JP7206612B2 - ブロック共重合体 - Google Patents
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Description
[1]下記一般式(1)で示される構造を有し、数平均分子量が1,000~1,000,000であるブロック共重合体。
[2]前記一般式(1)において、Z及びAが-O-で示される基である[1]に記載のブロック共重合体。
[3]m/(m+n)の値が0.02~0.7である[1]又は[2]に記載のブロック共重合体。
上記一般式(1)で示される構造を有するブロック共重合体は、モノマー化合物の調製及びそれらの重合を含め、基本的には当業者の技術水準に基づき、常法により製造することができる。例えば、使用するモノマーとしては特に限定されないが、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと、3-(4-アジドフェノキシ)プロピルメタクリレート、4-(4-アジドフェノキシ)ブチルメタクリレート、5-(4-アジドフェノキシ)ペンチルメタクリレート、6-(4-アジドフェノキシ)ヘキシルメタクリレート、3-(4-アジド-2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)プロピルメタクリレート、4-(4-アジドフェニル)ブチルメタクリレート、4-(4-アジド-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ブチルメタクリレート、3-(4-アジドフェノキシ)プロピルアクリレート、4-(4-アジドフェニル)ブチルアクリレート、3-(4-アジドフェノキシ)プロピルメタクリルアミド、3-(4-アジド-2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)プロピルメタクリルアミド、3-(4-アジドフェノキシ)プロピルアクリルアミド、4-(4-アジドフェニル)ブチルメタクリルアミド、4-(4-アジドフェニル)ブチルアクリルアミド等のモノマーを用いる。
(1)ブロック共重合体組成比
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、JNM-ECZ400S)を用いたプロトン核磁気共鳴分光(1H-NMR)スペクトル分析により求めた。重溶媒として重水を用いて測定した。
(2)ブロック共重合体の物性
ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)と多分散度(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー製 HLC-8320GPCを用い、カラムとしては、東ソー製 TSKgel GMHHR-Lを用い、カラム温度を40℃に設定し、溶離液としてテトラフルオロエタノールを用いて測定した。標準サンプルとしてポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いて、PMMA換算にて分子量換算を行った。
(3)親水性
ブロック共重合体を固定化することによる、基材の親水性に及ぼす影響を、水中接触角測定により評価した。この接触角測定は、水中でフィルム表面に気泡を接触させるcaptive bubble法を用いて測定した接触角θから求めた対水接触角(180-θ)にて評価した。実際の測定は、測定サンプルを一晩純水中に浸漬したのち、触角計を用い、室温、常圧のもとで気泡を水中で表面に接触させ、接触角を測定した。
ガラス製の200mL2口フラスコに2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(2.0g,6.7mmol)、エタノール14mL、臭化銅(II)(3.0mg,0.014mmol)、2,2’-ビピリジン(25.4mg,0.16mmol)、臭化銅(I)(9.6mg,0.07mmol)を加え撹拌した。窒素バブリングを30分行った後にエチル2?ブロモイソブチレート(9.96μL,0.07mmol)を添加し、40℃で4時間重合した。この段階でのポリマーはMn=24,000、Mw/Mn=1.3であった。その後、エタノール6mLに3-(4-アジドフェノキシ)プロピルメタクリレート(0.39g,1.47mmol)を溶解させた溶液を加え、50℃で10時間重合を続けた。重合反応液を200mLのTHF中に滴下し、再沈殿を行い、析出したポリマーをTHF/メタノール10/1(容量比)の溶液で洗浄した。その後、メタノールに溶解させシリカゲルで銅触媒の吸着除去を行い、減圧乾燥により黄茶色紛体のブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体は、Mn=27,000、Mw/Mn=1.4であった。組成比は、1H-NMRの積分比から決定し、下記構造式(7)において、m/(m+n)の値が0.07であった。
ブロック共重合体の構造式(5)
4cm×4cmに切り出したポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルム(GLサイエンス製、スマートバッグ2F)に、実施例1で合成したブロック共重合体の2質量%含有溶液(溶媒:メタノール)を調製することにより作製した表面改質剤を、2000rpmで一分間スピンコートした後、高圧水銀灯(東芝ライテック製H400P)により、2秒間UV照射(21mJ/cm2)を行った。その後、メタノールおよび水を用いて掛け洗いし、表面が改質されたフィルム基材を得た。
実施例2で調製したブロック共重合体が固定化されたフィルム基材の接触角は5.4°であり、親水性が高かった。
PVDF製多孔質膜(マイクロダイン・ナディア社製MV020)を実施例1で合成したブロック共重合体の2質量%含有溶液(溶媒:メタノール)に5分間浸漬させた後、室温下、窒素雰囲気下で2時間放置し乾燥させた。次いで、高圧水銀灯(東芝ライテック製H400P)により、2秒間UV照射(21mJ/cm2)を行った。その後、室温下、超純水、メタノール中で各2秒間超音波を照射することにより洗浄した。これにより、表面が改質されたPVDF製多孔質膜を得た。
インスリン(和光純薬製)をサンプルタンパク質として使用した。実施例4で調製した表面改質した多孔質膜を1cm×1cmに切り出した。インスリン溶液(0.1mg/mL、PBSで希釈、5mL)中、室温下で2時間振とう(80rpm)させた後、PBSで洗浄した。φ12×105の試験管に試料を入れ、Thermo scientific製のBCA試薬を1mL、ドデシル硫酸ナトリウムの4重量%PBS溶液を1mL加え、1時間60℃で加熱した。その後、分光光度計(株式会社日立ハイテクサイエンス製、UH5300)を用いて波長562nmにおける抽出液の吸光度を測定することにより、膜へ吸着したインスリンの量を定量したところ、0.1μg/cm2だった。表面改質した多孔質膜表面では、PEGMAユニットのタンパク質吸着抑制能が効果的に機能していることが示された。
ガラス製の50mL2口フラスコに2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(1.1g,3.8mmol)、エタノール8mL、臭化銅(II)(1.7mg,0.008mmol)、2,2’-ビピリジン(14.4mg,0.09mmol)、臭化銅(I)(5.5mg,0.04mmol)を加え撹拌した。窒素バブリングを30分行った後にエチル2-ブロモイソブチレート(5.68μL,0.04mmol)を添加し、40℃℃で4時間重合した。この段階でのポリマーはMn=22,700、Mw/Mn=1.3であった。その後、エタノール6mLに3-(4-アジドフェノキシ)プロピルメタクリレート(0.66g,2.53mmol)、2,2’-ビピリジン(464mg,2.97mmol)、臭化銅(I)(181mg,1.26mmol)を溶解させた溶液を加え、50℃で7.5時間重合を続けた。重合反応液を200mLのTHF中に滴下し、再沈殿を行い、析出したポリマーをTHF/メタノール10/1(容量比)の溶液で洗浄した。その後、メタノールに溶解させシリカゲルで銅触媒の吸着除去を行い、減圧乾燥により黄茶色紛体のブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体は、Mn=28,700、Mw/Mn=1.2であった。組成比は、1H-NMRの積分比から決定し、下記構造式(6)において、m/(m+n)の値が0.15であった。
ブロック共重合体の構造式(6)
実施例6で合成したブロック共重合体を用いた以外は、実施例2と同様にしてフィルムへの表面改質を行った。
実施例7で表面を改質したフィルムを用いた以外は実施例3と同様にして接触角の測定を行ったところ、対水接触角は7.1°であった。
実施例6で合成したブロック共重合体を用いた以外は、実施例4と同様の操作により、表面が改質されたPVDF製多孔質膜を得た。
実施例9で調製したPVDF製多孔質膜を用いた以外は実施例5と同様の操作によりインスリン吸着量を測定したところ、0.16μg/cm2だった。
ガラス製の50mL2口フラスコに2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(2.0g,6.8mmol)および3-(4-アジドフェノキシ)プロピルメタクリレート(0.18g,0.68mmol)、重合開始剤として、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(5.5mg)を秤量した。メタノール12.6mLを加え溶解させたのち、十分に溶液中の酸素を窒素で除去後、反応はウォーターバスを用いて60度で5時間行った。反応終了後、メタノール10mLを加え希釈し、THF240mL中に添加し、再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥により、淡黄白色紛体として1.58gのランダム共重合体を得た。得られたポリマーは、Mn=207,400、Mw/Mn=2.3であった。組成比は、1H-NMRの積分比から決定し、下記構造式(7)において、m/(m+n)の値が0.09であった。
比較例1で合成したランダム共重合体を用いた以外は、実施例2と同様にしてフィルムへの表面改質を行った。
比較例2で表面を改質したフィルムを用いた以外は実施例3と同様にして接触角の測定を行ったところ、対水接触角は12.0°であった。
比較例1で合成したランダム共重合体を用いた以外は、実施例4と同様の操作により、表面が改質されたPVDF製多孔質膜を得た。
比較例4で調製したPVDF製多孔質膜を用いた以外は実施例5と同様の操作によりインスリン吸着量を測定したところ、0.7μg/cm2だった。
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