JP6923724B1 - エアフィルタ及びその製造方法 - Google Patents
エアフィルタ及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6923724B1 JP6923724B1 JP2020132284A JP2020132284A JP6923724B1 JP 6923724 B1 JP6923724 B1 JP 6923724B1 JP 2020132284 A JP2020132284 A JP 2020132284A JP 2020132284 A JP2020132284 A JP 2020132284A JP 6923724 B1 JP6923724 B1 JP 6923724B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluorine
- air filter
- oil
- water
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Filtering Materials (AREA)
- Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Abstract
Description
具体例としては、Yとして、後述する式(3)又は式(4)において、Z部分が加水分解した構造が挙げられる。また、Yとして、式(3)又は式(4)のシラン化合物と、テトラエトキシシランやテトラメトキシシラン等のケイ素アルコキシドとを混合し、加水分解重合したシリカゾルゲルの主成分等も挙げられる。更に、Yとして、式(3)又は式(4)のシラン化合物と、テトラエトキシシランやテトラメトキシシラン等のケイ素アルコキシドと、エポキシ基やビニル基、エーテル基を含有したシラン等とを混合し、加水分解重合したシリカゾルゲルの主成分等も挙げられる。
図1に示すように、本実施形態のエアフィルタ10は、不織布20とこの不織布の繊維表面に形成された撥水性と撥油性を有する撥水撥油性膜21とを備える。このエアフィルタ10の主たる構成要素である不織布20は、オイルミストと粉塵を含む空気が流入する一面20aと、この一面20aに対向し前記空気が流出する他面20bを有し、単一層からなる。図2に示すように、上層の不織布30と下層の不織布40の二層の積層体により構成されるエアフィルタ50でもよい。この場合、上層の不織布30の上面がオイルミストと粉塵を含む空気が流入する一面30aとなり、下層の不織布40の下面がこの一面30aに対向する他面40bとなる。なお、積層体は二層に限らず、三層、四層等の複数層から構成することもできる。
エアフィルタは次の方法により、概略製造される。
図3に示すように、金属酸化物粒子11を溶媒12と混合して金属酸化物粒子分散液13を調製する。この分散液13に第1フッ素系官能基成分(A1)を含むフッ素系化合物14を混合し、更に水15と触媒16を混合してフッ素含有金属酸化物粒子の分散液17を調製する。一方、ケイ素アルコキシド51とアルコール52と第2フッ素系官能基成分(A2)を含むフッ素系化合物53と水54と、必要に応じてアルキレン基成分55を混合し、この混合液に触媒56を加えることにより、フッ素含有シリカゾルゲル(C)液57を調製する。
このシリカゾルゲル(C)液57に溶媒58を混合し、この混合液と上記フッ素含有金属酸化物粒子の分散液17とを混合することにより、撥水撥油性膜形成用液組成物60を調製する。この液組成物60を溶媒61により希釈して希釈液62を調製し、そこに不織布20をディッピングする。続いて不織布20を脱液し、乾燥することによりエアフィルタ10を製造する。
〔不織布の準備〕
先ず、1.1ml/cm2/秒〜40ml/cm2/秒の通気度を有する不織布を準備する。具体的には、後述する撥水撥油性膜が不織布の繊維表面に形成されたエアフィルタになった状態で、1ml/cm2/秒〜30ml/cm2/秒の通気度を有する不織布を準備する。撥水撥油性膜が厚膜に形成される場合には、通気度の大きい不織布が選定され、撥水撥油性膜が薄膜に形成される場合には、通気度の小さい不織布が選定される。
〔金属酸化物粒子分散液の調製〕
先ず、有機溶媒中に、金属酸化物粒子を分散させて金属酸化物粒子の分散液を調製する。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール(以下、IPAということもある。)、テトラヒドロフラン、ヘキサン、クロロホルム、トルエン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、フッ素系溶剤などが例示される。これらの中でも、沸点が120℃未満の炭素数1〜4の範囲にあるメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコールが好ましい。金属酸化物粒子としては、SiO2、Al2O3、MgO、CaO、TiO2、ZnO、ZrO2の粒子、これらの混合粒子、複合酸化物粒子等が例示される。
次に、調製された金属酸化物粒子の分散液中に、上述した式(1)又は式(2)で表される第1フッ素系官能基成分(A1)を含むフッ素系化合物を添加して、金属酸化物粒子とフッ素系官能基成分とがナノコンポジット化された複合材料を合成する。更に反応を促進するために、水及び触媒を添加する。これにより、フッ素含有金属酸化物粒子の分散液が調製される。
先ず、ケイ素アルコキシドとしてのテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランと、沸点が120℃未満の炭素数1〜4の範囲にあるアルコールと、上述した式(1)又は式(2)で表される第2フッ素系官能基成分(A2)を含むフッ素系化合物と、水とを混合して混合液を調製する。このときアルキレン基成分となるエポキシ基含有シランを一緒に混合してもよい。このケイ素アルコキシドとしては、具体的には、テトラメトキシシラン(TMOS)、そのオリゴマー又はテトラエトキシシラン(TEOS)、そのオリゴマーが挙げられる。例えば、耐久性の高い撥水撥油性膜を得る目的には、テトラメトキシシランを用いることが好ましく、一方、加水分解時に発生するメタノールを避ける場合は、テトラエトキシシランを用いることが好ましい。
本実施の形態の撥水撥油性膜形成用液組成物は、上記製造方法で製造され、前述した第1フッ素系官能基成分(A1)が結合した金属酸化物粒子(B)と、前述した第2フッ素系官能基成分(A2)を含有するシリカゾルゲル(C)と、溶媒(D)(図1の符号58で示される。)とを含む。溶媒(D)は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール(以下、IPAということもある。)、テトラヒドロフラン、ヘキサン、クロロホルム、トルエン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、フッ素系溶剤などが例示される。これらのフッ素系官能基成分(A1)及び(A2)は、上記の一般式(1)又は式(2)で示されるペルフルオロエーテル構造を有し、溶媒(D)を除く全成分量を100質量%としたとき、液組成物中、合計して、1質量%〜30質量%含まれる。フッ素系官能基成分の合計した含有割合(A1+A2)が1質量%未満では形成した膜に撥油性を付与できず、30質量%を超えると膜の弾き等が発生し成膜性に劣る。好ましいフッ素系官能基成分の合計した含有割合(A1+A2)は2質量%〜28質量%である。
本実施形態の不織布の繊維表面に撥水撥油性膜を形成するには、撥水撥油性膜形成用液組成物を、水と沸点が120℃未満の炭素数1〜4の範囲にあるアルコールとを混合した溶媒で希釈した液を調製する。この溶媒における水とアルコールとの混合割合(水:アルコール)は質量比で1:0〜5である。また液組成物に対する溶媒の質量比(液組成物:溶媒)は1:0.1〜10の割合である。このように調製した希釈液に不織布をディッピングして希釈液から引上げ、大気中、室温で不織布を水平な金網等の上に拡げて一定の液分量になるまで脱液する。別法として、引き上げた不織布を振り払って余分な液を除去するか、或いは引き上げた不織布をマングルロール(絞り機)に通して脱液する。脱液した不織布は、大気中、25℃〜140℃の温度で0.5時間〜24時間乾燥する。これにより、図1中央の拡大図に示すように、不織布20を構成している繊維20cの表面に撥水撥油性膜21が形成される。脱液量が少ない場合には、撥水撥油性膜は厚膜に不織布の繊維表面に形成され、脱液量が多い場合には、撥水撥油性膜は薄膜に不織布の繊維表面に形成される。
<合成例1>
平均粒子径が12nmの二酸化ケイ素のIPA分散液(IPA−ST、日産化学社製、SiO2濃度30%)が50.0g入ったビーカーに、上述した式(19)で表されるフッ素系化合物を1.50g添加し混合した。次に、水を0.10g添加し混合した。更に、硝酸を0.005g添加し、40℃で2時間混合し、フッ素系化合物が二酸化ケイ素粒子に結合した二酸化ケイ素(シリカ)粒子の分散液を得た。
平均粒子径が45nmの二酸化ケイ素のIPA分散液(IPA−ST−L、日産化学社製、SiO2濃度30%)が50.0g入ったビーカーに、上述した式(20)で表されるフッ素系化合物を1.50g添加し混合した。次に、水を0.10g添加し混合した。更に、硝酸を0.005g添加し、以下、合成例1と同様にして二酸化ケイ素(シリカ)粒子の分散液を得た。
平均粒子径が80nmの二酸化ケイ素のIPA分散液(IPA−ST−ZL、日産化学社製、SiO2濃度30%)が50.0g入ったビーカーに、上述した式(21)で表されるフッ素系化合物を1.50g添加し混合した。次に、水を0.10g添加し混合した。更に、硝酸を0.005g添加し、以下、合成例1と同様にして二酸化ケイ素(シリカ)粒子の分散液を得た。
合成例3と同じ二酸化ケイ素のIPA分散液が50.0g入ったビーカーに、上述した式(22)で表されるフッ素系化合物を0.75g添加し混合した。次に、水を0.05g添加し混合した。更に、硝酸を0.005g添加し、以下、合成例1と同様にして二酸化ケイ素(シリカ)粒子の分散液を得た。
合成例3と同じ二酸化ケイ素のIPA分散液が50.0g入ったビーカーに、上述した式(23)で表されるフッ素系化合物を2.25g添加し混合した。次に、水を0.15g添加し混合した。更に、硝酸を0.005g添加し、以下、合成例1と同様にして二酸化ケイ素(シリカ)粒子の分散液を得た。
平均粒子径が3nmの二酸化ジルコニウムのメタノール分散液(SZR−M、堺化学社製、ZrO2濃度30%)が50.0g入ったビーカーに、上述した式(27)で表されるフッ素系化合物を8.00g添加し混合した。次に、水を4.05g添加し混合した。更に、硝酸を0.035g添加し、以下、合成例1と同様にして二酸化ジルコニウム粒子の分散液を得た。
平均粒子径が6nmの二酸化チタンのIPA分散液(TKD−701、テイカ社製、TiO2濃度18%)が50.0g入ったビーカーに、上述した式(27)で表されるフッ素系化合物を2.70g添加し混合した。次に、水を0.97g添加し混合した。更に、硝酸を0.010g添加し、以下、合成例1と同様にして二酸化チタン粒子の分散液を得た。
平均粒子径が60nmのアルミナと二酸化ケイ素のIPA分散液(バイラールAS−L10、多木化学社製、3Al2O3・2SiO2濃度10%)が50.0g入ったビーカーに、上述した式(27)で表されるフッ素系化合物を0.03g添加し混合した。次に、水を0.02g添加混合した。更に、硝酸を0.005g添加し、以下、合成例1と同様にしてアルミナと二酸化ケイ素の粒子の分散液を得た。
平均粒子径が25nmの酸化亜鉛のIPA分散液(MZ−500、テイカ社製、ZnO濃度30%)が50.0g入ったビーカーに、上述した式(27)で表されるフッ素系化合物を0.30g添加し混合した。次に、水を0.11g添加し混合した。更に、硝酸を0.005g添加し、以下、合成例1と同様にして酸化亜鉛粒子の分散液を得た。
平均粒子径が230nmの二酸化チタンのIPA分散液(R32、堺化学社製、TiO2濃度30%)が50.0g入ったビーカーに、上述した式(27)で表されるフッ素系化合物を0.75g添加し混合した。次に、水を0.27g添加し混合した。更に、硝酸を0.005g添加し、以下、合成例1と同様にして二酸化チタン粒子の分散液を得た。
合成例1と同じIPA分散液が50.0g入ったビーカーに、フッ素系化合物を全く添加せずに、水を0.10g添加し混合した。更に、硝酸を0.005g添加し、以下、合成例1と同様にして二酸化ケイ素粒子の分散液を得た。
<合成例10>
テトラメトキシシラン(TMOS)の3量体〜5量体(三菱化学社製、商品名:MKCシリケートMS51)が28.5gと、エタノールが59.7g入ったビーカーに、上述した式(27)で表されるフッ素系化合物を0.24g(0.8質量%)添加し混合した。次に、アルキレン基成分としてエポキシ基含有シランである3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS:信越化学工業社製、商品名:KBM−403)を1.5gと、水を10g添加し混合した。更に、硝酸を0.1g添加し、30℃で3時間混合し、フッ素含有シリカゾルゲル液を得た。
合成例10と同一のTMOSの3量体〜5量体が24.0gと、エタノールが59.7g入ったビーカーに、上述した式(27)で表されるフッ素系化合物を0.06g(0.2質量%)添加し混合した。次に、アルキレン基成分として合成例10と同一のGPTMSを6.0gと、水を10g添加し混合した。更に、硝酸を0.1g添加し、30℃で3時間混合し、フッ素含有シリカゾルゲル液を得た。
合成例10と同一のTMOSの3量体〜5量体が29.8gと、エタノールが59.8g入ったビーカーに、上述した式(27)で表されるフッ素系化合物を3.00g(10.0質量%)添加し混合した。次に、アルキレン基成分として合成例10と同一のGPTMSを0.2gと、水を10g添加し混合した。更に、硝酸を0.1g添加し、30℃で3時間混合し、フッ素含有シリカゾルゲル液を得た。
テトラエトキシシラン(TEOS、東京化成工業社製)が30.0gと、エタノールが56.9g入ったビーカーに、上述した式(27)で表されるフッ素系化合物を0.30g(1.0質量%)添加し混合した。次に、アルキレン基成分を添加することなく、水を10g添加し混合した。更に、硝酸を0.1g添加し、30℃で3時間混合し、フッ素含有シリカゾルゲル液を得た。
合成例11と同一のTMOSの3量体〜5量体が28.5gと、エタノールが59.6g入ったビーカーに、フッ素系化合物を全く添加せずに、アルキレン基成分として合成例10と同一のGPTMSを1.5gと、水を10g添加し混合した。更に、硝酸を0.1g添加し、30℃で3時間混合し、フッ素を含有しないシリカゾルゲル液を得た。
<実施例1>
合成例10で得られたフッ素含有シリカゾルゲル液6.4gに溶媒として工業アルコール(AP−7、日本アルコール産業社製)80.9gを添加し混合した。その後、合成例1の金属酸化物粒子の分散液5.2gを添加し混合し、撥水撥油性膜形成用液組成物を調製した。得られた撥水撥油性膜形成用液組成物85.0gを、水と工業アルコールとの混合溶媒(質量比で水:工業アルコール=1:1)15.0gで希釈して希釈液を調製した。エアフィルタの基材として、PET繊維とガラス繊維の混合繊維(質量比でPET:ガラス=80:20)からなる、通気度が9.3ml/cm 2 /秒の安積ろ紙社製不織布356を用いた。上記希釈液にこの不織布をディッピングし、余分な液を振り払い、室温で24時間乾燥させ、通気度が7.9ml/cm2/秒のエアフィルタを作製した。この内容を以下の表3及び表4に示す。この内容を以下の表3に示す。
実施例2〜9及び比較例1〜9について、表3に示すように、フッ素含有金属酸化物粒子の分散液の種類と秤量、フッ素含有シリカゾルゲル液の種類と秤量、及び実施例1と同一の溶媒の秤量をそれぞれ決定して、実施例2〜9及び比較例1〜9の各撥水撥油性膜形成用液組成物を調製した。
金属製品を切削油を用いて加工する工作機械から飛散するオイルミストと粉塵に模して、ヘキサデカンと酸化鉄(III)(富士フイルム和光純薬社製)を質量比で80:20の割合で自転公転撹拌機に投入して撹拌混合し、模擬液を得た。この模擬液を用いて、実施例1〜9及び比較例1〜9で得られた18種類のエアフィルタついて、エアフィルタを構成する不織布の繊維表面上の撥水撥油性膜(以下、単に膜という。)の強度試験前後の撥油性について調べた。
18種類の水平に置いたエアフィルタを構成する不織布の繊維表面上の膜の強度試験を行う前に、得られた模擬液1mlをエアフィルタに上方から滴下した後、エアフィルタを鉛直に立てて、模擬液の転落性を確認した。模擬液がエアフィルタに染みこんだものは、エアフィルタの撥油性が『不良』であるとし、模擬液がエアフィルタに染みこまないがその表面に付着し、エアフィルタを振動させると模擬液がその表面から転落するものは、エアフィルタの撥油性が『やや良好』であるとし、模擬液がエアフィルタから転落するものをエアフィルタの撥油性が『良好』であるとした。
評価する18種類の膜に下記の接触子を所定の荷重をかけながら、次の条件で10往復移動した。次いで、上記撥油性試験と同様にして、模擬液の転落性を確認した。模擬液がエアフィルタに染みこんだものは、接触子の往復動で膜が剥離したものとみなして、撥油性が『不良』であるとした。また模擬液がエアフィルタに染みこまないがその表面に付着し、エアフィルタを振動させると模擬液がその表面から転落するものは、接触子の往復動で膜が剥離するまでには至らないものとみなして、撥油性が『やや良好』であるとし、模擬液がエアフィルタから直ぐに転落するものは、接触子の往復動で膜が剥離せずに、撥油性が『良好』であるとした。
(a) 測定器:静・動摩擦測定機TL201Tt(株式会社トリニティーラボ)
(b) 測定条件:
・移動距離:30mm
・垂直荷重:500g重
・移動速度:50mm/秒
・接触子:50mm×50mm角のネオプレーンゴム
20 不織布
20a 不織布の一面
20b 不織布の他面
20c 不織布の繊維
20d 不織布の気孔
21 撥水撥油性膜
21a フッ素含有金属酸化物粒子
21b フッ素含有シリカゾルゲル
22 オイルミストの油粒子
23 粉塵
Claims (10)
- オイルミストと粉塵を含む空気が流入する一面と、この一面に対向し前記空気が流出する他面との間を貫通する多数の気孔が繊維間に形成された不織布を含むエアフィルタであって、
前記不織布の繊維表面に撥水撥油性膜が形成され、
前記撥水撥油性膜は、下記の一般式(1)又は式(2)で示されるペルフルオロエーテル構造を含む第1フッ素系官能基成分(A1)が結合した平均粒子径2nm〜90nmの金属酸化物粒子(B)と、
下記の一般式(1)又は式(2)で示されるペルフルオロエーテル構造を含む第2フッ素系官能基成分(A2)を含有するシリカゾルゲル(C)とを含み、
前記撥水撥油性膜を100質量%とするとき、前記第1フッ素官能基成分(A1)と前記第2フッ素官能基成分(A2)とを合計した含有割合が、1質量%〜30質量%であり、
前記シリカゾルゲル(C)と前記金属酸化物粒子(B)の質量比(C:B)が、10:90〜90:10の範囲にあり、
前記エアフィルタの通気度が1ml/cm2/秒〜30ml/cm2/秒であることを特徴とするエアフィルタ。
- 前記第1フッ素官能基成分(A1)の含有割合が、質量比で前記第2フッ素官能基成分(A2)の含有割合以上である請求項1記載のエアフィルタ。
- 前記金属酸化物粒子(B)は、Si,Al、Mg、Ca、Ti、Zn及びZrからなる群より選ばれた1種又は2種の金属の酸化物粒子である請求項1記載のエアフィルタ。
- 前記シリカゾルゲル(C)は、前記シリカゾルゲル(C)を100質量%としたとき、炭素数2〜7のアルキレン基成分を0.5質量%〜20質量%含む請求項1記載のエアフィルタ。
- 前記不織布が単一層により構成されるか、又は複数層の積層体により構成される請求項1記載のエアフィルタ。
- 前記不織布を構成する繊維がポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ガラス、アルミナ、炭素、セルロース、パルプ、ナイロン及び金属からなる群より選ばれた1種又は2種以上の繊維である請求項1又は5記載のエアフィルタ。
- フッ素含有金属酸化物粒子の分散液とフッ素含有シリカゾルゲル液とを混合して撥水撥油性膜形成用液組成物を調製する工程と、
前記撥水撥油性膜形成用液組成物の希釈液に不織布をディッピングする工程と、
前記ディッピングした不織布を脱液し乾燥する工程と
を含むエアフィルタの製造方法。 - 前記フッ素含有金属酸化物粒子の分散液が、金属酸化物粒子の分散液に第1フッ素系官能基成分を含むフッ素系化合物を添加混合し、この混合液に水と触媒を添加混合して、調製される請求項7記載のエアフィルタの製造方法。
- 前記金属酸化物粒子がSi,Al、Mg、Ca、Ti、Zn及びZrからなる群より選ばれた1種又は2種の金属の酸化物粒子である請求項8記載のエアフィルタの製造方法。
- 前記フッ素含有シリカゾルゲル液が、第2フッ素系官能基成分を含むフッ素系化合物とケイ素アルコキシドとアルコールと水を混合した混合液に触媒を添加混合して、調製される請求項7記載のエアフィルタの製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020132284A JP6923724B1 (ja) | 2020-08-04 | 2020-08-04 | エアフィルタ及びその製造方法 |
DE112020006250.3T DE112020006250T5 (de) | 2019-12-20 | 2020-12-17 | Luftfilter und Verfahren zur Herstellung desselben |
PCT/JP2020/047112 WO2021125257A1 (ja) | 2019-12-20 | 2020-12-17 | エアフィルタ及びその製造方法 |
CN202080095696.4A CN115052673B (zh) | 2019-12-20 | 2020-12-17 | 空气过滤器及其制造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020132284A JP6923724B1 (ja) | 2020-08-04 | 2020-08-04 | エアフィルタ及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6923724B1 true JP6923724B1 (ja) | 2021-08-25 |
JP2022029122A JP2022029122A (ja) | 2022-02-17 |
Family
ID=77364463
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020132284A Active JP6923724B1 (ja) | 2019-12-20 | 2020-08-04 | エアフィルタ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6923724B1 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4857528B2 (ja) * | 2004-06-11 | 2012-01-18 | 旭硝子株式会社 | シランカップリング基含有含フッ素エーテル化合物、溶液組成物、コーティング膜および物品 |
JP5036675B2 (ja) * | 2008-10-03 | 2012-09-26 | 三菱電機株式会社 | フィルタ及び空気調和機 |
JP2012096217A (ja) * | 2010-10-07 | 2012-05-24 | Toyota Boshoku Corp | ミストセパレータ用の濾材 |
WO2018123126A1 (ja) * | 2016-12-28 | 2018-07-05 | 三菱マテリアル電子化成株式会社 | 膜形成用液組成物及びその製造方法 |
FR3061724B1 (fr) * | 2017-01-06 | 2021-07-16 | Commissariat Energie Atomique | Procede de revetement de materiaux textiles |
CN108286127B (zh) * | 2018-02-02 | 2020-06-05 | 南京工业大学 | 一种疏水疏油纳米纤维膜的制备方法 |
-
2020
- 2020-08-04 JP JP2020132284A patent/JP6923724B1/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2022029122A (ja) | 2022-02-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Latthe et al. | Development of sol–gel processed semi-transparent and self-cleaning superhydrophobic coatings | |
JP6996911B2 (ja) | 油水分離フィルター | |
JP6236676B2 (ja) | フッ素含有ナノコンポジット粒子及びその製造方法、並びにこれを含むコーティング剤、油水分離膜、樹脂組成物 | |
WO2018143364A1 (ja) | 繊維処理用の処理剤、繊維及びその製造方法、並びに繊維シート及びその製造方法 | |
WO2021125257A1 (ja) | エアフィルタ及びその製造方法 | |
JP6923630B2 (ja) | エアフィルタ | |
CN109804029A (zh) | 具有液体添加剂的疏虫性和疏冰性组合物 | |
JP6923724B1 (ja) | エアフィルタ及びその製造方法 | |
CN111073510B (zh) | 一种疏水疏油自清洁材料及其制备方法和应用 | |
JP2020158779A (ja) | 含フッ素エーテル化合物の製造方法、物品の製造方法 | |
JP7577472B2 (ja) | 撥水撥油性膜形成用液組成物及びその製造方法 | |
JP6923697B1 (ja) | エアフィルタ及びその製造方法 | |
KR101323144B1 (ko) | 신규의 초소수성 고분자 복합체, 이를 포함하는 초소수 코팅용 조성물 및 초소수 코팅막 | |
JPWO2018143356A1 (ja) | 撥水処理剤、撥水構造体及びその製造方法 | |
JP2012106420A (ja) | 撥水表面を有する複合材料 | |
KR20070035075A (ko) | 활수성 피막을 얻기 위한 처리제 및 활수성 피막의 제조방법 | |
JP7417469B2 (ja) | エアフィルタ及びその製造方法 | |
WO2022209559A1 (ja) | エアフィルタ及びその製造方法 | |
JP5536537B2 (ja) | エアフィルタ用濾材 | |
WO2013165072A1 (ko) | 신규의 고분자 복합체, 이를 포함하는 코팅용 조성물 및 코팅막 | |
JP7606943B2 (ja) | エアフィルタ及びその製造方法 | |
CN113274765B (zh) | 油水分离过滤器及其制造方法 | |
JP2022037268A (ja) | 油水分離フィルタ及びその製造方法 | |
JP2022084332A (ja) | エアフィルタ及びその製造方法 | |
JP2021147556A (ja) | 撥水撥油性膜形成用液組成物及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201210 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210416 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20210416 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20210422 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210706 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210729 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6923724 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |