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JP6968307B2 - 災害対応支援装置および災害対応支援方法 - Google Patents

災害対応支援装置および災害対応支援方法 Download PDF

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Description

本発明は、非常時の対応を支援する災害対応支援装置および災害対応支援方法に関する。
近年、地震、豪雨といった自然災害、または火災、事故といった人為的な災害の状況把握に、センサ情報の利用が検討されている。また、災害の状況把握だけでなく、センサ情報を用いて災害の予兆を検知して、防災対策に役立てることも検討されている。センサ情報は、センサの観測によって得られた情報であり、センサによって取得されたデータ、または当該データが処理されたデータである。センサとしては、例えば、電磁波をパッシブに観測するパッシブセンサ、電磁波を送出して反射された電磁波を観測するアクティブセンサが挙げられる。パッシブセンサとしては、いわゆるイメージセンサと呼ばれるセンサが例示され、アクティブセンサとしては、合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)、レーザスキャナが例示される。
特許文献1には、人工衛星に搭載されたSARの観測により得られる画像であるSAR画像を被災状況の把握に利用する技術が開示されている。特許文献1に記載の技術では、データ解析センタが、平常時に撮影されたSAR画像と災害発生後に撮影されたSAR画像との差分から地表面の変化領域を抽出する。データ解析センタは、抽出した変化領域を地図情報と重ね合わせて変化抽出図を作成して行政機関へ提供する。行政機関は、提供された変化抽出図を災害発生後の応急対応等の立案、実行に活用することができる。
国際公開第2008/016153号
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術によれば、被災したと予想される箇所である変化領域が複数抽出された場合、複数の変化領域の位置を示す変化抽出図を行政機関に提示するだけである。したがって、行政機関は、応急対応、災害対策といった非常時の対応を行う際に、変化抽出図だけでは、複数の変化領域のうちどこを優先して対応すべきかを判断することができない。すなわち、これらの変化領域は、応急対応などの異常時の対応を要する領域の候補であるが、行政機関は、変化抽出図だけでは、これらの候補のうちどこを優先して対応すべきかを判断することができない。特許文献1では、行政機関が、変化抽出図に加えて気象情報、地震計などを用いて応急対応を立案することも記載されているが、気象情報、地震計などに基づいた優先順位が、適切な優先順位とは限らない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、非常時の対応の優先順位を適切に決定することができる災害対応支援装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる災害対応支援装置は、非常時の対応である非常時対応を支援する災害対応支援装置であって、センサの観測によって得られた位置情報を含むセンサ情報を取得するセンサ情報取得部と、地理的位置ごとに示された地理的属性である地理的属性情報を取得する地理的属性取得部と、を備える。この災害対応支援装置は、さらに、センサ情報を用いて、非常時対応を行う領域の候補である複数の候補領域を抽出し、センサ情報と地理的属性情報との少なくとも一方の座標変換をすることで位置合わせを実施する解析部と、前記センサ情報と位置合わせを実施した地理的属性情報を用いて複数の候補領域のそれぞれに対応する地理的属性を求め、求めた地理的属性を用いて、人員、物資及び機材のうち少なくとも1つを割り当てるための優先順位を、複数の候補領域のそれぞれに関して決定する優先順位決定部と、を備える。
本発明にかかる災害対応支援装置は、非常時の対応の優先順位を適切に決定することができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる災害対応支援装置の構成例を示す図 実施の形態1のセンサ情報の一例であるSAR画像を示す図 図2のSAR画像に対応する領域の土地利用用途を地図上に示した図 実施の形態1の災害対応支援装置を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図 実施の形態1の災害対応支援装置における災害対応支援処理の一例を示すフローチャート 実施の形態1のステップS5の詳細処理手順の一例を示すフローチャート ステップS3で抽出された変化領域の一例を示す模式図 図7に示した変化領域の模式図に、図3に示した土地利用用途の種別を重ね合わせて示した図 実施の形態1の地理的属性情報の一例である、メッシュ状に示された土地利用用途の一例を示す図 実施の形態1の地理的属性情報の別の一例である、予測される浸水深を地図上に模式的に示した図 予測された浸水深を示す実施の形態1の地理的属性情報の一例を示す図 実施の形態1の地理的属性情報の別の一例である、人口などの統計情報を示す図 図12に示した統計情報に対応する区域の位置を示す情報を示す図 土地利用用途を地理的属性として用いる場合の実施の形態1の優先情報の一例を示す図 予測される被害レベルを地理的属性として用いる場合の実施の形態1の優先情報の一例を示す図 人口などの統計情報を地理的属性として用いる場合の実施の形態1の優先情報の一例を示す図 道路の種別を地理的属性として用いる場合の実施の形態1の優先情報の一例を示す図 図6に示した処理により決定された各変化領域の優先順位の一例を示す図 図6に示した処理により決定された各変化領域の優先順位の別の一例を示す図 実施の形態2の優先順位決定処理の処理手順の一例を示すフローチャート 実施の形態2の優先情報の一例を示す図 実施の形態2の優先順位決定処理により決定された優先順位の一例を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる災害対応支援装置および災害対応支援方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる災害対応支援装置の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の災害対応支援装置1は、非常時の対応である非常時対応を支援する装置であり、非常時の対応の優先順位を決定して出力する優先順位生成装置2を備える。非常時とは、例えば、災害の発生時であるが、災害の発生時に限らず、災害につながると予想される異常の発生時などであってもよい。以下では、非常時として災害発生時を例に挙げて説明する。
災害対応支援装置1は、センサ情報を提供するセンサ情報提供装置3と地理的属性情報を提供する地理的属性提供装置4とに、それぞれ通信回線により接続される。これらの通信回線は、有線回線であっても無線回線であってもよく、無線回線と有線回線とが混在していてもよい。ここでは、災害対応支援装置1が、センサ情報提供装置3および地理的属性提供装置4から、通信回線を介して情報を取得する例を説明するが、災害対応支援装置1が、センサ情報提供装置3および地理的属性提供装置4から情報を取得する方法は通信回線を介する例に限定されない。例えば、センサ情報提供装置3によって記録媒体にセンサ情報が記録され、災害対応支援装置1が記録媒体から情報を読み出すようにしてもよい。地理的属性情報についても同様に記録媒体を介して地理的属性提供装置4から災害対応支援装置1へ提供されてもよい。
また、センサ情報提供装置3および地理的属性提供装置4は、災害対応支援装置1を運用および管理する組織以外の管理者により管理される外部の装置であってもよいし、災害対応支援装置1を運用および管理する組織により管理される装置であってもよい。例えば、災害対応支援装置1が複数の自治体の災害対応を支援する場合には、センサ情報提供装置3および地理的属性提供装置4は、災害対応支援装置1を運用および管理する組織により管理され、国全体など広域のセンサ情報および地理的属性情報を外部の装置から取得する。そして、災害対応支援装置1が、センサ情報提供装置3および地理的属性提供装置4から、支援対象の自治体ごとに、対応する情報を取得するようにしてもよい。
災害対応支援装置1は、センサ情報を用いて、地球の表面の変化領域を抽出し、抽出した変化領域が複数存在する場合に、センサ情報と地理的属性情報とを用いて複数の変化領域のそれぞれの優先順位を決定する。変化領域は、非常時の対応を行う領域の候補である候補領域である。地球の表面は、陸域の表面、海面、湖および河川の水面、地表に建設された建物を含む。また、災害対応支援装置1は、地球上の大気の変化領域を抽出してもよい。センサ情報は、上述したように、センサの観測によって得られた情報であり、センサによって取得されたデータ、または当該データが処理されたデータである。また、センサ情報は、センサにより観測された観測場所の位置を示す情報を含む。センサは、人工衛星、航空機、ドローンなどに搭載されたセンサであってもよく、車両などに搭載されたセンサであってもよく、地表、建物などに固定されたセンサであってもよい。
センサは、パッシブセンサであってもアクティブセンサであってもよい。パッシブセンサとしては、可視光、赤外光、紫外光などを観測するイメージセンサが例示される。アクティブセンサとしては、SAR、3次元点群データを取得するレーザスキャナ、が例示される。センサは、これら以外のセンサであってもよい。
また、センサ情報は、1つのセンサのセンサ情報であってもよいし、複数のセンサにそれぞれ対応する複数のセンサ情報であってもよい。災害対応支援装置1は、複数のセンサにそれぞれ対応する複数のセンサ情報を用いる場合、複数のセンサによって得られたデータを位置合わせして用いることにより、精度を向上させたものを用いて変化領域を抽出してもよい。または、災害対応支援装置1は、複数のセンサによって得られたデータが位置合わせされて精度を向上させたものを、センサ情報提供装置3から取得してもよい。
地理的属性情報は、土地利用用途、人口、道路の種別など、地理的位置ごとの属性である地理的属性を示す情報である。すなわち、地理的属性情報は、地理的属性と地理的位置との対応を示す情報である。地理的属性の詳細は、後述する。
図2は、本実施の形態のセンサ情報の一例であるSAR画像を示す図である。SAR画像は、人工衛星または航空機などに搭載されたSARにより取得されたデータを処理して得られる画像である。SAR画像をはじめとしてセンサにより取得された画像を用いて、災害などの異常の発生した領域を検出する技術が知られている。SAR画像を用いて抽出された変化領域を、災害対策などの対応に用いる場合、変化領域が複数ある場合には、対応の優先順位を適切に決定することが望まれる。例えば、地震の発生時に、地震計により計測された加速度などの値が大きい箇所であっても、住宅から離れた森林である場合には、対応を優先する必要はない。また、高齢者は避難に時間を要すると考えられるため、高齢者が多い地域を高齢者が少ない地域に比べて優先して対応することが望まれる。また、ハザードマップなどによって災害が発生した場合の影響が大きいと判断されている地域を、影響が小さい地域に比べて優先して対応すべき場合もある。本実施の形態では、優先順位の決定に、地理的属性を用いる。図3は、図2のSAR画像に対応する領域の土地利用用途を地図上に示した図である。土地利用用途は、地理的属性の一例である。図3に示すように、土地利用用途としては、住宅、森林、農地、幹線道路などの種別がある。例えば、災害発生時の応急対応などでは、森林の領域より住宅の領域を優先することが望ましい。したがって、土地利用用途ごとに優先順位を定めておけば、SAR画像を用いて抽出された変化領域の土地利用用途を求めることにより、変化領域ごとの優先順位を決定することができる。本実施の形態の災害対応支援装置1では、このように地理的属性を用いて変化領域の優先順位を決定する。以下、災害対応支援装置1の構成例および動作について説明する。
図1の説明に戻り、災害対応支援装置1は、選択部10、センサ情報取得部11、地理的属性取得部12、解析部13、処理情報記憶部14、優先順位決定部15、優先情報記憶部16、計画作成部17および条件記憶部18を備える。これらのうち、選択部10、センサ情報取得部11、地理的属性取得部12、解析部13、処理情報記憶部14、優先順位決定部15および優先情報記憶部16は、優先順位生成装置2を構成する。
災害対応支援装置1の各部の機能を説明する。選択部10は、非常時の対応の対象となる地域である対象地域を選択する。選択部10は、例えば、オペレータから入力された情報に基づいて対象地域を選択する。対象地域は、オペレータによって、位置を示す情報である位置情報によって指定されてもよいし、市町村名、住所などの地域を示す情報により指定されてもよい。すなわち、選択部10は、非常時対応の対象である対象地域の位置を示す位置情報の指定を受け付けてもよい。なお、位置情報は、緯度経度であっても地球の重心を原点とする3軸直交座標系のXYZ座標値で示されていてもよく、形式に特に制約はない。また、位置を示す情報の座標系も世界測地系であっても日本測地系であってもよく、座標系に特に制約はない。ただし、後述するように、センサ情報、地理的属性に関してもそれぞれ位置を示す位置情報と対応付けられている。対象地域、センサ情報、地理的属性に対応する位置情報のなかで、定義の異なる座標値で示されているものがある場合には、予め定めた基準となる座標系における座標値に変換して処理を行う。予め定めた基準となる座標系に特に制約はない。
センサ情報取得部11は、センサ情報提供装置3からセンサ情報を取得する。センサ情報取得部11は、例えば、定められたデータサイズごとに、センサ情報を取得する。定められたデータサイズは、例えば、センサ情報提供装置3からセンサ情報が配布される際の最小のデータ単位であるが、これに限定されない。また、センサ情報取得部11は、定められたデータサイズごとにセンサ情報を取得するかわりに、定められた観測領域の大きさごとにセンサ情報を取得してもよい。データサイズまたは観測領域の大きさにより定まる1かたまりのセンサ情報を、以下、1画像分のセンサ情報とも呼ぶ。対象地域が1画像分のセンサ情報に対応する領域より広い場合には、センサ情報取得部11は、複数画像分のセンサ情報を取得する。このように、センサ情報取得部11は、対象地域を含む領域を観測したセンサ情報を取得する。センサ情報取得部11は、取得したセンサ情報を処理情報記憶部14へ格納する。センサが人工衛星である場合には、センサ情報提供装置3は、人工衛星の軌道位置、センサの運用条件などに基づいて、センサにより観測された位置を算出し、位置を示す情報とともに、センサにより観測されたデータまたは当該データに処理を施してデータを提供する。センサが人工衛星である場合には、センサ情報取得部11は、対象地域を含むセンサ情報をセンサ情報取得部11から取得する。本実施の形態では、後述するように、災害の発生前後のセンサ情報の差分を用いることで、変化領域を算出するので、センサ情報取得部11は、災害の発生していない平時において、少なくも1回は対象地域に対応するセンサ情報を取得しておく。または、センサ情報提供装置3が過去のセンサ情報も提供している場合には、センサ情報取得部11は、災害の発生後に、対応の優先順位を決定する際に、災害の発生後のセンサ情報とともに、過去のすなわち災害の発生前のセンサ情報を取得してもよい。
人工衛星の観測データは、一般に、生データから高次プロダクトまで様々なレベルのデータとして提供される。本実施の形態では、変化領域を算出するための画像データを必要とするため、センサ特有の校正および幾何補正などが行われた後の画像データとして取得することが望ましい。画像データは、例えば、画素ごとの、輝度、散乱強度、標高などである。センサ情報取得部11は、どのレベルのデータをセンサ情報提供装置3から取得してもよい。生データなどの低次レベルのデータをセンサ情報提供装置3から取得する場合には、解析部13が、センサ特有の校正および幾何補正などを行って画像データを生成すればよい。なお、人工衛星の観測データに限らず、基準面に対して平面投影されていないデータにおいては、センサ特有の校正および幾何補正などが行われる。
航空機、車両などに搭載されるセンサのセンサ情報も、同様に、センサ情報提供装置3から位置情報とともに取得される。ただし、人工衛星の観測データは、災害が生じているか否かに関わらず取得されるが、航空機、車両などに搭載されるセンサは、災害が発生した後に、災害が発生したと想定される地域を観測することもある。この場合、災害発生前のセンサ情報が得られない可能性がある。災害発生前のセンサ情報が得られない場合は、人工衛星に搭載された類似のセンサのセンサ情報を、災害発生前のセンサ情報として用いてもよい。または、平時においても、例えば、定期的に航空機、車両などに搭載されるセンサの観測を行っておき、センサ情報取得部11が、平時のセンサ情報をセンサ情報提供装置3から取得してもよい。
センサが位置の固定されたセンサである場合、センサ情報提供装置3は、センサ自体またはセンサに接続された処理装置等であってもよい。例えば、センサが、路側センサ、建物に設置されたカメラなどである場合、センサ情報取得部11は、対象地域を観測するセンサからセンサ情報を取得してもよい。または、固定された複数のセンサのセンサ情報がサーバなどにより集約されて管理されている場合には、このサーバなどがセンサ情報提供装置3となる。
地理的属性取得部12は、地理的属性情報を地理的属性提供装置4から取得し、取得した地理的属性情報を処理情報記憶部14へ格納する。地理的属性情報は、土地利用用途、人口、道路の種別などの地理的属性が位置ごとに示された情報である。地理的属性取得部12は、対象地域を含む領域に対応する地理的属性情報を取得する。地理的属性の具体例については後述するが、100mメッシュなどのように等間隔のメッシュごとに属性が示されたものであってもよいし、市町村、字などの領域を単位として属性が示されたものであってもよい。
解析部13は、センサ情報を用いて、非常時対応を行う領域の候補である複数の変化領域を抽出する。具体的には、解析部13は、処理情報記憶部14に記憶されているセンサ情報に基づいて、対象地域における変化領域を抽出し、変化領域を示す変化領域情報を処理情報記憶部14に格納する。解析部13は、例えば、災害発生前のセンサ情報と災害発生後のセンサ情報との差分に基づいて変化領域を抽出する。例えば、解析部13は、上記の差分が閾値以上である領域を変化領域として抽出する。変化領域情報は、少なくとも、変化領域の位置を示す情報を含み、変化領域内の変位量すなわち差分を含んでいてもよい。また、解析部13は、センサ情報と地理的属性情報の位置合わせを行う。解析部13は、変化領域情報に対応する位置情報と地理的属性情報の位置情報とが定義の異なる座標値で示されている場合、位置合わせとして、これらが同じ定義の座標値となるように、変化領域情報に対応する位置情報と地理的属性情報の位置情報とのうち少なくとも一方の座標変換を行う。解析部13は、基準の座標系を定めておき、変化領域情報に対応する位置情報と地理的属性情報の位置情報との両方を基準座標系における値となるように座標変換してもよいし、変化領域情報に対応する位置情報と地理的属性情報の位置情報とのいずれか一方を他方の座標系における座標値に座標変換してもよい。解析部13は、座標変換により変化領域情報に対応する位置情報と地理的属性情報の位置情報とのうち少なくとも一方が変更された場合、処理情報記憶部14に格納されている情報を変更された情報に更新する。
また、センサ情報取得部11が、複数のセンサにそれぞれ対応する複数のセンサ情報を取得する場合、解析部13は、複数のセンサ情報を用いて変化領域を抽出する。
優先情報記憶部16は、地理的属性の値と優先順位との対応を示す優先情報を保持する。優先情報の具体例については後述する。優先順位決定部15は、地理的属性情報を用いて複数の変化領域のそれぞれに対応する地理的属性を求め、求めた地理的属性を用いて複数の変化領域のそれぞれの非常時対応の優先順位を決定する。具体的には、優先順位決定部15は、処理情報記憶部14に格納されている地理的属性情報と変化領域情報とに基づいて、各変化領域に対応する地理的属性を求め、求めた地理的属性と優先情報記憶部16に記憶されている優先情報とに基づいて、各変化領域の優先順位を決定する。優先順位決定部15は、決定した、各変化領域の優先順位を計画作成部17へ出力する。
条件記憶部18は、計画作成部17が計画を作成するために使用する条件などの情報を記憶する。条件記憶部18は、例えば、計画作成部17が応急対応の計画を作成する場合には、応急対応における人員、物資、機材などに関する条件を記憶する。例えば、災害の発生個所と想定される変化領域1か所あたりに必要な人員、物資などが、条件記憶部18に記憶される。また、応急対応において実施すべき作業のリストを示す情報が条件記憶部18に記憶されていてもよい。さらに、対象地域において保有する物資の総量、派遣可能な人員総数が、条件記憶部18に記憶されていてもよい。
計画作成部17は、優先順位決定部15から出力された各変化領域の優先順位と条件記憶部18に格納されている情報とに基づいて災害対応の計画を作成する。例えば、はじめに、優先順位が1の変化領域に応急対応の作業を行い、次に優先順位が2の変化領域に応急対応の作業を行うように時系列で作業を行う計画を作成する。または、優先順位が1の変化領域の応急対応の作業と優先順位が2の変化領域の応急対応の作業とを同時に開始し、優先順位が1の変化領域に他の変化領域より多くの人員、物資を割りあてるような計画としてもよい。優先順位が1の変化領域が複数あり優先順位が1の変化領域の応急対応に人員が不足する場合には、救援を要求するなどといった計画としてもよい。また、優先順位の数値が閾値以上の変化領域、すなわち優先度がある程度以上低い変化領域に関しては応急対応を行わないといった条件を定めておいてもよい。計画作成部17における計画の作成方法は、特に制約はなく、優先順位決定部15が作成した優先順位を用いて災害の種別、自治体においてあらかじめ定めた方針などによって、作成されればよい。
計画作成部17が作成する計画は、災害発生後の応急対応の計画であってもよいし、災害対策の計画であってもよいし、復興計画であってもよい。また、災害対応支援装置1が、災害が発生されると予想される異常個所を検出する場合には、計画作成部17は、これらの異常に対応するための防災対策などの計画を作成する。
災害対応支援装置1は、都道府県、市区町村などの自治体に設置されてもよいし、自治体を支援する企業、サービスセンターなどに設置されてもよい。また、災害の対応を委託されている企業などに設置されてもよい。なお、図1では、災害対応支援装置1が計画作成部17および条件記憶部18を備える例を示しているが、災害対応支援装置1は、計画作成部17および条件記憶部18を備えなくてもよい。計画作成部17および条件記憶部18を備えない場合、災害対応支援装置1は、優先順位生成装置2と同一である。災害対応支援装置1が優先順位生成装置2と同一である場合、自治体を支援する企業、サービスセンターなどに災害対応支援装置1が設置され、災害対応支援装置1は、自治体など、対応を行う組織に優先順位を提供する。自治体などは、災害対応支援装置1から受け取った優先順位に基づいて、応急対応の計画などを策定する。
次に、災害対応支援装置1のハードウェア構成について説明する。災害対応支援装置1は、コンピュータシステムにより実現される。図4は、本実施の形態の災害対応支援装置1を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図である。図4に示すように、このコンピュータシステムは、制御部101と入力部102と記憶部103と表示部104と通信部105と出力部106とを備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。
図4において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等である。制御部101は、本実施の形態の災害対応支援方法が記述された対応支援プログラムを実行する。入力部102は、たとえばキーボード、マウスなどで構成され、コンピュータシステムのユーザが、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータなどを記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部104は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示パネル)などで構成され、コンピュータシステムのユーザに対して各種画面を表示する。通信部105は、通信処理を実施する通信回路などである。通信部105は、複数の通信方式にそれぞれ対応する複数の通信回路で構成されていてもよい。出力部106は、プリンタ、外部記憶装置などの外部の装置へデータを出力する出力インタフェイスである。なお、図4は、一例であり、コンピュータシステムの構成は図4の例に限定されない。
ここで、本実施の形態の対応支援プログラムのうち災害対応支援装置1の処理が記述されたプログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステムの動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)−ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)−ROMドライブにセットされたCD−ROMドライブまたはDVD−ROMから、第1プログラムが記憶部103にインストールされる。そして、第1プログラムの実行時に、記憶部103から読み出された第1プログラムが記憶部103の主記憶装置となる領域に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納された第1プログラムに従って、本実施の形態の災害対応支援装置1としての処理を実行する。
なお、上記の説明においては、CD−ROMまたはDVD−ROMを記録媒体として、災害対応支援装置1における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
図1に示した選択部10は、図4に示した制御部101により実現される。また、対象地域が人手により入力される場合、選択部10の実現には、入力部102も用いられる。対象地域が他の装置から通信回線により入力される場合、選択部10の実現には、通信部105も用いられる。図1に示したセンサ情報取得部11および地理的属性取得部12は、図4に示した制御部101および通信部105により実現される。図1に示した解析部13、優先順位決定部15および計画作成部17は、図4に示した制御部101により実現される。図1に示した処理情報記憶部14、優先情報記憶部16、および条件記憶部18は、図4に示した記憶部103の一部である。なお、本実施の形態の災害対応支援装置1を実現するハードウェアは、PC(パーソナルコンピュータ)のような端末に限定するものではなく、タブレット、スマートフォンなどの携帯情報端末であっても差し支えない。また、システム構成は、1台の端末で全ての処理を実行するスタンドアロン形式でもよいし、サーバで解析した結果をクライアントへ送るクライアントサーバ形式であってもよい。クライアントサーバ形式の場合、例えば、入力部102、表示部104、出力部106はクライアント側、その他の機能はサーバ側に設けられてもよい。
次に、本実施の形態の動作の詳細について説明する。図5は、本実施の形態の災害対応支援装置1における災害対応支援処理の一例を示すフローチャートである。図5に示した災害対応支援処理は、災害などの異常の発生した後に実施される。なお、上述したように、変化領域を抽出するために、平時のセンサ情報を取得する場合には、図5に示した処理より前の異常の発生する前にも、対象地域のセンサ情報を取得して処理情報記憶部14に記憶しておく。図5に示すように、災害対応支援装置1は、まず、対象地域を選択する(ステップS1)。具体的には、選択部10が、オペレータ等からの入力または他の装置から送信された情報などに基づいて、対象地域を選択する。対象地域は、災害対応支援装置1が、非常時対応を行う対象となる地域である。例えば、災害対応支援装置1が、自治体などに設置されるまたは自治体などに情報を提供する場合には、当該自治体に対応する地域が対象地域として選択される。
災害対応支援装置1は、対象地域のセンサ情報および地理的属性を取得する(ステップS2)。すなわち、ステップS2は、センサ情報を取得するセンサ情報取得ステップと、地理的属性情報を取得する地理的属性取得ステップとを含む。具体的には、センサ情報取得部11が、センサ情報提供装置3から、対象地域のセンサ情報を取得し、センサ情報を処理情報記憶部14に格納する。また、地理的属性取得部12が、地理的属性提供装置4から、対象地域の地理的属性情報を取得し、地理的属性情報を処理情報記憶部14に格納する。
災害対応支援装置1は、センサ情報を解析して変化領域R(i=1,2,・・・,n)を抽出する(ステップS3)。ステップS3は、災害対応支援装置1が、センサ情報を用いて、非常時対応を行う領域の候補である複数の候補領域を抽出する解析ステップである。nは、抽出された変化領域の個数である。ステップS3では、解析部13が、例えば、処理情報記憶部14に格納されている災害発生後に観測されたセンサ情報と、災害発生前に観測されたセンサ情報との、画素ごとの、輝度、散乱強度、標高など差分を算出し、差分が閾値以上となる画素を抽出する。なお、上述したとおり、本実施の形態では、災害だけでなく、災害が発生されると予想される異常、および災害ではないがなんらかの異常などについても、対応支援の対象としてもよい。このような異常が発生していると想定される領域を変化領域として抽出するには、上記の災害発生後に観測されたセンサ情報の代わりに、異常監視対象の時刻に観測されたセンサ情報を用い、災害発生前に観測されたセンサ情報の代わりに、異常が発生していないと想定される時刻に観測されたセンサ情報を用いればよい。
解析部13は、連続する画素で差分が閾値以上となっていれば、連続するこれらの画素に対応する部分を1つの変化領域とする。なお、センサ情報には、どの画素がどの位置に対応するかの情報が含まれているが、この情報は、例えば、画像ごとの、画素の位置とこの位置を基準に各画素の位置を算出するための情報とで構成される。どの画素がどの位置に対応するかの情報は、この形式に限定されず、どのような形式であってもよい。解析部13は、差分が閾値以上となる画素を抽出した後に、上記の情報に基づいてこの画素に対応する位置を算出することにより、変化領域の位置を求めることができる。解析部13は、変化領域の位置、すなわち差分が閾値以上となる画素の位置を、変化領域情報として処理情報記憶部14に格納する。なお、変化領域情報には、変化領域ごとの変位量、すなわち上記の差分が含まれていてもよい。一般に、変化領域は連続する複数の画素を含むので、画素によって差分が異なる場合には、複数の画素の平均値を変位量としてもよいし、最大値を変位量としてもよい。
また、解析部13は、画素ごとに、変化すなわち差分を求めるための基準値である災害発生前に観測されたセンサ情報のかわりに、これまでの測量結果、解析などにより算出された情報を基準情報として用いて差分を求めてもよい。また、ここでは、画素ごとに、輝度、散乱強度などを比較する例を示したが、これに限らず、センサ情報に標高が含まれる場合には、解析部13は、過去に取得されたセンサ情報と、最新のセンサ情報との標高の差分を求め、差分が閾値以上となる部分を変化領域として求めてもよい。また、解析部13は、過去に取得されたセンサ情報と、最新のセンサ情報との両方から、画像処理により、建物、川、道路などの輪郭を抽出し、2つのセンサ情報の対応する輪郭を比較することにより、建物、川、道路などの、地球の表面に沿った方向の位置の差分を求め、この差分が閾値以上となる領域を変化領域として求めてもよい。
また、以上の説明では、なんらかの基準情報と比較して差分を求めることにより変化領域を抽出したが、変化領域の抽出は、基準情報を用いなくてもよい。例えば、センサ情報が赤外光を検出するセンサにより得られた赤外画像である場合、画素に対応する温度が閾値以上となる領域を、火災、または火山活動などによる変化領域として抽出することができる。解析部13は、赤外画像に限らず、センサ情報として得られた画像の、画素に対応する輝度、散乱強度などが、あらかじめ定められた範囲を逸脱している領域を変化領域として抽出してもよい。または、温度が閾値以上となる面積が一定値以上である場合に、当該領域を変化領域として抽出してもよい。または、周囲の平均的な温度より一定値以上高い領域を変化領域として抽出してもよい。このように、変化領域は、なんらかの現象により過去または通常の状態から変化が生じた領域、または周囲との間で差が生じている領域である。本実施の形態の災害対応支援装置1は、このように抽出された変化領域を、対応を要する領域の候補である候補領域として扱って、候補領域ごとに対応の優先順位を決定する。なお、変化領域の算出方法は、これらの例に限らず、一般的に用いられるどのような方法を用いてもよい。なお、変化領域は、変状領域ともいう。
次に、災害対応支援装置1は、位置合わせを行う(ステップS4)。詳細には、解析部13が、変化領域情報と地理的属性の位置情報とが異なる定義の座標値で示されている場合、これらが同じ定義の座標値で表されるように、これらのうちの少なくともひとつを座標変換する。解析部13は、変化領域情報と地理的属性情報の位置情報とのうち、座標変換された情報を、座標変換前の情報に上書きして処理情報記憶部14に格納する。なお、位置合わせの処理は、優先順位決定部15により行われてもよい。また、ステップS4の座標変換は、ステップS2の後、ステップS3の前に行われてもよい。この場合、センサ情報の位置情報と地理的属性の位置情報とが同じ定義の座標値で表されるように、これらの少なくともひとつが座標変換される。解析部13は、座標変換を行うかわりに、座標変換を行うための情報を、座標変換が必要な変化領域情報と地理的属性情報とのうちの少なくとも1つに付加して処理情報記憶部14に格納してもよい。この場合、後述の優先順位の決定処理において、優先順位決定部15が、座標変換を行うための情報を用いて座標変換した結果を用いて、変化領域Rに対応する地理的属性を取得する。
次に、災害対応支援装置1は、変化領域ごとに、当該変化領域に対応する地理的属性に基づき非常時対応の優先順位を決定する(ステップS5)。優先順位決定ステップであるステップS5の処理の詳細は後述する。次に、災害対応支援装置1は、変化領域ごとの優先順位と条件記憶部18に記憶されている情報を用いて、応急対応、災害対策といった計画を作成する(ステップS6)。条件記憶部18には、平時に予め定めた情報が記憶されていてもよいし、災害などの異常の発生した後に、オペレータなどにより入力された情報が記憶されてもよいし、これらの情報の組み合わせが記憶されていてもよい。また、ステップS5の後に、災害対応支援装置1が、表示部104に、地図上に変化領域と対応する優先順位とを表示し、オペレータなどがこの表示を確認しながら、計画を作成するために必要な情報を入力できるようにしてもよい。上述したように、ステップS6は、災害対応支援装置1とは別の装置により行われてもよい。この場合、災害対応支援装置1は、ステップS5で決定された変化領域ごとの優先順位を出力して処理を終了する。
次に、ステップS5の処理である優先順位決定処理の詳細について説明する。図6は、本実施の形態のステップS5の詳細処理手順の一例を示すフローチャートである。災害対応支援装置1の優先順位決定部15は、図6に示すように、まず、変化領域を示す変数であるiを1に設定する(ステップS11)。
次に、優先順位決定部15は、変化領域Rに対応する地理的属性を取得する(ステップS12)。詳細には、優先順位決定部15は、処理情報記憶部14に格納されている変化領域情報と地理的属性情報とを用いて、変化領域Rに対応する地理的属性を求める。ここで、地理的属性と変化領域との対応を、模式図を用いて説明する。図7は、本実施の形態のステップS3で抽出された変化領域の一例を示す模式図である。図7は、図2に示したSAR画像を用いて抽出された変化領域R〜Rを模式的に示した図であり、図7に示した変化領域R〜Rは実際にSAR画像を用いて計算された結果に対応しているわけではない。図8は、図7に示した変化領域の模式図に、図3に示した土地利用用途の種別を重ね合わせて示した図である。図8に示すように、変化領域Rは農地および森林であり、変化領域Rは森林であり、変化領域Rは幹線道路および森林であり、変化領域Rは住宅および森林であり、変化領域Rは森林である。図8に示すように、変化領域R〜Rと地理的属性とが位置合わせがされていれば、優先順位決定部15は、変化領域R〜Rのそれぞれの地理的属性を求めることができる。
地理的属性を示す地理的属性情報は、メッシュ状に各メッシュに対応する属性が示されたものであってもよく、同じ属性となる領域の位置が示された情報であってもよい。図9は、本実施の形態の地理的属性情報の一例である、メッシュ状に示された土地利用用途の一例を示す図である。図9に示した例では、1つのメッシュすなわち1つの正方形が100m四方に相当し、各メッシュ内に示された数値が土地利用用途を示している。例えば、図8に示された例では、5は森林を示し、7は住宅を示し、Hは幹線道路を示す。地理的属性が、このようなメッシュ状の情報として示される場合、例えば、地理的属性情報には、これらの行列状の値と、メッシュのある基準点の位置を示す情報とが含まれている。したがって、優先順位決定部15は、地理的属性情報に基づいて、各メッシュの位置を求めることができる。なお、上述したように、解析部13による位置合わせの内容によっては、元のメッシュが等間隔であっても、優先順位決定部15が取得する地理的属性情報ではメッシュが等間隔とならない場合もある。
図10は、本実施の形態の地理的属性情報の別の一例である、予測される浸水深を地図上に模式的に示した図である。図10において、領域201は、水害発生時に予測される浸水深である予測浸水深がHm未満の領域を示し、領域202は、予測浸水深がHm以上Hm未満の領域を示し、領域203は、予測浸水深がHm以上の領域を示す。図11は、予測浸水深を示す本実施の形態の地理的属性情報の一例を示す図である。図11に示した例では、予測浸水深の段階ごとに、対応する領域の境界を示す座標が示されている。図10は、図11に示した予測浸水深の各段階に対応する各領域が地図上に示されたものである。
図10および図11では、災害発生時の被害の予測値として、水害の浸水深の予測値を示した。浸水深に限らず、自治体などでは、地震発生時のゆれの程度、地震の被害の程度などの予測値がハザードマップなどとして準備されていることがある。このような災害発生時の災害の程度などの予測値を地理的属性情報として用いることができる。
図12は、本実施の形態の地理的属性情報の別の一例である、人口などの統計情報を示す図である。図12に示すように、地域ごとの人口、世帯数、外国人人口、高齢者人口などの統計情報を地理的属性情報として用いることもできる。なお、図12に示した統計情報の項目は一例であり、地理的属性情報として用いる統計情報の項目は図12に示した例に限定されない。例えば、3歳以下の人口などが地理的属性情報として用いられてもよい。これらの統計情報は、図12に例示したような町丁字の単位で示されていたり、または市町村といった区域を単位として示されていたりすることがある。このような場合、災害対応支援装置1は、これらの区域の位置を示す情報も地理的属性情報として取得しておく。すなわち、このような場合、地理的属性情報は、区域の名称と地理的属性情報の対応を示す第1情報と、区域の名称ごとの当該区域の位置を示す第2情報とを含む。図13は、図12に示した統計情報に対応する区域の位置を示す情報を示す図である。このような各区域の位置を示す情報は、各区域をポリゴンで表したデータ、または境界を複数の位置座標で示したデータなどで表される。優先順位決定部15は、例えば、図13に例示した各区域の位置を示す第2情報と変化領域情報とを用いて変化領域Rに対応する区域の名称を求め、第1情報を用いて、求めた区域に対応する地理的属性を求めることができる。
本実施の形態の地理的属性は、緊急輸送における重要度を示す道路の種別に関する情報であってもよい。国、自治体などでは、災害の発生時の道路啓開計画、緊急時の輸送道路として定められている緊急輸送道路などが定められている。また、長期間孤立する地域を抑制するために、道路を開通させていく順序が定められていることがある。したがって、災害対応支援装置1は、このような道路の種別に関する情報を地理的属性情報として用いることで、対応を優先すべき道路を判別することができる。なお、地理的属性情報として道路の種別の情報を用いる場合、道路の種別ごとに、対応する道路の位置を示す情報が直接対応付けられている情報を地理的属性情報として用いてもよい。または、道路の種別が道路の名称などに対応付けられている場合には、地理的属性情報は、この道路の名称と道路の種別の対応を示す第1情報と、道路の名称ごとの当該道路の位置を示す第2情報とを含む。後者の場合、優先順位決定部15は、上述した人口などの統計情報と同様に、第2情報を用いて変化領域Rに対応する道路の名称を求め、求めた道路の名称に対応する道路の属性を第1情報に基づいて求めればよい。
以上のように、地理的属性情報は、地理的位置と土地利用用途との対応を示す情報であってもよく、地理的位置と人口に関する統計情報との対応を示す情報であってもよい。また、地理的属性情報は、地理的位置と災害発生前に予想された被害レベルとの対応を示す情報であってもよく、地理的位置と緊急輸送における重要度を示す道路の種別との対応を示す情報であってもよい。地理的属性情報は、上述した例に限定されず、災害対応支援装置1が優先順位を決定する際に考慮すべき事項に応じて、適切に選択されればよい。
図6の説明に戻る。優先順位決定部15は、予め定めた優先情報に基づいて、変化領域Rの優先順位を決定する(ステップS13)。詳細には、優先順位決定部15は、優先情報記憶部16に記憶されている優先情報から、ステップS12で取得した地理的属性、すなわち変化領域Rに対応する地理的属性の優先順位を抽出することにより、変化領域Rの優先順位を決定する。なお、優先情報は、図5に示した災害対応支援処理の開始より前に予め設定されるが、災害対応支援処理の開始時にオペレータの入力などにより変更されてもよい。または、優先情報は、災害対応支援処理の開始後のステップS5の処理までの間にオペレータの入力などにより変更されてもよい。
図14〜図17は、本実施の形態の優先情報の一例を示す図である。なお、図14〜図17に示した優先順位および各地理的属性情報の区分は、優先情報を模式的に示す例であり、優先順位および各地理的属性情報の具体的内容は図14〜図17に示した例に限定されない。
図14は、土地利用用途を地理的属性として用いる場合の優先情報の一例を示している。図14に示した例では、土地利用用途が住宅である場合を優先順位1とし、土地利用用途が幹線道路である場合を優先順位2とし、土地利用用途が森林、河川であり住宅からの距離が一定値未満の場合を優先順位3としている。また、図14に示した例では、土地利用用途が農地の場合を優先順位4とし、土地利用用途が森林、河川であり住宅からの距離が一定値以上の場合を優先順位5としている。図14に示した例では、土地利用用途だけでなく、住宅からの距離も優先順位の定義に使用している。このような場合には、優先順位決定部15は、変化領域Rの土地利用用途が森林、河川であった場合、ステップS13で、住宅から変化領域Rまでの距離も算出する。例えば、優先順位決定部15は、地理的属性情報と変化領域情報とを用いて、対象地域内の住宅の領域と変化領域Rとのうちの最小値を住宅から変化領域Rまでの距離として算出する。
図15は、予測される被害レベルを地理的属性として用いる場合の優先情報の一例を示している。図15では、被害レベルの数値は、数値が大きいほど被害レベルが大きいことを示している。図15では、被害レベルが浸水深であった場合の対応例も括弧内に例示している。図15に示すように、例えば、被害レベル3は、予測浸水深がHm以上の場合であり、被害レベル2は予測浸水深がHm以上Hm未満の場合であり、被害レベル1は、予測浸水深がHm未満の場合である。図15に示すように、被害レベルが大きいほど優先されるように優先順位が定められている。
図16は、人口などの統計情報を地理的属性として用いる場合の優先情報の一例を示している。図16では、高齢者の割合、すなわち全年代の人口に占める高齢者人口の割合を、%を単位として示した値を、段階に分けており、段階ごとに優先順位を定めている。図16に示した例では、高齢者の割合が70%以上の場合を優先順位1とし、高齢者の割合が50%以上70%未満である場合を優先順位2とし、高齢者の割合が10%以上50%未満の場合を優先順位3としている。なお、高齢者の割合のかわりに高齢者人口自体を地理的属性として用いてもよい。
図17は、道路の種別を地理的属性として用いる場合の優先情報の一例を示している。図17は、第1次緊急輸送道路、第2次緊急輸送道路および第3次緊急輸送道路が定められている場合の優先情報の一例を示している。第1次緊急輸送道路は最も対応を優先されるべき道路であり、第2次緊急輸送道路は第1次緊急輸送道路の次に対応を優先されるべき道路であり、第3次緊急輸送道路は第2次緊急輸送道路の次に対応を優先されるべき道路である。図17に示した例では、第1次緊急輸送道路を優先順位1とし、第2次緊急輸送道路を優先順位2とし、第3次緊急輸送道路を優先順位3とし、孤立危険度の高い地域へ繋がる道路を優先順位4としている。
また、各道路の位置を地理的属性情報として用いてもよい。例えば、道なりに一定方向に対応を順次行うことができるように、1つの道路に対応する変化領域が複数存在する場合には、これらのどちらかの端となる変化領域を高優先とし、隣接する変化領域へ順次対応が行われるように優先順位を定めてもよい。また、例えば、優先順位決定部15は、以下の(1)、(2)に示した方法で道なりに非常時対応が進むように優先順位を決めてもよい。
(1)まず、地理的属性情報に基づいて複数の変化領域の優先順位を決め、その後、同じ道路沿いにある変化領域を抽出する。同じ道路の沿いの変化領域の優先順位が道なりに災害対応が進むように決定されていない場合、道なりに災害対応が進むように優先順位を設定し直す。
(2)まず、地理的属性情報に基づいて複数の変化領域の優先順位を決める。その結果、道路を塞いでいる変化領域Aの優先順位が、その道路の先にある変化領域Bの優先順位より低く(低優先に)なっていたら、先に災害対応が行われるべき変化領域Aの方が変化領域Bより優先順位が高く(高優先に)なるように、変化領域A、Bの優先順位を設定し直す。これは、変化領域Aの災害対応を行わないと変化領域Bの災害対応が行うことができないにもかかわらず変化領域Bが高優先となるという矛盾を避けるためである。
図6の説明に戻り、ステップS13の後、優先順位決定部15は、i=nであるか否かを判断する(ステップS14)。nは、ステップS3で抽出された変化領域の数である。i=nである場合(ステップS14 Yes)、優先順位決定部15はステップS5の処理を終了する。i=nでない場合(ステップS14 No)、優先順位決定部15は、iに1加算し(ステップS15)、ステップS12からの処理を実施する。
図18は、図6に示した処理により決定された各変化領域の優先順位の一例を示す図である。図18に示した例では、地理的属性として土地利用用途を用い、図8に示した変化領域R〜Rのそれぞれを、図14に示した優先情報に基づいて順位付けしたものである。例えば、図8に示した変化領域Rは、土地利用用途が森林であり、住宅からの距離Bが一定値以上であるため、優先順位5となる。なお、変化領域Rが、異なる複数の地理的属性の領域を含む場合がある。例えば、図8に示した変化領域Rは、農地の領域と森林の領域とを含む。このような場合、優先順位決定部15は、これらの複数の地理的属性のうち、最も高優先のものすなわち優先順位の数値の最も小さいものを、優先順位として用いてもよいし、これらの複数の地理的属性にそれぞれ対応する複数の優先順位の平均値などを用いてもよい。また、優先順位決定部15は、これらの複数の地理的属性にそれぞれ対応する複数の優先順位を、領域の面積に応じて重み付けをした後に、重み付け後の値の平均値を、優先順位として求めてもよい。図18に示した例では、変化領域Rが、異なる複数の地理的属性の領域を含む場合、最も高優先のものすなわち優先順位の数値の最も小さいものを、優先順位として用いている。したがって、住宅からの距離が一定値以上の森林の領域と、農地の領域とを含む変化領域Rの優先順位は、農地に対応する優先順位である4に決定される。また、住宅の領域と、森林の領域とを含む変化領域Rの優先順位は、住宅に対応する優先順位である1に決定される。
図19は、図6に示した処理により決定された各変化領域の優先順位の別の一例を示す図である。図19に示した例では、地理的属性として予測される被害レベルを用い、変化領域R〜Rのそれぞれを、図15に示した優先情報に基づいて順位付けしたものである。地理的属性として他の情報を用いる場合にも、同様に、優先情報に基づいて優先順位が決定される。なお、全ての地理的属性に優先順位を定めておく必要はない。例えば、地理的属性として土地利用用途を用いる場合、住宅を優先順位1とし、幹線道路を優先順位2として、その他の土地利用用途に関しては優先順位を定めなくてもよい。この場合、優先順位が定められていない土地利用用途の変化領域の、計画の作成時の対応の優先順位は、優先順位が定められている土地利用用途のうち最も優先度の低い優先順位より後の優先順位となる。
なお、図18および図19に示したように、複数の変化領域が同じ優先順位となる場合がある。例えば、図18に示した例では、変化領域Rと変化領域Rの優先順位は同じである。変化領域情報に各変化領域の変位量を含めておき、複数の変化領域が同じ優先順位となる場合には、優先順位決定部15は、変位量に基づいてこれらの優先順位を決定してもよい。具体的には、例えば、優先順位決定部15は、変位量が多い順に優先されるように優先順位を定める。
以上のように、本実施の形態の災害対応支援装置1は、センサ情報を用いて変化領域を抽出し、変化領域が複数存在する場合に、複数の変化領域のそれぞれの地理的属性に基づいて、非常時対応の優先順位を決定するようにした。このため、非常時の対応の優先順位を適切に決定することができる。複数のセンサによって得られたデータが位置合わせされて精度を向上させたものをセンサ情報として用いて変化領域を抽出すると、精度よく変化領域を抽出することができるため、より適切に非常時の対応の優先順位を決定することができる。
実施の形態2.
次に、本発明にかかる実施の形態2の災害対応支援処理について説明する。本実施の形態の災害対応支援装置1の構成は実施の形態1の災害対応支援装置1と同様である。本実施の形態では、地理的属性取得部12における処理と、優先情報記憶部16に記憶されている優先情報と、優先順位決定部15における処理とが実施の形態1と異なる。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明し、実施の形態1と重複する説明を省略する。
実施の形態1では、地理的属性情報として、1種類の情報を用いる例を説明した。本実施の形態では、災害対応支援装置1は、複数の種別の地理的属性情報を用いて優先順位を決定する。本実施の形態の災害対応支援処理の全体処理は、ステップS2とステップS5を除いて、図5に示した処理と同様である。本実施の形態のステップS2では、地理的属性取得部12は、複数の種別の地理的属性を示す複数の地理的属性情報をそれぞれに対応する地理的属性提供装置4から取得し、取得した複数の種別の地理的属性情報を、処理情報記憶部14に格納する。例えば、地理的属性取得部12は、土地利用用途を示す地理的属性情報と、人口などの統計情報を示す地理的属性情報と、予測される被害レベルを示す地理的属性情報と、緊急輸送における重要度を示す道路の種別を示す地理的属性情報とを処理情報記憶部14に格納する。また、本実施の形態では、ステップS5の処理である優先順位決定処理の内容が実施の形態1と異なる。
図20は、本実施の形態の優先順位決定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。ステップS11は実施の形態1と同様である。ステップS11の後、優先順位決定部15は、地理的属性の種別ごとに、変化領域Rに対応する地理的属性を取得する(ステップS21)。詳細には、優先順位決定部15は、処理情報記憶部14に記憶されている種別の異なる複数の地理的属性情報を用いて、地理的属性の種別ごとに、変化領域Rに対応する地理的属性を取得する。例えば、土地利用用途を示す地理的属性情報を属性1の属性情報とし、予測される被害レベルを示す地理的属性情報を属性2の属性情報とし、人口などの統計情報を示す地理的属性情報を属性3の属性情報とし、道路種別を示す地理的属性情報を属性4の属性情報とする。処理情報記憶部14に、属性1から属性4までの属性情報が格納されているとする。優先順位決定部15は、属性1から属性4までのそれぞれの属性情報に基づいて、変化領域Rに対応する4つの地理的属性を取得する。
次に、優先順位決定部15は、変化領域Rに関して、予め定めた優先情報に基づいて地理的属性の種別ごとの評価値を決定する(ステップS22)。図21は、本実施の形態の優先情報の一例を示す図である。本実施の形態の優先情報は、地理的属性の種別ごとに、地理的属性の値と非常時対応の優先度を示す評価値との対応を示す。ここでは、評価値は、値が大きいほど優先度が高いことを示すこととする。例えば、図21に示した例では、属性1である土地利用用途に関しては、住宅は評価値が10であり、幹線道路は評価値が7であり、住宅からの距離が一定値未満の森林、河川は評価値が5であり、農地は評価値が3であり、住宅からの距離が一定値以上の森林、河川は評価値が1である。図21に示した優先情報は、一例であり、地理的属性の種別、および評価値は、図21に示した例に限定されない。
例えば、図8に示した変化領域Rは住宅からの距離が一定値以上離れた森林であるため、図21に例示したよう優先情報を用いると、変化領域Rの属性1の評価値は1となる。また、変化領域Rの予測される被害レベルが被害レベル1であるとすると、変化領域Rの属性2の評価値は1となる。また、変化領域Rは、属性3および属性4については、優先情報に定義されていない値であるとする。このように、優先情報に定義されていない値である場合、優先順位決定部15は、当該属性に対応する評価値を0とする。変化領域Rが、1つの種別の地理的属性に関して、異なる複数の地理的属性の領域を含む場合、優先順位決定部15は、これらの複数の地理的属性のうち、最も評価値の高いものを変化領域Rの評価値としてもよいし、複数の地理的属性にそれぞれ対応する複数の評価値の平均値などを用いてもよい。例えば、図8に示した変化領域Rは、農地の領域と森林の領域とを含む。このような場合、優先順位決定部15は、農地の評価値3と、住宅からの距離が一定値以上の森林の評価値1とのうち大きい方の値である3を変化領域Rの評価値としてもよいし、評価値1と評価値3の平均値である2を変化領域Rの評価値としてもよい。また、優先順位決定部15は、複数の地理的属性にそれぞれ対応する面積に応じて、これらの評価値に重み付けを行って評価値を求めてもよい。
図20の説明に戻る。ステップS22の後、優先順位決定部15は、地理的属性の種別ごとの評価値を用いて変化領域Rの総合評価値を決定する(ステップS23)。総合評価値は、地理的属性の種別ごとの評価値の総和または平均値であってもよいし、地理的属性の種別ごとの評価値の重み付け平均値であってもよい。優先順位決定部15は、地理的属性の種別ごとの重み付け平均値を算出する場合、予め定められた地理的属性の種別の重みを対応する評価値に乗算し、重みを乗算した後の評価値の平均値を、総合評価値として求める。地理的属性の種別の重みは、優先度の高い地理的属性ほど値が大きくなるように定められる。
ステップS14,S15は、実施の形態1と同様である。ステップS14でYesの場合、優先順位決定部15は、総合評価値を用いて変化領域R〜Rの優先順位を決定し(ステップS24)、優先度決定処理を終了する。図22は、本実施の形態の優先順位決定処理により決定された優先順位の一例を示す図である。図22に示すように、変化領域ごとに、属性1〜4のそれぞれの評価値が上述したステップS22で決定される。図22に示した例では、地理的属性の種別ごとの評価値の総和を総合評価値としている。図22に示した例では、変化領域R〜Rのそれぞれに対応する総合評価値は、それぞれ4,2,16,24,11である。総合評価値は優先度が高いほど大きな値となるため、優先順位決定部15は、総合評価値の大きい順に優先順位を1から順に割り当てる。すなわち、優先順位決定部15は、総合評価値が最大となる変化領域の優先順位を1とし、以下総合評価値の大きい順に、優先順位を2,3,・・・と順に割り当てる。図22に示した例では、変化領域R〜Rの優先順位は、それぞれ4,5,2,1,3である。なお、複数の変化領域の総合評価値が同一の場合には、優先順位を同じ数値としてもよいし、実施の形態1と同様に変位量に基づいて優先順位を決定してもよい。
以上のように、本実施の形態では、優先順位決定部15は、地理的属性の種別ごとに、地理的属性情報を用いて複数の変化領域のそれぞれに対応する地理的属性を求め、求めた地理的属性と優先情報とを用いて評価値を決定する。そして、優先順位決定部15は、地理的属性の種別ごとの評価値を用いて、複数の変化領域のそれぞれの優先順位を決定する。
なお、上述した例では、優先順位決定部15が、属性1から属性4までの4つの種別の属性を示す4つの地理的属性情報を用いて優先順位を決定する例を説明したが、優先順位を決定するには、これらのうち2つ以上が用いられればよい。また、優先順位決定部15は、以上に述べた4つの地理的属性情報以外の地理的属性情報を用いてもよい。
なお、以上説明した例では、優先度が高いほど評価値が大きくなるようにしたが、優先度が低いほど評価値が大きくなるように、評価値を設定してもよい。優先順位決定部15は、この場合も、上記の例と同様に総合評価値を求め、総合評価値の低い順に、優先順位を1から順に割り当てることになる。
以上のように、本実施の形態では、災害対応支援装置1が、変化領域ごとに、対応する複数の種別の地理的属性を求め、複数の種別の地理的属性に基づいて、各変化領域の優先順位を決定するようにした。このため、本実施の形態の災害対応支援装置1では、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、多様な要素を考慮した適切な優先順位を設定することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 災害対応支援装置、2 優先順位生成装置、3 センサ情報提供装置、4 地理的属性提供装置、10 選択部、11 センサ情報取得部、12 地理的属性取得部、13 解析部、14 処理情報記憶部、15 優先順位決定部、16 優先情報記憶部、17 計画作成部、18 条件記憶部。

Claims (21)

  1. 非常時の対応である非常時対応を支援する災害対応支援装置であって、
    センサの観測によって得られた位置情報を含むセンサ情報を取得するセンサ情報取得部と
    理的位置ごとに示された地理的属性である地理的属性情報を取得する地理的属性取得部と、
    前記センサ情報を用いて、前記非常時対応を行う領域の候補である複数の候補領域を抽出し、前記センサ情報と前記地理的属性情報との少なくとも一方の座標変換をすることで位置合わせを実施する解析部と、
    前記センサ情報と位置合わせを実施した前記地理的属性情報を用いて前記複数の候補領域のそれぞれに対応する地理的属性を求め、求めた地理的属性を用いて、人員、物資及び機材のうち少なくとも1つを割り当てるための優先順位を、前記複数の候補領域のそれぞれに関して決定する優先順位決定部と、
    を備えることを特徴とする災害対応支援装置。
  2. 前記非常時対応は、災害発生時の対応であることを特徴とする請求項1に記載の災害対応支援装置。
  3. 地理的属性の値と優先順位との対応を示す優先情報を記憶する優先情報記憶部、
    を備え、
    前記優先順位決定部は、前記求めた地理的属性と前記優先情報とを用いて前記優先順位を決定することを特徴とする請求項2に記載の災害対応支援装置。
  4. 前記地理的属性情報は、地理的位置と土地利用用途との対応を示す情報であることを特徴とする請求項2または3に記載の災害対応支援装置。
  5. 前記地理的属性情報は、地理的位置と人口に関する統計情報との対応を示す情報を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の災害対応支援装置。
  6. 前記地理的属性情報は、地理的位置と全年代の人口に占める高齢者人口の割合との対応を示す情報を含むことを特徴とする請求項5に記載の災害対応支援装置。
  7. 前記地理的属性情報は、地理的位置と災害発生前に予測された被害レベルとの対応を示す情報を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の災害対応支援装置。
  8. 前記地理的属性情報は、地理的位置と緊急輸送における重要度を示す道路の種別との対応を示す情報を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の災害対応支援装置。
  9. 地理的属性の種別ごとに、地理的属性の値と前記非常時対応の優先度を示す評価値との対応を示す優先情報を記憶する優先情報記憶部、
    を備え、
    前記地理的属性取得部は、複数の種別の地理的属性を示す複数の前記地理的属性情報を取得し、
    前記優先順位決定部は、地理的属性の種別ごとに、前記地理的属性情報を用いて前記複数の候補領域のそれぞれに対応する地理的属性を求め、求めた地理的属性と前記優先情報とを用いて評価値を決定し、地理的属性の種別ごとの前記評価値を用いて、前記複数の候補領域のそれぞれの前記優先順位を決定することを特徴とする請求項2に記載の災害対応支援装置。
  10. 前記優先順位決定部は、前記複数の候補領域のそれぞれについて、地理的属性の種別ごとの前記評価値の平均値を算出し、前記平均値を用いて前記複数の候補領域のそれぞれの前記優先順位を決定することを特徴とする請求項9に記載の災害対応支援装置。
  11. 前記優先順位決定部は、前記複数の候補領域のそれぞれについて、地理的属性の種別ごとの前記評価値の重み付け平均値を算出し、前記重み付け平均値を用いて前記複数の候補領域のそれぞれの前記優先順位を決定することを特徴とする請求項9に記載の災害対応支援装置。
  12. 複数の前記地理的属性情報は、地理的位置と土地利用用途との対応を示す情報、地理的位置と人口に関する統計情報との対応を示す情報、地理的位置と災害発生前に予測された被害レベルとの対応を示す情報、および地理的位置と緊急輸送における重要度を示す道路の種別との対応を示す情報のうち2つ以上を含むことを特徴とする請求項9から11のいずれか1つに記載の災害対応支援装置。
  13. 前記センサ情報は画像データであり、災害発生前の前記センサ情報と災害発生後の前記センサ情報との差分に基づいて前記候補領域を抽出することを特徴とする請求項2から12のいずれか1つに記載の災害対応支援装置。
  14. 前記センサ情報取得部は、複数の前記センサにそれぞれ対応する複数の前記センサ情報を取得し、
    前記解析部は、複数の前記センサ情報を用いて前記候補領域を抽出することを特徴とする請求項1から12のいずれか1つに記載の災害対応支援装置。
  15. 前記センサは、人工衛星または航空機に搭載された合成開口レーダであることを特徴とする請求項1から14のいずれか1つに記載の災害対応支援装置。
  16. 前記優先順位に基づいて、前記非常時対応の計画を作成する計画作成部、
    を備えることを特徴とする請求項1から15のいずれか1つに記載の災害対応支援装置。
  17. 前記非常時対応の対象である対象地域の位置を示す位置情報の指定を受け付ける選択部、
    を備え、
    前記センサ情報取得部は、前記対象地域を含む領域を観測したセンサ情報を取得し、
    前記地理的属性取得部は、前記対象地域を含む領域に対応する地理的属性情報を取得することを特徴とする請求項1から16のいずれか1つに記載の災害対応支援装置。
  18. 前記計画は、前記候補領域へ人員、物資及び機材のうち少なくとも1つを割り当てるための計画であることを特徴とする請求項16に記載の災害対応支援装置。
  19. 前記対象地域は、災害対応を行う自治体であり、
    前記複数の候補領域のそれぞれの前記優先順位を、前記自治体に提供することを特徴とする請求項17に記載の災害対応支援装置。
  20. 前記優先順位を用いて前記候補領域へ人員、物資及び機材のうち少なくとも1つを割り当てるための計画を作成する自治体に、前記優先順位を提供することを特徴とする請求項1から15のいずれか1つに記載の災害対応支援装置。
  21. 非常時の対応である非常時対応を支援する災害対応支援装置における災害対応支援方法であって、
    前記災害対応支援装置が、
    センサの観測によって得られた位置情報を含むセンサ情報を取得するセンサ情報取得ステップと
    理的位置ごとに示された地理的属性である地理的属性情報を取得する地理的属性取得ステップと、
    前記センサ情報を用いて、前記非常時対応を行う領域の候補である複数の候補領域を抽出し、前記センサ情報と前記地理的属性情報との少なくとも一方の座標変換をすることで位置合わせを実施する解析ステップと、
    前記センサ情報と位置合わせを実施した前記地理的属性情報を用いて前記複数の候補領域のそれぞれに対応する地理的属性を求め、求めた地理的属性を用いて、人員、物資及び機材のうち少なくとも1つを割り当てるための優先順位を、前記複数の候補領域のそれぞれに関して決定する優先順位決定ステップと、
    を含むことを特徴とする災害対応支援方法。
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