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JP6945755B1 - 解析装置および解析方法 - Google Patents

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Abstract

解析の内容に応じた優先順位に基づいて、センサ情報を解析することができる解析装置を得ることを目的とする。本発明にかかる解析装置(1)は、センサの観測によって得られたセンサ情報を取得するセンサ情報取得部(11)と、地理的位置と当該地理的位置の状態を示す状態値との対応を示す状態情報、を取得する状態情報取得部(12)と、センサ情報に対応する観測領域を複数の区画に分割し、状態情報を用いて複数の区画のそれぞれに対応する状態値を求め、求めた状態値を用いて複数の区画のそれぞれの解析の優先順位を決定する優先順位決定部(14)と、優先順位に基づいて、センサ情報を区画ごとに解析する解析部(16)と、を備える。

Description

本発明は、センサによって得られた情報を解析する解析装置および解析方法に関する。
近年、センサ情報が様々な分野で活用されている。センサ情報は、センサの観測によって得られた情報であり、センサによって取得されたデータ、または当該データが処理されたデータである。センサとしては、例えば、電磁波をパッシブに観測するパッシブセンサ、電磁波を送出して反射された電磁波を観測するアクティブセンサが挙げられる。パッシブセンサとしては、いわゆるイメージセンサと呼ばれるセンサが例示され、アクティブセンサとしては、合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)、レーザスキャナが例示される。
センサ情報は、例えば、地震、豪雨といった自然災害、または火災、事故といった人為的な災害の状況把握に利用可能である。また、災害の状況把握だけでなく、センサ情報を用いて災害の予兆を検知して、防災対策に役立てることも検討されている。
特許文献1には、人工衛星に搭載されたSARの観測により得られる画像であるSAR画像を被災状況の把握に利用する技術が開示されている。特許文献1に記載の技術では、データ解析センタが、平常時に撮影されたSAR画像と災害発生後のSAR画像との差分から地表面の変化領域を抽出する。データ解析センタは、抽出した変化領域を地図情報と重ね合わせて変化抽出図を作成して行政機関へ提供する。行政機関は、提供された変化抽出図を災害発生後の応急対応等の立案、実行に活用することができる。
国際公開第2008/016153号
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術によれば、地表面の変化領域を抽出する際に、平常時に撮影されたSAR画像と災害発生後に撮影されたSAR画像との差分を、撮影された全領域にわたって求めている。このため、上記特許文献1に記載の技術では、SAR画像のうち、重要度の低い領域も解析していることになる。
災害発生時の変化領域の抽出結果は、上述したように行政機関における応急対応の立案などに用いられる。このため、災害発生時の変化領域を抽出する解析が行われる際には、応急対応を急ぐべき領域が優先して解析されることが望ましい。しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、これらの各地域の状態を考慮せずに解析が行われるため、解析に時間を要するという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、地理的位置の状態値に応じて決定した優先順位に基づいて、センサ情報を解析することができる解析装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる解析装置は、センサの観測によって得られたセンサ情報を取得するセンサ情報取得部と、地理的位置と当該地理的位置の状態を示す状態値との対応を示す状態情報を提供する状態情報提供装置から状態情報、を取得する状態情報取得部と、を備える。解析装置は、さらに、センサ情報と前記状態情報との位置合わせを実施し、センサ情報に対応する観測領域を複数の区画に分割し、状態情報を用いて複数の区画のそれぞれに対応する状態値を求め、求めた状態値を用いて複数の区画のそれぞれの解析の優先順位を決定する優先順位決定部と、優先順位に基づいて、センサ情報を区画ごとに解析する解析部と、を備える。
本発明にかかる解析装置は、地理的位置の状態値に応じて決定した優先順位に基づいてセンサ情報を解析することができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる解析装置の構成例を示す図 実施の形態1の解析装置を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図 実施の形態1の解析装置における解析処理の一例を示すフローチャート 実施の形態1のセンサ情報の一例であるSAR画像を示す図 図4に示したSAR画像の観測領域を分割して得られる複数の区画の一例を示す図 実施の形態1のステップS4の詳細処理手順の一例を示すフローチャート 図4のSAR画像に対応する観測領域の土地利用用途を地図上に示した図 実施の形態1の状態情報の一例である、メッシュ状に示された土地利用用途の一例を示す図 実施の形態1の状態情報の別の一例である、予測される浸水深を地図上に模式的に示した図 予測浸水深を示す実施の形態1の状態情報の一例を示す図 実施の形態1の状態情報の別の一例である、人口などの統計情報を示す図 図11に示した統計情報に対応する区域の位置を示す情報を示す図 実施の形態1の状態情報の一例である、降水量の観測値を示す図 状態値として気象警報および気象注意報を用いる場合の優先情報の一例を示す図 土地利用用途を状態値として用いる場合の優先情報の一例を示す図 予測される被害レベルを状態値として用いる場合の優先情報の一例を示す図 人口などの統計情報を状態値として用いる場合の優先情報の一例を示す図 道路の種別を状態値として用いる場合の優先情報の一例を示す図 河川または池の水位の計測値を状態値として用いる場合の優先情報の一例を示す図 図6に示した処理により決定された各区画の優先順位の一例を示す図 図6に示した処理により決定された各区画の優先順位の別の一例を示す図 実施の形態2の優先順位決定処理の処理手順の一例を示すフローチャート 実施の形態2の優先情報の一例を示す図 実施の形態2の優先順位決定処理により決定された優先順位の一例を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる解析装置および解析方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる解析装置の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の解析装置1は、センサ情報を解析する装置である。センサ情報は、センサの観測によって得られた情報である。解析装置1が行う解析は、例えば、SAR画像をはじめとしてセンサにより取得された画像を用いて、災害発生の前後で変化した変化領域を抽出する処理である。SAR画像は、人工衛星または航空機などに搭載されたSARにより取得されたデータを処理して得られる画像である。
解析装置1が行う解析の内容は、これに限定されず、例えば、災害につながると予想される異常が発生している領域を抽出する処理であってもよい。以下では、一例として、解析の内容が、災害発生の前後で変化した変化領域を抽出する処理である場合を主に説明する。
解析装置1は、センサ情報を提供するセンサ情報提供装置2と状態情報を提供する状態情報提供装置3とに、それぞれ通信回線により接続される。これらの通信回線は、有線回線であっても無線回線であってもよく、無線回線と有線回線とが混在していてもよい。ここでは、解析装置1が、センサ情報提供装置2および状態情報提供装置3から、通信回線を介して情報を取得する例を説明するが、解析装置1が、センサ情報提供装置2および状態情報提供装置3から情報を取得する方法は通信回線を介する例に限定されない。例えば、センサ情報提供装置2によって記録媒体にセンサ情報が記録され、解析装置1が記録媒体から情報を読み出すようにしてもよい。状態情報についても同様に記録媒体を介して状態情報提供装置3から解析装置1へ提供されてもよい。
センサ情報は、上述したように、センサの観測によって得られた情報であり、センサによって取得されたデータ、または当該データが処理されたデータである。また、センサ情報は、センサにより観測された観測場所の位置を示す情報を含む。センサは、人工衛星、航空機、ドローンなどに搭載されたセンサであってもよく、車両などに搭載されたセンサであってもよく、地表、建物などに固定されたセンサであってもよい。
センサは、パッシブセンサであってもアクティブセンサであってもよい。パッシブセンサとしては、可視光、赤外光、紫外光などを観測するイメージセンサが例示される。アクティブセンサとしては、SAR、3次元点群データを取得するレーザスキャナ、が例示される。センサは、これら以外のセンサであってもよい。
また、センサ情報は、1つのセンサのセンサ情報であってもよいし、複数のセンサにそれぞれ対応する複数のセンサ情報であってもよい。解析装置1は、複数のセンサにそれぞれ対応する複数のセンサ情報を用いる場合、複数のセンサによって得られたデータを位置合わせして用いることにより、精度を向上させたものを用いて解析を行ってもよい。または、解析装置1は、複数のセンサによって得られたデータが位置合わせされて精度を向上させたものを、センサ情報提供装置2から取得してもよい。
また、センサ情報提供装置2および状態情報提供装置3は、解析装置1を運用および管理する組織以外の管理者により管理される外部の装置であってもよいし、解析装置1を運用および管理する組織により管理される装置であってもよい。例えば、解析装置1が複数の自治体の災害対応を支援する場合には、センサ情報提供装置2および状態情報提供装置3は、解析装置1を運用および管理する組織により管理され、国全体など広域のセンサ情報および状態情報を外部の装置から取得する。そして、解析装置1が、センサ情報提供装置2および状態情報提供装置3から、支援対象の自治体ごとに、対応する情報を取得するようにしてもよい。
図1に示すように、解析装置1は、センサ情報取得部11、状態情報取得部12、処理情報記憶部13、優先順位決定部14、優先情報記憶部15および解析部16を備える。
センサ情報取得部11は、センサ情報提供装置2からセンサ情報を取得する。センサ情報取得部11は、取得したセンサ情報を処理情報記憶部13へ格納する。センサが人工衛星である場合には、センサ情報提供装置2は、人工衛星の軌道位置、センサの運用条件などに基づいて、センサにより観測された位置を算出し、位置を示す情報とともに、センサにより観測されたデータまたは当該データに処理を施してデータを提供する。センサが人工衛星である場合には、センサ情報取得部11は、解析の対象となる対象領域を含むセンサ情報をセンサ情報提供装置2から取得する。対象領域は、解析装置1が行う解析の内容によって適宜設定される。解析装置1が自治体の災害対応を支援するための解析を行う場合は、対象領域は当該自治体を含む領域であり、解析装置1が地球全体を解析対象とする処理である場合には、対象地域は、地球全体である。
センサ情報取得部11は、例えば、定められたデータサイズごとに、センサ情報を取得する。定められたデータサイズは、例えば、センサ情報提供装置2からセンサ情報が配布される際の最小のデータ単位であるが、これに限定されない。また、センサ情報取得部11は、定められたデータサイズごとにセンサ情報を取得するかわりに、定められた観測領域の大きさごとにセンサ情報を取得してもよい。データサイズまたは観測領域の大きさにより定まる1かたまりのセンサ情報を、以下、1画像分のセンサ情報とも呼ぶ。対象地域が1画像分のセンサ情報に対応する領域より広い場合には、センサ情報取得部11は、複数画像分のセンサ情報を取得する。
また、解析装置1が、後述するように災害の発生前後のセンサ情報の差分を用いることで変化領域を抽出する場合、センサ情報取得部11は、災害の発生していない平時において、少なくも1回は対象地域に対応するセンサ情報を取得しておく。または、センサ情報提供装置2が過去のセンサ情報も提供している場合には、センサ情報取得部11は、災害の発生後に、対応の優先順位を決定する際に、災害の発生後のセンサ情報とともに、過去のすなわち災害の発生前のセンサ情報を取得してもよい。
人工衛星の観測データは、一般に、生データから高次プロダクトまで様々なレベルのデータとして提供される。本実施の形態では、変化領域を抽出するための画像データを必要とするため、センサ特有の校正および幾何補正などが行われた後の画像データとして取得することが望ましい。画像データは、例えば、画素ごとの、輝度、散乱強度、標高などである。センサ情報取得部11は、どのレベルのデータをセンサ情報提供装置2から取得してもよい。生データなどの低次レベルのデータをセンサ情報提供装置2から取得する場合には、解析部16が、センサ特有の校正および幾何補正などを行って画像データを生成すればよい。なお、人工衛星の観測データに限らず、基準面に対して平面投影されていないデータにおいては、センサ特有の校正および幾何補正などが行われる。
航空機、車両などに搭載されるセンサのセンサ情報も、同様に、センサ情報提供装置2から位置情報とともに取得される。ただし、人工衛星の観測データは、災害が生じているか否かに関わらず取得されるが、航空機、車両などに搭載されるセンサは、災害が発生した後に、災害が発生したと想定される地域を観測することもある。この場合、災害発生前のセンサ情報が得られない可能性がある。災害発生前のセンサ情報が得られない場合は、人工衛星に搭載された類似のセンサのセンサ情報を、災害発生前のセンサ情報として用いてもよい。または、平時においても、例えば、定期的に航空機、車両などに搭載されるセンサの観測を行っておき、センサ情報取得部11が、平時のセンサ情報をセンサ情報提供装置2から取得してもよい。
センサが位置の固定されたセンサである場合、センサ情報提供装置2は、センサ自体またはセンサに接続された処理装置等であってもよい。例えば、センサが、路側センサ、建物に設置されたカメラなどである場合、センサ情報取得部11は、対象領域を観測するセンサからセンサ情報を取得してもよい。または、固定された複数のセンサのセンサ情報がサーバなどにより集約されて管理されている場合には、このサーバなどがセンサ情報提供装置2となる。
状態情報取得部12は、状態情報を状態情報提供装置3から取得し、取得した状態情報を処理情報記憶部13へ格納する。状態情報は、地理的位置と当該地理的位置の状態を示す状態値との対応を示す状態である。具体的には、状態情報は、地理的位置ごとの地理的属性を示す地理的属性情報、気象に関する観測情報または予測情報、各種警報、河川または池の水位を観測した情報、津波情報などである。地理的属性は、土地利用用途、人口、道路の種別などである。状態情報は、地理的位置を示す情報と当該位置に対応する状態を示す値である状態値とを含む。状態情報は、100mメッシュ、250mメッシュなどのように等間隔のメッシュごとに状態値が示されたものであってもよいし、市町村、字などの領域を単位として状態が示されたものであってもよい。状態情報として例示した情報のうち、地理的属性情報は時間的な変化が少ない静的な情報であり、気象に関する観測情報または予測情報、各種警報、河川または池の水位を観測した情報、津波情報などは、時間的に変化する動的な情報である。状態情報の詳細は、後述する。
なお、センサ情報取得部11は、オペレータ等により指定された地域を観測したセンサ情報をセンサ情報取得部11から取得してもよい。同様に、状態情報取得部12は、オペレータ等により指定された地域の状態情報を状態情報提供装置3から取得してもよい。
優先情報記憶部15は、状態値と優先順位との対応を示す優先情報を保持する。優先情報の具体例については後述する。優先順位決定部14は、センサ情報に対応する観測領域を複数の区画に分割し、状態情報を用いて複数の区画のそれぞれに対応する状態値を求め、求めた状態値を用いて複数の区画のそれぞれの解析の優先順位を決定する。具体的には、優先順位決定部14は、1画像分のセンサ情報に対応する位置情報と状態情報の位置情報とが定義の異なる座標値で示されている場合、センサ情報と状態情報の位置合わせを行い、位置合わせ後に、1画像分のセンサ情報に対応する領域を複数の区画に分割する。そして、優先順位決定部14は、処理情報記憶部13に格納されている状態情報に基づいて、各区画に対応する状態値を求め、求めた状態値と優先情報記憶部15に記憶されている優先情報とに基づいて、各区画の優先順位を決定する。優先順位決定部14は、決定した、各区画の優先順位を解析部16へ出力する。例えば、高齢者は避難に時間を要すると考えられるため、高齢者が多い地域は、高齢者が少ない地域に比べて、応急対応を急ぐことが望ましい。したがって、高齢者が多い地域は、高齢者が少ない地域に比べて優先して解析されることが望ましい。また、周辺に住宅がない森林または農地のように人命への影響が小さい地域への応急対応は急ぐ必要はなく、これらの地域の解析の優先度は低い。このため、地理的位置の状態値に応じて決定した優先順位に基づいてセンサ情報を解析することが望まれる。
優先順位決定部14が行う位置合わせについて説明する。優先順位決定部14は、センサ情報に対応する位置情報と状態情報の位置情報とが定義の異なる座標値で示されている場合、位置合わせとして、これらが同じ定義の座標値となるように、センサ情報に対応する位置情報と状態情報の位置情報とのうち少なくとも一方の座標変換を行う。優先順位決定部14は、基準の座標系を定めておき、センサ情報に対応する位置情報と状態情報の位置情報との両方を基準座標系における値となるように座標変換してもよいし、センサ情報に対応する位置情報と状態情報の位置情報とのいずれか一方を他方の座標系における座標値に座標変換してもよい。優先順位決定部14は、座標変換によりセンサ情報に対応する位置情報と状態情報の位置情報とのうち少なくとも一方が変更された場合、処理情報記憶部13に格納されている情報を変更された情報に更新する。
解析部16は、優先順位決定部14から受け取った優先順位に基づいて、センサ情報を区画ごとに解析する。例えば、解析部16は、優先順位決定部14から受け取った優先順位に基づいて、区画ごとに、処理情報記憶部13に記憶されているセンサ情報を用いて地球の表面の変化領域を抽出し、変化領域を示す変化領域情報を解析結果として出力する。地球の表面は、陸域の表面、海面、湖および河川の水面、地表に建設された建物を含む。また、解析装置1は、地球上の大気の変化領域を抽出してもよい。解析部16は、例えば、災害発生前のセンサ情報と災害発生後のセンサ情報との差分に基づいて変化領域を抽出する。例えば、解析部16は、上記の差分が閾値以上である領域を変化領域として抽出する。
また、センサ情報取得部11が、複数のセンサにそれぞれ対応する複数のセンサ情報を取得する場合、解析部16は、複数のセンサ情報を用いて変化領域を抽出する。
上述した通り、解析装置1が行う解析は、変化領域の抽出処理に限らず、災害につながると予想される異常が発生している領域を抽出する処理であってもよい。
災害につながると予想される異常が発生している領域を抽出する処理は、上述した変化領域の抽出と同様に、例えば、基準となる過去のセンサ情報と、新たに取得されたセンサ情報との差分が閾値以上となる領域を異常が発生している領域として抽出する処理である。なお、解析の具体的処理内容は上述した例に限定されず、どのような処理方法が用いられてもよい。
解析装置1の解析部16から出力される解析結果は、例えば、解析装置1によって表示されて、ユーザに提示されてもよいし、他の装置へ送信されてもよい。解析部16から出力される解析結果が、災害の発生後の変化領域の抽出結果であった場合には、解析結果は自治体などに提供される。自治体などでは、この結果に基づいて、応急対応、災害対策などを実施することができる。または、解析装置1を自治体が運用し、自治体の担当者などが、解析装置1に表示された解析結果を確認して応急対応、災害対策などを実施してもよい。このように、解析結果は、解析の種類に応じて、当該解析結果を用いるユーザに提供される。または、当該解析結果を用いるユーザが、解析装置1を運用して、解析装置1に表示された解析結果を直接確認してもよい。
次に、解析装置1のハードウェア構成について説明する。解析装置1は、コンピュータシステムにより実現される。図2は、本実施の形態の解析装置1を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図である。図2に示すように、このコンピュータシステムは、制御部101と入力部102と記憶部103と表示部104と通信部105と出力部106とを備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。
図2において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等である。制御部101は、本実施の形態の解析方法が記述された解析プログラムを実行する。入力部102は、たとえばキーボード、マウスなどで構成され、コンピュータシステムのユーザが、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータなどを記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部104は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示パネル)などで構成され、コンピュータシステムのユーザに対して各種画面を表示する。通信部105は、通信処理を実施する通信回路などである。通信部105は、複数の通信方式にそれぞれ対応する複数の通信回路で構成されていてもよい。出力部106は、プリンタ、外部記憶装置などの外部の装置へデータを出力する出力インタフェイスである。なお、図2は、一例であり、コンピュータシステムの構成は図2の例に限定されない。
ここで、本実施の形態の解析プログラムのうち解析装置1の処理が記述されたプログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステムの動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)−ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)−ROMドライブにセットされたCD−ROMまたはDVD−ROMから、第1プログラムが記憶部103にインストールされる。そして、第1プログラムの実行時に、記憶部103から読み出された第1プログラムが記憶部103の主記憶装置となる領域に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納された第1プログラムに従って、本実施の形態の解析装置1としての処理を実行する。
なお、上記の説明においては、CD−ROMまたはDVD−ROMを記録媒体として、解析装置1における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
図1に示したセンサ情報取得部11および状態情報取得部12は、図2に示した制御部101および通信部105により実現される。図1に示した優先順位決定部14および解析部16は、図2に示した制御部101により実現される。図1に示した処理情報記憶部13および優先情報記憶部15は、図2に示した記憶部103の一部である。
次に、本実施の形態の動作の詳細について説明する。図3は、本実施の形態の解析装置1における解析処理の一例を示すフローチャートである。解析装置1は、対象地域のセンサ情報および状態情報を取得する(ステップS1)。すなわち、ステップS1は、センサ情報を取得するセンサ情報取得ステップと、状態情報を取得する状態情報取得ステップとを含む。具体的には、センサ情報取得部11が、センサ情報提供装置2から、対象地域を含むセンサ情報を取得し、センサ情報を処理情報記憶部13に格納する。また、状態情報取得部12が、状態情報提供装置3から、取得したセンサ情報の観測領域に対応する状態情報を取得し、状態情報を処理情報記憶部13に格納する。なお、本実施の形態の解析装置1を実現するハードウェアは、PC(パーソナルコンピュータ)のような端末に限定するものではなく、タブレット、スマートフォンなどの携帯情報端末であっても差し支えない。また、システム構成は、1台の端末で全ての処理を実行するスタンドアロン形式でもよいし、サーバで解析した結果をクライアントへ送るクライアントサーバ形式であってもよい。クライアントサーバ形式の場合、例えば、入力部102、表示部104、出力部106はクライアント側、その他の機能はサーバ側に設けられてもよい。
図4は、本実施の形態のセンサ情報の一例であるSAR画像を示す図である。センサ情報取得部11は、例えば、1画像分のセンサ情報として図4に示したSAR画像を取得する。対象地域が複数の画像分に対応する場合には、解析装置1は、1画像分のセンサ情報ごとに、図3に示した処理を行ってもよいし、ステップS1で複数画像分のセンサ情報を取得してもよい。
なお、状態情報として地理的属性などのように静的な情報を用い、かつ対象地域が決まっている場合には、状態情報取得部12は、解析処理のたびに状態情報を取得する必要はない。状態情報取得部12は、センサ情報の観測領域に対応する状態情報が処理情報記憶部13に記憶されていない場合に、状態情報提供装置3から、状態情報を取得すればよい。
図3の説明に戻る。ステップS1の後、解析装置1は、センサ情報と状態情報との位置合わせを行う(ステップS2)。詳細には、優先順位決定部14が、センサ情報と状態情報とが異なる定義の座標値で示されている場合、これらが同じ定義の座標値で表されるように、これらのうちの少なくともひとつを座標変換する。優先順位決定部14は、センサ情報の位置情報と状態情報の位置情報とのうち、座標変換された情報を、座標変換前の情報に上書きして処理情報記憶部13に格納する。なお、ステップS2の位置合わせは、ステップS3の後、ステップS4の前に行われてもよい。この場合、後述する各区画のセンサ情報の位置情報と状態情報の位置情報とが同じ定義の座標値で表されるように、各区画のセンサ情報の位置情報と状態情報の位置情報とのうちの少なくとも一方が座標変換される。
次に、解析装置1は、センサ情報に対応する観測領域を複数の区画に分割する(ステップS3)。詳細には、優先順位決定部14が、ステップS1で取得したセンサ情報に対応する観測領域を複数の区画に分割する。ステップS1で、1画像分のセンサ情報を取得した場合、優先順位決定部14は、1画像に対応する観測領域を複数の区画に分割する。優先順位決定部14は、センサ情報に含まれる位置情報に基づいて、各区画の地理的位置を算出し、各区画の地理的位置を示す区画位置情報を処理情報記憶部13へ格納する。図5は、図4に示したSAR画像の観測領域を分割して得られる複数の区画の一例を示す図である。図5に示した観測領域20は図4に示したSAR画像の観測領域に対応している。図5に示した例では、観測領域が、区画R〜R20の20個の区画に分割されているが、観測領域の分割数は20に限定されない。
また、ステップS1で複数画像分のセンサ情報を取得した場合には、解析装置1は、複数画像を1つの観測領域とみなして、観測領域を複数の区画に分割する。この場合、例えば、解析装置1は、1画像を1区画としてもよい。
図3の説明に戻る。解析装置1は、状態情報に基づき、解析の優先順位を区画ごとに決定する(ステップS4)。ステップS4の処理の詳細は後述する。次に、解析装置1の解析部16は、未解析の区画の中で優先順位が最も高い区画を選択し(ステップS5)、選択した区画に対応するセンサ情報を解析する(ステップS6)。なお、優先順位が高いとは、優先度が高く優先順位を示す値が小さいことを意味する。例えば、優先順位1は、1番目に優先して処理されるべき順位であり、最も高い優先順位である。優先順位が同じ区画が複数存在する場合は、解析部16は、同じ優先順位のなかから任意の選択方法により1つの区画を選択する。
解析部16は、例えば、センサ情報の解析として、センサ情報に基づいて変化領域を抽出する処理を行う。詳細には、解析部16は、処理情報記憶部13に格納されている災害発生後に観測されたセンサ情報と、災害発生前に観測されたセンサ情報との、画素ごとの、輝度、散乱強度、標高などの差分を算出し、差分が閾値以上となる画素を抽出する。
解析部16は、連続する画素で差分が閾値以上となっていれば、連続するこれらの画素に対応する部分を1つの変化領域とする。なお、センサ情報には、どの画素がどの位置に対応するかの情報が含まれているが、この情報は、例えば、画像ごとの、画素の位置とこの位置を基準に各画素の位置を算出するための情報とで構成される。どの画素がどの位置に対応するかの情報は、この形式に限定されず、どのような形式であってもよい。解析部16は、差分が閾値以上となる画素を抽出した後に、上記の情報に基づいてこの画素に対応する位置を算出することにより、変化領域の位置を求めることができる。解析部16は、変化領域の位置、すなわち差分が閾値以上となる画素の位置を、解析結果として出力する。一般に、変化領域は連続する複数の画素を含むので、画素によって差分が異なる場合には、複数の画素の平均値を変位量としてもよいし、最大値を変位量としてもよい。
また、解析部16は、画素ごとに、変化すなわち差分を求めるための基準値である災害発生前に観測されたセンサ情報のかわりに、これまでの測量結果、解析などにより算出された情報を基準情報として用いて差分を求めてもよい。また、ここでは、画素ごとに、輝度、散乱強度などを比較する例を示したが、これに限らず、センサ情報に標高が含まれる場合には、解析部16は、過去に取得されたセンサ情報と、最新のセンサ情報との標高の差分を求め、差分が閾値以上となる部分を変化領域として求めてもよい。また、解析部16は、過去に取得されたセンサ情報と、最新のセンサ情報との両方から、画像処理により、建物、川、道路などの輪郭を抽出し、2つのセンサ情報の対応する輪郭を比較することにより、建物、川、道路などの、地球の表面に沿った方向の位置の差分を求め、この差分が閾値以上となる領域を変化領域として求めてもよい。
以上の説明では、なんらかの基準情報と比較して差分を求めることにより変化領域を抽出したが、変化領域の抽出は、基準情報を用いなくてもよい。例えば、センサ情報が赤外光を検出するセンサにより得られた赤外画像である場合、画素に対応する温度が閾値以上となる領域を、火災、または火山活動などによる変化領域として抽出することができる。解析部16は、赤外画像に限らず、センサ情報として得られた画像の、画素に対応する輝度、散乱強度などが、あらかじめ定められた範囲を逸脱している領域を変化領域として抽出してもよい。または、温度が閾値以上となる面積が一定値以上である場合に、当該領域を変化領域として抽出してもよい。または、周囲の平均的な温度より一定値以上高い領域を変化領域として抽出してもよい。このように、変化領域は、なんらかの現象により過去または通常の状態から変化が生じた領域、または周囲との間で差が生じている領域である。本実施の形態の解析装置1は、このように抽出された変化領域を、対応を要する領域の候補である候補領域として扱って、候補領域ごとに対応の優先順位を決定する。なお、変化領域の算出方法は、これらの例に限らず、一般的に用いられるどのような方法を用いてもよい。なお、変化領域は、変状領域ともいう。
解析部16が行う解析は、上述したとおり、変化領域を抽出する処理に限定されず、災害につながると予想される異常が発生している領域を抽出する処理であってもよい。
ステップS6の解析の後、解析部16は、解析結果を出力する(ステップS7)。解析部16は、解析結果を、電子ファイルとして外部の装置へ送信することにより出力してもよいし、出力部106へ出力してもよい。または、解析部16は、解析結果を、表示部104へ表示することにより出力してもよい。解析部16は、全区画の選択が終了したか否かを判断し(ステップS8)、全区画の選択が終了した場合(ステップS8 Yes)、解析処理を終了する。全区画の選択が終了していない場合(ステップS8 No)、すなわち選択されていない区画が残っている場合、ステップS5からの処理を再度実施する。なお、ステップS7では、解析結果を処理情報記憶部13などに記憶しておき、全区画を解析しないすなわち優先度の低い区画を解析しない場合には、ステップS8でYesと判断された後に解析結果をまとめて出力してもよい。
以上の処理のより、解析装置1は、区画ごとの優先順位に基づいてセンサ情報を解析することができるため、緊急性の高い区画、重要な区画を他の区画より先に処理することができる。このため、災害対応などにおいて、高齢者の多い地区などの、対応を優先すべき区間の解析結果を他の区画より早く出力することができる。これによって、解析結果を取得した自治体は、高齢者の多い地区などへの対応を速やかに行うことができる。例えば、解析の優先順位を定めない場合には、解析装置1は、1画像分の処理が終わるまで解析結果を提示することができないが、上述の処理を行う場合には、優先順位1の区画の解析が終了すれば、優先順位1の解析結果を提示することができる。図5に示したように、分割数が20であり優先順位1の区画がこのうち2つであったとする。このとき、処理時間が処理対象の画素数に比例する場合には、上述した処理を行うことによって、解析装置1は、1画像分の処理時間の2/20すなわち1/10の処理時間で解析結果を出力することができる。なお、優先順位ごとに解析結果を提示する必要はなく、1つの区画の解析が終了すれば、その区画の解析結果を提示するようにしてもよい。さらに、全ての区画を解析する必要はなく、定められた優先順位以下の区画は解析処理を行わないことにしても良い。
また、解析部16は、優先順位の低い区画に対応するセンサ情報を解析しなくてもよい。これにより、解析装置1は、計算時間、解析装置1を実現するコンピュータのハードウェア規模などを抑制することができる。
次に、ステップS4の優先順位決定処理の詳細について説明する。図6は、本実施の形態のステップS4の詳細処理手順の一例を示すフローチャートである。解析装置1の優先順位決定部14は、図6に示すように、まず、区画を示す変数であるiを1に設定する(ステップS11)。
次に、優先順位決定部14は、区画Rに対応する状態値を取得する(ステップS12)。詳細には、優先順位決定部14は、処理情報記憶部13に格納されている区画位置情報と状態情報とを用いて、区画Rに対応する状態値を求める。ここで、状態値と区画との対応を、模式図を用いて説明する。まず、状態値として地理的属性の一種である土地利用用途を用いる例を説明する。図7は、図4に示したSAR画像に対応する観測領域の土地利用用途を地図上に示した図である。図7では、図5と同様に観測領域を分割した場合の各区画を破線で示している。図7では、各区画を示すRなどの識別文字を一部のみ示しているが、各区画を示す識別文字は図5に示した例と同様である。図7に示すように、区画により、土地利用用途が異なっている場合がある。例えば、区画Rは森林であるが、区画Rは、住宅と森林である。
地理的位置ごとの状態値を示す状態情報は、メッシュ状に各メッシュに対応する状態値が示されたものであってもよく、同じ状態値となる領域の位置が示された情報であってもよい。図8は、本実施の形態の状態情報の一例である、メッシュ状に示された土地利用用途の一例を示す図である。図8に示した例では、1つのメッシュすなわち1つの正方形が100m四方に相当し、各メッシュ内に示された数値が土地利用用途を示している。例えば、図8に示した例では、5は森林を示し、7は住宅を示し、Hは幹線道路を示す。状態情報が、このようなメッシュ状の情報として示される場合、例えば、状態情報には、これらの行列状の値と、メッシュのある基準点の位置を示す情報とが含まれている。したがって、優先順位決定部14は、状態情報に基づいて、各メッシュの位置を求めることができる。なお、上述した位置合わせの内容によっては、元のメッシュが等間隔であっても、優先順位決定部14が取得する状態情報ではメッシュが等間隔とならない場合もある。
図9は、本実施の形態の状態情報の別の一例である、予測される浸水深を地図上に模式的に示した図である。図9において、領域201は、水害発生時に予測される浸水深である予測浸水深がHm未満の領域を示し、領域202は、予測浸水深がHm以上Hm未満の領域を示し、領域203は、予測浸水深がHm以上の領域を示す。図10は、予測浸水深を示す本実施の形態の状態情報の一例を示す図である。図10に示した例では、予測浸水深の段階ごとに、対応する領域の境界を示す座標が示されている。図9は、図10に示した予測浸水深の各段階に対応する各領域が地図上に示されたものである。
図9および図10では、災害発生時の被害の予測値として、水害の浸水深の予測値を示した。浸水深に限らず、自治体などでは、地震発生時のゆれの程度、地震の被害の程度などの予測値がハザードマップなどとして準備されていることがある。このような災害発生時の災害の程度などの予測値を状態情報として用いることができる。
図11は、本実施の形態の状態情報の別の一例である、人口などの統計情報を示す図である。図11に示すように、地域ごとの人口、世帯数、外国人人口、高齢者人口などの統計情報を状態情報として用いることもできる。なお、図11に示した統計情報の項目は一例であり、状態情報として用いる統計情報の項目は図11に示した例に限定されない。例えば、3歳以下の人口などが状態情報として用いられてもよい。これらの統計情報は、図11に例示したような町丁字の単位で示されていたり、または市町村といった区域を単位として示されていたりすることがある。このような場合、解析装置1は、これらの区域の位置を示す情報も状態情報として取得しておく。すなわち、このような場合、状態情報は、区域の名称と状態情報の対応を示す第1情報と、区域の名称ごとの当該区域の位置を示す第2情報とを含む。図12は、図11に示した統計情報に対応する区域の位置を示す情報を示す図である。このような各区域の位置を示す情報は、各区域をポリゴンで表したデータ、または境界を複数の位置座標で示したデータなどで表される。優先順位決定部14は、例えば、図12に例示した各区域の位置を示す第2情報と区画位置情報とを用いて区画Rに対応する区域の名称を求め、第1情報を用いて、求めた区域に対応する状態値を求めることができる。
本実施の形態の状態情報は、緊急輸送における重要度を示す道路の種別に関する情報であってもよい。国、自治体などでは、災害の発生時の道路啓開計画、緊急時の輸送道路として定められている緊急輸送道路などが定められている。また、長期間孤立する地域を抑制するために、道路を開通させていく順序が定められていることがある。したがって、解析装置1は、このような道路の種別に関する情報を状態情報として用いることで、対応を優先すべき道路を判別することができる。なお、状態情報として道路の種別の情報を用いる場合、道路の種別ごとに、対応する道路の位置を示す情報が直接対応付けられている情報を状態情報として用いてもよい。または、道路の種別が道路の名称などに対応付けられている場合には、状態情報は、この道路の名称と道路の種別の対応を示す第1情報と、道路の名称ごとの当該道路の位置を示す第2情報とを含む。後者の場合、優先順位決定部14は、上述した人口などの統計情報と同様に、第2情報を用いて区画Rに対応する道路の名称を求め、求めた道路の名称に対応する道路の属性を第1情報に基づいて求めればよい。
以上、状態情報の例として、土地利用用途、予想された被害レベル、人口などに関する統計情報、道路の種別といった静的な情報を説明したが、状態情報は、時間的に変化する情報であってもよい。
例えば、本実施の形態の状態情報は、気象に関する観測情報であってもよい。気象に関する観測情報としては、雨量すなわち降水量の観測値、風速の観測値、降雪量の観測値などが挙げられる。図13は、本実施の形態の状態情報の一例である、降水量の観測値の一例を示す図である。降水量の観測値は、例えば1時間降水量として示される。図13に示すように、降水量の観測値は、観測点の位置を示す情報と、各時間の観測値とを含む。図13では、1つの観測点の情報を示しているが、状態情報には、これらの情報が観測点ごとに含まれる。降水量の観測値のように、時間的に変化する値を状態値として用いる場合には、優先順位決定部14は、例えば、各区画に対応する観測点で観測された観測値のうち、センサ情報に対応する観測時間に最も近い時間に対応する状態値を用いる。または、センサ情報に対応する観測時間に最も近い時間を中心とする一定時間内の観測値の平均値などが状態値として用いられてもよい。
また、状態情報として、河川または池の水位の計測値を示す水位情報が用いられてもよい。この場合、状態情報は、河川または池の地理的位置を示す情報と各時間の計測値とを含む。また、状態情報として、地震計の計測結果、震源地からの距離などを用いてもよい。
また、状態情報として、各種警報および注意報が用いられてもよい。状態情報として、各種警報および注意報が用いられる場合、各種警報および注意報の内容と、対応する地域と、対応する時間帯とが状態情報に含まれる。警報の例としては、気象警報および気象注意報、津波警報などが挙げられる。気象警報および気象注意報は、大雨特別警報、土砂災害警戒警報、波浪警報、大雪警報などである。また、状態情報として、ダムの制御情報が用いられてもよい。また、状態情報として、津波情報を用いてもよい。津波情報には、予想される津波到達時刻、予想される津波到達高さなどが含まれる。
また、同一領域の過去の一定期間における状態情報の中で最も深刻(最悪)な情報を求め、その情報を使用して優先順位を決定してもよい。この一定期間は、1週間、1日など、災害発生と解析実行のタイミングに応じて適宜設定される。あるいは、同一領域においてより深刻な情報が発出された場合に、処理情報記憶13内の状態情報が更新されることにしてもよい。
図6の説明に戻る。優先順位決定部14は、予め定めた優先情報に基づいて、区画Rの優先順位を決定する(ステップS13)。詳細には、優先順位決定部14は、優先情報記憶部15に記憶されている優先情報から、ステップS12で取得した状態値、すなわち区画Rに対応する状態値の優先順位を抽出することにより、区画Rの優先順位を決定する。なお、優先情報は、図3に示した解析処理の開始より前に予め設定されるが、解析処理の開始時にオペレータの入力などにより変更されてもよい。または、優先情報は、解析処理の開始後のステップS4の処理までの間にオペレータの入力などにより変更されてもよい。
図14〜図21は、本実施の形態の優先情報の一例を示す図である。なお、図14〜図21に示した優先順位および各状態情報の区分は、優先情報を模式的に示す例であり、優先順位および各状態情報の具体的内容は図14〜図21に示した例に限定されない。
図14〜図19は、解析として災害発生後の変化領域の抽出処理を行うことを想定した場合の優先情報の例である。図14は、状態値として気象警報および気象注意報を用いる場合の優先情報の一例を示している。図14に示した例では、緊急度の高い大雨特別警報を優先順位1とし、以下、順に、土砂災害警戒警報を優先順位2とし、大雨警報、洪水警報を優先順位3とし、大雨注意報、洪水注意報を優先順位4としている。これにより、大雨特別警報が発表されていた区画の解析が最も早く行われることになる。
図15は、土地利用用途を状態値として用いる場合の優先情報の一例を示している。図15に示した例では、土地利用用途が住宅である場合を優先順位1とし、土地利用用途が幹線道路である場合を優先順位2とし、土地利用用途が森林、河川であり住宅からの距離が一定値未満の場合を優先順位3としている。また、図15に示した例では、土地利用用途が農地の場合を優先順位4とし、土地利用用途が森林、河川であり住宅からの距離が一定値以上の場合を優先順位5としている。図15に示した例では、土地利用用途だけでなく、住宅からの距離も優先順位の定義に使用している。このような場合には、優先順位決定部14は、区画Rの土地利用用途が森林、河川であった場合、ステップS13で、住宅から区画Rまでの距離も算出する。例えば、優先順位決定部14は、状態情報と区画位置情報とを用いて、対象地域内の住宅の領域と区画Rとのうちの最小値を住宅から区画Rまでの距離として算出する。
図16は、予測される被害レベルを状態値として用いる場合の優先情報の一例を示している。図16では、被害レベルの数値は、数値が大きいほど被害レベルが大きいことを示している。図16では、被害レベルが浸水深であった場合の対応例も括弧内に例示している。図16に示すように、例えば、被害レベル3は、予測浸水深がHm以上の場合であり、被害レベル2は予測浸水深がHm以上Hm未満の場合であり、被害レベル1は、予測浸水深がHm未満の場合である。図16に示すように、被害レベルが大きいほど優先されるように優先順位が定められている。
図17は、人口などの統計情報を状態値として用いる場合の優先情報の一例を示している。図17では、高齢者の割合、すなわち全年代の人口に占める高齢者人口の割合を、%を単位として示した値を、段階に分けており、段階ごとに優先順位を定めている。図17に示した例では、高齢者の割合が70%以上の場合を優先順位1とし、高齢者の割合が50%以上70%未満である場合を優先順位2とし、高齢者の割合が10%以上50%未満の場合を優先順位3としている。なお、高齢者の割合のかわりに高齢者人口自体を状態値として用いてもよい。
図18は、道路の種別を状態値として用いる場合の優先情報の一例を示している。図18は、第1次緊急輸送道路、第2次緊急輸送道路および第3次緊急輸送道路が定められている場合の優先情報の一例を示している。第1次緊急輸送道路は最も対応を優先されるべき道路であり、第2次緊急輸送道路は第1次緊急輸送道路の次に対応を優先されるべき道路であり、第3次緊急輸送道路は第2次緊急輸送道路の次に対応を優先されるべき道路である。図18に示した例では、第1次緊急輸送道路を優先順位1とし、第2次緊急輸送道路を優先順位2とし、第3次緊急輸送道路を優先順位3とし、孤立危険度の高い地域へ繋がる道路を優先順位4としている。
図19は、河川または池の水位の計測値を状態値として用いる場合の優先情報の一例を示している。図19に示した例では、水位が氾濫危険水位を超えている地域を優先順位1とし、水位が避難判断水位を超えている地域を優先順位2とし、水位が氾濫注意水位を超えている地域を優先順位3としている。
また、各道路の位置を状態情報として用いてもよい。例えば、道なりに一定方向に対応を順次行うことができるように、1つの道路に対応する区画が複数存在する場合には、これらのどちらかの端となる区画を高優先とし、隣接する区画が順次解析されるように優先順位を定めてもよい。
また、解析の内容によって、どのような区画を優先すべきかが異なるため、同じ状態値を用いる場合でも解析の内容によって優先情報の内容も異なる場合がある。この場合、優先順位2の場合には、解析が行われなくてもよい。
また、ダムの制御情報を状態情報として用いる場合、例えば、異常洪水時防災操作が行われている川の流域を優先順位1とし、流入量が放流量を上回る川の流域を優先順位2とし、通常の洪水調整が行われている川の流域を優先順位3とする。異常洪水時防災操作は、洪水調整の際に貯水位が洪水時最高水位を超えることが予測されるときに行う操作であり、緊急放流が行われる。異常洪水時防災操作が行われると、ダムに流入した量と同じ量の水を放流することになるため、その時の降雨量によっては、下流に災害が発生する可能性が高くなる。
以上述べた優先情報は、一例であり、上記に例示した状態値以外を用いる場合にも同様に、解析の内容に応じて優先情報が設定される。
図6の説明に戻り、ステップS13の後、優先順位決定部14は、i=nであるか否かを判断する(ステップS14)。nは、ステップS3で分割が行われた際の分割数である。i=nである場合(ステップS14 Yes)、優先順位決定部14はステップS4の処理を終了する。i=nでない場合(ステップS14 No)、優先順位決定部14は、iに1加算し(ステップS15)、ステップS12からの処理を実施する。
図20は、図6に示した処理により決定された各区画の優先順位の一例を示す図である。図20に示した例では、状態値として土地利用用途を用い、図5に示した区画R〜R20のそれぞれを、図15に示した優先情報に基づいて順位付けしたものである。例えば、区画Rは、土地利用用途が森林であり、住宅からの距離Bが一定値未満であるため、優先順位3となる。同じく区画Rは、土地利用用途が森林であり、住宅からの距離Bが一定値未満であるため、優先順位3となる。なお、区画Rが、異なる複数の状態値の領域を含む場合がある。例えば、図7に示した区画Rは、住宅の領域と森林の領域とを含む。このような場合、優先順位決定部14は、これらの複数の状態値のうち、最も高優先のものすなわち優先順位の数値の最も小さいものを、優先順位として用いてもよいし、これらの複数の状態値にそれぞれ対応する複数の優先順位の平均値などを用いてもよい。また、優先順位決定部14は、これらの複数の状態値にそれぞれ対応する複数の優先順位を、領域の面積に応じて重み付けをした後に、重み付け後の値の平均値を、優先順位として求めてもよい。図20に示した例では、区画Rが、異なる複数の状態値の領域を含む場合、最も高優先のものすなわち優先順位の数値の最も小さいものを、優先順位として用いている。したがって、住宅の領域と、森林の領域とを含む区画Rの優先順位は、住宅に対応する優先順位である1に決定される。
図21は、図6に示した処理により決定された各区画の優先順位の別の一例を示す図である。図21に示した例では、状態値として、予測される被害レベルを用い、区画R〜R20のそれぞれを、図16に示した優先情報に基づいて順位付けしたものである。状態値として他の情報を用いる場合にも、同様に、優先情報に基づいて優先順位が決定される。なお、全ての状態値に優先順位を定めておく必要はない。例えば、状態値として土地利用用途を用いる場合、住宅を優先順位1とし、幹線道路を優先順位2として、その他の土地利用用途に関しては優先順位を定めなくてもよい。この場合、優先順位が定められていない土地利用用途の区画の優先順位は、優先順位が定められている土地利用用途のうち最も優先度の低い優先順位より後の優先順位となる。なお、優先順位を定めない区画は解析を行わないことにしてもよい。また、優先順位が定められた順位以下の区画は解析を行わないことにしてもよい。
以上のように、本実施の形態の解析装置1は、センサ情報を複数の区画に分割し、複数の区画のそれぞれの状態値に基づいて、センサ情報の解析の優先順位を決定し、決定した優先順位に基づいてセンサ情報を解析するようにした。このため、解析の内容に応じて定められた優先順位に基づいて、センサ情報を解析することができる。これによって、解析装置1は、センサ情報の解析結果が災害対応に用いられる場合、災害対応で優先すべき区画の解析結果を速やかに提示することができる。また、優先順位の低い区画を処理を行わないようにすると、コンピュータのリソースを抑制することができる。
実施の形態2.
次に、本発明にかかる実施の形態2の解析処理について説明する。本実施の形態の解析装置1の構成は実施の形態1の解析装置1と同様である。本実施の形態では、状態情報取得部12における処理と、優先情報記憶部15に記憶されている優先情報と、優先順位決定部14における処理とが実施の形態1と異なる。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明し、実施の形態1と重複する説明を省略する。
実施の形態1では、状態情報として、1種類の情報を用いる例を説明した。本実施の形態では、解析装置1は、複数の種別の状態情報を用いて優先順位を決定する。本実施の形態の解析処理の全体処理は、ステップS1とステップS4を除いて、図3に示した処理と同様である。本実施の形態のステップS1では、状態情報取得部12は、複数の種別の状態値を示す複数の状態情報をそれぞれに対応する状態情報提供装置3から取得し、取得した複数の種別の状態情報を、処理情報記憶部13に格納する。例えば、状態情報取得部12は、土地利用用途を示す状態情報と、人口などの統計情報を示す状態情報と、予測される被害レベルを示す状態情報と、緊急輸送における重要度を示す道路の種別を示す状態情報とを処理情報記憶部13に格納する。また、本実施の形態では、ステップS4の処理である優先順位決定処理の内容が実施の形態1と異なる。
図22は、本実施の形態の優先順位決定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。ステップS11は実施の形態1と同様である。ステップS11の後、優先順位決定部14は、状態値の種別ごと、すなわち状態情報の種別ごとに、区画Rに対応する状態値を取得する(ステップS21)。詳細には、優先順位決定部14は、処理情報記憶部13に記憶されている種別の異なる複数の状態情報を用いて、状態値の種別ごとに、区画Rに対応する状態値を取得する。例えば、土地利用用途を示す状態情報、予測される被害レベルを示す状態情報、高齢者割合を示す状態情報、道路種別を示す状態情報および1時間降水量を示す状態情報を用いる。処理情報記憶部13には、これら5つの種別の状態情報が格納されているとする。優先順位決定部14は、5種の状態情報に基づいて、区画Rに対応する5つの状態値を取得する。
次に、優先順位決定部14は、区画Rに関して、予め定めた優先情報に基づいて状態値の種別ごとの評価値を決定する(ステップS22)。図23は、本実施の形態の優先情報の一例を示す図である。本実施の形態の優先情報は、状態値の種別ごとの、状態値と解析の優先度を示す評価値との対応を示す。ここでは、評価値は、値が大きいほど優先度が高いことを示すこととする。例えば、図23に示した例では、土地利用用途に関しては、住宅は評価値が10であり、幹線道路は評価値が7であり、住宅からの距離が一定値未満の森林、河川は評価値が5であり、農地は評価値が3であり、住宅からの距離が一定値以上の森林、河川は評価値が1である。図23に示した優先情報は、一例であり、状態値の種別、および評価値は、図23に示した例に限定されない。
例えば、図7に示した例では、区画Rは住宅からの距離が一定値未満の森林である。このため、図23に示した優先情報を用いると、区画Rの土地利用用途の評価値は5となる。また、区画Rの予測される被害レベルが被害レベル1であるとすると、区画Rの予測される被害レベルの評価値は1となる。また、区画Rは、高齢者割合および道路種別については、優先情報で定義されていない値であるとする。このように、優先情報に定義されていない値である場合、優先順位決定部14は、当該属性に対応する評価値を0とする。区画Rが、1つの種別の状態値に関して、異なる複数の状態値の領域を含む場合、優先順位決定部14は、これらの複数の状態値のうち、最も評価値の高いものを区画Rの評価値としてもよいし、複数の状態値にそれぞれ対応する複数の評価値の平均値などを用いてもよい。例えば、図7に示した区画Rは、住宅の領域と森林の領域とを含む。このような場合、優先順位決定部14は、住宅の評価値10と、住宅からの距離が一定値未満の森林の評価値5とのうち大きい方の値である10を区画Rの評価値としてもよいし、評価値10と評価値5の平均値である7.5を区画Rの評価値としてもよい。また、優先順位決定部14は、複数の状態値にそれぞれ対応する面積に応じて、これらの評価値に重み付けを行って評価値を求めてもよい。
図22の説明に戻る。ステップS22の後、優先順位決定部14は、状態値の種別ごとの評価値を用いて区画Rの総合評価値を決定する(ステップS23)。総合評価値は、状態値の種別ごとの評価値の総和または平均値であってもよいし、状態値の種別ごとの評価値の重み付け平均値であってもよい。優先順位決定部14は、状態値の種別ごとの重み付け平均値を算出する場合、予め定められた状態値の種別の重みを対応する評価値に乗算し、重みを乗算した後の評価値の平均値を、総合評価値として求める。状態値の種別の重みは、優先度の高い状態値ほど値が大きくなるように定められる。
ステップS14,S15は、実施の形態1と同様である。ステップS14でYesの場合、優先順位決定部14は、総合評価値を用いて区画R〜Rの優先順位を決定し(ステップS24)、優先度決定処理を終了する。図24は、本実施の形態の優先順位決定処理により決定された優先順位の一例を示す図である。図24に示すように、区画ごとに、複数の種別の状態値のそれぞれの評価値が上述したステップS22で決定される。図24に示した例では、状態値の種別ごとの評価値の総和を総合評価値としている。図24に示した例では、区画R〜Rのそれぞれに対応する総合評価値は、それぞれ11,21,24,16,9である。総合評価値は優先度が高いほど大きな値となるため、優先順位決定部14は、総合評価値の大きい順に優先順位を1から順に割り当てる。すなわち、優先順位決定部14は、総合評価値が最大となる区画の優先順位を1とし、以下総合評価値の大きい順に、優先順位を2,3,・・・と順に割り当てる。図24に示した例では、区画R〜Rの優先順位は、それぞれ10,2,1,3,12である。なお、図24における優先順位の値が連続していないのは、区画R〜R20のうちの区画R〜Rを図示しているためである。なお、複数の区画の総合評価値が同一の場合には、優先順位を同じ数値としてもよいし、なんらかの基準により総合評価値が同一のものの優先順位を異ならせるようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態では、優先順位決定部14は、状態値の種別ごとに、状態情報を用いて複数の区画のそれぞれに対応する状態値を求め、求めた状態値と優先情報とを用いて評価値を決定する。そして、優先順位決定部14は、状態値の種別ごとの評価値を用いて、複数の区画のそれぞれの優先順位を決定する。
なお、上述した例では、優先順位決定部14が、5つの種別の属性を示す4つの状態情報を用いて優先順位を決定する例を説明したが、優先順位を決定するには、2つ以上の種別の状態情報が用いられればよい。例えば、状態情報は、地理的位置と土地利用用途との対応を示す情報、地理的位置と人口に関する統計情報との対応を示す情報、地理的位置と災害発生前に予測された被害レベルとの対応を示す情報、地理的位置と緊急輸送における重要度を示す道路の種別との対応を示す情報、気象に関する観測情報、河川または池の水位の計測情報および津波情報のうち2つ以上を含む。優先順位決定部14は、これら以外の種別の状態情報を用いてもよい。
なお、以上説明した例では、優先度が高いほど評価値が大きくなるようにしたが、優先度が低いほど評価値が大きくなるように、評価値を設定してもよい。優先順位決定部14は、この場合も、上記の例と同様に総合評価値を求め、総合評価値の低い順に、優先順位を1から順に割り当てることになる。
以上のように、本実施の形態では、解析装置1が、区画ごとに、対応する複数の種別の状態値を求め、複数の種別の状態値に基づいて、各区画の優先順位を決定するようにした。このため、本実施の形態の解析装置1では、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、多様な要素を考慮した適切な優先順位を設定することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 解析装置、2 センサ情報提供装置、3 状態情報提供装置、11 センサ情報取得部、12 状態情報取得部、13 処理情報記憶部、14 優先順位決定部、15 優先情報記憶部、16 解析部。

Claims (20)

  1. センサの観測によって得られたセンサ情報を取得するセンサ情報取得部と、
    地理的位置と当該地理的位置の状態を示す状態値との対応を示す状態情報を提供する状態情報提供装置から前記状態情報、を取得する状態情報取得部と、
    前記センサ情報と前記状態情報との位置合わせを実施し、前記センサ情報に対応する観測領域を複数の区画に分割し、前記状態情報を用いて前記複数の区画のそれぞれに対応する状態値を求め、求めた状態値を用いて前記複数の区画のそれぞれの解析の優先順位を決定する優先順位決定部と、
    前記優先順位に基づいて、前記センサ情報を前記区画ごとに解析する解析部と、
    を備えることを特徴とする解析装置。
  2. 前記解析は、前記センサ情報を用いて災害前後で変化した領域を抽出する処理であることを特徴とする請求項1に記載の解析装置。
  3. 前記センサは、人工衛星または航空機に搭載されることを特徴とする請求項1または2に記載の解析装置。
  4. 前記センサは、合成開口レーダを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の解析装置。
  5. 状態値と優先順位との対応を示す優先情報を記憶する優先情報記憶部、
    を備え、
    前記優先順位決定部は、前記求めた状態値と前記優先情報とを用いて前記優先順位を決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の解析装置。
  6. 前記状態情報は、地理的位置と土地利用用途との対応を示す情報であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の解析装置。
  7. 前記状態情報は、気象に関する観測情報または予測情報であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の解析装置。
  8. 前記状態情報は、地理的位置と人口に関する統計情報との対応を示す情報を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の解析装置。
  9. 前記状態情報は、地理的位置と全年代の人口に占める高齢者人口の割合との対応を示す情報を含むことを特徴とする請求項8に記載の解析装置。
  10. 前記状態情報は、地理的位置と災害発生前に予測された被害レベルとの対応を示す情報を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の解析装置。
  11. 前記状態情報は、地理的位置と緊急輸送における重要度を示す道路の種別との対応を示す情報を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の解析装置。
  12. 状態値の種別ごとに、状態値と前記解析の優先度を示す評価値との対応を示す優先情報を記憶する優先情報記憶部、
    を備え、
    前記状態情報取得部は、複数の種別の状態値をそれぞれ示す複数の前記状態情報を取得し、
    前記優先順位決定部は、状態値の種別ごとに、前記状態情報を用いて前記複数の区画のそれぞれに対応する状態値を求め、求めた状態値と前記優先情報とを用いて評価値を決定し、状態値の種別ごとの前記評価値を用いて、前記複数の区画のそれぞれの前記優先順位を決定することを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載の解析装置。
  13. 前記優先順位決定部は、前記複数の区画のそれぞれについて、状態値の種別ごとの前記評価値の平均値を算出し、前記平均値を用いて前記複数の区画のそれぞれの前記優先順位を決定することを特徴とする請求項12に記載の解析装置。
  14. 前記優先順位決定部は、前記複数の区画のそれぞれについて、状態値の種別ごとの前記評価値の重み付け平均値を算出し、前記重み付け平均値を用いて前記複数の区画のそれぞれの前記優先順位を決定することを特徴とする請求項12に記載の解析装置。
  15. 複数の前記状態情報は、地理的位置と土地利用用途との対応を示す情報、地理的位置と人口に関する統計情報との対応を示す情報、地理的位置と災害発生前に予測された被害レベルとの対応を示す情報、地理的位置と緊急輸送における重要度を示す道路の種別との対応を示す情報、気象に関する観測情報、河川または池の水位の計測情報および津波情報のうち2つ以上を含むことを特徴とする請求項12から14のいずれか1つに記載の解析装置。
  16. 前記センサ情報取得部は、複数の前記センサにそれぞれ対応する複数の前記センサ情報を取得し、
    前記解析部は、複数の前記センサ情報を用いて前記解析を行うことを特徴とする請求項1から15のいずれか1つに記載の解析装置。
  17. 前記解析部は、前記優先順位が高優先であることを示す前記区の前記センサ情報ほど先に解析することを特徴とする請求項1から16のいずれか1つに記載の解析装置。
  18. 前記解析部は、前記優先順位の高い順に、前記センサ情報を前記区画ごとに解析して出力することを前記複数の区画に対応する前記センサ情報の解析が終了するまで繰り返すことを特徴とする請求項1から17のいずれか1つに記載の解析装置。
  19. 前記状態情報は、降水量の観測値、風速の観測値および降雪量の観測値のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1から18のいずれか1つに記載の解析装置。
  20. 解析装置が、
    センサの観測によって得られたセンサ情報を取得するセンサ情報取得ステップと、
    地理的位置と当該地理的位置の状態を示す状態値との対応を示す状態情報を提供する状態情報提供装置から前記状態情報、を取得する状態情報取得ステップと、
    前記センサ情報と前記状態情報との位置合わせを実施し、前記センサ情報に対応する観測領域を複数の区画に分割し、前記状態情報を用いて前記複数の区画のそれぞれに対応する状態値を求め、求めた状態値を用いて前記複数の区画のそれぞれの解析の優先順位を決定する優先順位決定ステップと、
    前記優先順位に基づいて、前記センサ情報を前記区画ごとに解析する解析ステップと、
    を含むことを特徴とする解析方法。
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