JP7025885B2 - 含窒素縮合多環式複素芳香環化合物 - Google Patents
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Description
本発明はまた、本発明の含窒素縮合多環式複素芳香環化合物を含む有機電界発光素子用材料でもある。
本発明は更に、本発明の有機電界発光素子用材料を用いて構成される有機電界発光素子でもある。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
また上記1価の置換基や2~4価の連結基の炭素数の下限は、15であることが一層好ましく、18であることがより一層好ましく、20であることが更に一層好ましく、22であることが最も好ましい。
更に、上記1価の置換基や2~4価の連結基の炭素数の上限は特に限定されないが、容易に合成する観点からは、例えば50であることが好ましく、30であることがより好ましい。
上記アルキル基としては、例えば炭素数1~18の直鎖状アルキル基、炭素数3~18の分岐鎖状アルキル基、炭素数3~18のシクロアルキル基が好適なものとして挙げられる。
上記炭素数1~18の直鎖状アルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-デシル基等が挙げられる。
上記炭素数3~18の分岐鎖状アルキル基としては具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、イソヘキシル基、2-エチルヘキシル基等が挙げられる。
上記炭素数3~18のシクロアルキル基としては具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
上記アルキル基としては、炭素数1~18の直鎖状アルキル基又は炭素数5~18の分岐鎖状アルキル基が好ましく、これらの中でも炭素数の上限が14であることが好ましく、10であることがより好ましく、例えば、メチル基、エチル基、tert-ブチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基が特に好ましい。
上記芳香族炭化水素環基の炭素数の上限は、14であることが好ましく、10であることがより好ましく、8であることが更に好ましく、具体的にはベンゼンが特に好ましい。
上記炭素数1~12のアルコキシ基の炭素数は、1~8であることが好ましく、1~6であることがより好ましく、1~3であることが更に好ましい。
上記炭素数6~12のアリールオキシ基は、上述したもののうち、その炭素数が6~10であることが好ましい。より好ましくは、6~8である。更に好ましくは、6である。
上記炭素数2~12のアルキルアミノ基の炭素数は、2~8であることが好ましく、2~6であることがより好ましく、2~5であることが更に好ましい。
上記炭素数7~18のアリールアミノ基の炭素数は、8~18であることが好ましく、12~18であることがより好ましく、12であることが更に好ましい。
上述したアルキル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基や置換基は、耐熱性、有機電界発光素子用材料としての性能の悪化に特に寄与しないものである。
また上記X1~X4の中で、X1、X2、X4のいずれか1つが窒素原子であることが特に好ましい。
また上記Y1~Y3の中で、Y2、Y3のいずれか1つが窒素原子であることが特に好ましい。
本発明は、後述する反応式に示すように、原料としてハロゲン原子及び金属置換基を有する含窒素複素芳香環化合物とハロゲン原子及びシアノ基を有する含窒素複素芳香環化合物とをクロスカップリング反応させて2、2’位にそれぞれハロゲン原子及びシアノ基を有する、含窒素複素芳香環化合物の二量体を得る工程、該二量体のハロゲン原子及びシアノ基を環化反応させて環状アミド化合物を得る工程、及び、該環状アミド化合物をハロゲン化ホスホリルと反応させてハロゲン原子を有する含窒素縮合多環式複素芳香環化合物を得る工程を含む含窒素縮合多環式複素芳香環化合物の製造方法でもある。
上記製造方法は、更に、ハロゲン原子を有する含窒素縮合多環式複素芳香環化合物と、ボロン酸エステルとを反応させて上記一般式(1)で表される含窒素縮合多環式複素芳香環化合物を得る工程を含むことが好ましい。ボロン酸エステルとしては、例えば、ボロン酸エステル基及び炭素数13以上の1価の置換基が直接結合したもの、2個のボロン酸エステル基が直接結合したもの、2~4個のボロン酸エステル基が2~4価の連結基を介して結合したものが挙げられる。
具体的には、先ず、下記反応式に示すように、原料としてピリジン等の含窒素複素芳香環化合物を用いてビピリジン等の二量体を合成する。
得られた環状アミド化合物を、例えばアミン触媒存在下で、下記反応式に示すように、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン等のハロゲン化ホスホリルと反応させ、ハロゲン原子を有する含窒素縮合多環式複素芳香環化合物を合成する。
得られたハロゲン原子を有する含窒素縮合多環式複素芳香環化合物を、下記反応式に示すように、パラジウム触媒の存在下でボロン酸エステルと反応させ、本発明の含窒素縮合多環式複素芳香環化合物を合成することができる。なお、下記反応式ではボロン酸エステル基を2つもつボロン酸エステルを用いているが、ボロン酸エステル1分子中のボロン酸エステル基の数を変更することにより、得られる含窒素縮合多環式複素芳香環化合物の含窒素縮合多環式複素芳香環の数を適宜変更することができる。
ただし、本発明の含窒素縮合多環式複素芳香環化合物の製造方法は、上述したものに制限されない。
本発明の有機電界発光素子用材料を電子輸送材料や電子注入材料、正孔阻止材料に用いる場合、本発明の有機電界発光素子用材料は、更に、電子輸送材料や電子注入材料、正孔阻止材料に通常用いることができる化合物等を更に含んでいてもよい。
本発明の有機電界発光素子用材料は、材料100質量%中、本発明の含窒素縮合多環式複素芳香環化合物を10~100質量%含むものであることが好ましい。
本発明は更に、本発明の有機電界発光素子用材料を用いて構成される有機電界発光素子でもある。
本発明の有機電界発光素子は、本発明の有機電界発光素子用材料を用いて得られる電子輸送層や電子注入層、正孔阻止層等の素子構成部材を含んで構成されるものであればよく、その他の素子構成部材としては、通常用いられる材料を用いて作製された一般的な素子構成部材を採用することができる。例えば、本発明の有機電界発光素子は、発光層、陽極、及び、陰極を有し、陰極と発光層との間に、本発明の有機電界発光素子用材料を用いて得られる電子注入層と、必要に応じて電子輸送層とを有し、陽極と発光層との間に正孔輸送層及び/又は正孔注入層を有する構成の素子とすることができる。また本発明の有機電界発光素子は、これらの各層の間に他の層を有していてもよい。なお、これらの各層は、1層からなるものであってもよく、2層以上からなるものであってもよい。更に、本発明の有機電界発光素子は、基板がある側とは反対側に光を取り出すトップエミッション型のものであってもよく、基板がある側に光を取り出すボトムエミッション型のものであってもよい。
(1H-NMR測定)
試料をテトラメチルシランを含有する重クロロホルムまたは重ジメチルスルホキシドに溶解し、核磁気共鳴装置(Gemini2000、400MHz、Varian社製)により測定した。
(熱分解温度測定)
示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA6200、セイコー・インスツル株式会社製)を用いて、約5mgの試料をアルミニウムパンにいれ、以下のようにして測定した。
測定温度の範囲:室温~500℃
昇温速度:10℃/min
得られた熱分解曲線において5wt%の重量減少が見られたところを熱分解温度とした。
示差走査熱量分析装置(製品名:DSC6220、セイコー・インスツル株式会社製)を用いて、約3mgの試料を密封式アルミニウムパンに封入して測定した。測定温度の範囲は30℃~融点-10℃(融点のない試料は分解温度-10℃)、昇温(降温)速度は30℃/minとした。昇降温を3回繰り返し、得られたDSC曲線の2サイクル目、3サイクル目の昇温過程部分において、ベースラインがシフトしたところをガラス転移温度(Tg)とした。
ビピリジン化合物1の合成
物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.78(d,J=3.2Hz,1H),8.39(dd,J=2.0,1H)7.97-8.02(m、1H),7.93(d,J=8.0Hz,1H),7.64(dd,J=3.2Hz,1H),7.39-7.42(m,1H).
その物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.28(s,1H),8.99(d,1H),8.93(d,1H),8.85(d,1H),8.54(dd,1H),7.88(dd,1H),7.36(dd,1H).
その物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ9.23(dd,1H),9.14(dd,1H),8.91(dd,1H),8.88(dd,1H),7.90(dd,1H),7.73(dd,1H).
その物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ9.22(dd,J=1.2,1.6Hz,2H),9.18(dd,J=1.6Hz,2H),8.99(dd,J=1.6Hz,2H),8.91(dd,J=1.6,2.0Hz、2H),8.31(s,2H),8.23(dd,J=1.6,2.0Hz,2H),7.86(dd,J=4.0Hz,2H),7.68(dd,J=4.4Hz,2H)7.61(d,J=8.0Hz,2H),2.30(s,6H).
ビピリジン化合物5の合成
物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ8.90(d,1H),8.87(s,1H),8.71(s,1H),8.64(d,1H),7.72(d,1H),7.43(t,1H).
その物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ12.2(s,1H),9.96(s,1H),8.94(d,1H),8.70(s,1H),8.51-8.61(m,2H),8.16(d,1H).
その物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ10.02(s,1H),9.50(s,1H),9.10(d,1H),8.92(d,1H),8.44(d,1H),8.25(d,1H).
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ9.57(s,1H)9.23(dd,1H),8.87-8.90(m,2H),8.27(dd,1H),8.02(m,1H),7.90(d,1H)7.78-7.79(m,2H),7.65(dd,1H),7.54-7.59(m,2H),7.28-7.42(m,3H).
ビピリジン化合物9の合成
物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ8.80(d,J=6.0Hz,1H),8.64(d,1H),8.10(dd,1H),7.50-7.65(m,2H),7.47-7.50(m,1H).
その物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ12.00(s,1H),9.09(dd,1H),9.00(dd,1H),8.56(dd,1H),7.91(dd、1H),7.75(dd,1H),5.56-7.59(m,1H).
その物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ9.51(dd,1H),9.27(dd,1H),9.07(dd,1H),8.48(dd,1H),7.93(dd,1H),7.76(dd,1H).
その物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ9.53(d,1H),9.09(dd,1H),9.02(dd,1H),8.55-8.57(m,1H),8.49(dd,1H),8.21(d,1H),7.88(d,1H),7.83(dd,1H),7.74(dd,1H),7.66(d,1H),7.41-7.52(m,6H),7.30-7.43(m,1H),7.24-7.26(m,2H).
含窒素縮合多環式複素芳香環化合物13の合成
その物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ9.59(d,2H),9.20-9.21(m,2H),9.04-9.05(m,2H),8.90(s,2H),8.61(d,2H),8.36(d,2H),7.75-7.89(m,6H).
含窒素縮合多環式複素芳香環化合物14の合成
その物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ9.54(dd,1H),9.30(s,1H),9.27(dd,1H),8.99(d,1H),8.53(d,1H),7.92-8.98(m,2H),7.89(dd,1H)7.39-7.42(m,2H).
含窒素縮合多環式複素芳香環化合物15の合成
その物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ9.62(d,1H),9.19(dd,1H),9.09(dd,1H),8.70(dd,1H),8.64(d,1H),8.35(d,1H),8.23-8.26(m,1H),7.80-7.90(m,3H),7.72(t,1H),7.45-7.52(m,2H).
実施例1~4、比較例1、2で合成した含窒素縮合多環式複素芳香環化合物を上述した一般式(1)中のLの炭素数の順で並べて、その耐熱性(熱分解温度)等を比較した結果を下記表1に示す。下記表1中、Tmは、融点を表し、Tgは、ガラス転移温度を表し、Tcは、結晶化温度を表し、Tdは、熱分解温度(5%重量減少温度)を表す。
またLの炭素数が12以下の化合物15はガラス転移温度Tgが低く、同様の化合物14は結晶化温度Tcが低かった。なお、化合物14はガラス転移温度Tgが無いが、結晶化温度が低いため製膜直後はアモルファスであっても容易に結晶化してしまう。化合物15は高温では液体状態となり、安定なアモルファス膜を維持できるものではない。
一方、Lの炭素数が19の化合物8と化合物12は充分に高いガラス転移温度Tgを示し、高温でもアモルファス膜を維持できる。
Lの炭素数が23の化合物13は耐熱性が極めて高い上にガラス転移温度Tgが無く、高温でも安定なアモルファス膜を維持できる。また、化合物13は235℃で結晶化するが、炭素数8の化合物14に比べて結晶化温度は80℃以上高く、高温でも安定なアモルファス膜を維持できる。
Lの炭素数が25の化合物4は耐熱性が極めて高い上にガラス転移温度Tgが無く高温でも安定なアモルファス膜を維持できる。
実施例1で合成した含窒素縮合多環式複素芳香環化合物4のサイクリックボルタンメトリーを行った。結果を図1に示す。
繰り返し測定を行っても、酸化還元波にはほとんど変化がなく、還元に対して安定と考えられる。
図2は、ピリジン、キノリン、フェナントロリン、含窒素複素芳香環が3つ縮環した構造を有する含窒素縮合多環式複素芳香環化合物(1)~(12)のHOMO(最高被占軌道)-LUMO(最低空軌道)の分子軌道計算の結果を示す参考図である。該含窒素縮合多環式複素芳香環化合物(1)~(12)は、それぞれ、本発明の含窒素縮合多環式複素芳香環化合物が有する含窒素縮合多環式複素芳香環に相当する。図2の計算結果から、ピリジンやキノリン、フェナントロリンに比べて、該含窒素縮合多環式複素芳香環化合物(1)~(12)のLUMOのエネルギー準位が低いことが示されている。この結果から、含窒素複素芳香環が3つ縮環した構造を有する含窒素縮合多環式複素芳香環化合物は陰極からの電子の注入(輸送)を効率的に行うことができると考えられる。
図3-1及び図3-2は、本発明の含窒素縮合多環式複素芳香環化合物の分子軌道(HOMO軌道/LUMO軌道)の分布を示す図である。
例えば、図3-1に示した参考例1(Lが2価のベンゼン環1つだけのもの)は含窒素縮合多環式複素芳香環にまでHOMOが分布しているのに対し、図3-1に示した参考例4(Lが2価のジベンゾチオフェン環のもの)、図3-2に示した参考例5(Lが2価のカルバゾール環のもの)、参考例6(Lが1価のベンゾイミダゾール環のもの)は、それぞれ、含窒素縮合多環式複素芳香環へのHOMOの分布が少なく、LUMOとHOMOとがより分離している。また、上述した参考例1に対し、図3-1に示した参考例2(Lが2個の芳香族炭化水素環が直接ジグザグ構造で結合した構造のもの)、参考例3(Lが3個の芳香族炭化水素環が直接ジグザグ構造で結合した構造のもの)は、含窒素縮合多環式複素芳香環へのHOMOの分布がより少なく、LUMOとHOMOとがより分離している。更に、上記参考例2は、図3-2に示した参考例7(Lが2つの芳香族炭化水素環が直接直線状に結合した構造のもの)に対し、含窒素縮合多環式複素芳香環へのHOMOの分布がより少なく、LUMOとHOMOとがより分離している。LUMOとHOMOとが分離する程、含窒素縮合多環式複素芳香環化合物が酸化に対してより安定化すると考えられる。
韓国公開特許第2015-0002266号公報に記載の合成法により、本発明の含窒素縮合多環式複素芳香環化合物の前駆体である含窒素縮合多環式複素芳香環化合物を合成した場合、市販原料を用いて5工程を経て合成されることになると考えられる(図5)。これに対し、本発明に係る合成方法は3工程でよい(図4)。したがって、本発明の含窒素縮合多環式複素芳香環は非常に簡便に合成することが可能である。
有機電界発光素子(有機EL素子)の製造と評価
以下に示す方法により、図6に示す有機EL素子1を製造し、評価した。
[工程1]
基板2として、ITOからなる厚み150nmのパターニングされた電極(陽極3)が形成されている平均厚さ0.7mmの市販されている透明ガラス基板を用意した。そして、陽極3を有する基板2を、アセトン中、イソプロパノール中で超音波洗浄し、その後、UVオゾン洗浄を20分間行った。
[工程2]
基板2を、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。また、三酸化モリブデン(MoO3)と、下記式(1)で示されるN,N’-ジ(1-ナフチル)-N,N’-ジフェニル-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン(α-NPD)と、ケミプロ化成社より購入したホスト材料KHLHS-01と、同じくケミプロ化成社より購入した発光ドーパントKHLDGF-01と、含窒素縮合多環式複素芳香環化合物12、フッ化リチウム(LiF)、及び、アルミニウム(Al)とを、それぞれアルミナルツボに入れて蒸着源にセットした。そして、真空蒸着装置内を約1×10-5Paの圧力となるまで減圧して、MoO3を0.75nm蒸着し、正孔注入層4を製膜した。次にα-NPDを40nm蒸着し、正孔輸送層5を製膜した。次にKHLHS-01をホスト、KHLDGF-01をドーパントとして30nm共蒸着し、発光層6を成膜した。この時、ドープ濃度は、KHLDGF-01が発光層6全体に対して3重量%となるようにした。次に、発光層6まで形成した基板2上に、含窒素縮合多環式複素芳香環化合物12を40nm蒸着することにより、電子輸送層7を成膜した。さらに、LiFを蒸着することにより成膜し、膜厚が1nmの電子注入層8を形成した。
[工程3]
次に、電子注入層8まで形成した基板2上に、アルミニウム(陰極9)を膜厚が100nmとなるように蒸着して、本発明の実施例である「素子1」を得た。
上記[工程2]において、実施例3で合成した含窒素縮合多環式複素芳香環化合物12を用いる代わりに下記式(2)で示されるトリス(8-キノリノラト)アルミニウム(Alq3)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、本発明の比較例である「素子」を得た。
ケースレー社製の「2400型ソースメーター」により、素子への電圧印加と、電流測定を行った。トプコン社製の「BM-7」により、発光輝度を測定した。結果を図7~図10、下記表2に示す。また、目視により発光面の均一性を確認した。
2:基板
3:陽極
4:正孔注入層
5:正孔輸送層
6:発光層
7:電子輸送層
8:電子注入層
9:陰極
Claims (5)
- 下記式(1);
- 前記一般式(1)中、Lにおける2~4価の連結基は、芳香族炭化水素環及び/又は芳香族複素環を有することを特徴とする請求項1に記載の含窒素縮合多環式複素芳香環化合物。
- 前記一般式(1)中、Lにおける2~4価の連結基は、複数の芳香族炭化水素環が直接結合した構造を有することを特徴とする請求項2に記載の含窒素縮合多環式複素芳香環化合物。
- 請求項1~3のいずれかに記載の含窒素縮合多環式複素芳香環化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子用材料。
- 請求項4に記載の有機電界発光素子用材料を用いて構成されることを特徴とする有機電界発光素子。
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