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JP6935987B2 - 医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬組成物に関する。
アレルギー用薬として、ケミカルメディエーター遊離抑制薬や、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン拮抗薬等、様々なメカニズムを有する薬剤が知られている。これらのアレルギー用薬のうち、ロイコトリエン拮抗薬は、ペプチドロイコトリエン(ロイコトリエンC4、D4、E4)の受容体に拮抗的に働いて、ペプチドロイコトリエンの作用を抑え、抗炎症作用、気管支収縮抑制作用を示す薬剤である。ロイコトリエン拮抗薬としては、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト等が知られている。モンテルカストはナトリウム塩として、プランルカストは水和物として、錠剤等で用いられている(非特許文献1、2)。
また、アレルギー用薬のうち、抗ヒスタミン薬としては、古くから種々の薬剤が開発されている。第一世代抗ヒスタミン薬と呼ばれる薬剤では、脂溶性が高いため、血液脳関門を通過し、視床下部に鎮静的に作用することで眠気を引き起こす。このような眠気に関する副作用の少ない薬剤として、第二世代抗ヒスタミン薬が開発されており、特にフェキソフェナジンは、鎮静作用がほとんどなく、臨床において広く用いられている。フェキソフェナジンは主としてフェキソフェナジン塩酸塩として用いられている。
ところで、軟カプセル(ソフトカプセル)は、中身が液状のため、服用後比較的すばやく溶け、また、弾力性を有し、しかも味、臭いをマスキングすることもできるので服用しやすい製剤である。
軟カプセルは、通常、疎水性の液体を、軟カプセルに充填すること、具体的には、疎水性の液体を充填溶液として、主としてゼラチン等からなる皮膜(剤皮)で包み込み、一定の形状に成型することで製造される製剤である。従って、軟カプセルに充填する成分が親水性成分又は粉末成分等である場合には、親水性成分又は粉末成分等を油脂等の疎水性基剤(分散媒)中に懸濁した後に、カプセル皮膜に充填する必要がある。
また、界面活性剤は、疎水性基剤中に懸濁した油性担体を消化管内でエマルション化し、薬物の吸収を助けることが知られている(特許文献1)。
特開2003−261442号公報
「ロイコトリエン受容体拮抗薬 シングレア(登録商標)錠5mg、10mg、シングレア(登録商標)チュアブル錠5mg、シングレア(登録商標)細粒4mg」、医薬品インタビューフォーム、2015年2月(改定第31版) 「ロイコトリエン受容体拮抗薬 プランルカスト錠112.5mg「AFP」、225mg「AFP」、医薬品インタビューフォーム、2013年12月(第6版)
しかしながら、モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種を軟カプセルに充填する際に、これらの成分に対して、界面活性剤や多価アルコール等の溶解補助剤、又は疎水性基剤が安定性にどのような影響を与えるかは明らかにされていない。
本発明者らは、モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種に、溶解補助剤又は疎水性基剤の一方を添加することで、モンテルカスト若しくはプランルカスト又はそれらの塩の熱安定性又は光安定性が損なわれる場合があることを新たな課題として見出した。
そこで、本発明の目的は、モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種を含有しながら、安定性に優れた医薬組成物、特に軟カプセル等の固形製剤に適する医薬組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を鑑み、鋭意検討を行ったところ、(A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)非イオン性界面活性剤及び多価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種の溶解補助剤と、(C)疎水性基剤とを共存させることにより熱安定性及び/又は光安定性を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]
(A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種と、
(B)非イオン性界面活性剤及び多価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種の溶解補助剤と、
(C)疎水性基剤とを含有する医薬組成物;
[2]
更に、(D)フェキソフェナジン及びその塩を含有する前記[1]に記載の医薬組成物;
[3]
(C)疎水性基剤が油脂である、前記[1]又は[2]に記載の医薬組成物;
[4]
液状組成物である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の医薬組成物;
[5]
前記[1]〜[4]のいずれかに記載の医薬組成物をカプセル皮膜に充填してなる、カプセル剤;
[6]
(A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)非イオン性界面活性剤及び多価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種の溶解補助剤と、(C)疎水性基剤とを共存させることにより、(A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種を安定化する方法;
[7]
(A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)非イオン性界面活性剤及び多価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種の溶解補助剤と、(C)疎水性基剤とを共存させることを特徴とする固形製剤の製造方法;
等を提供するものである。
本発明の医薬組成物では、(A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)非イオン性界面活性剤及び多価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種の溶解補助剤と、(C)疎水性基剤とを共存させることにより、(B)成分又は(C)成分に起因する(A)成分の安定性の低下を改善させることができる。
(B)成分による(A)成分の熱安定性の低下に対する、本発明の医薬組成物の改善効果を示すグラフである。 (C)成分による(A)成分の光安定性の低下に対する、本発明の医薬組成物の改善効果を示すグラフである。
[医薬組成物]
本発明の医薬組成物は、
(A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種と、
(B)非イオン性界面活性剤及び多価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種の溶解補助剤と、
(C)疎水性基剤とを含有する。
[(A)成分]
(+)-1-[[[(R)-3-[(E)-2-(7-chloro-2-quinolyl)vinyl]-α-[2-(1-hydroxy-1-methylethyl)phenethyl]benzyl]thio]methyl]cyclopropaneacetic acid monosodium salt(一般名モンテルカストナトリウム)、及び4-oxo-8[4-(4--phenylbutoxy)benzoylamino]-2-(tetrazol-5-yl)-4H-1-benzopyran hemihydrate(一般名プランルカスト水和物)は、ともにロイコトリエン阻害薬として公知の化合物である。
モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種(本明細書において(A)成分ともいう)は、システイニルロイコトリエン1(CysLT1)受容体に拮抗的に作用し、ロイコトリエンの作用である平滑筋気管支の収縮、粘液分泌の増加、血管透過性の亢進等を抑制することから、気管支喘息やアレルギー性鼻炎の治療薬として用いられている。(A)成分は、市販品にて入手するか、公知の製造方法によって製造することができる。
(A)成分のうち、モンテルカスト又はプランルカストの塩としては、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容される塩であれば、特に制限されない。
本明細書において、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容される塩は、具体的には、有機酸塩、無機酸塩、有機塩基、又は無機塩基が挙げられる。有機酸塩としては、例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等のモノカルボン酸塩;フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等の多価カルボン酸塩;乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等のオキシカルボン酸塩;メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等の有機スルホン酸塩が例示される。無機酸塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩が例示される。有機塩基との塩としては、例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン、エチレンジアミン等の有機アミンとの塩が挙げられる。無機塩基との塩としては、例えば、アンモニウム塩;ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属、カルシウム又はマグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム等の金属との塩等の各種の塩が挙げられる。これらのモンテルカスト又はプランルカストの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。これらの塩には、塩の溶媒和物又は水和物を含んでいてもよい。限定はされないが、モンテルカストの薬学的に又は生理学的に許容される好ましい塩は、一ナトリウム塩であり、モンテルカストナトリウムとして公知である。また、モンテルカストナトリウムの水和物として、モンテルカストナトリウム水和物が公知である。
(A)成分のうち、モンテルカスト又はプランルカストの水和物としては、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容される水和物であれば、特に制限されない。プランルカストは、空気中の水分を吸収し、半水和物(1/2水和物、hemihydrate)の形態となるため、一般名プランルカスト水和物として公知である。このような水和物は、水和物の形態で市販されているものを用いることも可能であり、また製造又は購入した無水和物を、室温で1時間〜10時間程度放置することで水和物として得ることも可能である。
本発明の医薬組成物における(A)成分のうち、モンテルカスト、その塩、又はその水和物の用量(投与量)は、患者の状態(体重、年齢、症状、体調等)、及び本発明の医薬組成物の剤型等によって異なり得るが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、通常、本発明の医薬組成物において、1日あたりの投与量は、経口投与する場合、モンテルカストとして、約1〜100mg、より好ましくは、約2〜約50mg、さらに好ましくは、約3〜約20mg、特に好ましくは、約4〜約10mgである。
本発明の医薬組成物における(A)成分のうち、プランルカスト、その塩、又はその水和物の用量(投与量)は、患者の状態(体重、年齢、症状、体調等)、及び本発明の医薬組成物の剤型等によって異なり得るが、通常、本発明の医薬組成物において、1日あたりの投与量は、経口投与する場合、プランルカスト水和物として、約1〜600mg、より好ましくは、約5〜約550mg、さらに好ましくは、約50〜約500mg、特に好ましくは、約200〜約450mgである。
[(B)成分]
本発明の医薬組成物における(B)非イオン性界面活性剤及び多価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種の溶解補助剤(本明細書において(B)成分ともいう)は、(A)成分と共存することによって、(A)成分の安定性を低下させるという課題を生じる。一方、後述する(C)成分存在下においては、(C)成分による(A)成分の安定性低下を抑制(改善)する成分である。
本発明の医薬組成物において、(B)成分の含有量は、(A)成分の種類、他の成分の種類や量、医薬組成物の用途等に応じて適宜設定でき、限定はされないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、(B)成分の総量として、医薬組成物全量に対して、0.02〜50質量%、好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは0.5〜12質量%、特に好ましくは0.9〜10質量%とすることができる。
また、本発明の医薬組成物における(A)成分と(B)成分との配合比は、(A)成分の種類、他の成分の種類や量、医薬組成物の用途等に応じて適宜設定できるが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、(A)成分1重量部に対して、(B)成分が、0.001〜50質量部、好ましくは、0.045〜20質量部、より好ましくは、0.1〜15質量部、さらに好ましくは、2〜10質量部とすることができる。
本発明の医薬組成物における(B)成分のうち、非イオン性界面活性剤とは、当業者に一般に理解される通り、界面活性剤のうち親水基が非イオン性のものをいう。
本発明には、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り任意の非イオン性界面活性剤を用いることができ、例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEともいう。)−ポリオキシプロピレン(以下、POPともいう。)ブロックコポリマー(例えば、ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188等のポロクサマー);ポロキサミンなどのエチレンジアミンのPOE−POPブロックコポリマー付加物;モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノオレイン酸POE
(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、POEソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60)、POEソルビタントリステアレート(ポリソルベート65)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル;POE(5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油、POE(20)硬化ヒマシ油、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油などのPOE硬化ヒマシ油;POE(3)ヒマシ油、POE(10)ヒマシ油、POE(35)ヒマシ油などのPOEヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル;POE(20)POP(4)セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル;POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル;ステアリン酸ポリオキシル40などのモノステアリン酸ポリエチレングリコール;モノステアリン酸グリセリルなどのグリセリン脂肪酸エステル;セスキオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。なお、括弧内の数字はPOP又はPOEの平均付加モル数を示す。これらの非イオン性界面活性剤のうち、(A)成分と共存することによって、熱や光に対する(A)成分の安定性をより低下させるか、又は低下した安定性をより改善する等の本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、POEソルビタン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルが好ましく、ポリソルベート80、ポリソルベート65、ポリソルベート60、POE(60)硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリル及びセスキオレイン酸ソルビタンからなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ポリソルベート80及び/又はPOE(60)硬化ヒマシ油がさらに好ましい。これらの非イオン性界面活性剤は、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。非イオン性界面活性剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用することが出来る。
本発明において、非イオン性界面活性剤は、HLB値は特に限定されないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、7以上のものとするとより好ましい。HLB値とは、非イオン性界面活性剤の性質を評価するために当該分野で一般に用いられている値であり、親水性−親油性バランス(Hydrophile-Lipophile Balance)とも呼ばれる。HLB値は一般に分子全体に占める親水性部分の割合として求められ、HLB値が小さいものは親油性が高く、HLB値が高いものは親水性が高くなる傾向がある。
本発明で用いられる非イオン性界面活性剤のHLB値は、特に限定されないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、観点から7以上、好ましくはHLB10〜20、より好ましくはHLB12〜19.5、更に好ましくはHLB15〜18である。
本発明の医薬組成物における(B)成分のうち、多価アルコールとは、当業者に一般に理解される通り、その分子内に水酸基を2個以上有するアルコール類をいう。
本発明には、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り任意の多価アルコールを用いることができ、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(400、4000、6000)等の直鎖アルコール又はラクトース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、トレハロース等の糖アルコールなどが挙げられる。これらの多価アルコールのうち、(A)成分と共存することによって、熱や光に対する(A)成分の安定性をより低下させるか、又は低下した安定性をより改善する等の本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、直鎖アルコールが好ましく、グリセリン、ポリエチレングリコール及びエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、グリセリン、ポリエチレングリコールがさらに好ましく、グリセリンが特に好ましい。これらの多価アルコールは、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。多価アルコールは単独で又は二種以上組み合わせて使用することが出来る。
[(C)成分]
本発明の医薬組成物における(C)疎水性基剤(本明細書において(C)成分ともいう)は、(A)成分と共存することによって、(A)成分の安定性を低下させるという課題を生じる。一方、(B)成分存在下においては、(B)成分による(A)成分の安定性低下を抑制(改善)する成分である。
疎水性基剤とは、(A)成分及び(B)成分のうちの少なくとも一種、好ましくは(A)成分及び(B)成分の全てを分散させる疎水性の基剤である。ここで、「疎水性」とは、具体的には、当該「疎水性基剤」に対する水の溶解性が、10g/100g以下、好ましくは1g/100g以下、更に好ましくは0.1g/100g以下であることを意味する。この溶解性は、第16改正日本薬局方通則に記載の、溶解性の試験に準じて測定することができる。
本発明における疎水性基剤としては、特に限定されないが、50℃(好ましくは37℃、さらに好ましくは20℃)において液体であれば、通常軟カプセル剤の充填溶液に用いられる疎水性基剤として好ましい。
本発明には、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り任意の疎水性基剤を用いることができ、例えば、油脂類、ロウ類、炭化水素類等が挙げられる。
本明細書において、油脂とは、グリセリン骨格に脂肪酸がエステル結合した化合物、すなわちグリセリドが主成分であるものをいう。油脂類としては、限定はされないが、ヒマシ油、綿実油、大豆油、ツバキ油、オリブ油、ゴマ油、落下生油、トウモロコシ油、ココナッツ油、菜種油、小麦胚芽油、サフラワー油、硬化油、カカオ脂等の植物性油脂;ココナッツ油に水素添加し安定した豚脂、牛脂、乳脂、肝油等の動物性油脂;シリコン油等の鉱物性油脂;中鎖脂肪酸トリグリセリド等の機能性油脂等が挙げられる。
機能性油脂としては、限定はされないが、炭素数が2〜4個の短鎖脂肪酸、炭素数が5〜12個の中鎖脂肪酸、又は炭素数が12個より長鎖な脂肪酸がモノ〜デカグリセリンにエステル結合した化合物が挙げられる。短鎖脂肪酸としては、酪酸等が挙げられ、中鎖脂肪酸としては、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸等が挙げられ、長鎖脂肪酸としては、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。
本明細書において、ロウとは、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルをいう。ロウ類としては、限定はされないが、ミツロウ、サラシミツロウ、鯨ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等が挙げられる。
炭化水素類としては、限定はされないが、スクワレン、スクワラン、黄色ワセリン、白色ワセリン、重質流動パラフィン、軽質流動パラフィン、半流動パラフィン、流動イソパラフィン等が挙げられる。
これらの(C)成分のうち、(A)成分と共存することによって、熱や光に対する(A)成分の安定性をより低下させるか、又は低下した安定性をより改善する等本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、油脂であることが好ましく、機能性油脂及び/又は植物性油脂がより好ましく、トリグリセリドを含有する油脂がより好ましく、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トウモロコシ油、大豆油がさらに好ましく、中鎖脂肪酸トリグリセリドが特に好ましい。本明細書において、中鎖脂肪酸トリグリセリドとは、炭素数が4から12の脂肪酸のグリセリントリエステルをいい、大部分がそれらの炭素数の脂肪酸トリグリセリドからなる混合物を含む。限定はされないが、炭素数8(カプリル酸)や10(カプリン酸)等の脂肪酸トリグリセリドを主成分とするものが挙げられる。これらは、ヤシ油、パーム核油等を一旦加水分解してから精製し、再度化合して得られるものなどを使用することができる。
中鎖脂肪酸トリグリセリドの具体的な製品(商品名)としては、例えば、ミグリオール(ミツバ貿易社製)、ココナード(登録商標)(花王社製)、ODO(日清オイリオ社製)、パナセート(登録商標)(日本油脂社製)、TCG−M(高級アルコール工業社製)、アクター(理研ビタミン社製)、及びPALMESTER(PALM−OLEO社製)等が挙げられる。
これらの(C)成分は、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。(C)成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用することが出来る。
本発明の医薬組成物において、(C)成分は、好ましくは、透明な液体である。
本発明において、(C)成分の含有量は、(A)成分の種類、他の成分の種類や量、医薬組成物の用途等に応じて適宜設定できる。(C)成分の含有量は、限定はされないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、(C)成分の総量として、医薬組成物全量に対して、15〜99質量%、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40〜80質量%、特に好ましくは50〜70質量%とすることができる。
また、本発明の医薬組成物における(A)成分と(C)成分の配合比は、(A)成分の種類、他の成分の種類や量、医薬組成物の用途等に応じて適宜設定できるが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、(A)成分1質量部に対して、(C)成分が、0.1〜500質量部、好ましくは、1〜200質量部、より好ましくは、5〜150質量部、さらに好ましくは、30〜100質量部とすることができる。
また、本発明の医薬組成物における(B)成分と(C)成分の配合比は、(B)成分の種類、他の成分の種類や量、医薬組成物の用途等に応じて適宜設定できるが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、(B)成分1質量部に対して、(C)成分が、0.1〜500質量部、好ましくは、1〜100質量部、より好ましくは、5〜60質量部、さらに好ましくは、10〜20質量部とすることができる。
[(D)成分]
本発明の医薬組成物は、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、さらに(D)フェキソフェナジン及びその塩(以下、(D)成分ともいう)を含有してもよい。フェキソフェナジンは、2-(4-{(1RS)-1-Hydroxy-4-[4-(hydroxydiphenylmethyl) piperidin-1-yl]butyl}phenyl)-2methylpropanoic acid monohydrochlorideの一般名であり、抗ヒスタミン作用の他、メディエーター遊離抑制剤、炎症性サイトカイン遊離抑制剤及び好酸球遊走抑制作用を有することから、第2世代抗ヒスタミン薬として公知の化合物である。
(D)成分のうち、フェキソフェナジンの塩としては、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容される塩であれば、特に制限されないが、フェキソフェナジン塩酸塩として公知である。
本発明の医薬組成物に(D)成分を含有させる場合、(D)成分の用量(投与量)は、患者の状態(体重、年齢、症状、体調等)、及び本発明の医薬組成物の剤型等によって異なり得るが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、通常、1日あたりの経口投与量は、フェキソフェナジン塩酸塩として、約30〜240mg、より好ましくは、約60〜約120mg、さらに好ましくは約120mgである。
本発明の医薬組成物は、通常、1日1〜6回、好ましくは、1日1〜2回投与することができる。したがって、1回の投与のための本発明の医薬組成物は、上述の1日あたりの投与量を1日の投与回数で割った量を含有することが好ましい。
[生理活性成分]
本発明の医薬組成物は、本発明の効果が十分に奏される限りにおいて、他の成分(生理活性成分)を含有してもよい。
このような成分としては、例えば
抗ヒスタミン成分(例えば、イソチペンジル塩酸塩、イプロヘプチン塩酸塩、ジフェテロール塩酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩水和物、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、メトジラジン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、アリメマジン酒石酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩)、
副交感神経遮断成分(例えば、アトロピン、スコポラミン、ベラドンナ総アルカロイド、ベラドンナエキス、ヨウ化イソプロパミド、ダツラエキス、ロートエキスなど)、
交感神経興奮成分(例えばメチルエフェドリン、プソイドエフェドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、エチレフリン、メトキサミン、ミドドリン、メトキシフェナミンなど)、
消炎酵素類(例えば、リゾチーム、セラペプターゼ、ブロメライン、プロナーゼなど)、
生薬、及び生薬由来成分(例えば、ショウキョウ、カンゾウ、ニンジン、マオウ、ケイヒ、ケイガイ、サイシン、シンイ、ナンテンジツ、オウヒ、ビャクシ、ゼンコ、キキョウ、シャゼンシ、ゴオウ、ガジュツ、ビャクジュツ、ソウジュツ、ゲンチアナ、ウイキョウ、オンジ、オウバク、オウレン、チクセツニンジン、チンピ、チョウジ、セネガ、シャゼンソウ、シャジン、グリチルリチン酸など)、
キサンチン誘導体(例えば、カフェイン、テオフィリン、アミノフィリン、テオブロミン、ジプロフェイリン、プロキシフィリン、ペントキシフィリンなど)、
解熱鎮痛薬成分(例えば、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、サリチル酸ナトリウム、ラクチルフェネチジン、イブプロフェン、ケトプロフェン、チアラミド、アルミノプロフェン、ロキソプロフェンなど)、
鎮咳薬成分(例えば、アクロラミド、クロペラスチン、ペントキシベリン(カルベタペンタン)、チペピジン、ジブナート、デキストロメトルファン、コデイン、ジヒドロコデイン、ノスカピンなど)、
去痰薬(例えば、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシンなど)、
ビタミン類(例えば、ビタミンA類[例えば、レチナール、レチノール、レチノイン酸、カロチン、デヒドロレチナール、リコピンなど]、ビタミンB類[例えば、チアミン、チアミンジスルフィド、ジセチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、フルスルチアミン、リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ピリドキシン、ピリドキサール、ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン、デオキシアデノコバラミン、葉酸、テトラヒドロ葉酸、ジヒドロ葉酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチニルアルコール、パントテン酸、パンテノール、ビオチン、コリン、イノシトールなど]、ビタミンC類[例えば、アスコルビン酸、エリソルビン酸、又はその誘導体など]、ビタミンD類[例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロールなど]、ビタミンE類[例えば、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン誘導体など]、その他のビタミン類[例えば、ヘスペリジン、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロチン酸、ルチン、エリオシトリンなど]など)、及び
粘膜保護成分(例えば、アミノ酢酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩などのアルミニウム系粘膜保護剤;メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ヒドロタルサイト、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物などのマグネシウム系粘膜保護剤など)などが挙げられる。
これらの成分は、フリー体であっても、塩であってもよい。
[添加剤]
本発明の医薬組成物は、本発明の効果が十分に奏される限りにおいて、軟カプセル剤等に通常用いられる添加剤を含有してもよい。
このような添加剤としては、(B)成分以外の界面活性剤、懸濁化剤(例えば、アラビアゴム、アラビアゴム末、キサンタンガム、大豆レシチンなど)、乳化剤、安定化剤、緩衝剤、溶解補助剤及び酸化防止剤等を挙げることができる。
[剤型]
本発明の医薬組成物は、当業者に公知の方法に従って、固形製剤として種々の剤型に調製することができる。固形製剤の形状や大きさには特に限定はなく、例えば内服剤としては、錠剤[口腔内崩壊錠、チュアブル錠(咀嚼可能錠)、発泡錠、分散錠、溶解錠、フィルムコーティング錠、素錠及び糖衣錠等を含む]、カプセル剤[硬カプセル剤及び軟カプセル剤等を含む]、顆粒剤[発泡顆粒剤を含む]、散剤、粉末剤、細粒剤、丸剤、口腔用錠剤[トローチ剤、舌下錠、バッカル錠、付着錠及びガム剤等を含む]、フィルム剤、ドライシロップ剤、ゼリー剤、口腔用半固形剤、製菓剤[キャンディー(飴)、グミ剤及びヌガー剤等を含む]などの固形製剤が挙げられる。これらの固形製剤のなかでも、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、本発明の医薬組成物は、軟カプセル剤に好適に用いることができる。
本発明の医薬組成物を軟カプセル剤とする場合は、本発明の医薬組成物を軟カプセル皮膜に充填することにより調製することができ、充填内容物としては液状であることが好ましい。医薬組成物を液状組成物とした場合には、水性、油性等、液性には限定されないが、軟カプセル皮膜との親和性が求められる場合には油性液剤であることが好ましい。
本発明における「軟カプセル」としては、特に限定されず、軟カプセル剤に汎用されている軟カプセル皮膜、例えば、ゼラチンを主成分とする軟カプセル皮膜、あるいはカラギーナンとデンプンなどからなる軟カプセル皮膜を用いることができる。
[安定化方法]
本発明はまた、(A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)非イオン性界面活性剤及び多価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種の溶解補助剤と、(C)疎水性基剤とを共存させることにより、(A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種を安定化する方法に関する。(A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種の種類や量、(B)非イオン性界面活性剤及び多価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種の溶解補助剤の種類や量、(C)疎水性基剤の種類や量は、上記の[医薬組成物]の場合と同様である。
本発明において、安定化とは、長期の保存においても、熱又は光に対する安定性を有していることを意味する。具体的には、例えば、(A)成分を含有する医薬組成物をガラスヘッドスペースバイアルにて、70℃で7日間静置した後、保存前後における(A)成分の含有量を、実施例に記載の方法で液体クロマトグラフィーを用いて定量し、下記の式1に従い、分解率を算出することができる。この分解率が、限定はされないが、40%以内であることが好ましく、35%以内であることがより好ましく、35%以内であることがさらに好ましく、30%以内であることがさらに好ましく、25%以内であることがさらにより好ましく、20%以内であることが特に好ましく、15%以内であることが最も好ましい。
[製造方法]
本発明はまた、(A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)非イオン性界面活性剤及び多価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種の溶解補助剤と、(C)疎水性基剤とを共存させることを特徴とする固形製剤の製造方法に関する。(A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種の種類や量、(B)非イオン性界面活性剤及び多価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種の溶解補助剤の種類や量、(C)疎水性基剤の種類や量は、上記の[医薬組成物]の場合と同様である。また、固形製剤の種類等は、上記の[剤型]の記載と同様である。
本発明の医薬組成物は、例えば、(A)成分、(B)成分、(C)成分、所望により添加されるその他の成分、及び所望により添加される添加剤を、当該技術分野で慣用の方法により混合及び撹拌することにより製造される。
混合及び撹拌するための装置は、特に限定されず、例えば、市販のバイオミキサー、ホモジェッター等の高速撹拌機又は高速粉砕機を用いることができる。
本発明の医薬組成物を軟カプセル剤に調製する場合は、本発明の医薬組成物を、軟カプセル皮膜に充填することによって製造される。軟カプセル剤皮への充填方法は、特に限定されず、例えば、ロータリー法や、シームレス法などの公知の方法を採用することができる。
[適用]
本発明の医薬組成物は、(A)成分の投与が望まれている任意の疾患の治療のために用いることができ、例えば、気管支喘息、アレルギー性鼻炎等の用途に用いることができる。本発明の医薬組成物は、例えば、内服用(経口投与用)に用いることができる。
本発明の医薬組成物の投与量は、その形態、投与方法、投与目的及び当該組成物の投与対象者の年齢、体重、症状によって適宜設定され、一定ではない。また、本発明の医薬組成物の投与は、所望の投与量範囲内において、1日あたり単回で、又は数回に分けて行ってもよく、食前、食間、食後、又は食事と同時に投与されてもよい。なお、本明細書中の用語「投与」は、「服用」を包含することを意図して用いられる。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
試験例1 モンテルカストナトリウムの熱安定性
表1に従い、10mL容量のガラスヘッドスペースバイアルに各成分を秤りとって、スターラーで均一に混和した。なお、実施例1については、ダマ(溶け残り)ができるのを避けるため、粉末状のモンテルカストナトリウムを中鎖脂肪酸トリグリセリド(Medium Chain Triglycerides、以下MCT)(パナセート810(登録商標)、日油社製)に溶解した後、ポリソルベート80を投入し、攪拌した。各バイアル瓶の蓋を閉め、70℃で7日間静置した後、各サンプル全量を20mLメタノールに溶解し、20倍希釈したサンプルを用いて、モンテルカストナトリウムの含有量を、液体クロマトグラフィーを用いて定量した。下記の式1に従い各処方例の分解率を算出し、結果を表1に示した。液体クロマトグラフィーは下記の測定条件を用いた。
[式1]
分解率(%)=100−(70℃7日間保管品のモンテルカストナトリウム含有量/製造直後品のモンテルカストナトリウム含有量×100)
<HPLC測定条件>
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:280nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:アセトニトリル/水/メタノール混液(75:15:10)(酢酸でpH3.8)
流量:モンテルカストナトリウムの保持時間が約10分になるように調整する.
注入量:10μL
Figure 0006935987
(A)成分であるモンテルカストナトリウムは、粉末状態では熱に安定であるが(参考例1)、(B)成分であるポリソルベート80と組み合わせることにより、熱に対して不安定になるという課題を生じた(比較例1)。ポリソルベート80に加えて、(C)成分であるMCTを同時に配合することにより、製剤中でモンテルカストナトリウムは熱に安定となった(実施例1)。
試験例2 モンテルカストナトリウムの熱安定性
表2に従い、試験例1と同様の方法で以下処方を調製した。実施例2は、実施例1と同様に、粉末状のモンテルカストナトリウムをMCTに溶解した後、ポリソルベート80を投入し、撹拌した。実施例2以外は、全ての成分を秤りとってから攪拌、混和した。各バイアル瓶の蓋を閉め、70℃で20日間保管後、試験例1と同様の方法で、定量した。下記の式2に従い各処方例の分解率を算出し、実施例及び比較例の結果を表2及び図1に示した。
[式2]
分解率(%)=100―(70℃20日間保管品のモンテルカストナトリウム含有量/製造直後品のモンテルカストナトリウム含有量×100)
Figure 0006935987
(A)成分であるモンテルカストナトリウムは、ポリソルベート80を加えた場合と同じく、他の(B)成分の非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、セスキオレイン酸ソルビタンと組み合わせても、熱に対して不安定になるという課題を生じた(比較例2〜4)。各種非イオン性界面活性剤と共に、(C)成分であるMCTを同時に配合することにより、製剤中でモンテルカストナトリウムは熱に安定となった(実施例2〜4)。グリセリン脂肪酸エステルは常温で固体のため、対応する比較例は作製できないが、A成分〜C成分の3成分を配合した製剤で熱に対して安定であることを確認した(実施例5)。
試験例3 モンテルカストナトリウムの光安定性
表3に従い、ヘッドスペースバイアルの代わりに10mLのスクリューバイアルに入れる以外は試験例1及び2と同様の方法で以下処方を調製した。すべてのサンプルをD65ランプで積算照射量6万lx・hr(5000lxを12時間)照射した。未照射のサンプルと照射後のサンプル中のモンテルカストナトリウム含有量を、試験例1と同様の方法で定量した。その結果を元に、下記の式3を用いて分解率を算出し、実施例及び比較例の結果を表3及び図2に示した。
[式3]
分解率(%)=100−(6万lx・hr照射品のモンテルカストナトリウム含有量/未照射品のモンテルカストナトリウム含有量×100)
Figure 0006935987
(A)成分であるモンテルカストナトリウムは粉末でも光に不安定であることが知られているが、D65ランプで計6万lx・hr(5000lxを12時間)照射したところ、11%の分解率であった(参考例2)。(C)成分であるMCT中に溶解させると、同じ照射量で45%の分解率まで増加し、課題がより深刻化することが明らかになった(比較例5)。そこで、(B)成分であるポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、グリセリン脂肪酸エステルを加えたところ、意外なことに光に対する安定性が改善された(実施例6〜8)。
試験例4 プランルカスト水和物の熱安定性
表4に従い、以下処方を調製した。試験期間を70℃で2週間とした点以外は、試験例1と同様の方法で、プランルカスト水和物の熱安定性を検討した。また、積算照射量を120万lx・hrとした点以外は、試験例3と同様の方法で、プランルカスト水和物の光安定性を検討した。各サンプル全量をアセトニトリル/DMSO=3:1に溶解し50mLにメスアップしたものを20倍希釈したサンプルを用いて、プランルカスト水和物の含有量を、液体クロマトグラフィーを用いて定量した。液体クロマトグラフィーは下記の測定条件を用いた。
<HPLC測定条件>
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:260nm)
カラム:内径6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクチルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:0.02mol/Lリン酸二水素カリウム試液/アセトニトリル/メタノール混液(5:5:1)
流量:プランルカスト水和物の保持時間が約10分になるように調整する.
注入量:10μL
Figure 0006935987
A成分〜C成分の3成分を配合した実施例9において、プランルカスト水和物が熱に対して安定であることを確認した。更に(D)成分であるフェキソフェナジン塩酸塩を配合することにより、より安定な組成物を得られた(実施例10)。また、(A)成分〜(C)成分の3成分を配合した実施例9及び実施例10において、プランルカスト水和物が光に対して安定であることを確認した。
[製剤例]
下記表5〜表7に記載の処方で、医薬組成物が調製され、固形製剤に製剤化される。これらの医薬組成物は、A成分に加えて、B成分及びC成分を配合しているため、熱安定性及び/又は光安定性に優れる。
表5のとおり、処方例1〜10の分量に基づき液状組成物を調製し、それぞれ軟カプセル剤皮(ゼラチン皮膜)に常法により充填し、軟カプセル剤を調製した。成人の1日量とし、一日一回服用した。
Figure 0006935987
表6のとおり、処方例11〜20の分量に基づき液状組成物を調製し、それぞれ軟カプセル剤皮(ゼラチン皮膜)に常法により充填し、軟カプセル剤を調製した。成人の1日量とし、一日二回服用した。
Figure 0006935987
表7のとおり、処方例21〜25の分量に基づき錠剤を調製し、成人の1日量とし、処方例21〜23は一日一回、処方例24〜25は一日二回服用した。
Figure 0006935987

Claims (8)

  1. (A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種と、
    (B)非イオン性界面活性剤と、
    (C)中鎖脂肪酸トリグリセリド
    とを含有し、
    (B)成分の含有量が、0.5〜50質量%であり、
    (C)成分の含有量が、30〜99質量%である、医薬組成物。
  2. (A)成分の含有量1質量部に対して、(B)成分の含有量が0.001〜50質量部である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. (A)成分の含有量1質量部に対して、(C)成分の含有量が0.1〜500質量部である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 更に、(D)フェキソフェナジン及びその塩を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  5. 液状組成物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物をカプセル皮膜に充填してなる、カプセル剤。
  7. (A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)非イオン性界面活性剤と、(C)中鎖脂肪酸トリグリセリドとを共存させ
    (B)成分の含有量を、0.5〜50質量%とし、(C)成分の含有量を、30〜99質量%とすることにより、(A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種を安定化する方法。
  8. (A)モンテルカスト、プランルカスト、それらの塩及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)非イオン性界面活性剤と、(C)中鎖脂肪酸トリグリセリドとを共存させ
    (B)成分の含有量を、0.5〜50質量%とし、(C)成分の含有量を、30〜99質量%とすることを特徴とする固形製剤の製造方法。
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