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JP6948357B2 - 熱可塑性組成物 - Google Patents

熱可塑性組成物 Download PDF

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JP6948357B2 JP2019051084A JP2019051084A JP6948357B2 JP 6948357 B2 JP6948357 B2 JP 6948357B2 JP 2019051084 A JP2019051084 A JP 2019051084A JP 2019051084 A JP2019051084 A JP 2019051084A JP 6948357 B2 JP6948357 B2 JP 6948357B2
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Description

本発明は、熱可塑性組成物に関する。
熱可塑性組成物は、所定の温度以上に加熱することによって、溶融させることができる。このことから、例えば、成形加工温度で溶融可能な熱可塑性組成物は、成形加工時に溶融させて、周知の樹脂成形法で成形することができ、成形用材料として利用することができる。また、熱可塑性組成物は、所定の温度以上で溶融するという性質を利用した接着剤、すなわちホットメルト接着剤等としても利用することができる。このような熱可塑性組成物としては、例えば、特許文献1に記載のホットメルト接着剤組成物が挙げられる。
特許文献1には、アクリルブロックコポリマーを含んでなり、前記アクリルブロックコポリマーが接着剤組成物の質量に基づいて約50質量%より少ない量で組成物中に存在する、ホットメルト接着剤組成物が記載されている。
特開2004−204231号公報
熱可塑性組成物は、接着剤等として利用する場合、上述したように、加熱によって溶融させて利用するので、溶剤を特に必要としない。このように無溶剤であるため、フィルム同士を貼り合わせる際にも、熱可塑性組成物は好ましく用いられる。例えば、異なる機能を有するフィルムを貼り合わせて、多機能なフィルム積層体を製造する際に、熱可塑性組成物は用いられる。また、このような多機能なフィルム積層体には、例えば、有機薄膜を利用したデバイス等も挙げられる。
有機薄膜を利用したデバイスとして、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)及び有機薄膜太陽電池等が注目されている。有機薄膜太陽電池は、蒸着等によって電極上に薄膜状に積層された有機物質(有機薄膜)に、光を照射することによって発電する原理を利用した有機デバイスである。有機薄膜を利用することで、シリコン系太陽電池より薄くて柔軟な太陽電池となり、広い範囲での応用が期待されている。また、有機EL素子は、互いに対向する一対の電極間に有機発光材料層である有機薄膜が挟持された積層体構造を有し、この有機発光材料層に一方の電極から電子が注入されるとともに他方の電極から正孔が注入されることにより有機発光材料層内で電子と正孔とが結合して発光する。このように、有機EL素子は、自己発光を行うことから、バックライトを必要とする液晶表示素子等と比較して視認性がよく、薄型化が可能であり、しかも直流低電圧駆動が可能であるという利点を有している。
一方で、有機薄膜を利用したデバイスは、水分等により、有機薄膜等が変質して、デバイスが奏する機能が低下するという問題がある。そこで、有機薄膜を利用したデバイスには、内部に水分等の侵入を防ぐことが求められている。さらに、有機EL素子には、例えば、折り曲げることが可能な素子が開発されている。このような有機EL素子には、デバイス内部への水分等の侵入を防ぐために、ガラス基材を用いるのではなく、屈曲可能なフレキシブルな基材と、ガスバリア性を有するフィルムとを貼り合わせたフィルム積層体が用いられることがある。このような貼り合わせの際にも、熱可塑性組成物が用いられる。すなわち、熱可塑性組成物を、有機EL素子及び有機薄膜太陽電池等の、有機薄膜を利用したデバイスの封止に用いることができる。
従来の熱可塑性組成物、例えば、特許文献1に記載のホットメルト接着剤組成物では、水分等がデバイス内に侵入するのを充分に防ぐことができない場合があった。このため、有機薄膜を利用したデバイスの封止に用いる熱可塑性組成物、具体的には、有機薄膜を利用したデバイスにおける、フィルム同士の貼り合わせ等に用いる熱可塑性組成物として、従来のホットメルト接着剤を用いると、上記の問題が発生するおそれがある。すなわち、水分等により、有機薄膜等が変質して、デバイスが奏する機能が低下するという問題が発生するおそれがある。本発明者等の検討によれば、粘着性に優れるだけではなく、吸湿性にも優れた熱可塑性組成物を用いることで、上記のような問題の発生を抑制することができることを見出した。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、粘着性だけではなく、吸湿性にも優れた熱可塑性組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。
本発明の一態様に係る熱可塑性組成物は、熱可塑性ポリマーと、粘着付与剤と、吸湿性フィラーとを含み、前記吸湿性フィラーの平均粒子径が、10μm以下であることを特徴とする。
このような構成によれば、吸湿性及び粘着性に優れた熱可塑性組成物を提供することができる。
また、前記熱可塑性組成物において、前記吸湿性フィラーが、ゼオライト、モレキュラーシーブ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、及び酸化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
このような構成によれば、吸湿性及び粘着性により優れた熱可塑性組成物を提供することができる。
また、前記熱可塑性組成物において、前記吸湿性フィラーの含有量が、前記熱可塑性組成物100質量部に対して、0.5〜40質量部であることが好ましい。
このような構成によれば、吸湿性及び粘着性により優れた熱可塑性組成物を提供することができる。
また、前記熱可塑性組成物において、前記熱可塑性ポリマーは、分子中にアクリル酸アルキルエステル単位を含む重合体、分子中にメタクリル酸アルキルエステル単位を含む重合体、及び共役ジエン系化合物とビニル系芳香族炭化水素との共重合体のうちの少なくとも一方であることが好ましい。
このような構成によれば、吸湿性及び粘着性により優れた熱可塑性組成物を提供することができる。
本発明によれば、粘着性だけではなく、吸湿性にも優れた熱可塑性組成物を提供することができる。
有機薄膜を利用したデバイスの封止等に用いられる熱可塑性組成物には、以下のようなことから、比較的大きなフィラーを含有させることが検討されてきた。
有機薄膜を利用したデバイスにおいて、水分等により有機薄膜等が変質して、デバイスが奏する機能が低下するという上記問題の発生を抑制するためには、前記有機薄膜等を覆ったり、前記部材同士を接着させて封止する際に用いる熱可塑性組成物の、水分等の透過性を低下させることが考えられる。このことから、有機薄膜を利用したデバイスの封止等に用いられる熱可塑性組成物も、水分等の透過性を低下させることが考えられる。水分等の透過性を低下させる手法として、例えば、熱可塑性組成物に、フィラーを添加することによって、水分がフィラーを迂回して透過させて、単位時間あたりの透過量を低下させること等が考えられる。このような場合、水分をより好適に迂回させて、水分等の透過性をより低下させるために、フィラーとして比較的大きなものを用いることが考えられる。
本発明者等は、熱可塑性組成物において、フィラーとして、吸湿性フィラーを用いることによって、水分等の透過性を低下させるだけではなく、吸湿性を高めることに着目した。上述のことから、本発明者等は、吸湿性フィラーも比較的大きなフィラーを用いることを検討したが、比較的大きな吸湿性フィラーを用いると、粘着性が低下するだけではなく、吸湿性も低下することを見出した。本発明者等の検討によれば、平均粒子径が10μm以下の吸湿性フィラーを用いることによって、粘着性だけではなく、吸湿性にも優れた熱可塑性組成物が得られることを見出した。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る熱可塑性組成物は、熱可塑性ポリマーと、粘着付与剤と、吸湿性フィラーとを含む。前記吸湿性フィラーは、平均粒子径が、10μm以下である。
このような熱可塑性組成物は、熱可塑性ポリマーを含み、さらに、粘着付与剤を含むことによって、粘着性を発揮することができる。すなわち、前記熱可塑性組成物は、加熱により溶融させて、接着対象物である被着体に塗布し、溶融された熱可塑性組成物を介して、被着体同士を接触させた状態で保持することにより、被着体同士を接着させることができる。また、前記熱可塑性組成物は、平均粒子径が10μm以下の吸湿性フィラーを含むことによって、粘着性の低下を抑制しつつ、吸湿性を発揮することができる。すなわち、吸湿性及び粘着性に優れた熱可塑性組成物が得られる。そして、この熱可塑性組成物は、常温で固形(固体)であり、加熱することで流動性を有し、接着対象物である被着体に塗布することができ、塗布後、冷却することで固化し、被着体同士を接着することができる接着剤、いわゆるホットメルト接着剤として用いることができる。また、前記熱可塑性組成物は、有機薄膜を利用したデバイスにおいて、前記有機薄膜等を覆ったり、前記部材同士を接着させて封止する際に用いることができる。有機薄膜を利用したデバイスにおける有機薄膜を、前記熱可塑性組成物で封止することによって、水分等により有機薄膜等が変質することによる、デバイスが奏する機能の低下の発生を抑制することができる。
このことは、以下のことによると考えられる。
まず、前記熱可塑性組成物は、上述したように、熱可塑性ポリマーを含み、さらに、粘着付与剤を含むことによって、粘着性を発揮することができる。そして、前記熱可塑性組成物は、吸湿性フィラーを含むことによって、吸湿性を高めることができると考えられる。一方で、本発明者等の検討によれば、大きすぎる吸湿性フィラーを含ませると、好適な接着剤層が形成できず、粘着性を高めることができないだけではなく、吸湿性も充分に高めることができなかった。これに対して、熱可塑性組成物に含有される吸湿フィラーとして、平均粒子径が10μm以下の吸湿性フィラーを用いると、好適な接着剤層が形成でき、粘着性の低下を抑制できると考えられる。また、平均粒子径が10μm以下の吸湿性フィラーであれば、透過する水分等との接触面積が増え、吸湿性も高めることができると考えられる。これらのことから、平均粒子径が10μm以下の吸湿性フィラーを含むことによって、吸湿性及び粘着性に優れた熱可塑性組成物が得られると考えられる。
本実施形態において用いられる熱可塑性ポリマーは、特に限定されない。前記熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ホットメルト接着剤を構成する成分として用いられる熱可塑性ポリマー、より具体的には、ホットメルト接着剤の主成分であるベースポリマーとして用いられる熱可塑性ポリマー等が挙げられる。前記熱可塑性ポリマーとしては、具体的には、エラストマー系、オレフィン系、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)系、ポリエステル系、ポリアミド系、及びポリアクリル系の熱可塑性ポリマーが挙げられる。この中でも、本実施形態においては、前記エラストマー系の熱可塑性ポリマー及び前記ポリアクリル系の熱可塑性ポリマーが好ましい。
前記ポリアクリル系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、ポリアクリル系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されない。前記ポリアクリル系の熱可塑性ポリマーとしては、アクリル酸アルキルエステル単位及びメタクリル酸アルキルエステル単位等を分子中に含む重合体等が挙げられ、具体的には、分子中にアクリル酸アルキルエステル単位を含む重合体、分子中にメタクリル酸アルキルエステル単位を含む重合体、及びアクリル酸アルキルエステル単位及びメタクリル酸アルキルエステル単位を分子中に含む重合体等が挙げられる。また、前記ポリアクリル系の熱可塑性ポリマーとしては、アクリル酸アルキルエステル単位及びメタクリル酸アルキルエステル単位以外に、アクリル酸単位やメタクリル酸単位を含む重合体であってもよい。前記ポリアクリル系の熱可塑性ポリマーとしては、より具体的には、ポリアクリル酸エステル、及びポリメタクリル酸エステル等が挙げられる。
前記エラストマー系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、エラストマー系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されず、例えば、共役ジエン化合物に基づく構成単位(共役ジエン単位)を有する重合体である共役ジエン系重合体等が挙げられる。また、エラストマー系の熱可塑性ポリマーとしては、具体的には、共役ジエン系化合物とビニル系芳香族炭化水素との共重合体である熱可塑性ブロック共重合体等が挙げられる。すなわち、前記熱可塑性ポリマーとして、このような熱可塑性ブロック共重合体が好ましく用いられる。
前記共役ジエン系化合物は、少なくとも一対の共役二重結合を有するジオレフィン化合物であれば、特に限定されない。共役ジエン系化合物としては、具体的には、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、及び1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。
前記ビニル系芳香族炭化水素は、ビニル基を有する芳香族炭化水素であれば、特に限定されない。ビニル系芳香族炭化水素としては、具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセン等が挙げられる。
前記共役ジエン系重合体としては、水素添加した水素添加型の共役ジエン系共重合体であってもよいし、水素添加していない非水素添加型の共役ジエン系共重合体であってもよい。
前記熱可塑性ポリマーとしては、前記熱可塑性ブロック共重合体が好ましく、その具体例としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、スチレン−イソプレンブロックコポリマー、水素添加されたスチレン−ブタジエンブロックコポリマー、及び水素添加されたスチレン−イソプレンブロックコポリマー等が挙げられる。また、これらの共重合体は、ABA型トリブロック共重合体を含む。スチレン−ブタジエンブロックコポリマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)等が挙げられる。また、スチレン−イソプレンブロックコポリマーとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)等が挙げられる。また、水素添加されたスチレン−ブタジエンブロックコポリマーとしては、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)等が挙げられる。また、水素添加されたスチレン−イソプレンブロックコポリマーとしては、例えば、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)等が挙げられる。
前記オレフィン系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、オレフィン系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されない。また、前記オレフィン系の熱可塑性ポリマーとしては、例えば、チーグラー・ナッタ触媒やシングルサイト触媒で重合した常温で固体のポリオレフィン系化合物等が挙げられる。前記オレフィン系の熱可塑性ポリマーとしては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分を含むエチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体、エチレンまたはプロピレンとビニル化合物などとのランダム共重合体、ブロック共重合体、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ホモポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・ア−ブテン共重合体、1−ブテン単独重合体、1−ブテン・エチレン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。前記オレフィン系の熱可塑性ポリマーとしては、例えば、上記例示した化合物の中でも、α−オレフィン等のオレフィン(アルケン)をモノマーとして重合されたオレフィン系ポリマー等が好ましい。前記オレフィン系ポリマーとしては、具体的には、ポリα−オレフィンポリマー等が挙げられる。ポリα−オレフィンポリマーとしては、より具体的には、アモルファス−ポリα−オレフィンポリマー(APAO)、及びプロピレンの単独重合体(プロピレンホモポリマー)等が好ましい。プロピレンホモポリマーとしては、より具体的には、メタロセン触媒を用いてプロピレンを重合して得られたプロピレンホモポリマー等が好ましい。
前記EVA系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、EVA系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されず、例えば、エチレンと酢酸ビニルから合成される共重合体等が挙げられる。
前記ポリエステル系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、ポリエステル系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されない。ポリエステル系の熱可塑性ポリマーとしては、例えば、モノマーとしてダイマー酸を用いて重合されたポリエステル等が挙げられる。
前記ポリアミド系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、ポリアミド系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されず、例えば、ポリアミド等が挙げられる。
上述したような熱可塑性ポリマーを含有させることによって、常温で固形(固体)であり、加熱することで流動性を有する熱可塑性組成物となる。このような熱可塑性組成物は、優れた粘着性等を発揮することができる。
前記熱可塑性ポリマーとしては、上記例示の熱可塑性ポリマーを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記熱可塑性ポリマーの重量平均分子量は、熱可塑性ポリマーの種類等によっても異なり、特に限定されないが、例えば、1万〜50万であることが好ましく、5万〜30万であることがより好ましい。熱可塑性ポリマーの分子量が小さすぎると、凝集力が低下し、また経時安定性が低下する傾向がある。また、熱可塑性ポリマーの分子量が大きすぎると、溶融粘度が上昇して塗工性が低下する傾向がある。なお、ここでの重量平均分子量は、一般的な測定方法で測定した重量平均分子量であればよく、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した重量平均分子量等が挙げられる。
本実施形態において用いられる粘着付与剤は、特に限定されない。前記粘着付与剤としては、例えば、ホットメルト接着剤に一般的に用いられる粘着付与剤等が挙げられる。前記粘着付与剤としては、より具体的には、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂、及びα−メチルスチレン樹脂等が挙げられる。
前記ロジン系樹脂としては、例えば、ガムロジン、トールロジン及びウッドロジン等の天然ロジン、不均斉化ロジン、重合ロジン、これらのロジンエステル(ロジンのグリセリンエステル及びペンタエリスリトールエステル等)等が挙げられる。また、このロジン系樹脂は、上記各ロジン系樹脂を、水素添加していないものであってもよいし、水素添加したもの、すなわち、上記ロジン系樹脂の水素添加物(水素化物)であってもよい。
前記テルペン系樹脂としては、テルペン樹脂、炭化水素変性テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、及びフェノール系変性テルペン樹脂等が挙げられる。また、このテルペン系樹脂は、上記各テルペンを、水素添加していないものであってもよいし、水素添加したもの、すなわち、上記テルペン系樹脂の水素添加物(水素化物)であってもよい。また、テルペン系樹脂としては、芳香族変性テルペン樹脂水素化物、芳香族変性テルペン樹脂、テルペン樹脂水素化物が好ましく、芳香族変性テルペン樹脂水素化物がより好ましい。
前記石油系樹脂としては、例えば、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、及びこれらの水素添加物(水素化物)等が挙げられる。また、石油系樹脂水素化物としては、脂肪族系石油樹脂水素化物、脂環族系石油樹脂水素化物、及び芳香族系石油樹脂水素化物が好ましい。また、脂環族系石油樹脂水素化物としては、例えば、水添C9石油樹脂、及び水添ジシクロペンタジエン系石油樹脂等が挙げられる。
前記粘着付与剤としては、上記例示の粘着付与剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において用いられる吸湿性フィラーは、平均粒子径が10μm以下の吸湿性フィラーであれば、特に限定されない。ここで吸湿性フィラーとは、空気中の水分を取り込む性能(吸湿性)を有するフィラーであり、例えば、温度25℃、相対湿度60%RHの条件下に、吸湿性フィラーを24時間、放置したとき、吸湿性フィラーが、空気中の水分を取り込んで、5質量%以上増量するフィラー等が挙げられる。また、前記吸湿性フィラーは、温度25℃、相対湿度60%RHの条件下に、吸湿性フィラーを24時間、放置したときの質量増加分が、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。
前記吸湿性フィラーとしては、例えば、ゼオライト、モレキュラーシーブ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、及び酸化マグネシウム等が挙げられる。また、前記吸湿性フィラーとしては、上記例示の吸着性フィラーを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記吸湿性フィラーは、その平均粒子径が10μm以下であり、1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。前記吸湿性フィラーが大きすぎると、上述したように、熱可塑性組成物の粘着性が低下するだけではなく、熱可塑性組成物の吸湿性も低下する傾向がある。また、前記吸湿性フィラーは、小さいほうが好ましいが、実際には、0.01μm程度が限界である。例えば、ゼオライトやモレキュラーシーブの場合、その構造を維持するためにも、0.01μm程度が限界である。このことから、前記吸湿性フィラーは、その平均粒子径が0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることが好ましく、0.01〜0.5μmであることがより好ましい。
なお、前記吸湿性フィラーの平均粒子径としては、例えば、体積平均粒子径等が挙げられる。また、この平均粒子径は、例えば、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)等を用いて測定することができる。電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)としては、具体的には、株式会社日立ハイテクノロジーズ製のSU9000等が挙げられる。
前記吸湿性フィラーは、そのアスペクト比が1〜100であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。前記吸湿性フィラーのアスペクト比が低いほど、前記熱可塑性組成物中における前記吸湿性フィラーの分散性を高めることができると考えられる。このことから、前記吸湿性フィラーのアスペクト比はある程度低いことが好ましい。
前記アスペクト比は、無作為に採取した吸湿性フィラーを走査型顕微鏡で観察し、得られた画像から、吸湿性フィラーの最大長径と、最大長径に直交する幅とを測定し、これらから算出することができる。
前記熱可塑性組成物において、前記熱可塑性ポリマー、前記粘着付与剤、及び吸湿性フィラーの各含有量は、本発明の目的とする所望の特性を阻害しない範囲であれば、特に限定されない。前記各含有量としては、例えば、以下のような範囲が挙げられる。
前記熱可塑性ポリマーの含有量は、前記熱可塑性組成物100質量部に対して、10〜80質量部であることが好ましく、20〜70質量部であることがより好ましく、20〜60質量部であることがさらに好ましい。前記熱可塑性ポリマーの含有量が少なすぎると、凝集力が不足する傾向がある。また、前記熱可塑性ポリマーの含有量が多すぎると、溶融粘度が上昇して、塗工性が低下する傾向がある。なお、この含有量は、熱可塑性組成物全量に対しての含有量である。
前記粘着付与剤の含有量が、前記熱可塑性組成物100質量部に対して、10〜80質量部であることが好ましく、20〜70質量部であることがより好ましく、30〜70質量部であることがさらに好ましい。前記粘着付与剤の含有量が少なすぎると、粘着力が低下し、接着強度が低下する傾向がある。また、前記粘着付与剤の含有量が多すぎると、柔軟性や可撓性を喪失し、応力分散性が低下して保持力が低下する傾向がある。なお、この含有量は、熱可塑性組成物全量に対しての含有量である。
前記吸着性フィラーの含有量は、前記熱可塑性組成物100質量部に対して、0.5〜40質量部であることが好ましく、1〜30質量部であることがより好ましく、1〜20質量部であることがさらに好ましい。前記吸着性フィラーの含有量が少なすぎると、前記吸着性フィラーを添加した効果、すなわち、吸湿性が低下する傾向がある。また、前記吸着性フィラーの含有量が多すぎると、例えば、粘着性が低下する等、粘着性に優れた熱可塑性組成物が得らにくい傾向がある。なお、この含有量は、熱可塑性組成物全量に対しての含有量である。
本実施形態に係る熱可塑性組成物には、本発明の目的とする所望の特性を阻害しない範囲で、前記熱可塑性ポリマー、前記粘着付与剤、及び前記吸湿性フィラー以外の成分を含有してもよい。前記熱可塑性組成物には、具体的には、軟化剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、充填材、界面活性剤、カップリング剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、ワックス、及び可塑剤等の添加剤を含有してもよい。
前記軟化剤は、特に限定されないが、例えば、ホットメルト接着剤に一般的に用いられる軟化剤等が挙げられる。前記軟化剤としては、例えば、鉱物油類、合成油類、植物油類、及び脂肪酸エステル類等のオイル等が挙げられる。
前記鉱物油類としては、具体的には、プロセスオイル、及び流動パラフィン等が挙げられる。プロセスオイルとは、ゴムや熱可塑性エラストマー等の可塑剤として一般的に用いられるオイルであり、いわゆる石油精製等において生産されるオイルである。プロセスオイルは、一般に、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖を含む混合物であって、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルとに大別される。プロセスオイルは、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものをパラフィン系、ナフテン環炭素数が30%以上を占めるものをナフテン系、芳香族炭素数が30%以上を占めるものを芳香族系と区別している。パラフィン系プロセスオイルとしては、炭素数4〜155のパラフィン系化合物、好ましくは炭素数4〜50のパラフィン系化合物が挙げられる。前記パラフィン系プロセスオイルとしては、具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタデコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコンタン、ドトリアコンタン、ペンタトリアコンタン、ヘキサコンタン、及びヘプタコンタン等のn−パラフィン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、ネオヘキサン、2,3−ジメチルブタン、各種メチルヘキサン、3−エチルペンタン、各種ジメチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン、3−メチルヘプタン、各種ジメチルヘキサン、各種トリメチルペンタン、イソノナン、2−メチルノナン、イソデカン、イソウンデカン、イソドデカン、イソトリデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、イソオクタデカン、イソナノデカン、イソエイコサン、及び4−エチル−5−メチルオクタン等のイソパラフィン、これらの飽和炭化水素の誘導体等が挙げられる。選択されるこれらのパラフィン系化合物は、混合物で用いることができ、室温で液状である。
前記合成油類としては、具体的には、室温で液状である、リン酸エステル、塩素化パラフィン、エチレン−α−オレフィンオリゴマー、ポリブテン、低分子量ポリブタジエン、ポリイソプレン、及びその水素添加物等が挙げられる。
前記植物油類としては、具体的には、オリーブ油、カルナウバロウ、米胚芽油、コーン油、サザンカ油、ツバキ油、ヒマシ油、ホホバ種子油、及びユーカリ葉油などが挙げられる。
前記脂肪酸エステル類としては、具体的には、ミリスチル酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリイソオクタン酸グリセリン、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、サリチル酸エチレングリコール、及びジステアリン酸グリコール等が挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、及びリン系酸化防止剤等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。有機硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が挙げられる。リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、及びトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、上記例示した酸化防止剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ワックスは、特に限定されず、例えば、ホットメルト接着剤に含有されるワックス等が挙げられる。前記ワックスとしては、例えば、合成ワックス、石油ワックス、及び天然ワックス等が挙げられる。また、合成ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックス等の、ポリオレフィンワックス等が挙げられる。石油ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びペトロラタム等が挙げられる。天然ワックスとしては、例えば、モンタンワックス、木ロウ、カルバナロウ、ミツロウ、及びカスターワックス等が挙げられる。これらのワックスは、上記例示したワックスを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る熱可塑性組成物を製造する方法としては、上記構成の熱可塑性組成物を製造することができる製造方法であれば、特に限定されない。前記熱可塑性組成物を製造する方法としては、例えば、熱可塑性組成物を構成する成分を加熱溶融し、攪拌混練する方法等が挙げられる。そうすることによって、熱可塑性組成物を構成する成分の分散性の高い熱可塑性組成物が得られる。また、この方法を実現する装置としては、例えば、加熱装置を備えた、攪拌混練機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、及び押出機等が挙げられる。
前記熱可塑性組成物は、上述したように、ホットメルト接着剤として、用いることができる。前記熱可塑性組成物を用いた接着方法は、ホットメルト接着剤を用いた接着方法として用いることができる方法であれば、特に限定されない。ホットメルト接着剤を用いた接着方法としては、例えば、ホットメルト接着剤を、加熱によって溶融させる。そして、その溶融状態のホットメルト接着剤を接着対象物である被着体に塗布する。この塗布されたホットメルト接着剤に、もう一方の被着体を接触させた状態で放置することで、このホットメルト接着剤が冷却し、固化される。この固化されたホットメルト接着剤が、被着体同士を接着させる。ホットメルト接着剤を塗布する方法は、ホットメルト接着剤を被着体に好適に塗布できれば、特に限定されない。この塗布方法としては、例えば、接触塗布方法と非接触塗布方法とに大別される。接触塗布方法とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、塗工機等の、塗布に用いる装置を被着体に接触させた状態で塗布する塗布方法をいう。また、非接触塗布方法とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、塗工機等を被着体に接触させない状態で塗布する塗布方法をいう。接触塗布方法としては、例えば、スロット塗工(ノードソン株式会社製のスロットコートガン等)及びロールコーター塗工等が挙げられる。また、非接触塗布方法として、例えば、螺旋状に塗布できるスパイラル塗工(株式会社サンツール製のスパイラルスプレーノズル等)、波状に塗布できるスプレー塗工(ITWダイナテック株式会社製のオメガコート等)、面状に塗布できるスプレー塗工(株式会社サンツール製のカーテンスプレーヘッド等)、点状に塗工できるドット塗工等が挙げられる。本実施形態に係るホットメルト接着剤は、スパイラル塗工に適している。スパイラル塗工とは、間欠または連続塗工で接着剤をエアーでらせん状に非接触塗布する方法である。
前記熱可塑性組成物は、有機薄膜を利用したデバイスにおいて、前記有機薄膜等を覆ったり、前記部材同士を接着させて封止する際に用いることができる。この封止方法としては、有機薄膜を利用したデバイスを封止することができる方法であれば、特に限定されない。前記封止方法としては、例えば、有機薄膜を利用したデバイスにおいて、前記熱可塑性組成物で前記有機薄膜等を覆う方法、及び前記有機薄膜を利用したデバイスを構成する部材同士を、前記熱可塑性組成物で接着させる方法等が挙げられる。また、この封止方法において、前記熱可塑性組成物を適用する方法は、前記ホットメルト接着剤を用いた接着方法と同様の方法を用いることができる。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
まず、本実施例において、熱可塑性組成物を調製する際に用いる各成分について説明する。
[熱可塑性ポリマー]
熱可塑性ポリマー1:アクリル酸アルキルエステル単位及びメタクリル酸アルキルエステル単位を分子中に含む重合体(株式会社クラレ製のKURARITY LA3320、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合体)
熱可塑性ポリマー2:アクリル酸アルキルエステル単位及びメタクリル酸アルキルエステル単位を分子中に含む重合体(株式会社クラレ製のKURARITY LA1114、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合体)
熱可塑性ポリマー3:共役ジエン系化合物とビニル系芳香族炭化水素との共重合体(日本ゼオン株式会社製のQuintac3433N、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS))
[粘着付与剤]
粘着付与剤1:ロジンエステル(クレイトン社製のシルバライトRE10L)
粘着付与剤2:α−メチルスチレン樹脂(クレイトン社製のシルバレスSA100)
粘着付与剤3:ロジンエステル(クレイトン社製のシルバライトRE100L)
[吸湿性フィラー]
ゼオライト1:体積平均粒子径が50nmのゼオライト(株式会社中村超硬製のZeoal 4A、アスペクト比1〜2)
ゼオライト2:体積平均粒子径が300nmのゼオライト(株式会社中村超硬製のZeoal 4A、アスペクト比1〜2)
モレキュラーシーブ:体積平均粒子径が10μmのモレキュラーシーブ(ユニオン昭和株式会社製のモレキュラーシーブ 13Xパウダー、アスペクト比1〜2)
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:体積平均粒子径が9μmのメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業株式会社製のノイシリン UFL2、アスペクト比1〜2)
酸化マグネシウム:体積平均粒子径が50nmの酸化マグネシウム(宇部マテリアルズ株式会社製のマグネシア 500A、アスペクト比1〜2)
ゼオライト3:体積平均粒子径が100μmのゼオライト(日東粉化工業株式会社製の日東ゼオライト #150、アスペクト比5〜10)
ゼオライト4:体積平均粒子径が200μmのゼオライト(日東粉化工業株式会社製の日東ゼオライト #70、アスペクト比5〜10)
[軟化剤]
軟化剤:オイル(コスモ石油ルブリカンツ株式会社製のコスモSP 52M)
[酸化防止剤]
酸化防止剤1:BASF社製のイルガノックス1010
酸化防止剤2:BASF社製のイルガフォス168
[熱可塑性組成物の製造方法]
上記各成分を、下記表1に示す配合量(組成:質量部)となるように、以下のような手順で混練して熱可塑性組成物を作成した。攪拌混練機中に、上記各成分を、下記表1に示す配合量(組成:質量部)となるように投入し、150〜190℃になるように加熱した状態で攪拌することによって、充分に溶融させた。そうすることで、熱可塑性組成物を製造した。
[評価]
(吸湿性)
以下のようにして、熱可塑性組成物の吸湿性を評価した。
まず、製造された熱可塑性組成物の質量(静置前の質量)を、天秤で測定した。その後、質量を測定した熱可塑性組成物を、温度25℃相対湿度60%RHの環境下に、1000時間静置した。静置後の熱可塑性組成物の質量(静置後の質量)を、天秤で測定した。測定した質量に基づいて、下記式から吸湿率を算出した。
吸湿率(質量%)=(静置後の質量−静置前の質量)/静置前の質量×100
吸湿率が1.5質量%より高ければ、吸湿性を「◎」と評価した。また、吸湿率が0.5質量%以上1.5質量%以下であれば、吸湿性を「○」と評価した。また、吸湿率が0.5質量%未満であれば、吸湿性を「×」と評価した。
(粘着性)
以下のようにして、熱可塑性組成物の粘着性を評価した。
フィルム基材として、アルミニウム箔とポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせた複合フィルム(東洋アルミニウム株式会社製のAl−PETフィルム)を用いた。えびの興産株式会社のロールコータを用いて、回転するロール上で熱可塑性組成物を溶融し、前記フィルム基材のアルミニウム(Al)側に、溶融した熱可塑性組成物を20μm厚で塗布した。この熱可塑性組成物を塗布したフィルム基材の熱可塑性組成物に、別途用意した前記複合フィルムのアルミニウム(Al)側が接触するように重ね合わせた。その後、重さ2kgのロールの荷重をかけた状態で、2往復させた後、ヒサゴ株式会社のラミネータを用いて、150℃の設定で、ラミネートした。室温(23℃)環境下で、ラミネートさせて積層体からフィルム基材を剥離するのに必要な力を、株式会社島津製作所製のオートグラフで測定した。この測定した平均試験力(N/25mm)を粘着力とした。
粘着力が3.0N/25mmより高ければ、粘着性を「◎」と評価した。また、粘着力が1.0N/25mm以上3.0N/25mm以下であれば、粘着性を「○」と評価した。また、粘着力が1.0N/25mm未満であれば、粘着性を「×」と評価した。
各評価結果を、熱可塑性組成物の配合量とともに、表1に示す。
Figure 0006948357
表1からわかるように、平均粒子径が10μm以下である吸湿性フィラーを含む熱可塑性組成物の場合(実施例1〜12)の場合は、吸湿性フィラーを含まない場合(比較例1)だけではなく、吸湿性フィラーを含むが、その平均粒子径が10μmを超える場合(比較例2〜5)の場合と比較しても、吸湿性及び粘着性が高い。

Claims (3)

  1. 熱可塑性ポリマーと、粘着付与剤と、吸湿性フィラーとを含み、
    前記吸湿性フィラーは、平均粒子径が50nm以下のゼオライトであることを特徴とする熱可塑性組成物。
  2. 前記吸湿性フィラーの含有量が、前記熱可塑性組成物100質量部に対して、0.5〜40質量部である請求項1に記載の熱可塑性組成物。
  3. 前記熱可塑性ポリマーは、分子中にアクリル酸アルキルエステル単位を含む重合体、分子中にメタクリル酸アルキルエステル単位を含む重合体、及び共役ジエン系化合物とビニル系芳香族炭化水素との共重合体のうちの少なくとも一方である請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性組成物。
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