JP6948490B1 - ピッチ系極細炭素繊維、及びピッチ系極細炭素繊維分散体 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明のピッチ系極細炭素繊維は、官能基を導入するために硝酸や硫酸などの強酸を使用しないので、環境への負担が少ない。
本発明のピッチ系極細炭素繊維は、例えば以下の方法により製造することができる。
即ち、(1)熱可塑性樹脂100質量部とメソフェーズピッチ1〜150質量部とからなる組成物を溶融状態で成形することにより前記メソフェーズピッチを繊維化して樹脂複合繊維を得る繊維化工程と、
(2)前記樹脂複合繊維に窒素酸化物を含む酸化性気体を接触させて安定化するとともに酸化反応の過程で、メソフェーズピッチに窒素原子が導入された樹脂複合安定化繊維を得る安定化工程と、
(3)前記樹脂複合安定化繊維から前記熱可塑性樹脂を除去して安定化繊維を得る熱可塑性樹脂除去工程と、
(4)前記安定化繊維を不活性雰囲気下において500℃以上1700℃未満で加熱して前記窒素原子の一部を離脱させるとともに炭素繊維を得る加熱焼成工程と、
を含む。
先ず、熱可塑性樹脂内にメソフェーズピッチが分散して成るメソフェーズピッチ組成物を調製する。調製方法としては、熱可塑性樹脂とメソフェーズピッチとを溶融状態において混練する方法を挙げることができる。混練温度としては、熱可塑性樹脂とメソフェーズピッチとが溶融状態であれば特に制限されないが、100〜400℃であることが好ましい。熱可塑性樹脂とメソフェーズピッチとの混練割合としては、熱可塑性樹脂100質量部に対してメソフェーズピッチが通常1〜150質量部である。
本発明のピッチ系極細炭素繊維は、窒素原子を含有するものである。含有するとは、X線光電子分光法(XPS)により測定した窒素原子の含有量が0.00原子%を超えることを意味する。本発明のピッチ系極細炭素繊維は、窒素原子の含有量が1.00原子%以下である。窒素原子の含有量が1.00原子%以下であることにより、ピッチ系極細炭素繊維は、水への親和性が高く、水系溶媒に対して優れた分散性を有する。窒素原子の含有量は、多いほど水系溶媒への分散性が良好である。また、後述の実施例でも示されるように、窒素原子の含有量が1.00原子%以下であれば、導電性が損なわれ難い。窒素原子の含有量は、好ましくは0.05〜0.80原子%であり、より好ましくは0.10〜0.50原子%であり、さらにより好ましくは0.20〜0.45原子%である。
本発明のピッチ系極細炭素繊維は、平均繊維径が100nm超900nm以下である。100nm以下であると、嵩密度が非常に小さくハンドリング性に劣り、製造工程安定性も低くなる。900nmを超えると、樹脂複合化繊維の安定化の効率が低下し、生産性が低下する。平均繊維径は、800nm以下であることが好ましく、600nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることがさらに好ましく、400nm以下であることがさらにより好ましく、300nm以下であることが特に好ましい。また、平均繊維径は、110nm以上であることが好ましく、120nm以上であることがより好ましく、150nm以上であることがさらに好ましく、200nm以上であることがさらに好ましく、200nmを超えることが特に好ましい。
本発明のピッチ系極細炭素繊維は、真密度が1.95〜2.20g/cm3である。真密度は、ピッチ系極細炭素繊維の黒鉛化が発達して結晶性が高くなるほど高くなる。真密度が上記範囲であることにより、優れた導電性を有するとともに、脆さがなく比較的柔軟で繊維が折れにくい適度な結晶性を有する。真密度としては、2.00g/cm3以上が好ましい。真密度の上限値としては、2.15g/cm3以下が好ましく、2.12g/cm3を超えないことがより好ましく、2.10g/cm3以下がさらに好ましい。真密度は、例えば、炭素化/黒鉛化工程における焼成温度を調整することにより制御することができる。
本発明のピッチ系極細炭素繊維の平均繊維長は、5μm以上100μm以下であることが好ましい。平均繊維長が5μm未満である場合、取扱い性が低下し易い。また、平均繊維長が100μm超の場合、個々の炭素繊維の分散性が損なわれ易いため、水系溶媒に対する分散性が低くなる場合がある。平均繊維長は、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることがさらに好ましく、10〜28μmであることが特に好ましい。
本発明のピッチ系極細炭素繊維の平均アスペクト比、すなわち、平均繊維長(L)と平均繊維径(D)との比(L/D)は30以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、50以上であることが特に好ましい。平均アスペクト比の上限値は1000であり、800以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましい。平均アスペクト比を30以上1000以下とすることにより、水への分散性が良好となる。平均アスペクト比が大きすぎると、水分散性が低くなる傾向がある。平均アスペクト比が小さすぎると、静電気的な引力が高まり、繊維同士がからみやすくなる傾向がある。
平均アスペクト比は、主に、メソフェーズピッチ組成物の溶融紡糸条件を調整することにより制御することができる。
本発明のピッチ系極細炭素繊維は、適度な導電性を有する。例えば、充填密度0.5g/cm3で充填した際の粉体体積抵抗率が0.10Ω・cm以下であることが好ましく、0.08Ω・cm以下であることがより好ましい。下限値は特に限定されないが、一般的には0.0001Ω・cm程度である。
本発明のピッチ系極細炭素繊維は、広角X線測定により測定した隣接するグラファイトシート間の距離(d002)が0.3400nm以上であることが好ましく、0.3410nm以上がより好ましく、0.3420nm以上がさらに好ましく、0.3430nm以上がさらにより好ましく、0.3430nmを超えることが特に好ましい。また、導電性の点で、d002は0.3470nm以下が好ましく、0.3450nm以下であることがより好ましい。d002が0.3400nm以上の場合、炭素繊維が脆くなり難い。そのため、用途に応じた取り扱い時や加工時(例えば水系溶媒中でスラリーを作成するなどの加工時)に、繊維が折損し難く、繊維長が保持される。
本発明のピッチ系極細炭素繊維は、特に限定されるものではないが、実質的に分岐を有さない直線構造であることが好ましい。分岐とは、炭素繊維の主軸が中途で枝分かれしていることや、炭素繊維の主軸が枝状の副軸を有することをいう。実質的に分岐を有さない直線構造とは、炭素繊維の分岐度が0.01個/μm以下であることを意味する。なお、分岐構造を有する炭素繊維としては、例えば、触媒として鉄などの金属の存在下、高温雰囲気中でベンゼン等の炭化水素を気化させる気相法によって製造した気相成長炭素繊維(例えば、昭和電工社製VGCF(登録商標))が知られている。通常、VGCFには金属触媒が残存しており、実質的に中空で分岐構造を有する。
また、本発明のピッチ系極細炭素繊維は、表面は実質的に平滑であり、また中実な形状を有している。
ここで、本発明に用いられるピッチ系極細炭素繊維の分岐度は、電界放射型走査電子顕微鏡によって倍率5,000倍にて撮影した写真図から測定された値を意味する。
本発明のピッチ系極細炭素繊維は、金属元素を実質的に含有しない。実質的にとは、金属元素の含有率が合計で50ppm以下であることを意味する。本発明において、金属元素の含有率とは、Li、Na、Ti、Mn、Fe、Ni及びCoの合計含有率を意味する。特に、Feの含有率は5ppm以下であることが好ましく、3ppm以下であることがより好ましく、1ppm以下であることがさらに好ましい。本発明のピッチ系極細炭素繊維は金属元素を実質的に含有しないので、微量の金属が存在することによる悪影響を及ぼすことがない。
本発明のピッチ系極細炭素繊維分散体は、上記ピッチ系極細炭素繊維と水とを含んで成る。かかる炭素繊維は、水中における分散性が良好である。この分散体には、水以外の溶媒を水に溶解する状態で含んでいてもよく、また、例えば、カルボキシルメチルセルロース(CMC)等の界面活性剤を少量含んでもよい(この溶媒を「水系溶媒」ともいう。)。
本発明のピッチ系極細炭素繊維分散体は、上記ピッチ系極細炭素繊維を0.0001〜20質量%で含んでいることが好ましい。
(炭素繊維の形状確認)
繊維径は、卓上電子顕微鏡(日本電子株式会社製、型式NeoScope JCM−6000)を用いて観察及び写真撮影を行い、得られた電子顕微鏡写真から無作為に500箇所以上を選択して測定した。それらすべての測定結果(n=500以上)の平均値を炭素繊維の平均繊維径とした。
繊維長は、画像解析粒度分布計(ジャスコインターナショナル株式会社製、型式IF−200nano)を用いて測定し、炭素繊維集合体の個数基準による平均値を平均繊維長とした。
さらに、平均繊維長と平均繊維径から平均アスペクト比を算出した。
X線回折測定はリガク社製RINT−2100を用いてJIS R7651法に準拠し、格子面間隔(d002)および結晶子大きさ(Lc)を測定した。
窒素及び炭素、酸素の含有量は、XPS(Thermo Scientific社 K−Alpha、 X線源;Al−Kαモノクロ(1486.7eV)、X線スポットサイズ;200μm、Flood Gun on、真空度;<5x10−8mbar、検出角0度、測定;元素測定 Narrow Scan N1s、C1s、O1s)を用いて測定した(単位:原子%(atm%))。
真密度は、ヘリウムガスを用いた気体置換型ULTRAPYCNOMETER 1000(Quantachrome instruments社製)を用いて測定した。
粉体体積抵抗率の測定は、粉体抵抗システムMCP−PD51(ダイヤインスツルメンツ社製)を用いて0.25〜2.50kNの荷重下で四探針方式の電極ユニットを用いて測定した。充填密度が0.5g/cm3時の体積抵抗率の値とした。
溶媒としてはカルボキシルメチルセルロース(CMC)を0.25質量%添加した水を用い、試料を0.005質量%の濃度に混合し、ミックスローターの振盪数80rpmで1時間攪拌後の分散性を目視で評価した。評価は試料が沈殿した場合を×とし、分散状態が維持されている場合を○とした。
キノリン不溶分を除去した軟化点80℃のコールタールピッチをNi−Mo系触媒存在下、圧力13MPa、温度340℃で水添し、水素化コールタールピッチを得た。この水素化コールタールピッチを常圧下、480℃で熱処理した後、減圧して低沸点分を除き、メソフェーズピッチを得た。このメソフェーズピッチを、フィルターを用いて温度340℃でろ過を行い、ピッチ中の異物を取り除き、精製されたメソフェーズピッチを得た。
熱可塑性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(EXCEED(登録商標)1018HA、ExxonMobil社製、MFR=1g/10min)60質量部、及び参考例1で得られたメソフェーズピッチ(メソフェーズ率90.9%、軟化点303.5℃)40質量部を同方向二軸押出機(東芝機械(株)製「TEM−26SS」、バレル温度300℃、窒素気流下)で溶融混練してメソフェーズピッチ組成物を調製した。
次いで、このメソフェーズピッチ組成物を溶融紡糸機により、直径が0.2mm、導入角60°である円形口金を用いて繊維径90μmの長繊維に成形した。口金温度は360℃、1紡糸孔当たりの吐出量は16.8g/口金/時間、吐出線速度と引取り速度との比率であるドラフト比は5であった。
この炭素繊維集合体は乾式ジェットミルを用いて解砕処理を行い、ピッチ系極細炭素繊維を得た。この炭素繊維の平均繊維径は300nm、平均繊維長は15μm、平均アスペクト比が50であった。分岐構造は観察されなかった。
得られたピッチ系極細炭素繊維の窒素含有量、真密度、体積抵抗率、d002及びLcを測定した。結果を表1に示す。
また、水分散性の評価結果を図1に示す。
黒鉛化温度を1500℃とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ピッチ系極細炭素繊維を得た。結果を、表1及び図1に示した。この炭素繊維の平均繊維径は300nm、平均繊維長は15μm、平均アスペクト比が50であった。分岐構造は観察されなかった。
黒鉛化温度を1700℃とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ピッチ系極細炭素繊維を得た。結果を表1及び図1に示した。この炭素繊維の平均繊維径は300nm、平均繊維長は15μm、平均アスペクト比が50であった。分岐構造は観察されなかった。
黒鉛化温度を1000℃とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ピッチ系極細炭素繊維を得た。結果を表1に示した。この炭素繊維の平均繊維径は300nm、平均繊維長は15μm、平均アスペクト比が50であった。分岐構造は観察されなかった。
黒鉛化温度を3000℃とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ピッチ系極細炭素繊維を得た。結果を表1に示した。この炭素繊維の平均繊維径は300nm、平均繊維長は15μm、平均アスペクト比が50であった。分岐構造は観察されなかった。なお、図示しないが、比較例1と同様、分散性は×であった。
比較参考例1では、実施例1のピッチ系極細炭素繊維に変わり、炭素材料として気相成長炭素繊維(VGCF(登録商標):Vapor Growth Carbon Fiber)を使用した。この炭素繊維の平均繊維径は150nm、平均繊維長は7.5μm、平均アスペクト比は50であった。分岐構造を有していた。結果を表1及び図1に示した。
表1から分かる通り、実施例1,2に示したように、焼成温度が1300℃及び1500℃の黒鉛化処理を行うと、不融化反応に用いた窒素酸化物に由来する窒素原子が炭素繊維中に0.27〜0.50atm%の範囲内で含有した。
表1から分かるように、実施例1,2における真密度は2.04〜2.10g/cm3であり、窒素原子を含有していない炭素材料(比較例1、比較例3、比較参考例1)に比べて低くなった。しかし、窒素原子含有量に関わらず、体積抵抗率は同程度を示した。また、結晶性が低いにも関わらず、導電性が良好であった。
また、図1に示すように、実施例1及び実施例2の炭素繊維は、比較例1の炭素繊維よりも、水系溶媒への分散性が優れることがわかる。
比較例2は窒素原子を炭素繊維中に1.10atm%含有しており、水系溶媒への分散性は優れるものの、体積抵抗値が高く導電性が低かった。
Claims (5)
- 窒素原子を含有するピッチ系極細炭素繊維であって、平均繊維径が100nm超900nm以下であり、X線光電子分光法(XPS)により測定した当該窒素原子の含有量が1.00原子%以下であり、かつ真密度が1.95〜2.20g/cm3であることを特徴とする、ピッチ系極細炭素繊維。
- 平均アスペクト比が30以上である、請求項1に記載のピッチ系極細炭素繊維。
- 広角X線測定により測定した隣接するグラファイトシート間の距離(d002)が0.3400nm以上である、請求項1又は2に記載のピッチ系極細炭素繊維。
- X線回折法で測定したグラフェン(網平面群)の厚さ(Lc)が30nm以下である、請求項1又は2に記載のピッチ系極細炭素繊維。
- 請求項1に記載のピッチ系極細炭素繊維と水とを含有する、ピッチ系極細炭素繊維分散体。
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