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JP7192545B2 - 加飾フィルム及びそれを用いた加飾成形体の製造方法 - Google Patents

加飾フィルム及びそれを用いた加飾成形体の製造方法 Download PDF

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JP7192545B2 JP2019020788A JP2019020788A JP7192545B2 JP 7192545 B2 JP7192545 B2 JP 7192545B2 JP 2019020788 A JP2019020788 A JP 2019020788A JP 2019020788 A JP2019020788 A JP 2019020788A JP 7192545 B2 JP7192545 B2 JP 7192545B2
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Description

本発明は、樹脂成形体上に熱成形によって貼着するための加飾フィルム及びその加飾フィルムを用いた加飾成形体の製造方法に関する。詳しくは、熱成形時のフィルムのしわや破膜を抑制でき、樹脂成形体への十分な接着強度を発現することができる、樹脂成形体上に熱成形によって貼着するための加飾フィルム及びその加飾フィルムを用いる加飾成形体の製造方法に関する。さらには、接触ムラがなく熱成形性に優れ、耐候性及び接着力が良好であり、熱成形前後で耐候性の低下が抑制され、かつ、リサイクル性に優れる、三次元加飾熱成形に用いることができる加飾フィルム及びその加飾フィルムを用いた加飾成形体の製造方法に関する。
近年、VOC(揮発性有機化合物)削減要求等で塗装に代わる加飾技術への要求が高まっており、様々な加飾技術の提案が成されている。
なかでも塗膜に代わる加飾フィルム(装飾シート)を真空圧空成形又は真空成形により成形体に適用して、加飾フィルム及び成形体が一体化された装飾成形品を形成する技術が提案され(例えば特許文献1参照)、近年、特に注目されるようになっている。
真空圧空成形及び真空成形による加飾成形は、インサート成形に代表される他の加飾成形に比べ、形状の自由度が大きく、加飾フィルムの端面が加飾対象の裏側まで巻き込まれることで継ぎ目が生じないため外観に優れ、さらに、比較的低温、低圧で熱成形することができることから、加飾フィルム表面にシボ等を付与することにより、加飾成形体の表面でのシボ等のテクスチャーの再現性に優れるといった利点を有する。
このような真空圧空成形及び真空成形による加飾成形において、加飾フィルムと成形体とを貼着させる際、加飾フィルムに破膜やしわが発生したり、加飾フィルムと成形体との接着強度が十分に得られないという課題があった。また接着強度の向上のための層として、接着剤やタッキファイヤ等の使用が提案されているが、高価であること、層構成が極めて複雑になること、耐溶剤性や耐熱性が不足すること等の問題を有している。
このような問題に対し、ポリプロピレン系樹脂からなる基体(成形体)に、ポリプロピレン系樹脂を含有する接着層を含む加飾フィルムを適用することにより、加飾フィルムと成形体とを熱融着することが提案されている(例えば特許文献2及び3を参照)。特許文献2及び3において開示された発明は、加飾フィルムの接着層としてポリプロピレン系樹脂を用いるものであるが、実質的にはさらに、接着層の上に表面層、接合層やバルク層にアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート等の層を設けることを必要としている。このように異種原材料を組み合わせることによって、ドローダウン性等の熱成形性を発現させているのであり、これらの異種原材料を含まないポリプロピレン系樹脂からなる加飾フィルムでは熱成形性を確保することができない。そのため、当該加飾フィルムを貼着した成形品の表面には、穴やしわ、空気の巻き込みが生じやすく、さらには破膜が発生し、外観の優れる加飾成形体を得ることができなかった。また、異種原材料としてポリウレタン樹脂を含む場合、熱硬化性樹脂であるポリウレタン樹脂は、加熱時に融解しないためフィルムの形態を保持しやすく熱成形性を非常に高めるものの、リサイクル性が極めて低いという課題があった。
すなわち、特許文献2及び3に記載された加飾フィルムでは、接着性及び外観等の熱成形性を確保するため異種原材料を含み、層構成が複雑でその製造には多くの工程を必要とすること、異種原材料が組み合わされた加飾フィルムのリサイクルが困難であること、という問題を有している。
また、自動車部品、家電用部品及び建材用部品においては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂といった極性樹脂材料からなる樹脂成形体が多く用いられている。これらの極性樹脂材料は、耐水性、耐薬品性が劣るため、加飾フィルムを貼着することにより、耐水性及び耐薬品性を向上させることが期待されている。
日本国特開2002-67137号公報 日本国特開2013-14027号公報 日本国特開2014-124940号公報
加飾フィルムに耐候性を付与するために、ヒンダードアミン系光安定剤や紫外線吸収剤が添加されることがある。しかし、そのようなヒンダードアミン系光安定剤や紫外線吸収剤を含む加飾フィルムは、三次元加飾成形後において耐候性が著しく損なわれるという問題があった。
従来の技術では、リサイクルが容易であり、優れた接着性及び外観を両立でき、さらには加飾成形後であっても耐候性の低下が小さいプロピレン系樹脂からなる加飾フィルムはいまだ達成されていない。本発明の課題は、上記問題点を鑑み、接触ムラがなく熱成形性に優れ、耐候性及び接着力が良好であり、熱成形前後で耐候性の低下が抑制され、かつ、リサイクル性に優れる、三次元加飾熱成形に用いることができる加飾フィルム及びそれを用いた加飾成形体の製造方法を提供することにある。
三次元加飾熱成形においては、固体状態の樹脂成形体に固体状態の加飾フィルムを貼着させるには、成形体表面及びフィルムが十分に軟化又は融解することが必要である。そのため、成形体表面とフィルムの軟化若しくは融解に必要な熱量を加えること、又は軟化若しくは融解しやすい成形体及びフィルムを用いることが重要となる。一方で、フィルムを加熱しすぎると、フィルムは粘度が低下し、三次元加飾熱成形工程における成形体の突き上げや真空チャンバーを大気圧に戻す際の空気の流入により、フィルムが破断したり暴れたりすることが外観不良につながる。本発明者らは、上記外観不良が生じる機構に着目し検討した結果、特定のポリプロピレン系樹脂からなる層を含む加飾フィルムが、前記課題を解決し得ることを見出した。
さらに、加飾成形条件、すなわち真空下において加飾フィルムを加熱するという工程において、耐候性を付与するために樹脂に添加したヒンダードアミン系光安定剤や紫外線吸収剤が著しく揮発していることをつきとめた。本発明者らは、良好な接着性を有するシール層を含むことで、低温かつ短時間での加飾成形を可能にし、ヒンダードアミン系光安定剤や紫外線吸収剤が揮発する前に加飾成形を完了させることにより、耐候性の低下を抑えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
(1)樹脂成形体上に熱成形によって貼着するためのヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有する加飾フィルムであって、該加飾フィルムは、ポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)及びポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)を含み、
前記ポリプロピレン系樹脂(A)は下記要件(a1)を満たし、前記樹脂組成物(B’)は下記要件(b1)及び(b2)を満たす加飾フィルム。
(a1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))は、2.0g/10分を超える。
(b1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(B’))は、40g/10分以下である。
(b2)ひずみ硬化度λは、1.1以上である。
(2)前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、さらに下記要件(a2)~(a4)を満たし、前記樹脂組成物(B’)は、さらに下記要件(b3)を満たす、(1)に記載の加飾フィルム。
(a2)メタロセン触媒系プロピレン系重合体である。
(a3)融解ピーク温度(Tm(A))は、150℃未満である。
(a4)GPC測定により得られる分子量分布(Mw/Mn(A))は、1.5~3.5である。
(b3)融解ピーク温度(Tm(B’))とTm(A)とは、関係式(b-3)を満たす。
Tm(B’)>Tm(A) ・・・式(b-3)
(3)前記シール層(I)は、ポリプロピレン系樹脂(A)とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X3)を含み、
前記エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)は下記要件(c1)~(c3)を満たす、(1)又は(2)に記載の加飾フィルム。
(c1)エチレン含量[E(C)]は、65重量%以上である。
(c2)密度は、0.850~0.950g/cmである。
(c3)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(C))は、0.1~100g/10分である。
(4)前記シール層(I)は、ポリプロピレン系樹脂(A)と熱可塑性エラストマー(D)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X4)を含み、
前記熱可塑性エラストマー(D)は下記要件(d1)~(d4)を満たす、(1)又は(2)に記載の加飾フィルム。
(d1)プロピレン及びブテンのうちの少なくとも1つを主成分とする熱可塑性エラストマーである。
(d2)密度は、0.850~0.950g/cmである。
(d3)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(D))は、0.1~100g/10分である。
(d4)引張弾性率がポリプロピレン系樹脂(A)の引張弾性率よりも小さい。
(5)前記シール層(I)は、ポリプロピレン系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(E)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X5)を含み、
前記熱可塑性樹脂(E)は下記要件(e1)を満たし、前記樹脂組成物(X5)は下記要件(x1)を満たす、(1)又は(2)に記載の加飾フィルム。
(e1)脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基のうちの少なくとも1つを含有する。
(x1)示差熱走査型熱量計(DSC)で求めた等温結晶化時間(t(X5))(秒)が、以下の式(x-1)を満たす。
t(X5)≧1.5×t(A) ・・・式(x-1)
(式中、t(A)は前記ポリプロピレン系樹脂(A)の結晶化開始温度よりも10℃高い温度で測定した前記ポリプロピレン系樹脂(A)の等温結晶化時間(秒)を表し、t(X5)は前記ポリプロピレン系樹脂(A)の結晶化開始温度よりも10℃高い温度で測定した前記樹脂組成物(X5)の等温結晶化時間(秒)である。)
(6)前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、下記要件(f1)及び(f2)を満たすプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)である、(1)及び(3)~(5)のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
(f1)プロピレン単独重合体又はプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F1)を5~97重量%、前記成分(F1)よりもエチレン含量が多いプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F2)を3~95重量%含有する。
(f2)融解ピーク温度(Tm(F))は、110~170℃である。
(7)樹脂成形体上に熱成形によって貼着するためのヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有する加飾フィルムであって、該加飾フィルムは、ポリオレフィン接着性樹脂(G)を含有するシール層(I)及びポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)を含み、
前記ポリオレフィン接着性樹脂(G)は下記要件(g1)及び(g2)を満たし、前記樹脂組成物(B’)は下記要件(b1)及び(b2)を満たす加飾フィルム。
(g1)少なくとも1種のヘテロ原子を含む極性官能基を有するポリオレフィン樹脂である。
(g2)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(G))は、100g/10分以下である。
(b1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(B’))は、40g/10分以下である。
(b2)ひずみ硬化度λは、1.1以上である。
(8)前記樹脂組成物(B’)が、下記要件(b1’)及び(b2’)を満たす、(1)~(7)のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
(b1’) メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(B’))は、20g/10分以下である。
(b2’)ひずみ硬化度λは、1.8以上である。
(9)前記樹脂組成物(B’)が、下記要件(b1’’)及び(b2’’)を満たす、(1)~(7)のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
(b1’’) メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(B’))は、12g/10分以下である。
(b2’’)ひずみ硬化度λは、2.3以上である。
(10)前記ポリプロピレン系樹脂(B)が、長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂(B-L)である、(1)~(9)のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
(11)前記ポリプロピレン系樹脂(B-L)が、架橋法以外の方法により製造されたゲルの少ないポリプロピレン系樹脂である、(10)に記載の加飾フィルム。
(12)前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン・α-オレフィン共重合体である、(1)~(5)及び(8)~(11)のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
(13)前記Tm(A)は、140℃以下である、(1)~(5)及び(8)~(12)のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
(14)前記エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)は、さらに下記要件(c4)を満たす、(3)に記載の加飾フィルム。
(c4)融解ピーク温度(Tm(C))は、30~130℃である。
(15)前記エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)は、さらに下記要件(c5)を満たす、(3)又は(14)に記載の加飾フィルム。
(c5)エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとのランダム共重合体である。
(16)前記熱可塑性エラストマー(D)は、エチレン含量が50重量%未満であるプロピレン-エチレン共重合体、エチレン含量が50重量%未満であるブテン-エチレン共重合体、エチレン含量が50重量%未満であるプロピレン-エチレン-ブテン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、又はブテン単独重合体である、(4)に記載の加飾フィルム。
(17)前記熱可塑性エラストマー(D)は、さらに下記要件(d5)を満たす、(4)又は(16)に記載の加飾フィルム。
(d5)融解ピーク温度(Tm(D))は、30~170℃である。
(18)前記熱可塑性樹脂(E)は、スチレン系エラストマーである、(5)に記載の加飾フィルム。
(19)前記熱可塑性樹脂(E)は、脂環族系炭化水素樹脂である、(5)に記載の加飾フィルム。
(20)前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)は、さらに下記要件(f3)を満たす、(6)に記載の加飾フィルム。
(f3)プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)中のエチレン含量は、0.15~85重量%である。
(21)前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)は、さらに下記要件(f4)を満たす、(6)又は(20)に記載の加飾フィルム。
(f4)前記成分(F1)のエチレン含量が、0~6重量%の範囲にある。
(22)前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)は、さらに下記要件(f5)を満たす、(6)、(20)又は(21)に記載の加飾フィルム。
(f5)前記成分(F2)のエチレン含量が、5~90重量%の範囲にある。
(23)(1)~(22)のいずれか1つに記載の加飾フィルムを準備するステップ、樹脂成形体を準備するステップ、減圧可能なチャンバーボックス中に、前記樹脂成形体及び前記加飾フィルムをセットするステップ、前記チャンバーボックス内を減圧するステップ、前記加飾フィルムを加熱軟化させるステップ、前記樹脂成形体に加熱軟化した前記加飾フィルムを押し当てるステップ、並びに減圧した前記チャンバーボックス内を大気圧に戻す又は加圧するステップを含む加飾成形体の製造方法。
(24)前記樹脂成形体は、プロピレン系樹脂組成物からなる、(23)に記載の加飾成形体の製造方法。
(25)前記加飾フィルムが(7)~(11)のいずれか1つに記載の加飾フィルムであって、前記樹脂成形体は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂及びこれらの複合材料より選択される少なくとも1つを含む極性樹脂材料を含む、(23)に記載の加飾成形体の製造方法。
本発明によれば、接触ムラがなく熱成形性に優れ、耐候性及び接着力が良好であり、熱成形前後で耐候性の低下が抑制され、かつ、リサイクル性に優れる、三次元加飾熱成形に用いることができる加飾フィルム及びそれを用いた加飾成形体の製造方法を提供できる。
図1A(a)~図1A(c)は、本発明の加飾フィルムを樹脂成形体に貼着させた加飾成形体の実施形態を例示する断面模式図であり、それぞれ加飾フィルムの層構成を異ならせた例である。 図1B(a)~図1B(c)は、本発明の加飾フィルムの層構成の例を示す図である。 図2は、本発明の加飾成形体の製造方法に用いる装置の概要を説明する模式的断面図である。 図3は、図2の装置内に樹脂成形体及び加飾フィルムをセットした様子を説明する模式的断面図である。 図4は、図2の装置内を加熱及び減圧する様子を説明する模式的断面図である。 図5は、図2の装置内で樹脂成形体に加飾フィルムを押し当てる様子を説明する模式的断面図である。 図6は、図2の装置内を大気圧に戻す又は加圧する様子を説明する模式的断面図である。 図7は、得られた加飾成形体において、不要な加飾フィルムのエッジがトリミングされた様子を説明する模式的断面図である。
本明細書において、加飾フィルムとは、成形体を装飾するためのフィルムをいう。加飾成形とは、加飾フィルムと成形体とを貼着させる成形をいう。三次元加飾熱成形とは、加飾フィルムと成形体とを貼着させる成形であって、加飾フィルムを成形体の貼着面に沿って熱成形すると同時に貼着させる工程を有し、該工程が、加飾フィルムと成形体との間に空気が巻き込まれるのを抑制するために、減圧(真空)下で熱成形を行い、加熱した加飾フィルムを成形体に貼着させ、圧力解放(加圧)により、密着させる工程である、成形をいう。また、数値範囲を示す「~」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明の加飾フィルムは、樹脂成形体上に熱成形によって貼着するためのヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有する加飾フィルムであって、該加飾フィルムは、ポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)及びポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)を含み、前記ポリプロピレン系樹脂(A)は下記要件(a1)を満たし、前記樹脂組成物(B’)は下記要件(b1)及び(b2)を満たすことを特徴とする。
(a1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))は、2.0g/10分を超える。
(b1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(B’))は、40g/10分以下である。
(b2)ひずみ硬化度λは、1.1以上である。
本発明の加飾フィルムは、特定のメルトフローレート(MFR)及び特定のひずみ硬度を有するポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)を用いることにより、熱硬化性樹脂層を含まなくても、三次元加飾熱成形時の熱成形性に優れ、良好な製品外観の加飾成形体を得ることが可能である。
さらには、前記加飾フィルムがヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有し、特定のメルトフローレート(MFR)を有するポリプロピレン系樹脂を含有するシール層(貼着層)(I)を含むことにより、短時間の加熱時間で樹脂成形体(基体)への貼着が可能なので、添加したヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤が揮発する前に加飾成形を完了させ、耐候性低下を抑制し、耐候性の高い加飾成形体を得ることが可能である。
前記シール層(I)の構成によっては、極性を有する基体に加飾フィルムを貼着することができ、加飾フィルムと極性樹脂材料からなる基体から製造される加飾成形体は、特に耐水性や耐薬品性に優れる。
本発明の加飾成形体の製造方法によれば、その表面に穴やしわがなく、加飾フィルムと樹脂成形体の間に空気の巻き込みが無く、耐候性低下が抑制された美麗な加飾成形体を得ることができる。さらに、このようにして得られた加飾成形体は、加飾フィルムの構成材料がポリプロピレン系樹脂(A)及びポリプロピレン系樹脂(B)であり、熱硬化性樹脂層を含まないため又は含ませなくてよいため、リサイクル時に外観や性能の低下が小さく、リサイクル適性が高い。
[ヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤]
本明細書において、ヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤(以下、両者をまとめて「耐候剤」ということがある)とは樹脂等に配合することで、樹脂の耐候性を高めることができる材料である。
耐候剤は加飾成形条件下、すなわち真空下で加熱するという成形条件下で揮発しやすいが、良好な接着性を発揮するシール層(I)を含むことで、耐候剤が揮発する前に成形を完了することができ、耐候性の低下を抑えることができる。
本発明に使用するヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、例えば、ポリ{[6-〔(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ〕-1,3,5-トリアジン-2,4ジイル]〔(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ〕}、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2-ブチル-2-(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{トリス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、1,5,8,12-テトラキス〔4,6-ビス{N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ブチルアミノ}-1,3,5-トリアジン-2-イル〕-1,5,8,12-テトラアザドデカン、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2-第三オクチルアミノ-4,6-ジクロロ-s-トリアジン/N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物、2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン-N-オキシル、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-オキシルピペリジン)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-オキシルピペリジル)ブタン-1,2,3,4-テトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-(トリス(2,2,6,6-テトラメチル-N-オキシルピペリジル-4-オキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ)エチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等が挙げられる。この中で特に好ましいのは、ポリ{[6-〔(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ〕-1,3,5-トリアジン-2,4ジイル]〔(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ〕}、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレートである。
市販品としては例えば、株式会社ADEKA製のLA-68(登録商標)やLA-57(登録商標)、BASF株式会社製のTinuvin770(登録商標)、Tinuvin765(登録商標)、Chimassorb944(登録商標)やTinuvin622(登録商標)等が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤は、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
ヒンダードアミン系光安定剤の添加量は、該光安定剤を含む層を構成する樹脂100重量部に対して、0.001~1.00重量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.005~0.50重量部である。添加量が上記範囲であると、良好な耐候性の加飾フィルム及び加飾成形体を得ることができる。
本発明に使用する紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、[2-ヒドロキシ-4-(オクチロキシ)フェニル](フェニル)メタノン、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,2’-メチレンビス(4-t-オクチル-6-ベンゾトリアゾリル)フェノール、2-(4,6-ジフェニルー1,3,5-トリアジンー2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシー4-ヘキシルオキシー3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
市販品としては例えば、株式会社ADEKA製のアデカスタブLA-36(登録商標)、アデカスタブ1413(登録商標)、アデカスタブLA-31G(登録商標)、アデカスタブLA-46(登録商標)、アデカスタブLA-F70(登録商標)や、BASF株式会社製のTinuvin326(登録商標)等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
紫外線吸収剤の添加量は、該紫外線吸収剤を含む層を構成する樹脂100重量部に対して、0.001~1.00重量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.005~0.50重量部である。添加量が上記範囲であると、良好な耐候性の加飾フィルム及び加飾成形体を得ることができる。
また、ヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤の両方が含まれていてもよく、その場合は両耐候剤の合計量が、該耐候剤を含む層を構成する樹脂100重量部に対して、0.002~2.00重量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.01~1.00重量部である。
ヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤の含有比率を特定の範囲にすることにより、より高い効果を発揮することができる。両耐候剤の配合比率は、ヒンダードアミン系光安定剤/紫外線吸収剤の=1/5~5/1が好ましく、より好ましくは1/4~4/1である。両者の耐候剤が含まれることで、耐候剤同士の相乗効果により、より良好な耐候性の加飾フィルム及び加飾成形体を得ることができる。
ヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤は、加飾フィルムの全層に含まれていても良いが、加飾成形体の表面となる、加飾フィルムの表面層にのみ含まれていても良い。特に、光による劣化は成形体表面から進行するため、加飾フィルムの表面層に耐候剤が含まれていることがより好ましい。例えば、シール層(I)と層(II)からなる2層の加飾フィルムである場合は、層(II)がヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含んでいることが好ましい。さらに、層(II)の上に任意の層である表面加飾層(III)が積層されるような場合、その表面加飾層(III)がヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含んでいることが好ましい。
<層(II)>
本発明における加飾フィルムに含まれる層(II)は、ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有し、前記樹脂組成物(B’)は、後述する要件(b1)を満たす特定のメルトフローレート(MFR(B’))と、後述する要件(b2)を満たす伸長粘度測定におけるひずみ硬化度を有することを特徴とする。
層(II)を設けることにより、(三次元加飾)熱成形時にフィルムが破断したり暴れたりすることによる外観不良の発生を抑制することができる。これにより、加飾フィルムの熱成形性が改良されるため、熱成形性に優れる熱硬化性樹脂層を含有させる必要がなく、リサイクル性を向上させることができる。
さらに、ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)の成形性を向上させることで、層(II)及びシール層(I)の積層という極めて単純な構成で加飾フィルムとして用いることができ、このような構成であれば(共)押出での加飾フィルムの製造が可能である。
[ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)]
加飾フィルムは、ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)を含む。層(II)は、ポリプロピレン系樹脂(B)だけで組成することも、ポリプロピレン系樹脂(B)を含む複数のポリプロピレン系樹脂で組成することもでき、また、ポリプロピレン系樹脂(B)及び他のポリプロピレン系樹脂の樹脂のブレンドで組成することのいずれも可能である。
樹脂組成物(B’)は後述する要件(b1)及び(b2)を共に満たすが、樹脂組成物(B’)が、ポリプロピレン系樹脂(B)だけで組成するとき、ポリプロピレン系樹脂(B)が該要件(b1)及び(b2)を満たすこととなる。また、樹脂組成物(B’)が、ポリプロピレン系樹脂(B)及び他のポリプロピレン系樹脂のブレンドで組成するとき、樹脂組成物(B’)に加え、ポリプロピレン系樹脂(B)も、要件(b1)及び(b2)を満たすことが好ましい。ポリプロピレン系樹脂(B)及び他のポリプロピレン系樹脂のブレンドは、特に制限されるものではなく、ペレット及び/又はパウダーの混合、溶融ブレンド、あるいは溶液ブレンドのいずれでもよく、これらの組合せでもよい。
本発明において、ポリプロピレン系樹脂(B)を含有する樹脂組成物(B’)は、粘度が低下しすぎると十分な成形安定性は得られないため、樹脂組成物(B’)は、一定の粘度を有する必要がある。本発明では、この粘度の指標としてメルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重)を規定する。
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)のMFR(230℃、2.16kg荷重)をMFR(B’)とする。MFR(B’)は、以下の要件(b1)を満たし、好ましくは要件(b1’)を満たし、より好ましくは要件(b1’’)を満たす。樹脂組成物(B’)のMFR(B’)を下記の値以下にすることにより、外観が良好な加飾成形体を得ることができる。
(b1)MFR(B’)が40g/10分以下である。
(b1’)MFR(B’)が20g/10分以下である。
(b1’’)MFR(B’)が12g/10分以下である。
樹脂組成物(B’)のMFR(B’)の下限については特に制限はないが、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.3g/10分以上である。MFR(B’)を上記の値以上にすることにより、加飾フィルムの製造時の成形性が向上して、フィルム表面にシャークスキンや界面荒れと呼ばれる外観不良が発生することを抑制できる。
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂及び樹脂組成物の各MFRの測定は、ISO 1133:1997 Conditions Mに準拠し、230℃、2.16kg荷重の条件で測定した。単位はg/10分である。
ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)のひずみ硬化度λは、以下の要件(b2)を満たし、好ましくは要件(b2’)を満たし、より好ましくは要件(b2’’)を満たす。樹脂組成物(B’)のひずみ硬化度を下記の範囲の値にすることにより、加飾熱成形時の成形性が良好で、外観が良好な加飾成形体を得ることができる。
(b2)ひずみ硬化度λが1.1以上である。
(b2’)ひずみ硬化度λが1.8以上である。
(b2’’)ひずみ硬化度λが2.3以上である。
樹脂組成物(B’)のひずみ硬化度の上限については特に制限はないが、好ましくは50以下、より好ましくは20以下である。ひずみ硬化度を上記範囲の値にすることにより、加飾フィルムの外観を良好にすることができる。
樹脂組成物(B’)のひずみ硬化度は、伸長粘度測定におけるひずみ硬化性の測定に基づき求められる。伸長粘度のひずみ硬化性(非線形性)については「講座・レオロジー」日本レオロジー学会編、高分子刊行会、1992、pp.221-222に記載されており、本明細書では、ひずみ硬化度λは同書の図7-20に図示された求め方に準じた方法でひずみ硬化度を算出するものとし、剪断粘度の値としてη(0.01)を、伸長粘度の値としてηe(3.5)を採用し、ひずみ硬化度λを下記式(b-1)で定義する。
λ=ηe(3.5)/{3×η(0.01)}・・・式(b-1)
上記式(b-1)において、η(0.01)は動的周波数掃引実験により測定される、測定温度180℃、角振動数ω=0.01rad/sにおける複素粘性率[単位:Pa・s]であり、複素粘性率ηは、複素弾性率G[単位:Pa]と角振動数ωから、η=G/ωにて計算される。またηe(3.5)は伸長粘度測定により測定される、測定温度180℃、歪速度1.0s-1、ひずみ量3.5における伸長粘度である。
通常、これらの粘弾性測定で得られるデータは、離散的な各振動数あるいは測定時間間隔での弾性率や粘度等の数値の集まりとなる。従って、本発明で使用したものと異なる装置や条件で測定を実施した場合に、必ずしも角振動数ω=0.01での複素粘性率η(0.01)や歪3.5での伸長粘度ηe(3.5)のデータが存在しない場合があり得るが、その場合はその前後のデータを使用して線形補間、スプライン補間等の内挿を行う事で該当の値を推定することは許される。補間を行う際には、応力や時間のスケールは対数スケールとすることが常法である。
このとき、伸長粘度にひずみ硬化性(非線形性)がない試料であれば、ひずみ硬化度λは約1(例えば0.9以上1.1未満)又はより小さい値を示し、ひずみ硬化性(非線形性)が強くなるほどひずみ硬化度λの値は大きくなる。
一般の結晶性ポリプロピレンは直鎖状高分子であり、通常はひずみ硬化性を有さない。これに対し、本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂(B)は、長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂(B-L)であることが好ましく、これにより、ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)がより良好なひずみ硬化性を発揮することができる。
本発明における長鎖分岐構造とは、ひずみ硬化性を発現する為に、分岐を構成する炭素骨格(分岐の主鎖)の炭素数が数十以上、分子量では数百以上からなる分子鎖による分岐構造を言う。この長鎖分岐構造は、1-ブテン等のα-オレフィンと共重合を行うことにより形成される短鎖分岐とは区別される。
ポリプロピレン系樹脂に長鎖分岐構造を導入する方法には、長鎖分岐構造を有さないポリプロピレンに高エネルギーイオン化放射線を照射する方法(日本国特開昭62-121704号公報)や、長鎖分岐構造を有さないポリプロピレンに有機過酸化物を反応させる方法(日本国特表2001-524565号公報)、あるいは特定の構造を有するメタロセン触媒を用いて末端不飽和結合を有するマクロモノマーを製造し、それをプロピレンと共重合することによって長鎖分岐構造を形成する方法(日本国特表2001-525460号公報)が挙げられるが、いずれの方法を用いて製造された場合でも、ポリプロピレン系樹脂のひずみ硬化度を大きく向上することができる。
長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂(B-L)は、長鎖分岐構造を有している限り特に限定されるものではないが、架橋法以外の方法により製造されたポリプロピレン系樹脂であることが好ましく、櫛型鎖構造を有し、重合時に長鎖分岐構造が形成されるマクロマー共重合法を用いる方法で得られたものが好ましい。このような方法の例としては、例えば、日本国特表2001-525460号公報や、日本国特開平10-338717号公報、日本国特表2002-523575号公報、日本国特開2009-57542号公報、日本国特許05027353号公報、日本国特開平10-338717号公報に開示される方法が挙げられる。特に日本国特開2009-57542号公報のマクロマー共重合法はゲルの発生が無く長鎖分岐含有ポリプロピレン樹脂を得ることができ、本発明に好適である。
ポリプロピレン中に長鎖分岐構造を有することは、樹脂のレオロジー特性による方法、分子量と粘度との関係を用いて分岐指数g’を算出する方法、13C-NMRを用いる方法等によって定義される。本発明においては、下記に示すように分岐指数g’及び/又は13C-NMRによって長鎖分岐構造を定義する。
分岐指数g’は、長鎖分岐構造に関する、直接的な指標として知られている。「Developments in Polymer Characterization-4」(J.V.Dawkins ed.Applied Science Publishers,1983)に詳細な説明があるが、分岐指数g’の定義は、以下の通りである。
分岐指数g’=[η]br/[η]lin
[η]br:長鎖分岐構造を有するポリマー(br)の固有粘度
[η]lin:ポリマー(br)と同じ分子量を有する線状ポリマーの固有粘度
上記定義から明らかな通り、分岐指数g’が1よりも小さな値を取ると、長鎖分岐構造が存在すると判断され、長鎖分岐構造が増えるほど分岐指数g’の値は、小さくなっていく。
分岐指数g’は、光散乱計と粘度計を検出器に備えたGPCを使用することによって、絶対分子量Mabsの関数として得ることができる。本発明における分岐指数g’の測定方法については日本国特開2015-40213号公報に詳細が記載されているが、下記の通りである。
{測定方法}
GPC:Alliance GPCV2000(Waters社製)
検出器:接続順に記載
多角度レーザー光散乱検出器(MALLS):DAWN-E(Wyatt Technology社製)
示差屈折計(RI):GPC付属
粘度検出器(Viscometer):GPC付属
移動相溶媒:1,2,4-トリクロロベンゼン(Irganox1076を0.5mg/mLの濃度で添加)
移動相流量:1mL/分
カラム:東ソー社製 GMHHR-H(S) HTを2本連結
試料注入部温度:140℃
カラム温度:140℃
検出器温度:全て140℃
試料濃度:1mg/mL
注入量(サンプルループ容量):0.2175mL
{解析方法}
多角度レーザー光散乱検出器(MALLS)から得られる絶対分子量(Mabs)、二乗平均慣性半径(Rg)、及び、Viscometerから得られる極限粘度([η])を求めるにあたっては、MALLS付属のデータ処理ソフトASTRA(version4.73.04)を利用し、以下の文献を参考にして計算を行う。
参考文献:
1.「Developments in Polymer Characterization-4」(J.V.Dawkins ed.Applied Science Publishers,1983.Chapter1.)
2.Polymer,45,6495-6505(2004)
3.Macromolecules,33,2424-2436(2000)
4.Macromolecules,33,6945-6952(2000)
本発明の加飾フィルムにおいて、ポリプロピレン系樹脂(B)がゲルを含有していると、フィルム外観が悪化することから、ゲルが含有されていない樹脂組成物(B’)を用いることが好ましい。とりわけ前述の長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂(B-L)であって、架橋法以外の方法により製造されたゲルの少ないポリプロピレン系樹脂が好ましく、特定の構造を有するメタロセン触媒を用いて末端不飽和結合を有するマクロモノマーを製造し、それをプロピレンと共重合することによって長鎖分岐構造を形成する方法を用いて製造されたものがより好ましい。
特に、下記に記載する、絶対分子量Mabsが100万における分岐指数g’が0.3以上1.0未満を満たすものが好ましく、より好ましくは0.55以上0.98以下、さらに好ましくは0.75以上0.96以下、最も好ましくは0.78以上0.95以下である。
なお、本発明において「ゲルの少ない」とは、絶対分子量Mabsが100万におけるポリプロピレン系樹脂の分岐指数g’が上記範囲内にあることをいう。分岐指数g’がこの範囲にあると、高度に架橋した成分が形成されておらず、ゲルの生成が無い、あるいは非常に少ない為、特に長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂(B-L)を含む層(II)が製品の表面を構成する場合に外観を悪化させない。
13C-NMR}
13C―NMRは、上述のように、短鎖分岐構造と長鎖分岐構造を区別することができる。Macromol.Chem.Phys.2003,vol.204,1738に詳細な説明があるが、その概要は以下の通りである。
長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂は、下記構造式(1)に示すような特定の分岐構造を有する。構造式(1)において、C、C及びCは、分岐炭素に隣接するメチレン炭素を示し、Cbrは、分岐鎖の根元のメチン炭素を示し、P、P及びPは、プロピレン系重合体残基を示す。
プロピレン系重合体残基P、P、Pは、それ自体の中に、構造式(1)に記載されたCbrとは、別の分岐炭素(Cbr)を含有することもあり得る。
Figure 0007192545000001
このような分岐構造は、13C-NMR分析により同定される。各ピークの帰属は、Macromolecules,Vol.35、No.10.2002年、3839-3842頁の記載を参考にすることができる。すなわち、43.9~44.1ppm、44.5~44.7ppm及び44.7~44.9ppmに、それぞれ1つ、合計3つのメチレン炭素(C、C及びC)が観測され、31.5~31.7ppmにメチン炭素(Cbr)が観測される。上記の31.5~31.7ppmに観測されるメチン炭素を、以下、分岐メチン炭素(Cbr)と略称することがある。
長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂の13C-NMRのスペクトルは、分岐メチン炭素Cbrに近接する3つのメチレン炭素が、ジアステレオトピックに非等価に3本に分かれて観測されることが特徴である。
13C-NMRで帰属されるこのような分岐鎖は、ポリプロピレン系樹脂の主鎖から分岐した炭素数5以上のプロピレン系重合体残基を示し、それと炭素数4以下の分岐とは、分岐炭素のピーク位置が異なることにより区別できるので、本発明においては、この分岐メチン炭素のピークが確認されることにより、長鎖分岐構造の有無を判断することができる。
なお、本発明における13C-NMRの測定方法については下記の通りである。
13C-NMR測定方法}
試料200mgをo-ジクロロベンゼン/重水素化臭化ベンゼン(CBr)=4/1(体積比)2.4ml及び化学シフトの基準物質であるヘキサメチルジシロキサンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れ溶解し、13C-NMR測定を行った。
13C-NMR測定は10mmφのクライオプローブを装着したブルカー・バイオスピン(株)のAV400M型NMR装置を用いて行った。
試料の温度120℃、プロトン完全デカップリング法で測定を実施した。その他の条件は以下の通りである。
パルス角:90°
パルス間隔:4秒
積算回数:20000回
化学シフトはヘキサメチルジシロキサンのメチル炭素のピークを1.98ppmとして設定し、他の炭素によるピークの化学シフトはこれを基準とした。
44ppm付近のピークを使用して長鎖分岐量を算出することができる。
長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂(B-L)の13C-NMRスペクトルは、44ppm付近のピークから定量された長鎖分岐量が0.01個/1000トータルプロピレン以上であることが好ましく、より好ましくは0.03個/1000トータルプロピレン以上、さらに好ましくは0.05個/1000トータルプロピレン以上である。この値が大きすぎると、ゲル・フィッシュアイ等の外観不良の原因となるため、好ましくは1.00個/1000トータルプロピレン以下、より好ましくは0.50個/1000トータルプロピレン以下、さらに好ましくは0.30個/1000トータルプロピレン以下である。
このような長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂(B-L)は、ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)中に、ひずみ硬化性が付与されるのに十分な量含まれていればよい。長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂(B-L)は、樹脂組成物(B’)100重量%中、好ましくは1~100重量%、より好適には5重量%以上含まれる。
本発明における長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂(B-L)は、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレン-α-オレフィン共重合体(ランダムポリプロピレン)、プロピレンブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)等の様々なタイプのプロピレン系重合体、又はそれらの組み合わせを選択することができる。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンモノマー由来の重合単位を50mol%以上含んでいることが好ましい。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂(B)は、耐熱性や耐傷つき性、耐溶剤性の観点から結晶性が高い方が好ましい。ポリプロピレン系樹脂(B)の融点(DSC融解ピーク温度)は、好ましくは130℃以上、より好ましくは140℃以上、さらに好ましくは140~170℃、よりさらに好ましくは145~170℃、ことさらに好ましくは150~168℃である。ポリプロピレン系樹脂(B)は、このような融点をもつプロピレン単独重合体あるいはプロピレン-α-オレフィン共重合体であることが好ましい。また、融点が高くても低結晶性の成分を含むと耐傷つき性や耐溶剤性は低下するため、ポリプロピレン系樹脂(B)は、エチレン含有量が50~70重量%のエチレン-α-オレフィン共重合体を含まないことが好ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂(B)のDSC測定における融解ピーク温度(Tm(B’))は、ポリプロピレン系樹脂(A)のDSC測定における融解ピーク温度(Tm(A))よりも高いことが好ましい。すなわち、下記要件(b3)を満たすことが好ましい。
(b3)Tm(B’)はTm(A)に対して下記関係式(b-3)を満たす。
Tm(B’)>Tm(A)・・・式(b-3)
前記の範囲であると、熱成形性が良好となる。
ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)には、前記ヒンダードアミン系光安定剤又は紫外線吸収剤を含む添加剤、フィラー、着色剤、その他の樹脂成分等が含まれていてもよい。このとき、添加剤、フィラー、着色剤、その他の樹脂成分等の総量は、これらを包含するポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)に対して50重量%以下であることが好ましい。
本発明の加飾成形体が、着色された成形体として成形される場合、加飾フィルムにのみ着色剤を用いればよいため、樹脂成形体全体に着色する場合と比べ、高価な着色剤の使用を抑制することが可能である。また着色剤を配合することに伴う物性変化を抑制することができる。
添加剤としては、酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、ブロッキング防止剤、滑剤、帯電防止剤、金属不活性剤等の、ポリプロピレン系樹脂に用いることのできる公知の各種添加剤を配合することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオ系酸化防止剤等を例示することができる。中和剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸塩類等を例示することができる。
光安定剤及び紫外線吸収剤としては、前述したヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤を例示することができる。
造核剤としては、芳香族カルボン酸金属塩、芳香族リン酸金属塩、ソルビトール系誘導体、ノニトール誘導体、アミド系化合物、ロジンの金属塩等を挙げることができる。これらの造核剤の中では、p-t-ブチル安息香酸アルミニウム、リン酸2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)アルミニウム、ビス(2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-6-ヒドロキシ-12H-ジベンゾ[d,g][1,2,3]ジオキサホスホシン-6-オキシド)水酸化アルミニウム塩と有機化合物の複合体、p-メチル-ベンジリデンソルビトール、p-エチル-ベンジリデンソルビトール、1,2,3-トリデオキシ-4,6:5,7-ビス-[(4-プロピルフェニル)メチレン]-ノニトール、ロジンのナトリウム塩等を例示することができる。
滑剤としては、ステアリン酸アマイド等の高級脂肪酸アマイド類等を例示することができる。帯電防止剤としては、グリセリン脂肪酸モノエステル等の脂肪酸部分エステル類等を例示することができる。金属不活性剤としては、トリアジン類、フォスフォン類、エポキシ類、トリアゾール類、ヒドラジド類、オキサミド類等を例示することができる。
フィラーとしては、無機充填剤、有機充填剤等の、ポリプロピレン系樹脂に用いることのできる公知の各種充填剤を配合することができる。無機充填剤としては、炭酸カルシウム、シリカ、ハイドロタルサイト、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ガラスファイバー、カーボンファイバー等を例示することができる。また、有機充填剤としては、架橋ゴム微粒子、熱硬化性樹脂微粒子、熱硬化性樹脂中空微粒子等を例示することができる。
その他の樹脂成分としては、ポリエチレン系樹脂、エチレン系エラストマー等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、その他の熱可塑性樹脂等を例示することができる。
また、意匠性を付与するために着色することも可能であり、着色には無機顔料、有機顔料、染料等の各種着色剤を用いることができる。また、アルミフレークや酸化チタンフレーク、(合成)マイカ等の光輝材を使用することもできる。
ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)は、ポリプロピレン系樹脂と添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等を溶融混練する方法、ポリプロピレン系樹脂と添加剤、フィラー等を溶融混練したものにその他の樹脂成分をドライブレンドする方法、ポリプロピレン系樹脂とその他の樹脂成分に加え添加剤、フィラー等をキャリアレジンに高濃度で分散させたマスターバッチをドライブレンドする方法等によって製造することができる。
<シール層(I)>
[1.ポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)]
本発明の加飾フィルムは、下記要件(a1)を満たすポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)を含む。
(a1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))は2.0g/10分を超える。
樹脂成形体(基体)との貼着面に、ポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)を含むことで、三次元加飾熱成形時のフィルム加熱時間が短くても十分な接着強度が発現するため、耐候剤が揮発する前に成形を完了させ、耐候性の低下を抑制することが可能となる。
ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))は、2.0g/10分を超えることが必要であり、好ましくは3.0g/10分以上、より好ましくは4.0g/10分以上である。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時の緩和が十分に進行し十分な接着強度を発揮することができる。MFR(A)の上限に制限はないが、100g/10分以下であることが好ましい。前記の範囲であると、物性低下による接着強度の悪化が生じることがない。
ポリプロピレン系樹脂(A)及びこれを含む樹脂組成物のMFRの測定は、ISO 1133:1997 Conditions Mに準拠し、230℃、2.16kg荷重の条件で測定した。単位はg/10分である。
ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレン-α-オレフィン共重合体(ランダムポリプロピレン)、プロピレンブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)等の様々なタイプのプロピレン系重合体、又はそれらの組み合わせを選択することができる。ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレンモノマー由来の重合単位を50mol%以上含んでいることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂(A)は、極性基含有モノマー由来の重合単位を含まないものであることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(A)の融点(DSC融解ピーク温度)は、好ましくは100~170℃、より好ましくは115~165℃であるとよい。
ポリプロピレン系樹脂(A)は、シール性の観点からは、プロピレン-α-オレフィン共重合体が好ましく、プロピレン-α-オレフィン共重合体は通常、プロピレン単独重合体に比べ融点が低下するのに伴って結晶化温度も低下しているため、三次元加飾成形において短時間の加熱でも接着性が良好である。
また、ポリプロピレン系樹脂(A)には、前記ヒンダードアミン系光安定剤又は紫外線吸収剤を含む添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等が含まれていてもよい。すなわち、ポリプロピレン系樹脂と添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等との樹脂組成物(ポリプロピレン系樹脂組成物)であってもよい。添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等の総量は、ポリプロピレン系樹脂組成物に対して50重量%以下であることが好ましい。
添加剤としては、酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、ブロッキング防止剤、滑剤、帯電防止剤、金属不活性剤等の、ポリプロピレン系樹脂に用いることのできる公知の各種添加剤を配合することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオ系酸化防止剤等を例示することができる。中和剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸塩類等を例示することができる。
光安定剤及び紫外線吸収剤としては、前述したヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤を例示することができる。
造核剤としては、芳香族カルボン酸金属塩、芳香族リン酸金属塩、ソルビトール系誘導体、ノニトール誘導体、アミド系化合物、ロジンの金属塩等を挙げることができる。これらの造核剤の中では、p-t-ブチル安息香酸アルミニウム、リン酸2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)アルミニウム、ビス(2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-6-ヒドロキシ-12H-ジベンゾ[d,g][1,2,3]ジオキサホスホシン-6-オキシド)水酸化アルミニウム塩と有機化合物の複合体、p-メチル-ベンジリデンソルビトール、p-エチル-ベンジリデンソルビトール、1,2,3-トリデオキシ-4,6:5,7-ビス-[(4-プロピルフェニル)メチレン]-ノニトール、ロジンのナトリウム塩等を例示することができる。
滑剤としては、ステアリン酸アマイド等の高級脂肪酸アマイド類等を例示することができる。帯電防止剤としては、グリセリン脂肪酸モノエステル等の脂肪酸部分エステル類等を例示することができる。金属不活性剤としては、トリアジン類、フォスフォン類、エポキシ類、トリアゾール類、ヒドラジド類、オキサミド類等を例示することができる。
フィラーとしては、無機充填剤、有機充填剤等の、ポリプロピレン系樹脂に用いることのできる公知の各種充填剤を配合することができる。無機充填剤としては、炭酸カルシウム、シリカ、ハイドロタルサイト、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ガラスファイバー、カーボンファイバー等を例示することができる。また有機充填剤としては、架橋ゴム微粒子、熱硬化性樹脂微粒子、熱硬化性樹脂中空微粒子等を例示することができる。
その他の樹脂成分としては、ポリエチレン系樹脂、エチレン系エラストマー等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、石油樹脂、その他の熱可塑性樹脂等を例示することができる。
前記樹脂組成物(ポリプロピレン系樹脂組成物)は、ポリプロピレン系樹脂と添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等を溶融混練する方法、ポリプロピレン系樹脂と添加剤、フィラー等を溶融混練したものにその他の樹脂成分をドライブレンドする方法、ポリプロピレン系樹脂とその他の樹脂成分に加え添加剤、フィラー等をキャリアレジンに高濃度で分散させたマスターバッチをドライブレンドする方法等によって製造することができる。
[2.ポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)]
本発明の加飾フィルムの一態様として、ポリプロピレン系樹脂(A)は、上記要件(a1)に加え、さらに下記要件(a2)~(a4)を満たし、前記ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)は、下記要件(b3)をさらに満たすことが好ましい。
(a2)メタロセン触媒系プロピレン系重合体である。
(a3)融解ピーク温度(Tm(A))は、150℃未満である。
(a4)GPC測定により得られる分子量分布(Mw/Mn(A))は、1.5~3.5である。
(b3)Tm(B’)はTm(A)に対して下記関係式(b-3)を満たす。
Tm(B’)>Tm(A)・・・式(b-3)
本形態におけるポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)は、三次元加飾熱成形の際に、樹脂成形体(基体)と接する層である。ポリプロピレン系樹脂(A)は、溶融・緩和しやすい樹脂であることが好ましい。シール層(I)を設けることにより、三次元加飾熱成形時のフィルム加熱時間が短くても十分な接着強度が発現するため、耐候剤が揮発する前に成形を完了させ、耐候性の低下を抑制することが可能となる。
メルトフローレート(MFR(A)):(a1)
ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))は、2.0g/10分を超えることが必要であり、好ましくは3.0g/10分以上、より好ましくは4.0g/10分以上である。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時の緩和が十分に進行し十分な接着強度を発揮することができる。MFR(A)の上限に制限はないが、100g/10分以下であることが好ましい。前記の範囲であると、物性低下による接着強度の悪化が生じることがない。
本形態において、ポリプロピレン系樹脂(A)及びこれを含む樹脂組成物のMFRの測定は、ISO 1133:1997 Conditions Mに準拠し、230℃、2.16kg荷重の条件で測定した。単位はg/10分である。
分子量分布(Mw/Mn(A)):(a4)
ポリプロピレン系樹脂(A)のMw/Mn(A)は、1.5~3.5であることが好ましく(要件(a4))、より好ましくは2.0~3.0である。前記の範囲であると、相対的に緩和時間が長い成分が少なく、十分に緩和しやすく、フィルム成形時に表面あれが発生しにくく、表面外観に優れるため好ましい。
なお、Mn及びMwは、「高分子化学の基礎」(高分子学会編、東京化学同人、1978)等に記載されており、GPCによる分子量分布曲線からそれぞれ計算される値である。
融解ピーク温度(Tm(A)):(a3)
ポリプロピレン系樹脂(A)の融点Tm(A)(DSC融解ピーク温度)は、150℃未満であることが好ましく(要件(a3))、より好ましくは145℃以下、さらに好ましくは140℃以下、特に好ましくは130℃以下である。前記の範囲であると、十分な接着強度を発揮することができる。Tm(A)が下がりすぎると、耐熱性が低下し成形体の使用において問題を生じる場合があるため、100℃以上であることが好ましく、より好ましくは110℃以上である。
また、ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)のDSC測定における融解ピーク温度(Tm(B’))は、Tm(A)よりも高いことが必要で、Tm(B’)>Tm(A)であることが好ましい(要件(b3))。前記の範囲であると、熱成形性が良好となる。
樹脂組成物(B’)の融点(Tm(B’))(DSC測定における融解ピーク温度)は、好ましくは140℃以上、より好ましくは145~170℃、さらに好ましくは150~168℃である。ポリプロピレン系樹脂(B)は、このような融点をもつプロピレン単独重合体あるいはプロピレン-α-オレフィン共重合体であることが好ましい。また、融点が高くても低結晶性の成分を含むと耐傷つき性や耐溶剤性は低下するため、樹脂組成物(B’)は、エチレン含有量が50~70重量%のエチレン-α-オレフィン共重合体を含まないことが好ましい。
樹脂組成:(a2)
ポリプロピレン系樹脂(A)は、メタロセン触媒により重合されるいわゆるメタロセン触媒系プロピレン系重合体であると好ましい(要件(a2))。メタロセン触媒は活性点が単一であることから、メタロセン触媒により重合されたポリプロピレン系樹脂は、分子量分布や結晶性分布が狭く、融解・緩和しやすいことで、多くの熱を加えることなく基体との融着が可能となる。
本形態におけるポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレン-α-オレフィン共重合体(ランダムポリプロピレン)、プロピレンブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)等の様々なタイプのプロピレン系重合体、又はそれらの組み合わせを選択することができる。ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレンモノマー由来の重合単位を50mol%以上含んでいることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂(A)は、極性基含有モノマー由来の重合単位を含まないものであることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(A)は、シール性の観点からは、プロピレン-α-オレフィン共重合体が好ましく、プロピレン-α-オレフィン共重合体は通常、プロピレン単独重合体に比べ融点が低下するのに伴って結晶化温度も低下しているため、三次元加飾熱成形時のフィルム加熱時間が短くても十分な接着強度が発現するため、耐候剤が揮発する前に成形を完了させ、耐候性の低下を抑制することが可能となる。
α-オレフィンとしては、エチレン及び炭素数が3~8のα-オレフィンから選ばれる一種又は二種以上の組み合わせ等を用いることができる。
また、ポリプロピレン系樹脂(A)には、前記ヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤を含む添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等が含まれていてもよい。すなわち、ポリプロピレン系樹脂と添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等との樹脂組成物(ポリプロピレン系樹脂組成物)であってもよい。添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等の総量は、ポリプロピレン系樹脂組成物に対して50重量%以下であることが好ましい。
添加剤、フィラー、その他の樹脂成分としては、前記[1.ポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)]にて例示したものを使用することができる。
ポリプロピレン系樹脂(A)が、添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等を含む場合、ポリプロピレン系樹脂(A)を含む樹脂組成物が、ポリプロピレン系樹脂(A)の特性を有していることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂と添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等を溶融混練する方法、ポリプロピレン系樹脂と添加剤、フィラー等を溶融混練したものにその他の樹脂成分をドライブレンドする方法、ポリプロピレン系樹脂とその他の樹脂成分に加え添加剤、フィラー等をキャリアレジンに高濃度で分散させたマスターバッチをドライブレンドする方法等によって製造することができる。
[3.ポリプロピレン系樹脂(A)とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X3)を含有するシール層(I)]
本発明の加飾フィルムの一態様として、シール層(I)は、ポリプロピレン系樹脂(A)とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X3)を含有し、ポリプロピレン系樹脂(A)は下記要件(a1)を満たし、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)は下記要件(c1)~(c3)を満たすことが好ましい。
(a1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))は、2.0g/10分を超える。
(c1)エチレン含量[E(C)]は、65重量%以上である。
(c2)密度は、0.850~0.950g/cmである。
(c3)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(C))は、0.1~100g/10分である。
本形態におけるシール層(I)は、三次元加飾熱成形の際に、樹脂成形体(基体)と接する層である。シール層(I)を設けることにより、三次元加飾熱成形時のフィルム加熱時間が短くても十分な接着強度が発現するため、耐候剤が揮発する前に成形を完了させ、耐候性の低下を抑制することが可能となる。
{ポリプロピレン系樹脂(A)}
本形態におけるポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレン-α-オレフィン共重合体(ランダムポリプロピレン)、プロピレンブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)等の様々なタイプのプロピレン系重合体、又はそれらの組み合わせを選択することができる。ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレンモノマー由来の重合単位を50mol%以上含んでいることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂(A)は、極性基含有モノマー由来の重合単位を含まないものであることが好ましい。
メルトフローレート(MFR(A)):(a1)
ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))は、2.0g/10分を超えることが必要であり、好ましくは3.0g/10分以上、より好ましくは4.0g/10分以上である。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時の緩和が十分に進行し十分な接着強度を発揮することができる。MFR(A)の上限に制限はないが、100g/10分以下であることが好ましい。前記の範囲であると、物性低下による接着強度の悪化が生じることがない。
本形態において、ポリプロピレン系樹脂(A)、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)及びこれらを含む樹脂組成物のMFRの測定は、ISO 1133:1997 Conditions Mに準拠し、230℃、2.16kg荷重の条件で測定した。単位はg/10分である。
融解ピーク温度(Tm(A))
ポリプロピレン系樹脂(A)の融解ピーク温度(DSC融解ピーク温度、本明細書においては「融点」と称する場合もある)(Tm(A))は、110℃以上であることが好ましく、115℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることがさらに好ましい。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時の成形性が良好である。融解ピーク温度の上限に制限はないが、170℃以下であることが好ましく、前記の範囲であると、十分な接着強度を発揮することができる。
本形態におけるポリプロピレン系樹脂(A)は、チーグラー触媒、メタロセン触媒等により重合される樹脂であることができる。すなわち、ポリプロピレン系樹脂(A)は、チーグラー触媒系プロピレン重合体又はメタロセン触媒系プロピレン重合体であることができる。
{エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)}
本形態のシール層(I)で用いられるエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)は、下記の特性(c1)~(c3)を有し、好ましくはさらに(c4)及び/又は(c5)を有するものである。
(c1)エチレン含量[E(C)]は、65重量%以上である。
(c2)密度は、0.850~0.950g/cmである。
(c3)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(C))は、0.1~100g/10分である。
(c4)融解ピーク温度(Tm(C))は、30~130℃である。
(c5)エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとのランダム共重合体である。
エチレン含量[E(C)]:(c1)
本形態のエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)のエチレン含量[E(C)]は、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)全量に対して、65重量%以上であることが好ましく、より好ましくは68重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上である。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時に十分な接着強度を発揮し、フィルムの加熱時間を短くすることができる。エチレン含量[E(C)]の上限は特に制限されないが、95重量%以下であることが好ましい。
(エチレン含量[E(C)]の算出方法)
エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)のエチレン含量[E(C)]は13C-NMR測定で得られる積分強度から求めることができる。
(算出方法1(二元系))
初めに、二種の繰り返し単位から構成される二元系共重合体におけるエチレン含量[E(C)]の算出方法について説明する。この場合、エチレン-α-オレフィン二元系共重合体のエチレン含量は(式c1-1)及び(式c1-2)で求めることができる。
エチレン含量(mol%)=IE×100/(IE+IX)・・・(式c1-1)
エチレン含量[E(C)](重量%)=[エチレン含量(mol%)×エチレンの分子量]×100/[エチレン含量(mol%)×エチレンの分子量+α-オレフィン含量(mol%)×α-オレフィンの分子量]・・・(式c1-2)
ここで、IE及びIXは、それぞれエチレン及びα-オレフィンについての積分強度であり、下記(式c-2)及び(式c-3)により求めることができる。
IE=(Iββ+Iγγ+Iβδ+Iγδ+Iδδ)/2+(Iαγ+Iαδ)/4・・・(式c-2)
IX=Iαα+(Iαγ+Iαδ)/2・・・(式c-3)
ここで、右辺のIの下つきの記号は、下記構造式(a)~(d)に記載の炭素を示す。例えばααはα-オレフィン連鎖に基づくメチレン炭素を示し、Iααはα-オレフィン連鎖に基づくメチレン炭素のシグナルの積分強度を表す。
Figure 0007192545000002
構造式(d)中、nは1以上の奇数を表す。
以下に、エチレン-α-オレフィン二元系共重合体のα-オレフィン毎に(式c-2)及び(式c-3)に用いる積分強度について説明する。
(エチレン-プロピレン共重合体の場合)
α-オレフィンがプロピレンの場合、(式c-2)及び(式c-3)に以下の積分強度の値を代入し、エチレン含量[E(C)]を求める。
ββ=I25.0-24.2
γγ=I30.8-30.6
βδ=I27.8-26.8
γδ=I30.6-30.2
δδ=I30.2-28.0
αα=I48.0-43.9
αγ+Iαδ=I39.0-36.2
ここで、右辺のIの下つき添字の数値は化学シフトの範囲を示す。例えばI39.0-36.2は39.0ppmと36.2ppmの間に検出した13Cシグナルの積分強度を示す。
化学シフトはヘキサメチルジシロキサンの13Cシグナルを1.98ppmに設定し、他の13Cによるシグナルの化学シフトはこれを基準とする。エチレン-プロピレン共重合体と同様に、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、及びエチレン-1-オクテン共重合体についても下記する。
(エチレン-1-ブテン共重合体の場合)
α-オレフィンが1-ブテンの場合、(式c-2)及び(式c-3)に以下の積分強度の値を代入し、エチレン含量[E(C)]を求める。
ββ=I24.6-24.4
γγ=I30.9-30.7
βδ=I27.8-26.8
γδ=I30.5-30.2
δδ=I30.2-28.0
αα=I39.3-38.1
αγ+Iαδ=I34.5-33.8
(エチレン-1-ヘキセン共重合体の場合)
α-オレフィンが1-ヘキセンの場合、(式c-2)及び(式c-3)に以下の積分強度の値を代入し、エチレン含量[E(C)]を求める。
ββ=I24.5-24.4
γγ=I31.0-30.8
βδ=I27.5-27.0
γδ=I30.6-30.2
δδ=I30.2-28.0
αα=I40.0-39.0
αγ+Iαδ=I35.0-34.0
(エチレン-1-オクテン共重合体の場合)
α-オレフィンが1-オクテンの場合、βδシグナルとαγ+αδシグナルに1-オクテンに基づくヘキシル分岐のメチレン炭素が重なる(以下の構造式の5B6及び6B6)。
βδ+I5B6=I27.6-26.7
αγ+Iαδ+I6B6=I35.0-34.0
Figure 0007192545000003
そこで、5B6及び6B6の重なりを補正したIβδと、Iαγ+Iαδを代用し、以下に示される積分強度を(式c-2)及び(式c-3)に代入し、エチレン含量[E(C)]を求める。
ββ=I24.7-24.2
γγ+Iγδ+Iδδ=I32.0-28.0
βδ=2/3×I27.6-26.7
αα=I40.8-39.6
αγ+Iαδ=Iβδ+2×Iββ
(算出方法2(三元系))
次に、三種の繰り返し単位から構成される三元系共重合体におけるエチレン含量[E(C)]の算出方法について説明する。
例えば、エチレン-プロピレン-ブテン三元系共重合体のエチレン含量は、下記(式c4-1)及び(式c4-2)で求めることができる。
エチレン含量(mol%)=IE×100/(IE+IP+IB)・・・(式c4-1)
エチレン含量[E(C)](重量%)=[エチレン含量(mol%)×エチレンの分子量]×100/[エチレン含量(mol%)×エチレンの分子量+プロピレン含量(mol%)×プロピレンの分子量+ブテン含量(mol%)×ブテンの分子量]・・・(式c4-2)
ここで、IE、IP及びIBはそれぞれ、エチレン、プロピレン及びブテンについての積分強度であり、(式c-5)、(式c-6)及び(式c-7)で求めることができる。
IE=(Iββ+Iγγ+Iβδ+Iγδ+Iδδ)/2+(Iαγ(P)+Iαδ(P)+Iαγ(B)+Iαδ(B))/4・・・(式c-5)
IP=1/3×〔ICH3(P)+ICH(P)+Iαα(PP)+1/2×(Iαα(PB)+Iαγ(P)+Iαδ(P))〕・・・(式c-6)
IB=1/4×〔(ICH3(B)+ICH(B)+I2B2+Iαα(BB))+1/2×(Iαα(PB)+Iαγ(B)+Iαδ(B))〕・・・(式c-7)
ここで、添え字の(P)は、プロピレン由来のメチル基分岐に基づくシグナルであることを意味し、同様に(B)はブテン由来のエチル基分岐に基づくシグナルであることを意味する。
また、αα(PP)は、プロピレン連鎖に基づくメチレン炭素のシグナルを意味し、同様にαα(BB)はブテン連鎖に基づくメチレン炭素のシグナルを、αα(PB)はプロピレン-ブテン連鎖に基づくメチレン炭素のシグナルを意味する。
ここで、γγシグナルは、プロピレン-プロピレン-エチレンと並んだ中心のプロピレンのメチン炭素CH(PPE)のシグナルの裾と重なるため、γγのシグナルを分離することは困難である。
γγシグナルはエチレン連鎖が2個の構造式(c)で現れ、エチレン由来のγγの積分強度と構造式(c)のβδの積分強度には(式c-8)が成り立つ。
βδ(構造式(c))=2×Iγγ・・・(式c-8)
また、βδは、エチレン連鎖が3個以上の構造式(d)で現れ、構造式(d)のβδの積分強度はγδの積分強度と等しく(式c-9)が成り立つ。
βδ(構造式(d))=Iγδ・・・(式c-9)
よって、構造式(c)と構造式(d)に基づくβδは(式c-10)で求まる。
βδ=Iβδ(構造式(c))+Iβδ(構造式(d))=2×Iγγ+Iγδ・・・(式c-10)
すなわち、
γγ=(Iβδ-Iγδ)/2・・・(式c-10’)
よって、(式c-10’)を(式c-5)に代入すると、IEは(式c-11)に置き換えることができる。
IE=(Iββ+Iδδ)/2+(Iαγ(P)+Iαδ(P)+Iαγ(B)+Iαδ(B)+3×Iβδ+Iγδ)/4・・・(式c-11)
ここで、βδシグナルは1-ブテンに基づくエチル分岐の重なりを補正し、(式c-12)となる。
βδ=Iαγ(P)+Iαδ(P)+Iαγ(B)+Iαδ(B)-2×Iββ・・・(式c-12)
(式c-11)及び(式c-12)より、IEは(式c-13)となる。
IE=Iδδ/2+Iγδ/4-Iββ+Iαγ(P)+Iαδ(P)+Iαγ(B)+Iαδ(B)・・・(式c-13)
(式c-13)、(式c-6)及び(式c-7)に以下を代入し、エチレン含量を求める。
ββ=I25.2-23.8
γδ=I30.4-30.2
δδ=I30.2-29.8
αγ(P)+Iαδ(P)=I39.5-37.3
αγ(B)+Iαδ(B)=I34.6-33.9
CH3(P)=I22.6-19.0
CH(P)=I29.5-27.6+I31.2-30.4+I33.4-32.8
αα(PP)=I48.0-45.0
CH3(B)=I11.4-10.0
CH(B)=I35.5-34.7+I37.4-36.8+I39.7-39.6
αα(BB)=I40.3-40.0
αα(PB)=I44.2-42.0
2B2=I26.7-26.4
なお、各シグナルの帰属は、次の5つの文献を参照した。
Macromolecules,Vol.10,NO.4,1977、
Macromolecules,Vol.36,No.11,2003、
Analytical Chemistry,Vol.76,No.19,2004、
Macromolecules,2001,34,4757-4767、
Macromolecules,Vol.25,No.1,1992。
エチレン-α-オレフィンランダム共重合体のα-オレフィンが、上述以外の場合であっても、各シグナルの帰属を行い上述の場合と同様にエチレン含量[E(C)]を求めることができる。
密度:(c2)
エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)の密度は、0.850~0.950g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.855~0.900g/cm、さらに好ましくは0.860~0.890g/cmである。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時に十分な接着強度を発揮し、さらにフィルム成形性も良好である。
メルトフローレート(MFR(C)):(c3)
エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(C))は、0.1~100g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.5~50g/10分、さらに好ましくは1~30g/10分である。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形の成形時間を短縮しても良好な接着性が発現する。
融解ピーク温度(Tm(C)):(c4)
エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)の融解温度ピーク(DSC融解ピーク温度)(Tm(C))は、30~130℃であることが好ましく、より好ましくは35~120℃、さらに好ましくは40~110℃である。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時に十分な接着強度を発揮することができる。
エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)の種類:(c5)
エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)は、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの共重合体であることが好ましい。上記炭素数3~20のα-オレフィンとしては、具体的にはプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-エイコセン等が挙げられる。これらの中では、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましく用いられる。
このようなエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)は、触媒存在下、各モノマーを共重合することにより製造される。具体的には、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)は、オレフィンの重合触媒として、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒等の触媒を使用して、気相法、溶液法、高圧法、スラリー法等のプロセスで、エチレンと、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等のα-オレフィンとを共重合させて、製造することができる。
また、本形態のシール層(I)に用いるエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)は、本発明の効果を損なわない範囲で、1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
このようなエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)の市販品として、日本ポリエチレン(株)製のカーネルシリーズ、三井化学(株)製のタフマーPシリーズ、タフマーAシリーズ、デュポンダウ社製エンゲージEGシリーズ等が挙げられる。
{樹脂組成物(X3)}
シール層(I)を構成する樹脂組成物(X3)は、ポリプロピレン系樹脂(A)及びエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)を主成分として含むものであり、ポリプロピレン系樹脂(A)とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)との混合物又は溶融混練物であってもよく、ポリプロピレン系樹脂(A)とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)との逐次重合物であってもよい。
シール層(I)を構成する樹脂組成物(X3)において、ポリプロピレン系樹脂(A)及びエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)の重量比((A):(C))は、97:3~5:95の範囲で選択されることが好ましく、より好ましくは95:5~10:90、さらに好ましくは93:7~20:80である。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時に十分な接着強度を発揮し、フィルムの加熱時間を短くすることができる上、シール層(I)と層(II)の接着性が良好である。
樹脂組成物(X3)には、本発明の効果を損なわない限り、前記ヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤を含む添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等が含まれていてもよい。ただし、添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等の総量は、樹脂組成物(X3)に対して50重量%以下であることが好ましい。
添加剤、フィラー、その他の樹脂成分としては、前記[1.ポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)]にて例示したものを使用することができる。
樹脂組成物(X3)の製造方法は、ポリプロピレン系樹脂(A)と、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)と、添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等とを溶融混練する方法、ポリプロピレン系樹脂(A)と添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等を溶融混練したものに、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)をドライブレンドする方法、ポリプロピレン系樹脂(A)をエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)に加え添加剤、フィラー、その他の樹脂組成物等をキャリアレジンに高濃度で分散させたマスターバッチをドライブレンドする方法等によって製造することができる。
[4.ポリプロピレン系樹脂(A)と熱可塑性エラストマー(D)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X4)を含有するシール層(I)]
本発明の加飾フィルムの一態様として、シール層(I)は、ポリプロピレン系樹脂(A)と熱可塑性エラストマー(D)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X4)を含有し、ポリプロピレン系樹脂(A)は下記要件(a1)を満たし、熱可塑性エラストマー(D)は下記要件(d1)~(d4)を満たすことが好ましい。
(a1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))は、2.0g/10分を超える。
(d1)プロピレン及びブテンのうちの少なくとも1つを主成分とする熱可塑性エラストマーである。
(d2)密度は、0.850~0.950g/cmである。
(d3)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(D))は、0.1~100g/10分である。
(d4)引張弾性率がポリプロピレン系樹脂(A)よりも小さい。
本形態におけるシール層(I)は、三次元加飾熱成形の際に、樹脂成形体(基体)と接する層である。シール層(I)を設けることにより、三次元加飾熱成形時のフィルム加熱時間が短くても十分な接着強度が発現するため、耐候剤が揮発する前に成形を完了させ、耐候性の低下を抑制することが可能となる。
{ポリプロピレン系樹脂(A)}
本形態におけるポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレン-α-オレフィン共重合体(ランダムポリプロピレン)、プロピレンブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)等の様々なタイプのプロピレン系重合体、又はそれらの組み合わせを選択することができる。ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレンモノマー由来の重合単位を50mol%以上含んでいることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂(A)は、極性基含有モノマー由来の重合単位を含まないものであることが好ましい。
メルトフローレート(MFR(A)):(a1)
ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))は、2.0g/10分を超えることが必要であり、好ましくは3.0g/10分以上、より好ましくは4.0g/10分以上である。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時の緩和が十分に進行し十分な接着強度を発揮することができる。MFR(A)の上限に制限はないが、100g/10分以下であることが好ましい。前記の範囲であると、物性低下による接着強度の悪化が生じることがない。
本形態において、ポリプロピレン系樹脂(A)、熱可塑性エラストマー(D)及びこれらを含む樹脂組成物のMFRの測定は、ISO 1133:1997 Conditions Mに準拠し、230℃、2.16kg荷重の条件で測定した。単位はg/10分である。
融解ピーク温度(Tm(A))
ポリプロピレン系樹脂(A)の融解ピーク温度(DSC融解ピーク温度、本明細書においては「融点」と称する場合もある)(Tm(A))は、110℃以上であることが好ましく、115℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることがさらに好ましい。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時の成形性が良好である。融解ピーク温度の上限に制限はないが、170℃以下であることが好ましく、前記の範囲であると、十分な接着強度を発揮することができる。
本形態におけるポリプロピレン系樹脂(A)は、チーグラー触媒、メタロセン触媒等により重合される樹脂であることができる。すなわち、ポリプロピレン系樹脂(A)は、チーグラー触媒系プロピレン重合体又はメタロセン触媒系プロピレン重合体であることができる。
{熱可塑性エラストマー(D)}
本形態のシール層(I)で用いられる熱可塑性エラストマー(D)は、下記の特性(d1)~(d4)を有し、好ましくはさらに(d5)及び/又は(d6)を有するものである。
(d1)プロピレン及びブテンのうちの少なくとも1つを主成分とする熱可塑性エラストマーである。
(d2)密度は、0.850~0.950g/cmである。
(d3)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(D))は、0.1~100g/10分である。
(d4)引張弾性率がポリプロピレン系樹脂(A)よりも小さい。
(d5)融解ピーク温度(Tm)(D)は、30~170℃である。
(d6)エチレン含量[E(D)]は、50重量%未満である。
組成:(d1)
本形態のシール層(I)で用いられる熱可塑性エラストマー(D)は、プロピレン及び/又はブテンを主成分とする熱可塑性エラストマーである。ここで、「プロピレン及び/又はブテンを主成分とする熱可塑性エラストマー」とは、(i)プロピレンを主成分とする熱可塑性エラストマー、(ii)ブテンを主成分とする熱可塑性エラストマー、及び(iii)プロピレンとブテンを合計した成分を主成分とする熱可塑性エラストマーを包含する。なお、本明細書において、単位「wt%」は、重量%を意味する。
熱可塑性エラストマー(D)中のプロピレン又はブテンの含有量については特に制限はないが、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上である。例えば、熱可塑性エラストマー(D)は35重量%を超えてプロピレン又はブテンを含有することができる。
また、熱可塑性エラストマー(D)はプロピレン及びブテンを両方含んでもよく、その場合は、プロピレンとブテンを合計した成分が熱可塑性エラストマー(D)の主成分となり、プロピレンとブテンの含有量の合計は好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上である。プロピレン及びブテンの両方が含まれる場合は、例えば、熱可塑性エラストマー(D)は、プロピレン及びブテンを合計して35重量%を超えて含有することができる。なお、熱可塑性エラストマー(D)は、プロピレン又はブテンの単独の成分とすることもできる。
前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時に十分な接着強度を発揮し、フィルムの加熱時間を短くすることができる。
密度:(d2)
熱可塑性エラストマー(D)の密度は0.850~0.950g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.855~0.940g/cm、さらに好ましくは0.860~0.930g/cmである。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時に十分な接着強度を発揮し、さらにフィルム成形性も良好になる。
メルトフローレート(MFR(D)):(d3)
熱可塑性エラストマー(D)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(D))は、0.1~100g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.5~50g/10分、さらに好ましくは1.0~30g/10分である。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時に十分な接着強度を発揮する。
引張弾性率:(d4)
熱可塑性エラストマー(D)の引張弾性率は、ポリプロピレン系樹脂(A)の引張弾性率よりも小さいことが好ましい。より好ましくは、熱可塑性エラストマー(D)の引張弾性率は500MPa以下、さらに好ましくは450MPa以下である。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時に十分な接着強度を発揮することができる。
融解ピーク温度(Tm(D)):(d5)
熱可塑性エラストマー(D)の融解温度ピーク(DSC融解ピーク温度)(Tm(D))は、30~170℃であることが好ましく、より好ましくは35~168℃、さらに好ましくは40~165℃以上である。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時に十分な接着強度を発揮することができる。
エチレン含量[E(D)]:(d6)
本形態の熱可塑性エラストマー(D)は、上述特性(d1)~(d4)を満たせば、適宜、選択して使用することができるが、エチレン含量が50重量%未満であるプロピレン-エチレン共重合体、エチレン含量が50重量%未満であるブテン-エチレン共重合体、エチレン含量が50重量%未満であるプロピレン-エチレン-ブテン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、又はブテン単独重合体であることが好ましい。
上記プロピレン-エチレン共重合体、ブテン-エチレン共重合体又はプロピレン-エチレン-ブテン共重合体のエチレン含量[E(D)]は、より好ましくは45重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下であり、前記範囲であると三次元加飾熱成形時に十分な接着強度を発揮することができる。
(エチレン含量[E(D)]の算出方法)
熱可塑性エラストマー(D)がエチレンを含むエラストマーの場合、熱可塑性エラストマー(D)のエチレン含量[E(D)]は13C-NMR測定で得られた積分強度から求めることができる。
(算出方法1(二元系))
二種類の繰り返し単位から構成される二元系のエラストマー(プロピレン-エチレン共重合体又はブテン-エチレン共重合体等)におけるエチレン含量[E(D)]について説明する。エチレン-α-オレフィン二元系エラストマーのエチレン含量は(式d1-1)及び(式d1-2)で求めることができる。
エチレン含量(mol%)=IE×100/(IE+IX)・・・(式d1-1)
エチレン含量[E(D)](重量%)=[エチレン含量(mol%)×エチレンの分子量]×100/[エチレン含量(mol%)×エチレンの分子量+α-オレフィン含量(mol%)×α-オレフィンの分子量]・・・(式d1-2)
ここで、IE及びIXは、それぞれエチレン及びα-オレフィンについての積分強度であり、下記(式d-2)及び(式d-3)により求めることができる。
IE=(Iββ+Iγγ+Iβδ+Iγδ+Iδδ)/2+(Iαγ+Iαδ)/4・・・(式d-2)
IX=Iαα+(Iαγ+Iαδ)/2・・・(式d-3)
ここで、右辺のIの下つきの記号は、下記構造式(a)~(d)に記載の炭素を示す。例えばααはα-オレフィン連鎖に基づくメチレン炭素を示し、Iααはα-オレフィン連鎖に基づくメチレン炭素のシグナルの積分強度を表す。
Figure 0007192545000004
構造式(d)中、nは1以上の奇数を表す。
以下に、(式d-2)及び(式d-3)に用いる積分強度について記載する。
プロピレン-エチレン共重合体であれば、(式d-2)及び(式d-3)に以下の積分強度を代入し、エチレン含量[E(D)]を求める。
ββ=I25.0-24.2
γγ=I30.8-30.6
βδ=I27.8-26.8
γδ=I30.6-30.2
δδ=I30.2-28.0
αα=I48.0-43.9
αγ+Iαδ=I39.0-36.2
ここで、Iは積分強度を、右辺のIの下つき添字の数値は化学シフトの範囲を示す。例えばI39.0-36.2は39.0ppmと36.2ppmの間に検出した13Cシグナルの積分強度を示す。
化学シフトはヘキサメチルジシロキサンの13Cシグナルを1.98ppmに設定し、他の13Cによるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。
ブテン-エチレン共重合体であれば、(式d-2)及び(式d-3)に以下の積分強度の値を代入し、エチレン含量[E(D)]を求める。
ββ=I24.6-24.4
γγ=I30.9-30.7
βδ=I27.8-26.8
γδ=I30.5-30.2
δδ=I30.2-28.0
αα=I39.3-38.1
αγ+Iαδ=I34.5-33.8
(算出方法2(三元系))
次に、三種の繰り返し単位から構成される三元系エラストマーにおけるエチレン含量[E(D)]について説明する。プロピレン-エチレン-ブテン三元系エラストマーのエチレン含量は、下記(式d4-1)及び(式d4-2)で求めることができる。
エチレン含量(mol%)=IE×100/(IE+IP+IB)・・・(式d4-1)
エチレン含量[E(D)](重量%)=[エチレン含量(mol%)×エチレンの分子量]×100/[エチレン含量(mol%)×エチレンの分子量+プロピレン含量(mol%)×プロピレンの分子量+ブテン含量(mol%)×ブテンの分子量]・・・(式d4-2)
ここで、IE、IP及びIBはそれぞれ、エチレン、プロピレン及びブテンについての積分強度であり、(式d-5)、(式d-6)及び(式d-7)で求めることができる。
IE=(Iββ+Iγγ+Iβδ+Iγδ+Iδδ)/2+(Iαγ(P)+Iαδ(P)+Iαγ(B)+Iαδ(B))/4・・・(式d-5)
IP=1/3×〔ICH3(P)+ICH(P)+Iαα(PP)+1/2×(Iαα(PB)+Iαγ(P)+Iαδ(P))〕・・・(式d-6)
IB=1/4×〔(ICH3(B)+ICH(B)+I2B2+Iαα(BB))+1/2×(Iαα(PB)+Iαγ(B)+Iαδ(B))〕・・・(式d-7)
ここで、添え字の(P)は、プロピレン由来のメチル基分岐に基づくシグナルであることを意味し、同様に(B)はブテン由来のエチル基分岐に基づくシグナルであることを意味する。
また、αα(PP)は、プロピレン連鎖に基づくメチレン炭素のシグナルを意味し、同様にαα(BB)はブテン連鎖に基づくメチレン炭素のシグナルを、αα(PB)はプロピレン-ブテン連鎖に基づくメチレン炭素のシグナルを意味する。
ここで、γγシグナルは、プロピレン-プロピレン-エチレンと並んだ中心のプロピレンのメチン炭素CH(PPE)のシグナルの裾と重なるため、γγのシグナルを分離することは困難である。
γγシグナルはエチレン連鎖が2個の構造式(c)で現れ、エチレン由来のγγの積分強度と構造式(c)のβδの積分強度には(式d-8)が成り立つ。
βδ(構造式(c))=2×Iγγ・・・(式d-8)
また、βδは、エチレン連鎖が3個以上の構造式(d)で現れ、構造式(d)のβδの積分強度はγδの積分強度と等しく(式d-9)が成り立つ。
βδ(構造式(d))=Iγδ ・・・(式d-9)
よって、構造式(c)と構造式(d)に基づくβδは(式d-10)で求まる。
βδ=Iβδ(構造式(c))+Iβδ(構造式(d))=2×Iγγ+Iγδ・・・(式d-10)
すなわち、
γγ=(Iβδ-Iγδ)/2・・・(式d-10’)
よって、(式d-10’)を(式d-5)に代入すると、IEは(式d-11)に置き換えることができる。
IE=(Iββ+Iδδ)/2+(Iαγ(P)+Iαδ(P)+Iαγ(B)+Iαδ(B)+3×Iβδ+Iγδ)/4・・・(式d-11)
ここで、βδシグナルは1-ブテンに基づくエチル分岐の重なりを補正し、(式d-12)となる。
βδ=Iαγ(P)+Iαδ(P)+Iαγ(B)+Iαδ(B)-2×Iββ・・・(式d-12)
(式d-11)及び(式d-12)より、IEは(式d-13)となる。
IE=Iδδ/2+Iγδ/4-Iββ+Iαγ(P)+Iαδ(P)+Iαγ(B)+Iαδ(B) ・・・(式d-13)
(式d-13)、(式d-6)及び(式d-7)に以下を代入し、エチレン含量を求める。
ββ=I25.2-23.8
γδ=I30.4-30.2
δδ=I30.2-29.8
αγ(P)+Iαδ(P)=I39.5-37.3
αγ(B)+Iαδ(B)=I34.6-33.9
CH3(P)=I22.6-19.0
CH(P)=I29.5-27.6+I31.2-30.4+I33.4-32.8
αα(PP)=I48.0-45.0
CH3(B)=I11.4-10.0
CH(B)=I35.5-34.7+I37.4-36.8+I39.7-39.6
αα(BB)=I40.3-40.0
αα(PB)=I44.2-42.0
2B2=I26.7-26.4
なお、各シグナルの帰属は、次の5つの文献を参照した;
Macromolecules,Vol.10,No.4,1977、
Macromolecules,Vol.36,No.11,2003、
Analytical Chemistry,Vol.76,No.19,2004、
Macromolecules,2001,34,4757-4767、
Macromolecules,Vol.25,No.1,1992
また、熱可塑性エラストマー(D)は本発明の効果を損なわない限り、プロピレンとブテン以外のα-オレフィンとの共重合体であってもよい。α-オレフィンとしては、具体的にはエチレン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-エイコセン等が挙げられる。これらのα-オレフィンは、単独で又は組み合せて用いることができる。これらの中では、特に1-ヘキセン、1-オクテンが好ましく用いられる。
このような熱可塑性エラストマー(D)は、触媒存在下、各モノマーを共重合することにより製造される。具体的には、熱可塑性エラストマー(D)は、オレフィンの重合触媒として、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒等の触媒を使用して、気相法、溶液法、高圧法、スラリー法等のプロセスで、プロピレン、1-ブテン、エチレン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等のα-オレフィンを共重合させて、製造することができる。
また、本形態のシール層(I)に用いる熱可塑性エラストマー(D)は、本発明の効果を損なわない範囲で、1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
このような熱可塑性エラストマー(D)は、市販品として、三井化学(株)製のタフマーXMシリーズ、タフマーBLシリーズ、タフマーPNシリーズや、エクソンモービルケミカル社製のVISTAMAXXシリーズ等を挙げることができる。
{樹脂組成物(X4)}
シール層(I)を構成する樹脂組成物(X4)は、ポリプロピレン系樹脂(A)及び熱可塑性エラストマー(D)を主成分として含む。前記樹脂組成物(X4)は、ポリプロピレン系樹脂(A)と熱可塑性エラストマー(D)との混合物又は溶融混練物であってもよいし、ポリプロピレン系樹脂(A)と熱可塑性エラストマー(D)との逐次重合物であってもよい。
シール層(I)を構成する樹脂組成物(X4)において、ポリプロピレン系樹脂(A)及び熱可塑性エラストマー(D)の重量比((A):(D))は、97:3~5:95の範囲で選択されることが好ましく、より好ましくは95:5~10:90、さらに好ましくは93:7~20:80である。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時に十分な接着強度を発揮し、フィルムの加熱時間を短くすることができる上、シール層(I)と層(II)の接着性が良好になる。
樹脂組成物(X4)には、本発明の効果を損なわない限り、前記ヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤を含む添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等が含まれていてもよい。ただし、添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等の総量は、樹脂組成物(X4)に対して50重量%以下であることが好ましい。
添加剤、フィラー、その他の樹脂成分としては、前記[1.ポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)]にて例示したものを使用することができる。
樹脂組成物(X4)の製造方法は、ポリプロピレン系樹脂(A)と、熱可塑性エラストマー(D)と、添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等とを溶融混練する方法、ポリプロピレン系樹脂(A)と添加剤、フィラーその他の樹脂成分等を溶融混練したものに、熱可塑性エラストマー(D)をドライブレンドする方法、ポリプロピレン系樹脂(A)を熱可塑性エラストマー(D)に加え添加剤、フィラー、その他の樹脂組成物等をキャリアレジンに高濃度で分散させたマスターバッチをドライブレンドする方法等によって製造することができる。
[5.ポリプロピレン系樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(E)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X5)を含有するシール層(I)]
本発明の加飾フィルムの一態様として、シール層(I)は、ポリプロピレン系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(E)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X5)を含有し、ポリプロピレン系樹脂(A)は下記要件(a1)を満たし、熱可塑性樹脂(E)は下記要件(e1)を満たし、樹脂組成物(X5)は下記要件(x1)を満たすことが好ましい。
(a1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))は、2.0g/10分を超える。
(e1)脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基のうちの少なくとも1つを含有する。
(x1)示差熱走査型熱量計(DSC)で求めた等温結晶化時間(t(X5))(秒)が、以下の式(x-1)を満たす。
t(X5)≧1.5×t(A)・・・式(x-1)
(式中、t(A)はポリプロピレン系樹脂(A)の結晶化開始温度よりも10℃高い温度で測定したポリプロピレン系樹脂(A)の等温結晶化時間(秒)を表し、t(X5)はポリプロピレン系樹脂(A)の結晶化開始温度よりも10℃高い温度で測定した樹脂組成物(X5)の等温結晶化時間(秒)である。)
本形態におけるシール層(I)は、三次元加飾熱成形の際に、樹脂成形体(基体)と接する層である。シール層(I)を設けることにより、三次元加飾熱成形時のフィルム加熱時間が短くても十分な接着強度が発現するため、耐候剤が揮発する前に成形を完了させ、耐候性の低下を抑制することが可能となる。
{ポリプロピレン系樹脂(A)}
本形態におけるポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレン-α-オレフィン共重合体(ランダムポリプロピレン)、プロピレンブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)等の様々なタイプのプロピレン系重合体、又はそれらの組み合わせを選択することができる。ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレンモノマー由来の重合単位を50mol%以上含んでいることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂(A)は、極性基含有モノマー由来の重合単位を含まないものであることが好ましい。
メルトフローレート(MFR(A)):(a1)
ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))は、2.0g/10分を超えることが必要であり、好ましくは3.0g/10分以上、より好ましくは4.0g/10分以上である。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時の緩和が十分に進行し十分な接着強度を発揮することができる。MFR(A)の上限に制限はないが、100g/10分以下であることが好ましい。前記の範囲であると、物性低下による接着強度の悪化が生じることがない。
本形態において、ポリプロピレン系樹脂(A)、熱可塑性樹脂(E)及びこれらを含む樹脂組成物のMFRの測定は、ISO 1133:1997 Conditions Mに準拠し、230℃、2.16kg荷重の条件で測定した。単位はg/10分である。
融解ピーク温度(Tm(A))
ポリプロピレン系樹脂(A)の融解ピーク温度(DSC融解ピーク温度、本明細書においては「融点」と称する場合もある)(Tm(A))は、110℃以上であることが好ましく、115℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることがさらに好ましい。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時の成形性が良好である。融解ピーク温度の上限に制限はないが、170℃以下であることが好ましく、前記の範囲であると、十分な接着強度を発揮することができる。
本形態におけるポリプロピレン系樹脂(A)は、チーグラー触媒、メタロセン触媒等により重合される樹脂であることができる。すなわち、ポリプロピレン系樹脂(A)は、チーグラー触媒系プロピレン重合体又はメタロセン触媒系プロピレン重合体であることができる。
{熱可塑性樹脂(E)}
本形態のシール層(I)で用いられる熱可塑性樹脂(E)は、ポリプロピレン系樹脂(A)に含有させることによって、ポリプロピレン系樹脂(A)の結晶化を遅らせる機能を有する成分である。ポリプロピレン系樹脂(A)の結晶化速度を遅らせることによって、加飾成形の際には、シール層(I)と基体表面とが熱融着する前に、シール層(I)の樹脂が結晶化(固化)して接着力が低下することを防ぐことができる。結果として、加飾フィルムの加熱時間が短くても強い接着力を発現する。このポリプロピレン系樹脂(A)の結晶化を遅らせる効果については、後述する樹脂組成物(X5)の等温結晶化時間で評価した。
(e1)樹脂組成
本形態における熱可塑性樹脂(E)は、脂環式炭化水素基及び/又は芳香族炭化水素基を含有することが好ましい。熱可塑性樹脂(E)が前記特徴を有することによって、前記ポリプロピレン系樹脂(A)と混合した際に、ポリプロピレン系樹脂(A)の結晶化を遅らせる効果が発現し、基体との接着力が向上する。
具体的には、脂環式炭化水素基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、及びそれらの置換基誘導体、縮合環化体、架橋構造体等が挙げられ、とりわけシクロペンチル基、シクロへキシル基を含有していることが好ましい。
芳香族炭化水素基としてはフェニル基、メチルフェニル基、ビフェニル基、インデニル基、フルオレニル基及びそれらの置換基誘導体や縮合環化体等が挙げられ、とりわけフェニル基、ビフェニル基、インデニル基を含有していることが好ましい。また、脂環式炭化水素基は、樹脂中に含まれる芳香族炭化水素基を水添することによって得られるものであってもよい。
なお、熱可塑性樹脂(E)としては、上述要件(e1)を満たせば適宜、選択して使用することができるが、スチレン系エラストマー又は脂環族系炭化水素樹脂が、特に好適に用いることができ、両方が含まれていてもよい。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体エラストマー(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重合体エラストマー(SIS)、スチレン-エチレン・ブチレン共重合体エラストマー(SEB)、スチレン-エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(SEP)、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレン共重合体エラストマー(SEBS)、スチレン-エチレン・ブチレン-エチレン共重合体エラストマー(SEBC)、水添スチレン・ブタジエンエラストマー(HSBR)、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレン共重合体エラストマー(SEPS)、スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレン共重合体エラストマー(SEEPS)、スチレン-ブタジエン・ブチレン-スチレン共重合体エラストマー(SBBS)等が例示でき、水添されているものが特に好適に用いることができる。
市販品として、JSR(株)製のダイナロンシリーズ、クレイトンポリマージャパン(株)製のクレイトンGシリーズ、旭化成(株)製のタフテックシリーズ等が挙げられる。
脂環族系炭化水素樹脂としては例えば、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン等のジシクロペンタジエン誘導体の1種又は2種以上の混合物を主原料として重合して得られる炭化水素樹脂、水素化クマロン・インデン樹脂、水素化C9系石油樹脂、水素化C5系石油樹脂、C5/C9共重合系石油樹脂、水素化テルペン樹脂、水素化ロジン樹脂等が挙げられ、そして、市販の製品を使用することができ、具体的には、荒川化学(株)製のアルコンシリーズ等を挙げることができる。
{樹脂組成物(X5)}
シール層(I)を構成する樹脂組成物(X5)は、ポリプロピレン系樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(E)を主成分として含むものであり、ポリプロピレン系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(E)との混合物であってもよく、溶融混練物であってもよい。
シール層(I)を構成する樹脂組成物(X5)において、ポリプロピレン系樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(E)の重量比((A):(E))は、97:3~5:95の範囲で選択されることが好ましく、より好ましくは95:5~10:90、さらに好ましくは93:7~20:80である。ここで、複数の種類のポリプロピレン系樹脂(A)又は熱可塑性樹脂(E)が含まれていても良く、例えば熱可塑性樹脂(E1)と熱可塑性樹脂(E2)を含む場合は、前記熱可塑性樹脂(E1)と熱可塑性樹脂(E2)の合計を熱可塑性樹脂(E)の重量とする。前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時に十分な接着強度を発揮し、フィルムの加熱時間を短くすることができる。
等温結晶化時間(t(X5)):(x1)
樹脂組成物(X5)は、示差熱走査型熱量計(DSC)で求めた等温結晶化時間(t(X5))(秒)が、以下の関係式(x-1)を満たすことが好ましく、より好ましくは関係式(x-2)、さらに好ましくは関係式(x-3)を満たす。
t(X5)≧1.5×t(A)・・・式(x-1)
t(X5)≧2.0×t(A)・・・式(x-2)
t(X5)≧2.5×t(A)・・・式(x-3)
(式中、t(A)はポリプロピレン系樹脂(A)の結晶化開始温度よりも10℃高い温度で測定したポリプロピレン系樹脂(A)の等温結晶化時間(秒)を表し、t(X5)はポリプロピレン系樹脂(A)の結晶化開始温度よりも10℃高い温度で測定した樹脂組成物(X5)の等温結晶化時間(秒)である。)
樹脂組成物(X5)の等温結晶化時間(t(X5))が前記範囲であると、加飾成形の際に、加飾フィルムのシール層(I)と基体表面とが熱融着するまでの時間を稼ぐことができ、高い接着力が発現する。
等温結晶化時間(t(X5))の上限については特に制限はないが、30×t(A)≧t(X5)の関係式を満たすとフィルムの成形性が良好である。
(示差走査型熱量計(DSC)による等温結晶化時間の測定)
本形態での等温結晶化時間とは、示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定した値であり、JIS-K7121:2012年「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠する。
具体的には、ポリプロピレン系樹脂(A)のサンプル5mgをアルミニウム製ホルダーに入れ窒素雰囲気下で10℃/minの速度で40℃から200℃まで昇温する。200℃で10分間保持した後、40℃まで10℃/分の冷却速度で結晶化させ、このときのDSC曲線から結晶化開始温度を測定・算出する。
次に、ポリプロピレン系樹脂(A)又は樹脂組成物(X5)のサンプル5mgをアルミニウム製ホルダーに入れ窒素雰囲気下で10℃/minの速度で40℃から200℃まで昇温し、10分間保持し試料を融解させる。続いて、前述した方法で求めたポリプロピレン系樹脂(A)の結晶化開始温度より10℃高い温度(以下「測定温度」ということがある。)まで40℃/minの速度で冷却し、その後測定温度に保ち、試料が結晶化し発熱する挙動を測定する。試料の温度が測定温度に達した時から、発熱ピーク時までの時間を等温結晶化時間とする。ここで、加飾成形の際に加飾フィルムのシール層(I)がわずかに結晶化するだけで接着力が大きく低下することが考えられるため、等温結晶化測定における発熱ピークが二つ以上ある場合は、最初の発熱ピーク時までの時間を等温結晶化時間とする。
また、ポリプロピレン系樹脂(A)の種類によっては、結晶化開始温度より10℃高い温度での測定でも、ポリプロピレン系樹脂(A)の等温結晶化時間が極端に短い(例えば120秒以下)又は長い(例えば3000秒以上)場合が発生する可能性がある。その場合は、結晶化開始温度より10±2℃高い温度で等温結晶化時間を測定してもよいものとする。ただし、そのような測定をした場合は樹脂組成物(X5)の等温結晶化時間もポリプロピレン系樹脂(A)の測定温度に合わせて測定しなければならない。
樹脂組成物(X5)には、本発明の効果を損なわない限り、前記ヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含む添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等が含まれていてもよい。ただし、添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等の総量は、樹脂組成物(X5)に対して50重量%以下であることが好ましい。
添加剤、フィラー、その他の樹脂成分としては、前記[1.ポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)]にて例示したものを使用することができる。
樹脂組成物(X5)の製造方法は、ポリプロピレン系樹脂(A)と、熱可塑性樹脂(E)と、添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等とを溶融混練する方法、ポリプロピレン系樹脂(A)と添加剤、フィラーその他の樹脂成分等を溶融混練したものに、熱可塑性樹脂(E)をドライブレンドする方法、ポリプロピレン系樹脂(A)を熱可塑性樹脂(E)に加え添加剤、フィラー、その他の樹脂組成物等をキャリアレジンに高濃度で分散させたマスターバッチをドライブレンドする方法等によって製造することができる。
[6.プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)からなるシール層(I)]
本発明の加飾フィルムの一態様として、シール層(I)は、ポリプロピレン系樹脂(A)としてプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)を含有し、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)は、下記要件(a1)、(f1)及び(f2)を満たすことが好ましく、より好ましくはプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)がさらに(f3)、(f4)及び/又は(f5)を満たす。
(a1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(F))が、2.0g/10分を超える。
(f1)プロピレン単独重合体又はプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F1)を5~97重量%、前記成分(F1)よりもエチレン含量が多いプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F2)を3~95重量%含有する。
(f2)融解ピーク温度(Tm(F))は、110~170℃である。
(f3)プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)中のエチレン含量は、0.15~85重量%である。
(f4)前記成分(F1)のエチレン含量が、0~6重量%の範囲にある。
(f5)前記成分(F2)のエチレン含量が、5~90重量%の範囲にある。
本形態におけるシール層(I)は、三次元加飾熱成形の際に、樹脂成形体(基体)と接する層である。シール層(I)を設けることにより、三次元加飾熱成形時のフィルム加熱時間が短くても十分な接着強度が発現するため、耐候剤が揮発する前に成形を完了させ、耐候性の低下を抑制することが可能となる。
{プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)}
本形態のプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)は、プロピレン単独重合体又はプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F1)と、成分(F1)よりも多くのエチレンを含有するプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F2)を含有する。プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)中のゴム成分である成分(F2)により樹脂成形体(基体)との接着力が向上する。また、成分(F2)はプロピレンに対する分散形態の均一性が高く、それに伴い接着性が向上する。
プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)は、第1重合工程でプロピレン単独又はプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F1)を(共)重合し、第2重合工程で成分(F1)よりも多くのエチレンを含有するプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F2)を逐次共重合して得られる。
成分(F1)及び成分(F2)の割合:(f1)
本形態におけるプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)を構成する成分(F1)及び成分(F2)の割合は、成分(F1)が5~97重量%、成分(F2)が3~95重量%であることが好ましい。より好ましくは、成分(F1)が30~95重量%かつ成分(F2)が5~70重量%であり、さらに好ましくは成分(F1)が52~92重量%かつ成分(F2)が8~48重量%である。
成分(F1)及び成分(F2)の割合が前記の範囲であると、十分な接着強度を発揮することができる。また、前記の範囲であるとフィルムがべたつかず、フィルム成形性が良好である。
メルトフローレート(MFR(F)):(a1)
プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(F))は、2.0g/10分を超えることが必要であり、好ましくは3.0g/10分以上、より好ましくは4.0g/10分以上である。MFR(F)が前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時にプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)の緩和が十分に進行し十分な接着強度を発揮することができる。MFR(F)の上限には制限はないが、100g/10分以下であることが好ましい。前記の範囲であると、物性低下による接着強度の悪化が生じることがない。
本形態において、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)及びこれを含む樹脂組成物のMFRの測定は、ISO 1133:1997 Conditions Mに準拠し、230℃、2.16kg荷重の条件で測定した。単位はg/10分である。
融解ピーク温度(Tm(F)):(f2)
プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)の融点(融解ピーク温度)(以下、「Tm(F)」という。)は、110~170℃であることが好ましく、より好ましくは113~169℃、さらに好ましくは115~168℃である。Tm(F)が前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時の成形性が良好である。融解ピーク温度は主にエチレン含量の少ない成分(F1)、すなわち結晶性の高い成分(F1)に由来しており、共重合するエチレンの含量によって融解ピーク温度を変えることができる。
プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)中のエチレン含量[E(F)]:(f3)
本形態におけるプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)中のエチレン含量(以下、「E(F)」という。)は0.15~85重量%であることが好ましい。より好ましくは0.5~75重量%、さらに好ましくは2~50重量%である。E(F)が前記の範囲であると十分な接着強度を発揮することができ、また加飾フィルムの層(II)との接着性が良好でフィルム成形性にも優れる。
成分(F1)のエチレン含量[E(F1)]:(f4)
成分(F1)は融点が比較的高く、エチレン含量(以下、「E(F1)」という。)が0~6重量%の範囲にあるプロピレン単独重合体又はプロピレン-エチレンランダム共重合体であることが好ましい。より好ましくは0~5重量%である。E(F1)が前記の範囲であると、三次元加飾熱成形時の成形性が良好であるとともに、フィルムのベタツキが少なくフィルム成形性にも優れる。
成分(F2)のエチレン含量[E(F2)]:(f5)
成分(F2)は、そのエチレン含量(以下、「E(F2)」という。)が成分(F1)のエチレン含量E(F1)よりも多い。また、E(F2)が5~90重量%の範囲にあるプロピレン-エチレンランダム共重合体であることが好ましい。E(F2)は、より好ましくは7~80重量%、さらに好ましくは9~50重量%である。E(F2)が前記の範囲であると、十分な接着強度を発揮することができる。
{プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)の製造方法}
本形態に用いるプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)とそれを構成するプロピレン単独重合体又はプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F1)及びプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F2)は、以下の原料、重合方法によって好ましく製造することができる。本発明に用いるプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)の製造方法について、以下に説明する。
(使用原料)
本形態に用いられるプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)を製造するに際し使用される触媒としては、マグネシウム、ハロゲン、チタン、電子供与体を触媒成分とするマグネシウム担持型触媒、三塩化チタンを触媒とする固体触媒成分と有機アルミニウムからなる触媒、又はメタロセン触媒が使用できる。具体的な触媒の製造法は特に限定されるものではないが、例として日本国特開2007-254671号公報に開示されたチーグラー触媒や日本国特開2010-105197号公報に開示されたメタロセン触媒を例示することができる。
また、重合される原料オレフィンは、プロピレン及びエチレンであり、必要により、本発明の目的を損なわない程度の他のオレフィン、例えば、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン等を使用することもできる。
(重合工程)
前記触媒の存在下に行う重合工程は、成分(F1)を製造する第1重合工程、成分(F2)を製造する第2重合工程の多段階からなる。
・第1重合工程
第1重合工程は、プロピレン単独かプロピレン/エチレンの混合物を、前記触媒を加えた重合系に供給してプロピレン単独重合体又はプロピレン-エチレンランダム共重合体を製造して、全重合体量の5~97重量%に相当する量となるように成分(F1)を形成させる工程である。
成分(F1)のMFR(以下、「MFR(F1)」という。)は水素を連鎖移動剤として用いることにより調整することができる。具体的には、連鎖移動剤である水素の濃度を高くすると成分(F1)のMFR(F1)が高くなる。逆もまた同様である。重合槽における水素の濃度を高くするには、重合槽への水素の供給量を高くすればよく、当業者にとって調整は極めて容易である。また、成分(F1)がプロピレン-エチレンランダム共重合体である場合には、エチレン含有量を制御する手段として、重合槽に供給するエチレンの量を制御する方法を用いるのが簡便である。具体的には、重合槽に供給するエチレンのプロピレンに対する量比(エチレン供給量÷プロピレン供給量)を高くすれば、成分(F1)のエチレン含有量は高くなる。逆も同様である。重合槽に供給するプロピレンとエチレンの量比と成分(F1)のエチレン含有量との関係は使用する触媒の種類によって異なるが、適宜供給量比を調整することによって目的のエチレン含有量を有する成分(F1)を得ることは当業者にとって極めて容易なことである。
・第2重合工程
第2重合工程は、第1重合工程に引き続いてプロピレン/エチレン混合物をさらに導入して、プロピレン-エチレンランダム共重合体を製造して、全重合体量の3~95重量%に相当する量となるように成分(F2)を形成させる工程である。
成分(F2)のMFR(以下、「MFR(F2)」という。)は水素を連鎖移動剤として用いることにより調整することができる。具体的な制御方法は、成分(F1)のMFRの制御方法と同じである。成分(F2)のエチレン含有量を制御する手段として、重合槽に供給するエチレンの量を制御する方法を用いるのが簡便である。具体的な制御方法は、成分(F1)がプロピレン-エチレンランダム共重合体である場合と同じである。
次に、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)のインデックスの制御方法について説明する。
まず、成分(F1)と成分(F2)の重量比の制御方法について説明する。成分(F1)と成分(F2)の重量比は成分(F1)を製造する第1重合工程における製造量と成分(F2)を製造する第2重合工程における製造量によって制御する。例えば、成分(F1)の量を増やして成分(F2)の量を減らすためには、第1重合工程の製造量を維持したまま第2重合工程の製造量を減らせばよく、それは、第2重合工程の滞留時間を短くしたり、重合温度を下げたりすればよい。また、エタノールや酸素等の重合抑制剤を添加したり、元々添加している場合にはその添加量を増やしたりすることでも制御することができる。その逆もまた同様である。
通常、成分(F1)と成分(F2)の重量比は、成分(F1)を製造する第1重合工程における製造量と成分(F2)を製造する第2重合工程における製造量で定義する。式を以下に示す。
成分(F1)の重量:成分(F2)の重量=W(F1):W(F2)
W(F1)=第1重合工程の製造量÷(第1重合工程の製造量+第2重合工程の製造量)×100
W(F2)=第2重合工程の製造量÷(第1重合工程の製造量+第2重合工程の製造量)×100
W(F1)+W(F2)=100
(ここで、W(F1)及びW(F2)はそれぞれプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)における成分(F1)と成分(F2)の重量比率(百分率)である。)
工業的な製造設備では、各重合槽のヒートバランスやマテリアルバランスから製造量を求めるのが通常である。また、成分(F1)と成分(F2)の結晶性が充分異なる場合には、TREF(温度昇温溶離分別法)等の分析手法を用いて両者を分離同定し量比を求めることでもよい。ポリプロピレンの結晶性分布をTREF測定により評価する手法は当業者によく知られたものであり、G.Glokner,J.Appl.Polym.Sci:Appl.Poly.Symp.;45,1-24(1990)、L.Wild,Adv.Polym.Sci.;98,1-47(1990)、J.B.P.Soares,A.E.Hamielec,Polymer;36,8,1639-1654(1995)等の文献に詳細な測定法が示されている。
次に、エチレン含有量の制御方法について説明する。プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)はプロピレン単独重合体又はプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F1)とプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F2)の混合物であるから、それぞれのエチレン含有量の間には以下の関係式が成立する。
E(F)=E(F1)×W(F1)/100+E(F2)×W(F2)/100
(ここで、E(F)、E(F1)及びE(F2)はそれぞれ、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)、プロピレン単独重合体又はプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F1)、及びプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F2)のエチレン含有量である。)
この式はエチレン含有量に関するマテリアルバランスを示すものである。
したがって、成分(F1)と成分(F2)の重量比が決まれば、すなわち、W(F1)とW(F2)が決まれば、E(F)はE(F1)とE(F2)によって一意的に定まる。つまり、成分(F1)と成分(F2)の重量比、E(F1)及びE(F2)の3つの因子を制御することによりE(F)を制御することができる。
例えば、E(F)を高くする為にはE(F1)を高くしてもよいし、E(F2)を高くしてもよい。また、E(F2)がE(F1)よりも高いことに留意すれば、W(F1)を小さくしてW(F2)を大きくしてもよいことも容易に理解できよう。逆方向の制御方法も同様である。
なお、実際に測定値を直接得られるのはE(F)とE(F1)であり、両者の測定値を使ってE(F2)を計算することになる。したがって、仮にE(F)を高くする操作を行う際に、E(F2)を高くする操作、すなわち、第2重合工程に供給するエチレンの量を増やす操作を手段として選ぶ場合、測定値として直接確認できるのはE(F)であってE(F2)ではないが、E(F)が高くなる原因はE(F2)が高くなることにあるのは自明である。
次に、MFR(F)の制御方法について説明する。本形態においては、MFR(F2)を以下の式で定義することにする。
MFR(F2)=exp{(log[MFR(F)]-(W(F1)/100)×log[MFR(F1)])÷(W(F2)/100)}
(ここで、logはeを底とする対数である。MFR(F)、MFR(F1)及びMFR(F2)はそれぞれ、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)、プロピレン単独重合体又はプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F1)、及びプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F2)のMFRである。)
この式は一般に粘度の対数加成則と呼ばれる経験式
log[MFR(F)]=(W(F1)/100)×log[MFR(F1)]+(W(F2)/100)×log[MFR(F2)]
を変形したものであり、当業界で日常的に使われるものである。
この式で定義する為に、成分(F1)と成分(F2)の重量比、MFR(F)、MFR(F1)及びMFR(F2)は独立ではない。故に、MFR(F)を制御するには、成分(F1)と成分(F2)の重量比、MFR(F1)及びMFR(F2)の3つの因子を制御すればよい。例えば、MFR(F)を高くする為にはMFR(F1)を高くしてもよいし、MFR(F2)を高くしてもよい。また、MFR(F2)がMFR(F1)より低い場合には、W(F1)を大きくしてW(F2)を小さくしてもMFR(F)を高くすることができることも容易に理解できよう。逆方向の制御方法も同様である。
なお、実際に測定値を直接得られるのはMFR(F)とMFR(F1)であり、両者の測定値を使ってMFR(F2)を計算することになる。したがって、仮にMFR(F)を高くする操作を行う際に、MFR(F2)を高くする操作、すなわち、第2重合工程に供給する水素の量を増やす操作を手段として選ぶ場合、測定値として直接確認できるのはMFR(F)であってMFR(F2)ではないが、MFR(F)が高くなる原因はMFR(F2)が高くなることにあるのは自明である。
プロピレン-エチレンブロック共重合体の重合プロセスは、回分式、連続式のいずれの方法によっても実施可能である。この際に、ヘキサン、ヘプタン等の不活性炭化水素溶媒中で重合を行う方法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として使用する方法、実質的に液体溶媒を用いずにガス状の単量体中で重合を行う方法、さらに、これらを組み合わせた方法を採用することができる。また、第1重合工程と第2重合工程は同一の重合槽を用いても、別個の重合槽を用いてもよい。
(1)共重合体中のエチレン含有量の測定
プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)を用い、この共重合体中の各エチレン含有量を測定した。すなわち、第1重合工程終了時に得られたプロピレン単独重合体又はプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F1)及び、第2重合工程を経て得られたプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)における各々のエチレン含有量は、プロトン完全デカップリング法により以下の条件に従って測定した13C-NMRスペクトルを解析することにより求めた。
機種:日本電子(株)製 GSX-400又は同等の装置(炭素核共鳴周波数100MHz以上)
溶媒:o-ジクロロベンゼン+重ベンゼン(4:1(体積比))
濃度:100mg/mL
温度:130℃
パルス角:90°
パルス間隔:15秒
積算回数:5,000回以上
スペクトルの帰属は、例えば、Macromolecules,17,1950(1984)等を参考に行えばよい。上記条件により測定されたスペクトルの帰属は下表の通りである。表1中Sαα等の記号はCarmanら(Macromolecules,10,536(1977))の表記法に従い、Pはメチル炭素、Sはメチレン炭素、Tはメチン炭素をそれぞれ表わす。
Figure 0007192545000005
以下、「P」を共重合体連鎖中のプロピレン単位、「E」をエチレン単位とすると、連鎖中にはPPP、PPE、EPE、PEP、PEE、及びEEEの6種類のトリアッドが存在し得る。Macromolecules,15,1150(1982)等に記されているように、これらトリアッドの濃度と、スペクトルのピーク強度とは、以下の(f-1)~(f-6)の関係式で結び付けられる。
[PPP]=k×I(Tββ)・・・(f-1)
[PPE]=k×I(Tβδ)・・・(f-2)
[EPE]=k×I(Tδδ)・・・(f-3)
[PEP]=k×I(Sββ)・・・(f-4)
[PEE]=k×I(Sβδ)・・・(f-5)
[EEE]=k×{I(Sδδ)/2+I(Sγδ)/4}・・・(f-6)
ここで括弧[ ]はトリアッドの分率を示し、例えば[PPP]は全トリアッド中のPPPトリアッドの分率である。したがって、
[PPP]+[PPE]+[EPE]+[PEP]+[PEE]+[EEE]=1・・・(f-7)
である。
また、kは定数であり、Iはスペクトル強度を示し、例えば、I(Tββ)はTββに帰属される28.7ppmのピークの強度を意味する。上記(f-1)~(f-7)の関係式を用いることにより、各トリアッドの分率が求まり、さらに下式(f-8)によりエチレン含有量が求まる。
エチレン含有量(モル%)=([PEP]+[PEE]+[EEE])×100・・・(f-8)
なお、エチレン含有量のモル%から重量%への換算は以下の式(f-9)を用いて行う。
エチレン含有量(重量%)=(28×X/100)/{28×X/100+42×(1-X/100)}×100・・・(f-9)
ここで、Xはモル%表示でのエチレン含有量である。
本形態におけるプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)には、本発明の効果を損なわない限り、前記ヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含む添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等が含まれていてもよい。すなわち、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)と添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等との樹脂組成物(ポリプロピレン系樹脂組成物)であってもよい。添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等の総量は、樹脂組成物に対して50重量%以下であることが好ましい。
添加剤、フィラー、その他の樹脂成分としては、前記[1.ポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)]にて例示したものを使用することができる。
樹脂組成物は、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)と添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等とを溶融混練する方法、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)と添加剤、フィラー等を溶融混練したものにその他の樹脂成分をドライブレンドする方法、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)とその他の樹脂成分に加え添加剤、フィラー等をキャリアレジンに高濃度で分散させたマスターバッチをドライブレンドする方法等によって製造することができる。
[7.ポリオレフィン接着性樹脂(G)を含有するシール層(I)]
本発明における加飾フィルムの一形態として、シール層(I)は、ポリオレフィン接着性樹脂(G)を含有するシール層(I)を含み、ポリオレフィン接着性樹脂(G)は、下記要件(g1)及び(g2)を満たす。
(g1)少なくとも1種のヘテロ原子を含む極性官能基を有するポリオレフィン樹脂である。
(g2)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(G))は、100g/10分以下である。
本形態におけるシール層(I)は、三次元加飾熱成形の際に、樹脂成形体(基体)と接する層である。層(II)にシール層(I)が積層されることで、三次元加飾熱成形時のフィルム加熱時間が短くても十分な接着強度が発現するため、耐候剤が揮発する前に成形を完了させ、耐候性の低下を抑制することが可能となり、さらに、極性を有する樹脂材料からなる基体と強固に接着することができる。
メルトフローレート(MFR(G)):(g2)
本形態におけるポリオレフィン接着性樹脂(G)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(G))は、100g/10分以下であることが必要であり、好ましくは50g/10分以下、より好ましくは20g/10分以下である。ポリオレフィン接着性樹脂(G)のMFR(G)を上記の値以下にすることにより、ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)上に押出成形法によりポリオレフィン接着性樹脂(G)を含有するシール層(I)を積層することが可能となる。
ポリオレフィン接着性樹脂(G)のMFR(G)の下限については特に制限はないが、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.3g/10分以上である。ポリオレフィン接着性樹脂(G)のMFR(G)を上記の値以上にすることにより、ポリプロピレン系樹脂(B)含む樹脂組成物(B’)とポリオレフィン接着性樹脂(G)との共押出成形において、積層界面での界面荒れが発生したり、ポリオレフィン接着性樹脂(G)がフィルム端部まで積層されないといった問題が生じることを抑制することができる。
ヘテロ原子を含む極性官能基:(g1)
本形態におけるポリオレフィン接着性樹脂(G)は、ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)との接着性向上の観点から、少なくとも1種のヘテロ原子を含む極性官能基を有するポリオレフィン樹脂である。
少なくとも1種のヘテロ原子を有する極性官能基としては、エポキシ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基又はその金属塩、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、酸無水物基、アミノ基、イミド基、アミド基、ニトリル基、チオール基、スルホ基、イソシアネート基、ハロゲン基等が挙げられる。中でも、ポリオレフィン接着性樹脂(G)は、エポキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、酸無水物基、アミノ基、イミド基、アミド基、ニトリル基、チオール基、イソシアネート基、及びハロゲン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するポリオレフィン樹脂であることがより好ましい。
このような極性官能基を有するポリオレフィンの具体例としては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、アクリル酸変性ポリプロピレン等の酸変性ポリプロピレン;エチレン/塩化ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、エチレン/アクリロニトリル共重合体、エチレン/メタクリロニトリル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリルアミド共重合体、エチレン/メタクリルアミド共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体、エチレン/アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン/アクリル酸2-エチルヘキシル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン/メタクリル酸イソブチル共重合体、エチレン/メタクリル酸2-エチルヘキシル共重合体、エチレン/無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル/無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸金属塩共重合体、エチレン/メタクリル酸金属塩共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、エチレン/プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体等のエチレン又はα-オレフィン/ビニル単量体共重合体;塩素化ポリプロピレン塩素化ポリエチレン等の塩素化ポリオレフィン等が挙げられる。
また、これらの樹脂は単独で使用してもよく、2種以上で混合してもよい。さらに必要に応じて、他の樹脂又はゴム、粘着付与剤、前記ヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含む各種添加剤、フィラー等を混合してもよい。
極性官能基を有するポリオレフィン樹脂のうち、層(II)との接着性の観点から、市販品として、三井化学社製 商品名「アドマー」、三菱化学社製 商品名「モディック」、三洋化成社製 「ユーメックス」等を好適に用いることができる。
前記の他の樹脂又はゴムとしては、例えばポリペンテン-1、ポリメチルペンテン-1等のポリα-オレフィン、プロピレン/ブテン-1共重合体等のエチレン又はα-オレフィン/α-オレフィン共重合体、エチレン/プロピレン/5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体等のエチレン又はα-オレフィン/α-オレフィン/ジエン単量体共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリジエン共重合体、スチレン/ブタジエンランダム共重合体、スチレン/イソプレンランダム共重合体等のビニル単量体/ジエン単量体ランダム共重合体、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体等のビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体ブロック共重合体、水素化(スチレン/ブタジエンランダム共重合体)、水素化(スチレン/イソプレンランダム共重合体)等の水素化(ビニル単量体/ジエン単量体ランダム共重合体)、水素化(スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体)、水素化(スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)等の水素化(ビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体ブロック共重合体)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレングラフト共重合体、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレングラフト共重合体等のビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体グラフト共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等のビニル重合体、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体等のビニル共重合体等が挙げらえる。
前記の粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂(ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジン、ロジンエステル等)、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂(α-ピネン、β-ピネン、リモネン等の重合体)、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、石油樹脂(脂肪族系、脂環族系、芳香族系等)、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂(アルキルフェノール、フェノールキシレンホルムアルデヒド、ロジン変性フェノール樹脂等)、キシレン樹脂等が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を併せて用いることができる。これらのうち、熱安定性の観点から、ロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂が好ましく、本発明のポリオレフィン接着性樹脂(G)と相溶し、極性樹脂との接着にも寄与できるという点から、ロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂が特に好ましい。
前記の添加剤としては、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、金属石鹸、制酸吸着剤等の安定剤、又は架橋剤、連鎖移動剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤、蛍光増白剤等が挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
添加剤、フィラーとしては、さらに、前記[1.ポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)]にて例示したものを使用することができる。
<加飾フィルム>
本発明における加飾フィルムは、層(II)及びシール層(I)を含む。すなわち、加飾フィルムは、層(II)及びシール層(I)からなる二層フィルムであっても、層(II)及びシール層(I)と他の層からなる三層以上の多層フィルムであってもよい。本発明の加飾フィルムは、層(II)及びシール層(I)の他に様々な構成を取ることが可能である。なお、シール層(I)は、樹脂成形体(基体)に沿って貼着する。また本発明の加飾フィルムは、その表面にシボ、エンボス、印刷、サンドプラスト、スクラッチ等が施されていてもよい。
三次元加飾熱成形は、加飾対象の形状の自由度が高く、加飾フィルムの端面が加飾対象の裏側まで巻き込まれることで継ぎ目が生じないため外観に優れ、さらに、加飾フィルムの表面にシボ等を付与することで様々なテクスチャーを表現できる。例えば樹脂成形体にエンボス等のテクスチャーを付与する場合、エンボスの付与された加飾フィルムを用いて三次元加飾熱成形を行えばよい。このため、エンボスを付与する成形体金型で成形する場合の課題、すなわちエンボスパターン毎に成形体金型が必要であること、曲面の金型に複雑なエンボスを施すことは非常に困難で高価であること、といった課題が解決でき、様々なパターンのエンボスを容易に付与した加飾成形体を得ることができる。また、鏡面状の冷却ロールを面転写して加飾フィルムに鏡面加工を施せば、より光沢の高い加飾フィルムを得ることができる。
多層フィルムには、シール層(I)及び層(II)の他、基材層、表面層、表面加飾層(III)、印刷層、遮光層、着色層、バリア層、これらの層間に設けることができるタイレイヤー層等を含めることができる。樹脂組成物(B’)を含有する層(II)は、多層フィルムを構成する層のうち、シール層を除くいずれの層であってもかまわない。
加飾フィルムが、層(II)とシール層(I)とからなる二層フィルムであるとき、層(II)が樹脂成形体への貼着面とは反対の表面層を構成し、シール層(I)が樹脂成形体への貼着面を構成することとなる。この場合、層(II)がヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含んでいることが好ましい。
さらに複雑な層構成の多層フィルムであっても同様に、層(II)とシール層(I)を含む。
また、層(II)とシール層(I)を含む二層より多い多層フィルムの好ましい別の態様として、層(II)とシール層(I)以外の層は、好ましくは熱可塑性樹脂からなる層であり、より好ましくはポリプロピレン系樹脂からなる層である。層(II)とシール層(I)以外の層は、層(II)及びシール層(I)と識別することができる限り、その層を構成するポリプロピレン系樹脂のMFR(230℃、2.16kg荷重)は特に制限されるものではない。各層は熱硬化性樹脂を含まない層であることが好ましい。熱可塑性樹脂を用いることにより、リサイクル性が向上し、ポリプロピレン系樹脂を用いることにより、層構成の複雑化を抑制することができ、さらにリサイクル性がより向上する。
図1B(a)~図1B(c)は、ポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)及びシール層(I)を含む加飾フィルムの実施形態の断面を模式的に例示する説明図であり、図1A(a)~図1A(c)は、樹脂成形体に貼着した前記加飾フィルムの実施形態の断面を模式的に例示する説明図である。図1A(a)~図1A(c)を用いて、加飾フィルムの実施形態を説明する。図1A(a)~図1A(c)において、理解を容易にするため、シール層(I)及び層(II)の配置を特定して説明するが、加飾フィルムの層構成はこれら例示に限定して解釈されるものではない。
図面の符号1は加飾フィルム、符号2は層(II)、符号3はシール層(I)、符号4は表面加飾層(III)、符号5は樹脂成形体、符号6は加飾成形体を示す。図1A(a)は、加飾フィルム1が二層フィルムからなる例であり、樹脂成形体5にシール層(I)3が貼着し、シール層(I)3の上にポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)2が積層する。図1A(b)の加飾フィルム1は、シール層(I)3、層(II)2及び表面層からなり、樹脂成形体5にシール層(I)3が貼着し、シール層(I)3の上に層(II)2及び表面層がこの順に積層する。図1A(c)の加飾フィルム1は、シール層(I)3、層(II)2及びポリプロピレン系樹脂を含む表面加飾層(III)4からなり、樹脂成形体5にシール層(I)3が貼着し、シール層(I)3の上に層(II)2及び表面加飾層(III)4がこの順に積層する。
また、図1B(a)~図1B(c)において、理解を容易にするため、シール層(I)3及び層(II)2の配置を特定して説明するが、加飾フィルムの層構成はこれら例示に限定して解釈されるものではない。図面の符号1は加飾フィルム、符号2は層(II)、符号3はシール層(I)、符号4は表面加飾層(III)を示す。図1B(a)は、加飾フィルム1が二層フィルムからなる例であり、シール層(I)3の上にポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)2が積層する。図1B(b)の加飾フィルム1はシール層(I)3、層(II)2及び表面層からなり、シール層(I)3の上に層(II)2及び表面層がこの順に積層する。図1B(c)の加飾フィルム1はシール層(I)3、層(II)2及び表面加飾層(III)4からなり、シール層(I)3の上に層(II)2及び表面加飾層(III)4がこの順に積層する。
多層フィルムの好ましい一態様としては、シール層(I)及び層(II)以外の層は、好ましくは熱可塑性樹脂からなる層であり、より好ましくはポリプロピレン系樹脂(B)以外のポリプロピレン系樹脂からなる層である。各層は熱硬化性樹脂を含まない層であることが好ましい。熱可塑性樹脂を用いることにより、リサイクル性が向上する。さらにポリプロピレン系樹脂(B)以外のポリプロピレン系樹脂を用いることにより、層構成の複雑化を抑制することができ、リサイクル性がより向上する。
加飾フィルムの好ましい別の態様として、樹脂成形体との貼着面側とは反対面側、より好ましくは前記反対面側の最表面に、表面加飾層樹脂からなる表面加飾層(III)を含む多層フィルムが挙げられる。表面加飾層樹脂は、好ましくは熱可塑性樹脂、より好ましくはMFR(230℃、2.16kg荷重)が2.0g/10分を超えるポリプロピレン系樹脂(H)であるとよい。すなわち、加飾フィルムの表面層にさらにポリプロピレン系樹脂(H)を含有する表面加飾層(III)を設けることで、熱成形性を大きく低下させることなく、光沢やシボ転写性を向上させることができる。またポリプロピレン系樹脂(H)を用いることにより、層構成の複雑化やリサイクル性の低下を抑制することができる。加えて、ポリプロピレン系樹脂(H)を加飾フィルムの表面加飾層(III)に用いることで、耐溶剤性等を優れたものにすることができる。また、表面加飾層にポリプロピレン系樹脂(H)を用いることで、加飾フィルムの製造時及び熱成形時の表面の転写性が向上し、熱成形時に鏡面ロールを用いれば高い光沢を有する加飾フィルムとすることができる。
本態様におけるポリプロピレン系樹脂(H)は、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレン-α-オレフィン共重合体(ランダムポリプロピレン)、プロピレンブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)等の様々なタイプのプロピレン系重合体、又はそれらの組み合わせを選択することができる。ポリプロピレン系樹脂(H)は、プロピレンモノマー由来の重合単位を50mol%以上含んでいることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂(H)は、極性基含有モノマー由来の重合単位を含まないものであることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂(H)は、耐油性、耐溶剤性、耐傷付き性等の観点からホモポリプロピレンが好ましい。また光沢や透明性(発色性)の観点からは、プロピレン-α-オレフィン共重合体が好ましい。本態様において、表面加飾層(III)を構成するポリプロピレン系樹脂(H)は、シール層(I)を構成するポリプロピレン系樹脂(A)と同じであっても異なっていてもよい。
本態様におけるポリプロピレン系樹脂(H)は、ひずみ硬化度が好ましくは1.1未満、より好ましくは1.0以下であるとよい。ポリプロピレン系樹脂(H)のひずみ硬化度を1.1未満にすることにより、加飾成形体の外観を良好にすることができる。ポリプロピレン系樹脂(H)のひずみ硬化度は、前述した方法により求めるものとする。
ポリプロピレン系樹脂(H)は、MFR(H)(230℃、2.16kg荷重)が好ましくは2.0g/10分を超え、より好ましくは5.0g/10分以上、さらに好ましくは9.0g/10分以上である。ポリプロピレン系樹脂(H)のMFRを上記の値の範囲にすることにより、加飾フィルムの光沢が向上しやすい、シボ転写性が向上しやすい等の効果が得られ、要求される成形体の表面形状(光沢、非光沢、シボ等)について、良好な外観を有する加飾成形体を得ることができる。
ポリプロピレン系樹脂(H)のMFRの上限については特に制限はないが、好ましくは100g/10分以下、より好ましくは50g/10分以下である。MFRを上記の値の範囲にすることにより、良好な耐油性、耐溶剤性、耐傷付き性等を発揮することができる。
ポリプロピレン系樹脂(H)には、前記ヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含む添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等が含まれていてもよい。すなわち、ポリプロピレン系樹脂(H)と添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等との樹脂組成物(ポリプロピレン系樹脂組成物)であってもよい。添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等の総量は、ポリプロピレン系樹脂組成物に対して50重量%以下であることが好ましい。
添加剤、フィラー、その他の樹脂成分としては、前記[1.ポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)]にて例示したものを使用することができる。
ポリプロピレン系樹脂(H)を含有する樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(H)と添加剤、フィラー、その他の樹脂成分等を溶融混練する方法、ポリプロピレン系樹脂(H)と添加剤、フィラー等を溶融混練したものにその他の樹脂成分をドライブレンドする方法、ポリプロピレン系樹脂(H)とその他の樹脂成分に加え添加剤、フィラー等をキャリアレジンに高濃度で分散させたマスターバッチをドライブレンドする方法等によって製造することができる。
表面加飾層(III)がポリプロピレン系樹脂(H)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物であるとき、このポリプロピレン系樹脂組成物は、シール層(I)を構成するポリプロピレン系樹脂(A)を組成するポリプロピレン系樹脂組成物と同じものであっても、異なるものであっても良い。両者のポリプロピレン系樹脂組成物が、同じものである場合には、1台の押出機でフィードブロック等を用いて、シール層(I)と表面加飾層(III)を形成することができるという利点を有する。
本発明の加飾フィルムは、厚みが、好ましくは約20μm以上、より好ましくは約50μm以上、さらに好ましくは約80μm以上である。加飾フィルムの厚みをこのような値以上にすることにより、意匠性を付与する効果が向上し、成形時の安定性も向上し、より良好な加飾成形体を得ることが可能となる。一方、加飾フィルムの厚みは、好ましくは約2mm以下、より好ましくは約1.2mm以下、さらに好ましくは約0.8mm以下である。加飾フィルムの厚みをこのような値以下にすることにより、熱成形時の加熱に要する時間が短縮することで生産性が向上し、不要な部分をトリミングすることが容易になる。
本発明の加飾フィルムにおいて、加飾フィルム全体の厚みに占める層(II)の厚みの割合は、好ましくは30~99%であり、シール層(I)の厚みの割合は、好ましくは1~70%である。加飾フィルム全体に占める層(II)の厚みの割合が上記の値の範囲であれば、加飾フィルムの熱成形性が不十分となることを避けることができる。また加飾フィルム全体に占めるシール層(I)の厚みの割合が上記の値の範囲であれば、樹脂成形体(基体)との接着性が良好であり、耐候剤が揮発する前に加飾成形を完了させることができる。
また、加飾フィルムの最表面にポリプロピレン系樹脂(H)を含有する表面加飾層(III)を設けた多層フィルムにおいては、加飾フィルム中で表面加飾層(III)の厚みの占める割合は、加飾フィルム全体の厚みに対して好ましくは30%以下である。
<加飾フィルムの製造>
本発明の加飾フィルムは、各種シール層(I)とポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)とを共押出成形する方法、シール層(I)及び層(II)とさらに他の層とを共押出成形する方法、あらかじめ押出成形した一方の層の片方の面の上に、他の層を熱及び圧力をかけて貼り合せる熱ラミネーション法、接着剤を介して貼り合せるドライラミネーション法及びウェットラミネーション法、あらかじめ押出成形した一方の層の片方の面の上に、ポリプロピレン系樹脂を溶融押出しする押出ラミネーション法やサンドラミネーション法等が挙げられる。
加飾フィルムを形成するための装置としては、公知の(共)押出Tダイ成形機や、公知のラミネート成形機を用いることができる。この中で、生産性の観点から、(共)押出Tダイ成形機が好適に用いられる。
ダイスより押出された溶融状の加飾フィルムを冷却する方法としては、一本の冷却ロールにエアナイフユニットやエアチャンバーユニットより排出された空気を介して溶融状の加飾フィルムを接触させる方法や、複数の冷却ロールで圧着して冷却する方法が挙げられる。
本発明の加飾フィルムに光沢を付与する場合には、加飾フィルムの、製品の意匠面に鏡面状の冷却ロールを面転写して鏡面加工を施す方法が用いられる。
さらに、本発明の加飾フィルムの表面にシボ形状を有していてもよい。このような加飾フィルムは、ダイスより押出された溶融状態の樹脂を、凹凸形状を施したロールと平滑なロールとで直接圧着して凹凸形状を面転写する方法、平滑なフィルムを、凹凸形状を施した加熱ロールと平滑な(冷却)ロールとで圧接して面転写する方法等により製造することができる。シボ形状としては梨地調、獣皮調、ヘアライン調、カーボン調等が例示される。
本発明の加飾フィルムは、成膜後に熱処理してもよい。熱処理の方法としては、熱ロールで加熱する方法、加熱炉や遠赤外線ヒータで加熱する方法、熱風を吹き付ける方法等が挙げられる。
<加飾成形体>
本発明において加飾される成形体(加飾対象)として、好ましくはポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂組成物からなる各種樹脂成形体(以下、「基体」と言うことがある。)を用いることができる。樹脂成形体の成形方法は、特に制限されるものでなく、例えば射出成形、ブロー成形、プレス成形、押出成形等を挙げることができる。
ポリプロピレン系樹脂は非極性であることから、難接着性の高分子であるが、本発明における加飾フィルムは、各種シール層(I)及びポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)を含むことにより、ポリプロピレン系樹脂からなる加飾対象と加飾フィルムが貼着することで非常に高い接着強度を発揮し、耐候剤が揮発する前に加飾成形を完了させることができる。
加飾対象である成形体のポリプロピレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂組成物のベース樹脂としては、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレン-α-オレフィン共重合体、あるいは、プロピレンブロック共重合体等の公知の様々なプロピレンモノマーを主原料とする様々なタイプのものを選択することができる。また、本発明の効果を損なわない限り、剛性付与のためにタルク等のフィラーや、耐衝撃性付与のためにエラストマー等を含んでいてもよい。また、上述した加飾フィルムを構成し得るポリプロピレン系樹脂組成物と同様に添加剤成分やその他の樹脂成分を含んでもよい。
また、本発明において加飾される成形体(加飾対象)として、極性樹脂材料からなる各種成形体を用いることもでき、その場合には、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂及びこれらの複合材料より選別される極性樹脂材料からなる各種成形体を好ましく用いることができる。また、これら樹脂に無機フィラー等の補強剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤等の添加剤を添加してもよく、これら添加剤は単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。成形方法は、特に制限されるものでなく、例えば射出成形、ブロー成形、プレス成形、押出成形等を挙げることができる。
前記した極性樹脂材料は、非極性であるポリプロピレン系樹脂が難接着樹脂であるため、通常、熱接着することはない。これに対し、本発明における加飾フィルムは、シール層(I)がポリオレフィン接着性樹脂(G)を含有することにより、加飾対象と加飾フィルムが熱接着することが可能となり、高い接着強度を発揮することができる。ポリオレフィン接着性樹脂(G)としてα,β-不飽和カルボン酸類をグラフトした変性ポリオレフィン樹脂を好ましく例示することができる。
本発明の加飾フィルムを、ポリプロピレン系樹脂からなる各種成形体、特に三次元形状に形成された各種成形体に貼着した加飾成形体は、塗装や接着剤に含まれるVOCが大きく削減されるため、自動車部材、家電製品、車輌(鉄道等)、建材、日用品等として好適に使用することができる。
[加飾成形体の製造]
本発明の加飾成形体の製造方法は、上述した加飾フィルムを準備するステップ、樹脂成形体を準備するステップ、減圧可能なチャンバーボックス中に前記樹脂成形体及び前記加飾フィルムをセットするステップ、前記チャンバーボックス内を減圧するステップ、前記加飾フィルムを加熱軟化させるステップ、前記樹脂成形体に加熱軟化した前記加飾フィルムを押し当てるステップ、及び減圧した前記チャンバーボックス内を大気圧に戻す又は加圧するステップを含むことを特徴とする。
本発明の加飾成形体の製造方法によれば、加飾フィルムと樹脂成形体の間に空気の巻き込みが無く、シボ等のテクスチャーの再現性が良好かつ美麗な加飾成形体を得ることができる。このようにして得られた加飾成形体は、加飾フィルムの構成材料がポリプロピレン系樹脂であり、熱硬化性樹脂層を含まないため又は含ませなくてもよいため、リサイクルしても外観や性能の低下が小さく、リサイクル適性が高い。
三次元加飾熱成形は、減圧可能なチャンバーボックス中に、加飾対象と加飾フィルムをセットし、チャンバーボックス内を減圧した状態で加飾フィルムを加熱軟化させ、加飾対象に軟化した加飾フィルムを押し当て、チャンバーボックス内を大気圧に戻す、あるいは、加圧することで、加飾フィルムを加飾対象の表面に貼り付ける、という基本的な工程を有し、減圧下で加飾フィルムの貼り付けを行う。これにより空気だまりが生じない、きれいな加飾成形体を得ることができる。本発明の製造方法において、三次元加飾熱成形に相応しい装置、条件であれば公知のあらゆる技術を用いることができる。
すなわち、チャンバーボックスは、加飾対象と加飾フィルム、及び、それを押し当てるための機構、加飾フィルムを加熱するための装置等の全てを一つに納めるものでもよいし、加飾フィルムによって分割された複数のものでもよい。
また、加飾対象と加飾フィルムを押し当てるための機構は、加飾対象を移動させるもの、加飾フィルムを移動させるもの、両者を移動させるもの等、いずれのタイプでもかまわない。
より具体的に代表的な成形方法を以下に例示する。
以下、図を参照しながら、三次元加飾熱成形機を用いて加飾フィルムを加飾対象に貼着する方法について例示的に説明する。
図2に示すように、この実施形態の三次元加飾熱成形機は上下にチャンバーボックス11及び12を具備すると共に、前記2つのチャンバーボックス11及び12内で加飾フィルム1の熱成形を行なうようにしている。上下のチャンバーボックス11及び12には、真空回路(図示せず)と空気回路(図示せず)がそれぞれ配管されている。
また、上下のチャンバーボックス11及び12の間には、加飾フィルム1を固定する治具13が備えられている。また、下チャンバーボックス12には、上昇・下降が可能なテーブル14が設置されており、樹脂成形体(加飾対象)5はこのテーブル14上に(治具等を介して又は直接)セットされる。上チャンバーボックス11内にはヒータ15が組み込まれており、このヒータ15により加飾フィルム1は加熱される。樹脂成形体5は、プロピレン系樹脂組成物を基体とすることができる。
このような三次元加飾熱成形機としては、市販の成形機(例えば布施真空株式会社製NGFシリーズ)を使用することができる。
図3に示すように、まず上下チャンバーボックス11及び12が開放された状態で、下チャンバーボックス12内のテーブル14上に樹脂成形体5を設置し、テーブル14を下降した状態にする。続いて、上下チャンバーボックス11及び12間のフィルム固定用の治具13に加飾フィルム1をシール層(I)が基体に対向するようにセットする。
図4に示すように、上チャンバーボックス11を降下させ、上下チャンバーボックス11及び12を接合させ前記チャンバーボックス11及び12内を閉塞状態とした後、それぞれのチャンバーボックス11及び12内を真空吸引状態にし、ヒータ15により加飾フィルム1の加熱を行う。
加飾フィルム1を加熱軟化した後、図5に示すように、上下チャンバーボックス11及び12内を真空吸引状態のまま下チャンバーボックス12内のテーブル14を上昇させる。加飾フィルム1は樹脂成形体5に押し付けられて、樹脂成形体5を被覆する。さらに図6に示すように、上チャンバーボックス11を大気圧下に開放又は圧空タンクより圧縮空気を供給することにより、さらに大きな力で加飾フィルム1を樹脂成形体5に密着させる。
続いて、上下チャンバーボックス11及び12内を大気圧下に開放し、加飾成形体6を下チャンバーボックス12から取り出す。最後に、図7に例示するように加飾成形体6の周囲にある不要な加飾フィルム1のエッジをトリミングする。
[成形条件]
チャンバーボックス11及び12内の減圧は、空気だまりが発生しない程度であればよく、チャンバーボックス内の圧力は10kPa以下が好ましく、より好ましくは3kPa以下、さらに好ましくは1kPa以下である。
また、加飾フィルム1により上下に分割された二つのチャンバーボックス11及び12においては、樹脂成形体5と加飾フィルム1が貼り付けられる側のチャンバーボックス内圧力が前記範囲内であればよく、上下のチャンバーボックス11及び12の圧力を変えることで加飾フィルム1のドローダウンを抑制することもできる。
このとき、一般的なポリプロピレン系樹脂からなるフィルムは加熱時の粘度低下により、わずかな圧力変動で大きく変形及び破膜することがある。
しかし、本発明の加飾フィルムは、特定のポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)を含むため、ドローダウンしにくいだけでなく、圧力変動によるフィルム変形にも耐性を有する。
加飾フィルム1の加熱はヒータ温度(出力)と加熱時間によって制御される。また、フィルムの表面温度を放射温度計等の温度計により測定し適切な条件の目安とすることも可能である。
本発明において、ポリプロピレン系樹脂からなる樹脂成形体5にポリプロピレン系加飾フィルム1を貼着させるには、加飾対象である樹脂成形体5表面及び加飾フィルム1が十分に軟化又は融解することが必要である。
そのために、ヒータ温度は樹脂成形体5を構成するポリプロピレン系樹脂と加飾フィルム1を構成するポリプロピレン系樹脂の融解温度よりも高いことが必要である。ヒータ温度は、好ましくは160℃以上、より好ましくは180℃以上、最も好ましくは200℃以上である。
ヒータ温度が高いほど加熱に要する時間は短縮されるが、加飾フィルム1の内部(あるいはヒータが片側にのみ設置させる場合にはヒータと反対の面)が十分に加熱されるまでに、ヒータ側の温度が高くなりすぎることで成形性の悪化を招くばかりでなく樹脂が熱劣化してしまうため、ヒータ温度は500℃以下であることが好ましく、より好ましくは450℃以下、最も好ましくは400℃以下である。
適切な加熱時間はヒータ温度によって異なるが、短くても、ポリプロピレン系加飾フィルムが加熱され、スプリングバックと呼ばれる張り戻りが開始するまでの時間又はそれを超える時間加熱されることが好ましい。
ある態様においては、張り戻りが終了してから2秒後までの時間又はそれを超える時間加熱されることが好ましい。
すなわち、ヒータによって加熱された加飾フィルムは、固体状態から加熱されることで熱膨張し結晶溶融に伴い一度たるみ、結晶融解が全体に進行すると分子が緩和することで一時的に張り戻るスプリングバックが観察され、その後、自重によって垂れ下がるという挙動を示すが、スプリングバック後には、加飾フィルムは完全に結晶が融解しており、分子の緩和が十分であるため、十分な接着強度が得られる。
さらに、本発明のシール層(I)を含む加飾フィルムは、驚くべきことに張り戻りが終了する前に加飾熱成形しても基体と強く接着することが可能であるため、熱成形の時間を短くすることができ、加飾フィルムに含まれる耐候剤が揮発する前に成形を完了させることができる。また、シボ戻りの抑制にも大きな効果がある。
一方、加熱時間が長くなりすぎると、加飾フィルムは自重によって垂れ下がったり、上下チャンバーボックスの圧力差により変形してしまったりするので、スプリングバック終了後、30秒未満の加熱時間であることが好ましい。
凹凸を有する複雑な形状の成形体を加飾する場合や、より高い接着力を達成する場合には、加飾フィルムを基体に密着させる際に、圧縮空気を供給することが好ましい。圧縮空気を導入した際の上チャンバーボックス内の圧力は、150kPa以上が好ましく、より好ましくは200kPa以上、さらに好ましくは250kPa以上である。上限については特に制限しないが、圧力が高すぎると機器を損傷するおそれがあるため、450kPa以下が好ましく、より好ましくは400kPa以下がよい。
以下、実施例として、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
1.諸物性の測定方法
(i)メルトフローレート(MFR)
ISO 1133:1997 Conditions Mに準拠して、230℃、2.16kg荷重で測定した。単位はg/10分である。
(ii)ひずみ硬化度λ
ひずみ硬化度λの求め方は、前述した方法で行った。このとき、剪断粘度の値として用いるη(0.01)、伸長粘度の値として用いるηe(3.5)は以下の方法で測定を行った。また、このとき測定に用いた試料は、温度180℃、加圧10MPaの条件で1時間プレスすることで厚さ0.7mm及び2mmの平板に成形したものであり、厚さ0.7mmの試料を伸長粘度測定に、2mmの試料を動的周波数掃引実験に用いた。
(ii-1)剪断粘度η(0.01)
Rheometric Scientific社製ARESを用いて、動的周波数掃引実験を行った。測定ジオメトリには直径25mmの平行円板を使用した。装置制御ソフトウェアTA Orchestratorを用い、測定モードDynamic Frequency Sweep Testにて測定を実施した。試料は上記の方法で作製した厚さ2mmのプレス成形体を用いた。測定温度は180℃とした。角振動数ωは0.01~100rad/sの間を、対数スケールで等間隔となるように一桁あたり5点測定した。
試料の低剪断速度での粘度を示す指標として、ω=0.01rad/sにおける複素粘性率η(0.01)[単位:Pa・s]を採用する。なお、複素粘性率ηは、複素弾性率G[単位:Pa]とωから、η=G/ωにて計算される。
(ii-2)伸長粘度ηe(3.5)
Rheometric Scientific社製ARESの測定治具に、ティーエーインスツルメント社製 Extensional Viscosity Fixtureを使用して伸長粘度測定を行った。装置制御ソフトウェアTA Orchestratorを用い、測定モードExtensional Viscosity Testにて測定を実施した。試料は上記の方法で成形した厚さ0.7mmの試験片を用いた。試験片の幅は10mm、長さ18mmとした。歪速度は1.0s-1、測定温度は180℃である。その他の測定パラメータは以下のように設定した。
Sampling Mode:log
Points Per Zone:200
Solid Density:0.9
Melt Density:0.8
Prestretch Rate:0.05s-1
Relaxation after Prestretch:30sec
本条件で、少なくとも測定開始からの時間3.7秒までのデータを採取する。ソフトウェアにより、伸長粘度の時間依存性データが得られる。得られた伸長粘度カーブの、時間3.5sec(すなわち歪量3.5)の時点での伸長粘度の値をηe(3.5)[単位:Pa・s]とした。
(iii)融解ピーク温度(融点)
示差走査熱量計(DSC)を用い、一旦200℃まで温度を上げて10分間保持した後、10℃/分の降温速度で40℃まで温度を降下させ、再び昇温速度10℃/分にて測定した際の、吸熱ピークトップの温度を融解ピーク温度(融点)とした。単位は℃である。
(iv)絶対分子量Mabsが100万における分岐指数g’の測定
前述した方法に従って、光散乱計と粘度計を検出器に備えたGPCを使用した測定を行い、前述した解析方法に基づき、分岐指数g’を求めた。
(v)13C-NMRを用いた長鎖分岐構造の検出
前述した方法に従って、13C-NMRを使用した測定を行い、長鎖分岐構造の有無を測定した。
(vi)GPC測定
以下の装置と条件でGPC測定を行い、Mw/Mnの算出をおこなった。
・装置:Waters社製GPC(ALC/GPC 150C)
・検出器:FOXBORO社製MIRAN 1A IR検出器(測定波長:3.42μm)
・カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
・移動相溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB)
・測定温度:140℃
・流速:1.0ml/min
・注入量:0.2ml
・試料の調製:試料は、ODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させた。
GPC測定で得られた保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレン(PS)による検量線を用いて行った。使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー社製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000
各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して、較正曲線を作成した。較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いた。
なお、分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは、以下の数値を用いた。
PS:K=1.38×10-4、α=0.7
PP:K=1.03×10-4、α=0.78
(vii)密度
エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)及び熱可塑性エラストマー(D)の密度は、JIS K7112:1999年の密度勾配管法に従って、測定した。
(viii)引張弾性率
熱可塑性エラストマー(D)の引張弾性率は、ASTM D638に準拠し、ASTM-IV射出スペシメン、23℃、引張り速度50mm/minで測定した。
(ix-1)エチレン含量[E(C)]
エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)のエチレン含量[E(C)]は、上述した方法に基づき、13C-NMR測定で得られた積分強度から求めた。試料の調製と測定条件は以下の通りである。
試料であるエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)200mgをo-ジクロロベンゼン/重水素化臭化ベンゼン(CBr)=4/1(体積比)2.4ml及び化学シフトの基準物質であるヘキサメチルジシロキサンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れ溶解した。
13C-NMR測定は、10mmφのクライオプローブを装着したブルカー・バイオスピン(株)製のAV400型NMR装置を用いて行った。
13C-NMR測定条件は、試料の温度120℃、パルス角を90°、パルス間隔を20秒、積算回数を512回とし、ブロードバンドデカップリング法で実施した。
(ix-2)プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)、成分(F1)及び成分(F2)のエチレン含量の算出
プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)、成分(F1)及び成分(F2)のエチレン含量は、上述した13C-NMRによるエチレン含量の測定法を用いて行った。
(x)等温結晶化時間:
等温結晶化時間は、示差走査熱量計(DSC)を用い、上述した方法で測定した。
なお、ポリプロピレン系樹脂(A)及び樹脂組成物(X5)の等温結晶化時間を測定する場合は、ポリプロピレン系樹脂(A)並びにポリプロピレン系樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(E)をそれぞれ二軸押出機にて溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂(A)及び樹脂組成物(X5)のペレットを得て、それを用いて等温結晶化時間を測定した。二軸押出機には、テクノベル社製KZW-15を用い、スクリュー回転数は400RPM、混練温度は、ホッパ下から80℃、120℃及び200℃(以降、ダイス出口まで同温度)の設定とした。
2.加飾成形体の物性評価
(1)熱成形性の評価
三次元加飾熱成形時の加飾フィルムのドローダウン状態、並びに基体に加飾フィルムを貼着した加飾成形体の加飾フィルムの貼着状態を目視にて観察し、以下に示した基準で評価した。
○:三次元加飾熱成形時に、加飾フィルムがドローダウンせずに基体と加飾フィルムとの接触が接触面全面にて同時に行われたため、接触ムラが発生せず、均一に貼着されている。
×:三次元加飾熱成形時に、加飾フィルムが大きくドローダウンしたため、基体全面に接触ムラが発生。
(2)樹脂成形体(基体)と加飾フィルムとの接着力
株式会社ニトムズ製「クラフト粘着テープ No.712N」を幅75mm、長さ120mmに切り出し、樹脂成形体(基体)の端部より75mm×120mmの範囲で樹脂成形体(基体)に貼り付けてマスキング処理を施した(基体表面露出部は幅45mm、長さ120mm)。樹脂成形体(基体)のマスキング面が加飾フィルムと接触するように三次元加飾熱成形装置NGF-0406-SWに設置し、三次元加飾熱成形を行った。
得られた加飾成形体の加飾フィルム面を、粘着テープの長手方向に対して垂直方向にカッターを用いて10mm幅で基体表面までカットし、試験片を作製した。得られた試験片において、基体と加飾フィルムとの接着面は幅10mm×長さ45mmである。試験片の基体部と加飾フィルム部とが180°となるように引張試験機に取付け、200mm/minの引張速度で接着面の180°剥離強度測定を行い、剥離時又は破断時の最大強度(N/10mm)を5回測定し、平均した強度を接着力とした。試験は、23℃50%RHで行った。
(3)耐候性
三次元加飾熱成形後の平板サンプルを、23℃50%RHで48時間保持した後、該平板から縦30mm横70mmに試験片を切り出し、東洋精機社製アトラス試験機Ci65AWにてブラックパネル温度89℃、湿度50%、放射照度100W/m2の条件で504MJのキセノンアークランプ光を、加飾成形体の加飾フィルム側に照射した。照射時間は以下の通りである。
照射時間(1).加飾フィルムがヒンダードアミン系光安定剤のみを含む場合:400hr
照射時間(2).加飾フィルムが紫外線吸収剤のみを含む場合:200hr
照射時間(3).加飾フィルムがヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤の両者を含む場合:600hr
照射後、試験片の表面を顕微鏡にて20倍に拡大して観察し評価した。なお、評価基準は以下の通りである。
○:照射表面に変化が観察されない、或いは汚れが観察されても僅かである。
×:照射表面で、微細なクラックが認められる。
(4)リサイクル性評価
得られた加飾成形体を粉砕し、樹脂成形体(基体)の製造と同様に射出成形によりリサイクル成形体を作製し、目視にて外観を観察し、以下に示した基準で評価した。
○:フィッシュアイ等の分散不良が無く、外観に優れる。
×:射出片中にフィッシュアイが発生し、外観が劣る。
3.樹脂成形体(基体)の作製
3-1.樹脂成形体に用いたポリプロピレン樹脂
以下のポリプロピレン系樹脂を用いた。
(Z-1):プロピレン単独重合体(MFR=40g/10分、Tm=165℃)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)MA04H」
(Z-2):プロピレンエチレンブロック共重合体(MFR=30g/10分、Tm=164℃)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)NBC03HR」
(Z-3):ポリプロピレン系樹脂(Z-2)60重量%に、MFR=1.0のEBR(三井化学(株)製 タフマー(登録商標)A0550S)を20重量%、無機フィラー(日本タルク(株)製 タルクP-6、平均粒径4.0μm)を20重量%ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物
3-2.樹脂成形体(基体)の製造
ポリプロピレン系樹脂(Z-1)~(Z-3)を用い、以下の方法で射出成形体
を得た。
射出成形機:東芝機械株式会社製「IS100GN」、型締め圧100トン
シリンダー温度:200℃
金型温度:40℃
射出金型:幅×高さ×厚さ=120mm×120mm×3mmの平板
状態調整:温度23℃、湿度50%RHの恒温恒湿室にて5日間保持
(試験例1)
[1:MFR(A)が2.0g/10分超であるポリプロピレン系樹脂(A)からなるシール層(I)を含む加飾フィルム]
1-1.使用材料
ポリプロピレン系樹脂
以下のポリプロピレン系樹脂を用いた。
(A-1):長鎖分岐を有しないプロピレン単独重合体(MFR=10g/10分、Tm=161℃、ひずみ硬化度λ=1.0、引張弾性率=1600MPa)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)FA3KM」、絶対分子量Mabsが100万における分岐指数g’=1.0。13C-NMRの測定により長鎖分岐構造を有しないことを確認した。
(A-2):長鎖分岐を有しないプロピレン-α-オレフィンランダム共重合体(MFR=5.0g/10分、Tm=127℃、引張弾性率=650MPa)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)FX4G」。
(A-3):長鎖分岐を有しないプロピレン-α-オレフィンランダム共重合体(MFR=7.0g/10分、Tm=146℃、Mw/Mn=4.0、引張弾性率=1200MPa)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)FW3GT」。
(A-1-1):ポリプロピレン系樹脂(A-1)100重量部に、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF株式会社製、商標名「Tinuvin770」)を0.2重量部ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=10g/10分、Tm=161℃)
(B-1):マクロマー共重合法により製造された長鎖分岐を有するプロピレン単独重合体、日本ポリプロ(株)製、商品名「WAYMAX(登録商標)MFX8」、MFR=1.0g/10分、Mw/Mn=5.3、ひずみ硬化度λ=9.7、Tm=154℃、絶対分子量Mabsが100万における分岐指数g’=0.89、13C-NMRの測定により長鎖分岐構造を有することを確認した。
(B-2):マクロマー共重合法により製造された長鎖分岐を有するプロピレン単独重合体、日本ポリプロ(株)製、商品名「WAYMAX(登録商標)MFX3」、MFR=8.8g/10分、ひずみ硬化度λ=7.8、Tm=154℃、絶対分子量Mabsが100万における分岐指数g’=0.85、13C-NMRの測定により長鎖分岐構造を有することを確認した。
(B-1-1):ポリプロピレン系樹脂(B-1)100重量部に、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF株式会社製、商標名「Tinuvin770」)を0.2重量部ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=1.0g/10分、Tm=154℃)
(B-1-2):ポリプロピレン系樹脂(B-1)100重量部に、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF株式会社製、商標名「Chimassorb944」)を0.2重量部ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=1.0g/10分、Tm=154℃)
(B-1-3):ポリプロピレン系樹脂(B-1)100重量部に、ヒンダードアミン系光安定剤(株式会社ADEKA製、商標名「LA57」)を0.2重量部ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=1.0g/10分、Tm=154℃)
(B-1-4):ポリプロピレン系樹脂(B-1)100重量部に、ヒンダードアミン系光安定剤(株式会社ADEKA製、商標名「LA52」)を0.2重量部ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=1.0g/10分、Tm=154℃)
(B-1-5):ポリプロピレン系樹脂(B-1)100重量部に、紫外線吸収剤(株式会社ADEKA製、商標名「アデカスタブ1413」)を0.2重量部ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=1.0g/10分、Tm=154℃)
(B-1-6):ポリプロピレン系樹脂(B-1)100重量部に、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF株式会社製、商標名「Tinuvin770」)を0.2重量部、さらに紫外線吸収剤(株式会社ADEKA製、商標名「アデカスタブ1413」)を0.2重量部ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=1.0g/10分、Tm=154℃)
(B-1-7):ポリプロピレン系樹脂(B-1)100重量部に、紫外線吸収剤(株式会社ADEKA製、商標名「アデカスタブLA-31G」)を0.2重量部ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=1.0g/10分、Tm=154℃)
(B-1-8):ポリプロピレン系樹脂(B-1)100重量部に、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF株式会社製、商標名「Chimassorb944」)を0.2重量部、さらに紫外線吸収剤(株式会社ADEKA製、商標名「アデカスタブLA-31G」)を0.2重量部ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=1.0g/10分、Tm=154℃)
(B-2-1):ポリプロピレン系樹脂(B-2)100重量部に、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF株式会社製、商標名「Tinuvin770」)を0.2重量部ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=8.8g/10分、Tm=154℃)
(B-2-2):ポリプロピレン系樹脂(B-2)100重量部に、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF株式会社製、商標名「Chimassorb944」)を0.2重量部ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=8.8g/10分、Tm=154℃)
実施例1-1
・加飾フィルムの製造
口径30mm(直径)のシール層用押出機-1、及び口径40mm(直径)の押出機-2が接続された、リップ開度0.8mm、ダイス幅400mmの2種2層Tダイを用いた。シール層用押出機-1にポリプロピレン系樹脂(A-1)を、押出機-2にポリプロピレン系樹脂(B-1-1)をそれぞれ投入し、樹脂温度240℃、シール層用押出機-1の吐出量を4kg/h、押出機-2の吐出量を12kg/hの条件で溶融押出を行った。
溶融押出されたフィルムを、80℃、3m/minで回転する冷却ロールに、シール層(I)が接するように冷却固化させ、厚さ50μmのシール層(I)と、厚さ150μmの層(II)が積層された2層の未延伸フィルムを得た。
・三次元加飾熱成形
樹脂成形体(基体)5として、上記により得られたポリプロピレン系樹脂(Z-1)からなる射出成形体を用いた。
三次元加飾熱成形装置として、布施真空株式会社製「NGF-0406-SW」を用いた。図2~7に示すように、加飾フィルム1を、シール層(I)が基体に対向するとともに長手方向がフィルムのMD方向となるように、幅250mm×長さ350mmで切り出し、開口部のサイズが210mm×300mmのフィルム固定用治具13にセットした。樹脂成形体(基体)5は、フィルム固定用治具13よりも下方に位置するテーブル14上に設置された、高さ20mmのサンプル設置台の上に、ニチバン株式会社製「ナイスタック NW-K15」を介して貼り付けた。フィルム固定用治具13とテーブル14をチャンバーボックス11及び12内に設置し、チャンバーを閉じてチャンバーボックス11及び12内を密閉状態とした。チャンバーボックスは、加飾フィルム1を介して上下に分割されている。上下チャンバーボックスを真空吸引し、大気圧(101.3kPa)から1.0kPaまで減圧した状態で、上チャンバーボックス11上に設置された遠赤外線ヒータ15を出力80%で始動させて加飾フィルム1を加熱した。加熱中も真空吸引を継続し、最終的に0.1kPaまで減圧した。加飾フィルム1が加熱され一時的にたるみ、その後、張り戻るスプリングバック現象が終了してから10秒後に、下チャンバーボックス12内に設置されたテーブル14を上方に移動させて、樹脂成形体(基体)5を加飾フィルム1に押し付け、直後に上チャンバーボックス11内の圧力が270kPaとなるように圧縮空気を送り込んで樹脂成形体(基体)5と加飾フィルム1を密着させた。このようにして、樹脂成形体(基体)5の上面及び側面に加飾フィルム1が貼着された三次元加飾熱成形品6を得た。評価結果を表2に示す。なお、耐候性の評価は、照射時間(1)の条件で行った。
実施例1-2
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-2)に変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-3
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-3)に変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-4
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-4)に変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-5
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-5)に変更し、耐候性の評価を照射時間(2)の条件で行った以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-6
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が70:30となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-7
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が10:90となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-8
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)に変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-9
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が70:30となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-10
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が10:90となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-11
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のポリプロピレン系樹脂(A-1)を、ポリプロピレン系樹脂(A-2)に変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-12
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のポリプロピレン系樹脂(A-1)を、ポリプロピレン系樹脂(A-3)に変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-13
・加飾フィルムの製造
口径30mm(直径)のシール層用押出機-1、口径40mm(直径)の押出機-2、及び口径30mm(直径)の表面加飾層用押出機-3が接続された、リップ開度0.8mm、ダイス幅400mmの3種3層Tダイを用いた。シール層用押出機-1にポリプロピレン系樹脂(A-1)を、押出機-2にポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、表面加飾層用押出機-3にポリプロピレン系樹脂(A-1-1)をそれぞれ投入し、樹脂温度240℃、シール層用押出機-1の吐出量を4kg/h、押出機-2の吐出量を8kg/h、表面加飾層用押出機-3の吐出量を4kg/hの条件で溶融押出を行った。
溶融押出されたフィルムを、80℃、3m/minで回転する冷却ロールに、シール層(I)が接するように冷却固化させ、厚さ50μmの表面加飾層(III)と、厚さ100μmの層(II)と、厚さ50μmのシール層(I)が積層された3層の未延伸フィルムを得た。
上記の加飾フィルム製造で得られた未延伸フィルムを用いて、実施例1-1と同様に三次元加飾熱成形を行い、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-14
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-6)に変更し、耐候性の評価を照射時間(3)の条件で行った以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-15
実施例1-1の三次元加飾熱成形において、基体をポリプロピレン系樹脂(Z-2)からなる射出成形体に変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-16
実施例1-1の三次元加飾熱成形において、基体をポリプロピレン系樹脂(Z-3)からなる射出成形体に変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-17
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1―7)に変更し、耐候性の評価を照射時間(2)の条件で行った以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-18
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-2)に変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-19
実施例1-13の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1―2)に変更した以外は、実施例1-13と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1-20
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1―8)に変更し、耐候性の評価を照射時間(3)の条件で行った以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例1-1
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例1-2
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(A-1-1)に変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例1-3
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のポリプロピレン系樹脂(A-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更した以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例1-4
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のポリプロピレン系樹脂(A-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更し、三次元加飾熱成形においてスプリングバック現象が終了してから40秒後に成形を行った以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例1-5
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-5)に変更し、シール層(I)のポリプロピレン系樹脂(A-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更し、三次元加飾熱成形においてスプリングバック現象が終了してから40秒後に成形を行い、耐候性の評価を照射時間(2)の条件で行った以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0007192545000006
実施例1-1~1-20の加飾フィルムから得られた加飾成形体は、いずれかの層にヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有しており、シール層(I)中のポリプロピレン系樹脂(A)について、(a1)メルトフローレート(MFR(A))が2.0g/10分を超え、層(II)中のポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)について、(b1)メルトフローレート(MFR(B’))が40g/10分以下であり、かつ、(b2)ひずみ硬化度が1.1以上であるため、接触ムラがなく熱成形性に優れ、接着性が良好であった。また、短時間の加飾熱成形であったため、ヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤の揮発を低減することができ、熱成形後においても高い耐候性を維持しているものであった。さらに、得られた成形体はリサイクル性にも優れていた。
一方、いずれの層もヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含んでいない比較例1-1の加飾フィルムは、加飾フィルムの耐候性に劣るものであった。層(II)に用いたポリプロピレン系樹脂のひずみ硬化度が1.1未満である比較例1-2は、三次元加飾熱成形中に加飾フィルムがドローダウンしてしまい、熱成形性に劣っていた。得られた加飾成形体は外観に劣るものであり、接着力、耐候性の評価は行わなかった。シール層(I)に用いたポリプロピレン系樹脂のMFRが2.0g/10分以下である比較例1-3の加飾フィルムは、接着力に劣っており、耐候性の評価は行わなかった。比較例1-3と同一の加飾フィルムを用い、スプリングバック現象が終了してから40秒後に成形を行った比較例1-4は、三次元加飾成形の加熱時間を長くすることで接着性は発現するものの、添加したヒンダードアミン系光安定剤が揮発してしまい、実施例1-1と比較すると耐候性に劣るものとなった。シール層(I)に用いたポリプロピレン系樹脂のMFR(A)が2.0g/10分以下であり、層(II)に紫外線吸収剤を配合し、スプリングバック現象が終了してから40秒後に成形を行った比較例1-5は、三次元加飾成形の加熱時間を長くすることで、接着性は発現するものの、添加した紫外線吸収剤が揮発してしまい、実施例1-5と比較すると耐候性に劣るものとなった。
(試験例2)
[2:要件(a2)~(a4)を満たすポリプロピレン系樹脂(A)からなるシール層(I)を含む加飾フィルム]
2-1.使用材料
ポリプロピレン系樹脂
上記「1-1.使用材料」で使用したポリプロピレン系樹脂以外に、以下のポリプロピレン系樹脂を用いた。
(A-4):メタロセン系触媒によるプロピレン-α-オレフィン共重合体(MFR=7.0g/10分、Tm=125℃、Mw/Mn=2.5)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ウィンテック(登録商標)WFX4M」
(A-5):メタロセン系触媒によるプロピレン-α-オレフィン共重合体(MFR=25g/10分、Tm=125℃、Mw/Mn=2.4)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ウィンテック(登録商標)WSX03」
(A-6):メタロセン系触媒によるプロピレン-α-オレフィン共重合体(MFR=7.0g/10分、Tm=135℃、Mw/Mn=2.3)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ウィンテック(登録商標)WFW4M」
(A-7):メタロセン系触媒によるプロピレン-α-オレフィン共重合体(MFR=3.5g/10分、Tm=143℃、Mw/Mn=2.8)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ウィンテック(登録商標)WFW5T」
実施例2-1
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のポリプロピレン系樹脂(A-1)を、ポリプロピレン系樹脂(A-4)に変更し、三次元加飾熱成形においてスプリングバック現象が終了してから5秒後に成形を行ったこと以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-2
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-2)に変更した以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-3
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-3)に変更した以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-4
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-4)に変更した以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-5
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-5)に変更し、耐候性の評価を照射時間(2)の条件で行った以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-6
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が70:30となるようにブレンドしたもの(Tm(B’)=161℃)に変更した以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-7
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が10:90となるようにブレンドしたもの(Tm(B’)=161℃)に変更した以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-8
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)に変更した以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-9
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が70:30となるようにブレンドしたもの(Tm(B’)=161℃)に変更した以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-10
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が10:90となるようにブレンドしたもの(Tm(B’)=161℃)に変更した以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-11
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のポリプロピレン系樹脂(A-4)を、ポリプロピレン系樹脂(A-5)に変更したこと以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-12
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のポリプロピレン系樹脂(A-4)を、ポリプロピレン系樹脂(A-6)に変更したこと以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-13
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のポリプロピレン系樹脂(A-4)を、ポリプロピレン系樹脂(A-7)に変更したこと以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-14
・加飾フィルムの製造
口径30mm(直径)のシール層用押出機-1、口径40mm(直径)の押出機-2、及び口径30mm(直径)の表面加飾層用押出機-3が接続された、リップ開度0.8mm、ダイス幅400mmの3種3層Tダイを用いた。シール層用押出機-1にポリプロピレン系樹脂(A-4)を、押出機-2にポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、表面加飾層用押出機-3にポリプロピレン系樹脂(A-1-1)をそれぞれ投入し、樹脂温度240℃、シール層用押出機-1の吐出量を4kg/h、押出機-2の吐出量を8kg/h、表面加飾層用押出機-3の吐出量を4kg/hの条件で溶融押出を行った。
溶融押出されたフィルムを、80℃、3m/minで回転する冷却ロールに、シール層(I)が接するように冷却固化させ、厚さ50μmの表面加飾層(III)と、厚さ100μmの層(II)と、厚さ50μmのシール層(I)が積層された3層の未延伸フィルムを得た。
上記の加飾フィルム製造で得られた未延伸フィルムを用いて、実施例2-1と同様に三次元加飾熱成形を行い、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-15
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-6)に変更し、耐候性の評価を照射時間(3)の条件で行った以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-16
実施例2-1の三次元加飾熱成形において、基体をポリプロピレン系樹脂(Z-2)からなる射出成形体に変更した以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例2-17
実施例2-1の三次元加飾熱成形において、基体をポリプロピレン系樹脂(Z-3)からなる射出成形体に変更した以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
比較例2-1
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更した以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
比較例2-2
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(A-1-1)に変更した以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
比較例2-3
実施例2-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のポリプロピレン系樹脂(A-4)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更した以外は、実施例2-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 0007192545000007
実施例2-1~2-17の加飾フィルムから得られた加飾成形体は、いずれかの層にヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有しており、シール層(I)中のポリプロピレン系樹脂(A)について、(a1)メルトフローレート(MFR(A))が2.0g/10分を超え、(a2)メタロセン触媒系プロピレン系重合体であり、(a3)融解ピーク温度(Tm(A))が150℃未満であり、(a4)Mw/Mn(A)が1.5~3.5であり、かつ、層(II)中のポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)について、(b1)メルトフローレート(MFR(B’))が40g/10分以下であり、(b2)ひずみ硬化度が1.1以上であり、(b3)融解ピーク温度(Tm(B’))がTm(A)より高いため、接触ムラがなく熱成形性に優れ、接着性が良好であった。また、短時間の加飾熱成形であったため、ヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤の揮発を低減することができ、熱成形後においても高い耐候性を維持しているものであった。さらに、得られた成形体はリサイクル性にも優れていた。
一方、いずれの層もヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含んでいない比較例2-1の加飾フィルムは、加飾フィルムの耐候性に劣るものであった。層(II)に用いたポリプロピレン系樹脂のひずみ硬化度が1.1未満である比較例2-2は、三次元加飾熱成形中に加飾フィルムがドローダウンしてしまい、熱成形性に劣っていた。得られた加飾成形体は外観に劣るものであり、接着力、耐候性の評価は行わなかった。シール層(I)に、MFRが2.0g/10分以下であり、Mw/Mnが5.3と高いポリプロピレン系樹脂(B-1)を用いた比較例2-3は、接着力に劣っており、耐候性の評価は行わなかった。
(試験例3)
[3:ポリプロピレン系樹脂(A)及びエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)を含むシール層(I)を含む加飾フィルム]
3-1.使用材料
ポリプロピレン系樹脂
上記「1-1.使用材料」及び「2-1.使用材料」で使用したポリプロピレン系樹脂を使用した。
エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)
以下のエチレン-α-オレフィンランダム共重合体を用いた。
(C-1):エチレン-ブテンランダム共重合体(MFR=6.8g/10分、Tm=66℃、密度=0.885g/cm、エチレン含量=84重量%):三井化学(株)製、商品名「タフマーA4085S」
(C-2):エチレン-ブテンランダム共重合体(MFR=7.0g/10分、Tm=47℃、密度=0.860g/cm、エチレン含量=73重量%):三井化学(株)製、商品名「タフマーA4050S」
(C-3):エチレン-オクテンランダム共重合体(MFR=2.0g/10分、Tm=77℃、密度=0.885g/cm、エチレン含量=85重量%):デュポンダウ社製、商品名「エンゲージEG8003」
(C-4):エチレン-オクテンランダム共重合体(MFR=2.0g/10分、Tm=38℃、密度=0.860g/cm、エチレン含量=75重量%):デュポンダウ社製、商品名「エンゲージEG8842」
(C-5):エチレン-ヘキセンランダム共重合体(MFR=3.5g/10分、Tm=60℃、密度=0.880g/cm、エチレン含量=76重量%):日本ポリエチレン(株)製、商品名「カーネルKS340T」
(C-6):エチレン-プロピレンランダム共重合体(MFR=7.0g/10分、Tm=38℃、密度=0.860g/cm、エチレン含量=73重量%):三井化学(株)製、商品名「タフマーP0280」
実施例3-1
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のポリプロピレン系樹脂(A-1)を、ポリプロピレン系樹脂(A-3)とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C-1)とを重量比が85:15となるようにブレンドしたものに変更し、三次元加飾熱成形においてスプリングバック現象が終了した直後(すなわちスプリングバック後の加熱時間が0秒)に成形を行ったこと以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-2
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-2)に変更した以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-3
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-3)に変更した以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-4
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-4)に変更した以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-5
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-5)に変更し、耐候性の評価を照射時間(2)の条件で行った以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-6
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が70:30となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-7
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が10:90となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-8
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)に変更した以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-9
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が70:30となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-10
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が10:90となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-11
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C-1)を、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C-2)に変更したこと以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-12
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C-1)を、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C-3)に変更したこと以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-13
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C-1)を、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C-4)に変更したこと以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-14
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C-1)を、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C-5)に変更したこと以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-15
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C-1)を、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C-6)に変更したこと以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-16
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)の樹脂の配合比をポリプロピレン系樹脂(A-3):エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C-1)=70:30としたこと以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-17
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)の樹脂の配合比をポリプロピレン系樹脂(A-3):エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C-1)=30:70としたこと以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-18
・加飾フィルムの製造
口径30mm(直径)のシール層用押出機-1、口径40mm(直径)の押出機-2、及び口径30mm(直径)の表面加飾層用押出機-3が接続された、リップ開度0.8mm、ダイス幅400mmの3種3層Tダイを用いた。シール層用押出機-1にポリプロピレン系樹脂(A-3)とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C-1)とを重量比が85:15となるようにブレンドしたものを、押出機-2にポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、表面加飾層用押出機-3にポリプロピレン系樹脂(A-1-1)をそれぞれ投入し、樹脂温度240℃、シール層用押出機-1の吐出量を4kg/h、押出機-2の吐出量を8kg/h、表面加飾層用押出機-3の吐出量を4kg/hの条件で溶融押出を行った。
溶融押出されたフィルムを、80℃、3m/minで回転する冷却ロールに、シール層(I)が接するように冷却固化させ、厚さ50μmの表面加飾層(III)と、厚さ100μmの層(II)と、厚さ50μmのシール層(I)が積層された3層の未延伸フィルムを得た。
上記の加飾フィルム製造で得られた未延伸フィルムを用いて、実施例3-1と同様に三次元加飾熱成形を行い、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-19
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-6)に変更し、耐候性の評価を照射時間(3)の条件で行った以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-20
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したポリプロピレン系樹脂(A-3)を、ポリプロピレン系樹脂(A-1)に変更したこと以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-21
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したポリプロピレン系樹脂(A-3)を、ポリプロピレン系樹脂(A-2)に変更したこと以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-22
実施例3-1の三次元加飾熱成形において、基体をポリプロピレン系樹脂(Z-2)からなる射出成形体に変更した以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3-23
実施例3-1の三次元加飾熱成形において、基体をポリプロピレン系樹脂(Z-3)からなる射出成形体に変更した以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
比較例3-1
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更した以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
比較例3-2
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(A-1-1)に変更した以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
比較例3-3
実施例3-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)の樹脂を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更した以外は、実施例3-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表4に示す。
Figure 0007192545000008
実施例3-1~3-23の加飾フィルムから得られた加飾成形体は、いずれかの層にヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有しており、シール層(I)がポリプロピレン系樹脂(A)とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X3)を含み、ポリプロピレン系樹脂(A)について、(a1)メルトフローレート(MFR(A))が2.0g/10分を超え、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)について、(c1)エチレン含量[E(C)]が65重量%以上であり、(c2)密度が0.850~0.950g/cmであり、(c3)メルトフローレート(MFR(C))が0.1~100g/10分であり、かつ、層(II)中のポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)について、(b1)メルトフローレート(MFR(B’))が40g/10分以下であり、(b2)ひずみ硬化度が1.1以上であるため、接触ムラがなく熱成形性に優れ、接着性が良好であった。また、短時間の加飾熱成形であったため、ヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤の揮発を低減することができ、熱成形後においても高い耐候性を維持しているものであった。さらに、得られた成形体はリサイクル性にも優れていた。
一方、いずれの層もヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含んでいない比較例3-1の加飾フィルムは、加飾フィルムの耐候性に劣るものであった。層(II)に用いたポリプロピレン系樹脂のひずみ硬化度が1.1未満である比較例3-2は、三次元加飾熱成形中に加飾フィルムがドローダウンしてしまい、熱成形性に劣っていた。得られた加飾成形体は外観に劣るものであり、接着力、耐候性の評価は行わなかった。シール層(I)にエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)が含まれておらず、シール層(I)に用いたポリプロピレン系樹脂のMFRが2.0g/10分以下である比較例3-3は、接着力に劣っており、耐候性の評価は行わなかった。
(試験例4)
[4:ポリプロピレン系樹脂(A)及び熱可塑性エラストマー(D)を含むシール層(I)を含む加飾フィルム]
4-1.使用材料
ポリプロピレン系樹脂
上記「1-1.使用材料」及び「2-1.使用材料」で使用したポリプロピレン系樹脂を使用した。
熱可塑性エラストマー(D)
以下の熱可塑性エラストマーを用いた。
(D-1):プロピレンを主成分とするプロピレン-ブテンランダム共重合体(MFR=7.0g/10分、Tm=75℃、密度=0.885g/cm、引張弾性率=290MPa、プロピレン含量=69重量%、ブテン含量=31重量%、エチレン含量[E]=0重量%):三井化学(株)製、商品名「タフマーXM7070」
(D-2):ブテン単独重合体(MFR=5.0g/10分、Tm=125℃、密度=0.915g/cm、引張弾性率=430MPa、エチレン含量[E]=0重量%):三井化学(株)製、商品名「タフマーBL4000」
(D-3):プロピレンを主成分とするプロピレン-エチレン-ブテンランダム共重合体(MFR=6.0g/10分、Tm=160℃、密度=0.868g/cm、引張弾性率=50MPa、プロピレン含量=84重量%、エチレン含量[E]=9重量%、ブテン含量=7重量%):三井化学(株)製、商品名「タフマーPN2060」
(D-4):プロピレンを主成分とするプロピレン-エチレンランダム共重合体(MFR=8.0g/10分、Tm=61℃、密度=0.871g/cm、引張弾性率=45MPa、プロピレン含量=89重量%、エチレン含量[E]=11重量%):エクソンモービルケミカル社製、商品名「VISTAMAXX3000」
実施例4-1
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のポリプロピレン系樹脂(A-1)を、ポリプロピレン系樹脂(A-3)と熱可塑性エラストマー(D-1)とを重量比が85:15となるようにブレンドしたものに変更し、三次元加飾熱成形においてスプリングバック現象が終了してから5秒後に成形を行ったこと以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-2
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-2)に変更した以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-3
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-3)に変更した以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-4
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-4)に変更した以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-5
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-5)に変更し、耐候性の評価を照射時間(2)の条件で行った以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-6
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が70:30となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-7
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が10:90となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-8
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)に変更した以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-9
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が70:30となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-10
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が10:90となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-11
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用した熱可塑性エラストマー(D-1)を、熱可塑性エラストマー(D-2)に変更したこと以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-12
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用した熱可塑性エラストマー(D-1)を、熱可塑性エラストマー(D-3)に変更したこと以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-13
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用した熱可塑性エラストマー(D-1)を、熱可塑性エラストマー(D-4)に変更したこと以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-14
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)の樹脂の配合比をポリプロピレン系樹脂(A-3):熱可塑性エラストマー(D-1)=70:30としたこと以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-15
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)の樹脂の配合比をポリプロピレン系樹脂(A-3):熱可塑性エラストマー(D-1)=30:70としたこと以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-16
・加飾フィルムの製造
口径30mm(直径)のシール層用押出機-1、口径40mm(直径)の押出機-2、及び口径30mm(直径)の表面加飾層用押出機-3が接続された、リップ開度0.8mm、ダイス幅400mmの3種3層Tダイを用いた。シール層用押出機-1にポリプロピレン系樹脂(A-3)と熱可塑性エラストマー(D-1)とを重量比が85:15となるようにブレンドしたものを、押出機-2にポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、表面加飾層用押出機-3にポリプロピレン系樹脂(A-1-1)をそれぞれ投入し、樹脂温度240℃、シール層用押出機-1の吐出量を4kg/h、押出機-2の吐出量を8kg/h、表面加飾層用押出機-3の吐出量を4kg/hの条件で溶融押出を行った。
溶融押出されたフィルムを、80℃、3m/minで回転する冷却ロールに、シール層(I)が接するように冷却固化させ、厚さ50μmの表面加飾層(III)と、厚さ100μmの層(II)と、厚さ50μmのシール層(I)が積層された3層の未延伸フィルムを得た。
上記の加飾フィルム製造で得られた未延伸フィルムを用いて、実施例4-1と同様に三次元加飾熱成形を行い、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-17
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-6)に変更し、耐候性の評価を照射時間(3)の条件で行った以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-18
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したポリプロピレン系樹脂(A-3)を、ポリプロピレン系樹脂(A-1)に変更したこと以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-19
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したポリプロピレン系樹脂(A-3)を、ポリプロピレン系樹脂(A-2)に変更したこと以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-20
実施例4-1の三次元加飾熱成形において、基体をポリプロピレン系樹脂(Z-2)からなる射出成形体に変更した以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
実施例4-21
実施例4-1の三次元加飾熱成形において、基体をポリプロピレン系樹脂(Z-3)からなる射出成形体に変更した以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
比較例4-1
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更した以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
比較例4-2
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(A-1-1)に変更した以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
比較例4-3
実施例4-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)の樹脂を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更した以外は、実施例4-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表5に示す。
Figure 0007192545000009
実施例4-1~4-21の加飾フィルムから得られた加飾成形体は、いずれかの層にヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有しており、シール層(I)がポリプロピレン系樹脂(A)と熱可塑性エラストマー(D)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X4)を含み、ポリプロピレン系樹脂(A)について、(a1)メルトフローレート(MFR(A))が2.0g/10分を超え、熱可塑性エラストマー(D)について、(d1)プロピレン及びブテンのうちの少なくとも1つを主成分とし、(d2)密度が0.850~0.950g/cmであり、(d3)メルトフローレート(MFR(D))が0.1~100g/10分であり、(d4)引張弾性率がポリプロピレン系樹脂(A)よりも小さく、かつ、層(II)中のポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)について、(b1)メルトフローレート(MFR(B’))が40g/10分以下であり、(b2)ひずみ硬化度が1.1以上であるため、接触ムラがなく熱成形性に優れ、接着性が良好であった。また、短時間の加飾熱成形であったため、ヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤の揮発を低減することができ、熱成形後においても高い耐候性を維持しているものであった。さらに、得られた成形体はリサイクル性にも優れていた。
一方、いずれの層もヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含んでいない比較例4-1の加飾フィルムは、加飾フィルムの耐候性に劣るものであった。層(II)に用いたポリプロピレン系樹脂のひずみ硬化度が1.1未満である比較例4-2は、三次元加飾熱成形中に加飾フィルムがドローダウンしてしまい、熱成形性に劣っていた。得られた加飾成形体は外観に劣るものであり、接着力、耐候性の評価は行わなかった。シール層(I)に熱可塑性エラストマー(D)が含まれておらず、シール層(I)に用いたポリプロピレン系樹脂のMFRが2.0g/10分以下である比較例4-3は、接着力に劣っており、耐候性の評価は行わなかった。
(試験例5)
[5:ポリプロピレン系樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(E)を含むシール層(I)を含む加飾フィルム]
5-1.使用材料
ポリプロピレン系樹脂
シール層(I)のポリプロピレン系樹脂として、以下のポリプロピレン系樹脂を用いた。
(A-1):プロピレン単独重合体(MFR=10g/10分、Tm=161℃、結晶化開始温度=123℃、等温結晶化時間(t)=613秒(133℃で測定))、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)FA3KM」
(A-3):プロピレン-α-オレフィン共重合体(MFR=7.0g/10分、Tm=146℃、結晶化開始温度=111℃、等温結晶化時間(t)=263秒(121℃で測定))、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)FW3GT」
(A-4):プロピレン-α-オレフィン共重合体(MFR=7.0g/10分、Tm=125℃、結晶化開始温度=97℃、等温結晶化時間(t)=570秒(107℃で測定))、日本ポリプロ(株)製、商品名「ウィンテック(登録商標)WFX4M」
(A-8):プロピレンブロック共重合体(MFR=6.0g/10分、Tm=135℃、結晶化開始温度=99℃、等温結晶化時間(t)=478秒(109℃で測定))、日本ポリプロ(株)製、商品名「ウェルネクス(登録商標)RFG4VA」
層(II)及び表面加飾層(III)については、上記「1-1.使用材料」及び「2-1.使用材料」で使用したポリプロピレン系樹脂を使用した。
熱可塑性樹脂(E)
以下の熱可塑性樹脂を用いた。
(E-1):水添スチレン系エラストマー(HSBR):JSR(株)製、商品名「ダイナロン1320P」
(E-2):スチレン系エラストマー(SEBS):クレイトンポリマージャパン(株)製、商品名「クレイトンG1645」
(E-3):脂環族系炭化水素樹脂:荒川化学(株)製、商品名「アルコンーP125」
実施例5-1
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のポリプロピレン系樹脂(A-1)を、ポリプロピレン系樹脂(A-3)と熱可塑性樹脂(E-1)とを重量比が50:50となるようにブレンドしたものに変更し、三次元加飾熱成形においてスプリングバック現象が終了した直後(すなわちスプリングバック後の加熱時間が0秒)に成形を行ったこと以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-2
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-2)に変更した以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-3
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-3)に変更した以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-4
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-4)に変更した以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-5
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-5)に変更し、耐候性の評価を照射時間(2)の条件で行った以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-6
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が70:30となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-7
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が10:90となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-8
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)に変更した以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-9
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が70:30となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-10
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が10:90となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-11
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用した熱可塑性樹脂(E-1)を、熱可塑性樹脂(E-2)に変更したこと以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-12
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用した熱可塑性樹脂(E-1)を、熱可塑性樹脂(E-3)に変更し、ポリプロピレン系樹脂(A-3)と熱可塑性樹脂(E-3)との配合比を85:15としたこと以外は、実施例5-1と同様に評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-13
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)の樹脂の配合比をポリプロピレン系樹脂(A-3):熱可塑性樹脂(E-1)=70:30としたこと以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-14
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)の樹脂の配合比をポリプロピレン系樹脂(A-3):熱可塑性樹脂(E-1)=30:70としたこと以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-15
・加飾フィルムの製造
口径30mm(直径)のシール層用押出機-1、口径40mm(直径)の押出機-2、及び口径30mm(直径)の表面加飾層用押出機-3が接続された、リップ開度0.8mm、ダイス幅400mmの3種3層Tダイを用いた。シール層用押出機-1にポリプロピレン系樹脂(A-3)と熱可塑性樹脂(E-1)とを重量比が50:50となるようにブレンドしたものを、押出機-2にポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、表面加飾層用押出機-3にポリプロピレン系樹脂(A-1-1)をそれぞれ投入し、樹脂温度240℃、シール層用押出機-1の吐出量を4kg/h、押出機-2の吐出量を8kg/h、表面加飾層用押出機-3の吐出量を4kg/hの条件で溶融押出を行った。
溶融押出されたフィルムを、80℃、3m/minで回転する冷却ロールに、シール層(I)が接するように冷却固化させ、厚さ50μmの表面加飾層(III)と、厚さ100μmの層(II)と、厚さ50μmのシール層(I)が積層された3層の未延伸フィルムを得た。
上記の加飾フィルム製造で得られた未延伸フィルムを用いて、実施例5-1と同様に三次元加飾熱成形を行い、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-16
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-6)に変更し、耐候性の評価を照射時間(3)の条件で行った以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-17
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したポリプロピレン系樹脂(A-3)を、ポリプロピレン系樹脂(A-1)に変更したこと以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-18
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したポリプロピレン系樹脂(A-3)を、ポリプロピレン系樹脂(A-4)に変更したこと以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-19
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したポリプロピレン系樹脂(A-3)を、ポリプロピレン系樹脂(A-8)に変更し、ポリプロピレン系樹脂(A-8)と熱可塑性樹脂(E-1)との配合比を70:30としたこと以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-20
実施例5-1の三次元加飾熱成形において、基体をポリプロピレン系樹脂(Z-2)からなる射出成形体に変更した以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
実施例5-21
実施例5-1の三次元加飾熱成形において、基体をポリプロピレン系樹脂(Z-3)からなる射出成形体に変更した以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
比較例5-1
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更した以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
比較例5-2
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(A-1-1)に変更した以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
比較例5-3
実施例5-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)の樹脂を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更した以外は、実施例5-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表6に示す。
Figure 0007192545000010
実施例5-1~5-21の加飾フィルムから得られた加飾成形体は、いずれかの層にヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有しており、シール層(I)がポリプロピレン系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(E)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X5)を含み、ポリプロピレン系樹脂(A)について、(a1)メルトフローレート(MFR(A))が2.0g/10分を超え、熱可塑性樹脂(E)について、(e1)脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基のうちの少なくとも1つを含有し、(x1)樹脂組成物(X5)の等温結晶化時間(t(X5))(秒)が、ポリプロピレン系樹脂(A)の等温結晶化時間(t(A))(秒)の1.5倍以上であり、かつ、層(II)中のポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)について、(b1)メルトフローレート(MFR(B’))が40g/10分以下であり、(b2)ひずみ硬化度が1.1以上であるため、接触ムラがなく熱成形性に優れ、接着性が良好であった。また、短時間の加飾熱成形であったため、ヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤の揮発を低減することができ、熱成形後においても高い耐候性を維持しているものであった。さらに、得られた成形体はリサイクル性にも優れていた。
一方、いずれの層もヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含んでいない比較例5-1の加飾フィルムは、加飾フィルムの耐候性に劣るものであった。層(II)に用いたポリプロピレン系樹脂のひずみ硬化度が1.1未満である比較例5-2は、三次元加飾熱成形中に加飾フィルムがドローダウンしてしまい、熱成形性に劣っていた。得られた加飾成形体は外観に劣るものであり、接着力、耐候性の評価は行わなかった。シール層(I)に熱可塑性樹脂(E)が含まれておらず、シール層(I)に用いたポリプロピレン系樹脂のMFRが2.0g/10分以下である比較例5-3は、接着力に劣っており、耐候性の評価は行わなかった。
(試験例6)
[6:プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)からなるシール層(I)を含む加飾フィルム]
6-1.使用材料
ポリプロピレン系樹脂
上記「1-1.使用材料」で使用したポリプロピレン系樹脂以外に、以下の樹脂を用いた。
・プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)の製造
加飾フィルムのシール層(I)に用いるプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)として、以下の製造例で得られたプロピレン-エチレンブロック共重合体(F-1)~(F-4)を用いた。重合条件及び重合結果を表7-1に、ポリマー分析の結果を表7-2に示す。
[製造例F-1:プロピレン-エチレンブロック共重合体(F-1)の製造]
・触媒組成の分析
Ti含有量:試料を精確に秤量し、加水分解した上で比色法を用いて測定した。予備重合後の試料については、予備重合ポリマーを除いた重量を用いて含有量を計算した。
ケイ素化合物含有量:試料を精確に秤量し、メタノールで分解した。ガスクロマトグラフィーを用いて標準サンプルと比較することにより、得られたメタノール溶液中のケイ素化合物濃度を求めた。メタノール中のケイ素化合物濃度と試料の重量から、試料に含まれるケイ素化合物の含有量を計算した。予備重合後の試料については、予備重合ポリマーを除いた重量を用いて含有量を計算した。
・予備重合触媒の調製
(1)固体触媒の調製
撹拌装置を備えた容量10Lのオートクレーブを充分に窒素で置換し、精製したトルエン2Lを導入した。ここに、室温で、マグネシウムジエトキシド[Mg(OEt)]を200g投入し、四塩化チタン(TiCl)を1Lゆっくりと添加した。温度を90℃に上げて、フタル酸ジ-n-ブチルを50ml導入した。その後、温度を110℃に上げて3時間反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiClを1L添加し、温度を110℃に上げて2時間反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiClを1L添加し、温度を110℃に上げて2時間反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。さらに、精製したn-ヘプタンを用いて、トルエンをn-ヘプタンで置換し、固体成分のスラリーを得た。このスラリーの一部をサンプリングして乾燥した。分析したところ、固体成分のTi含有量は2.7重量%であった。
次に、撹拌装置を備えた容量20Lのオートクレーブを充分に窒素で置換し、上記固体成分のスラリーを固体成分として100g導入した。精製したn-ヘプタンを導入して、固体成分の濃度が25g/Lとなる様に調整した。四塩化珪素(SiCl)を50ml加え、90℃で1時間反応を行った。反応生成物を精製したn-ヘプタンで充分に洗浄した。
その後、精製したn-ヘプタンを導入して液レベルを4Lに調整した。ここに、ジメチルジビニルシランを30ml、ジイソプロピルジメトキシシラン[i-PrSi(OMe)]を30ml、トリエチルアルミニウム(EtAl)のn-ヘプタン希釈液をEtAlとして80g添加し、40℃で2時間反応を行った。反応生成物を精製したn-ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒を得た。得られた固体触媒のスラリーの一部をサンプリングして乾燥し、分析を行った。固体触媒にはTiが1.2重量%、i-PrSi(OMe)が8.9重量%含まれていた。
(2)予備重合
上記で得られた固体触媒を用いて、以下の手順により予備重合を行った。上記のスラリーに精製したn-ヘプタンを導入して、固体触媒の濃度が20g/Lとなる様に調整した。スラリーを10℃に冷却した後、EtAlのn-ヘプタン希釈液をEtAlとして10g添加し、280gのプロピレンを4時間かけて供給した。プロピレンの供給が終わった後、さらに30分反応を継続した。次いで、気相部を窒素で充分に置換し、反応生成物を精製したn-ヘプタンで充分に洗浄した。得られたスラリーをオートクレーブから抜き出し、真空乾燥を行って予備重合触媒を得た。この予備重合触媒は、固体触媒1gあたり2.5gのポリプロピレンを含んでいた。分析したところ、この予備重合触媒のポリプロピレンを除いた部分には、Tiが1.0重量%、i-PrSi(OMe)が8.3重量%含まれていた。
この予備重合触媒を用いて、以下の手順に従ってプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)の製造を行った。
(3)プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)の製造
内容積2mの流動床型重合槽が2個直列に繋がった2槽連続重合設備を用いてプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)の製造を行った。プロピレン-エチレンブロック共重合体(F-1)の製造条件は、表7-1の7A-1に記載のとおりである。使用するプロピレン、エチレン、水素、窒素は一般的な精製触媒を用いて精製したものを使用した。第1重合槽における成分(F1)の製造量、及び、第2重合槽における成分(F2)の製造量は重合槽の温度制御に使用する熱交換器の冷却水温度の値から求めた。
第1重合工程:プロピレン単独重合体からなる成分(F1)の製造
第1重合槽を用いてプロピレンの単独重合を行った。重合温度は65℃、全圧は3.0MPaG(ゲージ圧、以下同様)、パウダーホールド量は40kgとした。重合槽に連続的にプロピレン、水素、及び窒素を供給し、プロピレン及び水素の濃度がそれぞれ70.83mol%、0.92mol%となる様に調整した。助触媒として、EtAlを5.0g/時間の速度で連続的に供給した。第1重合槽における成分(F1)の製造量が20.0kg/時間となる様に、上記で得られた予備重合触媒を重合槽に連続的に供給した。生成した成分(F1)は連続的に抜き出しを行い、パウダーホールド量が40kgで一定となる様に調整した。第1重合槽から抜き出した成分(F1)は第2重合槽に連続的に供給し、プロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F2)の製造を引き続いて行った。
第2重合工程:プロピレン-エチレンランダム共重合体成分(F2)の製造
第2重合槽を用いてプロピレンとエチレンのランダム共重合を行った。重合温度は65℃、全圧は2.0MPaG、パウダーホールド量は40kgとした。重合槽に連続的にプロピレン、エチレン、水素、及び窒素を供給し、プロピレン、エチレン、及び水素の濃度がそれぞれ54.29mol%、17.14mol%、0.41mol%となる様に調整した。重合抑制剤であるエタノールを連続的に供給することによって、第2重合槽におけるプロピレン-エチレンランダム共重合体成分(F2)の製造量が6.7kg/hとなる様に調整した。こうして生成したプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)は連続的に抜き出しを行い、パウダーホールド量が40kgで一定となる様に調整を行った。第2重合槽から抜き出したプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)は、さらに乾燥機に移送し、充分に乾燥を行った。
生成したプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)の一部を分析した所、MFR(F)は7.0g/10min、エチレン含有量E(F)は9.5重量%であった。第1重合工程の製造量と第2重合工程の製造量から、成分(F1)の重量比率W(F1)と成分(F2)の重量比率W(F2)を求めた所、それぞれ、75重量%、25重量%であった。
こうして得られたW(F1)、W(F2)、E(F)から、プロピレン-エチレンランダム共重合体成分(F2)のエチレン含有量E(F2)を計算した。計算には以下の式を使用した。
E(F2)={E(F)-E(F1)×W(F1)/100}÷(W(F2)/100)
(ここで、成分(F1)はプロピレン単独重合体なのでE(F1)は0重量%である。また上記の式は上述のE(F)について記載したものをE(F2)についてそれぞれ整理しなおしたものである。)
エチレン含有量E(F2)は38.0重量%であった。
[製造例F-2及びF-3:プロピレン-エチレンブロック共重合体(F-2)及び(F-3)の製造]
表7-1の7A-2及び7A-3に記載の条件をそれぞれ用いた以外はプロピレン-エチレンブロック共重合体(F-1)の製造例と同様にして、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F-2)及び(F-3)の製造を行った。
Figure 0007192545000011
[製造例F-4:プロピレン-エチレンブロック共重合体(F-4)の製造]
(予備重合触媒の調製)
(1)珪酸塩の化学処理
10リットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコに、蒸留水3.75リットル、続いて濃硫酸(96%)2.5kgをゆっくりと添加した。50℃で、さらにモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL;平均粒径=25μm、粒度分布=10~60μm)を1kg分散させ、90℃に昇温し、6.5時間その温度を維持した。50℃まで冷却後、このスラリーを減圧濾過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を7リットル加え再スラリー化後、濾過した。この洗浄操作を、洗浄液(濾液)のpHが、3.5を超えるまで実施した。回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は707gであった。
(2)珪酸塩の乾燥
先に化学処理した珪酸塩は、キルン乾燥機により乾燥を実施した。仕様、乾燥条件は以下の通りである。
回転筒:円筒状 内径50mm 加温帯550mm(電気炉)
かき上げ翼付き回転数:2rpm
傾斜角:20/520
珪酸塩の供給速度:2.5g/分
ガス流速:窒素 96リットル/時間
向流乾燥温度:200℃(粉体温度)
(3)触媒の調製
撹拌及び温度制御装置を有する内容積16リットルのオートクレーブを窒素で充分置換した。ここに、乾燥珪酸塩200gを導入し、混合ヘプタン1,160ml、さらにトリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.60M)840mlを加え、室温で攪拌した。1時間後、混合ヘプタンにて洗浄し、珪酸塩スラリーを2,000mlに調製した。次に、先に調製した珪酸塩スラリーにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.71M)9.6mlを添加し、25℃で1時間反応させた。平行して、(r)-ジクロロ[1,1’-ジメチルシリレンビス{2-メチル-4-(4-クロロフェニル)-4H-アズレニル}]ジルコニウム2,180mg(0.3mM)と混合ヘプタン870mlに、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.71M)33.1mlを加えて、室温にて1時間反応させた混合物を、珪酸塩スラリーに加え、1時間攪拌後、混合ヘプタンを追加して5,000mlに調製した。
(4)予備重合/洗浄
続いて、槽内温度を40℃昇温し、温度が安定したところでプロピレンを100g/時間の速度で供給し、温度を維持した。4時間後プロピレンの供給を停止し、さらに2時間維持した。
予備重合終了後、残モノマーをパージし、撹拌を停止させ約10分間静置後、上澄みを2,400mlデカントした。続いてトリイソブチルアルミニウム(0.71M)のヘプタン溶液9.5ml、さらに混合ヘプタンを5600ml添加し、40℃で30分間撹拌し、10分間静置した後に、上澄みを5600ml除いた。さらにこの操作を3回繰り返した。最後の上澄み液の成分分析を実施したところ有機アルミニウム成分の濃度は、1.23mモル/リットル、ジルコニウム(Zr)濃度は8.6×10-6g/Lであり、仕込み量に対する上澄み液中の存在量は0.016%であった。続いて、トリイソブチルアルミニウム(0.71M)のヘプタン溶液を170ml添加した後に、45℃で減圧乾燥を実施した。触媒1g当たりポリプロピレンを2.0g含む予備重合触媒が得られた。
(5)プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)の製造
第1重合工程:プロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F1)の製造
撹拌羽根を有する横型反応器(L/D=6、内容積100リットル)を十分に乾燥し、内部を窒素ガスで十分に置換した。ポリプロピレン粉体床の存在下、回転数30rpmで攪拌しながら、反応器の上流部に調製した予備重合触媒を(予備重合パウダーを除いた固体触媒量として)0.444g/時間、トリイソブチルアルミニウムを15.0mmol/時間で連続的に供給した。反応器の温度を65℃、圧力を2.00MPaGに保ち、且つ反応器内気相部のエチレン/プロピレンモル比が0.058、水素濃度が150ppmになるように、モノマー混合ガスを連続的に反応器内に流通させ、気相重合を行った。反応によって生じた重合体パウダーは、反応器内の粉体床量が一定になるように、反応器下流部より連続的に抜き出した。この時、定常状態になった際の重合体抜き出し量は10.0kg/時間であった。
第1重合工程で得られたプロピレン-エチレンランダム共重合体を分析したところ、エチレン含有量は1.7重量%であった。
第2重合工程:プロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F2)の製造
撹拌羽根を有する横型反応器(L/D=6、内容積100リットル)に、第1重合工程より抜き出したプロピレン-エチレン共重合体を連続的に供給した。回転数25rpmで攪拌しながら、反応器の温度を70℃、圧力を1.88MPaGに保ち、且つ反応器内気相部のエチレン/プロピレンモル比が0.450、水素濃度が300ppmになるように、モノマー混合ガスを連続的に反応器内に流通させ、気相重合を行った。反応によって生じた重合体パウダーは、反応器内の粉体床量が一定になるように、反応器下流部より連続的に抜き出した。この時、重合体抜き出し量が18.0kg/時間になるように活性抑制剤として酸素を供給し、第2重合工程での重合反応量を制御した。
こうして得られたプロピレン-エチレンブロック共重合体(F-4)を分析したところ、MFRは7.0g/10分、エチレン含有量は6.3重量%であった。
前記のプロピレン-エチレンブロック共重合体(F-1)~(F-4)のポリマー分析の結果を表7-2に示す。
Figure 0007192545000012
(プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)のペレット化)
製造例F-1~F-4で得られた各々のプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)100重量部に対し、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.05重量部、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト0.10重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部をタンブラーにてそれぞれ混合し均一化し、得られた混合物を35mm径の二軸押出機により230℃で溶融混練し、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F-1)~(F-4)の各ペレットを得た。
実施例6-1
実施例1-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のポリプロピレン系樹脂(A-1)を、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F-1)に変更し、三次元加飾熱成形においてスプリングバック現象が終了した直後(すなわちスプリングバック後の加熱時間が0秒)に成形を行ったこと以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-2
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-2)に変更した以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-3
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-3)に変更した以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-4
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-4)に変更した以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-5
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-5)に変更し、耐候性の評価を照射時間(2)の条件で行った以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-6
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が70:30となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-7
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が10:90となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-8
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)に変更した以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-9
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が70:30となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-10
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が10:90となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-11
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したプロピレン-エチレンブロック共重合体(F-1)を、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F-2)に変更したこと以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-12
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したプロピレン-エチレンブロック共重合体(F-1)を、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F-3)に変更したこと以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-13
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したプロピレン-エチレンブロック共重合体(F-1)を、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F-4)に変更したこと以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-14
・加飾フィルムの製造
口径30mm(直径)のシール層用押出機-1、口径40mm(直径)の押出機-2、及び口径30mm(直径)の表面加飾層用押出機-3が接続された、リップ開度0.8mm、ダイス幅400mmの3種3層Tダイを用いた。シール層用押出機-1にプロピレン-エチレンブロック共重合体(F-1)を、押出機-2にポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、表面加飾層用押出機-3にポリプロピレン系樹脂(A-1-1)をそれぞれ投入し、樹脂温度240℃、シール層用押出機-1の吐出量を4kg/h、押出機-2の吐出量を8kg/h、表面加飾層用押出機-3の吐出量を4kg/hの条件で溶融押出を行った。
溶融押出されたフィルムを、80℃、3m/minで回転する冷却ロールに、シール層(I)が接するように冷却固化させ、厚さ50μmの表面加飾層(III)と、厚さ100μmの層(II)と、厚さ50μmのシール層(I)が積層された3層の未延伸フィルムを得た。
上記の加飾フィルム製造で得られた未延伸フィルムを用いて、実施例6-1と同様に三次元加飾熱成形を行い、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-15
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-6)に変更し、耐候性の評価を照射時間(3)の条件で行った以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-16
実施例6-1の三次元加飾熱成形において、基体をポリプロピレン系樹脂(Z-2)からなる射出成形体に変更した以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
実施例6-17
実施例6-1の三次元加飾熱成形において、基体をポリプロピレン系樹脂(Z-3)からなる射出成形体に変更した以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
比較例6-1
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更した以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
比較例6-2
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(A-1-1)に変更した以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
比較例6-3
実施例6-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のプロピレン-エチレンブロック共重合体(F-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更した以外は、実施例6-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表8に示す。
Figure 0007192545000013
実施例6-1~6-17の加飾フィルムから得られた加飾成形体は、いずれかの層にヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有しており、ポリプロピレン系樹脂(A)がプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)であり、プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)について、(a1)メルトフローレート(MFR(A))が2.0g/10分を超え、(f1)プロピレン単独重合体又はプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F1)を5~97重量%、成分(F1)よりもエチレン含量が多いプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F2)を3~95重量%含有し、(f2)融解ピーク温度(Tm(F))が110~170℃であり、かつ、層(II)中のポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)について、(b1)メルトフローレート(MFR(B’))が40g/10分以下であり、(b2)ひずみ硬化度が1.1以上であるため、接触ムラがなく熱成形性に優れ、接着性が良好であった。また、短時間の加飾熱成形であったため、ヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤の揮発を低減することができ、熱成形後においても高い耐候性を維持しているものであった。さらに、得られた成形体はリサイクル性にも優れていた。
一方、いずれの層もヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含んでいない比較例6-1の加飾フィルムは、加飾フィルムの耐候性に劣るものであった。層(II)に用いたポリプロピレン系樹脂のひずみ硬化度が1.1未満である比較例6-2は、三次元加飾熱成形中に加飾フィルムがドローダウンしてしまい、熱成形性に劣っていた。得られた加飾成形体は外観に劣るものであり、接着力、耐候性の評価は行わなかった。シール層(I)にプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)を使用せず、シール層(I)に用いたポリプロピレン系樹脂のMFRが2.0g/10分以下である比較例6-3は、接着力に劣っており、耐候性の評価は行わなかった。
(試験例7)
[7:オレフィン接着性樹脂(G)からなるシール層(I)を含む加飾フィルム]
7-1.使用材料
上記「1-1.使用材料」で使用したポリプロピレン系樹脂以外に、以下の樹脂を用いた。
ポリオレフィン接着性樹脂(G)
(G-1):無水マレイン酸変性ポリオレフィン(MFR=7.0g/10分)、三菱化学(株)製、商品名「モディックAP(登録商標)F534A」
(G-2):無水マレイン酸変性ポリオレフィン(MFR=1.6g/10分)、三菱化学(株)製、商品名「モディックAP(登録商標)F532」
7-2.樹脂成形体(基体)の作製
(1)樹脂成形体(基体)に用いた極性樹脂
以下の極性樹脂を用いた。
(Z-4):PMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂、三菱レイヨン(株)製、「アクリペット MD」
(Z-5):ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)樹脂、テクノポリマー(株)製、「ABS130」
(Z-6):PC(ポリカーボネート)樹脂、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、「ノバレックス 7022A」
(2)樹脂成形体(基体)の製造
極性樹脂(Z-4)~(Z-6)を、箱型オーブンを用いて、80℃、2時間乾燥を行った。乾燥後の樹脂を、以下の方法で射出成型を行い、射出成形体を得た。
(i)PMMA樹脂成形条件:
射出成形機:東芝機械株式会社製「IS100GN」、型締め圧100トン
シリンダー温度:230℃
金型温度:40℃
射出金型:幅×高さ×厚さ=120mm×120mm×3mmの平板
状態調整:温度23℃、湿度50%RHの恒温恒湿室にて5日間保持
(ii)ABS樹脂成形条件:
射出成形機:東芝機械株式会社製「IS100GN」、型締め圧100トン
シリンダー温度:210℃
金型温度:40℃
射出金型:幅×高さ×厚さ=120mm×120mm×3mmの平板
状態調整:温度23℃、湿度50%RHの恒温恒湿室にて5日間保持
(iii)PC樹脂成形条件:
射出成形機:東芝機械株式会社製「IS100GN」、型締め圧100トン
シリンダー温度:290℃
金型温度:80℃
射出金型:幅×高さ×厚さ=120mm×120mm×3mmの平板
状態調整:温度23℃、湿度50%RHの恒温恒湿室にて5日間保持
実施例7-1
・加飾フィルムの製造
口径30mm(直径)のシール層用押出機-1、及び口径40mm(直径)の押出機-2が接続された、リップ開度0.8mm、ダイス幅400mmの2種2層Tダイを用いた。シール層用押出機-1にポリオレフィン接着性樹脂(G-1)を、押出機-2にポリプロピレン系樹脂(B-1-1)をそれぞれ投入し、樹脂温度240℃、シール層用押出機-1の吐出量を8kg/h、押出機-2の吐出量を8kg/hの条件で溶融押出を行った。
溶融押出されたフィルムを、80℃、3m/minで回転する冷却ロールに、シール層(I)が接するように冷却固化させ、厚さ100μmの層(II)と、厚さ100μmのシール層(I)が積層された2層の未延伸フィルムを得た。
・三次元加飾熱成形
実施例1-1の三次元加飾熱成形において、基体をPMMA樹脂(Z-4)からなる射出成形体に変更し、スプリングバック現象が終了した直後(すなわちスプリングバック後の加熱時間が0秒)で加飾成形を行ったこと以外は、実施例1-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例7-2
実施例7-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-2)に変更した以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例7-3
実施例7-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-3)に変更した以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例7-4
実施例7-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-4)に変更した以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例7-5
実施例7-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-5)に変更し、耐候性の評価を照射時間(2)の条件で行った以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例7-6
実施例7-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が70:30となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例7-7
実施例7-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が10:90となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例7-8
実施例7-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)に変更した以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例7-9
実施例7-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が70:30となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例7-10
実施例7-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-2-1)とポリプロピレン系樹脂(A-1-1)とを重量比が10:90となるようにブレンドしたものに変更した以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例7-11
実施例7-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)に使用したポリオレフィン接着性樹脂(G-1)を、ポリオレフィン接着性樹脂(G-2)に変更したこと以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例7-12
・加飾フィルムの製造
口径30mm(直径)のシール層用押出機-1、口径40mm(直径)の押出機-2、及び口径30mm(直径)の表面加飾層用押出機-3が接続された、リップ開度0.8mm、ダイス幅400mmの3種3層Tダイを用いた。シール層用押出機-1にポリオレフィン接着性樹脂(G-1)を、押出機-2にポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、表面加飾層用押出機-3にポリプロピレン系樹脂(A-1-1)をそれぞれ投入し、樹脂温度240℃、シール層用押出機-1の吐出量を8kg/h、押出機-2の吐出量を8kg/h、表面加飾層用押出機-3の吐出量を4kg/hの条件で溶融押出を行った。
溶融押出されたフィルムを、80℃、3m/minで回転する冷却ロールに、シール層(I)が接するように冷却固化させ、厚さ50μmの表面加飾層(III)と、厚さ100μmの層(II)と、厚さ100μmのシール層(I)が積層された3層の未延伸フィルムを得た。
上記の加飾フィルム製造で得られた未延伸フィルムを用いて、実施例7-1と同様に三次元加飾熱成形を行い、評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例7-13
実施例7-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1-6)に変更し、耐候性の評価を照射時間(3)の条件で行った以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例7-14
実施例7-1の三次元加飾熱成形において、基体をABS樹脂(Z-5)からなる射出成形体に変更した以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例7-15
実施例7-1の三次元加飾熱成形において、基体をPC樹脂(Z-6)からなる射出成形体に変更した以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
比較例7-1
実施例7-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更した以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
比較例7-2
実施例7-1の加飾フィルムの製造において、層(II)のポリプロピレン系樹脂(B-1-1)を、ポリプロピレン系樹脂(A-1-1)に変更した以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
比較例7-3
実施例7-1の加飾フィルムの製造において、シール層(I)のポリオレフィン接着性樹脂(G-1)を、ポリプロピレン系樹脂(B-1)に変更した以外は、実施例7-1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表9に示す。
Figure 0007192545000014
実施例7-1~7-15の加飾フィルムから得られた加飾成形体は、いずれかの層にヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有しており、シール層(I)中のポリオレフィン接着性樹脂(G)について、(g1)少なくとも1種のヘテロ原子を含む極性官能基を有するポリオレフィン樹脂であり、(g2)メルトフローレート(MFR(G))が100g/10分以下であり、かつ、層(II)中のポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)について、(b1)メルトフローレート(MFR(B’))が40g/10分以下であり、(b2)ひずみ硬化度が1.1以上であるため、接触ムラがなく熱成形性に優れ、極性樹脂からなる樹脂成形体に対する接着性が良好であった。また、短時間の加飾熱成形であったため、ヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤の揮発を低減することができ、熱成形後においても高い耐候性を維持しているものであった。さらに、得られた成形体はリサイクル性にも優れていた。
一方、いずれの層もヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含んでいない比較例7-1の加飾フィルムは、加飾フィルムの耐候性に劣るものであった。層(II)に用いたポリプロピレン系樹脂のひずみ硬化度が1.1未満である比較例7-2は、三次元加飾熱成形中に加飾フィルムがドローダウンしてしまい、熱成形性に劣っていた。得られた加飾成形体は外観に劣るものであり、接着力、耐候性の評価は行わなかった。シール層(I)にポリオレフィン接着性樹脂(G)を使用せず、シール層(I)に用いたポリプロピレン系樹脂のMFRが2.0g/10分以下である比較例7-3は、接着力に劣っており、耐候性の評価は行わなかった。
本発明の加飾フィルム及びそれを用いた加飾成形体の製造方法は、三次元加飾成形体及びその製造に使用することができる。
1 加飾フィルム
2 層(II)
3 シール層(I)
4 表面加飾層(III)
5 樹脂成形体(加飾対象、基体)
6 加飾成形体
11 上チャンバーボックス
12 下チャンバーボックス
13 治具
14 テーブル
15 ヒータ

Claims (25)

  1. 樹脂成形体上に熱成形によって貼着するためのヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有する加飾フィルムであって、該加飾フィルムは、ポリプロピレン系樹脂(A)を含有するシール層(I)及びポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)を含み、
    前記ポリプロピレン系樹脂(A)は下記要件(a1)を満たし、前記樹脂組成物(B’)は下記要件(b1)及び(b2)を満たす加飾フィルム。
    (a1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(A))は、2.0g/10分を超える。
    (b1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(B’))は、40g/10分以下である。
    (b2)ひずみ硬化度λは、1.1以上である。
  2. 前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、さらに下記要件(a2)~(a4)を満たし、前記樹脂組成物(B’)は、さらに下記要件(b3)を満たす、請求項1に記載の加飾フィルム。
    (a2)メタロセン触媒系プロピレン系重合体である。
    (a3)融解ピーク温度(Tm(A))は、150℃未満である。
    (a4)GPC測定により得られる分子量分布(Mw/Mn(A))は、1.5~3.5である。
    (b3)融解ピーク温度(Tm(B’))とTm(A)とは、関係式(b-3)を満たす。
    Tm(B’)>Tm(A) ・・・式(b-3)
  3. 前記シール層(I)は、ポリプロピレン系樹脂(A)とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X3)を含み、
    前記エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)は下記要件(c1)~(c3)を満たす、請求項1又は2に記載の加飾フィルム。
    (c1)エチレン含量[E(C)]は、65重量%以上である。
    (c2)密度は、0.850~0.950g/cmである。
    (c3)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(C))は、0.1~100g/10分である。
  4. 前記シール層(I)は、ポリプロピレン系樹脂(A)と熱可塑性エラストマー(D)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X4)を含み、
    前記熱可塑性エラストマー(D)は下記要件(d1)~(d4)を満たす、請求項1又は2に記載の加飾フィルム。
    (d1)プロピレン及びブテンのうちの少なくとも1つを主成分とする熱可塑性エラストマーである。
    (d2)密度は、0.850~0.950g/cmである。
    (d3)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(D))は、0.1~100g/10分である。
    (d4)引張弾性率がポリプロピレン系樹脂(A)の引張弾性率よりも小さい。
  5. 前記シール層(I)は、ポリプロピレン系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(E)との重量比率が97:3~5:95である樹脂組成物(X5)を含み、
    前記熱可塑性樹脂(E)は下記要件(e1)を満たし、前記樹脂組成物(X5)は下記要件(x1)を満たす、請求項1又は2に記載の加飾フィルム。
    (e1)脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基のうちの少なくとも1つを含有する。
    (x1)示差熱走査型熱量計(DSC)で求めた等温結晶化時間(t(X5))(秒)が、以下の式(x-1)を満たす。
    t(X5)≧1.5×t(A) ・・・式(x-1)
    (式中、t(A)は前記ポリプロピレン系樹脂(A)の結晶化開始温度よりも10℃高い温度で測定した前記ポリプロピレン系樹脂(A)の等温結晶化時間(秒)を表し、t(X5)は前記ポリプロピレン系樹脂(A)の結晶化開始温度よりも10℃高い温度で測定した前記樹脂組成物(X5)の等温結晶化時間(秒)である。)
  6. 前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、下記要件(f1)及び(f2)を満たすプロピレン-エチレンブロック共重合体(F)である、請求項1及び3~5のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
    (f1)プロピレン単独重合体又はプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F1)を5~97重量%、前記成分(F1)よりもエチレン含量が多いプロピレン-エチレンランダム共重合体からなる成分(F2)を3~95重量%含有する。
    (f2)融解ピーク温度(Tm(F))は、110~170℃である。
  7. 樹脂成形体上に熱成形によって貼着するためのヒンダードアミン系光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有する加飾フィルムであって、該加飾フィルムは、ポリオレフィン接着性樹脂(G)を含有するシール層(I)及びポリプロピレン系樹脂(B)を含む樹脂組成物(B’)を含有する層(II)を含み、
    前記ポリオレフィン接着性樹脂(G)は下記要件(g1)及び(g2)を満たし、前記樹脂組成物(B’)は下記要件(b1)及び(b2)を満たす加飾フィルム。
    (g1)少なくとも1種のヘテロ原子を含む極性官能基を有するポリオレフィン樹脂である。
    (g2)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(G))は、100g/10分以下である。
    (b1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(B’))は、40g/10分以下である。
    (b2)ひずみ硬化度λは、1.1以上である。
  8. 前記樹脂組成物(B’)が、下記要件(b1’)及び(b2’)を満たす、請求項1~7のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
    (b1’)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(B’))は、20g/10分以下である。
    (b2’)ひずみ硬化度λは、1.8以上である。
  9. 前記樹脂組成物(B’)が、下記要件(b1’’)及び(b2’’)を満たす、請求項1~7のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
    (b1’’) メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)(MFR(B’))は、12g/10分以下である。
    (b2’’)ひずみ硬化度λは、2.3以上である。
  10. 前記ポリプロピレン系樹脂(B)が、長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂(B-L)である、請求項1~9のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  11. 前記ポリプロピレン系樹脂(B-L)が、架橋法以外の方法により製造されたゲルの少ないポリプロピレン系樹脂である、請求項10に記載の加飾フィルム。
  12. 前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン・α-オレフィン共重合体である、請求項1~5及び8~11のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  13. 前記Tm(A)は、140℃以下である、請求項1~5及び8~12のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  14. 前記エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)は、さらに下記要件(c4)を満たす、請求項3に記載の加飾フィルム。
    (c4)融解ピーク温度(Tm(C))は、30~130℃である。
  15. 前記エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(C)は、さらに下記要件(c5)を満たす、請求項3又は14に記載の加飾フィルム。
    (c5)エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとのランダム共重合体である。
  16. 前記熱可塑性エラストマー(D)は、エチレン含量が50重量%未満であるプロピレン-エチレン共重合体、エチレン含量が50重量%未満であるブテン-エチレン共重合体、エチレン含量が50重量%未満であるプロピレン-エチレン-ブテン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、又はブテン単独重合体である、請求項4に記載の加飾フィルム。
  17. 前記熱可塑性エラストマー(D)は、さらに下記要件(d5)を満たす、請求項4又は16に記載の加飾フィルム。
    (d5)融解ピーク温度(Tm(D))は、30~170℃である。
  18. 前記熱可塑性樹脂(E)は、スチレン系エラストマーである、請求項5に記載の加飾フィルム。
  19. 前記熱可塑性樹脂(E)は、脂環族系炭化水素樹脂である、請求項5に記載の加飾フィルム。
  20. 前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)は、さらに下記要件(f3)を満たす、請求項6に記載の加飾フィルム。
    (f3)プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)中のエチレン含量は、0.15~85重量%である。
  21. 前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)は、さらに下記要件(f4)を満たす、請求項6又は20に記載の加飾フィルム。
    (f4)前記成分(F1)のエチレン含量が、0~6重量%の範囲にある。
  22. 前記プロピレン-エチレンブロック共重合体(F)は、さらに下記要件(f5)を満たす、請求項6、20又は21に記載の加飾フィルム。
    (f5)前記成分(F2)のエチレン含量が、5~90重量%の範囲にある。
  23. 請求項1~22のいずれか1項に記載の加飾フィルムを準備するステップ、
    樹脂成形体を準備するステップ、
    減圧可能なチャンバーボックス中に、前記樹脂成形体及び前記加飾フィルムをセットするステップ、
    前記チャンバーボックス内を減圧するステップ、
    前記加飾フィルムを加熱軟化させるステップ、
    前記樹脂成形体に加熱軟化した前記加飾フィルムを押し当てるステップ、並びに
    減圧した前記チャンバーボックス内を大気圧に戻す又は加圧するステップ
    を含む加飾成形体の製造方法。
  24. 前記樹脂成形体は、プロピレン系樹脂組成物からなる、請求項23に記載の加飾成形体の製造方法。
  25. 前記加飾フィルムが請求項7~11のいずれか1項に記載の加飾フィルムであって、
    前記樹脂成形体は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂及びこれらの複合材料より選択される少なくとも1つを含む極性樹脂材料を含む、請求項23に記載の加飾成形体の製造方法。
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