JP7124534B2 - シリコーンゴム系硬化性組成物および構造体 - Google Patents
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ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、
分子内に-O-O-構造を有する有機過酸化物(B)と、
シリカ粒子(C)と、
を含む、シリコーンゴム系硬化性組成物であって、
25℃で、JIS K6252(2001)に準拠して測定される、当該シリコーン系硬化組成物の硬化物の引裂強度が、25N/mm以上70N/mm以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物が提供される。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を含む。上記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物の主成分となる重合物である。
本明細書中、ビニル基含有量とは、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%である。ただし、ビニル基含有シロキサンユニット1つに対して、ビニル基1つであると考える。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、有機過酸化物(B)を含む。
上記有機過酸化物(B)は、過酸化水素(H-O-O-H)の誘導体で、過酸化水素の水素原子1個又は2個を、有機の遊離基で置換した構造を有しており、分子内に-O-O-構造を有する化合物であれば、特に限定されない。この有機過酸化物(B)は、熱や光により容易に分解し、遊離基(フリーラジカル)を発生する。
R1-O-O-R2 ・・・一般式(I)
R1-O-O-R3-O-O-R2 ・・・一般式(II)
上記一般式(I)または(II)中、上記R1およびR2のシクロアルキル基は、例えば、炭素数5~8のシクロアルキル基を用いることができる。
上記一般式(II)中、R3のアルキレン基は、例えば、炭素数1~16、好ましくは炭素数1~10、より好ましくは炭素数4~8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を用いることができる。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、シリカ粒子(C)を含む。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、シランカップリング剤(D)を含む。
シランカップリング剤(D)は、加水分解性基を有することができる。加水分解基が水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基がシリカ粒子(C)表面の水酸基と脱水縮合反応することで、シリカ粒子(C)の表面改質を行うことができる。
上記式(4)中、nは1~3の整数を表わす。Yは、疎水性基、親水性基またはビニル基を有するもののうちのいずれかの官能基を表わし、nが1の時は疎水性基であり、nが2または3の時はその少なくとも1つが疎水性基である。Xは、加水分解性基を表わす。
上記官能基として疎水性基を有するものとして、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランのようなアルコキシシラン;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなクロロシラン;ヘキサメチルジシラザンが挙げられる。この中でも、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、及びトリメチルエトキシシランからなる群から選択される一種以上を含むトリメチルシリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。
<<水(E)>>
また、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物には、上記成分(A)~(D)以外に、水(E)が含まれていてもよい。
次に、本実施形態のシリコーンゴムの製造方法について説明する。
本実施形態のシリコーンゴムの製造方法としては、シリコーンゴム系硬化性組成物を調製し、このシリコーンゴム系硬化性組成物を硬化させることによりシリコーンゴムを得ることができる。
以下、詳述する。
以上のような工程を経ることで、本実施形態のシリコーンゴムが得られる。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物について、JIS K6300-2(2001)に準拠して、キュラストメーターを用い、金型温度170℃の条件で、硬化トルクを経時的に測定する。測定結果に基づいて、測定開始から15分の間における最大トルク値MHから、測定開始から15分の間における最小トルク値MLを引いた値を、ME(ME=MH-ML)とする。測定開始からMEの10%に到達するまでの時間を誘導時間tc(10)とする。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてシート状試験片を作製し、得られたシート状試験片について、25℃、JIS K6253(1997)に準拠して、デュロメータ硬さAを測定する。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてクレセント形試験片を作製し、得られたクレセント形試験片について、25℃、JIS K6252(2001)に準拠して、引裂強度を測定する。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片について、25℃、JIS K6251(2004)に準拠して、引張強度を測定する。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片について、25℃、JIS K6251(2004)に準拠して、100%伸張時の応力(引張応力M100)を測定する。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片について、25℃、JIS K6251(2004)に準拠して、破断伸びを測定する。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、圧縮永久ひずみの下限値としては、特に限定されないが、例えば、0.1%以上、好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは1.0%以上でもよい。これにより、シリコーンゴムの諸物性のバランスを図ることができる。一方、上記圧縮永久ひずみの上限値としては、例えば、20.0%以下、好ましくは16.0%以下、より好ましくは13.0%以下である。これにより、シリコーンゴムを復元性に優れたものとすることができる。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物を、170℃、10MPaで15分間プレスし、直径29mm、厚さ12.5mmの円盤状に成形すると共に、1次硬化する。続いて、200℃で4時間加熱し、2次硬化する。以上により、円盤状試験片(シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物)を得る。
JIS K6262(2013)に準拠して、圧縮永久ひずみ試験器と厚さ9.38mmのスペーサーを用いて、円盤状試験片を圧縮率25%圧縮し固定する。その状態のまま、150℃の恒温槽に22時間静置する。その後JIS K6262(2013)記載のB法に則り、以下の手順で試験を終了する。試験器を恒温槽から出し、25℃で1時間放置して冷却する。その後、試験器から試験片を開放し、25℃で30分間放置した後、試験片の厚さを測定し、以下の式で圧縮永久ひずみを計算する。単位は%である。
試験前の円盤状試験片の厚さ:h0
試験後の円盤状試験片の厚さ:h1
スペーサーの高さ :hs
圧縮永久ひずみ(%)=((h0-h1)/(h0-hs))×100
以下、参考形態の例を付記する。
1. ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、
分子内に-O-O-構造を有する有機過酸化物(B)と、
シリカ粒子(C)と、
を含む、シリコーンゴム系硬化性組成物であって、
25℃で、JIS K6252(2001)に準拠して測定される、当該シリコーン系硬化組成物の硬化物の引裂強度が、25N/mm以上70N/mm以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
2. 1.に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
下記の手順で測定される、当該シリコーンゴム系硬化性組成物の、tc(10)が、30秒以上420秒以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
(手順)
当該シリコーンゴム系硬化性組成物について、JIS K6300-2(2001)に準拠して、キュラストメーターを用い、金型温度170℃の条件で、硬化トルクを経時的に測定する。硬化トルクの測定結果に基づいて、測定開始から15分の間における最大トルク値MHから、測定開始から15分の間における最小トルク値MLを引いた値を、ME(ME=MH-ML)とする。測定開始からMEの10%に到達するまでの時間を誘導時間tc(10)とする。
3. 1.または2.に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、25℃で、JIS K6252(2001)に準拠して測定されるデュロメータ硬さが、10以上80以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
4. 1.~3.のいずれか一つに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、25℃で、JIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度が、5.0MPa以上である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
5. 1.~4.のいずれか一つに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、25℃で、JIS K6251(2004)に準拠して測定される100%伸張時における引張応力M100が、0.1MPa以上4.0MPa以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
6. 1.~5.のいずれか一つに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、25℃で、JIS K6251(2004)に準拠して測定される破断伸びが、300%以上2000%以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
前記有機過酸化物(B)の含有量は、前記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、および前記シリカ粒子(C)の合計値100質量%に対して、0.001重量部以上10重量部以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
8. 1.~7.のいずれか一つに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を備える構造体。
(ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A))
・低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1):合成スキーム1により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(上記式(1-1)で表わされる構造でR1(末端)のみがビニル基である構造)
・高ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2):合成スキーム2により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(上記式(1-1)で表わされる構造でR1およびR2がビニル基である構造)
・有機過酸化物(B-1):下記式で表されるジクミルパーオキサイド(ジアルキルパーオキサイド類、モメンティブ社製、TC-3)
・シリカ粒子(C):シリカ微粒子(粒径7nm、比表面積300m2/g)、日本アエロジル社製、「AEROSIL300」
・シランカップリング剤(D-1):ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)、Gelest社製、「HEXAMETHYLDISILAZANE(SIH6110.1)」
・シランカップリング剤(D-2):ジビニルテトラメチルジシラザン、Gelest社製、「1,3-DIVINYLTETRAMETHYLDISILAZANE(SID4612.0)」
・モメンティブ社製:「TC-25D」
(白金または白金化合物)
・モメンティブ社製:「TC-25A」
[合成スキーム1:低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)の合成]
下記式(5)にしたがって、低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)を合成した。
すなわち、Arガス置換した、冷却管および攪拌翼を有する300mLセパラブルフラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン74.7g(252mmol)、カリウムシリコネート0.1gを入れ、昇温し、120℃で30分間攪拌した。なお、この際、粘度の上昇が確認できた。
その後、155℃まで昇温し、3時間攪拌を続けた。そして、3時間後、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン0.1g(0.6mmol)を添加し、さらに、155℃で4時間攪拌した。
さらに、4時間後、トルエン250mLで希釈した後、水で3回洗浄した。洗浄後の有機層をメタノール1.5Lで数回洗浄することで、再沈精製し、オリゴマーとポリマーを分離した。得られたポリマーを60℃で一晩減圧乾燥し、低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)を得た(Mn=2,2×105、Mw=4,8×105)。また、1H-NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.04モル%であった。
上記(A1-1)の合成工程において、オクタメチルシクロテトラシロキサン74.7g(252mmol)に加えて2,4,6,8-テトラメチル2,4,6,8-テトラビニルシクロテトラシロキサン0.86g(2.5mmol)を用いたこと以外は、(A1-1)の合成工程と同様にすることで、下記式(6)のように、高ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)を合成した(Mn=2,3×105、Mw=5,0×105)。また、1H-NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.93モル%であった。
実施例1において、次のようにしてシリコーンゴム系硬化性組成物を調製した。まず、下記の表1に示す割合で、90%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シランカップリング剤(D)および水(E)の混合物を予め混練し、その後、混合物にシリカ粒子(C)を加えてさらに混練し、混練物(シリコーンゴムコンパウンド)を得た。
ここで、シリカ粒子(C)添加後の混練は、カップリング反応のために窒素雰囲気下、60~90℃の条件下で1時間混練する第1ステップと、副生成物(アンモニア)の除去のために減圧雰囲気下、160~180℃の条件下で2時間混練する第2ステップとを経ることで行い、その後、冷却し、残り10%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を2回に分けて添加し、20分間混練した。
続いて、得られた混練物(シリコーンゴムコンパウンド)100重量部に、有機過酸化物(B-1)0.15重量部を加えて、ロールで混練し、実施例1のシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
実施例2において、実施例1と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を調製した。まず、表1に示す割合で、90%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シランカップリング剤(D)および水(E)の混合物を予め混練し、その後、混合物にシリカ粒子(C)を加えてさらに混練し、混練物(シリコーンゴムコンパウンド)を得た。
ここで、シリカ粒子(C)添加後の混練は、実施例1と同様に行った。
続いて、得られた混練物(シリコーンゴムコンパウンド)100重量部に、有機過酸化物(B-1)0.35重量部を加えて、ロールで混練し、実施例2のシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
実施例3において、実施例1と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を調製した。まず、表1に示す割合で、90%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シランカップリング剤(D)および水(E)の混合物を予め混練し、その後、混合物にシリカ粒子(C)を加えてさらに混練し、混練物(シリコーンゴムコンパウンド)を得た。
ここで、シリカ粒子(C)添加後の混練は、実施例1と同様に行った。
続いて、得られた混練物(シリコーンゴムコンパウンド)100重量部に、有機過酸化物(B-1)0.25重量部を加えて、ロールで混練し、実施例3のシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
実施例4において、実施例1と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を調製した。まず、表1に示す割合で、90%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シランカップリング剤(D)および水(E)の混合物を予め混練し、その後、混合物にシリカ粒子(C)を加えてさらに混練し、混練物(シリコーンゴムコンパウンド)を得た。
ここで、シリカ粒子(C)添加後の混練は、実施例1と同様に行った。
続いて、得られた混練物(シリコーンゴムコンパウンド)100重量部に、有機過酸化物(B-2)0.5重量部を加えて、ロールで混練し、実施例4のシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
比較例1において、実施例1と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を調製した。まず、表1に示す割合で、90%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シランカップリング剤(D)および水(E)の混合物を予め混練し、その後、混合物にシリカ粒子(C)を加えてさらに混練し、混練物(シリコーンゴムコンパウンド)を得た。
ここで、シリカ粒子(C)添加後の混練は、実施例1と同様に行った。
続いて、得られた混練物(シリコーンゴムコンパウンド)100重量部に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(TC-25D)3.0重量部および白金または白金化合物(TC-25A)0.5重量部を加えて、ロールで混練し、比較例1のシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
実施例1~4、比較例1において、得られたシリコーンゴム系硬化性組成物を、170℃、10MPaで15分間プレスし、厚さ1mmのシート状に成形すると共に、1次硬化した。続いて、200℃で4時間加熱し、2次硬化した。以上により、シート状シリコーンゴム(シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物)を得た。
得られた厚さ1mmの、各実施例および比較例のシート状シリコーンゴムを6枚積層し、6mmの試験片を作製した。得られた試験片に対して、25℃において、JIS K6253(1997)に準拠してタイプAデュロメータ硬さ(硬度A)を測定した。
(硬度の測定条件)
シート状試験片に対して、25℃における、シート状試験片のJIS K6253(1997)に準拠して測定される硬度とする。
得られた厚さ1mmの、各実施例および比較例のシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6252(2001)に準拠して、クレセント形試験片を作製し、得られたクレセント形試験片の引裂強度を測定した。単位は、N/mmである。
(引裂強度の測定条件)
クレセント形試験片に対して、25℃における、クレセント形試験片のJIS K6252(2001)に準拠して測定される引裂強度とする。
得られた厚さ1mmの、各実施例および比較例のシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片の引張強度を測定した。単位はMPaである。
(引張強度の測定条件)
ダンベル状3号形試験片に対して、25℃における、ダンベル状3号形試験片のJIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度とする。
得られた厚さ1mmの、各実施例および比較例のシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片の破断伸びを測定した。破断伸びは、[チャック間移動距離(mm)]÷[初期チャック間距離(60mm)]×100で計算した。単位は%である。
(破断伸びの測定条件)
ダンベル状3号形試験片に対して、25℃における、ダンベル状3号形試験片のJIS K6251(2004)に準拠して測定される破断伸びとする。
得られた厚さ1mmの、各実施例および比較例のシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片を作製し、引張速度:500mm/分で、得られたダンベル状3号形試験片の、所定%伸張時における引張応力Mを測定した。単位はMPaである。
(引張応力の測定条件)
ダンベル状3号形試験片に対して、25℃における、ダンベル状3号形試験片の100%伸張時における引張応力M100とする。
実施例1~4、および比較例1~3において、得られたシリコーンゴム系硬化性組成物を用いて、JIS K6300-2(2001)に準拠して、硬化トルクを経時的に測定した。測定結果に基づいて、誘導時間tc(10)を算出した。対応する誘導時間tc(10)の評価を、それぞれ試験1~7とした。
(誘導時間(キュラストメーター170℃でのtc(10)の測定条件)
キュラストメーター(JSRトレーディング社製、製品名:キュラストメーターV型)を用い、金型温度170℃にて、得られたシリコーンゴム系硬化性組成物4gの硬化トルクを経時的に測定した。測定開始から15分の間における最大トルク値MHから、測定開始から15分の間における最小トルク値MLを引いた値を、ME(ME=MH-ML)とする。測定開始からMEの10%に到達するまでの時間を誘導時間tc(10)とした。値を表3に示す。単位は秒である。
実施例1~4、比較例1において、得られたシリコーンゴム系硬化性組成物を用いて、170℃で15分、200℃で4時間の条件で硬化し、厚み:1mm×内径:2mmを有する筒状部材(チューブ)を作成した。得られた筒状部材にスチール針金(TRUSCO製、スチール針金、小巻タイプ、線径1.6mm×15m)を挿入した耐久性試験サンプルを準備して、耐久試験を行った。具体的には、耐久性試験サンプルの90°曲げ試験を100回繰り返して実施し、耐久性を判断した。対応する耐久性の評価を、それぞれ試験1~5とした。試験後に外観異常がなかった筒状部材を○、試験後に亀裂や破損があるものを×とした。
Claims (7)
- ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、
分子内に-O-O-構造を有する有機過酸化物(B)と、
シリカ粒子(C)と、
シランカップリング剤(D)と、
を含む、シリコーンゴム系硬化性組成物であって、
前記シランカップリング剤(D)が、トリメチルシリル基を有するシランカップリング剤およびビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤を含み、
25℃で、JIS K6252(2001)に準拠して測定される、当該シリコーン系硬化組成物の硬化物の引裂強度が、25N/mm以上70N/mm以下であり、
下記の手順で測定される、当該シリコーンゴム系硬化性組成物の、tc(10)が、30秒以上420秒以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
(手順)
当該シリコーンゴム系硬化性組成物について、JIS K6300-2(2001)に準拠して、キュラストメーターを用い、金型温度170℃の条件で、硬化トルクを経時的に測定する。硬化トルクの測定結果に基づいて、測定開始から15分の間における最大トルク値MHから、測定開始から15分の間における最小トルク値MLを引いた値を、ME(ME=MH-ML)とする。測定開始からMEの10%に到達するまでの時間を誘導時間tc(10)とする。 - 請求項1に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、25℃で、JIS K6252(2001)に準拠して測定されるデュロメータ硬さが、10以上80以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。 - 請求項1または2に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、25℃で、JIS K6251(2004)に準拠して測定される引張強度が、5.0MPa以上である、シリコーンゴム系硬化性組成物。 - 請求項1~3のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、25℃で、JIS K6251(2004)に準拠して測定される100%伸張時における引張応力M100が、0.1MPa以上4.0MPa以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、25℃で、JIS K6251(2004)に準拠して測定される破断伸びが、300%以上2000%以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。 - 請求項1~5のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
前記有機過酸化物(B)の含有量は、前記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、および前記シリカ粒子(C)の合計値100質量%に対して、0.001重量部以上10重量部以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。 - 請求項1~6のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を備える構造体。
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