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JP7110834B2 - シートモールディングコンパウンド用エポキシ樹脂組成物、シートモールディングコンパウンド、及び成形品 - Google Patents

シートモールディングコンパウンド用エポキシ樹脂組成物、シートモールディングコンパウンド、及び成形品 Download PDF

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Description

本発明は、シートモールディングコンパウンド用エポキシ樹脂組成物、シートモールディングコンパウンド、及び成形品に関するものである。
熱硬化性樹脂を繊維強化材で補強したいわゆるFRPは、工業部品、住設部材、自動車部材等の多方面において使用されている。さらに、炭素繊維を繊維強化材としてエポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を強化した繊維強化樹脂複合材料は、軽量でありながら耐熱性や機械強度に優れる特徴が注目され、様々な構造体用途での利用が拡大している。また、繊維強化材として、不連続繊維を使用するため、連続繊維に比べて、成形形状の適用範囲が広く、端材も再利用でき、異素材部材インサートができるなど、生産性や設計適用範囲広いことから、シートモールディングコンパウンド(以下、「SMC」と略記する場合がある)が広く用いられている。現在一般にSMC用熱硬化性樹脂として知られている不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂からなるSMCは、揮発性有機化合物の排出等の問題を有する。このために、エポキシ樹脂を用いたSMCの検討が進められている。
エポキシ樹脂を主成分とするSMCとしては、芳香族エポキシ樹脂、脂環式ジアミン、エポキシ樹脂用硬化剤、脂肪族エポキシ樹脂を必須成分として含むエポキシ樹脂組成物及び成形材料が知られている(例えば、特許文献1参照)。この成形材料は、貯蔵安定性に優れるものの、溶融粘度が低く、繊維強化材から樹脂が過剰に流れ出す問題や、エポキシ樹脂組成物の増粘工程に数日を要するという生産性の問題があった。
特開2018-66026号公報
本発明が解決しようとする課題は、樹脂流れ性等の成形性、増粘性、フィルム剥離性等の生産性に優れたシートモールディングコンパウンド用エポキシ樹脂組成物、シートモールディングコンパウンド、及びその成形品を提供することにある。
本発明者等は、特定のエポキシ樹脂、ポリイソシアネート、及びエポキシ樹脂用硬化剤を含有するシートモールディングコンパウンド用エポキシ樹脂組成物から、成形性及び生産性に優れたシートモールディングコンパウンドが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、α-グリコール基を0.1~1meq/gの範囲で有するエポキシ樹脂(A)、ポリイソシアネート(B)、及びエポキシ樹脂用硬化剤(C)を含有することを特徴とするシートモールディングコンパウンド用エポキシ樹脂組成物、それを用いたシートモールディングコンパウンド及び成形品に関する。
本発明から得られるシートモールディングコンパウンド及び成形品は、生産性、成形性等に優れることから、自動車部材、鉄道車両部材、航空宇宙機部材、船舶部材、住宅設備部材、スポーツ部材、軽車両部材、建築土木部材、OA機器等の外装や構造体等に好適に用いることができる。
本発明のシートモールディングコンパウンド用エポキシ樹脂組成物は、α-グリコール基を0.1~1meq/gの範囲で有するエポキシ樹脂(A)、ポリイソシアネート(B)、及びエポキシ樹脂用硬化剤(C)を含有するものである。
前記エポキシ樹脂(A)は、α-グリコール基を0.1~1meq/gの範囲で有するものであるが、前記ポリイソシアネート(B)との反応による増粘効果がより向上することから0.2meq/g以上であるものが好ましく、吸水等の影響をより低減できることから0.9meq/g以下であるものが好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)の数平均分子量は、50~1,000が好ましく、100~500がより好ましい。数分子量が、1,000以上の場合、粘度が高くなり、強化繊維材への含浸性に劣る。
前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、強度及び取扱性がより向上することから、150~1500g/eqの範囲が好ましく170~500g/eqの範囲がより好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)の粘度は、取扱性及び繊維強化材への含浸性がより向上することから500~100,000mPa・sの範囲が好ましく、1,000~80,000mPa・sの範囲がより好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、ビスクレゾールフルオレン型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、オキサゾリドン変性エポキシ樹脂、これらの樹脂の臭素化エポキシ樹脂等のフェノールのグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル、脂環式エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル-p-オキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステル、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル-p一アミノフェノール、N,N-ジグリシジルアニリンなどのグリシジルアミン、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、成形品強度と成形材料の成形時の流動性により優れることから、芳香族系エポキシ樹脂が好ましく、2官能芳香族系エポキシ樹脂がより好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂が特に好ましい。なお、これらのエポキシ樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記エポキシ樹脂(A)は、ビスフェノール類とエピハロヒドリンとを反応させる、所謂一段法にて製造されるものであってもよいし、また、ビスフェノール類とエピハロヒドリンとを反応させてビスフェノール型エポキシ樹脂を製造した後、当該エポキシ樹脂に更にビスフェノール類を反応させる、所謂二段法にて製造したものであってもよい。
一段法としては、例えば、(1)エピクロルヒドリンとグリシドールとの混合物を、ビスフェノール類と反応させて、目的とする分子量まで反応させる方法、(2)エピクロルヒドリンを予めアルカリ金属水酸化物と反応させて、エピクロルヒドリンとグリシドールとの混合物とし、次いで、これをビスフェノール類と反応させて、目的とする分子量まで反応させる方法、(3)エピクロルヒドリンとビスフェノール類とを目的とする分子量まで反応させてビスフェノール型エポキシ樹脂とした後、アルカリ金属水酸化物と反応させて末端エポキシ基をα-グリコール化する方法が挙げられる。
二段法としては、例えば、(4)エピクロルヒドリンを予めアルカリ金属水酸化物と反応させて、エピクロルヒドリンとグリシドールとの混合物とし、次いで、これをビスフェノール類と反応させて中間液状エポキシ樹脂を得、次いで、これをビスフェノール類で高分子量化する方法、(5)エピクロルヒドリンをビスフェノール類と反応させて中間液状エポキシ樹脂を得、更にこれを、グリシドール及びビスフェノール類と反応させて高分子量化する方法、(6)エピクロルヒドリンをビスフェノール類と反応させて中間液状エポキシ樹脂を得、これをアルカリ金属水酸化物と反応させて末端エポキシ基をαグリコール化した後、ビスフェノール類で高分子量化する方法、(7)エピクロルヒドリンをビスフェノール類と反応させて中間液状エポキシ樹脂を得、更にこれをビスフェノール類で高分子量化させてビスフェノール型エポキシ樹脂とした後、アルカリ金属水酸化物と反応させて末端エポキシ基をα-グリコール化する方法、等が挙げられる。
これらの中でも、特に目的とするα-グリコール量への調整が容易である点から後者の二段法が好ましく、特に、(4)の方法が好ましい。
以下に方法(4)について更に詳述する。即ち、方法(4)は、エピクロルヒドリンとアルカリ金属水酸化物水溶液とを反応させてエピクロルヒドリンとグリシドールとの混合物を得(工程1)、該混合物とビスフェノール類とをアルカリ金属水酸化物の存在下に反応させて中間液状エポキシ樹脂を得(工程2)、次いで、該中間液状エポキシ樹脂をビスフェノール類と反応させて高分子量化する(工程3)。
工程1におけるエピクロルヒドリンとアルカリ金属水酸化物水溶液との反応条件としては、特に制限されるものではないが、エピクロルヒドリンと1~20質量%のアルカリ金属水酸化物の水溶液を70~100℃、好ましくは85~95℃で接触させる方法が挙げられ、このように反応させることにより容易にグリシドールとエピクロルヒドリンとの混合物を生成することができる。該混合物中のグリシドールとエピクロルヒドリンとの存在比は、特に制限されないが、質量比率で、前者/後者=(2~10)/(98~90)でなる範囲が、生成エポキシ樹脂中のα-グリコール含有量の調整が容易である点から好ましい。
次いで、工程2として、得られたエピクロルヒドリンとグリシドールとの混合物とビスフェノール類とをアルカリ金属水酸化物の存在下に反応させる。ここで、具体的な方法としては、特に制限されないが、生産性の点から、工程1の反応終了後、そのまま該反応容器にビスフェノール類を加えて溶解し、次いで、アルカリ金属水酸化物を添加する方法が挙げられる。
エピクロルヒドリンとグリシドールとの混合物と、ビスフェノール類との反応割合は、特に制限されないが、モル比で前者/後者=5~20モルであることが、目的とするα-グリコール量の調整が容易である。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、前記エポキシ樹脂(A)以外のその他のエポキシ樹脂を含有することができる。
その他のエポキシ樹脂としては、前記エポキシ樹脂(A)に使用可能なものとして列挙したエポキシ樹脂のうち、α-グリコール基が0.1meq/g未満のもの等を使用することができる。なお、その他のエポキシ樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
また、前記エポキシ樹脂(A)及びその他のエポキシ樹脂を使用する際には、粘度の調整、エポキシ当量の調整が容易になることから、エポキシ希釈剤を併用することが好ましい。
前記エポキシ希釈剤としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、アルコールグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエステル、α-オレフィンエポキサイド、アルキルフェニルグリシジルエーテル、アルキルフェノールグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキル基は炭素原子数1~20の直鎖又は分岐状のアルキル基であることが好ましい。さらに、液状であることが好ましい。
これらの中でも、より粘度が低く、組成物の粘度調整が容易である観点から、フェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキルフェニルグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテルを用いることが好ましく、各種繊維強化材との密着性及び可とう性の観点から、アルキルフェニルグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテルを用いることが好ましい。
前記エポキシ希釈剤としては、各種フェノール類、アルコール類をエピハロヒドリンと反応させてグルシジルエーテルとしたものや、各種市販されているものを使用することができる。
前記市販品としては、例えば、三菱ケミカル株式会社製のYEDシリーズ、阪本薬品工業株式会社製のモノエポキシタイプとして市販されている特殊エポキシ製品、日油株式会社製のエピオールシリーズ、株式会社ADEKA製のアデカグリシロール EDシリーズ、DIC株式会社製「EPICLON 520」などが挙げられる。
前記エポキシ希釈剤の粘度は、エポキシ樹脂組成物の繊維含浸性がより向上することから、1~1,000mPa・sの範囲が好ましく、1~500mPa・sの範囲がより好ましい。
前記エポキシ希釈剤の使用量は、繊維強化材との接着性がより良好となることから、エポキシ樹脂(A)及びその他のエポキシ樹脂の合計100質量部に対し、5~2,000質量部の範囲が好ましい。
前記ポリイソシアネート(B)は、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-体、2,4’-体、又は2,2’-体、若しくはそれらの混合物)、ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ヌレート変性体、ビュレット変性体、ウレタンイミン変性体、ジエチレングリコールやジプロピレングリコール等の数平均分子量1,000以下のポリオールで変性したポリオール変性体等のジフェニルメタンジイソシアネート変性体、トリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート変性体、ビュレット変性体、アダクト体、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらの中でも、取り扱い性(フィルム剥離性・タック性)に優れる成形材料が得られることから、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体がより好ましい。ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体としては、カルボジイミド基を有するものの他に、カルボジイミド基に更にイソシアネート基が付加してウレタンイミン構造を有するものを含む。また、これらのポリイソシアネート(B)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。さらに、ポリオールの水酸基と反応させるためにポリオールと併用することもできる。
前記ポリイソシアネート(B)は、分散性及び成形品の外観が向上することから、常温で液体であることが好ましく、その粘度は、1~3,000mPa・sの範囲が好ましく、1~1,500mPa・sがより好ましく、1~1,000mPa・sが特に好ましい。なお、粘度が500mPa・sのように低い場合は、粘度調整の効果を有し、増粘剤と希釈剤の両方の効果を有することができる。
前記ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基(NCO)と前記エポキシ樹脂(A)のα-グリコール基(αOH)とのモル比(NCO/αOH)は、成形品強度がより向上することから、0.1~30の範囲であることが好ましく、1~15であることがより好ましい。
前記エポキシ樹脂用硬化剤(C)は、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ-ル系化合物などが挙げられる。アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ-ル、BF3-アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられ、アミド系化合物としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられ、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、フェノール系化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、レゾルシンノボラック樹脂に代表される多価ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドから合成される多価フェノールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール-フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール-クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物等が挙げられる。なお、これらのエポキシ樹脂用硬化剤(C)は単独で用いることも2種以上併用することもできる。
これらの中でも、硬化性が高く、速硬化性に優れることからアミド系化合物とアミン系化合物が好ましく、ジシアンジアミド、イミダゾ-ルがより好ましい。
前記エポキシ樹脂用硬化剤(C)は、エポキシ樹脂100質量部に対して1~40質量部の範囲で使用することが好ましい。
エポキシ樹脂用硬化剤(C)の一部として、硬化促進剤(c1)を用いることもでき、成形物の機械特性が高くなる点からは、尿素化合物が好ましく、繊維強化複合材料の熱特性(耐熱性)が高くなる点からは、イミダゾール化合物が好ましい。
尿素化合物としては、3-フェニル-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、2,4-ビス(3,3-ジメチルウレイド)トルエン、1,1’-(4-メチルー1,3-フェニレン)ビス(3,3-ジメチル尿素)等が挙げられる。
イミダゾール化合物としては、イミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
本発明の硬化促進剤(c1)は、エポキシ樹脂100質量部に対して1~40質量部の範囲で数種を併用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、ポリイソシアネート(B)、及びエポキシ樹脂用硬化剤(C)以外の成分を含有してもよく、増粘性や樹脂流れ性等の成形性がより向上することから、熱可塑性樹脂粒子(D)を含有することが好ましい。
前記熱可塑性樹脂粒子(D)としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ジエンおよびこれらと共重合可能な単量体の中から選ばれた少なくとも1種の単量体単位を含有する樹脂粉末で、コア層とシェル層で構成される熱可塑性樹脂粉末を有効成分とするものである。この成分に用いるアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、メチルメタクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-デシルメタクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
また、ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンなどの共役ジエン系化合物、1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンなどの非共役ジエン系化合物などが挙げられる。
これらと共重合可能な単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-t-ブチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-ブトキシメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド系化合物、メタアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、N-ブトキシメチルメタクリルアミド、などのメタクリルアミド系化合物およびグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルアクリレートなどをあげることができる。好ましくは前記の芳香族ビニル化合物である。
前記熱可塑性樹脂粒子(D)の含有量としては、増粘性がより良好となるため、エポキシ樹脂100質量部に対して、1質量部以上10質量部未満の範囲が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物の粘度は、取扱性及び繊維強化材への含浸性がより向上することから100~6,000mPa・sの範囲が好ましく、300~3,500mPa・sの範囲がより好ましい。
本発明のSMCは、上記したSMC用エポキシ樹脂組成物及び繊維強化材(E)を必須成分として含有するものであり、生産性に優れ、デザインや異素材接合等の多様性を有し、成形性に優れる。
前記繊維強化材(E)は、2.5~50mmの長さにカットした繊維が用いられるが、成形時の金型内流動性、成形品の外観及び機械的物性がより向上することから、5~40mmにカットした繊維がより好ましい。
前記繊維強化材(E)としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコンカーバイド繊維、パルプ、麻、綿、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、ポリイミド、あるいはケブラー、ノーメックス等のアラミド等からなるポリアミド繊維等が挙げられる。これらの中でも高強度の成形品が得られることから炭素繊維が好ましい。
前記炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、レーヨン系等の各種のものが使用できるが、これらの中でも、容易に高強度の炭素繊維が得られることから、ポリアクリロニトリル系のものが好ましい。
また、前記炭素繊維として使用される繊維束のフィラメント数は、樹脂含浸性及び成形品の機械的物性がより向上することから、1,000~60,000が好ましい。
本発明のSMCの成分中の、前記繊維強化材(E)の含有率は、得られる成形品の機械的物性がより向上することから、25~80質量%の範囲が好ましく、40~70質量%の範囲がより好ましく、45~65質量%が特に好ましい。繊維含有率が低すぎる場合、高強度な成形品が得られない可能性があり、炭素繊維含有率が高すぎる場合、繊維への樹脂含浸性が不十分で、成形品に膨れが生じ、高強度な成形品が得られない可能性がある。
また、本発明のSMC中の前記炭素繊維は、繊維方向がランダムな状態で樹脂に含浸している。
本発明のSMCの成分としては、上記したSMC用エポキシ樹脂組成物及び繊維強化材(E)以外のものを使用してもよく、例えば、前記エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂、前記熱可塑性樹脂粒子(D)以外の熱可塑性樹脂、重合禁止剤、硬化促進剤、充填剤、低収縮剤、離型剤、増粘剤、減粘剤、顔料、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、抗菌剤、紫外線安定剤、保存安定剤、補強材、光硬化剤等を含有することができる。
前記熱硬化性樹脂としては、例えば、ビニルエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂等が挙げられる。また、これらの熱硬化性樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイソプレン樹脂およびこれらを共重合等により変性させたものが挙げられる。また、これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記充填剤としては、無機化合物、有機化合物があり、成形品の強度、弾性率、衝撃強度、疲労耐久性等の物性を調整するために使用できる。
前記無機化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、マイカ、タルク、カオリン、クレー、セライト、アスベスト、バーライト、バライタ、シリカ、ケイ砂、ドロマイト石灰石、石こう、アルミニウム微粉、中空バルーン、アルミナ、ガラス粉、水酸化アルミニウム、寒水石、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、二酸化モリブデン、鉄粉等が挙げられる。
前記有機化合物としては、セルロース、キチン等の天然多糖類粉末や、合成樹脂粉末等があり、合成樹脂粉末としては、硬質樹脂、軟質ゴム、エラストマーまたは重合体(共重合体)などから構成される有機物の粉体やコアシェル型などの多層構造を有する粒子を使用できる。具体的には、ブタジエンゴムおよび/またはアクリルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム等からなる粒子、ポリイミド樹脂粉末、フッ素樹脂粉末、フェノール樹脂粉末などが挙げられる。これらの充填剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記離型剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、フッ素系化合物などが挙げられる。好ましくは、フッ素化合物、パラフィンワックスが挙げられる。これらの離型剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記増粘剤としては、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム等の金属酸化物や金属水酸化物など、アクリル樹脂系微粒子などが挙げられ、本発明の繊維強化成形材料の取り扱い性によって適宜選択できる。これらの増粘剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
本発明のSMCの製造方法としては、通常のミキサー、インターミキサー、プラネタリーミキサー、ロールミル、ニーダー、押し出し機などの混合機を用いて、エポキシ樹脂(A)、ポリイソシアネート(B)、エポキシ樹脂用硬化剤(C)、熱可塑性樹脂粒子(D)等の各成分を混合・分散し、得られた樹脂組成物を上下に設置されたキャリアフィルムに均一な厚さになるように塗布し、繊維強化材(E)を前記上下に設置されたキャリアフィルム上の樹脂組成物で挟み込み、次いで、全体を含浸ロールの間に通して、圧力を加えて繊維強化材(E)に樹脂組成物を含浸させた後、ロール状に巻き取る又はつづら折りに畳む方法等が挙げられる。さらに、この後に常温もしくは20~60℃の温度で熟成を行い、増粘させることが好ましい。キャリアフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンとポリプロピレンのラミネートフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等を用いることができる。
本発明の成形品は、前記SMCより得られるが、生産性に優れる点とデザイン多様性に優れる観点からその成形方法としては、加熱圧縮成形が好ましい。
前記加熱圧縮成形としては、例えば、前記SMCを所定量計量し、予め110~180℃に加熱した金型に投入し、圧縮成形機にて型締めを行い、成形材料を賦型させ、0.1~30MPaの成形圧力を保持することによって、成形材料を硬化させ、その後成形品を取り出し成形品を得る製造方法が用いられる。具体的な成形条件としては、金型内で金型温度120~160℃にて、成形品の厚さ1mm当たり1~2分間、1~10MPaの成形圧力を保持する成形条件が好ましく、生産性がより向上することから、金型温度140~160℃にて、成形品の厚さ1mm当たり30~90秒間、1~10MPaの成形圧力を保持する成形条件がより好ましい。
本発明のSMCは、生産性、成形性等に優れ、得られる成形品は、自動車部材、鉄道車両部材、航空宇宙機部材、船舶部材、住宅設備部材、スポーツ部材、軽車両部材、建築土木部材、OA機器等の筐体等に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、エポキシ当量はJIS K 7236:2009の方法に準拠して測定したものであり、エポキシ樹脂の粘度はE型粘度計(東機産業株式会社製 TV-22)を用いて、25℃における粘度を測定したものである。また、平均分子量は下記のGPC測定条件で測定したものである。
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC-8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL-L」
+東ソー株式会社製「TSK-GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK-GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK-GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK-GEL G4000HXL」
検出器:RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC-8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準試料:前記「GPC-8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A-500」
東ソー株式会社製「A-1000」
東ソー株式会社製「A-2500」
東ソー株式会社製「A-5000」
東ソー株式会社製「F-1」
東ソー株式会社製「F-2」
東ソー株式会社製「F-4」
東ソー株式会社製「F-10」
東ソー株式会社製「F-20」
東ソー株式会社製「F-40」
東ソー株式会社製「F-80」
東ソー株式会社製「F-128」
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
(合成例1:エポキシ樹脂(A-1)の合成)
窒素導入管、冷却管、温度計、および撹拌機をセットしたフラスコに、エピクロロヒドリン925質量部(10.0mol)および5%水酸化ナトリウム水溶液92質量部を仕込、80℃まで昇温後、8時間攪拌した。その後、60℃まで温度を下げた後、ビスフェノールA114質量部(1.0mol)、n-ブタノール139質量部、およびテトラエチルベンジルアンモニウムクロリド2質量部を仕込み、溶解させた。49%水酸化ナトリウム水溶液90質量部(1.1mol)を5時間かけて滴下した後、未反応のエピクロロヒドリンを減圧蒸留により留出させ、得られた粗生成物にメチルエチルケトン59質量部およびn-ブタノール177質量部を加えて溶解した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液10質量部を添加して80℃まで昇温し、2時間反応させた。得られた反応物を水150質量部で水洗した。これを3回繰り返し、洗浄液のPHが中性となったことを確認した。共沸による脱水操作を行い、精密濾過後、溶媒を減圧条件下で留去して、エポキシ樹脂(A-1)210質量部を得た。エポキシ樹脂(A-1)は、α-グリコール基:0.3 meq/g、エポキシ当量:199g/eq、粘度:17,400mPa・s、数平均分子量:208であった。
(実施例1)
エポキシ樹脂(A-1)90質量部、エポキシ希釈剤(ANHUI XINYUAN Chemical社製「XY-622」、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、エポキシ当量:131g/eq、α-グリコール:0.04 meq/g、粘度:17mPa・s、数平均分子量;143)10質量部、内部離型剤(ダイキン工業社製「FB-962」)0.8質量部、エポキシ樹脂用硬化剤(三菱ケミカル株式会社製「DICY7」、ジシアンジアミド)8質量部、硬化促進剤(DIC株式会社製「B-605-IM」、アルキル尿素系)5質量部を三本ロールにて混合し、熱可塑性樹脂粒子(アイカ工業株式会社製「F303」、コアシェル型ポリ(メタ)アクリル酸エステル系有機微粒子)1.4質量部、ポリイソシアネート(三井化学株式会社製「コスモネートLL」、カルボジイミド変性MDI、粘度:35mPa・s)28.8質量部を混合し、SMC用エポキシ樹脂組成物(X-1)を得た。
[α-グリコール基量の測定]
試料3gを25mlのクロロホルムに溶解し、ベンジルトリメチル過沃素酸アンモニウム溶液25mlを加え、2時間半反応させ、2規定硫酸水溶液5m1,20%沃化カリウム水溶液15mlを加え、0.1規定チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定した。
[樹脂流れ性の評価]
JIS K-7071に準拠し、SMC用エポキシ樹脂組成物(X-1)10gを温度:150℃、荷重:5N、加圧時間:30秒にて加圧し、溶融樹脂の広がりについて、合計が最大長さとなるように、垂直方向2方向の長さの合計にて評価した。
○:50mm以上100mm未満であり、溶融粘度が適正である
×:100mm以上であり、溶融粘度が低く、樹脂が流れすぎている
[初期粘度]
調製直後の各SMC用エポキシ樹脂組成物(X-1)を25℃の条件下、東機産業社製VISCOMETER RB-85Hにて測定した。
[増粘性の評価]
25℃で24時間熟成後のエポキシ樹脂組成物(X-1)を25℃の条件下、東機産業社製VISCOMETER RB-85Hにて測定し、下記の基準にて評価した。
○:粘度10,000mPa・s以上であった
×:粘度10,000mPa・s未満であった
[SMCの作製]
上記で得られた樹脂組成物(X-1)を、ポリエチレンとポリプロピレンのラミネートフィルム上に塗布量が平均1kg/mとなるよう塗布し、この上に、炭素繊維ロービング(東レ株式会社製「T700SC-12000-50C」)を12.5mmにカットした炭素繊維(以下、繊維強化材(E-1)と略記する。)を繊維方向性が無く厚みが均一で炭素繊維含有率が47質量%になるよう空中から均一落下させ、同様に樹脂組成物(X-1)を塗布したフィルムで挟み込み炭素繊維に樹脂を含浸させた後、25℃中に24時間静置し、SMC(Y-1)を得た。このSMCの目付け量は、2kg/mであった。
[フィルム剥離性の評価]
上記で得られたSMC(Y-1)を、23℃にて、ポリプロピレンフィルムからの剥離性を確認し、以下の4段階評価で表した。
◎:べたつきが無く、簡単にフィルムから剥がし易い。
○:わずかにべたつき感があるものの、容易にフィルムから剥がすことができる。
△:べたつきがあり、一部フィルムから剥がす時に付着物が残る。
×:フィルムに密着する。
[成形品の作製]
上記で得られたSMC(Y-1)を、金型温度150℃、加圧時間7分、加圧力10MPaの成形条件にて30cm角金型の投影面積に対し75%チャージ率にて加圧成形し、板厚2mmの平板成形品(Z-1)を得た。
[耐熱性の評価]
上記で得られた各平板成形品(Z-1)から、試験片を切り出し、この試験片について、TAインスツルメント社製の「DSC Q-100」を用い、昇温速度:10℃/min 、降温速度:急冷 、2nd-run測定にて、ガラス転移温度(Tg)を測定し、下記の基準に従い耐熱性を評価した。
○:ガラス転移温度が100℃以上
×:ガラス転移温度が100℃未満
(実施例2~6)
表1の組成とした以外は実施例1と同様にして、SMC用樹脂組成物(X-2)~(X-6)、SMC(Y-2)~(Y-6)、及び成形品(Z-1)~(Z-6)を得、各評価を行った。
Figure 0007110834000001
(比較例1~3)
表2の組成とした以外は実施例1と同様にして、SMC用樹脂組成物(RX-1)~(RX-3)、SMC(RY-1)~(RY-3)、及び成形品(RZ-1)~(RZ-3)を得、各評価を行った。
Figure 0007110834000002
表2中の「エピクロン850-S」:DIC株式会社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:189g/eq、α-グリコール:0.02meq/g、粘度:13,100mPa・s、数平均分子量;301)
実施例1~6の本発明のSMC用エポキシ樹脂組成物は、樹脂流れ性及び増粘性が良好であり、SMCとした場合においても、フィルム剥離性に優れることが確認された。
一方、比較例1及び2は、本発明の必須成分であるα-グリコール基を0.1~1meq/gの範囲で有するエポキシ樹脂(A)を含有しない例であるが、樹脂流れ性及び増粘性が悪く、SMCのフィルム剥離性に劣ることが確認された。
また、比較例3は、本発明の必須成分であるポリイソシアネートを含有しない例であるが、樹脂流れ性及び増粘性が悪く、SMCのフィルム剥離性に劣ることが確認された。

Claims (6)

  1. α-グリコール基を0.1~1meq/gの範囲で有するエポキシ樹脂(A)、ポリイソシアネート(B)、及びエポキシ樹脂用硬化剤(C)を含有することを特徴とするシートモールディングコンパウンド用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記ポリイソシアネート(B)中のイソシアネート基(NCO)と前記エポキシ樹脂(A)中のα-グリコール基(αOH)とのモル比(NCO/αOH)が、0.1~30の範囲である請求項1記載のシートモールディングコンパウンド用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記ポリイソシアネート(B)が、芳香族ポリイソシアネートである請求項1又は2記載のシートモールディングコンパウンド用エポキシ樹脂組成物。
  4. さらに熱可塑性樹脂粒子(D)を含有するものである請求項1~3いずれか1項記載のシートモールディングコンパウンド用エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1~4いずれか1項記載のシートモールディングコンパウンド用エポキシ樹脂組成物及び繊維強化材(E)を含有することを特徴とするシートモールディングコンパウンド。
  6. 請求項5記載のシートモールディングコンパウンドの成形品。

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