JP7089671B2 - リアクトル - Google Patents
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Description
巻回部を有するコイルと、
前記巻回部の内側と前記巻回部の外側とに配置される磁性コアとを備え、
前記磁性コアは、複数のコア片を組み合わせて構成され、
前記複数のコア片のうち、少なくとも一つのコア片は、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体からなる第一のコア片であり、
前記第一のコア片は、前記巻回部の内側に配置される箇所にスリット部を備え、
前記スリット部の深さ方向は、前記第一のコア片の軸方向に交差する方向に沿っており、
前記スリット部は、前記第一のコア片の外周面における前記深さ方向の一方に開口し、他方が閉じるように設けられる。
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の実施形態に係るリアクトルは、
巻回部を有するコイルと、
前記巻回部の内側と前記巻回部の外側とに配置される磁性コアとを備え、
前記磁性コアは、複数のコア片を組み合わせて構成され、
前記複数のコア片のうち、少なくとも一つのコア片は、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体からなる第一のコア片であり、
前記第一のコア片は、前記巻回部の内側に配置される箇所にスリット部を備え、
前記スリット部の深さ方向は、前記第一のコア片の軸方向に交差する方向に沿っており、
前記スリット部は、前記第一のコア片の外周面における前記深さ方向の一方に開口し、他方が閉じるように設けられる。
本開示のリアクトルにおいて第一のコア片は、第一のコア片の軸方向(長手方向)が巻回部の軸方向、即ちコイルの磁束方向に沿うように配置される。その結果、第一のコア片のスリット部は、上記磁束方向に交差するように配置される。このようなスリット部は、磁気ギャップとして利用できる。従って、本開示のリアクトルは、使用電流値が大きい場合でも磁気飽和し難い。ひいては、本開示のリアクトルは、使用電流値が大きい場合でも、所定のインダクタンスを維持できる。なお、ここでのスリット部の深さ方向とは、代表的には、第一のコア片の外周面に設けられた開口部から、第一のコア片の内部に向かってスリット部の底部までの最長距離をとる直線に沿った方向である。詳細は、後述する。
本開示のリアクトルは、第一のコア片自体に磁気ギャップとして機能するスリット部を備える。第一のコア片と磁気ギャップ(エアギャップでもよい)とが一体の成形物であるため、上述の隣り合うコア片の間隔を保持する部材やギャップ板等を省略できる。部品点数を削減できることで、リアクトルの製造性に優れる。コア片とギャップ板とを接合する接着剤の固化時間も不要であることからも、リアクトルの製造性に優れる。更に、スリット部を有する第一のコア片は、複合材料の成形体であるため、射出成形等で容易に形成できる。この点からも、リアクトルの製造性に優れる。
前記スリット部の深さにおける前記軸方向に直交する方向に沿った大きさは、前記第一のコア片における前記軸方向に直交する方向に沿った長さの1/3以上1/2以下である形態が挙げられる。
前記第一のコア片は、複数の前記スリット部を備える形態が挙げられる。
前記第一のコア片を前記軸方向に直交する平面で切断した断面の外形を内包する最小の長方形を仮想し、
前記スリット部の深さ方向は、仮想の前記長方形の短辺に沿った方向である形態が挙げられる。
前記コイルは、隣り合って並ぶ二つの前記巻回部を備え、
前記磁性コアは、
一方の前記巻回部の内側に配置される前記スリット部を含む前記第一のコア片と、
他方の前記巻回部の内側に配置される箇所を含み、前記複合材料の成形体からなり、前記スリット部が設けられていない第二のコア片とを備える形態が挙げられる。
前記スリット部における前記第一のコア片の周方向に沿った開口縁の長さは、前記第一のコア片の周長の1/3以上1/2以下である形態が挙げられる。
前記複合材料の成形体の比透磁率は、5以上50以下であり、
前記巻回部の外側に配置される第三のコア片の比透磁率は、前記複合材料の成形体の比透磁率の2倍以上である形態が挙げられる。
前記第三のコア片の比透磁率は、50以上500以下である形態が挙げられる。
前記磁性コアの少なくとも一部を覆う樹脂モールド部を備える形態が挙げられる。
以下、図面を参照して、本開示の実施形態を具体的に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
図1~図3を参照して、実施形態1のリアクトル1を説明する。
図1は、実施形態1のリアクトル1をコイル2の巻回部2a,2bの軸方向(図1では紙面左右方向)と、二つの巻回部2a,2bが並ぶ方向(図1では紙面上下方向)との双方に直交する方向(図1では紙面垂直方向)からみた平面図である。
実施形態1のリアクトル1は、図1に示すように、巻回部を有するコイル2と、巻回部の内側と巻回部の外側とに配置される磁性コア3とを備える。本例のコイル2は隣り合って並ぶ二つの巻回部2a,2bを有する。各巻回部2a,2bは、各軸が平行するように配置される。磁性コア3は、複数のコア片を組み合わせて構成される。本例の磁性コア3は、一方の巻回部2aの内側に配置される箇所を含む第一のコア片31aと、他方の巻回部2bの内側に配置される箇所を含む第二のコア片31bと、巻回部2a,2bの外側に配置される第三のコア片32とを備える。磁性コア3は、これらコア片31a,31b,32が環状に組み付けられて構成される。コア片31a,31bは、各軸方向が巻回部2a,2bの軸方向に沿うように配置される。二つのコア片32が両コア片31a,31bを挟むように配置される。このようなリアクトル1は、代表的には、コンバータケース等の設置対象(図示せず)に取り付けられて使用される。
以下、構成要素ごとに詳細に説明する。
本例のコイル2は、巻線(図示せず)が螺旋状に巻回されてなる筒状の巻回部2a,2bを備える。隣り合って並ぶ二つの巻回部2a,2bを備えるコイル2として、以下の形態が挙げられる。
(ii)1本の連続する巻線から形成される巻回部2a,2bと、巻回部2a,2bを連結する連結部(図示せず)とを備える。連結部は、巻回部2a,2b間に渡される巻線の一部から構成される。
《概要》
本例の磁性コア3は、上述のようにコア片31a,31bと、二つのコア片32との合計四つのコア片を環状に組み合わせて閉磁路を構成する。本例の第一のコア片31aは、一方の巻回部2aの内側に配置されるスリット部7を含む。本例の第二のコア片31bは、他方の巻回部2bの内側に配置される箇所を含み、スリット部7が設けられていない。本例では、二つの第三のコア片32はそれぞれ、巻回部2a,2bの外側に配置され、スリット部7が設けられていない。主として巻回部2a,2bの内側に配置されるコア片31a,31bと、巻回部2a,2bの外側に配置されるコア片32とを独立したコア片とすることで、コア片の構成材料の自由度を高められる。本例では、コイル2内のコア片31a,31bの構成材料とコイル2外のコア片32の構成材料とが異なる。コア片31a,31bの構成材料は等しい。また、一つの巻回部2a(又は2b)の内側に配置されるコア片の個数が一つである。そのため、磁性コア3、ひいてはリアクトル1の部品点数が少ない。コア片の構成材料、個数は適宜変更できる(後述の変形例E,G、第一のコア片31B~31C参照)。
本例のコア片31a,31b,32はいずれも、直方体状である。本例のコア片31a,31bは、スリット部7の有無を除いて、概ね同一形状、概ね同一の大きさである。各コア片31a,31bは、細長い直方体状であり、上述のように長手方向が巻回部2a,2bの軸方向に沿うように配置される。各コア片31a,31bの外周形状は、巻回部2a,2bの内周形状に概ね相似である。各コア片31a,31bの端面311,312の形状は、長方形状である(短辺長さ<長辺長さ、図2D)。本例では、二つのコア片32は、同一形状、同一の大きさである。各コア片32においてコア片31a,31bが接続される面は、二つの端面311(又は312)の合計面積よりも大きな面積を有する。コア片31a,31b,32の大きさは、リアクトル1が所定の磁気特性を満たすように、構成材料やスリット部7の大きさ等に応じて調整される。
以下、主に図2,図3を参照して、スリット部7を説明する。
第一のコア片31aは、少なくとも一つのスリット部7を備える。スリット部7は、第一のコア片31aの外周面においてスリット部7の深さ方向の一方に開口し、他方が閉じるように第一のコア片31aに設けられる。このようなスリット部7は、第一のコア片31aの外周面の一部に開口する。また、スリット部7は、第一のコア片31aを貫通しない凹部である。スリット部7は、代表的には薄い板状の内部空間を有する(図2A)。図3B~図3Dに示すように、第一のコア片31B~31Dが複数のスリット部7を備える場合には、各スリット部7は、コア片31B~31Dの外周面において各スリット部7の深さ方向の双方が開口しないように設けられる。
本例のスリット部7は、対向する二つの内壁面71と、両内壁面71を繋ぐ内底面70とで形成される(図1等)。各内壁面71は、第一のコア片31aの軸方向に直交するように設けられる。内底面70は、第一のコア片31aの軸方向に平行するように設けられる。このスリット部7は、第一のコア片31aの外周面のうち、スリット部7の深さ方向の一方に位置する周面314に開口する。スリット部7の深さ方向の他方に位置する周面316は閉じている。即ち、本例の周面316は、凹部を有しておらず、周面316の全体が一様な平面から構成される。更に、本例のスリット部7は、周面314に繋がる周面313,315の一部にも開口する。詳しくは、本例のスリット部7は、周面313,315を貫通すると共に、三つの周面313~315に連続して開口するように設けられる。残る一つの周面316は閉じている。スリット部7が第一のコア片31aの周方向に連続し、複数の周面313~315に亘って開口することで、開口縁の長さが比較的長い(後述の開口縁の長さの項も参照)。このようなスリット部7を有する第一のコア片31aは成形し易い。第一のコア片31aの成形過程で、スリット部7を成形する型材を抜き取り易いからである。
スリット部7の深さ方向は、第一のコア片31aの軸方向に交差する方向、即ちコイル2の磁束方向に交差する方向であればよい。特に、スリット部7の深さ方向は、コイル2の磁束方向に直交する方向に近いほど、磁気ギャップとして良好に機能する。本例のスリット部7の深さ方向は、第一のコア片31aの軸方向に直交する方向、即ち上記磁束方向に直交する方向である(図1,図2B)。
スリット部7の大きさ、例えば厚さt7、深さd7、高さh7、開口縁の長さ等は、リアクトル1が所定の磁気特性を満たす範囲で適宜選択できる。
図1に示す第一のコア片31aは、一つのスリット部7を備える。図3B~図3Dに示す第一のコア片31B~31Dはそれぞれ、複数のスリット部7を備える。リアクトル1が複数のスリット部7を備える場合、各スリット部7は、第一のコア片31B~31Dの軸方向の異なる位置に設けられて、同じ向き、又は異なる向きに開口する。また、各スリット部7は、第一のコア片31B~31Dの外周面において、各スリット部7の深さ方向の双方が開口しないように設けられる。
スリット部7は、第一のコア片31aの軸方向の任意の位置に設けられる。第一のコア片31aにおけるスリット部7の形成位置は、第一のコア片31aの軸方向の中心である。このような第一のコア片31aは、第一のコア片31aの軸方向に二等分する線分を軸として、対称形状である。対称形状である点は、図3A,図3B,図3Dに示す第一のコア片31A,31B,31Dについても同様である。
磁性コア3を構成する複数のコア片は、軟磁性材料を主体とする成形体等が挙げられる。軟磁性材料は、鉄や鉄合金(例、Fe-Si合金、Fe-Ni合金等)といった金属、フェライト等の非金属等が挙げられる。上記成形体は、複合材料の成形体、圧粉成形体、軟磁性材料からなる板材の積層体、焼結体等が挙げられる。複合材料の成形体は、磁性粉末と樹脂とを含む(詳細は後述する)。圧粉成形体の詳細は後述する。板材の積層体は、代表的には電磁鋼板等の板材が積層されたものが挙げられる。焼結体は、代表的には、フェライトコア等が挙げられる。全てのコア片の構成材料が等しい形態、全て異なる形態、構成材料が同じであるコア片を一部に含む形態(本例)のいずれも利用できる。但し、磁性コア3を構成する複数のコア片のうち、スリット部7を備える第一のコア片31aは、複合材料の成形体からなるものとする。本例では、主として他方の巻回部2b内に配置される第二のコア片31bも複合材料の成形体からなる。
複合材料の成形体において、複合材料中の磁性粉末の含有量は、例えば、30体積%以上80体積%以下が挙げられる。複合材料中の樹脂の含有量は、例えば10体積%以上70体積%以下が挙げられる。磁性粉末の含有量が多く、樹脂の含有量が少ないほど、飽和磁束密度や比透磁率を高めたり、放熱性を高めたりし易い。飽和磁束密度や比透磁率の向上、放熱性の向上を望む場合等では、磁性粉末の含有量を50体積%以上、更に55体積%以上、60体積%以上としてもよい。磁性粉末の含有量が少なく、樹脂の含有量が多いほど、電気絶縁性を高められて渦電流損失を低減し易い。製造過程では、複合材料の流動性に優れる。損失の低減、流動性の向上を望む場合等では、磁性粉末の含有量を75体積%以下、更に70体積%以下としてもよい。又は樹脂の含有量を30体積%超としてもよい。
圧粉成形体は、代表的には、磁性粉末(上述参照)とバインダーとを含む混合粉末を所定の形状に圧縮成形した後、熱処理を施したものが挙げられる。バインダーは樹脂等を利用できる。バインダーの含有量は30体積%以下程度が挙げられる。熱処理を施すと、バインダーが消失したり、熱変性物になったりする。そのため、圧粉成形体は、複合材料の成形体よりも磁性粉末の含有割合を高め易い(例えば80体積%超、更に85体積%以上)。磁性粉末の含有割合が多いことで、圧粉成形体は、樹脂を含有する複合材料の成形体よりも飽和磁束密度や比透磁率が高い傾向にある。
複合材料の成形体の比透磁率は、例えば5以上50以下であることが挙げられる。複合材料の成形体の比透磁率は、10以上45以下、更に40以下、35以下、30以下とより低くしてもよい。このような低透磁率の複合材料の成形体から構成されるコア片、具体的にはコア片31a,31bを含む磁性コア3を備えるリアクトル1は、磁気飽和し難い。そのため、スリット部7の厚さt7を薄くし易い。スリット部7の厚さt7が薄ければ、スリット部7からの漏れ磁束を低減できる。ひいては、上述のように低損失で小型なリアクトル1にできる。
複合材料の成形体(ここでは、コア片31a,31bを構成するもの)、コア片32と同様の組成からなるリング状の試料(外径34mm、内径20mm、厚さ5mm)を作製する。
上記リング状の試料に一次側:300巻き、二次側:20巻きの巻線を施し、B-H初磁化曲線をH=0(Oe)~100(Oe)の範囲で測定する。
得られたB-H初磁化曲線のB/Hの最大値を求める。この最大値を比透磁率とする。ここでの磁化曲線とは、いわゆる直流磁化曲線である。
各コア片31a,31bの比透磁率の測定に用いるリング状の試料は、スリット部7が無いものとする。
その他、リアクトル1は、コイル2と磁性コア3との間に介在される保持部材5を備えてもよい。図1では、保持部材5を二点鎖線で仮想的に示す。
その他、リアクトル1は、磁性コア3の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部6を備えてもよい。図1では、樹脂モールド部6を二点鎖線で仮想的に示す。
実施形態1のリアクトル1は、例えば、コア片31a,31b,32を用意して、コイル2と組み付けることで製造できる。適宜、保持部材5を組み付ける。樹脂モールド部6を備える場合には、コイル2と磁性コア3と保持部材5とを組み付けたものを樹脂モールド部6の成形金型(図示せず)に収納し、流動状態の樹脂によって磁性コア3を被覆することで製造できる。
実施形態1のリアクトル1は、電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品、例えば種々のコンバータや電力変換装置の構成部品等に利用できる。コンバータの一例として、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等の車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC-DCコンバータ)や、空調機のコンバータ等が挙げられる。
実施形態1のリアクトル1は、第一のコア片31aに備えられるスリット部7を磁気ギャップとして利用できる。第一のコア片31aが複合材料の成形体から構成され、複合材料中の樹脂が磁気ギャップとして機能することからも、磁気飽和し難い。従って、リアクトル1は、使用電流値が大きい場合でも磁気飽和し難い。
(a)スリット部7が巻回部2aの内側に配置される。そのため、巻回部2aの外側に配置される場合に比較して、スリット部7からの漏れ磁束を低減できる。従って、リアクトル1は、所定のインダクタンスを良好に確保できる。
以下、主に図4を参照して、実施形態2のリアクトル1を説明する。
図4では、ケース4の内部が分かり易いように、ケース4については、ケース4の深さ方向に平行な平面で切断した断面を示す。コイル2については、巻回部2a,2bの軸方向に平行な平面で切断した断面を示す。
実施形態2のリアクトル1は、以下に説明するように放熱性に優れる。スリット部7を有する第一のコア片31aが配置される一方の巻回部2aは、スリット部7を有さない第二のコア片31bが配置される他方の巻回部2bに比較して、スリット部7からの漏れ磁束に起因して発熱し易い。しかし、ケース4(特に底部40)が設置対象によって冷却されると、第一のコア片31a及び一方の巻回部2aは、ケース4の底部40を介して上記設置対象に効率よく伝熱できる。
例えば、上述の実施形態1,2に対して、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
この形態は、スリット部の個数を多くできる。そのため、各コア片に備えられるスリット部の厚さを小さくし易い。スリット部の厚さが小さいことで、スリット部からの漏れ磁束を低減できる。ひいては、上述のように低損失で小型なリアクトルにできる。また、主として巻回部内に配置されるコア片を一つの成形型で成形できる。そのため、複数種の成形型が不要であり、製造コストを低減できる。
例えば、第一のコア片を円柱体や楕円柱体としてもよい。この場合、スリット部の開口縁において第一のコア片の周方向に沿った部分の形状は、代表的には円弧状や楕円弧状である。スリット部を構成する内壁面の形状は、上述の円弧状や楕円弧状の開口縁と、開口縁の両端を繋ぐ弦や直線とで描かれる湾曲形状が挙げられる。また、この形態は、例えば、スリット部における第一のコア片の周方向に沿った開口縁の長さが第一のコア片の周長の1/3以上1/2以下を満たせば、上述のように磁気飽和し難い上に、型材を抜き取り易く、製造性にも優れる。特に、第一のコア片が楕円柱体である場合、スリット部の深さ方向は、上述のように断面について仮想の長方形をとり、この長方形の短辺に沿った方向であることが好ましい。
この形態では、スリット部における上述の開口縁の長さがある程度長ければ、例えば、上述のように第一のコア片の周長の1/3以上であれば、スリット部が磁気ギャップとして良好に機能する。但し、実施形態1で説明したスリット部7のように、直方体状の第一のコア片31aにおいて、四つの周面313~316のうち、三つの周面313~315に連続して開口すると、スリット部7を成形する型材を抜き取り易く、製造性に優れる。
図3Aを参照して、変形例Dを説明する。
図3Aに示す第一のコア片31Aは、スリット部7Aを構成する内壁面71と内底面70とを備える。各内壁面71は、第一のコア片31Aの外周面(ここでは周面314)に非直交に交差する。図3Aでは、内壁面71における周面314に対する交差角度が90°超である場合を例示する。各内壁面71は、内底面70側からスリット部7Aの開口側に向かって、向かい合う内壁面71の間隔が広くなるように傾斜する。内底面70は、第一のコア片31Aの軸方向に沿って配置される。そのため、スリット部7Aにおける周面313の開口形状は台形状である。
スリット部7Aの成形には、端面形状が台形状である柱状体の型材を利用できる。このような特定の形状の型材は、第一のコア片31Aを成形後、スリット部7Aから抜き取り易い。従って、この形態は、第一のコア片31Aを成形し易く、製造性により優れる。
この形態は、例えば、複合材料の成形体と圧粉成形体とを備える実施形態1に比較して、磁気飽和し難い。そのため、スリット部の厚さを薄くし易い。スリット部からの漏れ磁束を低減できることで、低損失なリアクトルにできる。また、各コア片が電気絶縁性にも優れ、渦電流損失(鉄損)といった交流損失を低減できることからも、低損失である。
コア片の個数が少ないほど、リアクトルの部品点数を削減でき、製造性に優れる。コア片の個数が多いと、実施形態1で説明したように各コア片の構成材料の自由度を高められ、磁気特性等を調整し易い。
コア片の個数が2個の場合、例えば、U字状のコア片を二つ備える形態、L字状のコア片を二つ備える形態、U字状のコア片とI字状のコア片とを備える形態等が利用できる。いずれの形態も、複合材料の成形体からなるコア片を含み、このコア片において巻回部内に配置される箇所にスリット部を備えるとよい。
例えば、第二のコア片を圧粉成形体等としてもよい。
この形態は、巻回部とコア片との間隔を広く確保し易い。そのため、スリット部からの漏れ磁束に起因する損失(例、銅損)を低減できる。
(I-1)温度センサ、電流センサ、電圧センサ、磁束センサ等のリアクトルの物理量を測定するセンサ。
放熱板は、例えば金属板、熱伝導性に優れる非金属無機材料からなる板材等が挙げられれる。特にスリット部を備える第一のコア片が配置される巻回部に放熱板を設けると、放熱性に優れて好ましい。上述のようにスリット部を有する第一のコア片が配置される一方の巻回部は、スリット部を有しない第二のコア片が配置される他方の巻回部に比較して、発熱し易いからである。第一のコア片が配置されない巻回部に放熱板を設けてもよい。
接合層は、例えば接着剤層が挙げられる。電気絶縁性に優れる接着剤とすると、放熱板が金属板であっても、巻回部と放熱板との間の絶縁性を高められて好ましい。
2 コイル
2a,2b 巻回部
3 磁性コア
31a,31A,31B,31C,31D 第一のコア片
31b 第二のコア片、32 第三のコア片
311,312 端面、313,314,315,316 周面
4 ケース
40 底部、41 壁部、41i 内壁面
5 保持部材
6 樹脂モールド部
61 内側樹脂部、62 外側樹脂部
7,7A スリット部
70 内底面、71 内壁面
Claims (8)
- 隣り合って並ぶ二つの巻回部を有するコイルと、
前記巻回部の内側と前記巻回部の外側とに配置される磁性コアとを備え、
前記磁性コアは、複数のコア片を組み合わせて構成され、
前記複数のコア片は、磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体からなる第一のコア片及び第二のコア片を含み、
前記複合材料における前記樹脂の含有量は10体積%以上70体積%以下であり、
前記第一のコア片は、一方の前記巻回部の内側に配置される箇所にスリット部を備え、
前記スリット部の深さ方向は、前記第一のコア片の軸方向に交差する方向に沿っており、
前記スリット部は、前記第一のコア片の外周面における前記深さ方向の一方に開口し、他方が閉じるように設けられており、
前記第二のコア片は、他方の前記巻回部の内側に配置される箇所を含み、前記スリット部が設けられていない、
リアクトル。 - 前記スリット部の深さにおける前記軸方向に直交する方向に沿った大きさは、前記第一のコア片における前記軸方向に直交する方向に沿った長さの1/3以上1/2以下である、請求項1に記載のリアクトル。
- 前記第一のコア片は、複数の前記スリット部を備える、請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
- 前記第一のコア片を前記軸方向に直交する平面で切断した断面の外形を内包する最小の長方形を仮想し、
前記スリット部の深さ方向は、仮想の前記長方形の短辺に沿った方向である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。 - 前記スリット部における前記第一のコア片の周方向に沿った開口縁の長さは、前記第一のコア片の周長の1/3以上1/2以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記複合材料の成形体の比透磁率は、5以上50以下であり、
前記巻回部の外側に配置される第三のコア片の比透磁率は、前記複合材料の成形体の比透磁率の2倍以上である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。 - 前記第三のコア片の比透磁率は、50以上500以下である、請求項6に記載のリアクトル。
- 前記磁性コアの少なくとも一部を覆う樹脂モールド部を備える、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のリアクトル。
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