JP6645324B2 - 表面修飾フィルム - Google Patents
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Description
[1]基材フィルムと、基材フィルム表面に親水性基を含む機能性成分及びニトレンの反応によって生じる架橋成分を含む機能性ポリマー層とからなる表面修飾フィルムであって、前記架橋前の機能性ポリマーが一般式(1)で示される構造を有していることを特徴とする表面修飾フィルム。
[2]前記機能性ポリマー層に導入される機能性成分がアルコキシアルキル基、アルコキシポリオキシエチレン基、ヒドロキシポリオキシエチレン基、ベタイン性基から選ばれた官能基とビニル基とを有するモノマーの重合体であることを特徴とする[1]に記載の表面修飾フィルム。
[3]前記機能性ポリマー層に導入される架橋成分がアジド基とビニル基とを有するモノマーの重合体であることを特徴とする[1]に記載の表面修飾フィルム。
[4]一般式(1)で示される機能性成分と5〜25モル%のアジド基を有する成分からなる機能性ポリマーを基材フィルム表面にコーティングした後、光照射により前記基材フィルム表面に共有結合を介して結合した機能性ポリマー層を形成することを特徴とする、表面修飾フィルムの製造方法。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明の表面修飾フィルムは、基材フィルム及び基材面に形成された機能性ポリマー層とからなる。
一方、有機ポリマーで作成されたフィルムやシートの場合はそのような必要はなく、そのまま用いることができる。上記有機ポリマーの例としては、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS、ポリメタクリル酸メチル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル等が挙げられる。
本発明で用いられる機能性ポリマー層とは基材フィルム表面に親水性基を含む機能性成分及びニトレンの反応によって生じる架橋成分とからなり、架橋前の機能性ポリマーが一般式(1)で示される構造を有しているものである。
上記一般式(1)で示される架橋前の機能性ポリマーにおいて、×で表される置換基を有しても良いフェニレン基の置換基としては、特に限定されないが、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基等が例示される。×としては、エステル結合が好ましい。
以下の実施例において、各物性の測定及び評価は次の方法で行った。
(1)機能性ポリマーの組成比
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、JNM−ECZ400S)を用いたプロトン核磁気共鳴分光(1H−NMR)スペクトル分析により求めた。重溶媒としてd−クロロホルムを用いて測定した。
(2)機能性ポリマーの分子量測定
光反応性ポリマーの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)と多分散度(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー製HLC−8320GPCを用い、カラムとしては、東ソー製TSKgelGMHHR−Lを用い、カラム温度を40℃に設定し、溶離液としてTHFを用いて測定した。標準サンプルとして東ソー製単分散ポリスチレンを用いて、ポリスチレン換算にて分子量換算を行った。
(3)機能性ポリマーの固定化量測定
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)(PerkinElmer社製、SPECTRUMONE)を用い、ATR法にて測定した。ポリマー固定化量は、機能性ポリマー由来のエステルカルボニルの吸収(1730cm−1前後)強度と基材の吸収(PVDF:870cm−1、PE:1463cm−1、アラミド:1647cm−1、塩素化PVC:1250cm−1)から算出した相対強度を測定することで求めた。
機能性ポリマーを固定化することによる、基材の親水性に及ぼす影響を、水中接触角測定により評価した。この接触角測定は、水中でフィルム表面に気泡を接触させるcaptivebubble法を用いて測定した接触角θから求めた対水接触角(180−θ)にて評価した。実際の測定は、測定サンプルを一晩純水中に浸漬したのち、触角計を用い、室温、常圧のもとで気泡を水中で表面に接触させ、接触角を測定した。
QCMを用いて各種基材へのアルブミン吸着量を測定した。基材ポリマーの0.5%溶液をセンサーチップにスピンコートし、センサーチップ上に基材ポリマーの薄膜を形成した。次いで、機能性ポリマーの0.2%溶液を基材ポリマー薄膜上にスピンコートし、風乾後UV照射を行った。このセンサーチップをリン酸緩衝液490μL中で安定化させた後、ウシ血清アルブミンのリン酸緩衝液(1mg/ml)10μLを添加し、振動数変化から吸着量を測定した。
500mLナス型フラスコに4−ブロモフェノール(51.9g,0.30mol)と炭酸カリウム(97.6g,0.75mol)を入れアルゴン置換した。脱水DMF(300mL)を加え、80度で30分間加熱撹拌した。そこに3−ブロモ−1−プロパノール(50.0g,0.36mol)を加え80度で20時間加熱撹拌した。TLC(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で4−ブロモフェノールの消費を確認後、室温まで冷却した。水(400mL)を加え、有機相を酢酸エチルで抽出した(300mL×3)。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去することで3−(4−ブロモフェニル)−1−プロパノールを茶色オイルとして得た(66.4g,0.29mol,96%)。1HNMR(400MHz,CDCl3,r.t.):δ1.72(s,1H),2.00−2.07(m,2H),3.83−3.89(m,2H),4.09(t,2H,J=6.0Hz),6.75−6.81(m,2H),7.35−7.39(m,2H)。
[機能性ポリマーの合成]
ガラス製のシュレンクフラスコにポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA、数平均分子量=300)(18mmol)および参考例1で製造した3−(4−アジドフェノキシ)プロピルメタクリレート(2mmol)、重合開始剤として、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(0.09mmol)を秤量した。THF17mLを用いてモノマーと開始剤を溶解させ、均一溶液とした。十分に溶液中の酸素を窒素で除去後、反応はウォーターバスを用いて60℃で8時間行った。反応終了後、ヘキサンを用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥により、褐色の粘性体の光反応性ポリマーを得た。得られたポリマーは、Mn=72,000、Mw/Mn=3.5であった。組成比は、1HNMRにて、PEGMA由来の−OCH3ピーク(3.36−3.40,br,3H)と、3−(4−アジドフェノキシ)プロピルメタクリレート由来の芳香環ピーク(6.86−6.71,br,4H)の積分比によって決定し、下記構造式(1)において、m/(m+n)の値が0.09であった。
4cm×4cmに切り出したポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルム(GLサイエンス製、スマートバッグ2F、t=50μm)に、上記で合成した機能性ポリマーの2%THF溶液を2000rpmで一分間スピンコートした。風乾後、高圧水銀灯(東芝ライテック製H400P)により、2秒間UV照射(21mJ/cm2)を行った。その後、THFを用いて掛け洗いし、表面修飾PVDFフィルムを得た。掛け洗い前後でのフィルム表面におけるエステルカルボニルピークの相対強度を比較し、機能性ポリマーの固定化率を算出したところ、95%であった。
上記の機能性ポリマー固定化フィルムについて接触角測定を行った。表面修飾フィルムの対水接触角は40°であり、親水性が高かった。これは、光反応性ポリマーに含まれるPEGMAユニットの親水性に由来するものであると考えられた。
上記の機能性ポリマー固定化フィルムについて、QCMを用いてアルブミン吸着量を測定した。表面修飾フィルムのアルブミン吸着量は30ng/cm2であり、表面修飾によりタンパク質吸着が著しく抑制されていた。
[機能性ポリマーの合成]
実施例1と同様の方法で、機能性ポリマーを合成した。
[ポリエチレフィルムへの固定化]
PVDFフィルムをポリエチレン(PE、東ソー製、ペトロセン183を熱プレスによりフィルム状に成形したもの、t=75μm)フィルムに代えた以外は、実施例1と同様にしてPEフィルムの表面修飾を行った。機能性ポリマーの固定化率は92%だった。
[水中接触角測定による表面の親水性(ぬれ性)評価]
実施例2で表面修飾したPEフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして接触角の測定を行った。対水接触角は54°であった。
実施例2で表面修飾したPEフィルムを用いた以外は実施例1と同様にしてアルブミン吸着量の測定を行った。アルブミン吸着量は42ng/cm2であり、表面修飾によりタンパク質吸着が著しく抑制されていた。
[機能性ポリマーの合成]
実施例1と同様の方法で、機能性ポリマーを合成した。
[ポリエチレンシートへの固定化]
PVDFフィルムをポリエチレン(東ソー製、ペトロセン183を熱プレスによりシート状に成形したもの、t=1mm)シートに代えた以外は、実施例1と同様にしてシートの表面修飾を行った。機能性ポリマーの固定化率は92%だった。
実施例3で表面修飾したPEシートを用いた以外は実施例1と同様にして接触角の測定を行った。対水接触角は54°であった。
[アルブミン吸着量の測定]
実施例3で表面修飾したPEシートを用いた以外は実施例1と同様にしてアルブミン吸着量の測定を行った。アルブミン吸着量は40ng/cm2であり、表面修飾によりタンパク質吸着が著しく抑制されていた。
[機能性ポリマーの合成]
実施例1と同様の方法で、機能性ポリマーを合成した。
[アラミドフィルムへの固定化]
PVDFフィルムをアラミド(PA、東レ製ミクトロン、t=25μm)フィルムに代えた以外は、実施例1と同様にしてフィルムの表面修飾を行った。機能性ポリマーの固定化率は90%だった。
実施例4で表面修飾したPAフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして接触角の測定を行った。対水接触角は40°であった。
[アルブミン吸着量の測定]
実施例4で表面修飾したPAフィルムを用いた以外は実施例1と同様にしてアルブミン吸着量の測定を行った。アルブミン吸着量は20ng/cm2であり、表面修飾によりタンパク質吸着が著しく抑制されていた。
[機能性ポリマーの合成]
実施例1と同様の方法で、機能性ポリマーを合成した。
[C−PVCフィルムへの固定化]
PVDFフィルムを塩素化ポリ塩化ビニル(C−PVC、積水化学製HA−15EをTHFに溶解させソルベントキャストでフィルム作成、t=30μm)フィルムに代えた以外は、実施例1と同様にしてフィルムの表面修飾を行った。機能性ポリマーの固定化率は98%だった。
[水中接触角測定による表面の親水性(ぬれ性)評価]
実施例5で表面修飾したC−PVCフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして接触角の測定を行った。対水接触角は34°であった。
実施例5で表面修飾したC−PVCフィルムを用いた以外は実施例1と同様にしてアルブミン吸着量の測定を行った。アルブミン吸着量は20ng/cm2であり、表面修飾によりタンパク質吸着が著しく抑制されていた。
[機能性ポリマーの合成]
ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA、数平均分子量=300)(18mmol)に代えて2−(N−3−スルホプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルメタクリレート(SBMA、10mmol)を用いたこと、3−(4−アジドフェノキシ)プロピルメタクリレート使用量を2mmolから10mmolに変更したこと、THF17mLに代えてメタノール60mLを用いたことを除いて実施例1と同様の方法で、機能性ポリマーを製造した。得られたポリマーは、Mn=59,000、Mw/Mn=1.8であった。組成比は、1HNMRにて、2−(N−3−スルホプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルメタクリレート由来のアンモニウム基のメチルピーク(3.2−3.3,br,6H)と、3−(4−アジドフェノキシ)プロピルメタクリレート由来の芳香環ピーク(6.4−7.4,br,4H)の積分比によって決定し、下記構造式(2)において、m/(m+n)の値が0.20であった。
実施例1と同様にしてフィルムの表面修飾を行った。機能性ポリマーの固定化率は100%だった。
[水中接触角測定による表面の親水性(ぬれ性)評価]
実施例6で表面修飾したPVDFフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして接触角の測定を行った。対水接触角は30°であった。
[アルブミン吸着量の測定]
実施例6で表面修飾したPVDFフィルムを用いた以外は実施例1と同様にしてアルブミン吸着量の測定を行った。アルブミン吸着量は15ng/cm2であり、表面修飾によりタンパク質吸着が著しく抑制されていた。
[水中接触角測定による表面の親水性(ぬれ性)評価]
基材フィルムとして実施例1に用いたものと同じPVDFフィルムを用い、同様の方法で接触角の測定を行った。対水接触角は82°であった。
[アルブミン吸着量の測定]
実施例1と同様にしてアルブミン吸着量の測定を行った。アルブミン吸着量は400ng/cm2であった。
[水中接触角測定による表面の親水性(ぬれ性)評価]
実施例2と同様のPEフィルムを用い、対水接触角を測定した。対水接触角は86°であった。
[アルブミン吸着量の測定]
実施例1と同様にしてアルブミン吸着量の測定を行った。アルブミン吸着量は320ng/cm2であった。
比較例3
[水中接触角測定による表面の親水性(ぬれ性)評価]
実施例4と同様のPAフィルムを用い、対水接触角を測定した。対水接触角は61°であった。
[アルブミン吸着量の測定]
実施例1と同様にしてアルブミン吸着量の測定を行った。アルブミン吸着量は250ng/cm2であった。
[水中接触角測定による表面の親水性(ぬれ性)評価]
実施例5と同様のC−PVCフィルムを用い、対水接触角を測定した。対水接触角は80°であった。
[アルブミン吸着量の測定]
実施例1と同様にしてアルブミン吸着量の測定を行った。アルブミン吸着量は360ng/cm2であった。
[機能性ポリマーの合成]
PEGMAを5mmol、3−(4−アジドフェノキシ)プロピルメタクリレートを5mmol、THFを6mL、AIBNを0.045mmol用いたことを除いて実施例1と同様の方法で、機能性ポリマーを製造した。得られたポリマーは、Mn=30,000、Mw/Mn=3.0であった。組成比は1HNMRにて実施例1と同様にして求めた。m/(m+n)の値は0.48であった。
[PVDFフィルムへの固定化]
実施例1と同様にしてフィルムの表面修飾を行った。機能性ポリマーの固定化率は100%だった。
[水中接触角測定による表面の親水性(ぬれ性)評価]
比較例5で表面修飾したPVDFフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして接触角の測定を行った。対水接触角は47°であった。
[アルブミン吸着量の測定]
比較例5で表面修飾したPVDFフィルムを用いた以外は実施例1と同様にしてアルブミン吸着量の測定を行った。アルブミン吸着量は220ng/cm2であった。
[機能性ポリマーの合成]
PEGMAを19.8mmol、3−(4−アジドフェノキシ)プロピルメタクリレートを0.2mmol、THFを6mL、AIBNを0.045mmol用いたことを除いて実施例1と同様の方法で、機能性ポリマーを製造した。得られたポリマーは、Mn=70,000、Mw/Mn=2.7であった。組成比は1HNMRにて実施例1と同様にして求めた。m/(m+n)の値は0.01であった。
[PVDFフィルムへの固定化]
実施例1と同様にしてフィルムの表面修飾を行った。機能性ポリマーの固定化率は20%だった。
比較例6で表面修飾したPVDFフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして接触角の測定を行った。対水接触角は62°であった。
[アルブミン吸着量の測定]
比較例5で表面修飾したPVDFフィルムを用いた以外は実施例1と同様にしてアルブミン吸着量の測定を行った。アルブミン吸着量は330ng/cm2であった。
[機能性ポリマーの合成]
3−(4−アジドフェノキシ)プロピルメタクリレートに代えて2−(4−アジドフェノキシ)エチルメタクリレート(参考例1において3−ブロモ−1−プロパノールに代えて2−ブロモ−1−エタノールを用い、同様の方法で製造)を用いたことを除いて、実施例1と同様の方法で機能性ポリマーを製造した。得られたポリマーは、Mn=60,000、Mw/Mn=2.7であった。組成比は、1HNMRにて、PEGMA由来の−OCH3ピーク(3.36−3.40,br,3H)と、2−(4−アジドフェノキシ)エチルメタクリレート由来の芳香環ピーク(6.86−6.71,br,4H)の積分比によって決定し、下記構造式(3)において、m/(m+n)の値が0.08であった。
実施例1と同様にしてフィルムの表面修飾を行った。機能性ポリマーの固定化率は55%だった。
[水中接触角測定による表面の親水性(ぬれ性)評価]
比較例7で表面修飾したPVDFフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして接触角の測定を行った。対水接触角は55°であった。
[アルブミン吸着量の測定]
比較例7で表面修飾したPVDFフィルムを用いた以外は実施例1と同様にしてアルブミン吸着量の測定を行った。アルブミン吸着量は290ng/cm2であった。
[機能性ポリマーの合成]
3−(4−アジドフェノキシ)プロピルメタクリレートに代えて3−(4−アジドフェニルカルボキシ)エチルメタクリレートを用いたことを除いて、実施例1と同様の方法で機能性ポリマーを製造した。得られたポリマーは、Mn=75,000、Mw/Mn=3.5であった。組成比は、1HNMRにて、PEGMA由来の−OCH3ピーク(3.36−3.40,br,3H)と、3−(4−アジドフェニルカルボキシ)エチルメタクリレート由来の芳香環ピーク(8.00−8.11,7.09−7.17,br,4H)の積分比によって決定し、下記構造式(4)において、m/(m+n)の値が0.09であった。
実施例1と同様にしてフィルムの表面修飾を行った。機能性ポリマーの固定化率は11%だった。
比較例8で表面修飾したPVDFフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして接触角の測定を行った。対水接触角は62°であった。
[アルブミン吸着量の測定]
比較例8で表面修飾したPVDFフィルムを用いた以外は実施例1と同様にしてアルブミン吸着量の測定を行った。アルブミン吸着量は340ng/cm2であった。
Claims (4)
- 基材フィルムと、基材フィルム表面に親水性基を含む機能性成分及びニトレンの反応によって生じる架橋成分を含む機能性ポリマー層とからなる表面修飾フィルムであって、前記機能性ポリマー層が、一般式(1)で示される機能性ポリマーに含まれるアジド基から生じるニトレンの反応によって生じる架橋成分を含むものであることを特徴とする表面修飾フィルム。
- 前記機能性ポリマー層に導入される機能性成分がアルコキシアルキル基、アルコキシポリオキシエチレン基、ヒドロキシポリオキシエチレン基、ベタイン性基から選ばれた官能基とビニル基とを有するモノマーの重合体であることを特徴とする請求項1に記載の表面修飾フィルム。
- 前記機能性ポリマー層に導入される架橋成分がアジド基とビニル基とを有するモノマーの重合体であることを特徴とする請求項1に記載の表面修飾フィルム。
- 一般式(1)で示される機能性成分と5〜25モル%のアジド基を有する成分からなる機能性ポリマーを基材フィルム表面にコーティングした後、光照射により前記基材フィルム表面に共有結合を介して結合した機能性ポリマー層を形成することを特徴とする表面修飾フィルムの製造方法。
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