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JP7145156B2 - 二量体造影剤 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、画像診断の分野および改善された緩和能を有する新規の造影剤に関する。より詳細には、本発明は、常磁性金属イオンをキレート化することができる二量体大員環化合物、金属イオンとのそれらのキレート錯体、および磁気共鳴画像法(MRI)における造影剤としてのそれらの使用に関する。
技術水準
磁気共鳴画像法(MRI)は、臨床診断において、ますます多くの適応症への使用が増えている著名な画像診断法である。
この技術の紛れもない成功は、優れた時間的および空間的解像度、軟組織を区別する卓越した能力、および例えば、X線、PET、SPECTとは対照的に、非侵襲性で電離放射線がないことによるその安全性など、それがもたらす利点によるものである。
MRI画像化では、コントラストは、種々の身体の臓器や組織中の水プロトンの縦方向T1と横方向T2の緩和時間に存在する差に起因し、これにより、水の分布の高解像度三次元画像のin vivoでの取得を可能にしている。
MRI画像化において記録された信号の強度は、本質的に、水プロトンの縦緩和率1/T1および横緩和率1/T2の局所値から生じ、1/T1値(水プロトンの縦緩和率)の増加と共に増加し、1/T2の増加とともに減少する。言い換えれば、T1が短いほど、MRIで記録された信号の強度が高く、診断画像は良好である。
医療用MRIは、それらが分布している組織/器官/体液中の近くの水プロトン緩和率の劇的な変動を引き起こし、コントラストのないMRI画像で一般的に得られる印象的な解剖学的解像度に関連する生理学的情報を付加することによって作用する化合物のクラス、即ちMRI造影剤、の開発からのさらなる恩恵によって大きな広がりをみせている。
MRI画像化技術において使用される造影剤は、典型的には、環式または非環式キレート配位子、より典型的にはポリアミノポリカルボン酸キレート剤、と錯体化した常磁性金属イオンを含む。最も重要な部類のMRI造影剤は、現在、臨床試験の約1/3で使用されているGd(III)キレートに代表される。実際、Gd(III)は、7つの不対電子および長い電子緩和時間を有する高い常磁性を有し、それにより緩和剤として優れた候補となっている。他方、遊離の金属イオン[Gd(H2O)83+は、低用量(10~20マイクロモル/Kg)であっても生物にとって非常に有毒である。したがって、潜在的に価値のあるMRI造影剤と見なされるためには、Gd(III)錯体は、有毒な金属イオンの放出を防ぐために、高い熱力学的(そしておそらく動的)安定性を示さなければならない。
好ましいMRI造影剤は最適な緩和能をさらに示さなければならない。mM-1-1で表され、通常298Kおよび20MHz(約0.5T)で測定される緩和能(r1p、r2p)は、常磁性錯体の固有の性質であり、その核磁気緩和率(それぞれ隣接する水プロトンの縦緩和率(1/T)および横緩和率(1/T))、したがってMRI造影剤としてのその有効性、を増大させる能力を特徴付ける。一般論として、MRI造影剤の緩和能が高いほど、そのコントラスト増強能力は大きくなり、記録されたMRI画像にもたらされるコントラストは強くなる。
常磁性金属イオンの数多くの錯体が当業界において知られている(例えば:Caravan P. et al. Chem. Rev. 1999, 99, 2293-2352およびUS 4,647,447、US 4,885,363;US 4,916,246;US 5,132,409;US 6,149,890;およびUS 5,980,864参照)。
二量体錯体は、例えばUS 5,277,895、DE 10117242およびDE 19849465に開示されている。
市販のMRI造影剤としては、MAGNEVIST(登録商標)として販売されているGd3+イオンとDTPA配位子との錯体化合物;OMNISCAN(登録商標)として販売されている、DTPA-BMA配位子とのGd3+錯体;ガドベン酸ジメグルミンとして知られ、MultiHance(登録商標)として販売されている、BOPTAのGd3+錯体;DOTAREM(登録商標)として販売されているDOTA配位子のGd3+錯体;HPDO3Aとして知られ、長きにわたりProHance(登録商標)として版売されている、ヒドロキシル化テトラアザ大員環配位子のGd3+錯体;およびGadobutrolとして知られ、Gadavist(登録商標)として販売されている、対応するブチル-トリオール誘導体のGd3+錯体が挙げられる。上記の造影剤はいずれも1個のキレート化ユニットを含み、一般用に設計された非特異的造影剤(NSA)である。
既知の化合物によって、総じて、正確で詳細な診断情報をもたらし放射線科医の現在の要求を満足することが可能な品質の画像形成がもたらされるものの、依然として、緩和能の増大などの改善されたコントラスト造影特性を有する新しい化合物が求められている。
特に、緩和能が改善された化合物は、常磁性造影剤の必要用量を減らし、おそらく画像形成プロセスの取得時間を短縮することが可能である。
発明の概要
本発明は、一般的に、中でも特に改善された緩和能に関して、特に好ましい特性を有する常磁性錯体の製造に有用な、新規な大員環キレート配位子に関する。
一般論として、本発明の一態様は、アミン部分を介して互いに結合した大員環キレートケージの窒素原子上にヒドロキシル化された残基を有する、2つのテトラアザ大員環ユニットを含んでなる、新規の二量体配位子に関する。
本発明はさらに、前記キレート配位子と常磁性金属イオン、特にGd3+、とのキレート錯体、またはその生理学的に許容される塩に関する。
本発明のさらなる態様は、特に、MRI技術の使用による、ヒトまたは動物の体の器官または組織の画像診断のための、造影剤としてのそのようなキレート錯体の使用に関する。
さらなる態様では、本発明は、提供される配位子、常磁性金属イオンとのそれらの錯化合物、およびそれらの製薬上許容される塩の製造のための製造方法、および診断薬の製造におけるそれらの使用に関する。
さらなる態様によれば、本発明は、1以上の生理学的に許容される担体または添加剤と組み合わせて、少なくとも1つの本発明の常磁性錯体化合物またはその薬学的塩を含む、薬学的に許容される組成物に関する。該組成物は、ヒトまたは動物の体の器官または組織の診断上有用な画像を提供するために、MRI造影剤として特に有用である。
したがって、さらなる態様では、本発明は、有効用量の本発明の化合物の使用を含むMRI技術の使用による、体の器官、組織または領域の画像診断のための方法に関する。
発明の詳細な説明
本発明の対象は、式(I)
Figure 0007145156000001
[式中、
Rは、-CH(R)-COOHであり、
ここで
は、H、またはC-CアルコキシもしくはC-Cヒドロキシアルコキシ基で置換されていてもよいC-Cアルキル鎖であり;
nは、1または2であり;
dは、0または1であり;
は、1~3個のX基で置換されたC-Cアルキルであり、
ここで
Xは、式-O-[CH(CHO-)(Rs+1または-O-(CHCHO-)-Rで示される基であり、
は、Xの末端ユニットである-CH(CHO-)または-(CHCHO-)の各酸素原子に結合した、HまたはC-Cアルキル基であり、
rは、1、2、3、4、5、6、7または8であり、および
sは、1、2または3であり;
但し、R中のC-Cアルキルが1個のX基で置換されている場合、rおよびsは1ではない]
で示されるキレート配位子である。
好ましくは式(I)で示される上記化合物において、RはHである。
本明細書において、特に断りのない限り、「アルキル」の意味には、1個の水素原子を除去することにより対応する炭化水素から誘導される、好ましくは炭素原子数30までの、任意の直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖が包含される。特に、「C-C30アルキル」の意味には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル等の、1~30の炭素原子を含んでなる直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖が包含される。同様に、「C-Cアルキル」なる語の意味には、例えばメチル、エチル、プロピルおよびイソプロピル等の、1~3の炭素原子を含んでなる直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖が包含され;「C-Cアルキル」なる語の意味には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル等の1~5の炭素原子を含んでなる直鎖または分岐鎖が包含される。
「ヒドロキシアルキル」なる語の意味には、1またはそれ以上の水素原子がヒドロキシル基で置換された、上記の任意のアルキル部分が包含される。適当な例としては、ヒドロキシメチル(-CHOH)、ヒドロキシエチル(-CHCHOH)、ヒドロキシプロピル(-CHCHCHOH)、ジヒドロキシプロピル(-CH(CHOH)および-CHCHOHCHOH)等の、C-Cヒドロキシアルキルが挙げられる。
「アルコキシ」なる語の意味には、1またはそれ以上の酸素原子をさらに含んでなる、上で定義したアルキル部分が包含され;例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ等のアルキル-オキシ(即ち-Oアルキル)基、並びに、例えば直鎖状のアルキル(ポリ)オキシ、例えば式-O-(CHCHO-)(式中、rは1~8の整数であり、RはC-Cアルキル(例えば、エチル、および好ましくはメチル)である)で示されるもの、または分岐鎖のアルキル(ポリ)オキシ、例えば式-O-[CH(CHO-)(Rs+1(式中、sは1、2または3であり、Rは上記のとおりである)で示されるものを含む、アルキル鎖が1またはそれ以上の、たとえば10個までの、酸素原子によって中断されているアルキル-(ポリ)オキシが包含される。
直鎖状アルキル(ポリ)オキシの適当な例としては、例えば以下の式
-OCHCHOCH、-OCHCHOCHCHOCH、-OCHCHOCHCHOCHCHOCH3、-OCHCHOCHCHOCHCH、-OCHCHOCHCH、-OCHCHOCHCHOCHCHOCHCH、-OCHCHOCHCHOCHCHOCHCHOCH
で示される基等が挙げられ;分岐鎖のアルキル(ポリ)オキシとしては、例えば以下の式
-OCH(CHOCH、-OCH(CHOCH(CHOCH、-OCH(CHOCHCH、-OCH(CHOCH(CHOCHCH
Figure 0007145156000002
で示される基等が挙げられる。
「ヒドロキシアルコキシ」なる語の意味には、アルキル鎖中に1またはそれ以上のヒドロキシル(-OH)をさらに含んでなる、上記の任意のアルキルオキシ基が包含される。適当な例としては、例えば、式中RがHである、上記一般式-O[CH(CHO-)s(s+1および-O-(CHCHO-)Rで示される基、例えば-OCHCHOCHCHOH、-OCH(CHOH)、-OCHCHOCHCHOCHCHOH、-OCHCHOCHCHOCHCHOCHCHOH、-OCH(CHOCH(CHOH)
Figure 0007145156000003
等が挙げられる。
本明細書中、「保護基」なる語は、それが結合している基の機能を保存するのに適した保護基を意味する。具体的には、保護基は、アミノ、ヒドロキシルまたはカルボキシル機能を保存するために使用される。適当なカルボキシルとしては、例えば、ベンジル、アルキル、例えばtert-ブチルまたはベンジルエステル、または当分野で周知の、そのような機能の保護に一般的に使用される他の置換基が挙げられる[一般的な参考書として、T. W. Green and P. G. M. Wuts; Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, N.Y. 1999, third editionを参照]。
さらに、本明細書において、「部分」、「残基」は、ある分子の残り部分に、直接、または任意の適当なリンカーを介して、適切に結合またはコンジュゲートした、その分子の残余部分を定義することを意図する。
特に-[CH(CHO-)]または-(CHCHO-)を参照する場合の「ユニット」なる語は、配列中に2回またはそれ以上反復され得る、原子の群を意味する。「末端ユニット」なる語は、該配列の末端のユニットを意味する。
上記式(I)で示される化合物は、1またはそれ以上の不斉炭素原子(もしくはキラル炭素原子とも称される)を有し得、ジアステレオマーおよび光学異性体を生じ得る。特に断りがない限り、本発明はさらに、そのような可能なジアステレオマー、ならびにそれらのラセミ混合物、それらの実質的に純粋な分割されたエナンチオマー、およびそれらの薬学的に許容される塩の全てを包含する。
本発明はさらに、式(I)で示される所望の化合物、その適切な常磁性複合体または塩の製造における適切な前駆体または中間体として適用される、テトラアザ大員環の窒素原子に結合しているカルボキシル基Rのそれぞれが、薬学的に許容し得る塩の形態であってよい、または酸性基が上で定義した適当な保護基(Pg)で適切に保護されている誘導体(例えば、好ましくはC-Cアルキルエステル、およびより好ましくはtert-ブチルエステル)の形態であってよい、上記式(I)で示される化合物に関する。
一実施形態では、本発明は、式中、dが0である、式(I)で示される二量体化合物に関する。
適当な例としては、式(II)
Figure 0007145156000004
[式中、
nは、1または2であり;および
は、式(I)で示される化合物について定義したとおりである]
で示される二量体が挙げられる。
一実施形態では、式(II)で示される上記化合物において、Rは、1個のX基で置換されたC-Cアルキルである。
適当な例としては、式中、Rは式-(CH-Xで示される基であり、pは1~5の整数であり、Xは式(I)で示される化合物について定義した基であり、rおよびsは1ではない、二量体化合物が挙げられる。
特に、本発明の一実施形態では、式(III)
Figure 0007145156000005
[式中、nは、1または2であり、pは1~5、好ましくは1~3の整数である]
で示される二量体化合物に関する。
一実施形態では、上記式(III)で示される化合物において、Xは、式-O-(CHCHO-)Rで示される基である。
適当な例としては、式(IIIA)
Figure 0007145156000006
[式中、
nおよびRは式(I)で示される化合物について定義したとおりであり、pは1~5、好ましくは1~3の整数であり、rは2~8の整数である]
で示される化合物が挙げられる。
好ましくは、上記式(IIIA)で示される化合物において、
nは、1または2であり;
pは、1、2または3、好ましくは1または2、最も好ましくは2であり;
rは、2~8、好ましくは2~5、の整数であり;および
は、H、またはエチルまたはメチル等のC-Cアルキルである。
より好ましくは、上記化合物において、pは2であり;rは2~5であり;およびRはHまたはメチルである。
特に好ましい実施形態では、本発明は、式中、RはHであり、pは2であり、rは2~4、より好ましくは3である、式(IIIA)で示される二量体化合物に関する。
さらなる実施形態では、本発明は、式中、Xが式-O-[CH(CHO-)(Rs+1で示される基である、式(III)で示される化合物に関する。
適当な例としては、式(IIIB)
Figure 0007145156000007
[式中、pは1~5、好ましくは1~3の整数であり;sは2または3、好ましくは2であり;nおよびRは、式(I)で示される化合物について定義したとおりである]
で示される化合物が挙げられる。
好ましくは、式(IIIB)で示される上記化合物において、pは、1、2または3、より好ましくは1または2であり、RはH、またはエチルまたはメチル等のC-Cアルキルである。
さらなる実施形態では、本発明は、式中、Rは、2または3個のX基で置換されたC-Cアルキルである、式(II)で示される化合物に関する。
適当な例としては、式中、Rは、例えば、
Figure 0007145156000008
好ましくは、
Figure 0007145156000009
から選択される、直鎖状または分岐鎖の、置換されたC-Cアルキル、または、好ましくは
Figure 0007145156000010
から選択される、直鎖状または分岐鎖の三置換C-Cアルキル
(Xは上記のとおりである)である、式(II)で示される化合物が挙げられる。
特に、さらなる実施形態では、本発明は、2個のアルコキシまたはヒドロキシアルコキシ基を含んでなる、式(IV)
Figure 0007145156000011
または式(V)
Figure 0007145156000012
または式(VI)
Figure 0007145156000013
[式中、nは、1または2であり、Xは式(I)で示される化合物について定義したとおりである]
を有する、二量体化合物に関する。
一実施形態では、本発明は、式中、Xが式-O-(CHCHO)-Rで示される基である、上記式(IV)~(VI)で示される化合物に関する。
それらのなかで好ましい化合物は、式(IV A)
Figure 0007145156000014
および式(V A)
Figure 0007145156000015
[式中、
rは、1~8の整数、好ましくは1~5、より好ましくは2、3または4であり、
nは、1または2であり、
は、H、またはエチルまたはメチル等のC-Cアルキルである]
で示される化合物である。
別の一実施形態では、本発明は、上記式(IV)~(VI)[式中、Xは式-O-[CH(CHO-)(Rs+1で示される基である]で示される化合物に関する。
それらのうち、好ましくは式(IV B)
Figure 0007145156000016
および式(VI B)
Figure 0007145156000017
[式中、nおよびRは、式1と同様であり、sは2であり、またはより好ましくは1である]で示される化合物である。
さらなる実施形態では、本発明は、式(I)で示される二量体化合物(式中、dは1である)に関する。
適当な例としては、式(VII)
Figure 0007145156000018
[式中、2個のR基は同じ意味を有し、式(I)の化合物と同意義である]
で示される二量体が挙げられる。
適当な例としては、上記式(VII)(式中、Rは、対応する式(III A)~(VI A)および式(III B)~(VI B)の化合物を包含する、式(III)~(VI)で示される化合物のそれぞれにおいて定義したとおりである]
で示される化合物が挙げられる。
それらのうち好ましくは、以下の式(VIII)
Figure 0007145156000019
式(IX)
Figure 0007145156000020
および式(X)
Figure 0007145156000021
[式中、
pは、1~5、好ましくは1~3、より好ましくは2の整数であり、
rは、1~8、好ましくは1~5、より好ましくは2、3または4の整数であり、
nは、1または2であり、
は、H、またはエチルまたはメチル等のC-Cアルキルである]
を有する二量体化合物である。
好ましい一実施形態では、式(I)で示される上記化合物(したがって式(II)~(X)の化合物を包含する)において、R(RまたはX基中の)は、C-Cアルキル(例えばエチル、より好ましくはメチル)であり、本発明は、式-O-(CHCHO-)CH(式中、rは1~8の整数、より好ましくは2、3、4または5である)または式-O-[CH(CHO-)CH(式中、sは、1または2である)で示される、1またはそれ以上のアルキル(ポリ)オキシ基を含んでなる二量体化合物に関する。
特に好ましい実施形態では、式(I)で示される上記化合物(したがって式(II)~(X)の化合物を包含する)においてRはHであり、本発明は、式-O-(CHCHO-)H(式中、rは1(または2)~8の整数、より好ましくは2、3、4または5である)または式-O[CH(CHO-)H(式中、sは1または2である)で示される、1またはそれ以上のヒドロキシアルコキシ基を含んでなる二量体化合物に関する。
式(I)で示される化合物(したがって式(II)~(X)の化合物を包含する)において最も好ましくは、nは1である。
特に好ましい化合物は、以下からなる群から選択される式(I)で示される化合物またはその塩である:
Figure 0007145156000022
Figure 0007145156000023
Figure 0007145156000024
本発明のさらなる態様では、式(I)で示される化合物(したがって式(II)~(X)の化合物を包含する)の、2個の常磁性金属イオンまたは放射性核種とのキレート錯体、またはその適当な塩に関する。
好ましくは、常磁性金属イオンは互いに等しく、Fe2+、Fe3+、Cu2+、Cr3+、Gd3+、Eu3+、Dy3+、La3+、Yb3+またはMn2+からなる群から選択される。より好ましくは、キレート化された常磁性金属イオンはGd3+イオンである。
放射線療法または放射線診断において用いるための錯体として提供される本発明の好ましい放射性核種としては、105Rh、117mSn、99mTc、94mTc、203Pb、67Ga、68Ga、44Sc、72As、110In、111In、113In、90Y、97Ru、60Cu、62Cu、64Cu、52Fe、51Mn、140La、175Yb、153Sm、166Ho、149Pm、177Lu、186/188Re、165Dy、166Dy、142Pr、159Gd、211Bi、212Bi、213Bi、214Bi、149Pm、67Cu、198Au、199Au、161Tb、167Tmおよび51Crが挙げられる。
本発明の式(I)で示される(および式(II)~(X)を包含する)化合物および2価の常磁性金属イオンとのその常磁性キレートは、薬学的に許容し得る塩の形態、特に生理学的に適合し得る塩基または酸との付加塩、でもよい。
本明細書で用いられる「薬学的に許容し得る塩」なる語は、存在する場合、遊離の酸性基または塩基性基のいずれかを、薬学的に許容されるものとして従来から意図されている任意の塩基または酸との付加塩に変換することによって親化合物が適切に修飾される、本発明の化合物の誘導体を意味する。
本発明の錯体または配位子の塩を調製するために適切に使用することができる無機塩基の好ましいカチオンとしては、例えば、アルカリまたはアルカリ土類金属(例えばカリウム、ナトリウム、カルシウムまたはマグネシウム)のイオンが挙げられる。
有機塩基の好ましいカチオンとしては、例えば、第一級、第二級および第三級アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、モルホリン、グルカミン、N-メチルグルカミン、N,N-ジメチルグルカミン)のカチオンが挙げられる。
本発明の錯体または配位子の塩を調製するために適切に使用することができる無機酸の好ましいアニオンとしては、ハロ酸のイオン(例えば、クロリド、ブロミドまたはヨージド)並びに他の適当なイオン(サルフェート)が挙げられる。
有機酸の好ましいアニオンとしては、塩基性物質の塩の調製のために製薬技術において常套的に用いられるアニオン、例えば酢酸、コハク酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸またはシュウ酸のアニオンが挙げられる。
アミノ酸の好ましいカチオン及びアニオンとしては、例えば、タウリン、グリシン、リジン、アルギニン、オルニチンまたはアスパラギン酸およびグルタミン酸のカチオン及びアニオンが挙げられる。
それ自体またはその薬学的に許容し得る塩の形態としての、式(I)(したがって式(II)~(X)を包含する)で示される化合物およびそのキレート錯体の製造は、本発明のさらなる目的である。
式(I)の化合物、およびそのキレート錯体は、以下の工程を含む一般的合成法により製造することができる:
a)適切に保護された(例えば、その物質のカルボン酸基がtert-ブチルエステルとして保護されている)形態の大員環基質1を得ること;
b)基質1とのカップリング反応に関与しない任意の官能基が場合により適切に保護されている架橋分子2を得ること;
c)架橋分子2と、2個の保護された基質1とをカップリングさせて、適切に保護された形態の所望の式(I)で示される化合物またはその中間体3を得ること:
d)場合により、得られた中間体を、適切に保護された式(I)の化合物に変換すること;
e)保護基を脱離し、式(I)で示されるキレート配位子を単離すること;
および
f)得られた配位子を適当な常磁性金属イオンで錯体化し、キレート錯体またはその塩を単離すること。
この点で、そして特に明記しない限り、用語「中間体」(例えば、2個のマクロ環基質1と架橋分子2との反応から誘導される化合物3に関して)は、所望の生成物(すなわち上記一般的スキームの特定の場合では、工程d)の式(I)の適切に保護された二量体化合物)を得るために、さらなる1つ(またはそれ以上)の反応(例えば架橋分子2の任意の保護された窒素原子を対応するアルキル化誘導体に変換する脱保護/アルキル化反応)を必要とする分子を指す。特に既知の官能基の保護/脱保護および活性化の工程に言及する場合、上記の一般的製造方法の単一の工程は、その任意の変形を包括して、当技術分野で公知の慣用的方法に従って実施することができる。
例えば、次式
Figure 0007145156000025
[式中、すべてのカルボキシルはtert-ブチルエステルとして適切に保護されている]
で示される、本発明の製造方法の工程a)の適当な基質1Aは、例えばOrg. Synth. 2008, 85, 10の開示に従って得ることができる。
本発明の使用に適した架橋分子2は市販されているか、または当業者に知られている手順に従って容易に調製することができる。適切な例としては、例えば、市販されているか、または当業者に知られている合成手順に従って容易に得ることができる、式NHで示されるアミンまたは式NH(R)-CHCH-NH(R)で示されるジアミン(式中、Rは式(I)の化合物について定義した通りである)、またはその適切に官能基化された誘導体またはその前駆体(例えばRの代わりに窒素原子上に保護基Pgを有する)が挙げられる。
保護された架橋分子2の調製、それらの適切な基質分子1とのカップリング、および場合により、得られた中間体の所望の式(I)の化合物への変換に関する具体的手順の例は、関連する操作の詳細と共に実験のセクションに記載する。
例えば上記の一般的合成手順の工程e)を実施するための、可能な保護基および開裂条件に関する一般的な参考文献として、上で引用した“T. W. Green and P. G. M. Wuts; Protective groups in organic synthesis” Wiley 3rd Ed. Chapters 5 and 7を参照のこと。
前の一般的製造スキームの工程f)から得られた式(I)の化合物の、
常磁性イオン、特にガドリニウム、との錯体化は、配位子の溶液に対して周知の実験方法に従って、例えば例えばEP230893に報告されているように、作業することにより、例えば、適切なGd(III)誘導体、特にGd(III)塩または酸化物、の化学量論的付加により実施することができる。
本発明のキレート配位子、または二価金属イオンとのキレートの任意の塩化は、遊離の酸性基を対応する製薬上許容される塩に適切に変換することによって実施することができる。この場合も、本発明の化合物の任意の塩化のために使用される操作条件は全て当業者の通常の知識の範囲内である。
式(I)の化合物およびそのキレート錯体を得る上記の一般的手順の例示的な実施については、以下に示される。
例えば、本発明の二量体化合物は、以下の一般的スキーム1に示された合成手順を用いることによって都合よく調製することができる。
Figure 0007145156000026
上記スキームにおいて、架橋分子2を2個の基質1Aユニットと反応させて中間体3を得る。上記スキームにおいて、(架橋部分の)窒素原子は保護された形態であり、これは最初に脱保護され、次いで適切なR基でアルキル化され、式(II)の保護された二量体を得、カルボキシル保護基の開裂後にガドリニウム金属イオンと錯体化させて所望のビス-Gd錯体が得られる。
式(II)の二量体化合物は、以下のスキーム2に示される合成手順を用いることにより調製することもできる。
Figure 0007145156000027
この方法によれば、実験のセクションに詳細に記載されているように、市販のエピクロロリドリンと基質1Aとの反応により、適切に保護された基質1B
Figure 0007145156000028
[式中、Lgは、OMs、OTs、Br、Iおよび、好ましくはCl、等の脱離基である]が最初に得られ、次いで適当なアミンR-NHと反応させて、保護されたカルボキシル基を有する式3の化合物を得、上記のように脱保護および錯体化される。
2個の窒素原子を有する架橋分子を含む式(VII)の化合物は、例えば、以下のスキーム3に示された合成手順に従って、適切なビス-アミン分子2(例えば、式NH(R)-CHCH-NH(R)または2つの窒素原子は保護された形態である対応する架橋分子)を用いることにより同様に得ることができる。
Figure 0007145156000029
本発明の式(I)の好ましい化合物の製造の具体例は、上記の製造法で用いられる操作条件の一般的な参考として記載する以下の実験のセクションにおいてさらに記載される。
本発明の式(I)の二量体は、大員環ケージの窒素原子上にそれぞれヒドロキシル化アームを有する2つのテトラアザ大員環を含み、それらテトラアザ大員環は1つまたは2つの-N(R)-を含むアミン部分によって互いに結合している。
これらの特有の構造成分を有する本発明の二量体常磁性錯体は、高い緩和能および安定性を示すことが証明されている。
式(I)のいくつかの代表的な錯体化合物について測定された緩和能r1p値は、日常的に診断用診療に使用されているいくつかの既知のMRI造影剤(例えば、DOTAREM(登録商標)として販売されているGd-DOTA、およびProHance(登録商標)として販売されているGd-HPDO3A)について、同じ条件で測定されたr1p値との比較として実験のセクションのTable Aに示される。定義として、緩和能データ(したがってTable Aのものを含む)は、ガドリニウム濃度(mM)で表される。
興味深いことに、本発明の二量体錯体化合物について測定された緩和能r1p値は、市販の造影剤について(同じガドリニウム濃度で)記録された値よりも少なくとも2倍高い。
特に、本発明の式(I)の常磁性錯体化合物は、37℃、約1.4Tで、ヒト血漿中で測定した緩和能r1p値が、少なくとも約8mM-1-1、好ましくは9mM-1-1、より好ましくは10mM-1-1(ガドリニウムに対して標準化された)よりも高い。
さらに、本発明の常磁性錯体化合物は、例えばHSAを含む、ヒト血漿タンパク質とのタンパク質結合が無視できないにしても低いことが証明されている。
さらに、出願人は、本発明の二量体化合物の各大員環ケージ上のヒドロキシル化されたペンダントアームの存在が、好ましい緩和能および溶解度を有する錯体化合物をもたらすことに加えて、最適化された粘度を備えた対応する錯体の常磁性の水溶液を得るのに寄与し得ることを観察した。
有利なことに、本発明の薬剤によって示される高い緩和能は、現在の造影剤と比較して、診断上有効な用量を減らすことを可能にし得る。したがって、常磁性錯体、特に式(I)の化合物のガドリニウム錯体、またはその医薬上許容される塩は、in vivo、in vitroまたはex vivoでの、ヒトまたは動物の体の器官、組織または領域の画像診断における一般的使用を意図した医薬製剤の製造において有利に用いられる。
さらなる態様によれば、本発明は、MRI技術の使用による、ヒトまたは動物の体の器官、組織または領域、あるいは生きた哺乳動物患者、好ましくはヒト患者に由来する細胞、体液および生体組織を含む生物学的試料の、in vivo、in vitroまたはex vivoでの画像診断に使用するための医薬製剤を調製するための、常磁性金属イオン、特にガドリニウム、との錯体の形態の式(I)の化合物の使用に関する。
本発明のさらなる態様は、1以上の生理学的に許容される賦形剤、希釈剤または溶媒と組み合わせて、式(I)の化合物の常磁性金属錯体の形態、または適切な場合(すなわち、二価の常磁性金属イオンとの錯体の場合)その薬学的な塩を含む診断用医薬組成物に関する。好ましくは、医薬組成物は造影剤組成物であり、そしてより好ましくは少なくとも1つの本発明のGd錯体を含むMRI造影剤組成物である。
さらなる態様において、本発明は、1以上の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または溶媒と組み合わせて、有効量の少なくとも1つの本発明のキレート化合物、特に式(I)のガドリニウム錯体を含むMRI造影剤に関する。
この範囲で、そして他に断りがない限り、本明細書で使用される「有効量」または「有効な用量」なる用語は、その診断目的、すなわち、例えば、細胞、体液および生物学的組織を含む生物学的成分をex vivoで可視化すること、または患者の身体の器官、組織または領域のin vivoでの診断画像化、を満足するのに十分な、本発明の式(I)の常磁性キレート錯体またはその医薬組成物の量を指す。
特に明記しない限り、本明細書で使用される「個々の患者」または「患者」とは、生きているヒトまたは動物患者、好ましくはMR診断評価を受けているヒトを指す。
投与量、剤形、投与方法、薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、アジュバントなどに関する詳細は当技術分野において公知である。
興味深いことに、そして上で記載したように、少なくとも市販のMRI造影剤での日常的使用において得られる場合に匹敵する、本発明による常磁性錯体の適切な投与量、すなわち体の器官、組織または領域の診断に有効な可視化を可能にする投与量は、市販の非特異的造影剤で現在使用されている量よりも少ない量の常磁性錯体を含むことができる。
例えば、医師に適切な診断支援を提供する満足のいく診断用MRI画像は、一般に日常診療で成人患者に使用されるMRI造影剤の用量(患者の体重1kgあたり約0.1mmolである)の、約80%、より好ましくは70%、そして最大50%の用量で本発明により同定されるガドリニウム錯体化合物により得ることができる。
以上のことから、本発明によって特定される式(I)の常磁性錯体化合物の選択は、それらが血管内(例えば、静脈内、動脈内、冠状動脈内、脳室内)、髄腔内、腹腔内、リンパ内および腔内投与に使用でき、広範囲の用途を有することが容易に想像できる。さらに、それらは経口または非経口投与に適しており、したがって特に胃腸管の画像化に適している。
例えば、非経口投与用として、好ましくは、それらをpHが6.0~8.5の範囲の滅菌水溶液または懸濁液として製剤化することができる。
これらの製剤は凍結乾燥することができ、そしてそのまま供給することができ、使用前に再構成することができる。
消化管での使用または体腔への注射のために、これらの薬剤は、例えば粘度を調節するために、場合により適切な賦形剤を含有する溶液または懸濁液として製剤化することができる。
経口投与用として、製薬技術において日常的に使用されている調製方法に従って製剤化することができ、または、キレート化された金属イオンの場合、胃の酸性pHに対するさらなる保護を得るため、特に胃液の典型的なpH値でキレート化された金属イオンの放出が起こるのを防ぐための被覆された製剤として製剤化することができる。
例えば甘味料および/または香味料を含む他の賦形剤も、医薬製剤の公知の技術に従って添加することができる。
本発明の化合物の溶液または懸濁液はまた、エアロゾル-気管支鏡検査に使用されるエアロゾルや注入用として製剤化することもできる。
例えば、上記のように、リポソーム中にカプセル化するか、またはリポソーム自体を構成することができ、単層または多層の小胞として使用することができる。
好ましい態様では、本発明の医薬組成物は、非経口投与用、そして最も好ましくは静脈内または動脈内投与用の、場合により緩衝化された、等張滅菌水溶液として適切に製剤化される。
より好ましくは、前記診断用組成物は、式(I)の常磁性錯体の濃度が0.002~1.0Mであり、例えばボーラスとして、または時間的に隔てられた2回以上の用量として、あるいは一定のもしくは非直線的流量での点滴注入(non-linear flow infusion)として供給される。
さらなる態様において、本発明は、腫瘍または癌組織、炎症を含む、生きた哺乳動物患者、好ましくはヒト患者に由来する細胞、体液および生物学的組織を含む病理学的系ならびに人体の器官、領域または組織の、in vitro(ex vivo)およびin vivoの両方での画像診断のための、並びに当該病状の進行および治療的処置の結果をモニターするための、式(I)の常磁性キレート錯体、または適切な場合にはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物の使用に関する。
さらなる態様において、本発明は、MRI技術の使用による身体の器官、組織または領域のin vivoイメージングのための方法に関し、該方法は、本発明の式(I)で示される常磁性キレート錯体、または(適切な場合)その生理学的に許容される塩、の使用によって水プロトンによって生成されるシグナルを増強することを含む。
一実施形態では、前記方法は、常磁性金属イオン、好ましくはGd3+金属イオン、との錯体の形態の式(I)の化合物を含む本発明の診断的有効量の組成物を画像化されるヒトまたは動物患者に投与した後、投与された患者を、MRI技術を用いて画像診断に付すことを含んでなる。
特に好ましい実施形態によれば、上記のMRI法は、診断上有効量の上記定義の本発明の組成物を適切に予め投与したヒトまたは動物の体に対して行われる。
より具体的には、好ましい実施形態によれば、本発明は、以下のステップを含む、MRI技術を使用することによってヒトまたは動物の身体の器官または組織をin vivoで画像化するための方法に関する。
a)常磁性錯体またはその薬学的に許容される塩の形態の式(I)の化合物を含む本発明の組成物が予め投与され、MRI画像化システムに配置されたヒトまたは動物を、活性な常磁性基質の非ゼロプロトンスピン核を励起するように選択された周波数の放射線に曝すこと;および
b)該励起された核からのMRシグナルを記録すること。
さらに別の態様では、本発明は、MRI技術の使用により、生きた哺乳動物患者、好ましくはヒト患者、に由来する細胞、体液および生体組織を含む生物学的サンプルのin vitro(ex vivo)イメージングのための方法であって、有効量の式(I)の常磁性錯体化合物またはその生理学的に許容される塩を、目的の生物学的サンプルと接触させ、次いでMRI技術を用いて該サンプルからMRIシグナルを得ることを含む、方法を提供する。
本発明の好ましい化合物およびそれらの製造のための中間体の非限定的な例は、その範囲を限定することなく本発明をより詳細に説明することを目的とした以下のセクションに記載される。
実験パート
実施例1;基質1Bの調製
Figure 0007145156000030
本化合物をスキーム4に示す合成手順により得た。
Figure 0007145156000031
a)化合物1Bの調製
市販のエピクロロヒドリン2(10.5mL;137mmol)をアセトニトリル(300mL)に溶解し、得られた溶液を、アセトニトリル(100mL)中のDO3Aトリス-t-ブチルエステル1A(例えば、Org. Synth. 2008, 85, 10に開示されているように調製)の溶液(14.1g;27.4mmol)に室温でゆっくり加えた。混合物を24時間撹拌した後、さらにエピクロリドリン2(5.2mL; 68mmol)を加えた。さらに24時間後、混合物を蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2/MeOH=50:1→1:1)により精製して化合物1B(10.6g)を得た。収率64%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
実施例2:キレート錯体1の調製
Figure 0007145156000032
本化合物をスキーム5に示す手順により得た。
Figure 0007145156000033
a)3の調製
アセトニトリル(300mL)中のアミン2(例えば、Eur. J. Med. Chem. 2015, 102, 153に開示されているように調製)(6g;25mmol)、化合物1B(30.4g;50mmol)およびEt3N(10mL)の混合物を室温で72時間撹拌した後、蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2/MeOH=100:1→1:1)により精製して、化合物3(18g)を得た。収率52%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
b)4の調製
トリフルオロ酢酸(10mL)をジクロロメタン(100mL)中の中間体3(15.2g;11mmol)の溶液に添加した。混合物を30分間撹拌した後、蒸発させた。残留物をTFA(50mL)に溶解し、トリイソプロピルシラン(0.2mL)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌した後、蒸発させ、残留物をAmberlite XE 750カラムでのクロマトグラフィー(溶離液:水/MeCNのグラジェント)により精製し、化合物4(9.2g)を得た。収率80%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
c)5の調製
メタノール(200mL)中の中間体4(10.5g;10mmol)の溶液に、5%パラジウム炭素(約50%水で湿らせた)(1.5g)を加え、室温で24時間水素化した。触媒を濾過し、溶液を蒸発させて配位子5(9.3g)を得た。収率97%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
d)錯体化
配位子5(5g;5.2mmol)を水(100mL)に溶解し、塩化ガドリニウム六水和物(3.87g;10.4mmol)を加えた後、1M NaOHを加えてpH7にした。混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、溶液をMillipore HA 0.25μmフィルターで濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製物をAmberchrome CG161Mカラム(溶離剤:水/アセトニトリルのグラジェント)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。固体の生成物を真空乾燥してガドリニウム錯体を白色粉末(5.2g)として得た。収率79%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
実施例3:キレート錯体2の調製
Figure 0007145156000034
本錯体化合物をスキーム6に示す手順により得た。
Figure 0007145156000035
a)2の調製
市販のエピクロロヒドリン(3.3g;36mmol)を、EtOH(10mL)中の市販のベンジルアミン1(1.64g;15mmol)の溶液に添加した。混合物を室温で30時間撹拌した後、蒸発させて化合物2を得、これをさらに精製することなく次の反応に直接使用した。定量的収率。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
b)3の調製
MeCN(30mL)中の基質1A(15.4g;30mmol)の溶液を、MeCN(30mL)およびEt3N(6.3mL)中の化合物2(4.38g;15mmol)の溶液に加えた。混合物を55℃で96時間撹拌した後、蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2/MeOH=100:1→1:1)により精製して、中間体3(10g)を得た。収率53%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
c)4の調製
メタノール(80mL)中の中間体3(10g;8mmol)の溶液に、5%パラジウム炭素(約50%水で湿らせた)(2.5g)を加え、45℃で5時間水素化した。さらに触媒(0.8g)を添加し、混合物を45℃でさらに4時間水素化した。触媒を濾過し、溶液を蒸発させて中間体4(8.9g)を得た。収率96%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
d)6の調製
テトラエチレングリコールモノトシレート5(2.6g、7.5mmol)(市販品、例えばAldrich)をMeCN(100mL)中の4(8.5g;7.3mmol)の溶液に加え、混合物を72時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残留物をCHCl3(200mL)に溶解し、水(2×100mL)で洗浄した。有機相を分離し、乾燥し、蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl/MeOH=100:1→1:1)により精製して、化合物6(4.7g)を得た。収率48%
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
e)7の調製
トリフルオロ酢酸(5mL)をジクロロメタン(50mL)中の中間体6(8g;6.3mmol)の溶液に添加した。混合物を30分間撹拌した後、蒸発させた。残留物をTFA(20mL)に溶解し、トリイソプロピルシラン(0.1mL)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌した後、蒸発させ、残留物をAmberlite XE 750カラムでのクロマトグラフィー(溶離剤:水/MeCNのグラジェント)により精製して配位子7(5.3g)を得た。収率84%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
f)錯体化
配位子7(4.5g;4.5mmol)を水(100mL)に溶解し、塩化ガドリニウム六水和物(3.35g;9mmol)を加えた後、1M NaOHを加えてpH7にした。混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、この溶液をMillipore HA 0.25μmフィルターで濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製物をAmberchrome CG161Mカラム(溶離剤:水/アセトニトリルのグラジェント)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。固体の生成物を真空乾燥して、ガドリニウム錯体を白色粉末として得た(4.4g)。収率75%。
質量スペクトルおよび元素分析は予想された構造と一致した。
実施例4:キレート錯体3の調製
Figure 0007145156000036
本化合物をスキーム7に示す手順により得た。
Figure 0007145156000037
a)2の調製
EtOH(20mL)中のアミン1(例えばTetrahedron Lett. 1983, 24, 1609に開示されているように調製)(11.2g;30mmol)およびエピクロロヒドリン(5.6g;60mmol)の混合物を室温で24時間撹拌した後、蒸発させて化合物2を得、これをさらに精製することなく次の反応に直接使用した。定量的収率。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
b)3の調製
MeCN(50mL)中の基質1A(15.4g;30mmol)の混合物を、MeCN(50mL)およびEtN(6mL)中の化合物2(8.3g;15mmol)の溶液に加えた。混合物を55℃で96時間撹拌した後、蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/MeOH=100:1→1:1)により精製して、中間体3(10.9g)を得た。収率48%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
c)4の調製
トリフルオロ酢酸(10mL)をジクロロメタン(50mL)中の中間体3(9g;6mmol)の溶液に添加した。混合物を30分間撹拌した後、蒸発させた。残留物をTFA(25mL)に溶解し、トリイソプロピルシラン(0.1mL)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌した後、蒸発させ、残留物をAmberlite XE 750カラムでのクロマトグラフィー(溶離剤:水/MeCNのグラジェント)により精製して、化合物4(5.9g)を得た。収率83%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
d)5の調製
メタノール(100mL)中の中間体4(5.5g;4.7mmol)の溶液に、5%パラジウム炭素(約50%水で湿らせた)(1.5g)を加え、室温で24時間水素化した。触媒を濾過し、溶液を蒸発させて配位子5(5g)を得た。収率98%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
e)錯体化
配位子5(5g;4.6mmol)を水(100mL)に溶解し、塩化ガドリニウム六水和物(3.42g;9.2mmol)を加えた後、1M NaOHを加えてpH7にした。混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、この溶液をMillipore HA 0.25μmフィルターで濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製物をAmberchrome CG161Mカラム(溶離剤:水/アセトニトリルのグラジェント)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。固体の生成物を真空乾燥して、ガドリニウム錯体を白色粉末として得た(5.6g)。収率87%。
質量スペクトルおよび元素分析は予想された構造と一致した。
実施例5:キレート錯体4の調製
Figure 0007145156000038
本化合物をスキーム8に示す手順により得た。
Figure 0007145156000039
a)3の調製
化合物2(Synlett 2005、2342)(2.9g、10mmol)をMeCN(100mL)中の1(実施例3に記載のとおり調製)(11.6g;10mmol)の溶液に添加し、混合物を還流下で48時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残留物をCHCl(200mL)に溶解し、水(2×100mL)で洗浄した。有機相を分離し、乾燥し、蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/MeOH=100:1→1:1)により精製して、化合物3(7.4g)を得た。収率55%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
b)4の調製
トリフルオロ酢酸(10mL)をジクロロメタン(50mL)中の中間体3(6.75g;5mmol)の溶液に添加した。混合物を30分間撹拌した後、蒸発させた。残留物をTFA(25mL)に溶解し、トリイソプロピルシラン(0.1mL)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌した後、蒸発させ、残留物をAmberlite XE 750カラムでのクロマトグラフィー(溶離剤:水/MeCNのグラジェント)により精製して、配位子4(4.1g)を得た。収率81%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
c)錯体化
配位子4(5g;4.9mmol)を水(100mL)に溶解し、塩化ガドリニウム六水和物(3.64g;9.8mmol)を加えた後、1M NaOHを加えてpH7にした。混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、この溶液をMillipore HA 0.25μmフィルターで濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製物をAmberchrome CG161Mカラム(溶離剤:水/アセトニトリルのグラジェント)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。固体の生成物を真空乾燥してガドリニウム錯体を白色粉末(5.2g)として得た。収率80%。
質量スペクトルおよび元素分析は予想された構造と一致した。
実施例6:キレート錯体5の調製
Figure 0007145156000040
本化合物をスキーム9に示す手順により得た。
Figure 0007145156000041
a)2の調製
塩化メタンスルホニル(2.52g;22mmol)をジクロロメタン(100mL)中の化合物1(例えばEP1854792に開示のとおり調製)(9g;20mmol)およびEtN(3mL)の溶液にゆっくり加え、この溶液を18時間撹拌した。反応混合物を水(3×100mL)で抽出した。有機相を蒸発させて化合物2を得、これをさらに精製することなく次の反応に直接使用した。定量的収率。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
b)4の調製
化合物2(5.3g、10mmol)をMeCN(100mL)中の化合物3(実施例3に記載のとおり調製)(11.6g;10mmol)の溶液に加え、混合物を還流下で48時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残留物をCHCl(200mL)に溶解し、水(2×100mL)で洗浄した。有機相を分離し、乾燥し、蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/MeOH=100:1→1:1)により精製して、化合物4(8.1g)を得た。収率51%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
c)5の調製
トリフルオロ酢酸(10mL)をジクロロメタン(50mL)中の化合物4(7.95g;5mmol)の溶液に添加した。混合物を30分間撹拌した後、蒸発させた。残留物をTFA(25mL)に溶解し、トリイソプロピルシラン(0.1mL)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌し、蒸発させ、残留物をAmberlite XE 750カラムでのクロマトグラフィー(溶離液:水/MeCNのグラジェント)で精製して化合物5(5.45g)を得た。収率87%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
d)6の調製
メタノール(100mL)中の中間体5(5g;4mmol)の溶液に、5%パラジウム炭素(約50%の水で湿らせた)(1.5g)を加え、室温で24時間水素化した。触媒を濾過し、溶液を蒸発させて配位子6(4.15g)を得た。収率97%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
e)錯体化
配位子6(4g;3.7mmol)を水(100mL)に溶解し、塩化ガドリニウム六水和物(2.75g;7.4mmol)を加えた後、1M NaOHを加えてpH7にした。混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、この溶液をMillipore HA 0.25μmフィルターで濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製物をAmberchrome CG161Mカラム(溶離剤:水/アセトニトリルのグラジェント)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。固体の生成物を真空乾燥してガドリニウム錯体を白色粉末として得た(4.6g)。収率89%。
質量スペクトルおよび元素分析は予想された構造と一致した。
実施例7:キレート錯体6の調製
Figure 0007145156000042
本化合物をスキーム10に示す手順により得た。
Figure 0007145156000043
a)2の調製
塩化メタンスルホニル(3.5g;30mmol)を、ジクロロメタン(200mL)中の化合物1(例えば、WO2016/193748に記載の通りに調製)(8.9g;30mmol)およびEtN(5mL)の溶液にゆっくり加え、この溶液を18時間撹拌した。反応混合物を水(3×200mL)で抽出した。有機相を蒸発させて化合物2を得、これをさらに精製することなく次の反応に直接使用した。定量的収率。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
b)4の調製
化合物2(5.6g、15mmol)をMeCN(100mL)中の3(実施例3に記載のとおり調製)(17.4g;15mmol)の溶液に添加し、混合物を還流下で48時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残留物をCHCl(200mL)に溶解し、水(2×100mL)で洗浄した。有機相を分離し、乾燥し、蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/MeOH=100:1→1:1)により精製して、化合物4(11.8g)を得た。収率55%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
c)5の調製
トリフルオロ酢酸(15mL)をジクロロメタン(80mL)中の中間体4(10g;7mmol)の溶液に添加した。混合物を30分間撹拌した後、蒸発させた。残留物をTFA(50mL)に溶解し、トリイソプロピルシラン(0.1mL)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌した後、蒸発させ、残留物をAmberlite XE 750カラムでのクロマトグラフィー(溶離剤:水/MeCNのグラジェント)により精製して、配位子5(6.5g)を得た。収率84%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
d)錯体化
配位子5(5.5g;5mmol)を水(100mL)に溶解し、塩化ガドリニウム六水和物(3.7g;10mmol)を加えた後、1M NaOHを加えてpH7にした。混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、この溶液をMillipore HA 0.25μmフィルターで濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製物をAmberchrome CG161Mカラム(溶離剤:水/アセトニトリルのグラジェント)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。固体の生成物を真空乾燥してガドリニウム錯体を白色粉末として得た(6.2g)。収率88%。
質量スペクトルおよび元素分析は予想された構造と一致した。
実施例8:キレート錯体7の調製
Figure 0007145156000044
本化合物をスキーム11に示す手順により得た。
Figure 0007145156000045
a)3の調製
化合物2(例えばChem. Commun. 2005、474に記載の通りに調製)(10.4g、15mmol)をMeCN(100mL)中の1(実施例3に記載のとおり調製)(17.4g;15mmol)の溶液に加え、混合物を還流温度で48時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残留物をCHCl3(200mL)に溶解し、水(2×100mL)で洗浄した。有機相を分離し、乾燥し、蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2/MeOH=100:1→1:1)により精製して、化合物3(15.5g)を得た。収率59%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
b)4の調製
トリフルオロ酢酸(10mL)をジクロロメタン(60mL)中の中間体3(8.8g;5mmol)の溶液に添加した。混合物を30分間撹拌した後、蒸発させた。残留物をTFA(50mL)に溶解し、トリイソプロピルシラン(0.1mL)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌し、蒸発させ、残留物をAmberlite XE 750カラムでのクロマトグラフィー(溶出液:水/MeCNのグラジェント)で精製して化合物4(6.4g)を得た。収率90%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
c)5の調製
メタノール(100mL)中の中間体4(6.1g;4.3mmol)の溶液に、5%パラジウム炭素(約50%水で湿らせた)(1.5g)を加え、室温で24時間水素化した。触媒を濾過し、溶液を蒸発させて配位子5(4.5g)を得た。収率99%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
d)錯体化
配位子5(4.2g;4mmol)を水(100mL)に溶解し、塩化ガドリニウム六水和物(2.97g;8mmol)を加えた後、1M NaOHを加えてpH7にした。混合物を50℃で18時間攪拌した。次いで、この溶液をMillipore HA 0.25μmフィルターで濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製物をAmberchrome CG161Mカラム(溶離剤:水/アセトニトリルのグラジェント)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。固体の生成物を真空乾燥してガドリニウム錯体を白色粉末として得た(4.9g)。収率90%。
質量スペクトルおよび元素分析は予想された構造と一致した。
実施例9:キレート錯体8の調製
Figure 0007145156000046
本化合物をスキーム12に示す手順により得た。
Figure 0007145156000047
a)3の調製
アセトニトリル(300mL)中の市販のアミン2(6g;25mmol)、化合物1B(30.4g;50mmol)およびEtN(10mL)の混合物を室温で72時間撹拌した後、蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/MeOH=100:1→1:2)により精製して、化合物3(16.2g)を得た。収率47%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
b)4の調製
メタノール(150mL)中の中間体3(15.2g;11mmol)の溶液に、5%パラジウム炭素(約50%水で湿らせた)(4g)を加え、45℃で16時間水素化した。触媒を濾過し、溶液を蒸発させて中間体4(11.9g)を得た。収率90%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
c)6の調製
MeCN(100mL)中の化合物4(10.8g;9mmol)の溶液に、トリエチレングリコールモノメシレート5(欧州特許第2842940号に報告のとおり調製)(4.6g、20mmol)を加え、混合物を72時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残留物をCHCl(200mL)に溶解し、水(2×100mL)で洗浄した。有機相を分離し、乾燥し、蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/MeOH=100:1→1:1)で精製して、化合物6(5.9g)を得た。収率45%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
d)7の調製
トリフルオロ酢酸(10mL)をジクロロメタン(60mL)中の中間体6(7.3g;5mmol)の溶液に添加した。混合物を30分間撹拌した後、蒸発させた。残留物をTFA(50mL)に溶解し、トリイソプロピルシラン(0.1mL)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌した後、蒸発させ、残留物をAmberlite XE 750カラムでのクロマトグラフィー(溶離剤:水/MeCNのグラジェント)により精製して配位子7(5.4g)を得た。収率95%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
e)錯体化
配位子7(4.5g;4mmol)を水(100mL)に溶解し、塩化ガドリニウム六水和物(2.97g;8mmol)を加えた後、1M NaOHを加えてpH7にした。混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、この溶液をMillipore HA 0.25μmフィルターで濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製物をAmberchrome CG161Mカラム(溶離剤:水/アセトニトリルのグラジェント)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。固体の生成物を真空乾燥してガドリニウム錯体を白色粉末として得た(4.8g)。収率83%。
質量スペクトルおよび元素分析は予想された構造と一致した。
実施例10:キレート錯体9の調製
Figure 0007145156000048
本化合物をスキーム13に示す手順により得た。
Figure 0007145156000049
a)3の調製
化合物2(例えば、Synlett 2005, 2342に開示のとおり調製)(5.7g、20mmol)を、MeCN(100mL)中の化合物1(実施例9に記載のとおり調製)(10.8g;9mmol)の溶液に加え、混合物を72時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残留物をCHCl(200mL)に溶解し、水(2×100mL)で洗浄した。有機相を分離し、乾燥し、蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/MeOH=100:1→1:2)により精製して、化合物3(6.5g)を得た。収率48%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
b)4の調製
トリフルオロ酢酸(10mL)をジクロロメタン(60mL)中の中間体3(9g;6mmol)の溶液に添加した。混合物を30分間撹拌した後、蒸発させた。残留物をTFA(50mL)に溶解し、トリイソプロピルシラン(0.1mL)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌した後、蒸発させ、残留物をAmberlite XE 750カラムでのクロマトグラフィー(溶離剤:水/MeCNのグラジェント)により精製して、配位子4(6.5g)を得た。収率94%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
c)錯体化
配位子4(4.6g;4mmol)を水(100mL)に溶解し、塩化ガドリニウム六水和物(2.97g;8mmol)を加えた後、1M NaOHを加えてpH7にした。混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、この溶液をMillipore HA 0.25μmフィルターで濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製物をAmberchrome CG161Mカラム(溶離剤:水/アセトニトリルのグラジェント)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。固体の生成物を真空乾燥してガドリニウム錯体を白色粉末として得た(5.1g)。収率87%。
質量スペクトルおよび元素分析は予想された構造と一致した。
実施例11:キレート錯体10の調製
Figure 0007145156000050
本化合物をスキーム14に示す手順により得た。
Figure 0007145156000051
a)3の調製
化合物2(実施例6に記載の通り調製)(10.5g、20mmol)をMeCN(150mL)中の化合物1(実施例9に記載の通り調製)(10.8g;9mmol)の溶液に加え、混合物を72時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残留物をCHCl(200mL)に溶解し、水(2×100mL)で洗浄した。有機相を分離し、乾燥し、蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/MeOH=100:1→1:2)により精製して、化合物3(7g)を得た。収率38%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
b)4の調製
トリフルオロ酢酸(15mL)をジクロロメタン(120mL)中の中間体3(16.5g;8mmol)の溶液に添加した。混合物を30分間撹拌した後、蒸発させた。残留物をTFA(50mL)に溶解し、トリイソプロピルシラン(0.2mL)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌し、蒸発させ、残留物をAmberlite XE 750カラムでのクロマトグラフィー(溶出液:水/MeCNのグラジェント)で精製して化合物4(12.4g)を得た。収率90%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
c)5の調製
メタノール(150mL)中の中間体4(8.6g;5mmol)の溶液に、5%パラジウム炭素(約50%水で湿らせた)(2g)を加え、室温で24時間水素化した。触媒を濾過し、溶液を蒸発させて配位子5(6.6g)を得た。収率96%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
d)錯体化
配位子5(5.46g;4mmol)を水(100mL)に溶解し、塩化ガドリニウム六水和物(2.97g;8mmol)を加えた後、1M NaOHを加えてpH7にした。混合物を50℃で18時間撹拌した。次に溶液をMillipore HA 0.25μmフィルターで濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製物をAmberchrome CG161Mカラム(溶離剤:水/アセトニトリルのグラジェント)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。固体の生成物を真空乾燥してガドリニウム錯体を白色粉末(6g)として得た。収率90%。
質量スペクトルおよび元素分析は予想された構造と一致した。
実施例12:キレート錯体11の調製
Figure 0007145156000052
本化合物をスキーム15に示す手順により得た。
Figure 0007145156000053
a)3の調製
化合物2(実施例7に記載の通り調製)(9.4g、25mmol)をMeCN(150mL)中の化合物1(実施例9に記載の通り調製)(12g;10mmol)の溶液に加え、混合物を72時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残留物をCHCl(200mL)に溶解し、水(2×100mL)で洗浄した。有機相を分離し、乾燥し、蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/MeOH=100:1→1:2)により精製して、化合物3(5.3g)を得た。収率35%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
b)4の調製
ジクロロメタン(120mL)中の中間体3(14g;8mmol)の溶液にトリフルオロ酢酸(15mL)を加えた。混合物を30分間撹拌した後、蒸発させた。残留物をTFA(50mL)に溶解し、トリイソプロピルシラン(0.2mL)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌した後、蒸発させ、残留物をAmberlite XE 750カラムでのクロマトグラフィー(溶離剤:水/MeCNのグラジェント)により精製して、配位子4(10.7g)を得た。収率94%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
c)錯体化
配位子4(5.7g;4mmol)を水(100mL)に溶解し、塩化ガドリニウム六水和物(2.97g;8mmol)を加えた後、1M NaOHを加えてpH7にした。混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、この溶液をMillipore HA 0.25μmフィルターで濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製物をAmberchrome CG161Mカラム(溶離剤:水/アセトニトリルのグラジェント)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。固体の生成物を真空乾燥してガドリニウム錯体を白色粉末(6.4g)として得た。収率92%。
質量スペクトルおよび元素分析は予想された構造と一致した。
実施例13:キレート錯体12の調製
Figure 0007145156000054
本化合物をスキーム16に示す手順により得た。
Figure 0007145156000055
a)3の調製
化合物2(17.3g、25mmol)をMeCN(200mL)中の化合物1(実施例9に記載の通り調製)(12g;10mmol)の溶液に添加し、混合物を96時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残留物をCHCl(300mL)に溶解し、水(2×200mL)で洗浄した。有機相を分離し、乾燥し、蒸発させた。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/MeOH=100:1→1:2)により精製して、化合物3(7.4g)を得た。収率31%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
b)4の調製
ジクロロメタン(150mL)中の中間体3(24g;10mmol)の溶液にトリフルオロ酢酸(20mL)を添加した。混合物を30分間撹拌した後、蒸発させた。残留物をTFA(70mL)に溶解し、トリイソプロピルシラン(0.2mL)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌した後、蒸発させ、残留物をAmberlite XE 750カラムでのクロマトグラフィー(溶離液:水/MeCNのグラジェント)により精製して化合物4(18.1g)を得た。収率88%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
c)5の調製
メタノール(250mL)中の中間体4(16.5g;8mmol)の溶液に、5%パラジウム炭素(約50%水で湿らせた)(3g)を加え、室温で24時間水素化した。触媒を濾過し、溶液を蒸発させて配位子5(10g)を得た。収率93%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
d)錯体化
配位子5(5.35g;4mmol)を水(100mL)に溶解し、塩化ガドリニウム六水和物(2.97g;8mmol)を加えた後、1M NaOHを加えてpH7にした。混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、この溶液をMillipore HA 0.25μmフィルターで濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製物をAmberchrome CG161Mカラム(溶離剤:水/アセトニトリルのグラジェント)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。固体の生成物を真空乾燥して、ガドリニウム錯体を白色粉末として得た(6.2g)。収率94%。
質量スペクトルおよび元素分析は予想された構造と一致した。
実施例14:キレート錯体13の調製
Figure 0007145156000056
本化合物をスキーム17に示す手順により得た。
Figure 0007145156000057
c)3の調製
テトラエチレングリコールモノトシレート2(市販品、例えばAldrich)(5.2g、15mmol)をMeCN(100mL)中の化合物1(実施例9に記載のとおり調製)(9g;7.5mmol)の溶液に加え、混合物を還流下で72時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/MeOH=100:1→1:1)により精製して、化合物3(4.8g)を得た。収率41%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
d)4の調製
トリフルオロ酢酸(10mL)をジクロロメタン(60mL)中の中間体3(7.8g;5mmol)の溶液に添加した。混合物を30分間撹拌した後、蒸発させた。残留物をTFA(50mL)に溶解し、トリイソプロピルシラン(0.1mL)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌した後、蒸発させ、残留物をAmberlite XE 750カラムでのクロマトグラフィー(溶離剤:水/MeCNのグラジェント)により精製して、配位子4(5.6g)を得た。収率92%。
1H-NMR、13C-NMRおよびマススペクトルは予想された構造と一致した。
e)錯体化
配位子4(4.9g;4mmol)を水(100mL)に溶解し、塩化ガドリニウム六水和物(2.97g;8mmol)を加えた後、1M NaOHを加えてpH7にした。混合物を50℃で18時間撹拌した。次いで、この溶液をMillipore HA 0.25μmフィルターで濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製物をAmberchrome CG161Mカラム(溶離剤:水/アセトニトリルのグラジェント)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。固体の生成物を真空乾燥してガドリニウム錯体を白色粉末(5.19g)として得た。収率85%。
質量スペクトルおよび元素分析は予想された構造と一致した。
実施例15:緩和測定特性
本発明のいくつかの代表的な錯体化合物の緩和測定特性を、ヒト血漿において、37℃で異なる磁場強度(例えば0.47および1.41Tを含む)にて測定し、同様の環状配位ケージを有する市販のいくつかのGd錯体について、同条件で測定した緩和能の値と比較した。
材料
装置
縦方向の水プロトン緩和率(R=1/T)は、20MHzのプロトンラーモア周波数で作動するMinispec MQ-20分光計(Bruker Biospin、ドイツ)を用いて0.47Tにて測定した;1.41TでのMR実験は、60MHzのプロトンラーモア周波数で作動するMinispec MQ-60分光計(Bruker Biospin、ドイツ)を用いて実施した。
方法
サンプル調製
試験品はすべて供給されたまま使用し、ガドリニウム中5mMまたは10mM濃度の出発溶液を得るのに必要な量の常磁性キレート錯体の重量を量ることにより、選択された媒体(ヒト血漿)に希釈した。
緩和能測定
5mMまたは10mMの出発溶液をさらに希釈して、各媒体につき、5つの異なる濃度の試料(ガドリニウム中0.1、0.25、0.5、0.75および1mM)を調製した。
緩和測定
分光計の試料ホルダーに接続された恒温槽によって温度が一定に保たれた、37℃に設定された試料に対し、0.47Tおよび1.41Tにて緩和能測定を行った。5つの試料溶液を外部恒温槽中37℃に予備的に加熱し、次いで内部槽内に10分間放置して温度を安定化させた。縦方向の緩和時間T1を、標準的な反転回復シーケンスによって測定し、反転時間(TI)は、15ステップで10msから少なくとも5倍のT1まで変化させた。統計分析(T1測定のための単一指数関数フィッティング、縦緩和の評価のための線形フィッティング)は、Mathematica(登録商標)(Wolfram、USA)により行った。推定されたパラメータの誤差をフィッティング手順によって評価した。
結果
37℃のヒト血漿中で得られた、本発明のいくつかの代表的な化合物の緩和能の値r1pを、試験化合物の構造および印加磁場強度(T)と共に以下のTable Aに要約し、臨床における大員環キレートケージを有する2つの市販の造影剤について測定された対応する値と比較する。
定義上、緩和能のデータ(したがって以下の表のものを含む)を、ガドリニウム濃度として表す。
Figure 0007145156000058
Figure 0007145156000059
結論
試験した造影剤の緩和能は、同じGd3+濃度(mM)で、血漿中、0.47Tで4.9mM-1-1(ProHance)~12.1mM-1-1(キレート錯体2およびキレート錯体9)の範囲である。これらの結果は、常磁性錯体、特に本発明の式(I)の化合物のGd3+錯体によって表される特定の選択が、同じ条件(すなわち、ヒト血漿中、37℃)で、Dotarem(登録商標)やProHance(登録商標)などの日常の診療で現在使用されている非特異的な造影剤によって示される緩和能の少なくとも約2倍の、増大した緩和能r1pを示すことが確認された。

Claims (24)

  1. 式(I)
    Figure 0007145156000060
    [式中、
    Rは、-CH(R)-COOHであり;
    は、H、またはC-CアルコキシもしくはC-Cヒドロキシアルコキシ基で置換されていてもよいC-Cアルキル鎖であり;
    nは、1または2であり;
    dは、0または1であり;
    は、1~3個のX基で置換されたC-Cアルキルであり;
    Xは、
    Figure 0007145156000061
    または式-O-(CHCHO-)-Rで示される基であり;
    は、HまたはC-Cアルキル基であり;
    rは、1、2、3、4、5、6、7または8であり;
    但し、R中のC-Cアルキルが1個のX基で置換されている場合、rは1ではなく、Xは
    Figure 0007145156000062
    で示される基ではない]
    で示される化合物、並びにその個々のジアステレオマーおよびそれらのラセミ混合物、およびその分割されたエナンチオマー、およびそれらの生理学的に許容し得る塩(但し、次式
    Figure 0007145156000063
    を有する化合物を除く)。
  2. 1がHである、請求項1に記載の化合物。
  3. 式(I)中、dが0である、式(II)
    Figure 0007145156000064
    [式中、Rおよびnは、請求項1と同意義である]
    を有する、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 式(II)中、Rが1個のX基で置換されたC-Cアルキルである、請求項3に記載の化合物。
  5. 次式
    Figure 0007145156000065
    [式中、
    pは、1、2、3、4または5であり;および
    Xおよびnは、請求項1と同意義である]
    で示される、請求項4に記載の化合物。
  6. Xが式-O-(CHCHO-)で示される、次式(IIIA)
    Figure 0007145156000066
    [式中、
    pは1、2または3であり;
    rは、2~8の整数であり;および
    は、H、またはメチルおよびエチルから選択されるC-Cアルキルであり;
    nは、請求項1と同意義である]
    を有する、請求項4または5に記載の化合物。
  7. 式(IIIA)中、
    pは2であり;
    rは2~5であり;および
    は、Hまたはメチルである、
    請求項6に記載の化合物。
  8. 次式
    Figure 0007145156000067
    [式中、
    pは、1、2,または3であり;
    Xは、
    Figure 0007145156000068
    で示される基であり;
    は、H、またはメチルおよびエチルから選択されるC-Cアルキルであり;
    nは、請求項1と同意義である]
    を有する請求項4または5に記載の化合物。
  9. 式(II)中、Rが、
    Figure 0007145156000069
    からなる群から選択される、2個のX基で置換されたC-Cアルキル、または、
    Figure 0007145156000070
    (式中、Xは請求項1と同意義である)
    からなる群から選択される、3個のX基で置換されたC-Cアルキルである、
    請求項3記載の化合物。
  10. 式(IV)
    Figure 0007145156000071
    または式(V)
    Figure 0007145156000072
    または式(VI)
    Figure 0007145156000073
    (式中、nおよびXは請求項1と同意義である)
    を有する請求項9記載の化合物。
  11. 式(IV A)
    Figure 0007145156000074
    または式(V A)
    Figure 0007145156000075
    [式中、
    rは、1~8の整数であり;
    nは、1または2であり
    は、H、またはメチル及びエチルから選択されるC-Cアルキルである]
    を有する請求項10記載の化合物。
  12. Xが
    Figure 0007145156000076
    で示される基であり;
    は、H、またはメチルおよびエチルから選択されるC-Cアルキルである、
    式(IV)または式(VI)を有する請求項10記載の化合物。
  13. 式(I)中、dが1である、式(VII)
    Figure 0007145156000077
    [式中、Rおよびnは、請求項1と同意義である]
    を有する請求項1または2記載の化合物。
  14. 互いに等しいR2基が、式(II)~(VI)で示される化合物について請求項4~10において定義したものである、請求項13に記載の化合物。
  15. 式(VIII)
    Figure 0007145156000078
    または式(IX)
    Figure 0007145156000079
    または式(X)
    Figure 0007145156000080
    [式中、
    pは、1、2または3であり;
    rは、1~8の整数であり;
    nは、1または2、であり;
    は、H、またはエチルおよびメチルから選択されるC-Cアルキルである]
    を有する、請求項13または14記載の化合物。
  16. 式(I)~(X)中、nが1であり、R3がHである、請求項1~15のいずれかに記載の化合物。
  17. 式(I)~(X)中、nが1であり、R3がメチルである、請求項1~15のいずれかに記載の化合物。
  18. 請求項1~17のいずれかに記載の化合物と、Fe2+、Fe3+、Cu2+、Cr3+、Gd3+、Eu3+、Dy3+、La3+、Yb3+およびMn2+からなる群から選択される2個の常磁性金属イオンとのキレート錯体、および二価の金属イオンとのその生理学的に許容し得る塩。
  19. 常磁性金属イオンがGd3+イオンである、請求項18記載のキレート錯体。
  20. 生理学的に許容し得る塩が、(i)アルカリ金属またはアルカリ土類金属から選択される無機塩基、(ii)エタノールアミン、ジエタノールアミン、モルホリン、グルカミン、N-メチルグルカミン、N,N-ジメチルグルカミンから選択される有機塩基、または(iii)リジン、アルギニンおよびオルニチンから選択されるアミノ酸、のカチオンとの塩である、請求項1~17のいずれかに記載の化合物、または請求項18記載の二価金属イオンとのキレート錯体。
  21. MRI造影剤として使用するための、請求項18または19のいずれかに記載のキレート錯体。
  22. 1またはそれ以上の薬学的に許容し得る担体、希釈剤または添加剤と組み合わせて、請求項18または19のキレート錯体を含有する医薬組成物。
  23. 式:
    Figure 0007145156000081
    Figure 0007145156000082
    Figure 0007145156000083
    で示される、請求項1または2記載の化合物。
  24. テトラアザ大員環の窒素原子に結合したすべてのカルボキシル基が、tert-ブチルエステルとして保護された形態である、請求項1~17および23のいずれかに記載の化合物の誘導体。
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