JP7043826B2 - 包装材、包装容器及び蓋体 - Google Patents
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Description
表刷りの場合は、あらゆる基材に印刷することができ、印刷イメージどおりの外観が得られやすい。その反面、包装材の外表面への衝撃や摩擦等により絵柄印刷に傷や剥離が生じやすいという短所がある。
本発明者らは、まず、上記の原因が、裏刷りのプラスチック系包装材から形成したパウチは表面側に透明プラスチックフィルムが露出しており、露出した透明プラスチックフィルムの表面の平滑性に関連していると仮定した。そして、該仮定に基づき、該透明プラスチックフィルムの表面側にマット層を形成し、表面を凹凸化することを試みた。
しかし、透明プラスチックフィルムの表面側にマット層を形成しても、手が水で濡れた状態でパウチを開封した場合には、開封時に手が滑ることを十分に抑制することができなかった。台所、洗面所及び浴室等では、手が濡れた状態でパウチを開封することが多いため、かかる状態においてパウチ開封時の手の滑りを抑制することは重要な課題である。
そして、本発明者らはさらに検討を重ねた結果、透明プラスチックフィルムの表面側に形成するマット層を特定の構成とすることで、手が水で濡れた状態においても、パウチ開封時の手の滑りを抑制できることを見出した。
[1]透明基材の内層側に印刷層を有する包装材であって、前記透明基材の外層側の少なくとも一部に透明マット層を有し、前記透明マット層がバインダー樹脂及び吸油量が250[g/100g]以上のマット剤を含む、包装材。
[2]上記[1]に記載の包装材で形成されている包装容器。
[3]容器本体の収容部を封止するように前記容器本体に接合される蓋体であって、上記[1]に記載の包装材で形成されている蓋体。
本発明の包装材は、透明基材の内層側に印刷層を有する包装材であって、前記透明基材の外層側の少なくとも一部に透明マット層を有し、前記透明マット層がバインダー樹脂及び吸油量が250[g/100g]以上のマット剤を含むものである。
これらの図においては、上が外層側(表面側)であり、下が内層側(裏面側)である。図1及び図2に示すように、本発明の包装材10は、透明基材30の内層側に印刷層40を有し、透明基材30の外層側の少なくとも一部に透明マット層20を有している。
また、図1及び図2では、印刷層40として、絵柄印刷層41及び地色印刷層42を有している。さらに、図2では、絵柄印刷層41として、有彩色層41a及び光輝性印刷層41bを有している。
例えば、図1及び図2に示す包装材10は、印刷層40の内層側(裏面)に、中間層70及びシーラント層80を備えている。
また、図1に示す包装材は、透明マット層20の外層側(表面側)の一部にクリア層60を有している。
透明基材30は、包装材10の基材であるとともに、印刷層40が裏刷りされる場合の印刷基材となる。透明基材30は、印刷層40を外層側から視認できるように、光透過性を有する材料で構成される。例えば、光透過性を有する基材としては、プラスチックフィルム、透明紙等が挙げられ、中でもプラスチックフィルムが好適に用いられる。
プラスチックフィルムは、一軸延伸又は二軸延伸されたものであってもよい。また、上記のうちの2種以上の樹脂のフィルムが積層された複合フィルムであってもよい。また、プラスチックフィルムは、インフレーション法、あるいはまた、溶融押出しコーティング法で形成されたものであってもよい。
電子レンジ用やレトルト容器用の包装材のプラスチックフィルムの具体例としては、ポリエステルフィルムの単体、ナイロン等のポリアミドフィルムの単体、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムの一種以上を含む複合フィルムが挙げられる。前記複合フィルムの例としては、PET/Ny/PET、外層側からPET/Nyの構成からなる共押出し延伸フィルムが挙げられる。また、前記複合フィルムとしては、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムのいずれか1種以上と、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム及びポリ塩化ビニリデンフィルムのいずれか1種以上とを組み合わせることも好ましい。
印刷層は、透明基材の内層側に形成される。印刷層としては、絵柄印刷層及び地色印刷層が挙げられる。絵柄印刷層及び地色印刷層を併用する場合、地色印刷層は絵柄印刷層よりも内層側に形成することが好ましい。
絵柄印刷層は、透明基材の裏面に形成される。絵柄印刷層とは、例えば、文字(商品名、製品表示、品質表示等)、図形、写真、記号、模様、パターン等を含む広い概念である。絵柄印刷層は、他の基材層やシーラント層等の表面に表刷りで形成した後、透明基材の裏面に接着剤で貼り合わせて形成されるものであってもよいが、外層側から絵柄をよりシャープに視認できるようにする観点から、透明基材に裏刷りで形成されることが好ましい。絵柄印刷層は、1層で構成されても、2層以上の多層で構成されてもよい。
絵柄印刷層の総厚みは、特に限定されるものではないが、通常、1~10μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.5~5μmである。また、絵柄印刷層41は、図1に示すように透明基材30に対して全面印刷であってもよいし、図2に示すように透明基材30に対して部分印刷であってもよい。
有彩色層41a及び光輝性印刷層41bの両方が形成される場合、図2に示すように包装材の厚み方向の同じ位置に並列して形成されてもよく、あるいはまた、一部が厚み方向に重なるように形成されていてもよい。
光輝性印刷層41bは、光輝性顔料を含むインキを用いて印刷された層である。光輝性顔料としては、パール顔料や金属鱗片等が挙げられる。これらのうち、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。包装材に電子レンジ加熱やレトルト処理に対する耐性を付与する観点からは、パール顔料が好ましい。一方、絵柄により高い金属光沢性を付与する観点からは、金属鱗片が好ましい。
白色パール顔料は、雲母の被覆層が二酸化チタン等の無色高屈折率材料であり、かつ被覆層の厚みが0.1~0.15μm程度と比較的小さいものであり、光のほぼすべての波長を反射するため、白色もしくは銀色に見える。
干渉パール顔料は、雲母の被覆層が二酸化チタン等の無色高屈折率材料であり、かつ被覆層の厚みが白色パール顔料よりも大きく、0.15μm超のものである。この厚みによって、反射光及び透過光が変化し、種々の干渉色を生じる。虹彩色パールと呼ばれる場合もある。
着色パール顔料は、有彩色であり、雲母の被覆層を酸化第二鉄等の有色高屈折率材料としたもの、白色パール顔料の周囲をさらに酸化第二鉄等の有色高屈折率材料もしくはその他の有色顔料で被覆したもの、又は、雲母の被覆層中に顔料やその他の着色剤を添加したもの等がある。
光輝性印刷層中のパール顔料の含有量は、光沢性を得るのに十分な量とする観点から、光輝性印刷層の全固形分の40~90質量%であることが好ましく、より好ましくは50~85質量%、さらに好ましくは60~80質量%である。
金属鱗片は、例えば、前記金属又は合金をプラスチックフィルム上に真空蒸着してなる金属薄膜をプラスチックフィルムから剥離し、剥離した金属薄膜を粉砕、撹拌した得られたものや、前記金属又は合金の粉末と溶剤とを混合し、媒体撹拌ミル、ボールミル、アトライター等で、該粉末を展延及び/又は粉砕して得られたもの、さらに、これらの表面が樹脂コートされたもの等を用いることができる。
なお、金属鱗片の平均長さ及び平均厚みは、平滑な基材上に金属鱗片を散布した状態で、レーザ干渉式の三次元形状解析装置を用いて、20個の金属鱗片の長さ及び厚みを測定し、これらの測定値の各平均値として求められる。1個の金属鱗片の長さは、任意の軸方向において金属鱗片を平面観察した際の最大径(長さ)を意味する。1個の金属鱗片の厚みは、前記軸方向に垂直な方向(断面)における金属鱗片の最大厚み(長さ)を意味する。例えば、三次元形状解析装置による測定結果の処理画像のX軸方向を任意の軸方向(測定方向)とした場合、X軸と平行な方向において求めた1個の金属鱗片の最大径を、1個の金属鱗片の長さとする。仮に、X軸と平行ではない方向における長さが前記最大径よりも大きい場合であっても、その長さを最大径とはみなさない。レーザ干渉式の三次元形状解析装置としては、例えば、キーエンス社製の形状解析レーザ顕微鏡「VK-Xシリーズ」を用いることができる。
また、インキには、必要に応じて、例えば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤等の任意の添加剤を添加することができる。
地色印刷層は、絵柄印刷層の絵柄を引き立てたり、外層側から被包装物への光の透過を遮断したりする等の観点から、必要に応じて、絵柄印刷層の内層側に形成される。地色印刷層は、上述した絵柄印刷層と同様の方法を用いて形成することができ、絵柄印刷層の裏面に裏刷りして形成されることが好ましい。地色印刷層を形成するための印刷用インキのバインダー樹脂、溶剤及び添加剤は、上記の絵柄印刷層についてのものと同様のものを用いることができる。
地色印刷層は、絵柄印刷層の裏面全面に形成されてもよく、絵柄印刷層の裏面の一部に形成されてもよい。地色印刷層の総厚みは、1.5~5μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.5~3μmである。
透明マット層は、透明基材の外層側の少なくとも一部に形成される。また、透明マット層は、バインダー樹脂及び吸油量が250[g/100g]以上のマット剤を含む。
まず、手が水で濡れた状態で滑りやすくなる理由は、手と包装容器との間において、水が潤滑剤としての役割を生じるためと考えられる。また、透明マット層を設けてプラスチックフィルムの表面を凹凸化しても手の滑りが抑制できない場合がある理由は、透明マット層の表面に水の薄膜が形成され、透明マット層の凹凸が平坦化するためと考えられる。
これに対して、透明マット層中に吸油量が250[g/100g]以上のマット剤を含有させた場合、マット剤が水を吸収し、透明マット層の表面に水の薄膜が形成されにくくなるため、水で濡れた手の滑りが抑制されると考えられる。
マット剤の吸油量の上限は特に限定されないが、吸油量が大き過ぎると、マット剤の凝集性が強くなり過ぎ、マット感を制御しにくくなるため、600[g/100g]以下であることが好ましく、500[g/100g]以下であることがより好ましく、400[g/100g]以下であることがさらに好ましい。
本明細書において、吸油量とは、JISK5101-13-2の「顔料試験法-第13部:吸油量-第2節:煮あまに油法」により測定したものである。
吸油量が250[g/100g]以上のマット剤の含有量を2質量%以上とすることにより、水がマット剤で吸収されやすくなり、水で濡れた手の滑りを抑制しやすくできる。また、吸油量が250[g/100g]以上のマット剤の含有量を50質量%以下とすることにより、透明マット層中におけるマット剤の結着性を良好にしやすくできる。
吸油量250[g/100g]以上のマット剤の平均粒子径を0.1μm以上とすることにより、透明マット層の表面を凹凸化することによって、水で濡れた手の滑りを抑制しやすくできる。また、吸油量250[g/100g]以上のマット剤の平均粒子径を15.0μm以下とすることにより、透明マット層の表面が過度に凹凸化されることによって、印刷層の絵柄の視認性が低下することを抑制できる。
本明細書において、マット剤の粒子の平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値d50として測定したものである。
マット剤の形状は、球形、多面体、鱗片状、不定形等が挙げられる。これらの中でも、滑り抑制の観点から不定形が好ましい。
なお、透明マット層に含まれる全マット剤のうち、吸油量250[g/100g]以上のマット剤の割合は80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることがよりさらに好ましい。
透明マット層の厚みを1.0μm以上とすることにより、水がマット剤で吸収されやすくなり、水で濡れた手の滑りを抑制しやすくできる。また、透明マット層の厚みを15.0μm以下とすることにより、印刷層の絵柄の視認性が低下することを抑制できる。
透明マット層の外層側表面のRaを0.2μm以上とすることにより、透明マット層の表面を凹凸化することによって、水で濡れた手の滑りを抑制しやすくできる。また、透明マット層の外層側表面のRaを2.0μm以下とすることにより、透明マット層の表面が過度に凹凸化されることによって、印刷層の絵柄の視認性が低下することを抑制できる。
なお、本明細書において、算術平均粗さRaは、透明マット層2の外層側表面における流れ方向(MD)で10箇所、及びMD方向の直角方向(TD)で10箇所の合計20箇所で測定した平均値である。
また、マットインキには、さらに、必要に応じて、本発明の効果を妨げない範囲において、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤等の任意の添加剤を添加することができる。
透明マット層20上の一部には、図1に示すようにクリア層60を有していてもよい。かかる構成とすることにより、クリア層を有する箇所と、クリア層を有さない箇所とで光沢の差が生じ、意匠性を高くできる点で好ましい。
クリア層の厚みは、0.5~15μm程度であることが好ましく、より好ましくは1~10μm、さらに好ましくは2~7μmである。
水性ニスとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル-スチレン共重合体等の樹脂成分を、水と少量の揮発性有機溶剤に溶解又は分散させたものを用いることができる。揮発性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類やアセトン、メチルエチルケトン、エチルアセテート等が挙げられる。
油性ニスとしては、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂等の樹脂成分を、揮発性有機溶剤に溶解又は分散させたものを用いることができる。揮発性溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
水性ニス及び油性ニスには、さらに、必要に応じて、潤滑剤や界面活性剤等の添加剤を添加することができる。水性ニス及び油性ニス中の樹脂成分は、40~85質量%であることが好ましい。
中間層70は、図1及び図2に示すように、印刷層40とシーラント層80との間に、必要に応じて設けることができる。中間層としては、例えば、ガスバリア層やプラスチックフィルム層等が挙げられ、これらの層は、両面に接する層と接着剤(層)を介して接合することにより形成することができる。
中間層の総厚みは、1~50μm程度であることが好ましく、より好ましくは2~140μm、さらに好ましくは3~30μmである。
ガスバリア層は、包装材による被包装物と包装材の外部環境との間で、酸素や水蒸気等の透過を遮断するものである。また、可視光や紫外線等の透過を遮断する遮光性をも付与するものであってもよい。ガスバリア層は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。ガスバリア層は、公知の材料により構成することができ、例えば、アルミ箔や、プラスチックフィルム表面に蒸着膜や塗布膜を形成した構成とすることができる。塗布膜を形成する場合は、ガスバリア性の向上の観点から、蒸着膜の表面に形成されることが好ましい。
なお、前記プラスチックフィルム表面は、蒸着膜や塗布膜の密着性向上の観点から、予め表面処理を施しておいてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスや窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、酸化剤処理、アンカーコート剤の塗布等が挙げられる。
蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着(PVD)法、プラズマ化学気相成長や熱化学気相成長、光化学気相成長等の化学蒸着(CVD)法等が挙げられる。
蒸着膜の膜厚は、成膜材料や要求されるガスバリア性能等によって異なるが、通常、5~200nm程度であることが好ましく、より好ましくは5~150nm、さらに好ましくは10~100nmである。ケイ素酸化物やアルミニウム酸化物等の無機酸化物の場合は、5~100nm程度であることが好ましく、より好ましくは5~50nm、さらに好ましくは10~30nmである。
塗布方法としては、例えば、グラビアロールコーター等のロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコート、アプリケータ等の塗布手段により行うことができる。1回又は複数回の塗布で、塗布膜の乾燥膜厚が0.01~30μm程度となることが好ましく、より好ましくは0.05~20μm、さらに好ましくは0.1~10μmである。
中間層におけるプラスチックフィルム層は、包装材の強度の向上や加工適性の向上、他の層を形成するための基材として、必要に応じて設けられる。
プラスチックフィルム層の構成材料としては、具体的には、透明基材と同様の材料を用いることができる。
包装材の各構成層は、各層間の接合強度の向上の観点から、接着剤層を介して積層されていてもよい。ただし、印刷層よりも外層側では、絵柄の視認性や光沢感に影響を及ぼさないことを条件として、接着剤を使用することができる。
接着剤層の各厚みは、0.01~20μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.05~15μm、さらに好ましくは0.1~10μmである。
図1及び図2に示すように、印刷層40の内層側には、シーラント層80が積層されていることが好ましい。
シーラント層は、包装材の最内層に形成され、内層側の面が被包装物と直接接触し、被包装物を保護するものであり、特に、包装材で液状物の包装容器が形成される場合には、シーラント層は液状物に対する耐浸透性を有していることが好ましい。また、包装材で密閉容器が形成される場合には、シーラント層がヒートシールされることにより、密封性を確保できることが好ましい。シーラント層は、1層で構成されても、2層以上の多層で構成されてもよい。
また、電子レンジ加熱やレトルト処理における耐熱性の観点から、シーラント層8は、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体等のPP系樹脂、HDPE等の耐熱性に優れた樹脂で形成されることが好ましい。PP系樹脂については、目的に応じて使い分けられることが好ましく、例えば、耐冷凍性を重視する場合はエチレン-プロピレンブロック共重合体、また、透明性を重視する場合はエチレン-プロピレンランダム共重合体、また、耐熱性が重視される場合はプロピレン単独重合体が好ましい。また、包装材で電子レンジ用の自動蒸通機構を備えた包装容器が形成される場合は、高温時にシーラント層でシール強度が低下し、包装容器内の蒸気を抜けやすくする観点から、エチレン-プロピレンブロック共重合体が好ましい。
イージーピール性を有するシーラント層は、2種以上の樹脂を用いて形成することができ、具体的には、容器本体との密着性が良好である一の樹脂と、容器本体との密着性が良好ではなく、かつ、前記一の樹脂と非相溶である他の樹脂とを混合することにより形成することができる。例えば、容器本体がポリプロピレン製である場合、前記一の樹脂としてポリプロピレン単独重合体と、ポリエチレン、ポリブテン、ポリスチレン等他の樹脂との混合樹脂でシーラント層を形成することが好ましい。なお、シーラント層が多層構成である場合、該シーラント層は、容器本体と接合される最内層のみがイージーピール性を有していれば足りる。
本発明の包装容器は、上述した本発明の包装材で形成されてなるものである。
本発明の蓋体95は、容器本体93の収容部94を封止するように容器本体93に接合される蓋体95であって、上述した本発明の包装材10で形成されてなるものである。
本発明の蓋体95は、つまみ部92を有し、つまみ部92の最外層が透明マット層であることが好ましい。
(実施例1)
透明基材の内層側(裏面)の全面に、下記処方の有彩色層用インキをグラビア印刷で裏刷りし、厚み1.0μmの有彩色層を形成し、絵柄印刷層を形成した。
次いで、透明基材の外層側(表面)の全面に、下記処方の透明マット層用インキをグラビア印刷し、厚み3.0μmの透明マット層を形成した。次いで、透明マット層上の一部(中央付近)に、下記処方のクリア層用インキをグラビア印刷し、厚み3.0μmのクリア層を形成した。
そして、絵柄印刷層の内層側(裏面)に、中間層(遮光性を有するガスバリア層)として厚み12μmのアルミ蒸着PETをドライラミネート用接着剤で貼り合わせ、さらに、シーラント層として厚み100μmのポリエチレンフィルムをドライラミネート用接着剤で貼り合わせた。
得られた包装材の外層側からの積層構成の概略は、クリア層(3.0μm)/透明マット層(3.0μm)/透明基材(15μm)/絵柄印刷層(1.0μm)/接着剤層(3.0μm)/中間層(12μm)/接着剤層(3.0μm)/シーラント層(100μm)である。カッコ内の数値(単位:μm)は各層の厚みを表している(以下、同様。)。
<透明基材>
二軸延伸ナイロンフィルム:出光ユニテック株式会社製「ユニロンG-100」
<有彩色層用インキ>
・有機系赤色顔料:3質量部
・沈降防止剤(微粒子シリカ):2質量部
・バインダー樹脂(ポリウレタン系樹脂):20質量部
・溶剤1(ミネラルスピリット):7質量部
・溶剤2(プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル、イソプロパノールの混合溶剤):70質量部
<透明マット層用インキ>
・不定形シリカ粒子(平均粒径3.0μm、吸油量260[g/100g]):30質量部
・バインダー樹脂(ポリオールとイソシアネートとの2液硬化型ポリウレタン樹脂):100質量部
・溶剤(酢酸ノルマルプロピル、酢酸エチル)
注:透明マット層用インキの全固形分に対するシリカ粒子の割合は23.1質量%である。
<クリア層用インキ>
アクリル系熱硬化性樹脂組成物を水系溶媒(水及びイソプロピルアルコールの3:7混合溶媒)に分散してなるインキ組成物
<中間層>
アルミ蒸着PET:尾池工業株式会社製「EXC」
<シーラント層>
ポリエチレンフィルム:大日本印刷株式会社製「DP-402」
<ドライラミネート用接着剤>
ポリウレタン系接着剤
実施例1において、透明マット層のシリカ粒子の平均粒子径及び吸油量、透明マット層中のシリカ粒子の含有割合、並びに、透明マット層の厚みを表1の条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~10及び比較例1の包装材を得た。
また、透明マット層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、比較例2の包装材を得た。
実施例1~10及び比較例1~2の包装材をシーラント層が内層側になるように折り、外周の4辺付近を加熱して対向するシーラント層同士を接着させた。さらに、図3に示すように、接着箇所の一部にノッチ部を形成し、実施例1~10及び比較例1~2の包装容器(パウチ)を得た。
3-1.滑りの抑制
手を濡らした状態で、実施例1~10及び比較例1~2の包装容器(パウチ)をノッチ部から開封する作業を行った。20歳代、30歳代、40歳代、50歳代の4つの年代から、男女5名ずつ合計40名が前記作業を行い、開封時の手の滑りやすさを評価した。
手が滑りにくいと感じるものを3点、どちらとも言えないものを2点、手が滑ると感じるものを1点として、上記40人の評価の平均点を算出した。結果を表1に示す。
<評価基準>
A:平均点が2.6超
A-:平均点が2.3超2.6以下
B:平均点が2.0超2.3以下
C:平均点が1.5以上2.0以下
D:平均点が1.5未満
実施例1~10及び比較例1~2の包装容器(パウチ)を蛍光灯の照明下において目視で観察し、絵柄印刷層の絵柄が明りょうに視認できるか否かを評価した。その結果、絵柄が明りょうに視認できるものを「A」、絵柄が明りょうに視認できないものを「C」とした。
20:透明マット層
30:透明基材
40:印刷層
41:絵柄印刷層
41a:有彩色層
41b:光輝性印刷層
42:地色印刷層
60:クリア層
70:中間層
80:シーラント層
91:ノッチ部
92:つまみ部
93:容器本体
94:収容部
95:蓋体
100:包装容器
Claims (10)
- 透明基材の内層側に印刷層を有する包装材であって、
前記透明基材の外層側の少なくとも一部に透明マット層を有し、
前記透明マット層がバインダー樹脂及び吸油量が250[g/100g]以上のマット剤を含み
前記透明マット層の全固形分に対する前記マット剤の含有割合が12.0~50.0質量%である、包装材。 - 前記透明マット層の全固形分に対する前記マット剤の含有割合が12.0~30.0質量%である、請求項1に記載の包装材。
- 前記マット剤の平均粒子径が0.1~15.0μmである、請求項1又は2に記載の包装材。
- 前記透明マット層の厚みが1.0~15.0μmである、請求項1~3のいずれか1項に記載の包装材。
- 前記印刷層の内層側にシーラント層が積層されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の包装材。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の包装材で形成されている包装容器。
- 前記包装容器の外周端部の少なくとも一部の最外層が前記透明マット層である、請求項6に記載の包装容器。
- 前記包装容器がノッチ部又はつまみ部を有し、前記ノッチ部又は前記つまみ部の最外層が前記透明マット層である、請求項6に記載の包装容器。
- 前記包装容器がパウチである、請求項6~8のいずれか1項に記載の包装容器。
- 容器本体の収容部を封止するように前記容器本体に接合される蓋体であって、請求項1~5のいずれか1項に記載の包装材で形成されている蓋体。
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