JP7148899B2 - 複合容器の製造方法 - Google Patents
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Description
今般、本発明者らは、ブロー成形による複合プリフォームの膨張を良好に行うための複合プリフォームの加熱工程において、プラスチック製部材にその周りを覆われるプリフォームを良好なブロー成形が可能な温度まで加熱することにより、プラスチック製部材が過度に加熱されてしまい、その表面に気泡等の欠陥を生じさせてしまう可能性があるとの知見を得た。
プラスチック材料製のプリフォームを準備する工程と、
プラスチック製部材を準備する工程と、
プリフォームを加熱する工程と、
プリフォームをプラスチック製部材へ嵌め込む工程と、
プリフォームおよびプラスチック製部材を加熱するとともにブロー成形金型内に挿入する工程と、
加熱後のプリフォームおよび前記プラスチック製部材に対してブロー成形を施すことにより、プリフォームおよび前記プラスチック製部材を一体として膨張させる工程と、
を含んでなることを特徴とする。
本発明に係る複合容器10Aの製造方法は、
プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する工程と、
チューブ状のプラスチック製部材40aを準備する工程と、
プリフォーム10aを加熱する工程と、
プリフォーム10aをプラスチック製部材40aへ嵌め込む工程と、
プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを加熱するとともにブロー成形金型内に挿入する工程と、
加熱後のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aに対してブロー成形を施すことにより、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを一体として膨張させる工程と、を含んでなる。
また、本発明の方法は、所望により、プリフォーム10aをプラスチック製部材40aへ嵌め込む工程後、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを加熱するとともにブロー成形金型内に挿入する工程前に、プラスチック製部材40aを加熱しプリフォーム10aに密着させる工程を含む。
図1に示すように、本発明の方法により得られる複合容器10Aは、内側に位置するプラスチック材料製の容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40とを備えている。
このうち容器本体10は、口部11と、口部11下方に設けられた首部13と、首部13下方に設けられた肩部12と、肩部12の下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30とを備えている。なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ複合容器10Aを正立させた状態(図1)における上方および下方のことをいう。
プラスチック製部材40は、容器本体10の外面に薄く延ばされた状態で密着されており、容器本体10に対して容易に移動又は回転しない状態で取付けられている。また、図1に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10を取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
プラスチック製部材40の容器本体10からの分離(剥離)の方法としては、例えば刃物等を用いてプラスチック製部材40を切除したり、プラスチック製部材40に予め切断線を設け、この切断線に沿ってプラスチック製部材40を剥離したりすることができる。上記のような方法により、プラスチック製部材40を容器本体10から分離除去することができるので、従来と同様に無色透明な容器本体10をリサイクルすることができる。
プリフォーム10aは、図3に示すように、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えている。このうち口部11aは、上述した容器本体10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。また、胴部20aは、上述した容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部30aは、上述した容器本体10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。
樹脂材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)やアイオノマー樹脂を使用することが好ましい。また、上述した各種樹脂をブレンドして用いても良い。
また、プリフォーム10aは、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の着色剤を含んでいても良いが、リサイクルのしやすさを考慮した場合、これら着色剤を含まず、無色透明であることが好ましい。
例えば、中間層をMXD6、MXD6+脂肪酸塩、PGA(ポリグリコール酸)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)等のガスバリア性及び遮光性を有する樹脂(中間層)を含んでなる層として、3層以上からなるプリフォーム10aを成形後、ブロー成形することによりガスバリア性及び遮光性などを有する多層成形ボトルを得ることができる。なお、中間層としては、上述した各種樹脂をブレンドした樹脂などを用いても良い。
また、上記のようにして作製したプリフォーム10a以外にも市販されるものを使用してもよい。
一実施形態において、図4(a)に示すように、プラスチック製部材40aは、チューブ状(有底円筒形状)からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有していても良い。この場合、プラスチック製部材40aの底部42がプリフォーム10aの底部30aを覆うので、複合容器10Aとした際に、その胴部20に加え、底部30に対しても様々な機能や特性を付与することができる。
また、他の実施形態において、図4(b)に示すように、プラスチック製部材40aは、全体としてチューブ状(無底円筒形状)からなり、円筒状の胴部41を有していても良い。
さらに他の実施形態において、図4(c)および図4(d)に示すように、プラスチック製部材40aは、フィルムを筒状に形成してその端部を貼り合わせることにより作製されたものであっても良い。この場合、図4(c)に示すように、プラスチック製部材40aは、胴部41を有するチューブ状(無底円筒形状)に構成されていても良く、図4(d)に示すように、底部42を貼り合わせることにより有底円筒形状に構成されていても良い。
また、プラスチック製部材40aは、熱収縮性を有するものであっても、有しないものであってもよいが、プリフォーム10aに対する密着性をいう観点からは、熱収縮性を有するものであることが好ましい。
なお、熱収縮性プラスチック製部材40aの長さとは、図6に示されるように、余白部80aを含む長さXをいう。また、プリフォーム10aの長さとは、図7に示されるように、首部13aから底部30aまでの長さYをいう。
このうちPE、PP、PET、PEN等の熱可塑性非弾性樹脂を含ませることが好ましい。
また、樹脂材料は、上記した樹脂を構成する2以上のモノマー単位が重合した共重合体を含んでいても良い。さらに、樹脂材料は上記した樹脂を2種以上を含んでなるものであってよい。
プラスチック製部材40aが多層からなるものである場合、例えば、最内面と最外面との層構成が同じであっても、異なっていてもよい。
具体的な層構成としては、最内面から、低密度PE/接着層/EVOH/接着層/低密度PEのもの、PP/接着層/EVOH/接着層/PPのものなどを挙げることができる。
この場合の接着層を構成する接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤などが挙げられる。
この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォーム等を用いることなく、複合容器10Aのガスバリア性を高め、容器内への酸素の侵入を防ぎ、内容液が劣化することを防止し、また、容器内から外部への水蒸気の蒸散を防ぎ、内容量が減少することを防止することができる。
例えば、容器本体10のうち、肩部12、首部13および胴部20の全域および底部30の一部にプラスチック製部材40を設け、この部分のガスバリア性を高めても良い。
このような材料としては、PE、PP、MXD-6、PGA、EVOH、PENまたはこれらの材料に脂肪酸塩等の酸素吸収材を混ぜることも考えられる。
なお、プラスチック製部材40aが多層からなる場合は、ガスバリア性を有する材料からなる層を備えていてもよい。
この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォーム等を用いることなく、複合容器10Aの光線バリア性を高め、紫外線等により内容液が劣化することを防止することができる。
例えば、容器本体10のうち、肩部12、首部13、胴部20の全域および底部の一部にプラスチック製部材40aを設け、この部分の紫外線バリア性を高めても良い。
このような材料としては、上記した樹脂を2種類以上含んでなる樹脂材料、またはPETやPE、PPに遮光性樹脂を添加した材料が考えられる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることにより作製された、0.5~100μmの発泡セル径を持つ発泡部材を使用しても良い。
なお、プラスチック製部材40aが多層からなる場合は、光線バリア性を有する材料からなる層を備えていてもよい。
この場合、容器本体10そのものの厚みを厚くすることなく、内容液の温度が複合容器10Aの表面まで伝達しにくくすることが可能となる。これにより、複合容器10Aの保温性又は保冷性が高められる。
例えば、容器本体10のうち胴部20の全部又は一部にプラスチック製部材40を設け、胴部20の保温性又は保冷性を高めても良い。また、使用者が複合容器10Aを把持した際、熱すぎたり冷たすぎたりすることにより複合容器10Aを持ちにくくなることが防止される。このような材料としては、発泡化したポリウレタン、ポリスチレン、PE、PP、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂、シリコーン、ポリイミド、メラミン樹脂などが考えられる。
なお、プラスチック製部材40aが多層からなる場合は、保温性又は保冷性の高い材料(熱伝導性の低い材料)からなる層を備えていてもよい。
また、これら樹脂を含んでなる樹脂材料に、中空粒子を混合することが好ましい。中空粒子の平均粒子径は、1~200μmであることが好ましく、5~80μmであることがより好ましい。また、中空粒子としては、樹脂などから構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラスなどから構成される無機系中空粒子であってもよいが、分散性が優れるという理由から、有機系中空粒子が好ましい。有機系中空粒子を構成する樹脂としては、例えば、架橋スチレン-アクリル樹脂などのスチレン系樹脂、アクリロニトリル-アクリル樹脂などの(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂などを挙げることができる。また、ローペイクHP-1055、ローペイクHP-91、ローペイクOP-84J、ローペイクウルトラ、ローペイクSE、ローペイクST(ロームアンドハース(株)製)、ニポールMH-5055(日本ゼオン(株)製)、SX8782、SX866(JSR(株)製)などの市販される中空粒子を用いることも出来る。
中空粒子の含有量としては、プラスチック製部材40aが単層からなる場合、プラスチック製部材40aに含有される樹脂材料100質量部に対して、0.01~50質量部であることが好ましく、1~20質量部であることがより好ましい。また、プラスチック製部材40aが多層からなる場合、中空粒子が含まれるプラスチック製部材40aの層に含有される樹脂材料100質量部に対して、0.01~50質量部であることが好ましく、1~20質量部であることがより好ましい。
この場合、容器本体10の材料を変更することなく、使用者が複合容器10Aを把持しやすくすることができる。例えば、容器本体10のうち胴部20の全部又は一部にプラスチック製部材40を設け、胴部20を持ちやすくしても良い。
なお、プラスチック製部材40aが多層からなる場合は、プリフォーム10aを構成するプラスチック材料よりも滑りにくい材料からなる層を備えていてもよい。この場合、該層は、プラスチック製部材40aの最外の層であることが好ましい。
例えば、容器本体10のうち胴部20の全部又は一部にプラスチック製部材40を設け、胴部20に画像や文字を表示しても良い。
印刷は、例えばインクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法により行うことができる。例えば、インクジェット法を用いる場合、プラスチック製部材40a(40)にUV硬化型インクを塗布し、これにUV照射を行い、硬化することにより印刷層を形成させることができる。この印刷は、プリフォーム10aに嵌め込む前のプラスチック製部材40aに対して施されても良く、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けた状態で施されても良い。さらに、ブロー成形後の複合容器10Aのプラスチック製部材40に印刷が施されても良い。
成形方法としては、例えば、深絞り成形、または樹脂シートをチューブ状に成形し、その端部を融着、または接着する方法などが挙げられる。
また、多層からなるプラスチック製部材40aは、2以上の樹脂シートを、上記した接着剤を介して積層させた積層樹脂シートを成形することにより得ることができる。
上記樹脂シートは、市販品を用いてもよいし、従来公知の方法により製造することができる。本発明においては、押出成形により製造することが好ましく、押出成形が、Tダイ法またはインフレーション法により行われることが好ましい。
(1)まず樹脂材料51を加熱溶融し、ダイ52からチューブ状に押し出し、チューブ状パリソン53を形成させ、
(2)次いで、図8(b)に示すように、例えば2分割の金型54によりチューブ状パリソン53を挟み込み、
(3)次いで、図8(c)に示すように、吹き込みノズル55よりチューブ状パリソン53内に空気を吹き込み、チューブ状パリソン53を金型54に合わせて成形し、冷却、型開き、取り出しを順次行うことにより、図8(d)に示すような有底円筒形状のプラスチック製部材40aを得ることができる(ダイレクトブロー成形)。
本方法によれば、金型の設計を変更することにより、得られるプラスチック製部材40aの設計を変更することができ、プリフォーム10aとの密着性の高いプラスチック製部材40aを作製することができる。
まず、上記した樹脂材料等を、押出装置内で加熱溶融し、溶融した樹脂材料等をリングダイより連続的に押し出し、冷却することにより、未延伸の押出チューブ1に成形する(図9(a)参照)。なお、多層からなるプラスチック製部材40aは、2以上の樹脂材料を共押し出しすることにより、作製することができる。
次いで、この未延伸の押出チューブの一端を溶着または接着することによって、押出チューブの一端を閉鎖する。
さらに、この一端が閉鎖された押出チューブ1を、押出チューブ1の外径よりも大きい内径を有する金型2内に配置する(図9(b)参照)。
次いで、押出チューブ1の他端にブロー装置3を配置(装着)する(図9(c)参照)。このとき、ブロー装置3は、押出チューブ1と、これらの間からエアが漏れないよう密着させることが好ましい。
続いて、押出チューブ1、金型2およびブロー装置3を、この配置のまま加熱炉4に送り込み、加熱炉4の内部で70~150℃に加熱する(図9(d)参照)。加熱炉4としては、その内部を均一な温度にするために、熱風循環式加熱炉を用いても良い。あるいは押出チューブ1、金型2およびブロー装置3を、加熱した液体中を通過させることにより、これらを加熱しても良い。
次に、押出チューブ1、金型2およびブロー装置3を、加熱炉4から取り出し、ブロー装置3から押出チューブ1内にエアを噴出することにより、押出チューブ1の内面を加圧延伸する。これにより、押出チューブ1は、膨張し、金型2の内面形状に沿って拡径される(図9(e)参照)。
その後、ブロー装置3からエアを噴出した状態のまま、押出チューブ1を冷水中で冷却し、押出チューブを金型2から取り出す(図9(f)参照)。これを所望の大きさにカットすることにより熱収縮性のプラスチック製部材40aを得ることができる(図9(g)参照)。
本発明の方法は、プリフォーム10aを加熱する工程を含んでなる。プラスチック製部材40aへの嵌め込み前に、プリフォーム10aを加熱しておくことにより、嵌め込み後における加熱時間を短縮することができ、プラスチック製部材40aの過度の加熱を防止することができる。また、プリフォーム10aを直接加熱することができるため、作業効率を向上させることができる。
加熱方法は特に限定されず、赤外線や、温風等を用いて適宜行うことができる。
なお、加熱温度とは加熱時のプリフォーム10aの表面温度のことであり、赤外線や、温風等の照射温度のことではない。
また、プリフォーム10aの加熱時間は、使用する加熱装置および使用温度にもよるが、5秒以上、300秒以下であることが好ましく、8秒以上、90秒以下であることがより好ましい。プリフォーム10aの加熱時間を上記数値範囲とすることにより、その後のブロー成形をより良好に行うことができる。
本発明の方法は、プリフォーム10aをプラスチック製部材40aへ嵌め込む工程を含んでなる。
本発明の方法は、プラスチック製部材40aが熱収縮性を有する場合、嵌め込み後、プラスチック製部材40aを加熱し、プリフォーム10aに密着させる工程を含んでいてもよい。
プラスチック製部材40aの加熱温度は、50℃以上、150℃以下であることが好ましく、70℃以上、120℃以下であることがより好ましい。
加熱方法は特に限定されず、赤外線や、温風等を用いて適宜行うことができる。
なお、加熱温度とは加熱時のプラスチック製部材40aの表面温度のことであり、赤外線や、温風等の照射温度のことではない。
また、プラスチック製部材40aの加熱時間は、使用する加熱装置および使用温度にもよるが、2秒以上、30秒以下であることが好ましく、5秒以上、15秒以下であることがより好ましい。プリフォーム10aの加熱時間を上記数値範囲とすることにより、その後のブロー成形をより良好に行うことができる。
本発明の方法は、プラスチック製部材40aが図4(b)に示されるようなチューブ状の形状有する場合、嵌め込み工程、またはプラスチック製部材40aを加熱し、プリフォーム10aに密着させる工程後に、プラスチック製部材40aの余白部80aを熱圧着する工程を含んでいてもよい。
熱圧着の方法は、特に限定されず、赤外線や、温風等により加熱された余白部を挟み込む等して、圧着することができるものであれば特に限定されず、例えば、金属製や耐熱性の樹脂製の器具(以下、場合により「圧着器具」という)を利用することができ、それらを組み合わせても良い。
一実施形態において、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均等に加熱される。
また、プラスチック製部材40aの加熱温度は、80℃以上、180℃以下であることが好ましく、90℃以上、130℃以下であることがより好ましい。
加熱方法は特に限定されず、赤外線や、温風等を用いて適宜行うことができる。
なお、加熱温度とは加熱時のプリフォーム10a、プラスチック製部材40aの表面温度のことであり、赤外線や、温風等の照射温度のことではない。
また、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱時間は、使用する加熱装置および使用温度にもよるが、0.5秒以上、60秒以下であることが好ましく、2秒以上、20秒以下であることがより好ましい。加熱時間を上記数値範囲とすることにより、プラスチック製部材40aが過度に加熱され、その表面に気泡等の欠陥が生じてしまうことを防止することができる。
また、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱は、プリフォーム10aを単独で加熱する工程により加熱されたプリフォーム10aの温度が低下する前に行うことが好ましく、本工程によるプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱直前のプリフォーム10aの温度は、65℃以上であることが好ましく、75℃以上であることがより好ましい。また、プリフォーム10aを単独で加熱する工程後、60秒以内に本工程による加熱が行われることが好ましく、40秒以内に行われることがより好ましい。
一実施形態において、ブロー成形金型50は、互いに分割された一対の胴部金型50a、50bと、底部金型50cとからなる(図11(b)参照)。図11(b)において、一対の胴部金型50a、50b間は互いに開いており、底部金型50cは上方に上がっている。この状態で一対の胴部金型50a、50b間に、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aが挿入される。図11(c)に示すように、底部金型50cが下がったのちに一対の胴部金型50a、50bが閉鎖され、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cにより密閉されたブロー成形金型50が構成される。
ブロー成形の際、胴部金型50a、50bは30℃以上、80℃以下まで加熱されていることが好ましく、底部金型50cは5℃以上、25℃以下まで冷却されていることが好ましい。
ブロー成形金型50内において、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを一体としてブロー成形することにより、これらは、ブロー成形金型50の内面に対応する形状に賦形される。
次に、図11(d)に示すように、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cが互いに離れ、ブロー成形金型50内から複合容器10Aが取出される。
(プリフォーム10aを準備する工程)
射出成形機を使用して、図7に示すPET製のプリフォーム10aを作製した。このプリフォーム10aの重量は、23.8gであった。
ポリオレフィン樹脂を溶融し、リング状のダイから押出した。次いで、押出されたチューブ内面を加圧、またはチューブ外面を内面より陰圧とし拡径を行い、図4(b)に示す、その内径が27mmである熱収縮性プラスチック製部材40a作製した。
準備したプリフォーム10aを赤外線ヒーターを用いて、プリフォーム10aの表面が90℃となるまで加熱した。加熱時間は25秒であった。
手作業により、プリフォーム10aのプラスチック製部材40aへの嵌め込みを行った。
嵌め込み後、プラスチック製部材40aを温風ドライヤーを用いて、プラスチック製部材40aの表面が110℃となるまで加熱し、プラスチック製部材40aを熱収縮させ、プリフォーム10aに密着させた。加熱時間は8秒であった。
次いで、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを赤外線ヒーターを用いて、プリフォーム10aが100℃となるまで加熱し、図11(b)に表されるブロー成形金型に搬送した。その際のプラスチック製部材40aの表面は、120℃であった。このブロー成形金型内において、嵌め込み後のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aをブロー成形し、満注容量が500mLの複合容器10Aを得た。複合容器10Aの表面は、気泡などの欠陥が全く見られず、その外観は良好であった。なお、加熱時間は5秒であった。また、プリフォーム10aを加熱する工程から本工程までに要した時間は30秒であった。
射出成形機を使用して、図7に示すPET製のプリフォーム10aを作製した。このプリフォーム10aの重量は、23.8gであった。
ポリオレフィン樹脂を溶融し、リング状のダイから押出した。次いで、押出されたチューブ内面を加圧、またはチューブ外面を内面より陰圧とし拡径を行い、図4(b)に示す、その内径が27mmである熱収縮性プラスチック製部材40a作製した。
実施例1とは異なり、プリフォーム10aを加熱することなく、手作業により、プリフォーム10aの嵌め込みを行った。
嵌め込み後、プラスチック製部材40aを温風ドライヤーを用いて、プラスチック製部材40aの表面が110℃となるまで加熱し、プラスチック製部材40aを熱収縮させ、プリフォーム10aに密着させた。加熱時間は8秒であった。
次いで、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを赤外線ヒーターを用いて、プリフォーム10aが100℃となるまで加熱し、図11(b)に表されるブロー成形金型に搬送した。その際のプラスチック製部材の表面は、140℃であった。このブロー成形金型内において、嵌め込み後のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aをブロー成形し、満注容量が500mLの複合容器10Aを得た。複合容器10Aの表面は、気泡が発生しており、その外観は良好と言えるものではなかった。なお、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱時間は25秒であった。
Claims (6)
- プラスチック材料製のプリフォームを準備する工程と、
プラスチック製部材を準備する工程と、
前記プリフォームを単独で加熱する第1の加熱工程と、
前記第1の加熱工程の後、前記プリフォームを前記プラスチック製部材へ嵌め込む工程と、
前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を加熱する第2の加熱工程と、
前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材をブロー成形金型内に挿入する工程と、
前記第2の加熱工程の後の前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材に対してブロー成形を施すことにより、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を一体として膨張させることにより、容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを有する複合容器を得る工程と、
を含み、
前記プラスチック製部材は、最内面に位置するポリプロピレン層と、中間に位置するエチレンビニルアルコール共重合体層と、最外面に位置するポリプロピレン層と、を含むことを特徴とする、複合容器の製造方法。 - 前記プリフォームをプラスチック製部材へ嵌め込む工程の後、前記第2の加熱工程の前に、前記プラスチック製部材を加熱し、前記プリフォームに密着させる第3の加熱工程が設けられている、請求項1に記載の方法。
- 前記第1の加熱工程における前記プリフォームの加熱温度が、70℃以上、120℃以下である、請求項1または2に記載の方法。
- 前記第2の加熱工程における前記プリフォームの加熱温度が、80℃以上、135℃以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2の加熱工程における前記プラスチック製部材の加熱温度が、80℃以上、180℃以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記プラスチック製部材の底部側の一端に位置する余白部を熱圧着する工程をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
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