請求項１から４の内の何れか１つに記載のコネクタ。