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JP7113962B2 - コレステリック液晶膜の製造方法 - Google Patents

コレステリック液晶膜の製造方法 Download PDF

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JP7113962B2 JP2021509534A JP2021509534A JP7113962B2 JP 7113962 B2 JP7113962 B2 JP 7113962B2 JP 2021509534 A JP2021509534 A JP 2021509534A JP 2021509534 A JP2021509534 A JP 2021509534A JP 7113962 B2 JP7113962 B2 JP 7113962B2
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Description

本開示は、コレステリック液晶膜の製造方法に関する。
光学異方性が大きい液晶膜を用いた光学フィルムが知られている。
このような光学フィルムにおいて、液晶膜は、例えば、液晶化合物を含む塗布液を被塗布部材上に塗布及び乾燥し、必要に応じて、液晶化合物の配向処理、液晶化合物の重合等を行い製造される。
特開2016-150286号公報には、光学フィルムの製造方法において、基材の製膜面上に塗布された液晶材料の塗膜は、基材と共に乾燥炉内へ搬送されて、溶媒が除去され、液晶層が形成されることが記載されている。そして、乾燥以外に、液晶分子の配向処理、液晶モノマーの重合等が行われてもよいことが記載されており、特に、リオトロピック液晶は、剪断力を付与することにより、所定配向に液晶分子を配向させることもできる、との開示がなされている。
また、特表2010-536782号公報には、所望の液晶相を生成するための液晶層の処理の1つとして、液晶層へのナイフ刃の適用による液晶層への機械的剪断の適用が開示されている。
ところで、コレステリック液晶膜としては、コレステリック液晶のらせん軸が膜面方向に平行で、且つ、上面視した際に特定方向に向かって並ぶことで、空中結像装置等へと応用される光学フィルムへの適用が期待されている。
特に、上記のようならせん軸の並びの膜面内でのバラツキが少ないコレステリック液晶膜への要望が高まってきている。
上記の特開2016-150286号公報には、リオトロピック液晶に対して剪断力を付与することは開示されているものの、らせん軸が膜面方向に平行に沿って並ぶコレステリック液晶膜については何ら記載されていない。
また、上記の特表2010-536782号公報には、所望の液晶相を生成するために液晶層に対して行われる処理については開示があるものの、機械的剪断が、液晶層の乾燥状態がどの程度の際に適用されるかについては記載がない。更には、特表2010-536782号公報には、分子螺旋の軸が層に対して横に伸びていることが記載されているのみであり、その軸が膜面方向に平行で且つ層を上面視した際に特定方向に向かって並ぶことについての明確な記載はない。そのため、特表2010-536782号公報に記載の液晶層では、分子螺旋の軸の並びの面内でのバラツキが少ないとは考えにくい。
そこで、本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、コレステリック液晶のらせん軸が膜面方向に平行で且つ上面視にて特定方向に沿って並び、その並びの膜面内でのバラツキが少ないコレステリック液晶膜の製造方法を提供することにある。
以下、らせん軸の並びの膜面内でのバラツキが少ないことを「配向精度に優れる」ともいう。
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 基材上に、溶媒、棒状サーモトロピック液晶化合物、及びキラル剤を含む塗布液を塗布し、塗膜を形成する工程Aと、
形成された塗膜中の残存溶媒率を50質量%以下まで乾燥させる工程Bと、
乾燥後の塗膜表面にせん断力を付与する工程Cと、
を有する、らせん軸が膜面方向に平行で且つせん断方向に垂直に沿って並ぶコレステリック液晶膜の製造方法。
<2> 工程Cは、せん断速度が1000秒-1以上であるせん断力を付与する工程である、<1>に記載のコレステリック液晶膜の製造方法。
<3> 工程Cにおける塗膜表面の温度が50℃~120℃である、<1>又は<2>に記載のコレステリック液晶膜の製造方法。
<4> 工程Cのせん断力の付与をブレードにて行う、<1>~<3>のいずれか1に記載のコレステリック液晶膜の製造方法。
<5> 工程Cのせん断力の付与をエアナイフにて行う、<1>~<3>のいずれか1に記載のコレステリック液晶膜の製造方法。
<6> 工程C後に、塗膜を硬化させる工程を更に含む、<1>~<5>のいずれか1に記載のコレステリック液晶膜の製造方法。
<7> 工程Cにてせん断力を付与するときの塗膜の厚みが30μm以下である、<1>~<6>のいずれか1に記載のコレステリック液晶膜の製造方法。
<8> 工程Cにてせん断力を付与された後の塗膜の厚みが10μm以下である、<1>~<7>のいずれか1に記載のコレステリック液晶膜の製造方法。
本発明の一実施形態によれば、コレステリック液晶のらせん軸がらせん軸が膜面方向に平行で且つ上面視にて特定方向に沿って並び、その並びの膜面内でのバラツキが少ない(即ち、配向精度に優れる)コレステリック液晶膜の製造方法が提供される。
図1は、本開示のコレステリック液晶膜の製造方法の一例を説明するための概略図である。
以下、本開示のコレステリック液晶膜の製造方法について詳細に説明する。
本開示において、「工程」の語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
なお、複数の図面に記載されている符号が同一である場合、同一の対象を指す。
本発明者らは、塗膜に対してせん断力を付与する工程を用いた新規の液晶配向方法を見出し、コレステリック液晶のらせん軸が膜面方向に平行で且つせん断方向に垂直に沿って並び、且つ、その並びの膜面内でのバラツキが少ない(即ち、配向精度に優れる)コレステリック液晶膜を得るに至った。
具体的には、溶媒、棒状サーモトロピック液晶化合物(以降、特定液晶化合物ともいう)、及びキラル剤を含む塗布液を塗布乾燥させて得られた塗膜に対し、その表面にせん断力を与える方法である。特に、残存溶媒率を50質量%以下まで乾燥された塗膜に対して、せん断力を与えることで、コレステリック液晶のらせん軸が膜面方向に平行で且つせん断方向に垂直に沿って並び、更に、その並びの膜面内でのバラツキが少ない(即ち、配向精度に優れる)コレステリック液晶膜が得られることを見出した。
なお、この新規の液晶配向方法では、せん断力によって液晶の配向がなされることから、通常、コレステリック液晶膜に隣接して設けられる配向膜(配向層ともいう)が不要になる、といった効果も奏する。
ここで、本開示において、コレステリック液晶のらせん軸が膜面方向に平行に並ぶことを「水平配向」ともいい、コレステリック液晶のらせん軸が、コレステリック液晶膜の膜面方向に対して水平(言い換えれば、コレステリック液晶膜の膜厚方向に垂直)に並ぶことを指す。但し、コレステリック液晶のらせん軸がコレステリック液晶膜の膜面方向に対して厳密に水平であることを要するものではなく、コレステリック液晶のらせん軸とコレステリック液晶膜の膜面方向とでなす角が45°未満である場合は、本開示における「水平配向」に包含されるものとする。コレステリック液晶のらせん軸とコレステリック液晶膜の膜面方向とでなす角としては、0°~40°の範囲であることが好ましい。
また、コレステリック液晶のらせん軸がせん断方向に垂直に沿って並ぶとは、コレステリック液晶のらせん軸が、コレステリック液晶膜の製造時のせん断力の付与方向に垂直に並ぶことを指す。つまり、長尺のコレステリック液晶膜を製造する際に、長尺方向にせん断力が付与された場合、コレステリック液晶のらせん軸が、上面視にてコレステリック液晶膜の長尺方向に対して垂直(言い換えれば、コレステリック液晶膜の短尺方向に平行)に並ぶことを指す。但し、コレステリック液晶のらせん軸がせん断方向に厳密に垂直であることを要するものではなく、コレステリック液晶のらせん軸とせん断方向とでなす角が90°±45°未満である場合は、本開示における「せん断方向に垂直」に包含されるものとする。コレステリック液晶のらせん軸とせん断方向とでなす角としては、60°~120°の範囲であることが好ましい。
コレステリック液晶膜におけるコレステリック液晶のらせん軸の並びに関する確認には、以下の方法を用いる。
まず、コレステリック液晶のらせん軸が膜面方向に平行で且つせん断方向に垂直に沿って並んでいることは、偏光顕微鏡によるクロスニコル偏光透過写真及び断面SEM写真を用いて確認することができる。
コレステリック液晶は、特定液晶化合物の分子群で構成された層が積み重なった積層構造を有する。1つ1つの層内ではそれぞれの特定液晶化合物の分子が一定方向に配列しており、各層の分子の配列方向は、積層方向に進むにつれらせん状に旋回するようにずれている。
そのため、クロスニコル偏光透過写真では、特定液晶化合物の分子の配列方向が撮影方向に垂直又はそれに近い状態で並ぶ層に該当する領域は淡く、また、その層以外の領域は濃く現れる。
従って、コレステリック液晶膜の上面のクロスニコル偏光透過写真にて、上記濃淡による規則的な縞模様が確認され、規則的な縞模様がせん断方向に平行に並ぶことで、コレステリック液晶のらせん軸がせん断方向に垂直に沿って並んでいることが確認できる。
なお、規則的な縞模様のうち、写真中央部で淡い部分からなる線1本(途切れのないもの)を選び、この線とせん断方向とのなす角が45°未満であれば、コレステリック液晶のらせん軸とせん断方向とでなす角が90°±45°未満であることとなる。
また、コレステリック液晶のらせん軸が膜面方向と平行に沿って並んでいることは、コレステリック液晶膜の厚み方向の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)による倍率5000倍の写真(断面SEM写真ともいう)によって確認できる。ここで、コレステリック液晶膜の厚み方向の断面は、せん断方向(例えば、塗膜の搬送方向)と直交する方向に沿って切断した断面とする。
なお、断面SEM写真において、途切れのないコレステリック液晶を1つ選び、このコレステリック液晶のらせん軸とコレステリック液晶膜の膜面方向とでなす角が45°未満であれば、コレステリック液晶のらせん軸が膜面方向と平行に沿って並んでいるといえる。
コレステリック液晶膜における配向精度に優れることの確認は、以下の方法を用いる。
確認対象から2cm四方の試験片を切り出す。試験片を黒い背景の上に載せ、白灯下で等倍の写真を撮影し、得られた写真を画像処理用ソフト(例えばJtrim等)にて二値化処理する。そして、二値化処理された画像から白のピクセル数を求め、これを「白い領域」の面積とする。
コレステリック液晶のらせん軸の並びに微細なバラツキがあるとその領域にて散乱が生じ、上記の「白い領域」として現れる。
写真中の試験片の全面積(即ち二値化処理された画像の白及び黒のピクセル総数)に占める白い領域の割合(即ち白い領域の面積率)が少ないほど、コレステリック液晶のらせん軸の並びの膜面内でのバラツキが少ないことを示しており、配向精度に優れると判断することができる。
例えば、写真中の試験片の全面積に占める白い領域の割合が10%以下であることが1つの指標となる。
以上の知見に基づく、本開示のコレステリック液晶膜の製造方法は、以下の通りである。
即ち、本開示のコレステリック液晶膜の製造方法は、基材上に、溶媒、棒状サーモトロピック液晶化合物、及びキラル剤を含む塗布液を塗布し、塗膜を形成する工程Aと、形成された塗膜中の残存溶媒率を50質量%以下まで乾燥させる工程Bと、乾燥後の塗膜表面にせん断力を与える工程Cと、を有する。
これらの工程A、工程B、及び工程Cを有することで、膜面方向に平行で(即ち、水平配向し)且つせん断方向に垂直に沿って並び、更に、その並びの膜面内でのバラツキが少ないコレステリック液晶膜が得られる。
以下、図面を参照して、本開示のコレステリック液晶膜の製造方法の各工程について詳細に説明する。
図1に示す、本開示のコレステリック液晶膜の製造方法の一例は、連続搬送される長尺の基材を用いた、ロールトゥロール(Roll to Roll)方式での連続プロセスを用いた方法である。
本開示のコレステリック液晶膜の製造方法は、ロールトゥロール方式での連続プロセスに限定されるものではなく、枚葉の基材に対して各工程を順次行ってもよい。
[工程A]
工程Aでは、基材上に、溶媒、棒状サーモトロピック液晶化合物、及びキラル剤を含む塗布液(以降、液晶層形成用塗布液ともいう)を塗布し、塗膜を形成する。
なお、工程Aにおける液晶層形成用塗布液の塗布は、基材を張架した状態にて塗布が行え、塗布精度が高まる観点から、バックアップロール上に巻き掛けられた基材に対し行われることが好ましい。
工程Aの一例について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、ロール状の巻回された長尺の基材Fは、その先端が送り出され、搬送ロール50を介して搬送されると、まず、塗布手段10により、液晶層形成用塗布液の塗布が行われる。
図1に示すように、塗布手段10による液晶層形成用塗布液の塗布は、基材Fがバックアップロール12上に巻き掛けられた領域で行うことが好ましい。
(基材)
基材としては、特に制限はなく、コレステリック液晶膜と共に光学フィルムの一部として機能する部材であってもよいし、塗布液を塗布する対象である被塗布物であって、コレステリック液晶膜から剥離される部材であってもよい。
特に、ロールトゥロール方式への適用性、及び、バックアップロールへの巻き掛け易さを考慮すると、基材にはポリマーフィルムが好ましく用いられる。
光学フィルム用途であれば、基材の全光透過率は、80%以上であることが好ましい。
光学フィルム用途であれば、基材としてポリマーフィルムを用いる場合には、光学的等方性のポリマーフィルムを用いるのが好ましい。
基材としては、例えば、ポリエステル系基材(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のフィルム若しくはシート)、セルロース系基材(ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)等のフィルム若しくはシート)、ポリカーボネート系基材、ポリ(メタ)アクリル系基材(ポリメチルメタクリレート等のフィルム若しくはシート)、ポリスチレン系基材(ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン共重合体等のフィルム若しくはシート)、オレフィン系基材(ポリエチレン、ポリプロピレン、環状若しくはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレンプロピレン共重合体等のフィルム若しくはシート)、ポリアミド系基材(ポリ塩化ビニル、ナイロン、芳香族ポリアミド等のフィルム若しくはシート)、ポリイミド系基材、ポリスルホン系基材、ポリエーテルスルホン系基材、ポリエーテルエーテルケトン系基材、ポリフェニレンスルフィド系基材、ビニルアルコール系基材、ポリ塩化ビニリデン系基材、ポリビニルブチラール系基材、ポリ(メタ)アクリレート系基材、ポリオキシメチレン系基材、エポキシ樹脂系基材等の透明基材、又は上記のポリマー材料をブレンドしたブレンドポリマーからなる基材等が挙げられる。
基材の厚みとしては、製造適性、製造コスト、光学フィルム用途等を考慮すると、例えば、30μm~150μmが好ましく、40μm~100μmがより好ましい。
基材としては、上記のポリマーフィルム上に予め層が形成されたものであってもよい。
予め形成される層としては、ラビング配向層、光配向層等の液晶化合物に対する配向規制力を備える配向層、密着層などが挙げられる。
(液晶層形成用塗布液)
工程Aに用いられる液晶層形成用塗布液は、溶媒、棒状サーモトロピック液晶化合物、及びキラル剤を含む。また、液晶層形成用塗布液は、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。
-溶媒-
溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒として具体的には、アミド溶媒(例えば、N、N-ジメチルホルムアミド)、スルホキシド溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例えば、ピリジン)、炭化水素溶媒(例えば、ベンゼン、ヘキサン等)、ハロゲン化アルキル溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル溶媒(例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル等)、ケトン溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1、2-ジメトキシエタン等)が挙げられる。中でも、有機溶媒としては、ハロゲン化アルキル溶媒及びケトン溶媒が好ましい。
有機溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
-棒状サーモトロピック液晶化合物(特定液晶化合物)-
棒状サーモトロピック液晶化合物(即ち、特定液晶化合物)とは、サーモトロピック性を有し、棒状の分子構造を有する液晶化合物を指す。
特に、特定液晶化合物は、重合性基を有する化合物であることが好ましい。特定液晶化合物が有する重合性基としては、不飽和重合性基、エポキシ基、又はアジリジニル基が好ましいものとして挙げられ、不飽和重合性基であることがより好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
特定液晶化合物として具体的には、Makromol. Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同第5622648号明細書、同第5770107明細書、国際公開第95/22586号、同第95/24455号、同第97/00600号、同第98/23580号、同第98/52905号、特開平1-272551号公報、同6-16616号公報、同7-110469号公報、同11-80081号公報、及び特開2001-328973号公報などに記載の化合物が挙げられる。
更に、特定液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報、特開2007-279688号公報等に記載のものも好ましく用いることができるが、これらに限定されるものではない。
特定液晶化合物としては、順波長分散特性を有する液晶化合物として、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0007113962000001

一般式(1)中、Q及びQは、それぞれ独立に、重合性基であり、L、L、L、及びLは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表し、A及びAは、それぞれ独立に、炭素原子数2~20の2価の炭化水素基を表し、Mはメソゲン基を表す。
及びQで表される重合性基としては、上述する特定液晶化合物が有する重合性基が挙げられ、好ましい例も同様である。
、L、L、及びLで表される連結基としては、-O-、-S-、-CO-、-NR-、-CO-O-、-O-CO-O-、-CO-NR-、-NR-CO-、-O-CO-、-O-CO-NR-、-NR-CO-O-、及びNR-CO-NR-からなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。ここで、Rは炭素原子数が1~7のアルキル基又は水素原子である。
また、L及びLの少なくとも一方は、-O-CO-O-であることが好ましい。
一般式(1)中、Q-L-及びQ-L-は、CH=CH-CO-O-、CH=C(CH)-CO-O-、及びCH=C(Cl)-CO-O-が好ましく、CH=CH-CO-O-が最も好ましい。
及びAで表される炭素原子数2~20の2価の炭化水素基としては、炭素原子数2~12の、アルキレン基、アルケニレン基、又はアルキニレン基が好ましく、特に、炭素原子数2~12のアルキレン基が好ましい。2価の炭化水素基は、鎖状であることが好ましく、隣接していない酸素原子又は硫黄原子を含んでいてもよい。また、2価の炭化水素基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素)、シアノ基、メチル基、エチル基等が挙げられる。
Mで表されるメソゲン基は、液晶形成に寄与する液晶分子の主要骨格を示す基である。
Mで表されるメソゲン基については、特に制限はなく、例えば、「FlussigeKristalle in Tabellen II」(VEB DeutscheVerlag fur Grundstoff Industrie,Leipzig、1984年刊)、特に第7頁~第16頁の記載、及び、液晶便覧編集委員会編、液晶便覧(丸善、2000年刊)、特に第3章の記載を参照することができる。
より具体的には、Mで表されるメソゲン基は、特開2007-279688号公報の段落0086に記載の構造が挙げられる。
メソゲン基としては、例えば、芳香族炭化水素基、複素環基、及び脂環式基からなる群より選択される少なくとも1種の環状構造を含む基が好ましい。中でも、メソゲン基は、芳香族炭化水素基を含む基であることが好ましく、2個~5個の芳香族炭化水素基を含む基であることがより好ましく、3個~5個の芳香族炭化水素基を含む基であることが更に好ましい。
更に好ましくは、メソゲン基としては、3個~5個のフェニレン基を含み、フェニレン基を-CO-O-にて連結した基であることが好ましい。
メソゲン基に含まれる環状構造は、更に、メチル基等の炭素数1~10のアルキル基等を置換基として有してもよい。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。「Me」は、メチル基を表す。
Figure 0007113962000002

また、特定液晶化合物としては、逆波長分散性の棒状液晶化合物を用いてもよい。
逆波長分散性の棒状液晶化合物としては、特開2016-81035号公報の一般式1で表される液晶化合物、及び、特開2007-279688号公報の一般式(I)又は(II)で表される化合物が挙げられる。より具体的には、逆波長分散性の特定液晶化合物として、以下に示す化合物が挙げられるが、本開示ではこれらに限定されるものではない。
Figure 0007113962000003

特定液晶化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶層形成用塗布液における特定液晶化合物の含有量は、全固形分の質量に対して、70質量%以上100質量%未満が好ましく、90質量%~99質量%がより好ましい。
なお、固形分とは、溶媒を除いた成分を指す。
-キラル剤-
キラル剤は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4-3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第一42委員会編、1989に記載)から選択することができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物又は面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。
軸性不斉化合物又は面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン、及びこれらの誘導体が含まれる。
キラル剤は、重合性基を有していてもよい。
キラル剤が重合性基を有すると共に、併用する特定液晶化合物も重合性基を有する場合は、重合性基を有するキラル剤と重合性基を有する特定液晶化合物との重合反応により、特定液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーが得られる。
重合性基を有するキラル剤が有する重合性基は、特定液晶化合物が有する重合性基と同種の基であることが好ましい。キラル剤が有する重合性基は、不飽和重合性基、エポキシ基、又はアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがより好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
強い捩れ力を示すキラル剤としては、例えば、特開2010-181852号公報、特開2003-287623号公報、特開2002-80851号公報、特開2002-80478号公報、特開2002-302487号公報等に記載のキラル剤が挙げられ、これらは、本開示における液晶層形成用塗布液にも好ましく用いることができる。
更に、上記の各公開公報に記載されているイソソルビド化合物類については対応する構造のイソマンニド化合物類をキラル剤として用いることもでき、また、同公報に記載されているイソマンニド化合物類については対応する構造のイソソルビド化合物類をキラル剤として用いることもできる。
液晶層形成用塗布液におけるキラル剤の含有量は、全固形分の質量に対して、0.5質量%~10.0質量%が好ましく、1.0質量%~3.0質量%がより好ましい。
-その他の成分-
液晶層形成用塗布液は、必要に応じて、配向制御剤、重合開始剤、レベリング剤、配向助剤等のその他の成分を含んでいてもよい。
・配向制御剤
配向制御剤としては、空気界面において特定液晶化合物の分子のチルト角を低減若しくは実質的に水平にすることができるものが好ましい。
このような配向制御剤としては、例えば、特開2012-211306号公報の段落番号[0012]~[0030]に記載の化合物、特開2012-101999号公報の段落番号[0037]~[0044]に記載の化合物、特開2007-272185号公報の段落番号[0018]~[0043]に記載の含フッ素(メタ)アクリレートポリマー、特開2005-099258号公報に合成方法と共に詳細に記載された化合物等が挙げられる。
なお、特開2004-331812号公報に記載の、フルオロ脂肪族基含有モノマーの重合単位を全重合単位の50質量%超で含むポリマーも配向制御剤として用いてもよい。
他の配向制御剤の例として、垂直配向剤が挙げられる。垂直配向剤を配合することにより、液晶化合物の垂直配向性を制御することができる。垂直配向剤の例としては、特開2015-38598号公報に記載のボロン酸化合物及び/又はオニウム塩、特開2008-26730号公報のオニウム塩等を好ましく用いることができる。
液晶層形成用塗布液における配向制御剤の含有量は、全固形分の質量に対して、0質量%~5.0質量%が好ましく、0.3質量%~2.0質量%がより好ましい。
・重合開始剤
重合開始剤としては、光重合開始剤及び熱重合開始剤のいずれもが用いられるが、熱による基材の変形、液晶層形成用組成物の変質等を抑制する観点から、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤の例としては、α-カルボニル化合物(例えば、米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載の化合物)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載の化合物)、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(例えば、米国特許第2722512号明細書記載の化合物)、多核キノン化合物(例えば、米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載の化合物)、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ(例えば、米国特許第3549367号明細書記載の化合物)、アクリジン及びフェナジン化合物(例えば、特開昭60-105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載の化合物)、オキサジアゾール化合物(例えば、米国特許第4212970号明細書記載の化合物)、アシルフォスフィンオキシド化合物(例えば、特公昭63-40799号公報、特公平5-29234号公報、特開平10-95788号公報、特開平10-29997号公報記載の化合物)等が挙げられる。
液晶層形成用塗布液における重合開始剤の含有量は、全固形分の質量に対して、0.5質量%~5.0質量%が好ましく、1.0質量%~4.0質量%がより好ましい。
液晶層形成用塗布液の固形分の含有量としては、液晶層形成用塗布液の全質量に対して、例えば、25質量%~40質量%の範囲が好ましく、25質量%~35質量%の範囲がより好ましい。
(塗布)
液晶層形成用塗布液を塗布する塗布手段(図1では塗布手段10に該当)としては、公知の塗布手段が適用される。
塗布手段として具体的には、エクストルージョンダイコータ法、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等を利用した手段が挙げられる。
(バックアップロール)
工程Aにおいて好ましく用いられるバックアップロール(図1ではバックアップロール12に該当)は、基材を巻き掛けて連続搬送することができる部材であって、基材の搬送速度と同速度で回転駆動する。
工程Aに用いるバックアップロールは、特に制限無く、公知のものを用いることができる。
バックアップロールとしては、例えば、表面が、ハードクロムメッキされたものを好ましく用いることができる。
メッキの厚みは、導電性と強度とを確保する観点から40μm~60μmが好ましい。
また、バックアップロールの表面粗さは、基材とバックアップロールとの摩擦力のバラツキを低減させる点から、表面粗さRaにて0.1μm以下が好ましい。
工程Aに用いるバックアップロールは、塗膜の乾燥促進を高める観点、及び、膜面温度低下による塗膜のブラッシング(即ち、微細な結露が生じることによる塗膜の白化)の抑制など観点から、加温されていてもよい。
バックアップロールの表面温度は、塗膜の組成、塗膜の硬化性能、基材の耐熱性等に応じて決定されればよく、例えば、40℃~120℃が好ましく、40℃~100℃がより好ましい。
工程Aに用いるバックアップロールは、表面温度を検知し、その温度に基づいて温度制御手段によってバックアップロールの表面温度が維持されることが好ましい。
バックアップロールの温度制御手段には、加熱手段及び冷却手段がある。加熱手段としては、誘導加熱、水加熱、油加熱等が用いられ、冷却手段としては、冷却水による冷却が用いられる。
工程Aに用いるバックアップロールの直径としては、基材が巻き掛け易い観点、塗布手段による塗布が容易な観点、及び、バックアップロールの製造コストの観点から、100mm~1000mmが好ましく、100mm~800mmがより好ましく、200mm~700mmが更に好ましい。
工程Aにおけるバックアップロールでの基材の搬送速度は、生産性の確保の観点、及び、塗布性の観点から、10m/min以上100m/min以下であることが好ましい。
バックアップロールに対する基材のラップ角は、塗布時の基材搬送を安定化され、塗膜の厚みムラの発生を抑制する観点から、60°以上が好ましく、90°以上がより好ましい。また、ラップ角の上限は、例えば、180°に設定することができる。
なお、ラップ角とは、基材がバックアップロールに接触する際の基材の搬送方向と、バックアップロールから基材が離間する際の基材の搬送方向と、からなる角度をいう。
[工程B]
工程Bでは、形成された塗膜中の残存溶媒率を50質量%以下まで乾燥させる。
工程Bにおける塗膜中の残存溶媒率は、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。工程Bにおける塗膜中の残存溶媒率の下限としては、塗布面状の悪化を抑制しやすい観点から、10質量%であることが好ましい。
塗膜中の残存溶媒率は、工程Cの直前にて50質量%以下となっていればよく、例えば、後述する乾燥手段による乾燥後であって、工程Cに供される前までの搬送中に、塗膜中の残存溶媒率を50質量%以下となればよい。
工程Bにて、残存溶媒率が50質量%以下となる過程において、塗膜中の特定液晶化合物の密度が高まり、コレステリック液晶となる。工程Bにおけるコレステリック液晶は、らせん軸が塗膜の膜面方向に平行になっていることが多い。但し、B工程にて、残存溶媒率が50質量%以下となった塗膜は、上面視した場合、面内においてコレステリック液晶のらせん軸の向きにはバラツキがある状態である。
工程Bの一例について、図1を参照して説明する。
工程Bでは、塗布手段10により液晶層形成用塗布液の塗布が行われた後、乾燥手段20の乾燥領域により、塗膜の乾燥が行われる。
乾燥後の塗膜は、搬送ロール52を介して工程Cへと搬送される。工程Bでは、工程Cにて塗膜表面にせん断力が付与される前までに、塗膜中の残存溶媒率を50質量%以下とすればよい。
(乾燥)
塗膜の乾燥に用いられる乾燥手段(図1では乾燥手段20に該当)としては、公知の乾燥手段が適用される。
乾燥手段として、具体的には、オーブン、温風機、赤外線(IR)ヒーター等を用いる方法を用いた手段が挙げられる。
温風機による乾燥においては、基材の塗膜形成面とは反対側の面から温風を当てる構成でもよく、塗膜表面が温風にて流動しないよう、拡散板を設置した構成としてもよい。
また、乾燥を吸気によって行ってもよい。吸気による乾燥は、排気機構を有する減圧室等を用い、塗膜上の気体を吸気することで、塗膜中の残留溶媒率を下げる方法である。
乾燥条件は、塗膜中の残存溶媒率を50質量%以下までにする条件であればよく、液晶層形成用塗膜の組成、塗布量、搬送速度等に応じて決定されればよい。
ここで、塗膜の残存溶媒率の測定は、絶乾法にて行う。
具体的には、塗膜の一部を掻き取り、例えば、60℃(塗膜を構成する材料が揮散しない温度以下)で24時間乾燥させ、乾燥前後の質量変化から残存溶媒率を求める。これを3回行い、3回の平均値を残存溶媒率とする。
[工程C]
工程Cでは、乾燥後の塗膜表面にせん断力を付与する。
工程Bによる乾燥後の塗膜は、既述のように、上面視した場合、面内においてコレステリック液晶のらせん軸の向きにはバラツキがある状態である。
そこで、本開示のコレステリック液晶膜の製造方法では、工程Bの後に工程Cを行い、塗膜を上面視した場合に、コレステリック液晶のらせん軸の向きのバラツキを少なくする。具体的には、工程Cで、工程B後の塗膜表面に対しせん断力を付与する。
塗膜表面に対しせん断力が付与されることで、このせん断力をきっかけにコレステリック液晶のらせん軸がそのせん断方向に垂直に規則正しく並ぶようになる。その結果、工程Cを経ることで、コレステリック液晶のらせん軸が膜面方向に平行で且つせん断方向に垂直に沿って並び、更に、その並びの膜面内でのバラツキが少ない(即ち、配向精度に優れる)コレステリック液晶膜が得られる。
配向精度に優れたコレステリック液晶膜は、コレステリック液晶膜を上面視した場合に、散乱する領域(既述の白い領域)が少ないことで確認することができる。
なお、工程Cにおける塗膜表面へのせん断力の付与は、せん断力の均一性を高められる観点から、バックアップロール上に巻き掛けられた基材に対し行われることが好ましい。
工程Cの一例について、図1を参照して説明する。
工程Cでは、乾燥手段20により、塗膜中の残存溶剤率が50質量%以下になった乾燥後の塗膜の上面をブレード30で掻き取り、せん断力を付与する。
これにより、塗膜の搬送方向(即ち基材の搬送方向)に沿って、せん断力が付与される。
図1に示すように、ブレード30によるせん断力の付与は、基材Fがバックアップロール32上に巻き掛けられた領域で行うことが好ましい。
図1においては、塗膜表面に対するせん断力の付与にブレード30が用いられていたが、本開示ではこれに限定されるものではなく、コレステリック液晶のらせん軸をせん断方向に垂直に並ばせることが可能であれば、如何なる方法であってもよい。ブレード以外のせん断力の付与手段としては、エアナイフ、バー、アプリケーター等が挙げられる。
(せん断速度)
工程Cにて、乾燥後の塗膜表面にせん断力を付与する場合、せん断速度が大きいほど、配向精度に優れたコレステリック液晶膜が得られやすい。具体的には、せん断速度は、1000秒-1(1/sec)以上であることが好ましく、10000秒-1(1/sec)以上であることがより好ましく、30000秒‐1(1/sec)以上であることが更に好ましい。
なお、せん断速度の上限は、例えば、1.0×10‐1(1/sec)以下である。
例えば、図1に示すように、ブレード30にて塗膜表面にせん断力を付与する場合、せん断速度は、ブレード30と基材との最短距離を「d」とし、ブレードに接触する塗膜の搬送速度(即ち、塗膜とブレードとの相対速度)を「V」としたとき、「V/d」にて求められる。
また、エアナイフにて塗膜表面にせん断力を付与する場合、せん断速度は、せん断付与後の塗膜の厚みを「h」とし、塗膜表面と基材表面との相対速度「V」としたとき、「V/2h」から求められる。
(ブレードによるせん断力の付与)
図1に示すように、ブレード30にて塗膜表面にせん断力を付与する方法の場合、塗膜の上面を掻き取ることが好ましい。
つまり、ブレードによるせん断力の付与では、ブレードにより塗膜の膜厚の規制が行われる。
ブレードによるせん断力が付与された後の塗膜の膜厚は、せん断力の付与前に比べて、1/2以下であってもよいし、1/3以下であってもよい。但し、膜厚の規制の下限としては、例えば、ブレードによるせん断力が付与された後の塗膜の膜厚が、せん断力の付与前に比べて、1/4以上であることが好ましい。
せん断力の付与に用いられるブレードの形状、材質等は、特に制限はない。
ブレードは、ステンレス等の金属製の板状部材であってもよいし、テフロン(登録商標)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂製の板状部材であってもよい。
塗膜に対して一定のせん断力を付与しやすい観点から、金属製の板状部材を用いることが好ましく、塗膜に接触する先端部の厚み(即ち、塗膜の搬送方向に沿った厚み)は、0.1mm以上(好ましくは1mm以上)である金属製の板状部材であることが好ましい。金属製の板状部材の厚みの上限としては、例えば、10mm程度である。
(エアナイフによるせん断力の付与)
エアナイフによる塗膜表面にせん断力を付与する方法の場合、塗膜の上面にエアナイフによる圧縮空気を吹き付けることで、せん断力が付与される。
圧縮空気を吹き付ける速度(即ち流速)にて、塗膜に付与するせん断速度を調整することができる。
エアナイフによる圧縮空気の吹き付け方向は、塗膜の搬送方向と同じ方向であっても、反対の方向であってもよいが、吹き付けられた圧縮空気で掻き取られた塗膜破片が塗膜に再付着しにくい等の観点から、塗膜の搬送方向と同じ方向であることが好ましい。
(塗膜表面の温度)
工程Cにおいて、せん断力が付与される塗膜表面の温度は、用いる特定液晶化合物の相転移温度によるが、一般的には、50℃~120℃であることが好ましく、60℃~100℃であることがより好ましい。
塗膜表面の温度を上記の範囲とすることで、せん断力の付与による、コレステリック液晶のらせん軸をせん断方向に垂直に並ばせやすくなり、配向精度の高いコレステリック液晶膜を得ることができる。
ここで、塗膜表面の温度は、非接触式温度計で測定した温度値で放射率が校正された放射温度計を用いて測定される値である。測定は、測定面とは反対側(裏側)にその表面から10cm以内に反射物がない状態にて行われる。
(バックアップロール)
工程Cにおいて好ましく用いられるバックアップロール(図1ではバックアップロール32に該当)は、基材を巻き掛けて連続搬送することができる部材であって、基材の搬送速度と同速度で回転駆動する。
工程Cにて用いられるバックアップロールは、工程Aにて用いたバックアップロールと同様であり、好ましい態様も同様である。
なお、1つのバックアップロール上にて、工程Aと工程Cとが行われてもよい。
工程Cに用いるバックアップロールは、塗膜表面の温度を上記の範囲に制御する観点から、加温されていてもよい。
バックアップロールの表面温度は、例えば、50℃~120℃が好ましく、60℃~100℃であることがより好ましい。
工程Cに用いるバックアップロールは、表面温度を検知し、その温度に基づいて温度制御手段によってバックアップロールの表面温度が維持されることが好ましい。
バックアップロールの温度制御手段は、工程Aにて用いたバックアップロールと同様である。
工程Cに用いるバックアップロールの直径としては、基材が巻き掛け易い観点、せん断力の付与が容易な観点、及び、バックアップロールの製造コストの観点から、100mm~1000mmが好ましく、100mm~800mmがより好ましく、200mm~700mmが更に好ましい。
工程Cにおけるバックアップロールでの基材の搬送速度は、生産性の確保の観点、及び、せん断力の均一性を高める観点から、10m/min以上100m/min以下であることが好ましい。
工程Cにおけるバックアップロールに対する基材のラップ角は、塗布時の基材搬送を安定化され、せん断力の均一性を高める観点から、60°以上が好ましく、90°以上がより好ましい。また、ラップ角の上限は、例えば、180°に設定することができる。
工程Cにてせん断力を付与するときの塗膜の厚み(即ち、工程Bにて乾燥された塗膜の厚み)は、せん断力によるコレステリック液晶のらせん軸の配向精度をより高める観点から、70μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、15μm~50μmであることがより好ましい。
工程Cにてせん断力を付与された後の塗膜の厚みは、せん断力によるコレステリック液晶のらせん軸の配向精度をより高める観点から、10μm以下であることが好ましい。
また、工程Cを経て得られた塗膜(即ち、工程Cにてせん断力を付与された後の塗膜)の厚みは、用途に応じて決定されてもよい。
工程Cを経て得られた塗膜の厚みは、例えば、5μm以上であることが好ましい。
[工程D]
本開示のコレステリック液晶膜の製造方法では、塗膜中に重合性化合物(具体的には、重合性基を有する特定液晶化合物、重合性基を有するキラル剤等)を含む場合、工程C後に、塗膜を硬化させる工程Dを含むことが好ましい。
工程Dでは、せん断力が付与された後の塗膜に対して、例えば、熱をかけて、又は、活性エネルギー線を照射して塗膜を硬化させることが好ましい。
製造適性等を考慮すると、工程Dとしては、図1に示すような、活性エネルギー線の照射手段40から照射された活性エネルギー線による硬化を用いることが好ましい。
活性エネルギー線の照射手段としては、照射する塗膜中に活性種を発生させうるエネルギーを付与する手段であれば、特に制限はない。
活性エネルギー線として、具体的には、例えば、α線、γ線、X線、紫外線、赤外線、可視光線、電子線等が挙げられる。これらのうち、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から、活性エネルギー線としては、紫外線が好ましく用いられる。
紫外線の光源としては、例えば、タングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、カーボンアークランプ等のランプ、各種のレーザー(例、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザー)、発光ダイオード、陰極線管等を挙げることができる。
紫外線の光源から発せられる紫外線のピーク波長は、200nm~400nmが好ましい。
また、紫外線の露光エネルギー量としては、例えば、100mJ/cm~500mJ/cmが好ましい。
以上により、基材上にコレステリック液晶膜が製造される。
基材とコレステリック液晶膜との積層体は光学フィルムとして用いてもよい。
[その他の工程]
本開示のコレステリック液晶膜の製造方法では、以上の工程A~工程D以外にも、その他の工程を有していてもよい。
その他の工程としては、工程Aにて用いられる基材上に配向層を形成する工程が挙げられる。
つまり、工程Aにて用いられる基材は、配向層を備えた基材であってもよい。
(配向層)
配向層は、液晶化合物に対して配向規制力を付与しうる層であれば特に制限はない。
配向層は、例えば、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、又はマイクログルーブを有する層の形成等の手段で設けることができる。
また、配向層は、電場の付与、磁場の付与、或いは光照射により配向機能が生じる配向層であってもよい。
なお、基材が樹脂製である場合、その樹脂種(例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等)によっては、配向層を設けず、支持体を直接配向処理(例えば、ラビング処理)することにより、基材の表面を配向層として機能させることもできる。
本開示のコレステリック液晶膜の製造方法では、配向層は必須ではなく、配向層を用いずとも、工程Cにおける塗膜に対するせん断力の付与によりコレステリック液晶のらせん軸を並べることができる。
〔光学フィルム〕
本開示のコレステリック液晶膜の製造方法において、基材として光学的等方性のポリマーフィルムを用い、このポリマーフィルム上にコレステリック液晶膜を形成した場合、得られた積層体は光学フィルムとして用いることができる。
また、コレステリック液晶膜自体を光学フィルムとして用いてもよい。
本開示のコレステリック液晶膜の製造方法にて得られたコレステリック液晶膜は、光反射層としての機能を発現させることができる。そのため、空中結像装置に用いられる光学フィルムとしても好適である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(基材の準備)
基材として、厚み80μm、幅300mmの長尺のトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士フイルム(株)、屈折率1.48)を用意した。
(液晶層形成用塗布液1の調製)
下に記載の各成分を混合した後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、液晶層形成用塗布液1を調製した。
-液晶層形成用塗布液1-
・棒状サーモトロピック液晶化合物(下記化合物(A)):100質量部
・キラル剤(下記化合物(B)):2.5質量部
・光重合開始剤:3質量部
(IRGACURE(登録商標)907、BASF社)
・配向規制剤(下記化合物(C)):0.2質量部
・垂直配向剤(下記化合物(D)):0.5質量部
・溶媒(メチルエチルケトン):215質量部
Figure 0007113962000004

(工程A及び工程B)
液晶層形成用塗布液1を、連続搬送された基材上にダイコート法を用いて塗布し、次いで70℃のオーブン内を60秒間通過させ、塗膜を乾燥した。
工程Aについて、具体的には、表面温度25℃、外径300mmのバックアップロール上に、基材を搬送し、図1に示すように、バックアップロール上に巻き掛けた基材に対し、ダイコート法を用いて、液晶層形成用塗布液1の塗布を行った。
工程A及び工程Bにおける基材の搬送速度は、10m/minであった。
た、乾燥後の塗膜の厚みは50μmであり、塗布幅は250mmであった。
(工程C)
乾燥後の塗膜に対し、ステンレス製ブレード(先端部の厚み1mm)にてせん断力を付与した。
工程Cについて具体的には、まず、表面温度70℃、外径500mmのバックアップロール上の基材表面から20μm離間した位置に先端部が来るようにブレードを設置した。また、ブレードは70℃に保温した。そこへ、工程Bを経た塗膜を有する基材をバックアップロール上へと搬送させて、塗膜表面をブレードに押し当て、塗膜の上面を掻き落とした。
上記ブレードにより付与されたせん断速度は、10000秒-1であった。
工程Cを経た塗膜の厚みは10μmとなった。
なお、工程Cにおける基材の搬送速度は、12m/minであった。
(工程D)
工程C後の塗膜に対し、高圧水銀ランプを用い、露光エネルギー量500mJ/cmで紫外線を照射し、塗膜を硬化した。
以上のようにして、基材上にコレステリック液晶膜を作製した。
〔実施例2~3、比較例2〕
工程Bにおける乾燥条件(具体的には、乾燥時間)を変えて、塗膜中の溶媒残存率を変えた以外は実施例1と同様にして、基材上にコレステリック液晶膜を作製した。
〔実施例4〕
工程Cにおける塗膜の搬送速度を36m/minに変えた以外は実施例1と同様にして、基材上にコレステリック液晶膜を作製した。
〔実施例5〕
工程Aの前に、以下の配向層形成工程を行った以外は、実施例1と同様にして、基材上にコレステリック液晶膜を作製した。
(配向層形成工程)
-配向層組成物Aの調製-
純水96質量部及びPVA-205((株)クラレ、ポリビニルアルコール)の混合物を、80℃に保温された容器中にて攪拌、溶解させ、配向層組成物を調製した。
連続搬送される、前記したトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、配向層組成物を#6バーを用いて塗布し、次いで、100℃のオーブン内で10分乾燥した後、基材の搬送方向と直交方向にラビング処理を施した。
〔実施例6〕
(工程A及び工程B)
既述の液晶層形成用塗布液1を、連続搬送された基材上にダイコート法を用いて塗布し、次いで70℃のオーブン内を60秒間通過させ、塗膜を乾燥した。
工程Aについて、具体的には、表面温度25℃、外径300mmのバックアップロール上に、基材を搬送し、図1に示すように、バックアップロール上に巻き掛けた基材に対し、ダイコート法を用いて、液晶層形成用塗布液1の塗布を行った。
工程A及び工程Bにおける基材の搬送速度は、10m/minであった。
た、乾燥後の塗膜の厚みは50μmであり、塗布幅は250mmであった。
(工程C)
乾燥後の塗膜に対し、エアナイフにてせん断力を付与した。
工程Cについて具体的には、工程Bを経た塗膜を有する基材を、表面温度70℃、外径500mmのバックアップロールへと搬送させて、バックアップロール上の塗膜表面にエアナイフにて圧縮空気を当てた。圧縮空気の吹き付け方向は、塗膜の搬送方向と同じ方向であった。
上記エアナイフにより付与されたせん断速度は、10000秒-1であった。
工程Cを経た塗膜の厚みは10μmとなった。
なお、工程Cにおける基材の搬送速度は、12m/minであった。
(工程D)
工程C後の塗膜に対し、高圧水銀ランプを用い、露光エネルギー量500mJ/cmで紫外線を照射し、塗膜を硬化した。
以上のようにして、基材上にコレステリック液晶膜を作製した。
〔実施例7~8〕
工程Bにおける乾燥条件(具体的には、乾燥時間)を変えて、塗膜中の溶媒残存率を変えた以外は実施例6と同様にして、基材上にコレステリック液晶膜を作製した。
〔実施例9〕
工程Cにおける塗膜の搬送速度を36m/minに変えた以外は実施例1と同様にして、基材上にコレステリック液晶膜を作製した。
〔実施例10〕
工程Aの前に、実施例5と同様の方法で配向層形成工程を行った以外は、実施例6と同様にして、基材上にコレステリック液晶膜を作製した。
〔比較例1〕
工程Cを行わなかった以外は、実施例3と同様にして、基材上にコレステリック液晶膜を作製した。
〔評価〕
(偏光顕微鏡による観察)
ニコン(株)製の偏光顕微鏡NV100LPOLを用いて、コレステリック液晶膜の上面のクロスニコル偏光透過写真を撮影し、写真画像から縞模様(即ちらせんピッチにて生じる模様)及び配向欠陥の状態を観察した。
クロスニコル偏光透過写真に現れる縞模様に基づいて、既述の方法でコレステリック液晶のらせん軸を確認し、以下の基準にて評価した。
縞模様が塗膜の搬送方向に平行に並んでいることが確認できることで、コレステリック液晶のらせん軸が塗膜の搬送方向(即ち、せん断方向)に垂直に並んでいることを確認できる。
-評価基準-
A:縞模様が塗膜の搬送方向に平行に並んでハッキリ見え、縞模様の一部が途切れる配向欠陥がない。
B:縞模様が塗膜の搬送方向に平行に並んでハッキリ見えるが、縞模様の一部が途切れる配向欠陥が僅かに見える。
C:縞模様が塗膜の搬送方向に平行に並んで見えるが、縞模様の一部が途切れる配向欠陥が多い。
D:縞模様が見えない。
(SEMによる観察)
SEM(日立ハイテクノロジーズ製SU3500)を用いて、コレステリック液晶膜の断面を観察し、既述の方法で、コレステリック液晶のらせん軸が膜面方向に平行であるかどうかを確認した。
-評価基準-
A:コレステリック液晶のらせん軸が膜面方向に平行である。
B:コレステリック液晶のらせん軸が膜面方向に平行でない。
(配向精度の評価)
既述の方法にて、コレステリック液晶のらせん軸の並びに微細なバラツキによる散乱領域(即ち、写真中の白い領域)を確認することで、コレステリック液晶膜における配向精度について評価した。
測定された光学フィルムの散乱について、以下の基準にて評価した。散乱領域(即ち、写真中の白い領域)が少ないほど、配向精度に優れる、即ち膜面バラツキが少ないと判断した。
-評価基準-
A:試験片の全面積に占める白い領域の割合(即ち面積率)が0%である(言い換えれば、写真中に白い領域が見られない)。
B:試験片の全面積に占める白い領域の割合(即ち面積率)が10%以下である。
C:の試験片の全面積に占める白い領域の割合(即ち面積率)が10%超である。
Figure 0007113962000005

表1に示すように、実施例にて得られたコレステリック液晶膜は、いずれも、コレステリック液晶のらせん軸が膜面方向に平行(コレステリック液晶のらせん軸とコレステリック液晶膜の膜面方向とでなす角度=50°~90°)で、かつ、上面視にて特定方向に沿って並び、その並びの膜面内でのバラツキが少ない(即ち、配向精度に優れる)ことが分かる。
2019年3月28日に出願された日本出願特願2019-064853の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (8)

  1. 基材上に、溶媒、棒状サーモトロピック液晶化合物、及びキラル剤を含む塗布液を塗布し、塗膜を形成する工程Aと、
    形成された塗膜中の残存溶媒率を50質量%以下まで乾燥させる工程Bと、
    乾燥後の塗膜表面にせん断力を付与する工程Cと、
    を有する、らせん軸が膜面方向に平行で且つせん断方向に垂直に沿って並ぶコレステリック液晶膜の製造方法。
  2. 工程Cは、せん断速度が1000秒-1以上であるせん断力を付与する工程である、請求項1に記載のコレステリック液晶膜の製造方法。
  3. 工程Cにおける塗膜表面の温度が50℃~120℃である、請求項1又は請求項2に記載のコレステリック液晶膜の製造方法。
  4. 工程Cのせん断力の付与をブレードにて行う、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のコレステリック液晶膜の製造方法。
  5. 工程Cのせん断力の付与をエアナイフにて行う、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のコレステリック液晶膜の製造方法。
  6. 工程C後に、塗膜を硬化させる工程を更に含む、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のコレステリック液晶膜の製造方法。
  7. 工程Cにてせん断力を付与するときの塗膜の厚みが30μm以下である、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のコレステリック液晶膜の製造方法。
  8. 工程Cにてせん断力を付与された後の塗膜の厚みが10μm以下である、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のコレステリック液晶膜の製造方法。
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