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JP7111061B2 - スイッチング素子 - Google Patents

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JP7111061B2
JP7111061B2 JP2019098602A JP2019098602A JP7111061B2 JP 7111061 B2 JP7111061 B2 JP 7111061B2 JP 2019098602 A JP2019098602 A JP 2019098602A JP 2019098602 A JP2019098602 A JP 2019098602A JP 7111061 B2 JP7111061 B2 JP 7111061B2
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Description

本明細書に開示の技術は、スイッチング素子に関する。
特許文献1に開示のスイッチング素子は、半導体基板の上面に設けられたゲートトレンチを有している。ゲートトレンチは、x方向に伸びる複数の第1トレンチと、y方向(第1トレンチに対して直交する方向)に伸びる第2トレンチを有している。第2トレンチは、複数の第1トレンチを接続している。このため、半導体基板の上面において、ゲートトレンチがH型に伸びている。第1トレンチと第2トレンチ内には、ゲート絶縁膜と、ゲート電極が配置されている。ゲート電極は、ゲート絶縁膜によって半導体基板から絶縁されている。半導体基板は、n型のソース領域と、p型のボディ領域と、n型のドリフト領域と、p型の底部領域と、p型の接続領域を有する。ソース領域、ボディ領域、及び、ドリフト領域は、第1トレンチと第2トレンチの側面でゲート絶縁膜に接している。底部領域は、第1トレンチの底面と第2トレンチの底面に沿って設けられている。接続領域は、第2トレンチの長手方向の端面に沿って設けられており、ボディ領域と底部領域を接続している。接続領域が設けられていることで、底部領域の電位が安定する。このため、スイッチング素子がターンオフするときに、底部領域からその周囲に空乏層が広がる。底部領域から空乏層が広がることで、各トレンチの下端に加わる電界が緩和される。また、特許文献1のスイッチング素子の製造工程では、第2トレンチの端面にp型不純物を注入することによって接続領域が形成される。第2トレンチが設けられていることで、接続領域を容易に形成することができる。
特開2017-063082号公報
炭化ケイ素基板を用いたスイッチング素子が知られている。炭化ケイ素基板を用いたスイッチング素子によれば、従来のスイッチング素子に比べて損失を低減することができる。炭化ケイ素基板を用いたスイッチング素子でも、特許文献1の構造(すなわち、第1トレンチ、第2トレンチ、接続領域、及び、底部領域を有する構造)を採用することで、各トレンチの下端に加わる電界を緩和することができる。他方、炭化ケイ素基板を用いたスイッチング素子に特許文献1の構造を適用すると、スイッチング動作が不安定化するという問題が生じる。すなわち、炭化ケイ素基板は、六方晶の結晶構造を有している。このため、炭化ケイ素基板の上面に第1トレンチと第2トレンチ(すなわち、互いに直交するトレンチ)を形成すると、第1トレンチの側面が、第2トレンチの側面が異なる結晶面となる。例えば、第1トレンチの側面がm面である場合には、第2トレンチの側面はa面またはa面に近い面となる。このように第1トレンチの側面を構成する結晶面が第2トレンチの側面を構成する結晶面と異なると、第1トレンチの側面における界面準位密度と第2トレンチの側面における界面準位密度に差が生じる。その結果、第1トレンチにより構成されるゲート構造と第2トレンチにより構成されるゲート構造の間で、特性(特に、ゲート閾値)に差が生じる。このため、スイッチング素子がターンオンまたはターンオフするタイミングにおいて、第1トレンチにより構成されるゲート構造と第2トレンチにより構成されるゲート構造のスイッチングするタイミングにずれが生じる。このように、炭化ケイ素基板を用いたスイッチング素子に特許文献1の構造を採用すると、スイッチング動作が不安定化するという問題が生じる。本明細書では、炭化ケイ素基板を有するスイッチング素子において、トレンチの下端に加わる電界を緩和することができるとともに、安定したスイッチング動作を実現することが可能な技術を提案する。
本明細書が開示するスイッチング素子は、炭化ケイ素基板と、複数の第1トレンチと、第2トレンチと、ゲート絶縁膜と、ゲート電極と、埋め込み絶縁層を有する。複数の前記第1トレンチは、前記炭化ケイ素基板の上面に設けられており、互いに平行に伸びている。前記第2トレンチは、前記炭化ケイ素基板の前記上面に設けられており、複数の前記第1トレンチに対して直交する方向に伸びており、複数の前記第1トレンチを接続している。前記ゲート絶縁膜は、前記第1トレンチ内に配置されている。前記ゲート電極は、前記第1トレンチ内に配置されており、前記ゲート絶縁膜によって前記炭化ケイ素基板から絶縁されている。前記埋め込み絶縁層は、前記第2トレンチ内に配置されている。前記炭化ケイ素基板が、ソース領域と、ボディ領域と、ドリフト領域と、底部領域と、接続領域を有する。前記ソース領域は、前記ゲート絶縁膜に接する第1導電型領域である。前記ボディ領域は、前記ソース領域の下側で前記ゲート絶縁膜に接するとともに前記埋め込み絶縁層に接する第2導電型領域である。前記ドリフト領域は、前記ボディ領域の下側で前記ゲート絶縁膜に接するとともに前記ボディ領域の下側で前記埋め込み絶縁層に接する第1導電型領域である。前記底部領域は、前記第1トレンチの底面と第2トレンチの底面に沿って設けられている第2導電型領域である。前記接続領域は、前記第2トレンチの長手方向の端面に沿って設けられており、前記ボディ領域と前記底部領域を接続している第2導電型領域である。前記第2トレンチの少なくとも一部分をその幅方向に切断した断面を観察したときに、前記一部分が前記埋め込み絶縁層によって満たされており、前記一部分内に前記ゲート電極が配置されていない。
このスイッチング素子では、底部領域が第1トレンチの底面と第2トレンチの底面に沿って設けられており、接続領域がボディ領域と底部領域を接続している。このため、スイッチング素子がターンオフするときに、底部領域からその周囲に空乏層が伸びる。このため、各トレンチの下端に加わる電界が緩和される。また、このスイッチング素子では、第2トレンチの少なくとも一部分をその幅方向に切断した断面を観察したときに、その一部分が埋め込み絶縁層によって満たされており、その一部分内にゲート電極が配置されていない。すなわち、当該一部分の内部にゲート構造が形成されていない。このため、スイッチング素子がスイッチングするときに、当該一部分の周囲にチャネルが形成されずに電流が流れない。したがって、第2トレンチがスイッチング素子の特性に与える影響が抑制される。このため、安定したスイッチング動作を実現することができる。このように、このスイッチング素子の構造によれば、炭化ケイ素基板を有するスイッチング素子において、トレンチの下端に加わる電界を緩和することができるとともに、安定したスイッチング動作を実現することができる。
実施形態のスイッチング素子の平面図。 図1のII-II線における断面図。 図1のIII-III線における断面図。 図1のIV-IV線における断面図。 比較例のスイッチング素子の図4に対応する箇所の断面図。 実施形態のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施形態のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施形態のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施形態のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施形態のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施形態のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施形態のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施形態のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施形態のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施形態のスイッチング素子の製造方法の説明図。 変形例の製造方法の説明図。 変形例のスイッチング素子の図1に対応する平面図。
図1~4は、実施形態のスイッチング素子10(MOSFET)を示している。図2~4に示すように、実施形態のMOSFET10は、炭化ケイ素基板12と、上部電極14と、下部電極16を有している。なお、図1では、炭化ケイ素基板12の上面12a上の電極層及び絶縁層の図示が省略されている。炭化ケイ素基板12は、六方晶系の結晶構造を有している。上部電極14は、炭化ケイ素基板12の上面12aを覆っている。下部電極16は、炭化ケイ素基板12の下面12bを覆っている。なお、本明細書では、炭化ケイ素基板12の厚み方向をz方向といい、z方向に直交する一方向(上面12aに平行な一方向)をx方向といい、z方向及びx方向に直交する方向をy方向という。
図1に示すように、炭化ケイ素基板12の上面12aには、複数の第1トレンチ21と複数の第2トレンチ22が形成されている。各第1トレンチ21は、x方向に沿って長く伸びている。各第1トレンチ21の側面(x方向に沿って伸びる側面)は、炭化ケイ素の結晶の(1-100)面によって構成されている。複数の第1トレンチ21は、互いに平行に伸びている。複数の第1トレンチ21は、y方向に間隔を空けて配置されている。各第2トレンチ22は、y方向に沿って長く伸びている。各第2トレンチ22の側面(y方向に沿って伸びる側面)は、炭化ケイ素の結晶の(11-20)面によって構成されている。複数の第2トレンチ22は、互いに平行に伸びている。複数の第2トレンチ22は、x方向に間隔を空けて配置されている。各第2トレンチ22は、各第1トレンチ21に接続されている。すなわち、複数の第1トレンチ21は、各第2トレンチ22によって互いに接続されている。第1トレンチ21の深さと第2トレンチ22の深さは略等しい。
図1~3に示すように、各第1トレンチ21内には、ゲート絶縁膜24とゲート電極26が配置されている。ゲート絶縁膜24は、各第1トレンチ21の内面を覆っている。ゲート電極26は、各第1トレンチ21の内部に配置されている。ゲート電極26は、ゲート絶縁膜24によって炭化ケイ素基板12から絶縁されている。
図1、3、4に示すように、各第2トレンチ22内には、埋め込み絶縁層28が配置されている。各第2トレンチ22は、各第1トレンチ21と交差する交差部22bと、交差部22b以外の部分(以下、メイン部22aという)を有している。図1、3、4に示すように、埋め込み絶縁層28は、第2トレンチ22のメイン部22a内に配置されている。図1、3に示すように、交差部22b内には、ゲート電極26とゲート絶縁膜24が配置されている。各第2トレンチ22内において、ゲート電極26は、交差部22b内のみに配置されており、メイン部22a内には配置されていない。すなわち、図4に示すように、メイン部22aで第2トレンチ22をその幅方向に切断した断面を観察したときに、メイン部22aは埋め込み絶縁層28で満たされており、メイン部22a内にゲート電極26が配置されていない。
図2~4に示すように、炭化ケイ素基板12上に、層間絶縁膜29が設けられている。層間絶縁膜29は、ゲート電極26の上面を覆っている。上部電極14は、層間絶縁膜29によって、ゲート電極26から絶縁されている。
図1に示すように、炭化ケイ素基板12は、ソース領域30とボディコンタクト領域31を有している。ソース領域30とボディコンタクト領域31は、炭化ケイ素基板12の上面12aを含む範囲に設けられている。
ソース領域30は、n型不純物濃度が高いn型領域である。図1に示すように、ソース領域30は、第1トレンチ21の側面に沿ってx方向に長く伸びている。図2に示すように、ソース領域30は、上部電極14に対してオーミック接触している。ソース領域30は、第1トレンチ21の上端部においてゲート絶縁膜24に接している。図1、4に示すように、ソース領域30は、第2トレンチ22の上端部において埋め込み絶縁層28に接している。
ボディコンタクト領域31は、p型不純物濃度が高いp型領域である。図1に示すように、ボディコンタクト領域31は、2つのソース領域30の間に配置されている。ボディコンタクト領域31は、ソース領域30に沿ってx方向に長く伸びている。図2に示すように、ボディコンタクト領域31は、上部電極14に対してオーミック接触している。ボディコンタクト領域31は、ゲート絶縁膜24に接していない。図1に示すように、ボディコンタクト領域31は、第2トレンチ22の上端部において埋め込み絶縁層28に接している。
図2~4に示すように、ソース領域30とボディコンタクト領域31の下側に、ボディ領域32が配置されている。ボディ領域32は、ボディコンタクト領域31よりもp型不純物濃度が低いp型領域である。ボディ領域32は、ソース領域30とボディコンタクト領域31に対して下側から接している。図2に示すように、ボディ領域32は、ソース領域30の下側で第1トレンチ21内のゲート絶縁膜24に接している。図4に示すように、ボディ領域32は、ソース領域30の下側で第2トレンチ22内の埋め込み絶縁層28に接している。
図2~4に示すように、ボディ領域32の下側に、ドリフト領域34が配置されている。ドリフト領域34は、ソース領域30よりもn型不純物濃度が低いn型領域である。ドリフト領域34は、ボディ領域32に対して下側から接している。ドリフト領域34は、ボディ領域32によってソース領域30から分離されている。ドリフト領域34は、第1トレンチ21の下端及び第2トレンチ22の下端よりも下側まで分布している。図2に示すように、ドリフト領域34は、ボディ領域32の下側で第1トレンチ21内のゲート絶縁膜24に接している。図4に示すように、ドリフト領域34は、ボディ領域32の下側で第2トレンチ22内の埋め込み絶縁層28に接している。
図2~4に示すように、第1トレンチ21と第2トレンチ22の底面を含む範囲に、p型の底部領域36が設けられている。底部領域36は、第1トレンチ21と第2トレンチ22の底面に沿って伸びている。底部領域36は、第1トレンチ21の底面と第2トレンチ22の底面の全域において、ゲート絶縁膜24及び埋め込み絶縁層28に接している。底部領域36の周囲は、ドリフト領域34に囲まれている。底部領域36は、ドリフト領域34に接している。底部領域36は、後述する接続領域38が設けられている箇所を除いて、ドリフト領域34によってボディ領域32から分離されている。
図1、3に示すように、第2トレンチ22のy方向の端面22cを含む範囲に、p型の接続領域38が設けられている。図3に示すように、接続領域38は、ボディ領域32の下側に配置されており、ゲート絶縁膜24に接している。接続領域38は、端面22cに沿って深さ方向に伸びている。接続領域38の上端はボディ領域32に接続されており、接続領域38の下端は底部領域36に接続されている。すなわち、接続領域38を介して、底部領域36がボディ領域32に接続されている。接続領域38の側面には、ドリフト領域34が接している。
図2~4に示すように、ドリフト領域34の下側に、ドレイン領域35が配置されている。ドレイン領域35は、ドリフト領域34よりもn型不純物濃度が高いn型領域である。ドレイン領域35は、ドリフト領域34に対して下側から接している。ドレイン領域35は、炭化ケイ素基板12の下面12bを含む範囲に設けられている。ドレイン領域35は、下部電極16に対してオーミック接触している。
次に、スイッチング素子10の動作について説明する。スイッチング素子10の使用時に、下部電極16に上部電極14よりも高い電位が印加される。ゲート電極26の電位をゲート閾値以上の値に上昇させると、ゲート絶縁膜24近傍のボディ領域32にチャネルが形成される。図2に示す断面において、ボディ領域32にチャネルが形成されると、チャネルによってソース領域30とドリフト領域34が接続される。このため、電子が、ソース領域30から、チャネルとドリフト領域34を通ってドレイン領域35へ流れる。すなわち、スイッチング素子10がオンする。
また、本実施形態のスイッチング素子10では、第2トレンチ22のメイン部22aが、埋め込み絶縁層28によって満たされており、この部分にゲート電極26が配置されていない。これによって、スイッチング素子10のターンオン時の動作が安定化されている。以下に、比較例のスイッチング素子と比較しながら、本実施形態のスイッチング素子10の動作について説明する。
図5に示す比較例のスイッチング素子では、第2トレンチ22のメイン部22a内に、ゲート電極26とゲート絶縁膜24が配置されている。比較例のスイッチング素子のその他の構成は、実施形態のスイッチング素子10と等しい。図5のように第2トレンチ22のメイン部22a内にゲート電極26が配置されていると、スイッチング素子がオンするときに、第2トレンチ22に接する範囲のボディ領域32にチャネルが形成される。このため、電子は、第1トレンチ21に隣接するチャネルと第2トレンチ22に隣接するチャネルに流れる。上述したように、第1トレンチ21の側面は(1-100)面であり、第2トレンチ22の側面は(11-20)面である。このように、第1トレンチ21の側面と第2トレンチ22の側面が異なる結晶面によって構成されているので、第1トレンチ21の側面における界面準位密度と第2トレンチ22の側面における界面準位密度が異なる。このため、第1トレンチ21内のゲート構造と第2トレンチ22内のゲート構造とで特性が異なる。例えば、第1トレンチ21内のゲート構造と第2トレンチ22内のゲート構造の間で、ゲート閾値(チャネルを形成するために必要な最低のゲート電位)が異なる。このため、比較例のスイッチング素子をオンさせるときには、第1トレンチ21に隣接する範囲にチャネルが形成されるタイミングと第2トレンチ22に隣接する範囲にチャネルが形成されるタイミングが異なる。また、比較例のスイッチング素子をオフさせるときには、第1トレンチ21に隣接する範囲のチャネルが消失するタイミングと第2トレンチ22に隣接する範囲のチャネルが消失するタイミングが異なる。このように、ターンオン時及びターンオフ時に、チャネルの形成または消失タイミングにずれが生じ、動作が不安定となる。さらに、第1トレンチ21に隣接する範囲に形成されるチャネルと第2トレンチ22に隣接する範囲に形成されるチャネルとでチャネル抵抗が異なるので、比較例のスイッチング素子の構造では、オン特性を意図した特性に制御することが困難である。
これに対し、実施形態のスイッチング素子10では、図4に示すように、第2トレンチ22のメイン部22aが埋め込み絶縁層28によって埋め込まれており、メイン部22a内にゲート電極26が配置されていない。このため、実施形態のスイッチング素子10では、第2トレンチ22に接する範囲のボディ領域32にチャネルが形成されない。このため、比較例のスイッチング素子のようなターンオン時及びターンオフ時における動作の不安定性が生じない。また、比較例のスイッチング素子とは異なり、実施形態のスイッチング素子10では、オン特性を意図した特性に容易に制御することができる。
ゲート電極26の電位をゲート閾値未満に低下させると、チャネルが消失し、スイッチング素子10がオフする。すると、ボディ領域32からドリフト領域34に空乏層が広がる。また、底部領域36からもドリフト領域34へ空乏層が広がる。底部領域36からドリフト領域34へ広がる空乏層によって、第1トレンチ21と第2トレンチ22の下端近傍への電界集中が抑制される。特に、本実施形態では、底部領域36が接続領域38を介してボディ領域32に接続されているので、底部領域36の電位が低電位に固定される。したがって、底部領域36からドリフト領域34へ空乏層が広がり易い。このため、第1トレンチ21と第2トレンチ22の下端近傍への電界集中がより効果的に抑制される。
以上に説明したように、実施形態のスイッチング素子10によれば、第1トレンチ21と第2トレンチ22の下端に加わる電界を緩和することができるとともに、安定したスイッチング動作を実現することができる。
次に、スイッチング素子10の製造方法について説明する。図6~15は、スイッチング素子10の製造工程を示している。なお、図6~11、13~15において、左側の断面は第1トレンチ21が形成される箇所の断面(図2に対応する箇所の一部の断面)を示しており、右側の断面は第2トレンチ22が形成される箇所の断面(図3に対応する箇所の断面)を示している。
スイッチング素子10は、ドリフト領域34と同じn型不純物濃度を有する炭化ケイ素基板12(加工前の炭化ケイ素基板12)から製造される。まず、図6に示すように、炭化ケイ素基板12に、ソース領域30、ボディコンタクト領域31、及び、ボディ領域32を形成する。これらの領域は、イオン注入またはエピタキシャル成長等によって形成することができる。
次に、図7に示すように、炭化ケイ素基板12の上面12aを選択的にエッチングすることによって、第1トレンチ21と第2トレンチ22を形成する。
次に、図8に示すように、炭化ケイ素基板12の上面12aをマスク90で覆った状態で、炭化ケイ素基板12に向かって上面側からp型不純物を照射する。これによって、第1トレンチ21と第2トレンチ22の底面にp型不純物を注入する。その結果、第1トレンチ21と第2トレンチ22の底面に露出する範囲にp型の底部領域36が形成される。
次に、図9に示すように、炭化ケイ素基板12の上面12aをマスク90で覆った状態で、炭化ケイ素基板12の上面12aに立てた垂線S1に対して照射方向を傾斜させて炭化ケイ素基板12に向かって上面側からp型不純物を照射する。ここでは、照射方向が第2トレンチ22に沿う方向となるように、照射方向を傾斜させる。また、ここでは、照射方向の傾斜角度θ1(垂線S1に対する角度)を調整して、第2トレンチ22の端面22cにp型不純物を注入する。このように、第2トレンチ22の長さ方向に沿って照射方向を傾斜させることで、端面22cにp型不純物を注入することができる。これによって、端面22cに露出する範囲に、p型の接続領域38を形成する。また、第1トレンチ21の幅が狭いので、端面22cを除いて、第1トレンチ21の側面にはp型不純物は注入されない。
次に、図10に示すように、第1トレンチ21と第2トレンチ22の全体を埋め込むように埋め込み絶縁層28を形成する。例えば、TEOS膜やCVDによって埋め込み絶縁層28を形成することができる。次に、炭化ケイ素基板12の上面12a上に堆積した埋め込み絶縁層28をエッチングにより除去する。次に、図11、12に示すように、第2トレンチ22のメイン部22a内の埋め込み絶縁層28の上面を覆うようにレジスト等からなるマスク92を形成する。第1トレンチ21内の埋め込み絶縁層28はマスク92で覆わない。次に、図13に示すように、異方性エッチングによって、第1トレンチ21内の埋め込み絶縁層28を除去する。次に、図14に示すように、第1トレンチ21の内面にゲート絶縁膜24を形成する。次に、図15に示すように、第1トレンチ21内に、リンがドープされたポリシリコンにより構成されたゲート電極26を形成する。その後、層間絶縁膜29、上部電極14、ドレイン領域35、及び、下部電極16を従来公知の方法で形成する。その後、炭化ケイ素基板12をチップに分割することで、図1~4に示すスイッチング素子10が完成する。
なお、図12に示す工程に代えて、図16に示すように交差部22bを覆うようにマスク92を形成してもよい。このようにマスク92を形成しても、等方性エッチングを用いれば、交差部22b内の埋め込み絶縁層28を除去することができる。
また、上述した実施形態では、第2トレンチ22のメイン部22a内にゲート電極26が配置されていなかった。しかしながら、図17に示すように、交差部22bからメイン部22aの一部にゲート電極26が進入していてもよい。このような構成でも、第2トレンチ22が埋め込み絶縁層28により満たされている部分を有するので、安定したスイッチング動作を実現することができる。
また、交差部22b内にゲート電極26が配置されておらず、交差部22bが埋め込み絶縁層28で満たされていてもよい。この場合、交差部22b内の絶縁層28によって分離された各ゲート電極26を互いに接続するために、交差部22bをx方向に跨ぐように伸びる配線層をトレンチ22の上部に設けてもよい。このような構成でも、安定したスイッチング動作を実現することができる。
また、上述した実施形態では、nチャネル型のMOSFETについて説明したが、pチャネル型のMOSFETに本明細書が開示する技術を適用してもよい。上述した実施形態において、n型とp型を入れ替えることで、pチャネル型のMOSFETを得ることができる。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
10 :スイッチング素子
12 :炭化ケイ素基板
14 :上部電極
16 :下部電極
21 :第1トレンチ
22 :第2トレンチ
24 :ゲート絶縁膜
26 :ゲート電極
28 :埋め込み絶縁層
29 :層間絶縁膜
30 :ソース領域
31 :ボディコンタクト領域
32 :ボディ領域
34 :ドリフト領域
35 :ドレイン領域
36 :底部領域
38 :接続領域

Claims (1)

  1. スイッチング素子であって、
    炭化ケイ素基板と、
    前記炭化ケイ素基板の上面に設けられており、互いに平行に伸びる複数の第1トレンチと、
    前記炭化ケイ素基板の前記上面に設けられており、複数の前記第1トレンチに対して直交する方向に伸びており、複数の前記第1トレンチを接続している第2トレンチと、
    前記第1トレンチ内に配置されているゲート絶縁膜と、
    前記第1トレンチ内に配置されており、前記ゲート絶縁膜によって前記炭化ケイ素基板から絶縁されているゲート電極と、
    前記第2トレンチ内に配置されている埋め込み絶縁層、
    を有し、
    前記炭化ケイ素基板が、
    前記ゲート絶縁膜に接する第1導電型のソース領域と、
    前記ソース領域の下側で前記ゲート絶縁膜に接し、前記埋め込み絶縁層に接する第2導電型のボディ領域と、
    前記ボディ領域の下側で前記ゲート絶縁膜に接し、前記ボディ領域の下側で前記埋め込み絶縁層に接する第1導電型のドリフト領域と、
    前記第1トレンチの底面と第2トレンチの底面に沿って設けられている第2導電型の底部領域と、
    前記第2トレンチの長手方向の端面に沿って設けられており、前記ボディ領域と前記底部領域を接続している第2導電型の接続領域、
    を有し、
    前記第2トレンチの少なくとも一部分をその幅方向に切断した断面を観察したときに、前記一部分が前記埋め込み絶縁層によって満たされており、前記一部分内に前記ゲート電極が配置されていない、
    スイッチング素子。
JP2019098602A 2019-05-27 2019-05-27 スイッチング素子 Active JP7111061B2 (ja)

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