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JP7030888B2 - 内燃機関制御装置 - Google Patents

内燃機関制御装置 Download PDF

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JP7030888B2
JP7030888B2 JP2020081715A JP2020081715A JP7030888B2 JP 7030888 B2 JP7030888 B2 JP 7030888B2 JP 2020081715 A JP2020081715 A JP 2020081715A JP 2020081715 A JP2020081715 A JP 2020081715A JP 7030888 B2 JP7030888 B2 JP 7030888B2
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Description

本願は、内燃機関制御装置に関するものである。
近年、運転者側あるいは車両側からの駆動力の要求値として、車両の制御に直接作用する物理量である内燃機関(以下、「エンジン」と称することもある)の出力軸トルクを用い、この出力軸トルクをエンジン出力目標値として、エンジン制御量である空気量、燃料量、および点火時期、を決定することにより良好な走行性能を得る内燃機関制御装置が提案されている。
また、エンジン制御量のうち、エンジン出力軸トルクに最も影響の大きい制御量が空気量であることは一般に知られており、例えば特許第6234531号(特許文献1)には、スロットルボディおよび各種センサの個体間の特性のばらつきに対するスロットル開度補正をスロットル開度の学習で行い、さらに、目標吸気管内圧を用いてスロットルの開度を制御することにより発生する変換係数などの設定値のずれに起因したスロットル開度の誤差に対するスロットル開度補正をスロットルフィードバックで行うことで、目標吸入空気流量に対し、高応答で高精度の吸入空気流量が得られるスロットル開度制御を実現する内燃機関制御装置が提案されている。
特許第6234531号公報
特許文献1に開示された従来の内燃機関制御装置は、目標吸気管内圧から求めたスロットル開度を用いてスロットルフィードバック値を求めているため、目標吸入空気流量と実際の吸入空気流量との差には、有効開口面積とスロットル開度との関係の差異と、目標吸気管内圧と実際の吸気管内圧と、の差異の影響による誤差が含まれており、これらの2つの差異をスロットルフィードバックにより補正するようにしているため、目標吸気管内圧と実際の吸気管内圧とが近い値の場合に比べ、目標吸気管内圧と実際の吸気管内圧との差異が大きくなるほどスロットルフィードバックの収束に時間がかかることとなり、空気量制御の収束性が低下することなる。
本願は、従来の内燃機関制御装置における前述の課題を解決するための技術を開示するものであり、スロットルフィードバック値の収束速度のばらつきを抑制することができ、適合により収束時間を短くできる内燃機関制御装置を提供することを目的とする。
本願に開示される内燃機関制御装置は、
内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
前記内燃機関の運転状態に応じた目標吸入空気流量を算出する目標吸入空気流量算出手段と、
前記内燃機関の運転状態に応じた目標吸気管内圧を算出する目標吸気管内圧算出手段と、
前記目標吸入空気流量と、大気圧又は前記内燃機関の吸気管に設けられたスロットル弁の上流側の圧力と、前記目標吸気管内圧と、前記スロットル弁の上流側の吸入空気温度とに基づいて前記スロットル弁の目標有効開口面積を算出する目標有効開口面積算出手段と、
スロットル学習値算出手段と、
スロットルフィードバック制御手段と、
最終目標開度算出手段と、
を備え、
前記運転状態検出手段は、
前記スロットル弁のスロットル開度を制御することにより前記スロットル弁の有効開口面積を変化させて、前記内燃機関への吸入空気流量を制御するスロットル開度制御手段と、前記内燃機関への前記吸入空気流量を検出する吸入空気流量検出手段と、前記スロットル弁の上流側の圧力を検出するスロットル上流圧力検出手段と、大気圧を検出する大気圧検出手段と、前記内燃機関の吸気管内圧を検出する吸気管内圧検出手段と、前記スロットル弁の上流側の吸入空気温度を検出する吸入空気温度検出手段と、を有し
前記スロットル学習値算出手段は、
前記吸入空気流量と、前記大気圧又は前記スロットル弁の上流側の圧力と、前記吸気管内圧と、前記スロットル弁の上流側の吸入空気温度とに基づいて、学習用有効開口面積を算出する学習用有効開口面積算出手段と、あらかじめ適合された前記スロットル弁の有効開口面積と前記スロットル開度との対応マップを用いて前記学習用有効開口面積から学習用開度を算出する学習用開度算出手段と、前記スロットル開度と前記学習用開度との差に基づいて学習基本値を算出する学習基本値算出手段と、前記学習基本値からばらつきを除去した値であるスロットル学習値を算出する学習用補正後積分処理手段と、前記スロットル学習値を記憶するスロットル学習値記憶手段と、有し、
前記スロットルフィードバック制御手段は、
前記吸入空気流量と、前記大気圧又は前記スロットル弁の上流側の圧力と、前記目標吸気管内圧と、前記スロットル弁の上流側の吸入空気温度とに基づいて、フィードバック用有効開口面積を算出するフィードバック用有効開口面積算出手段と、前記対応マップを用いて前記フィードバック用有効開口面積からフィードバック用開度を算出するフィードバック用開度算出手段と、前記スロットル開度と前記フィードバック用開度との差に基づいてフィードバック基本値を算出するフィードバック基本値算出手段と、前記フィードバック基本値を積分処理してスロットルフィードバック値を算出する補正後積分処理手段と、を有し、
前記最終目標開度算出手段は、
前記対応マップを用いて、前記目標有効開口面積から目標開度を算出する目標開度算出手段と、前記スロットル学習値記憶手段に記憶されたスロットル学習値と目標有効開口面積算出手段により算出された目標有効開口面積とに基づいて目標スロットル学習値を算出する目標スロットル学習値算出手段と、前記スロットルフィードバック値と前記目標スロットル学習値との和であるスロットル学習補正値を算出するスロットル開度補正値算出手段と、前記スロットル学習補正値と、前記目標開度との和である補正後目標開度を算出する補正後目標開度算出手段と、を有し、
前記スロットルフィードバック制御手段は、さらに、
前記フィードバック基本値と前記学習基本値の比をフィードバック補正係数とし、前記補正後積分処理手段にて前記フィードバック基本値に前記フィードバック補正係数を乗算した値を積分することにより前記スロットルフィードバック値を補正し、前記フィードバック基本値からばらつきを除去するとともに前記スロットルフィードバック値の収束速度のばらつきを除去するように構成され
前記スロットル開度制御手段は、
前記補正後目標開度算出手段により算出された前記補正後目標開度に基づいて、前記スロットル開度を制御するように構成されている、
ようにしたものである。
本願に開示される内燃機関制御装置によれば、スロットルフィードバック値の収束速度のばらつきを抑制することができ、適合により収束時間を短くできる内燃機関制御装置が得られる。
実施の形態1による内燃機関制御装置を概略的に示す構成図である。 実施の形態1による内燃機関制御装置における、エンジン制御部の概略構成を示すブロック図である。 実施の形態1による内燃機関制御装置における、スロットル開度制御手段の一部を示す機能ブロック図である。 実施の形態1による内燃機関制御装置における、スロットル学習値算出手段を説明するための説明図である。 実施の形態1による内燃機関制御装置における、スロットル学習値算出手段を示す機能ブロック図である。 実施の形態1による内燃機関制御装置における、スロットルフィードバック制御手段を示す機能ブロック図である。 実施の形態1による内燃機関制御装置における、最終目標開度算出手段を示す機能ブロック図である。 実施の形態1による内燃機関制御装置における、スロットル開度制御の全体フロー図である。 従来の内燃機関制御装置における、スロットル開度制御の全体フロー図である。
以下、本願による内燃機関制御装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による内燃機関制御装置を概略的に示す構成図であり、図2は、実施の形態1による内燃機関制御装置における、エンジン制御部の概略構成を示すブロック図である。図1において、エンジン1の吸気系を構成する吸気通路としての吸気管100の上流側には、エンジン1への吸入空気流量Qaを測定する吸入空気流量検出手段としてのエアフローセンサ2と、吸入空気温度Toを測定する吸入空気温度検出手段としての吸入空気温度センサ3が設けられている。
なお、吸入空気流量Qaを直接計測するエアフローセンサ2に代えて、他のセンサ情報から吸入空気流量Qaを推定演算する手段を用いてもよい。また、吸入空気温度センサ3は、エアフローセンサ2と一体に構成されてもよく、エアフローセンサ2とは別体に構成されてもよい。さらに、吸入空気温度Toを直接測定する吸入空気温度センサ3に代えて、他のセンサ情報から吸入空気温度Toを推定演算する手段を用いてもよい。
エンジン1の吸気系において、エアフローセンサ2の下流には、電子的に吸気通路の開口面積を調整できるスロットル弁4aを備えたスロットルボディ4が設けられている。スロットルボディ4には、スロットル弁4aの開度、即ちスロットル開度TPを測定するスロットルポジションセンサ5が設けられている。前述の吸入空気温度Toは、スロットルボディ4の大気側の温度に等しい。
また、スロットルボディ4は、吸気管100の内部の圧力を均一化するサージタンク6に接続され、サージタンク6には内部の圧力を吸気管内圧Peとして測定する吸気管内圧検出手段としての吸気管内圧センサ7が設けられている。さらに、サージタンク6には、エンジン1の排気通路としての排気管200と連通したEGR管300を開閉するEGR(Exhaust Gas Recirculation)バルブ8が接続されている。なお、吸気管内圧Peを直接測定する吸気管内圧センサ7に代えて、他のセンサ情報から吸気管内圧Peを推定演算する手段を用いてもよい。
エアフローセンサ2からの吸入空気流量Qa、吸入空気温度センサ3からの吸入空気温度To、スロットルポジションセンサ5からのスロットル開度TP、および吸気管内圧センサ7からの吸気管内圧Peは、図示していない他のセンサからの検出信号とともに、エンジン1の運転状態を示す情報として、電子制御ユニットとしてのECU(Electronic Control Unit)9に入力される。ECU9は、入力された運転状態を示す情報に基づいてエンジン1の運転状態を検出する運転状態検出手段を含む。
ECU9は、運転状態に基づく演算結果に応じて、スロットルボディ4のスロットル開度TPを制御して吸入空気流量Qaを調整するとともに、エンジン1の燃料噴射装置および点火装置(いずれも図示せず)を所要タイミングで駆動制御し、エンジン1の燃焼状態を改善する。
図2において、ECU9には各種センサ10が接続されており、各種センサ10には、エアフローセンサ2、吸入空気温度センサ3、スロットルポジションセンサ5、吸気管内圧センサ7とともに、大気圧Poを計測する大気圧検出手段としての大気圧センサ11、またはスロットルボディ4の上流の圧力、即ちスロットル上流圧P1を計測するスロットル上流圧力検出手段としてのスロットル上流圧センサ12など、スロットルボディ4の大気側の圧力を検出するセンサなどが含まれている。
ECU9は、入力インタフェース(以下、入力I/Fと称する)9aと、演算処理部9bと、出力インタフェース(以下、出力I/Fと称する)9cを備えている。なお、大気圧Poは、直接計測する大気圧センサ11およびスロットル上流圧センサ12を用いず、他のセンサ情報から推定演算する手段を用いて計測してもよい。また、スロットル上流圧P1を直接計測するスロットル上流圧センサ12についても、他のセンサ情報からスロットル上流圧P1を推定演算する手段を用いて計測してもよい。
入力I/F9aは、エアフローセンサ2、吸入空気温度センサ3、スロットルポジションセンサ5、吸気管内圧センサ7からの検出情報と、大気圧センサ11で測定された大気圧Po、またはスロットル上流圧センサ12で測定されたスロットル上流圧P1と、各種センサ10に含まれる他のセンサからの検出信号を取り込み、演算処理部9bに送出する。
演算処理部9bは、スロットル開度制御手段を含み、スロットル弁4aの開度であるスロットル開度TPを制御することにより、吸気通路の有効開口面積を変化させてエンジン1への吸入空気流量Qaを制御する。このため、まず、演算処理部9bでは、入力された運転状態を示す情報に基づいてエンジン1の目標トルクを算出し、目標トルクを達成するための目標吸入空気流量Qa*を算出する。
演算処理部9bにおいては、目標吸入空気流量Qa*を達成するための目標有効開口面積CAt*を算出するとともに、目標有効開口面積CAt*を達成するための目標開度TP*を算出する。さらに、EGRバルブ8に対する制御指令値の算出、および各種アクチュエータ13に含まれる他のアクチュエータ(エンジン1の燃焼室に設けられた燃料噴射装置のインジェクタおよび点火装置の点火コイルなど)に対する制御指令値を算出する。
ECU9の出力I/F9cでは、ECU9の演算結果に基づく駆動制御信号を、スロットルボディ4およびEGRバルブ8を含む各種アクチュエータ13に出力する。これにより、スロットル開度TPが目標開度TP*と一致するように制御される。
次に、スロットル開度制御手段を含むECU9の演算処理部9bにより実行される演算処理、すなわち目標吸入空気流量Qa*を達成するための目標開度TP*の算出処理について説明する。図3は、実施の形態1による内燃機関制御装置における、スロットル開度制御手段の一部を示す機能ブロック図である。図3において、ECU9の演算処理部9bは、目標吸入空気流量算出手段30と、目標有効開口面積算出手段31と、音速算出手段32と、圧力比算出手段33と、無次元流量算出手段34と、目標開度算出手段35を備えている。
目標吸入空気流量算出手段30は、入力I/F9aを介して各種センサ10からの情報が入力され、エンジン1の運転状態に応じた目標トルクを達成するための目標吸入空気流量Qa*を算出し、目標吸入空気流量Qa*の算出値を目標有効開口面積算出手段31に入力する。音速算出手段32は、吸入空気温度センサ3からの吸入空気温度Toに基づき大気中の音速aoを算出して目標有効開口面積算出手段31に入力する。
また、圧力比算出手段33は、目標吸気管内圧PeTGTと、大気圧センサ11からの大気圧Po、又はスロットル上流圧P1との圧力比PeTGT/Poを算出する除算器からなり、圧力比PeTGT/Po(=P1)の算出値を無次元流量算出手段34に入力する。無次元流量算出手段34は、圧力比PeTGT/Poに基づき無次元流量σを算出して目標有効開口面積算出手段31に入力する。
目標有効開口面積算出手段31は、目標吸入空気流量Qa*、大気中の音速ao、および無次元流量σを入力情報として、スロットルボディ4の目標有効開口面積CAt*を算出して目標開度算出手段35に入力する。目標開度算出手段35は、あらかじめ適合された有効開口面積CAtとスロットル開度TPとの対応マップとしての「CAt-TPマップ」を用いて、目標有効開口面積CAt*に対応した目標開度TP*を算出する。
次に、目標有効開口面積算出手段31、音速算出手段32、圧力比算出手段33、無次元流量算出手段34、および目標開度算出手段35の具体的な算出処理機能について説明する。一般に、絞り式流量計の体積流量算出式は、吸入空気流量Qa(体積流量)と、大気中の音速aoと、流量係数Cと、スロットルボディ4の開口面積Atと、吸気管内圧Peと、大気圧Poと、比熱比κを用いて以下の式(1)で表される。
Figure 0007030888000001
ここで、無次元流量算出手段34により算出される無次元流量σを、以下の式(2)のように定義する。
Figure 0007030888000002
式(2)を式(1)に代入すると、吸入空気流量Qaは、下記の式(3)のように表すことができる。
Figure 0007030888000003
なお、大気中の音速aoは、ガス定数Rおよび吸入空気温度Toを用いると、下記の式(4)で表される。
Figure 0007030888000004
また、式(3)を変形すると、流量係数Cとスロットルボディ4の開口面積Atとの積で表される有効開口面積CAtは、目標トルクを達成するために必要な目標吸入空気流量Qa*と、大気中の音速aoと、無次元流量σが与えられた場合に、下記の式(5)により算出することができる。
Figure 0007030888000005
したがって、ECU9の目標有効開口面積算出手段31は、目標吸入空気流量Qa*、大気中の音速aoおよび無次元流量σに基づき、式(5)を用いて目標吸入空気流量Qa*を達成するための目標有効開口面積CAt*を算出する。
このように、式(1)で表される絞り式流量計の体積流量算出式に基づいて、目標有効開口面積CAt*を算出することにより、環境条件の変化、EGRバルブ8を開放することによるEGR導入などに起因して、エンジン1の運転状態が変化した場合においても、良好に目標吸入空気流量Qa*を達成するための目標有効開口面積CAt*を算出することができる。
ところで、目標有効開口面積CAt*の算出に必要な大気中の音速aoを、ECU9により式(4)を用いて演算させることは、演算負荷が膨大となるので実用的ではない。そこで、ECU9での演算負荷を抑えるために、音速算出手段32は、あらかじめ大気中の音速aoの理論値を算出して吸入空気温度Toに対するマップデータとして記憶しておき、目標有効開口面積算出手段31での演算処理前に、吸入空気温度Toを用いて大気中の音速aoを算出する。
同様に、目標有効開口面積CAt*の演算に必要な無次元流量σを、ECU9により式(2)を用いて演算させることも演算負荷が膨大となるので実用的ではない。そこで、ECU9での演算負荷を抑えるために、無次元流量算出手段34は、あらかじめ無次元流量σの理論値を算出して吸気管内圧Peと大気圧Poとの圧力比に対するマップデータとして記憶しておき、目標有効開口面積算出手段31での演算処理前に、目標吸気管内圧算出手段である圧力比算出手段33で算出された目標吸気管内圧PeTGTと大気圧Poとの圧力比PeTGT/Poを用いて無次元流量σを算出する。
ところで、圧力比PeTGT/Poが大きくなると、エアフローセンサ2および吸気管内圧センサ7は吸入空気脈動の影響を受けるので、吸入空気流量Qaの測定値が実際の吸入空気流量に対して誤差を生じさせる可能性があるうえ、無次元流量σの算出でも、吸入空気脈動による吸気管内圧Peの測定誤差の影響を大きく受ける可能性がある。そこで、圧力比算出手段33の圧力比固定手段(図示せず)は、圧力比PeTGT/Poがあらかじめ定められた値である値A以上の場合には、圧力比PeTGT/Poを所定値Aとして扱うことにより、吸入空気脈動の影響を抑制し、スロットルボディ4の制御性を確保するように構成されている。
なお、圧力比算出手段33において圧力比PeTGT/Poを所定値Aに固定設定する代わりに、無次元流量算出手段34における圧力比PeTGT/Poに対する無次元流量σのマップ値を、圧力比PeTGT/Poが値A以上の領域では、所定値Aの場合と同一値に設定するようにしてもよい。
目標開度算出手段35は、目標有効開口面積算出手段31により算出された目標有効開口面積CAt*を用いて、目標開度TP*を算出する。このとき、目標開度算出手段35は、スロットル開度TPの測定値と吸入空気流量Qaの測定値とから、式(5)により算出した有効開口面積CAtとの関係をあらかじめ求め、スロットル開度TPと有効開口面積CAtとが[1:1]で対応する2次元マップとして記憶しておき、この2次元マップを用いることにより、目標有効開口面積CAt*に対応した目標開度TP*を算出する。
ECU9における演算処理部9bのスロットル開度制御手段では、目標開度算出手段35により算出された目標開度TP*が達成されるように、スロットルボディ4を制御する際に、スロットルボディ4および各種センサ10のばらつき、各種推定誤差などに起因した目標吸入空気流量Qa*と実際の吸入空気流量Qaとの誤差が減少するように、スロットル学習値を算出する。
次に、実施の形態1による内燃機関制御装置における、スロットル学習補正値TPFBiの算出処理について詳細に説明する。図4は、実施の形態1による内燃機関制御装置における、スロットル学習値算出手段を説明するための説明図であって、スロットル開度TPと有効開口面積CAtとの関係から、スロットル学習処理およびスロットルフィードバック処理の概要を示している。図4において、aは、あらかじめ適合したスロットル開度TPと有効開口面積CAtとの対応を示すCAt-TPマップ、bは、学習補正後CAt-TPマップ、cは、スロットルフィードバック処理後CAt-TPマップ、をそれぞれ示している。
図4に示すように、スロットル学習値算出手段50は、あらかじめ適合したスロットル開度TPと有効開口面積CAtとを対応させたマップであるCAt-TPマップaから算出したスロットル開度TPと、スロットルポジションセンサ5より検出されるスロットル開度TPとの差分を学習基本値ΔTPrとしてCAt-TPマップaに学習基本値ΔTPrの一部を加算して学習補正後CAt-TPマップbを形成する。さらに、前述の学習基本値ΔTPrを反映して補正されたCAt-TPマップbと、前述の学習基本値ΔTPrを反映して補正されたCAt-TPマップbから算出したスロットル開度TPと、スロットルポジションセンサ5より検出されるスロットル開度TPとの差分をフィードバック基本値ΔTPfbとして算出し、その一部をスロットル学習補正値TPFBiに反映させたスロットルフィードバック処理後CAt-TPマップcを形成する。
図5は、実施の形態1による内燃機関制御装置における、スロットル学習値算出手段を示す機能ブロック図である。図5において、スロットル学習値算出手段50は、学習用有効開口面積算出手段51と、学習用開度算出手段52と、学習基本値算出手段53と、学習用補正後積分処理手段54と、単調増加処理手段55と、スロットル学習値記憶手段56とを備えている。
学習用有効開口面積算出手段51は、目標開度TP*に制御したときのエアフローセンサ2からの実際の吸入空気流量Qaに基づいて、スロットル開度制御手段によるスロットルボディ4の学習用有効開口面積CAtrを算出する。このとき、学習用有効開口面積算出手段51は、吸入空気流量Qa、大気圧Po、吸気管内圧Pe、および吸入空気温度Toを、いわゆる絞り式流量計の流量算出式に適用し、前述の式(5)により、スロットル開度制御手段の学習用有効開口面積CAtrを算出して学習用開度算出手段52に入力する。
学習用開度算出手段52は、図4に示すCAt-TPマップaを用いて、学習用有効開口面積CAtrに対応する学習用開度TPirを算出して学習基本値算出手段53に入力する。このとき、学習用開度算出手段52は、あらかじめ適合したCAt-TPマップaから算出した学習用開度TPirに代えて、あらかじめ適合したマップ関係に対し、以前算出のスロットル学習値TPLRNiを加算したものを学習用開度TPirとして学習基本値算出手段53に入力してもよい。
学習基本値算出手段53は、スロットルポジションセンサ5により検出されるスロットル開度TPと学習用開度TPirとの偏差[TP-TPir]を学習基本値ΔTPrとして算出して学習用補正後積分処理手段54に入力する。ここで、スロットル開度TPは、学習用開度TPirを算出したタイミングと同じタイミングで検出されたスロットル開度TPを用いることとする。なお、スロットル開度TPに代えて目標開度TP*を用いてもよい。
学習用補正後積分処理手段54は、学習基本値ΔTPrに補正係数Kc1(0≦Kc1≦1)を乗算した値を順次積分し、又は学習基本値ΔTPrにフィルタ処理を施して、学習基本値ΔTPrから瞬時的なばらつきを除去した値であるスロットル学習値TPLRNを出力する。
単調増加処理手段55は、図4に示すCAt-TPマップaと、スロットル学習値TPLRNを加算して補正した後の実際のCAt-TP関係(スロットル開度制御手段の有効開口面積CAtとスロットル開度TPとの関係)とが、単調増加になるようにスロットル学習値TPLRNを処理してスロットル学習値TPLRNを出力する。
バックアップメモリにより構成されたスロットル学習値記憶手段56は、単調増加処理手段55を介して処理されたスロットル学習値TPLRNをECU9に記憶させる。
以上述べたように、目標吸入空気流量Qa*を得るためのスロットル開度TPを算出する際に、スロットルボディ4および各種センサ10などのばらつき、および各種推定演算における誤差に対して、良好に目標吸入空気流量Qa*を得ることができるように、有効開口面積CAtとスロットル開度TPとの関係を学習補正することができる。なお、スロットル開度制御手段のスロットル学習値は、エンジン1の停止中または内燃機関制御装置の電源オフ時においては、スロットル学習値TPLRNがスロットル学習値記憶手段56に保持されるので、バックアップメモリとして機能する。
以上のようにして、スロットル学習値TPLRNの算出が行われるとともに、スロットル学習値TPLRNに基づく処理後のスロットル学習値TPLRNの算出および記憶が行われるが、このような学習処理は全運転領域で行うことができないので、学習禁止処理が必要となる。
学習更新禁止処理手段57は、後述するあらかじめ定められた更新禁止条件が成立した場合に、前回のスロットル学習値TPLRN(n-1)を入力し、スロットル学習値TPLRNの更新を禁止する。図5では、学習更新禁止処理手段57は、切り替えスイッチとして表示されており、あらかじめ定められた更新禁止条件が成立した場合に、学習用補正後積分処理手段54からのスロットル学習値TPLRNから、前回のスロットル学習値TPLRN(n-1)に切り替えるように動作する。つぎに、実施の形態1による内燃機関制御装置における、学習更新禁止処理手段57について具体的に説明する。
スロットル学習値TPLRNの更新禁止条件が不成立の場合に、学習用補正後積分処理手段54で算出されたスロットル学習値TPLRNを、図4に示すCAt-TPマップaのCAt軸のポイントに応じた学習領域の最終的なスロットル学習値とする。
過渡運転時などにおいて目標開度TP*が急変した場合には、スロットル開度変化によるエアフローセンサ2の近傍の空気の流速が変化するまでの応答遅れ、もしくはエアフローセンサ2そのものの応答遅れなどにより、吸入空気流量Qaが応答するまでにある程度の時間が必要となる。
したがって、学習更新禁止処理手段57は、目標開度TP*とスロットル開度TPの偏差があらかじめ定められた値B以上となった場合に、スロットル学習値TPLRNの更新を禁止し、前回のスロットル学習値TPLRN(n-1)を単調増加処理手段55に入力する。これにより、吸入空気流量Qaの応答遅れ等によるスロットル学習値TPLRNの誤学習を防止することができる。
また、エアフローセンサ2は、吸気管内圧Peと大気圧Poとの圧力比Pe/Poがある程度大きくなると、吸入空気脈動の影響を受けるので、実際の吸入空気流量と測定した吸入空気流量との間に誤差が発生する場合があり、このような運転領域においては、スロットル学習値TPLRNを正確に算出することができない。
したがって、学習更新禁止処理手段57は、圧力比Pe/Poが前述のあらかじめ定められた値B以上を示す場合には、前回のスロットル学習値TPLRN(n-1)を選択し、スロットル学習値TPLRNの更新を禁止する。これにより、吸入空気脈動の影響によるスロットル開度TPの誤学習を防止することができる。
なお、学習更新禁止処理手段57は、目標スロットル通過空気流量とスロットル通過空気流量との差の絶対値が、目標スロットル通過空気流量とあらかじめ定められた値Cとの積未満となる場合に、スロットル学習値TPLRNの更新を禁止するようにしてもよい。
また、学習更新禁止処理手段57は、目標スロットル通過空気流量とスロットル通過空気流量との差の絶対値が、目標スロットル通過空気流量とあらかじめ定められた値Cの積を超えた場合と、目標スロットル通過空気流量とあらかじめ定められた時間前の目標スロットル通過空気流量との差の絶対値が、目標スロットル通過空気流量とあらかじめ定められた値Dの積を超えた場合と、のうちの少なくとも一つが発生した場合に、スロットル学習値TPLRNの更新を禁止するようにしてもよい。
また、学習更新禁止処理手段57は、リンプホーム(limp home)状態となった場合と、エンジンへの吸入空気流量を検出する手段として用いるセンサに異常が生じた場合と、吸気管内圧を検出する手段として用いるセンサに異常が生じた場合と、のうちの少なくとも一つが生じたときに、スロットル学習値TPLRNの更新を禁止するようにしてもよい。
なお、学習用開度TPirと、スロットル開度TP又は目標開度TP*と、の偏差があらかじめ定められた値E以下になった場合と、目標吸入空気流量Qa*と吸入空気流量Qaとの偏差率があらかじめ定められた値F以下になった場合と、目標有効開口面積CAt*と学習用有効開口面積CAtrとの偏差があらかじめ定められた値G以下になった場合と、のうちの少なくとも一つが発生したとき、スロットル学習値TPLRNの更新を禁止すれば、その禁止がスロットル学習の不感帯として機能することになる。これにより、スロットル学習値TPLRNが収束した場合のスロットル学習値の変動、すなわちスロットル開度の変動を防止することができる。
次に、スロットル開度TPを補正するスロットルフィードバック制御手段について説明する。図6は、実施の形態1による内燃機関制御装置における、スロットルフィードバック制御手段を示す機能ブロック図である。図6において、スロットルフィードバック制御手段60は、目標吸気管内圧PeTGTを用いたフィードバック用有効開口面積算出手段61と、フィードバック用開度算出手段62と、スロットルポジションセンサ5の出力が入力されるフィードバック基本値算出手段63と、フィードバック補正係数算出手段64と、フィードバック基本値ΔTPfbを補正し積分処理する補正後積分処理手段65と、フィードバック更新禁止処理手段66を備えている。
フィードバック用有効開口面積算出手段61は、目標開度TP*に制御したときの実際の吸入空気流量Qaに基づいて、スロットル開度制御手段によるスロットルボディ4のフィードバック用有効開口面積CAtfbを算出する。このとき、フィードバック用有効開口面積算出手段61は、吸入空気流量Qa、大気圧Po、目標吸気管内圧PeTGT、および吸入空気温度Toを、いわゆる絞り式流量計の流量算出式に適用し、前述の式(5)のように、スロットル開度制御手段のフィードバック用有効開口面積CAtfbを算出してフィードバック用開度算出手段62に入力する。
フィードバック用開度算出手段62は、前述の図4に示すCAt-TPマップaを用いてフィードバック用有効開口面積CAtfbから算出されたフィードバック用スロットル開度TPifbを算出し、フィードバック基本値算出手段63に入力する。なお、CAt-TPマップaは、あらかじめ適合したマップ関係に対し、以前算出のスロットル学習値TPLRNiを加算したものをフィードバック用スロットル開度TPifbとしてフィードバック基本値算出手段63に入力してもよい。
フィードバック基本値算出手段63は、スロットルポジションセンサ5により検出されるスロットル開度TPとフィードバック用スロットル開度TPifbとの差分[TP-TPifb]であるフィードバック基本値ΔTPfbを算出し、補正後積分処理手段65に入力する。ここで、スロットル開度TPは、フィードバック用スロットル開度TPifbを算出したタイミングと同じタイミングで検知されたスロットル開度TP使用する。なお、スロットル開度TPの代わりに目標開度TP*を用いてもよい。
フィードバック補正係数算出手段64は、吸気管内圧Peを用いて求めた学習基本値ΔTPrと目標吸気管内圧PeTGTを用いて求めたフィードバック基本値ΔTPfbとの比[ΔTPr÷ΔTPfb]を、フィードバック補正係数Kcfbとして算出し、補正後積分処理手段65に入力する。
補正後積分処理手段65は、フィードバック基本値ΔTPfbにフィードバック補正係数Kcfbと反映係数Kcfbb(0≦Kcfbb≦1)、を乗算した値を順次積分して、フィードバック基本値ΔTPfbから瞬時的なばらつきを除去し、目標吸気管内圧PeTGTの変化の影響による収束速度のばらつきを抑制したスロットルフィードバック値TPFBを、フィードバック更新禁止処理手段66を介して後述のスロットル開度補正値算出手段72に入力する。図6では、フィードバック更新禁止処理手段66は、切り替えスイッチとして表示されており、後述のように動作する。
なお、前述のフィードバック補正係数Kcfbは、過剰な補正による収束性悪化、すなわち、ハンチングを防ぐため、あらかじめ定められた最大値とあらかじめ定められた最小値の間の値に制限するようにしてもよい。
また、フィードバック補正係数Kcfbによる補正は、小さな変化でのスロットルフィードバック値TPFBのハンチングを防ぐため、すなわち、小さな変化でのスロットルフィードバック値TPFBの収束性悪化を防ぐため、フィードバック補正係数Kcfbがあらかじめ定められた値ある場合に、補正禁止とするようにしてもよい。

あるいは、フィードバック補正係数Kcfbによる補正は、過渡での収束性悪化を防ぐため、目標スロットル通過空気流量とあらかじめ定められた時間前の目標スロットル通過空気流量との差の絶対値が、あらかじめ定められた値を超えた値を示す場合、過渡状態として補正禁止としてもよい。過渡状態か否かの判定は、充填効率、スロットル開度、アクセル開度の変化により判定することができる。
また、フィードバック更新禁止処理手段66における更新禁止条件の具体例として、目標開度TP*とスロットル開度TPとの偏差があらかじめ定められた値B以上となった場合に、スロットルフィードバック値TPFBの更新を禁止するようにしてもよい。
フィードバック更新禁止処理手段66は、後述のあらかじめ定められた更新禁止条件が成立した場合に、今回のスロットルフィードバック値TPFBに代えて前回のスロットルフィードバック値TPFB(n-1)を、後述のスロットル開度補正値算出手段72に入力するように動作して、スロットルフィードバック値TPFBの更新を禁止する。また、吸気管内圧Peと大気圧Poとの圧力比Pe/Poがあらかじめ定められた値A以上を示す場合には、スロットルフィードバック値TPFBの更新を上記のようにして禁止するようにしてもよい。
また、フィードバック更新禁止処理手段66は、目標スロットル通過空気流量と学習用スロットル通過空気流量との差の絶対値が、目標スロットル通過空気流量とあらかじめ定められた値Hの積未満となる場合には、スロットルフィードバック値TPFBの更新を禁止するようにしてもよい。
あるいは、フィードバック更新禁止処理手段66は、目標スロットル通過空気流量と学習用スロットル通過空気流量との差の絶対値が、目標スロットル通過空気流量とあらかじめ定められた値Hとの積を超えた場合と、目標スロットル通過空気流量とあらかじめさだめられた時間前の目標スロットル通過空気流量との差の絶対値が、目標スロットル通過空気流量とあらかじめ定められた値Iとの積を超えた場合、の少なくとも何れか一つの場合に、スロットルフィードバック値TPFBの更新を禁止するようにしてもよい。
また、フィードバック更新禁止処理手段66は、目標スロットル通過空気流量とスロットル通過空気流量との差の絶対値が、目標スロットル通過空気流量とあらかじめ定められた値Jの積未満となる場合、スロットルフィードバック値TPFBを保持するようにしてもよい。
フィードバック更新禁止処理手段66は、リンプホーム状態となった場合、エンジンへの吸入空気流量Qaを検出する手段として用いるエアフローセンサ2に異常が生じた場合、あるいは吸気管内圧Peを検出する手段として用いる吸気管内圧センサ7に異常が生じた場合、のうちの少なくとも何れか一つの場合に、スロットルフィードバック値TPFBの更新を禁止するようにしてもよい。
加えて、フィードバック更新禁止処理手段66は、フィードバック用スロットル開度TPifbと、スロットル開度TP又は目標開度TP*と、の偏差があらかじめ定められた値E以下になった場合、目標吸入空気流量Qa*と吸入空気流量Qaとの偏差率があらかじめ定められた値F以下になった場合、あるいは目標有効開口面積CAt*と学習用有効開口面積CAtrとの偏差が、あらかじめ定められた値G以下になった場合、のうちの少なくとも何れか1つの場合に、スロットルフィードバック値TPFBの更新を禁止するようにしてもよい。
次に、最終目標開度算出手段について説明する。図7は、実施の形態1による内燃機関制御装置における、最終目標開度算出手段を示す機能ブロック図である。図7において、最終目標開度算出手段70は、目標スロットル学習値算出手段71と、スロットル開度補正値算出手段72と、補正後目標開度算出手段73と、目標開度算出手段35と、を備えている。
前述のフィードバック更新禁止処理手段66を介して出力されたスロットルフィードバック値TPFBと、目標スロットル学習値算出手段71により算出された目標スロットル学習値TPLRNTGTとの和であるスロットル学習補正値TPFBiは、補正後目標開度算出手段73に入力される。補正後目標開度算出手段73は、目標開度算出手段35から入力された目標開度TP*とスロットル学習補正値TPFBiとの和である補正後目標開度TPTGT*を出力インタフェース9cへ出力する。
目標スロットル学習値算出手段71は、スロットル学習値記憶手段56にてECU9に記憶されている以前算出のスロットル学習値TPLRNiと、あらかじめ適合したスロットル開度TPと有効開口面積CAtとの対応マップ関係を示す前述の図4に示すCAt-TPマップaを用いて、目標有効開口面積CAt*から算出された目標スロットル学習値TPLRNTGTを算出する。このとき、CAt-TPマップaは、あらかじめ適合したマップ関係に対して以前算出のスロットル学習値TPLRNiが加算されている関係であってもよい。
スロットル開度補正値算出手段72は、スロットルフィードバック値TPFBと目標スロットル学習値TPLRNTGTとを加算する加算手段からなり、加算結果をスロットル学習補正値TPFBiとして補正後目標開度算出手段73に入力する。
補正後目標開度算出手段73は、スロットル開度補正値算出手段72により算出されたスロットル学習補正値TPFBiと目標開度算出手段35により算出された目標開度TP*とを加算する加算手段からなり、加算結果を補正後目標開度TPTGT*として出力インタフェース9cへ出力する。
このように、最終目標開度算出手段70は、スロットル開度TPとフィードバック用スロットル開度TPifbとの偏差としてのフィードバック基本値ΔTPfbに基づいて、スロットルフィードバック値TPFBを算出し、目標開度TP*をスロットル学習補正値TPFBiにより補正した補正後目標開度TPTGT*を用いて、スロットル開度TPを制御することにより、目標吸入空気流量Qa*と吸入空気流量Qaとの誤差を減少させる。
図8は、実施の形態1による内燃機関制御装置における、スロットル開度制御の全体フロー図、図9は、従来の内燃機関制御装置における、スロットル開度制御の全体フロー図である。図9に示す従来の内燃機関制御装置と比較すれば明らかなように、図8に示す実施の形態1による内燃機関制御装置によれば、前述のスロットル学習値算出手段50とスロットルフィードバック制御手段60と最終目標開度算出手段70とにより構成される制御系1000が設けられており、スロットルボディおよび各種センサのばらつきに対するスロットル開度補正をスロットル学習で行い、さらに、目標吸気管内圧を用いてスロットルを制御することにより発生する変換係数などの設定値のずれに起因したスロットル開度の誤差に対するスロットル開度補正をスロットルフィードバックで行うようにしているので、スロットルフィードバック値の収束速度のばらつきを抑制することができ、適合により収束時間を短くできるとともに、目標吸入空気流量に対し、高応答で高精度の吸入空気流量が得られるスロットル開度制御を実現する内燃機関制御装置を得ることができる。
なお、実施の形態1を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1 エンジン、2 エアフローセンサ、3 吸入空気温度センサ、4 スロットルボディ、4a スロットル弁、5 スロットルポジションセンサ、6 サージタンク、7 吸気管内圧センサ、9a 入力インタフェース、9b 演算処理部、9c 出力インタフェース、10 各種センサ、11 大気圧センサ、12 スロットル上流圧センサ、30 目標吸入空気流量算出手段、31 目標有効開口面積算出手段、32 音速算出手段、33 圧力比算出手段、34 無次元流量算出手段、35 目標開度算出手段、50 スロットル学習値算出手段、51 学習用有効開口面積算出手段、52 学習用開度算出手段、53 学習基本値算出手段、54 学習用補正後積分処理手段、55 単調増加処理手段、56 スロットル学習値記憶手段、57 学習更新禁止処理手段、60 スロットルフィードバック制御手段、61 フィードバック用有効開口面積算出手段、62 フィードバック用開度算出手段、63 フィードバック基本値算出手段、64 フィードバック補正係数算出手段、65 補正後積分処理手段、66 フィードバック更新禁止処理手段、70 最終目標開度算出手段、71 目標スロットル学習値算出手段、72 スロットル開度補正値算出手段、73 補正後目標開度算出手段、100 吸気管、200 排気管、300 EGR管、1000 制御系、Qa 吸入空気流量、Qa* 目標吸入空気流量、CAt* 目標有効開口面積、CAt 有効開口面積、CAtr 学習用有効開口面積、CAtfb フィードバック用有効開口面積、At 開口面積、TP* 目標開度、TP スロットル開度、TPifb フィードバック用スロットル開度、ΔTPfb フィードバック基本値、ΔTPr 学習基本値、TPLRN スロットル学習値、TPLRNi 以前算出のスロットル学習値、TPir 学習用開度、To 吸入空気温度、Pe 吸気管内圧、Po 大気圧、P1 スロットル上流圧、PeTGT 目標吸気管内圧、TPLRNTGT 目標スロットル学習値、κ 比熱比、ao 音速、σ 無次元流量、R ガス定数、C 流量係数、Kcfb フィードバック補正係数、Kcfbb 反映係数、TPFB スロットルフィードバック値、TPFBi スロットル学習補正値、TPTGT* 補正後目標開度

Claims (4)

  1. 内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記内燃機関の運転状態に応じた目標吸入空気流量を算出する目標吸入空気流量算出手段と、
    前記内燃機関の運転状態に応じた目標吸気管内圧を算出する目標吸気管内圧算出手段と、
    前記目標吸入空気流量と、大気圧又は前記内燃機関の吸気管に設けられたスロットル弁の上流側の圧力と、前記目標吸気管内圧と、前記スロットル弁の上流側の吸入空気温度とに基づいて前記スロットル弁の目標有効開口面積を算出する目標有効開口面積算出手段と、
    スロットル学習値算出手段と、
    スロットルフィードバック制御手段と、
    最終目標開度算出手段と、
    を備え、
    前記運転状態検出手段は、
    前記スロットル弁のスロットル開度を制御することにより前記スロットル弁の有効開口面積を変化させて、前記内燃機関への吸入空気流量を制御するスロットル開度制御手段と、前記内燃機関への前記吸入空気流量を検出する吸入空気流量検出手段と、前記スロットル弁の上流側の圧力を検出するスロットル上流圧力検出手段と、大気圧を検出する大気圧検出手段と、前記内燃機関の吸気管内圧を検出する吸気管内圧検出手段と、前記スロットル弁の上流側の吸入空気温度を検出する吸入空気温度検出手段と、を有し
    前記スロットル学習値算出手段は、
    前記吸入空気流量と、前記大気圧又は前記スロットル弁の上流側の圧力と、前記吸気管内圧と、前記スロットル弁の上流側の吸入空気温度とに基づいて、学習用有効開口面積を算出する学習用有効開口面積算出手段と、あらかじめ適合された前記スロットル弁の有効開口面積と前記スロットル開度との対応マップを用いて前記学習用有効開口面積から学習用開度を算出する学習用開度算出手段と、前記スロットル開度と前記学習用開度との差に基づいて学習基本値を算出する学習基本値算出手段と、前記学習基本値からばらつきを除去した値であるスロットル学習値を算出する学習用補正後積分処理手段と、前記スロットル学習値を記憶するスロットル学習値記憶手段と、有し、
    前記スロットルフィードバック制御手段は、
    前記吸入空気流量と、前記大気圧又は前記スロットル弁の上流側の圧力と、前記目標吸気管内圧と、前記スロットル弁の上流側の吸入空気温度とに基づいて、フィードバック用有効開口面積を算出するフィードバック用有効開口面積算出手段と、前記対応マップを用いて前記フィードバック用有効開口面積からフィードバック用開度を算出するフィードバック用開度算出手段と、前記スロットル開度と前記フィードバック用開度との差に基づいてフィードバック基本値を算出するフィードバック基本値算出手段と、前記フィードバック基本値を積分処理してスロットルフィードバック値を算出する補正後積分処理手段と、を有し、
    前記最終目標開度算出手段は、
    前記対応マップを用いて、前記目標有効開口面積から目標開度を算出する目標開度算出手段と、前記スロットル学習値記憶手段に記憶されたスロットル学習値と目標有効開口面積算出手段により算出された目標有効開口面積とに基づいて目標スロットル学習値を算出する目標スロットル学習値算出手段と、前記スロットルフィードバック値と前記目標スロットル学習値との和であるスロットル学習補正値を算出するスロットル開度補正値算出手段と、前記スロットル学習補正値と、前記目標開度との和である補正後目標開度を算出する補正後目標開度算出手段と、を有し、
    前記スロットルフィードバック制御手段は、さらに、
    前記フィードバック基本値と前記学習基本値の比をフィードバック補正係数とし、前記補正後積分処理手段にて前記フィードバック基本値に前記フィードバック補正係数を乗算した値を積分することにより前記スロットルフィードバック値を補正し、前記フィードバック基本値からばらつきを除去するとともに前記スロットルフィードバック値の収束速度のばらつきを除去するように構成され
    前記スロットル開度制御手段は、
    前記補正後目標開度算出手段により算出された前記補正後目標開度に基づいて、前記スロットル開度を制御するように構成されている、
    ことを特徴とする内燃機関制御装置。
  2. 前記フィードバック補正係数は、あらかじめ定められた最大値と最小値の範囲内に制限されるように構成されている、
    こと特徴とする請求項1に記載の内燃機関制御装置。
  3. 前記フィードバック補正係数があらかじめ定められたにあるとき、前記フィードバック補正係数による前記スロットルフィードバック値の補正を禁止するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関制御装置。
  4. 前記目標吸入空気流量算出手段により算出された前記スロットル弁を通過する空気流量の目標値としての目標スロットル通過空気流量と、あらかじめ定められた時間前に算出された前記目標スロットル通過空気流量と、の差の絶対値が、あらかじめ定められた値を超えたとき、前述フィードバック補正係数による前記スロットルフィードバック値の補正を禁止するように構成されている、
    こと特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載の内燃機関制御装置。
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