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JP7163841B2 - 過硫酸アンモニウムの製造方法 - Google Patents

過硫酸アンモニウムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、硫酸アンモニウムを原料に過硫酸アンモニウムを製造する方法に関し、とくに、過硫酸アンモニウムを製造し、同時にアンモニアを併産できる過硫酸アンモニウムの製造方法に関する。
硫酸アンモニウムは硫安とも呼ばれ、かつては目的物として合成されていたが、現在は主にカプロラクタムやラウロラクタム、アクリロニトリル、メタクリル酸メチルといった有機化学工業や石炭乾留によるコークス製造工程で副生されるものが流通している。硫酸アンモニウムはアンモニア態窒素を20%程度含有するので肥料として利用することが可能であり、前述した工程で副生した硫酸アンモニウムの大部分は肥料用として利用されている。従来、硫酸アンモニウムを副生しないカプロラクタムやアクリロニトリル、メタクリル酸メチルの製法が開発されてきた。ところがこれらの製法はプロセスが複雑であることや、既存製法からの転換が容易でないといった課題を有する。そのため、未だに多くの硫酸アンモニウムが副生している。
一方、過硫酸アンモニウムは主に乳化重合の重合開始剤や酸化漂白剤、銅エッチング剤等で広く工業的に利用されている。過硫酸アンモニウムのこれまで知られてきた製造方法としては、特許文献1に記載されているように電解槽に隔膜として陽イオン交換膜を用いて、陽極側原料として硫酸アンモニウム水溶液を用いて、陰極側原料の酸解離可能な水素イオン量を制御することにより、陰極液中に硫酸由来の水素イオンが存在する範囲では下記反応式(1)が優先され、陰極側生成物として水素を発生させるが、酸由来の水素イオン欠乏後は下記反応式(2)を優先されることにより、アンモニアを生成させ、電解後の陰極生成液はラクタム製造工程等に使用する方法や、特許文献2に記載されているように陰極側原料として硫酸を用いて、陰極側の電解反応は全て下記反応式(1)の硫酸由来の水素イオンが水素分子となる反応のみが実施されてきており、電解後の硫酸アンモニウムと硫酸を含む陰極側の電解液は、アンモニアで中和後に陽極側原料に用いる方法が知られている。
2H + 2e → H (1)
2NH + 2e → 2NH + H (2)
国際公開2018/131493号 特開平11-293484号公報
上述の如く、従来の技術である特許文献1の記載の方法では、陰極側原料の酸解離可能な水素イオン量を制御することによって、陰極側でアンモニアを生成することができたが、電解槽に陽イオン交換膜を用いているため電荷移動量分の陽イオンと陽イオンに水和した水分子が陽極から陰極側へ移動するため、電解後の陰極液量は電解前より増加し、連続運転が困難となるうえに陰極側に追加原料が必要となり、陰極生成液はラクタム製造工程等で使用される。これに対し、特許文献2に記載の方法では、陰極側に硫酸アンモニウム水溶液が生成され、それが陽極側原料として再利用されるため、陰極側に追加原料が必要であった。
そこで本発明の課題は、上記のような従来技術に鑑み、連続運転が容易でありさらに陰極に追加原料を供給すること無く高効率で過硫酸アンモニウムを製造可能な方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る過硫酸アンモニウムの製造方法は、以下の通りである。
(1)硫酸アンモニウムを電解して過硫酸アンモニウムを製造する方法において、陽イオ
ン交換膜で隔てられた電解槽を用いて、陽極側原料として硫酸アンモニウム水溶液を供給し、陽極側で過硫酸アンモニウムを生成し、陰極生成液を脱水後に再度陰極側原料として利用することを特徴とする、過硫酸アンモニウムの製造方法であって、前記脱水での脱水量が電解での電荷移動量1molあたり、20~90gである過硫酸アンモニウムの製造方法
(2)陰極側原料として、硫酸アンモニウム水溶液または水酸化アンモニウム水溶液を供給する(1)に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
(3)前記脱水が加熱濃縮もしくは膜分離による脱水である(1)または(2)に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
(4)陽極側原料としての硫酸アンモニウム水溶液の濃度が30~45重量%の範囲にある、(1)~()のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
)前記陰極側原料溶液が、硫酸アンモニウム水溶液である、(1)~(5)のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
)前記陰極側原料としての硫酸アンモニウム水溶液の濃度が30~45重量%である、()に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
)前記陽極側原料に分極剤を添加する、(1)~()のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
)分極剤がグアニジン、グアニジン塩およびチオシアン酸塩から選ばれる1種である、()に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
)陽極電極が白金、白金族または導電性ダイヤモンドである、(1)~()のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
10)電流効率が80%以上で過硫酸アンモニウムを製造する、(1)~()陽極電極が白金、白金族または導電性ダイヤモンドである、(1)~()のいずれ)のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
11)前記陽極側原料が、ラクタム製造工程で副生される硫酸アンモニウムを含む硫酸アンモニウム水溶液である、(1)~(10)のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
12)陰極側で生成するアンモニアをラクタム製造工程で利用する、(1)~(11)のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
このように、本発明に係る過硫酸アンモニウムの製造方法によれば、陰極側に追加原料を供給する必要がなくなり、連続運転が可能となる。
特許文献1に記載の従来法を示す概略構成図である。 特許文献2に記載の従来法を示す概略構成図である。 本発明の一実施態様に係る過硫酸アンモニウムの製造方法を示す概略構成図である。
以下に、本発明について、実施の形態とともにさらに詳細に説明する。
本発明に係る過硫酸アンモニウムの製造方法は、硫酸アンモニウムを電解して過硫酸アンモニウムを製造する方法において、陽極側原料として硫酸アンモニウム水溶液を供給し、陽極側で過硫酸アンモニウムを生成し、陰極生成液を脱水後に再度陰極側原料として利用することを特徴とする方法である。
陽極側原料としては、例えば、電荷移動量以上のアンモニウムイオンを含有した硫酸アンモニウム水溶液を用いることができ、硫酸や水酸化アンモニウムが過剰な状態でもよい。濃度については特に限定されないが、工業的には濃厚なほど有利であり、硫酸アンモニウム30~45重量%の濃度範囲が好ましい。この陽極側原料は必要量の分極剤を含むが、分極剤については、既知の過硫酸塩の製造に有利なものであれば特に限定されない。好ましい分極剤としては、グアニジン、グアニジン塩、チオシアン酸塩、シアン化物、シアン酸塩、フッ化物などが用いられる。特に好ましくはグアニジン、またはグアニジン塩である。グアニジン塩としては、スルファミン酸グアニジン、硝酸グアニジン、硫酸グアニジン、リン酸グアニジンまたは炭酸グアニジンなどが挙げられる。分極剤の濃度は、陽極室内において、0.01~1重量%が例示でき、0.01~0.05重量%が好ましい。
陰極側原料としては、特に制限されず、例えば硫酸溶液を使用でき、純水や水酸化アンモニウムのような塩基または硫酸アンモニウムのような塩を含む水溶液を用いてもよい。好ましくは硫酸アンモニウム水溶液や水酸化アンモニウム水溶液を用いれば、電解質を含有するため電気抵抗を低減し、かつ、隔膜を隔てた陽極側原料と同一組成のイオンで構成され、さらに、陰極反応に供される硫酸由来の水素イオンが存在しないため、最大限のアンモニアを生成させることができる。濃度については特に限定されないが、硫酸アンモニウム水溶液については工業的には濃厚なほど有利であり、30~45重量%の濃度範囲がより好ましい。硫酸の腐食性に対する陰極側の材質選定の面から、硫酸を用いるよりも硫酸アンモニウム水溶液や水酸化アンモニウム水溶液を用いるほうがより好ましい。
本発明において使用する電解槽は特に限定されるものではなく、隔膜でへだてられた陽極室と陰極室に区切られた電解槽であればよい。箱形電解槽や、フィルタープレス型電解槽を使用することができる。また、電解時には電解槽とは別にバッファタンクを備えていてもよく、前記バッファタンクと電解槽の間で電解液を循環していてもよい。ここで、陽極室と陰極室をへだてる隔膜は、陽極室にて生成する陰イオンの陰極室への泳動を阻害することが出来る隔膜を用いる。隔膜としては、陽イオン交換膜、中性アルミナ隔膜などが挙げられるが、好ましくは陽イオン交換膜が用いられる。
陽極は好ましくは白金または白金族であるが、導電ダイヤモンド電極など知られている酸素過電圧の高い材料も用いることができる。陰極は好ましくは鉛、ジルコニウム、白金、ニッケル、SUS316などのステンレスを用いることができる。また、電極としては、これらの金属で構成される金網を用いることができる。
陽極の電流密度は、20A/dm以上が好ましい。これより低いと電流効率が低くなる場合がある。好ましくは40A/dm以上であり、500A/dm以下が好ましく、さらに好ましくは、200A/dm以下、特に好ましくは、80A/dm以下である。工業的には装置サイズを小さくすることができるため、高電流密度での運転がより好ましい。電解槽内の温度は、15~40℃が好ましい。この範囲とすることで、電解槽内の塩類の溶解を適切な範囲に維持することができ、好ましくない副反応を抑えることができるので好ましい。
本発明の製造方法を採用することで、高い電流効率で、過硫酸アンモニウムを製造することができる。好ましい条件においては、電流効率80%以上での過硫酸アンモニウムの製造が可能であり、さらに好ましくは電流効率85%以上、特に好ましくは90%以上である。電流効率の上限は理論上100%である。ここで、電流効率(%)は、(生成した過硫酸イオン(mol)×2)/通電量(F)×100で表される値であり、単位通電量当たりに生成した過硫酸イオンの量を測定することで算出することができる。
陽極室に陽極液を満たした状態で電解することにより陽極液中に過硫酸イオンが生成するため、この陽極生成液を従来技術と同様に、例えば広く一般的に用いられる晶析槽へ供給し、濃縮晶析することができる。晶析後の含過硫酸アンモニウムスラリーは広く一般に使用される遠心分離機等の固液分離器により過硫酸アンモニウム結晶と晶析母液とに分離される。得られた過硫酸アンモニウム結晶は粉体乾燥機を用いて乾燥・製品化することができる。晶析母液は陽極側原料として工程に再供給することができる。
陰極室については電解進行とともに電荷移動量分の陽イオンと陽イオンに水和した水分子が陽極から陰極側へ移動し、液量が増加するため、連続運転時には陰極側生成液からこの増加相当分を脱水後に再度陰極側に供給することにより、連続運転が可能となり、陰極側に追加原料を供給する必要がなくなる。また、バッチ運転時には陰極生成液を電解前と同じ重量になるまで脱水することにより、陰極に新たな原料を供給する必要がなくなる。脱水方法は特に限定されるものではなく、陰極側での増加相当分を脱水出来れば良いが、蒸発濃縮または膜分離による脱水が好ましい。また、脱水により得られた水中にはアンモニアを含んでいても問題はなく、たとえばラクタム工程における中和塩変換工程等のアンモニアもしくは水を利用する工程で使用可能である。陰極生成液の脱水は、陰極液が増加し続けることを防ぐため、電荷移動量に対して一定以上脱水する方が好ましく、また陰極生成液に塩等が含まれる場合は脱水により結晶が析出する量以下の脱水量にする方が好ましく、具体的には電荷移動量1molあたりの脱水量は、20~90gが好ましく、さらに好ましくは30~80gである。
また、陰極側生成液を脱水し、再度陰極側に供給しながら電解を継続することによって、陽極から陰極側へ電荷移動量分の水素イオンとアンモニウムイオンが移動してくるため、陰極室の陰極生成ガスに水素およびアンモニアの混合ガスおよび/または生成液中に水酸化アンモニウム(アンモニア含有水)を生成する。陰極側で生成される水素・アンモニア混合ガスは広く一般的に用いられるアンモニアガス分離方法、例えば深冷分離や圧縮分離により分離することができる。また、生成したアンモニアの供給先がたとえばラクタム工程における中和塩変換工程のような、アンモニア水として供給される工程の場合、広く一般的に用いられるガス吸収塔を用いて水素ガスと分離し、アンモニア水として回収することもできる。
分離された水素ガスは圧力変動吸着法等を用いて精製圧縮し、有機化学工業の水添工程や、燃料電池用の燃料として利用することができる。
本発明の過硫酸アンモニウムの製造方法は、先に述べた、ラクタム、アクリロニトリル、メタクリル酸メチルなどの製造工程や、石炭乾留によるコークス製造工程で副生する硫酸アンモニウムを原料として用いることができる。このとき、種々の工程における硫酸アンモニウムを含む副成物には硫酸アンモニウム以外の不純物などが含まれている場合があり、それらの成分や含有量によっては、副反応を起こすことで過硫酸アンモニウムの製造工程における電流効率が低下する場合がある。このような場合は、あらかじめ硫酸アンモニウムを含む副生物を精製して電流効率を低下させる成分を減少させてから過硫酸アンモニウム製造工程に供給することが好ましい。
本発明に係る過硫酸アンモニウムの製造方法の具体的な例として、図3に、陰極側生成液を脱水後に再度陰極側へ供給する場合について例示する。図3において、11は電解槽を示しており、電解槽11の陽極側12には陽極側原料として、硫酸アンモニウム((NHSO)が供給され、陽極反応としては、従来技術と同様、下記のように、硫酸イオンが反応(消費)して、過硫酸イオンが発生する。
2SO 2- → S 2- + 2e
溶存イオンとしては、
電解前:NH 、SO 2- = 硫酸アンモニウム水溶液
電解後:NH 、S 2-= 過硫酸アンモニウム水溶液
となり、アンモニウムイオンが陰極側へ泳動するとともに、過硫酸アンモニウム水溶液が生成していく。この陽極側生成液が濃縮晶析され、晶析母液と結晶とに分離され、結晶は例えば粉体乾燥機により過硫酸アンモニウムの塩として製品化できる。晶析母液は陽極側原料として工程に再供給できる。
一方、陰極側13では、陰極反応としては、硫酸アンモニウム水溶液が原料とされている場合について説明するに、脱水後のアンモニアと硫酸アンモニウムを含む水溶液15が供給され、反応源の水素イオンが無いか乏しいため、下記反応式の如く陽極より泳動したアンモニウムイオンが反応し、アンモニアと水素が生成していく。また、陰極側13に酸がある場合には、下記反応式の如く酸由来の水素イオンが反応(消費)し、水素ガスが発生する。
2NH + 2e → 2NH + H
2H+ 2e → H
電解により陽極から陰極側へ電荷移動量分に相当した水素イオン、アンモニウムイオンおよびこれらイオンに水和した分の水分子が移動し、陰極側の液量が増加するため、増加相当量を陰極側生成液から脱水し、陰極側に再度供給する。
このように、陰極側13では、容易に連続運転が可能であり、さらに陰極に追加原料を供給すること無く高効率に過硫酸アンモニウムが製造可能となる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定を受けるものではない。なお、実施例中の電流効率は(生成した過硫酸イオン(mol)×2)/通電量(F)×100%で表され、単位通電量当たりに生成した過硫酸イオンの割合を表す。
(実施例1)
隔膜に陽イオン交換膜(ケマーズ社製、Nafion(登録商標)117)で区切られた透明アクリル製の電解槽を用い、陽極に80メッシュの白金金網からなる電極を用い、陰極に80メッシュのSUS316金網からなる電極を用いた。陽極室には43重量%硫酸アンモニウム水溶液に分極剤としてスルファミン酸グアニジン0.03重量%添加した水溶液を462g供給した。陰極室には43重量%硫酸アンモニウム水溶液を411g供給した。供給後、陽極電流密度は45A/dmとして通電した。電荷移動量は1.34molであった。電荷移動量は通電電流量×通電時間の値で求まる。通電後、得られた陽極生成液中の過硫酸アンモニウム濃度を滴定により測定した。陽極では0.60molの過硫酸アンモニウムが生成され、電流効率は89%であった。電解中の陰極生成ガスからは電解反応相当量の水素とアンモニアの発生が認められ陰極液重量は474gであった。また、この陰極液を蒸発濃縮により脱水し、413gとし、再度陰極室に供給し、陽極室には1回目同様、43重量%硫酸アンモニウム水溶液に分極剤としてスルファミン酸グアニジン0.03重量%添加した水溶液を462g供給した。供給後、前記と同様の電解槽を用いて、陽極電流密度は45A/dmとして通電した。電荷移動量は1.34molであった。通電後、得られた陽極生成液中の過硫酸アンモニウム濃度を滴定により測定した。陽極では0.60molの過硫酸アンモニウムが生成され、電流効率は89%であった。電解中の陰極生成ガスからは電解反応相当量の水素とアンモニアの発生が認められ陰極生成液は477gであった。
(実施例2)
電解槽等の実験装置は実施例1と同様とした。陽極室には43重量%硫酸アンモニウム水溶液に分極剤としてスルファミン酸グアニジン0.03重量%添加した水溶液を462g供給した。陰極室には硫酸26.5重量%の水溶液を413g供給した。供給後、陽極電流密度は45A/dmとして通電した。電荷移動量は1.34molであった。通電後、得られた陽極生成液中の過硫酸アンモニウム濃度を滴定により測定した。陽極では0.60molの過硫酸アンモニウムが生成され、電流効率は89%であった。電解中の陰極生成ガスからは電解反応相当量の水素の発生が認められ陰極液重量は493gとなった。また、この陰極液を蒸発濃縮により脱水し、413gとし、再度陰極室に供給し、陽極室には1回目同様、43重量%硫酸アンモニウム水溶液に分極剤としてスルファミン酸グアニジン0.03重量%添加した水溶液を462g供給した。供給後、前記と同様の電解槽を用いて、陽極電流密度は45A/dmとして通電した。電荷移動量は1.34molであった。通電後、得られた陽極生成液中の過硫酸アンモニウム濃度を滴定により測定した。陽極では0.60molの過硫酸アンモニウムが生成され、電流効率は89%であった。電解中の陰極生成ガスからは電解反応相当量の水素とアンモニアの発生が認められ陰極液重量は491gであった。
(比較例1)
特許文献2の記載に準じた組成、電荷移動量で過硫酸アンモニウムの電解を実施した。電解槽等の実験装置は実施例1と同様とした。陽極原料として、過硫酸アンモニウム3.25重量%、硫酸アンモニウム37.0重量%、スルファミン酸グアニジン0.03重量%の水溶液を537g供給した。陰極原料として、硫酸26.5重量%の水溶液を413g供給した。供給後、電荷移動量が1.34molとなるように通電電流量と通電時間を制御した。電解後、陰極液重量は493gであった。通電後、得られた陽極生成液中の過硫酸アンモニウム濃度を滴定により測定した。陽極側では0.60molの過硫酸アンモニウムが生成され、電流効率は89%であった。
先の電解で得られた陰極生成液を調整し、過硫酸アンモニウム3.25重量%、硫酸アンモニウム37.0重量%、スルファミン酸グアニジン0.03重量%の水溶液を陽極原料として537g使用した。陰極原料は別途26.5重量%の水溶液413gを別途調整した。
供給後、電荷移動量が1.34molとなるように通電電流量と通電時間を制御した。電解後、陰極液重量は493gであった。通電後、得られた陽極生成液中の過硫酸アンモニウム濃度を滴定により測定した。陽極側では0.60molの過硫酸アンモニウムが生成され、電流効率は89%であった。
1、11 電解槽
2、12 陽極側
3、13 陰極側
4 他製造工程
15 脱水後の溶液

Claims (12)

  1. 硫酸アンモニウムを電解して過硫酸アンモニウムを製造する方法において、陽イオン交換膜で隔てられた電解槽を用いて、陽極側原料として硫酸アンモニウム水溶液を供給し、陽極側で過硫酸アンモニウムを生成し、陰極生成液を脱水後に再度陰極側原料として利用することを特徴とする、過硫酸アンモニウムの製造方法であって、前記脱水での脱水量が電解での電荷移動量1molあたり、20~90gである過硫酸アンモニウムの製造方法。
  2. 陰極側原料として、硫酸アンモニウム水溶液または水酸化アンモニウム水溶液を供給する請求項1に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
  3. 前記脱水が蒸発濃縮もしくは膜分離による脱水である請求項1または2に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
  4. 陽極側原料としての硫酸アンモニウム水溶液の濃度が30~45重量%の範囲にある、請求項1~3のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
  5. 前記陰極側原料溶液が、硫酸アンモニウム水溶液である、請求項1~のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
  6. 前記陰極側原料としての硫酸アンモニウム水溶液の濃度が30~45重量%である、請求項に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
  7. 前記陽極側原料に分極剤を添加する、請求項1~のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
  8. 分極剤がグアニジン、グアニジン塩およびチオシアン酸塩から選ばれる1種である、請求項に記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
  9. 陽極電極が白金、白金族または導電性ダイヤモンドである、請求項1~のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
  10. 電流効率が80%以上で過硫酸アンモニウムを製造する、請求項1~のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
  11. 前記陽極側原料が、ラクタム製造工程で副生される硫酸アンモニウムを含む硫酸アンモニウム水溶液である、請求項1~10のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
  12. 陰極側で生成するアンモニアをラクタム製造工程で利用する、請求項1~11のいずれかに記載の過硫酸アンモニウムの製造方法。
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