JP2014015649A - 苛性ソーダの製造方法 - Google Patents
苛性ソーダの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014015649A JP2014015649A JP2012152814A JP2012152814A JP2014015649A JP 2014015649 A JP2014015649 A JP 2014015649A JP 2012152814 A JP2012152814 A JP 2012152814A JP 2012152814 A JP2012152814 A JP 2012152814A JP 2014015649 A JP2014015649 A JP 2014015649A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- caustic soda
- anode chamber
- sodium
- acid
- anode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
Abstract
【課題】 塩素の副生がないため、苛性ソーダと塩素の需給に影響されることのない苛性ソーダの製造方法を提供する。
【解決手段】 イオン交換膜法によりナトリウム塩水溶液を電気分解して苛性ソーダを製造する方法において、陽極に水素ガス拡散電極を用い、陰極室で苛性ソーダを生成し、陽極室で酸を生成させ、該酸をソーダ灰および/または重炭酸ソーダと反応させてナトリウム塩を生成し、それを電気分解に用いる。
【選択図】 図2
【解決手段】 イオン交換膜法によりナトリウム塩水溶液を電気分解して苛性ソーダを製造する方法において、陽極に水素ガス拡散電極を用い、陰極室で苛性ソーダを生成し、陽極室で酸を生成させ、該酸をソーダ灰および/または重炭酸ソーダと反応させてナトリウム塩を生成し、それを電気分解に用いる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、イオン交換膜法によりナトリウム塩水溶液を電気分解して苛性ソーダを製造する方法に関し、塩素と水素を併産することなく、それらのガス成分、特に塩素の需要に影響されることなく苛性ソーダを選択的に製造する方法に関するものである。
従来、イオン交換膜法により食塩水を電気分解する苛性ソーダの製造法が工業的に広く実施されており、陽極、陰極、イオン交換膜の改良により、高い電流効率と低電圧化による省エネルギー化も進んでいる。
一方、従来の電解法では、苛性ソーダとともに塩素および水素を併産するため、特に塩素の需要変動によって苛性ソーダの生産が制約を受けるという課題があった。
塩素を発生しない苛性ソーダの製造法として、例えば、食塩水の代わりに芒硝水溶液を電気分解する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。芒硝水溶液を用いることにより、塩素は発生しないが、陽極室に硫酸が副生し、陽極室のpHが低下し、苛性ソーダを生成できなくなる、或いは電流効率が低くなるという課題を有していた。また、食塩に比べ芒硝は高コストであるとともに、溶解度が低いため高濃度の電気分解ができないという課題もあった。
本発明は、イオン交換膜法によりナトウム塩水溶液を電気分解する際に塩素や塩素含有化合物を副生することなく、苛性ソーダのみを製造する方法を提供するものである。
本発明者等は、イオン交換膜法により食塩水を電気分解する苛性ソーダの製造方法について鋭意検討を重ねた結果、陽極に水素ガス拡散電極を用い、陰極室で苛性ソーダを生成し、陽極室で酸を生成させ、該酸をソーダ灰および/または重炭酸ソーダと反応させてナトリウム塩を再生し、それをさらに電気分解することにより、塩素の副生がなく苛性ソーダを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明の苛性ソーダの製造方法について説明する。
本発明の電気分解は、イオン交換膜法により食塩水を電気分解する苛性ソーダの製造方法において、陽極に水素ガス拡散電極を使用する。
従来の電解法では、金属および/または金属酸化物などの電極が用いられるが、食塩水を原料に用いた場合には、塩素ガスおよび水素ガスが発生していた。それに対して、本発明の方法では水素ガス拡散電極を用いることにより、塩素ガスを発生させず、なおかつ消費エネルギーを低減することができる。
一方、陰極室では通常の電気分解と同様に、苛性ソーダを生成し、電極からは水素が発生する。発生した水素は水素ガス拡散電極に供給する水素(またはその一部)として用いることができる。
陽極室では酸が発生するが、該酸はソーダ灰および/または重炭酸ソーダと反応させてナトリウム塩を再生させる。再生したナトリウム塩は、さらに電気分解に供給してリサイクルする。
本発明の方法において、陽極室で発生した酸とソーダ灰および/または重炭酸ソーダとの反応では炭酸ガスが発生するが、本発明の方法で発生する炭酸ガスは極めて高純度かつ高濃度であるため、工業用原料としての価値が高いものである。
本発明の方法において、発生した酸とソーダ灰および/または重炭酸ソーダとの反応は別の反応室で行ってもよいが、ソーダ灰および/または重炭酸ソーダを陽極室に導入することにより、電気分解による酸発生と同時に反応を行って、よりコンパクトな反応装置設計が可能となる。
本発明の方法では、ソーダ灰および/または重炭酸ソーダを陽極室に導入することにより、電気分解による酸発生と同時に反応を行う場合には、電解槽内でのスケーリングや電気分解反応への不具合抑止や反応の進行および二酸化炭素の脱気を促進させるため、加温、撹拌することが好ましい。
本発明の方法では、陽極室は2≦pH≦6で電気分解することが好ましい。pHが2より小さい領域では陽極室液相側の水素イオンが高濃度となり、カチオン交換膜を通して陰極室側に移動するため、苛性ソーダ生成の電流効率が低下する。また、pHが6を超える領域では中和反応が遅くなり、ソーダ灰および/または重炭酸ソーダや、生成した二酸化炭素が溶液中に残存しやくなる。陽極室のpHは3〜4に調整することが特に好ましい。
陰極にはガス発生型電極に加え、酸素を導入するガス拡散型電極を用いることができる。またイオン交換膜にはカチオン交換膜が用いられる。電極の材質およびカチオン交換膜は特に限定されないが、従来の電解法による苛性ソーダ製造に用いられているものを用いることができる。
本発明の方法によれば、イオン交換膜電解法による苛性ソーダ製造において、塩素、水素を副生せず、それらのガス需給に影響されことなく苛性ソーダが製造できるとともに、電解法におけるエネルギー消費を低減することができる。
次に、本発明を具体的な実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
陽極として白金を担持した多孔室電極、陰極としてニッケル電極を備え、カチオン交換膜(デユポン社製ナフィオン膜)によって陽極室と陰極室に分離された2室型の電解槽を用いた。陽極室液相側に300g/Lの食塩水を供給し、排出塩水のpHが3になるように流量を調整した。陽極室ガス相側には水素ガスを1L/分の速度で供給した。陰極室へは苛性濃度が30wt%になるように純水を供給しながら、電解電流密度3kA/m2で電気分解を実施した。このときの電解電圧は2.4Vであり、苛性ソーダ生成の電流効率は93%であった。
陽極として白金を担持した多孔室電極、陰極としてニッケル電極を備え、カチオン交換膜(デユポン社製ナフィオン膜)によって陽極室と陰極室に分離された2室型の電解槽を用いた。陽極室液相側に300g/Lの食塩水を供給し、排出塩水のpHが3になるように流量を調整した。陽極室ガス相側には水素ガスを1L/分の速度で供給した。陰極室へは苛性濃度が30wt%になるように純水を供給しながら、電解電流密度3kA/m2で電気分解を実施した。このときの電解電圧は2.4Vであり、苛性ソーダ生成の電流効率は93%であった。
陽極室から排出された塩酸と食塩水の混合水溶液に、ソーダ灰を添加し、塩酸を中和するとともに、食塩水濃度を300g/Lに調整し、電気分解に再利用した。また、ソーダ灰を添加した時に発生した二酸化炭素は、高純度品として回収した。
実施例2
陽極室液相側に250g/Lの芒硝水溶液を供給した以外は、実施例1と同様の条件で電気分解を実施した。このときの電解電圧は2.6Vであり、苛性ソーダ生成の電流効率は90%であった。
陽極室液相側に250g/Lの芒硝水溶液を供給した以外は、実施例1と同様の条件で電気分解を実施した。このときの電解電圧は2.6Vであり、苛性ソーダ生成の電流効率は90%であった。
陽極室から排出された硫酸と芒硝の混合水溶液に、ソーダ灰を添加して硫酸を中和するとともに、芒硝水濃度を250g/Lに調整し、電気分解に再利用した。また、ソーダ灰を添加した時に発生した二酸化炭素は、高純度品として回収した。
実施例3
実施例1と同様の電解槽を用いて、陽極室液相側に200g/Lの食塩水を張り込んだ。陽極室内の食塩水のpHが6となるようにソーダ灰溶液を供給しながら、実施例1と同様の条件で電気分解を実施した。このときの電解電圧は2.7Vであり、苛性ソーダ生成の電流効率は95%であった。
実施例1と同様の電解槽を用いて、陽極室液相側に200g/Lの食塩水を張り込んだ。陽極室内の食塩水のpHが6となるようにソーダ灰溶液を供給しながら、実施例1と同様の条件で電気分解を実施した。このときの電解電圧は2.7Vであり、苛性ソーダ生成の電流効率は95%であった。
陽極室液側から発生した二酸化炭素は、高純度品として回収した。
比較例1
排出塩水のpHを1とした以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。このときの電解電圧は2.3Vであり、苛性ソーダ精製の電流効率は75%であった。
排出塩水のpHを1とした以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。このときの電解電圧は2.3Vであり、苛性ソーダ精製の電流効率は75%であった。
本発明は、塩素を副生しない苛性ソーダの製造に使用することができる。
Claims (6)
- イオン交換膜法によりナトリウム塩水溶液を電気分解して苛性ソーダを製造する方法において、陽極に水素ガス拡散電極を用い、陰極室で苛性ソーダを生成し、陽極室で酸を生成させ、該酸をソーダ灰および/または重炭酸ソーダと反応させてナトリウム塩を生成し、それを電気分解に用いることを特徴とする苛性ソーダの製造方法。
- ソーダ灰および/または重炭酸ソーダと陽極室内において生成する酸の反応を陽極室中で行うことを特徴とする請求項1に記載の苛性ソーダの製造方法。
- 陽極室の電解液を2≦pH≦6で電気分解することを特徴とする請求項1または2記載の苛性ソーダの製造方法。
- ナトリウム塩が、塩化ナトリウムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の苛性ソーダの製造方法。
- ナトリウム塩が、硫酸ナトリウムまたは硝酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の苛性ソーダの製造方法。
- 陰極が、酸素ガス拡散電極であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の苛性ソーダの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012152814A JP2014015649A (ja) | 2012-07-06 | 2012-07-06 | 苛性ソーダの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012152814A JP2014015649A (ja) | 2012-07-06 | 2012-07-06 | 苛性ソーダの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014015649A true JP2014015649A (ja) | 2014-01-30 |
Family
ID=50110597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012152814A Pending JP2014015649A (ja) | 2012-07-06 | 2012-07-06 | 苛性ソーダの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014015649A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109735868A (zh) * | 2018-08-26 | 2019-05-10 | 熵零技术逻辑工程院集团股份有限公司 | 一种电解装置 |
KR20220048590A (ko) * | 2020-10-13 | 2022-04-20 | (주) 테크윈 | 수산화나트륨 생성장치 및 이를 포함하는 차아염소산나트륨 생성장치 |
CN116770334A (zh) * | 2022-03-23 | 2023-09-19 | 李枭 | 一种氢氧化钠生产系统 |
-
2012
- 2012-07-06 JP JP2012152814A patent/JP2014015649A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109735868A (zh) * | 2018-08-26 | 2019-05-10 | 熵零技术逻辑工程院集团股份有限公司 | 一种电解装置 |
KR20220048590A (ko) * | 2020-10-13 | 2022-04-20 | (주) 테크윈 | 수산화나트륨 생성장치 및 이를 포함하는 차아염소산나트륨 생성장치 |
WO2022080793A1 (ko) * | 2020-10-13 | 2022-04-21 | (주)테크윈 | 수산화나트륨 생성장치 및 이를 포함하는 차아염소산나트륨 생성장치 |
KR102433195B1 (ko) * | 2020-10-13 | 2022-08-19 | (주)테크윈 | 수산화나트륨 생성장치 및 이를 포함하는 차아염소산나트륨 생성장치 |
CN116770334A (zh) * | 2022-03-23 | 2023-09-19 | 李枭 | 一种氢氧化钠生产系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2023733C (en) | Chlorine dioxide generation from chloric acid | |
US5198080A (en) | Electrochemical processing of aqueous solutions | |
CN102405308B (zh) | 高氯酸盐的制造方法及制造装置 | |
TW201831729A (zh) | 過硫酸銨的製造方法 | |
CN114450436A (zh) | 用于制备氯、一氧化碳和任选的氢的方法和电解设备 | |
JP7163841B2 (ja) | 過硫酸アンモニウムの製造方法 | |
US6740223B2 (en) | Electrolytic process for the production of chlorine dioxide | |
CN114000172A (zh) | 一种捕集、还原二氧化碳并联产氧气或氯气的方法 | |
CN105154910A (zh) | 一种碱的生产工艺 | |
JP2014015649A (ja) | 苛性ソーダの製造方法 | |
EP0532535B1 (en) | Electrochemical production of acid chlorate solutions | |
JP3380658B2 (ja) | アルカリ溶液の精製方法 | |
JP2014015648A (ja) | 苛性ソーダの製造方法 | |
RU1836493C (ru) | Способ получени диоксида хлора | |
US5284553A (en) | Chlorine dioxide generation from chloric acid | |
US20120247970A1 (en) | Bubbling air through an electrochemical cell to increase efficiency | |
CN102839383A (zh) | 一种基于氯碱用全氟离子交换膜的有机酸盐电解制备有机酸的方法 | |
JPS6342386A (ja) | 硝酸カリウムの製法 | |
CN102644090A (zh) | 电渗电解法从硼矿石中制取硼酸的方法 | |
JP5755997B2 (ja) | 過塩素酸塩製造装置、および、過塩素酸塩製造方法 | |
CN109055966A (zh) | 一种电化学-化学联合制备二氧化氯的方法 | |
JP3568294B2 (ja) | 塩水中の塩素酸塩の増加防止方法 | |
JPH11323586A (ja) | 金属塩からなるアマルガムを電気分解により製造する方法 | |
JP2022129759A (ja) | 過硫酸アンモニウムの製造方法 | |
JP2012067367A (ja) | 過塩素酸アンモニウムの製造装置および製造方法 |