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JP6912849B2 - 塗料組成物及び複層塗膜形成方法 - Google Patents

塗料組成物及び複層塗膜形成方法 Download PDF

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JP6912849B2 JP2017074195A JP2017074195A JP6912849B2 JP 6912849 B2 JP6912849 B2 JP 6912849B2 JP 2017074195 A JP2017074195 A JP 2017074195A JP 2017074195 A JP2017074195 A JP 2017074195A JP 6912849 B2 JP6912849 B2 JP 6912849B2
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Description

本発明は、塗装して得られる塗膜が、撥水性、撥油性、耐擦り傷性及び付着性に優れた塗膜を形成することができる塗料組成物及びこれを用いた塗膜形成方法に関する。
一般に撥水性、撥油性が高い表面は汚れが付きにくく、耐汚染性に優れるため、撥水性及び撥油性に優れた塗膜が研究されている。
撥水性及び撥油性に優れた塗膜を形成可能な塗料組成物としては、フルオロアルキル基のようなフッ素を含む官能基が適用された化合物を含むものが知られている。しかし、このような塗料組成物を塗装して得られたフッ素を含む撥水撥油塗膜が、分解・廃棄された場合の環境へのフッ素の拡散が問題となっている。フッ素を含まずに撥水性、撥油性を発現する塗膜を形成する組成物として、特許文献1には、変性シリコーン化合物とイソシアネート基又はウレタン結合を有する化合物、エポキシ基を有する化合物、水酸基を有する化合物、(メタ)アクリル化合物、アミノ化合物、マレイミド化合物及びチオール化合物から選ばれる少なくとも1種以上の化合物を含むことを特徴とする撥水撥油性膜形成用塗布組成物が記載されている。しかし、特許文献1に記載の組成物は、実施例によれば、180℃という高温での乾燥硬化が必要なものであり、高温に弱い有機材料には適用できない可能性があった。
また、一般に物品の表面は傷が付きにくいことが求められるところ、特許文献1に記載の組成物は耐擦り傷性については考慮されておらず、塗膜の付着性にも触れられていない。
特開2016−30763
本発明は、撥水性、撥油性、耐擦り傷性及び付着性に優れた塗膜を形成することができる塗料組成物及び複層塗膜形成方法を提供することを課題とする。
本発明の一態様によれば、
項1. ガラス転移温度(Tg)が10℃〜85℃の範囲内である水酸基含有アクリル樹脂(A)、1以上の反応性基を有し、重量平均分子量が500〜10,000であるシリコーン系化合物(B)及びポリイソシアネート化合物(C)を含む塗料組成物であって、
被塗面に、硬化塗膜として35μmとなるように塗装せしめて形成された塗膜の初期水接触角が90〜110°の範囲内であって、初期オレイン酸接触角が40〜60°の範囲内であり、
且つ、上記塗膜を90℃の温水に300時間浸漬した後の水接触角及びオレイン酸接触角の保持率が、それぞれの初期接触角の90%以上である塗料組成物、
項2. 水酸基含有アクリル樹脂(A)が、ガラス転移温度(Tg)が10℃〜50℃の範囲内である水酸基含有アクリル樹脂(A1)及びガラス転移温度(Tg)が51℃〜85℃の範囲内のアクリル樹脂(A2)を含む請求項1に記載の塗料組成物。
項3. シリコーン系化合物(B)が、ポリシロキサン骨格を有する請求項1又は2に記載の塗料組成物、
項4. 被塗物上に、水酸基含有アクリル樹脂及び着色顔料を含む着色塗料を塗装して着色塗膜を形成し、形成された着色塗膜上に請求項1〜3のいずれか1項に記載された塗料組成物を塗装してクリヤー塗膜を形成する複層塗膜形成方法、
項5. 被塗物上に着色顔料を含む着色塗料を塗装して着色塗膜を形成し、形成された着色塗膜上に光輝性顔料を含む光輝性塗料を塗装して光輝性塗膜を形成し、形成された光輝性塗膜上に請求項1〜3のいずれか1項に記載された塗料組成物を塗装してクリヤー塗膜を形成する複層塗膜形成方法、
項6. 前記着色塗膜及び/又は光輝性塗膜並びにクリヤー塗膜を、60℃〜150℃の温度に加熱して同時に硬化させる請求項4又は5に記載の複層塗膜形成方法、
が提供される。
本発明の塗料組成物及び複層塗膜形成方法によれば、撥水性、撥油性、耐擦り傷性及び付着性に優れた塗膜が得られる。
本発明の塗料組成物は、ガラス転移温度(Tg)が10℃〜85℃の範囲内である水酸基含有アクリル樹脂(A)、1以上の反応性基を有し、重量平均分子量が500〜10,000であるシリコーン系化合物(B)及びポリイソシアネート化合物(C)を含む塗料組成物であって、被塗面に、硬化塗膜として35μmとなるように塗装せしめて形成された塗膜の初期水接触角が90〜110°の範囲内であって、初期オレイン酸接触角が40〜60°の範囲内であり、且つ、上記塗膜を90℃の温水に300時間浸漬した後の水接触角及びオレイン酸接触角の保持率が、それぞれの初期接触角の90%以上である。
水酸基含有アクリル樹脂(A)
水酸基含有アクリル樹脂(A)は、ガラス転移温度(Tg)が10℃〜85℃、好ましくは10〜82℃、さらに好ましくは10℃〜80℃の範囲内である。
水酸基含有アクリル樹脂(A)は、例えば、水酸基含有重合性不飽和モノマーと、水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーを、それ自体既知の方法、例えば、有機溶媒中での溶液重合法、水中でのエマルション重合法等の方法により共重合せしめることによって製造することができる。
上記水酸基含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物である。該水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;該(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコール、さらに、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは、単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
水酸基含有重合性不飽和モノマーの配合割合は、モノマー成分の合計量に対して、5〜30質量%であり、特に10〜30質量%、さらに特に10〜25質量%の範囲内であることが好ましい。
水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマー共重合可能な他の重合性不飽和モノマーは、上記水酸基含有重合性不飽和モノマー以外の1分子中に1個の不飽和結合を有する化合物であり、その具体例を以下(1)〜(8)に列挙する。
(1)酸基含有重合性不飽和モノマー:1分子中に1個以上の酸基と1個の不飽和結合とを有する化合物で、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸及び無水マレイン酸等の如きカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等の如きスルホン酸基含有重合性不飽和モノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−メタクロイルオキシエチルフェニルリン酸等の酸性リン酸エステル系重合性不飽和モノマー等を挙げることができる。これらは1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。
(2)アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜20の1価アルコールとのモノエステル化物:例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート,t−ブチル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名)、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等。
(3)芳香族系重合性不飽和モノマー:例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等。
芳香族系重合性不飽和モノマーを構成成分とする場合、その配合割合は、モノマー成分の総量に対して3〜50質量%、特に、5〜40質量%の範囲内であるのが好ましい。
(4)グリシジル基含有重合性不飽和モノマー:1分子中にグリシジル基と不飽和結合とをそれぞれ1個有する化合物で、具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等。
(5)窒素含有重合性不飽和モノマー:例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルプロピルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等。
(6)脂環式炭化水素基含有重合性不飽和モノマー:例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、4−メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート)、エチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、4−エチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート)、メトキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、4−メトキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート)、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、3−テトラシクロドデシル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、好ましい例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等。
(7)その他のビニル化合物:例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、バーサティック酸ビニルエステルであるベオバ9、ベオバ10(ジャパンエポキシレジン)等。
(8)不飽和結合含有ニトリル系化合物:例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
これらその他の重合性不飽和モノマーは、1種又は2種以上を用いることができる。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。
水酸基含有アクリル樹脂(A)は、得られる塗膜の撥水性、撥油性、耐擦り傷性及び付着性の点からガラス転移温度が、10℃〜85℃の範囲内となるように、上記重合性不飽和モノマーの配合割合を決定する。
また、水酸基含有アクリル樹脂(A)は、得られる塗膜の撥水性、撥油性、耐擦り傷性及び付着性の点から、ガラス転移温度(Tg)が10℃〜50℃、好ましくは10〜40℃、さらに好ましくは12〜30℃の範囲内である水酸基含有アクリル樹脂(A1)及びガラス転移温度(Tg)が51℃〜85℃、好ましくは60〜82℃、さらに好ましくは65℃〜80℃の範囲内の水酸基含有アクリル樹脂(A2)を含むことが好ましい。
本発明の塗料組成物において、水酸基含有アクリル樹脂(A)が水酸基含有アクリル樹脂(A1)及び水酸基含有アクリル樹脂(A2)を含む場合、上記水酸基含有アクリル樹脂(A1)と、上記水酸基含有アクリル樹脂(A2)との配合比は、50/50〜99/1、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは80/20〜90/10であることが、得られる塗膜の耐汚染性、耐擦り傷性、付着性の観点から好適である。
なお、本明細書において、水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温度Tgは、下記式により算出される値である。
1/Tg(K)=W1/T1+W2/T2+・・・Wn/Tn
Tg(℃)=Tg(K)−273
式中、W1、W2、・・・Wnは各モノマーの質量分率であり、T1、T2・・・Tnは各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度Tg(K)である。
なお、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度は、POLYMER HANDBOOK Fourth Edition,J.Brandrup,E.h.Immergut,E.A.Grulke編(1999年)による値であり、該文献に記載されていないモノマーのガラス転移温度は、該モノマーのホモポリマーを重量平均分子量が50,000程度になるようにして合成し、そのガラス転移温度を示差走査型熱分析により測定したときの値を使用する。
また本明細書において、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。カラムは、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
水酸基含有アクリル樹脂(A)の重量平均分子量は、塗膜の耐候性、仕上がり性及び付着性の観点から、5,000〜100,000、好ましくは7,000〜50,000、さらに好ましくは、8,000〜30,000の範囲内であることが好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂(A)の水酸基価は、硬化性及び耐水性の点から、10〜200mgKOH/g、好ましくは50〜150mgKOH/g、さらに好ましくは40〜150mgKOH/gの範囲が好ましい。
シリコーン系化合物(B)
本発明の塗料組成物は得られる塗膜の撥水性、撥油性及び付着性耐擦り傷性の点から、1以上の反応性基を有し、重量平均分子量が500〜10,000、好ましくは1,000〜8,000、さらに好ましくは2,000〜5,000であるシリコーン系化合物(B)を含有する。重量平均分子量は、前記水酸基含有アクリル樹脂(A)の欄に記載した方法と同様に測定したものである。
該反応性基としては、アミノ基、水酸基、脂環式でもよいエポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、カルボキシル基、アルコキシ基、イソシアネート基及びシラノール基などが挙げられる。
シリコーン系化合物(B)は、得られる塗膜の撥水性、撥油性及び耐擦り傷性の点から、ポリシロキサン骨格、好ましくはポリジメチルシロキサン骨格を有することが好適である。
シリコーン系化合物(B)は、ポリシロキサンの側鎖の一部、ポリシロキサンの片末端又は両末端、ポリシロキサンの側鎖に加えて片末端又は両末端に反応性基を導入されていることが好ましい。
なかでも好ましいシリコーン系化合物(B)は下記式(I)〜(III)で表すことができる。
Figure 0006912849
Figure 0006912849
Figure 0006912849
(式中、nは2〜150、好ましくは4〜100、さらに好ましくは4〜60の数を示し、R1は互いに同一でも異なっていても良いフェニル基又は炭素数1〜6、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜6、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルキレン基を示す。Xはアミノ基、水酸基、脂環式でもよいエポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、カルボキシル基、アルコキシ基、イソシアネート基及びシラノール基から選ばれる基を示す)
シリコーン系化合物(B)の具体例を以下(1)〜(8)に列挙する。
(1)分子構造中にエポキシ基を有するシリコーンオイル:両末端にエポキシ基を有する、「KF−105」、「X−22−163A」、「X−22−163B」、「X−22−163C」、両末端に脂環式エポキシ基を有する「X−22−169AS」、「X−22−169B」、側鎖にエポキシ基を有する「X−22−343」、「X−22−2000」、「X−22−4741」、側鎖に脂環式エポキシ基を有する「X−22−2046」(以上、信越化学工業社製)等。
(2)分子構造中にアミノ基を有するシリコーンオイル:両末端にアミノ基を有する「KF−8010」、「X−22−161A」、「X−22−161B」、「KF−8012」、「X−22−9409」、「X−22−1660B−3」(以上、信越化学工業社製)、「BY−16−853U」、「BY−16−853」、「BY−16−853B」(以上、東レ・ダウコーニング社製)、側鎖にアミノ基を有する、「KF−880」、「KF−8004」(以上、信越化学工業社製)等。
(3)分子構造中に水酸基を有するシリコーンオイル:両末端に水酸基を有する「KF−6000」、「KF−6001」、「KF−6002」、「KF−6003」、両末端にフェノール性水酸基を有する「X−22−1821」(以上、信越化学工業社製)、「BY−16−752A」(東レ・ダウコーニング社製)、一方の末端に水酸基を有する「X−22−170BX」、「X−22−176DX」、(以上、信越化学工業社製)、側鎖に水酸基を有する「X−22−4039」、「X−22−4015」(以上、信越化学工業社製)、両末端ポリエーテル中に水酸基を有する「SF8427」(東レ・ダウコーニング社製)、「X−22−4952」(信越化学工業社製);側鎖ポリエーテル中に水酸基を有する「FZ−2162」、「SH3773M」(以上、東レ・ダウコーニング社製)等。
(4)分子構造中にメタクリル基を有するシリコーンオイル:両末端にメタクリル基を有する「X−22−164A」、「X−22−164B」(以上、信越化学工業社製)等。
(5)分子構造中にメルカプト基を有するシリコーンオイル:両末端にメルカプト基を有する「X−22−167B」、側鎖にメルカプト基を有する「KF−2001」(以上、信越化学工業社製)等。
(6)分子構造中にカルボキシル基を有するシリコーンオイル:両末端にカルボキシル基を有する「X−22−162C」、一方の末端にカルボキシル基を有する「X−22−3710」(官能基当量1450g/mol)(以上、信越化学工業社製)等。
本発明の塗料組成物におけるシリコーン系化合物(B)としては、上記の中から1種類を選択して使用することができるが、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の塗料組成物におけるシリコーン系化合物(B)の含有量は、得られる塗膜の撥水性及び撥油性の点から、水酸基含有アクリル樹脂(A)の固形分100質量部に対して、0.05〜1.0部の範囲内とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.7部の範囲内、特に好ましくは0.15〜0.5部の範囲内である。
ポリイソシアネート化合物(C)
本発明の塗料組成物は、付着性の点からポリイソシアネート化合物(C)を含有する。
ポリイソシアネート化合物(C)は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であって、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、該ポリイソシアネートの誘導体等を挙げることができる。
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸メチル(慣用名:リジンジイソシアネート)等の脂肪族ジイソシアネート;2,6−ジイソシアナトヘキサン酸2−イソシアナトエチル、1,6−ジイソシアナト−3−イソシアナトメチルヘキサン、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタン等の脂肪族トリイソシアネート等を挙げることができる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、4−メチル−1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート(慣用名:水添TDI)、2−メチル−1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−もしくは1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物、メチレンビス(4,1−シクロヘキサンジイル)ジイソシアネート(慣用名:水添MDI)、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2,2,1)−ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2,2,1)ヘプタン等の脂環族トリイソシアネート等を挙げることができる。
前記芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンビス(4,1−フェニレン)ジイソシアネート(慣用名:MDI)、1,3−もしくは1,4−キシリレンジイソシアネート又はその混合物、ω,ω'−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(慣用名:テトラメチルキシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼン等の芳香脂肪族トリイソシアネート等を挙げることができる。
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(慣用名:2,4−TDI)もしくは2,6−トリレンジイソシアネート(慣用名:2,6−TDI)もしくはその混合物、4,4'−トルイジンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン等の芳香族トリイソシアネート;4,4'−ジフェニルメタン−2,2',5,5'−テトライソシアネート等の芳香族テトライソシアネート等を挙げることができる。
また、前記ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネートのダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)、クルードTDI等を挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物(C)としては、付着性等の観点から、上記脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート及びこれらの誘導体を好適に使用することができる。
また上記ポリイソシアネート化合物としては、上記ポリイソシアネート及びその誘導体と、該ポリイソシアネートと反応し得る化合物とを、イソシアネート基過剰の条件で反応させてなるプレポリマーを使用してもよい。該ポリイソシアネートと反応し得る化合物としては、例えば、水酸基、アミノ基等の活性水素基を有する化合物が挙げられ、具体的には、例えば、多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、アミン、水等を使用することができる。
また、上記ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基含有重合性不飽和モノマーの重合体、又は該イソシアネート基含有重合性不飽和モノマーと該イソシアネート基含有重合性不飽和モノマー以外の重合性不飽和モノマーとの共重合体を使用してもよい。
また、上記ポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基がブロック剤でブロックされたポリイソシアネート化合物、いわゆるブロック化ポリイソシアネート化合物であってもよい。
上記ブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、ブチルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸メチル等のフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等のラクタム系;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ラウリルアルコール等の脂肪族アルコール系;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノール等のエーテル系;ベンジルアルコール、グリコール酸、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチル、乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のアルコール系;ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系;ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等のメルカプタン系;アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系;コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミド等のイミド系;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミン等アミン系;イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、ジフェニル尿素等の尿素系;N−フェニルカルバミン酸フェニル等のカルバミン酸エステル系;エチレンイミン、プロピレンイミン等のイミン系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリ等の亜硫酸塩系;アゾール系の化合物等が挙げられる。上記アゾール系の化合物としては、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ベンジル−3,5−ジメチルピラゾール、4−ニトロ−3,5−ジメチルピラゾール、4−ブロモ−3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−フェニルピラゾール等のピラゾール又はピラゾール誘導体;イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾールまたはイミダゾール誘導体;2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾリン誘導体等が挙げられる。
なかでも、好ましいブロック剤としては、オキシム系のブロック剤、活性メチレン系のブロック剤、ピラゾール又はピラゾール誘導体が挙げられる。
ブロック化を行なう(ブロック剤を反応させる)にあたっては、必要に応じて溶剤を添加して行なうことができる。ブロック化反応に用いる溶剤としてはイソシアネート基に対して反応性でないものが良く、例えば、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)のような溶剤を挙げることができる。
上記ポリイソシアネート化合物(C)は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の塗料組成物においてポリイソシアネート化合物(C)の配合割合は、付着性の点から、該ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基(ブロック化イソシアネート基を含む)と、前記水酸基含有アクリル樹脂(A)の水酸基との当量比(NCO/OH)を0.5〜2.0、特に好ましくは0.6〜1.5の範囲内となるように決定することができる。
また、本発明の塗料組成物は、ウレタン化反応触媒を含有することができる。
該ウレタン化反応触媒としては、具体的には、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫サルファイト、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫脂肪酸塩、2−エチルヘキサン酸鉛、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、脂肪酸亜鉛類、オクタン酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸ビスマス、オレイン酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、バーサチック酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス、ナフテン酸コバルト、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸銅、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート等の有機金属化合物;第三級アミン等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合せて使用することができる。
また、上記ウレタン化反応触媒を使用する場合、触媒量としては、塗料組成物の固形分総量に対して、0.0001〜0.5質量%、特に0.0005〜0.1質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明の塗料組成物が上記ウレタン化反応触媒を含有する場合、貯蔵安定性、硬化性の点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチル酪酸、ナフテン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、無水イソ酪酸、無水イタコン酸、無水酢酸、無水シトラコン酸、無水プロピオン酸、無水マレイン酸、無水酪酸、無水クエン酸、無水トリメリト酸、無水ピロメリット酸、無水フタル酸等の有機酸;塩酸、リン酸等の無機酸;アセチルアセトン、イミダゾール系化合物等の金属配位性化合物等を含有してもよい。
本発明の塗料組成物には、撥水性及び撥油性を損なわないことを限度として、溶媒、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、消泡剤、乳化剤、界面活性剤、防汚剤、湿潤剤、増粘剤、染料、ツヤ調整剤等の塗装の分野で通常使用される他の添加成分等を適宜含有させることができる。
本発明の塗料組成物は、溶融物、溶液、懸濁液、エマルションのいずれの形態であってもよいが、溶媒中に水酸基含有アクリル樹脂が溶解した溶液の形態であることが、生産性及び作業性の観点から好ましい。上記溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、石油系炭化水素等を挙げることができる。
前記顔料としては、例えば、光輝性顔料、着色顔料、体質顔料等を挙げることができる。該顔料は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム(蒸着アルミニウムも含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、ガラスフレーク、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタン及び/又は酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタン及び/又は酸化鉄で被覆された雲母等が挙げられる。
また、前記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料などが挙げられる。
また、前記体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイト等が挙げられる。
本発明の塗料組成物が、上記顔料を含有する場合、該顔料の含有量は、塗料組成物の固形分総量に対して、1〜70質量%、好ましくは5〜60質量%、さらに好ましくは15〜50質量%の範囲内であることが好適である。
本発明の塗料組成物は、一液型塗料であってもよいし、水酸基含有アクリル樹脂(A)及びシリコーン系化合物(B)を含む主剤と、ポリイソシアネート化合物(C)を含む硬化剤等とを塗装前に混合して使用する多液型塗料であってもよい。
水接触角
本発明における塗料組成物は、被塗面に、硬化塗膜として35μmとなるように塗装せしめて形成された塗膜の初期水接触角が90〜110°、好ましくは95〜110°、さらに好ましくは98〜110°の範囲内である。
ここで、水接触角とは、得られた塗膜に蒸留水0.4μLを滴下し5秒経過後の接触角(単位:°)をいう。本明細書において接触角測定に用いた接触角計は、「CA−X150型」(協和界面科学株式会社製)である。
本明細書では、初期水接触角とは、塗膜を作成し、72時間以上経過後の塗膜であり、耐水試験、耐候性試験、耐擦り傷性試験、耐汚染性試験等の各種耐性試験に供していない塗膜の水接触角をいう。
オレイン酸接触角
本発明における塗料組成物は、被塗面に、硬化塗膜として35μmとなるように塗装せしめて形成された塗膜の初期オレイン酸接触角が40〜55°、好ましくは44〜55°、さらに好ましくは45〜55°、の範囲内である。
ここで、オレイン酸接触角とは、得られた塗膜にオレイン酸0.4μLを滴下し5秒経過後の接触角(単位:°)をいう。本明細書において接触角測定に用いた接触角計は、「CA−X150型」(協和界面科学株式会社製)である。
本明細書では、初期オレイン酸接触角とは、塗膜を作成し、72時間以上経過後の塗膜であり、耐水試験、耐候性試験、耐擦り傷性試験、耐汚染性試験等の各種耐性試験に供していない塗膜のオレイン酸接触角をいう。
耐水試験後の水接触角及びオレイン酸接触角
本発明における塗料組成物は、被塗面に、硬化塗膜として35μmとなるように塗装せしめて形成された塗膜を90℃の温水に300時間浸漬した後の水接触角及びオレイン酸接触角の保持率が、それぞれの初期接触角の90%以上である。
ここで、接触角の保持率は以下の式で定義する。
保持率(%)=耐水試験後の接触角/初期接触角×100
本発明における塗料組成物は、塗膜を形成して間もない初期の段階だけでなく、耐水試験を得て膨潤し弱くなった塗膜においても撥水性及び撥油性を維持している点で撥水性及び撥油性に優れているといえる。
複層塗膜形成方法
本発明の複層塗膜形成方法は、被塗物上に、水酸基含有樹脂及び着色顔料を含む着色塗料を塗装して着色塗膜を形成し、形成された着色塗膜上に本発明の塗料組成物を塗装してクリヤー塗膜を形成する複層塗膜形成方法を含む。
また、本発明の別の複層塗膜形成方法は、被塗物上に着色顔料を含む着色塗料を塗装して着色塗膜を形成し、形成された着色塗膜上に光輝性顔料を含む光輝性塗料を塗装して光輝性塗膜を形成し、形成された光輝性塗膜上に本発明の塗料組成物を塗装してクリヤー塗膜を形成する複層塗膜形成方法を含む。
被塗物
被塗物の材質としては、特に制限はなく、無機材料、有機材料、或いは、有機と無機とのハイブリッド材料のいずれであってもよい。
上記無機材料としては、例えば、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、ブリキ、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、亜鉛合金(Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Fe等)メッキ鋼等の金属材料;ガラス;セメント;コンクリート;ポリシロキサン等が挙げられる。
前記有機材料は有機樹脂を含む材料であり、該有機樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1、4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1、2−ジフェノキシエタン−4、4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレートなどのようなポリエステル樹脂、エピコート(商品名:油化シェルエポキシ(株)製)などの市販品に代表されるエポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン等が挙げられる。
また、上記有機材料は、その成分の一部として、顔料及び/又は繊維を含有するものであってもよい。
上記顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、カオリン、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等が挙げられる。
また、前記繊維としては、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、セルロース繊維等が挙げられる。
このため、各種の繊維強化プラスチック材料(Fiber Reinforced Plastics:以下FRP材料又は単にFRPという。)は上記有機材料に包含される。
上記被塗物の材質としては、付着性等の観点から、有機材料が好ましく、なかでも、融点が比較的低い有機材料、例えば、アクリル樹脂、ABS樹脂、FRP等が好ましい。
被塗物の形状としては、平面でも立体でもよく、例えば、フィルム及び基板、又は三次元加工された成型物であってもよい。
上記被塗物は、脱脂処理、表面処理及びプライマー組成物を塗装したものであっても良い。
着色塗料
本発明の複層塗膜形成方法における着色塗料は、水酸基含有樹脂及び着色顔料を含有する。
水酸基含有樹脂は、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有する樹脂である。水酸基含有樹脂としては、水酸基を有する、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂等の樹脂が挙げられる。これらはそれぞれ単独で若しくは2種以上組み合わせて使用することができる。
水酸基含有樹脂は、硬化性及び付着性の点から、水酸基価が10〜200mg/KOHであることが好ましく、特に耐候性及び付着性の点から、共重合モノマー成分の総量を基準としてメチルメタクリレート30〜80質量%を含有する水酸基含有アクリル樹脂(L)を含むことが好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂(L)
水酸基含有アクリル樹脂(L)は、水酸基含有重合性不飽和モノマー(a)及び該水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能なその他の重合性不飽和モノマー(b)を、それ自体既知の方法により共重合することによって製造することができる。特に、水酸基含有アクリル樹脂(L)は、共重合モノマー成分の総量を基準としてメチルメタクリレート20〜85質量%を含有することが好ましい。
水酸基含有重合性不飽和モノマー(a)及び該水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能なその他の重合性不飽和モノマー(b)は、それぞれ、前記水酸基含有アクリル樹脂(A)で記載したものを挙げることができる。
水酸基含有アクリル樹脂(L)のメチルメタクリレートの配合量は、付着性の点から、共重合モノマー成分の総量を基準として、20〜85質量%、さらに40〜80質量%の範囲内が好ましい。着色塗料に、メチルメタクリレートが上記範囲の水酸基含有アクリル樹脂(L)を用いる場合には、被塗物にプライマーを塗装せず、直接着色塗料を塗装しても付着性に優れる塗膜を形成することができる。また、クリヤー塗膜との層間付着性にも優れる。
水酸基含有アクリル樹脂(L)の重量平均分子量は、塗膜の耐候性、仕上がり性及び被塗物と後述するクリヤー塗膜との層間付着性の観点から、一般に1,000〜200,000、特に2,000〜100,000、より好ましくは、一般に3,000〜90,000範囲内であることが好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂(L)の水酸基価は、硬化性及び耐水性の点から、10〜200mgKOH/g、さらに40〜150mgKOH/gの範囲が好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂(L)のガラス転移温度は、塗膜硬度の点から、15〜90℃、さらに20〜80℃の範囲内が好ましい。
水酸基含有ポリエステル樹脂
水酸基含有ポリエステル樹脂は、通常、従来公知の多塩基酸と多価アルコールとを主成分として常法に従って共重合することにより得ることができる。多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、コハク酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウムなどが挙げられ、多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。さらに、脱水ひまし油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸などの脂肪酸や安息香酸などの一塩基酸、油脂類を共重合モノマー成分として使用することができる。被塗物とクリヤー塗料との層間付着性の点から、多価アルコール成分の一部又は全部がトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートである水酸基含有ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
水酸基含有ポリエステル樹脂は、硬化性と付着性の観点から、水酸基価が10〜200mgKOH/g、さらに60〜150mgKOH/gの範囲内が好ましい。
水酸基含有ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、仕上がり性の観点から、5,00〜20,000、さらに1,000〜10,000の範囲内であることが好ましい。
着色塗料に、上記水酸基含有アクリル樹脂(L)及び/又は水酸基含有ポリエステル樹脂以外の、その他の水酸基含有樹脂を併用する場合、該その他の水酸基含有樹脂の水酸基価は、付着性、硬化性及び耐水性の点から、10〜200mgKOH/gの範囲が好ましい。また、該その他の水酸基含有樹脂の重量平均分子量は、仕上がり性と付着性の観点から、一般に1,000〜200,000、特に2,000〜100,000の範囲内であることが好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂(L)の固形分含有量は、仕上がり性及び付着性及び塗膜硬度の点から、着色塗料中の水酸基含有樹脂100質量部に対して、100質量部以下、さらに2〜85質量部、さらに特に4〜65質量部の範囲内が好ましい。
水酸基含有ポリエステル樹脂の固形分含有量は、仕上がり性及び付着性及び塗膜硬度の点から、着色塗料中の水酸基含有樹脂100質量部に対して、100質量部以下、さらに15〜98質量部、さらに特に35〜96質量部の範囲内が好ましい。
その他の水酸基含有樹脂の固形分含有量は、着色塗料中の水酸基含有樹脂100質量部に対して、50部質量以下、さらに5〜30質量部の範囲内が好ましい。
着色顔料
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。また、その他着色成分としては、アルミニウム等の金属フレーク粉末やペースト、パール粉、グラファイト、MIO、マイカ粉末等の光輝顔料等も含まれる。該金属フレーク粉末としては、例えばアルミニウムフレーク、ニッケルフレーク、銅フレーク、ステンレスフレーク、真鍮フレーク及びクロムフレーク等が挙げられ、また、マイカ粉末としては、例えばパールマイカ、着色パールマイカ等が挙げられる。これらの着色成分は直接塗料中に添加してもよく、分散剤、分散樹脂と混合して分散し、ペースト化してから塗料に配合してもよい。該分散剤、分散樹脂、分散方法は公知のものを使用することができる。
着色成分の固形分配合量は、顔料の種類に応じて適宜調整することができ、例えば、着色塗料中の水酸基含有樹脂100質量部に対して、1〜250質量部の範囲が好ましく、より好ましくは2〜150質量部の範囲である。
着色塗料は硬化剤が配合されていてもよい。硬化剤としては、通常、水酸基を含有する樹脂中の水酸基と反応し得る架橋性官能基を有する化合物を使用することができる。そのような硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物等を好適に用いることできる。硬化剤はそれぞれ単独で若しくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記ポリイソシアネート化合物は1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、後述するポリイソシアネート化合物(C)と同様のものを使用できる。ブロック化ポリイソシアネート化合物は上記ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基にブロック剤を付加することによって得られるものであり、加熱により該ブロック剤が解離してイソシアネート基が再生することにより水酸基と反応することができる。該ブロック剤の解離温度は通常約60〜約140℃、好ましくは約70〜約120℃の範囲内にあることが好適である。
着色塗料において、硬化剤を使用する場合、その含有量は、耐候性の点から水酸基含有樹脂及び硬化剤の合計100質量部に対して、0〜50質量部、1〜40質量部、さらに特に20〜30質量部の範囲内にあることが好適である。
また、着色塗料は、1液型塗料であっても塗装前に別容器に梱包された硬化剤を混合する2液型塗料であってもよい。
さらに、着色塗料には、セルロースアセテートブチレート、有機重合体微粒子、体質顔料、沈降防止剤、タレ止め防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、硬化触媒及びその他塗料用添加剤等を配合してもよい。また、着色塗料は、有機溶剤形塗料(ハイソリッド、非水分散型も含む)であっても水性塗料であってもよい。なお、有機溶剤の種類としては、人体や環境への影響の観点から、トルエンやキシレンを含まないことが好ましい。
セルロースアセテートブチレートは、セルロースの部分アセチル化物をさらにブチリル化して得られるセルロース誘導体であり、数平均分子量が、10,000〜80,000程度の範囲内のものが好ましい。さらにセルロースアセテートブチレートとアクリル成分とのグラフト共重合体も使用可能である。
セルロースアセテートブチレートを配合する場合その配合量は、塗料中の樹脂固形分100質量部に対して20質量部以下程度が適当である。
上記有機重合体微粒子としては、従来公知のポリマービーズなどの樹脂粒子や前記モノマー類の重合物を微細に粉砕したもの、さらにゲル化重合体微粒子(例えば、特開昭51−126287号公報、特開昭53−133233号公報、特開昭53−133236号公報、特開昭56−76447号公報、特開昭58−129065号公報参照)などが挙げられ、特に分子内に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を有する重合性モノマー及びその他のラジカル重合性不飽和モノマーを、分子内にアリル基を含有する反応性乳化剤の存在下で、乳化重合せしめて得られるゲル化重合体微粒子(例えば、特開平3−66770号公報参照)が好適に使用できる。
有機重合体微粒子を配合する場合その配合量は、塗料中の樹脂固形分100質量部に対して5〜30質量部程度が適当である。
本発明の複層塗膜形成方法では、被塗物上に着色塗料を塗装して着色塗膜が形成される。着色塗料は、塗装作業性の点から、塗装時において固形分含有率を通常10質量%以上、特に15〜45質量%の範囲内とし、さらに、その粘度を5〜20秒、さらに好ましくは9〜14秒/イワタカップ(20℃)の範囲内に調整しておくことが好ましい。
着色塗料の塗装方法は特に限定されず、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装機、浸漬塗装、刷毛等により塗装することができる。塗装の際、静電印加を行ってもよい着色塗料を塗装して形成される着色塗膜の膜厚は、通常、硬化塗膜に基づいて10〜60μm、特に20〜50μm、さらに特に25〜45μmの範囲内であることが好ましい。
形成された着色塗膜上には、その上に後述する光輝性塗料及び/又は前記本発明の塗料組成物が塗装される。着色塗膜は、その塗膜上に光輝性塗料及び/又は前記本発明の塗料組成物が塗装される際に、硬化していてもよく、又は未硬化であってもよい。
本明細書中において、硬化塗膜とは、JIS K 5600−1−1(2004)に規定された硬化乾燥状態、すなわち、塗面の中央を親指と人差指とで強く挟んで、塗面に指紋によるへこみが付かず、塗膜の動きが感じられず、また、塗面の中央を指先で急速に繰り返しこすって、塗面にすり跡が付かない状態の塗膜である。一方、未硬化塗膜とは、塗膜が上記硬化乾燥状態に至っていない状態であって、JIS K 5600−1−1に規定された指触乾燥状態及び半硬化乾燥状態をも含むものである。
着色塗膜を硬化させるためには通常加熱を行う。加熱条件としては、例えば、60〜150℃の温度で、10〜130分間の時間が挙げられる。未硬化の場合には、着色塗膜の揮発分を低くする又は揮発分を除去するために、クリヤー塗料の塗装前に予備加熱(プレヒート)、エアブローを行うことができる。プレヒートは、通常、塗装された被塗物を乾燥炉内で、50〜110℃、好ましくは60〜90℃の温度で1〜30分間直接的又は間接的に加熱することにより行うことができる。エアブローは、通常、被塗物の塗装面に常温又は25℃〜80℃の温度に加熱された空気を吹き付けることにより行うことができる。
光輝性塗料
本発明の複層塗膜形成方法における光輝性塗料は水酸基含有樹脂及び光輝性顔料を含む。
水酸基含有樹脂は、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有する樹脂である。水酸基含有樹脂としては、水酸基を有する、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂等の樹脂が挙げられる。これらはそれぞれ単独で若しくは2種以上組み合わせて使用することができる。
水酸基含有樹脂は、硬化性及び付着性の点から、水酸基価が10〜200mg/KOH、特に40〜150mg/KOHであることが好ましい。
光輝性顔料としては、例えばアルミニウム、銅、ニッケル合金、ステンレス等の鱗片状金属顔料、表面を金属酸化物で被覆した鱗片状金属顔料、表面に着色顔料を化学吸着させた鱗片状金属顔料、表面に酸化還元反応を起こさせることにより酸化アルミニウム層を形成した鱗片状アルミニウム顔料、アルミニウム固溶板状酸化鉄顔料、ガラスフレーク顔料、表面を金属又は金属酸化物で被覆したガラスフレーク顔料、表面に着色顔料を化学吸着させたガラスフレーク顔料、表面を二酸化チタンで被覆した干渉マイカ顔料、干渉マイカ顔料を還元した還元マイカ顔料、表面に着色顔料を化学吸着させたり、表面を酸化鉄で被覆した着色マイカ顔料、表面を二酸化チタンで被覆したグラファイト顔料、表面を二酸化チタンで被覆したシリカフレークやアルミナフレーク顔料、盤状酸化鉄顔料、ホログラム顔料、合成マイカ顔料、らせん構造を持つコレステリック液晶ポリマー顔料、オキシ塩化ビスマス顔料などが挙げられる。本発明においては、これらのうちで、半透明な鱗片状基材に金属酸化物を被覆したシルバータイプ又は着色タイプの光輝性顔料を使用することが、複層塗膜においてハイライトからシェードへの光輝感や色調の変化を緩やかにする点から好ましく、シルバータイプ又は着色タイプの中でも、マイカ、人工マイカ、シリカ又は酸化アルミニウムから選択された鱗片状基材に酸化チタン又は酸化鉄を被覆した光輝性顔料を使用することが特に好ましい。
光輝性顔料の大きさは、平均粒径が5〜25μmの範囲内のものを使用することが、塗装された塗膜仕上がり性や粒子感の点から好ましく、より好ましくは粒径が7〜20μmの範囲内もの、特に好ましくは8〜18μmの範囲内ものである。厚さは0.05〜0.5μmの範囲内のものを使用することが好ましい。ここでいう粒径及び厚さは、光学顕微鏡又は電子顕微鏡で該光輝性顔料を観察して得られた数値を意味する。
また、光輝性顔料の含有量は、塗装して得られる塗膜の仕上がり性の点から、光輝性顔料を含む塗料中の樹脂固形分100質量部に対して、合計で1〜25質量部の範囲内が好ましく、より好ましくは3〜20質量部の範囲内、特に好ましくは5〜18質量部の範囲内である。
光輝性塗料には、光輝性顔料の他にも、複層塗膜の色相や明度を微調整することを目的として、着色顔料を配合することができる。着色顔料としては、特に制限されるものではないが、上記着色塗料に用いることができるものとして例示したものの中から適宜選択して用いることができる。また、着色塗料と光輝性塗料に着色顔料を用いる場合、各々の塗料に用いる着色顔料の中で、有彩色の顔料については、同系色のものを用いることが、複層塗膜の彩度の点から好ましい。
さらに、光輝性塗料には、必要に応じて、水あるいは有機溶剤等の溶媒、顔料分散剤、沈降防止剤、硬化触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤、体質顔料などを適宜配合することができる。
光輝性塗膜は、前記光輝性塗料を、静電塗装、エアースプレー、エアレススプレーなどの方法で塗装して得ることができる。
光輝性塗膜の膜厚は硬化塗膜に基づいて5〜30μm、より好ましくは13〜25μmの範囲内とするのが、被塗物を隠蔽する点や塗膜の平滑性の点から好ましい。
光輝性塗膜は、その塗膜上に本発明の塗料組成物が塗装される際に、硬化していてもよく、又は未硬化であってもよい。
光輝性塗膜を硬化させる場合には通常加熱を行う。加熱条件としては、例えば、60〜150℃の温度で、5〜130分間の時間が挙げられる。光輝性塗膜は未硬化のまま後述するクリヤー塗膜を形成させる場合には、光輝性塗膜の揮発分を低くする又は揮発分を除去するために、本発明の塗料組成物の塗装前に予備加熱(プレヒート)、エアブローを行うことができる。プレヒートは、通常、塗装された被塗物を乾燥炉内で、50〜110℃、好ましくは60〜90℃の温度で1〜30分間直接的又は間接的に加熱することにより行うことができる。エアブローは、通常、被塗物の塗装面に常温又は25℃〜80℃の温度に加熱された空気を吹き付けることにより行うことができる。
クリヤー塗膜の形成
本発明の複層塗膜形成方法では、前記着色塗膜または光輝性塗膜上に本発明の塗料組成物を塗装してクリヤー塗膜が形成される。
本発明の塗料組成物の塗装は、特に限定されず前記着色塗料及び光輝性塗料と同様の方法で行うことができ、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装、カーテンコート塗装などの塗装方法により行なうことができる。これらの塗装方法は、必要に応じて、静電印加してもよい。本発明の塗料組成物の塗布量は、通常、硬化膜厚として、10〜50μm程度となる量とするのが好ましい。
また、本発明の塗料組成物の塗装にあたっては、該塗料組成物の粘度を、塗装方法に適した粘度範囲、例えば、回転霧化塗装においては、20℃でフォードカップNo.4粘度計による測定で、15〜40秒程度の粘度範囲となるように、有機溶剤等の溶媒を用いて、適宜、調整しておくことが好ましい。
本発明の複層塗膜形成方法においては未硬化のクリヤー塗膜を加熱することによって、クリヤー塗膜を硬化させることができる。クリヤー塗膜の加熱は公知の手段により行うことができ、例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉等の乾燥炉を適用できる。加熱温度は60〜150℃、好ましくは70〜140℃の範囲内にあることが適している。加熱時間は、特に制限されるものではないが、好ましくは5〜130分間、より好ましくは10〜120分間の範囲内である。
本発明の複層塗膜形成方法は、未硬化の着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜の二層を同時に加熱し硬化させることができる。また、本発明の別の複層塗膜形成方法では未硬化の着色塗膜、未硬化の光輝性塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜の三層を同時に加熱し硬化させることもできる。上記加熱条件としては、加熱温度は60〜150℃、好ましくは70〜140℃の範囲内にあることが適している。特に、被塗物が有機材料の場合、その融点が140℃以上の場合には、加熱温度を70〜140℃、好ましくは80〜130℃の範囲内とすることが適しており、被塗物の融点が140℃未満の場合には加熱温度を60〜90℃、好ましくは65〜85℃とすることが適している。
加熱時間は、特に制限されるものではないが、好ましくは10〜130分間、より好ましくは10〜120分間の範囲内である。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものである。
水酸基含有アクリル樹脂(A)の製造
製造例1
撹拌装置、温度計、還流冷却器、サーモスタット及び滴下用ポンプを備えた反応容器に、酢酸3−メトキシブチル 40部、スワゾール1500(商品名、丸善石油化学株式会社、芳香族炭化水素系溶剤) 40部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、撹拌しながら125℃まで昇温し、表1に記載のモノマーと重合開始剤との混合物を反応容器中へ、滴下用ポンプを利用して3時間かけて一定速度で滴下した。その後、ジtert−ブチルパーオキサイド 0.5部及び酢酸ブチル 10部の混合物を1時間要して追滴下した。滴下終了後、同温度で3時間熟成し反応を終了した。得られた溶液を固形分含有率60%となるように酢酸ブチルで調整し、水酸基含有アクリル樹脂(A−1)の溶液を得た。またアクリル樹脂の重量平均分子量は約9,000、水酸基価は121mgKOH/g、ガラス転移温度79℃であった。
製造例2〜5
表1に記載の配合とする以外は全て製造例1と同様にして水酸基含有アクリル樹脂(A−2)〜(A−5)を得た。
Figure 0006912849
シリコーン系化合物(B)
本発明の実施例で使用したシリコーン系化合物(B−1)〜(B−6)の詳細は以下の通りである。
(B−1):重量平均分子量2000〜3000、前記化学式(I)において、Rがメチル基、Rがエチレン基、Xが水酸基、n=15〜30
(B−2):重量平均分子量2000〜3000、前記化学式(I)において、Rがメチル基、Rがエチレン基、Xがアミノ基、n=15〜30
(B−3):重量平均分子量7000〜8000、前記化学式(I)において、Rがメチル基、Rがエチレン基、Xが水酸基、n=50〜80
(B−4):重量平均分子量1000〜2000、前記化学式(I)において、Rがメチル基、Rがエチレン基、Xが水酸基、n=8〜20
(B−5):「シリコーン KP−327」商品名、信越化学工業社製、フェニルメチルポリシロキサン、重量平均分子量10,600
(B−6):「ディスパロンNSH8430」商品名、楠本化成社製、重量平均分子量16000、シリコーン変性アクリル
ポリイソシアネート化合物(C)
本発明の実施例で使用したポリイソシアネート化合物(C−1)の詳細は以下の通りである。
(C−1):「スミジュールN3300」商品名、住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体、NCO含有量=21.8%、固形分含有率100%
塗料組成物No.1〜No.11の製造
実施例1
固形分60%の水酸基含有アクリル樹脂(A−1)溶液 15部(固形分)、固形分60%の水酸基含有アクリル樹脂(A−3)溶液 85部(固形分)、シリコーン系化合物(B−1) 0.4部(固形分)、ポリイソシアネート化合物(C−1) 42部(固形分)、ジブチルスズジラウレート 0.005部、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン 1.00部、を均一に混合し、さらに酢酸ブチルにて粘度10±1秒/イワタカップ(20℃)となるように固形分含有率を調整し塗料組成物No.1を得た。
塗料組成物No.1における水酸基含有アクリル樹脂成分の水酸基(OH)の合計量とポリイソシアネート化合物のイソシアネート基(NCO)との当量比は、NCO/OH=1.2である。
実施例2〜7、比較例1〜4
実施例1において、(A)〜(C)の各成分の配合を表2に示す配合とする以外は、実施例1と同様にして塗料組成物No.2〜No.11を得た。なお表2の配合量は、固形分の配合量を示す。
Figure 0006912849
水酸基含有アクリル樹脂(A−6)の製造
製造例6
撹拌装置、温度計、還流冷却器、サーモスタット及び滴下用ポンプを備えた反応容器に、酢酸3−メトキシブチル 40部、スワゾール1500 40部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、撹拌しながら100℃まで昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート 10部、メチルメタクリレート 75部、エチルアクリレート 16部、アクリル酸 0.5部、ジtert−ブチルパーオキサイド 1.5部の混合物を反応容器中へ、滴下用ポンプを利用して3時間かけて一定速度で滴下した。その後、ジtert−ブチルパーオキサイド 0.5部及び酢酸ブチル 10部の混合物を1時間要して追滴下した。滴下終了後、同温度で3時間熟成し反応を終了した。得られた溶液を固形分含有率60%となるように酢酸ブチルで調整し、水酸基含有アクリル樹脂(A−6)の溶液を得た。またアクリル樹脂の重量平均分子量は約35,000、水酸基価は30mgKOH/g、ガラス転移温度72℃であった。
水酸基含有アクリル樹脂(A−7)の製造
製造例7
撹拌装置、温度計、還流冷却器、サーモスタット及び滴下用ポンプを備えた反応容器に、酢酸3−メトキシブチル 40部、スワゾール1500 40部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、撹拌しながら125℃まで昇温し、スチレン 30部、2−ヒドロキシエチルアクリレート 19部、メチルメタクリレート 25部、ノルマルブチルアクリレート 25部、アクリル酸 1部、ジtert−ブチルパーオキサイド 2.0部の混合物を反応容器中へ、滴下用ポンプを利用して3時間かけて一定速度で滴下した。その後、ジtert−ブチルパーオキサイド 0.5部及び酢酸ブチル 10部の混合物を1時間要して追滴下した。滴下終了後、同温度で3時間熟成し反応を終了した。得られた溶液を固形分含有率60%となるように酢酸ブチルで調整し、水酸基含有アクリル樹脂(A−7)の溶液を得た。またアクリル樹脂の重量平均分子量は約20,000、水酸基価は82mgKOH/g、ガラス転移温度42℃であった。
着色塗料の製造
製造例8
固形分60%の水酸基含有アクリル樹脂(A−6)溶液 10部(固形分)、固形分60%の水酸基含有アクリル樹脂(A−7)溶液 90部(固形分)、ポリイソシアネート化合物(C−1) 42部(固形分)、タイピュアR−902+(商品名、二酸化チタン)80部、を均一に混合し、さらに酢酸ブチルにて粘度10±1秒/イワタカップ(20℃)となるように固形分含有率を調整し着色塗料No.1を得た。
着色塗料No.1における水酸基含有アクリル樹脂成分の水酸基(OH)の合計量とポリイソシアネート化合物のイソシアネート基(NCO)との当量比は、NCO/OH=1.0である。
被塗物の作成
被塗物1
100mm×150mm×3.0mmの繊維強化プラスチック(FRP)板の表面をイソプロピルアルコールで脱脂して被塗物1とした。
被塗物2
100mm×150mm×3.0mmのアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン板の表面をイソプロピルアルコールで脱脂して被塗物2とした。
試験板の作成
実施例8
被塗物1上に、製造例8で得た着色塗料No.1を、エアスプレーを用いて膜厚が30μmとなるように塗装し、常温で10分間セッティングを行って、未硬化の着色塗膜を形成した。次に、該未硬化の着色塗膜上に、実施例1で得た塗料組成物No.1を、エアスプレーを用いて膜厚が35μmとなるように塗装し、常温で10分間セッティングを行って、未硬化のクリヤー塗膜を形成した。その後、該未硬化の着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を、130℃で30分間加熱して硬化させることにより、試験板を得た。
実施例9〜14、16〜22、比較例5〜12
被塗物、塗料組成物として、表3に記載のものを使用する以外は、実施例8と同様にして、各試験板を得た。
実施例15
被塗物1上に、製造例8で得た着色塗料No.1を、エアスプレーを用いて膜厚が30μmとなるように塗装し、常温で10分間セッティングを行って、未硬化の着色塗膜を形成した。次に、該未硬化の着色塗膜上に、光輝性塗料(「レタンPG60 202サンメタリックベース」商品名、関西ペイント社製、プラスチック材料向け光輝性塗料)を、エアスプレーを用いて膜厚が15μmとなるように塗装し、常温で10分間セッティングを行って、未硬化の光輝性塗膜を形成した。
次に、該未硬化の光輝性塗膜上に、実施例1で得た塗料組成物No.1を、エアスプレーを用いて膜厚が35μmとなるように塗装し、常温で10分間セッティングを行って、未硬化のクリヤー塗膜を形成した。その後、該未硬化の着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を、130℃で30分間加熱して硬化させることにより、試験板を得た。
実施例23
被塗物1に替えて被塗物2を使用する以外は、実施例15と同様にして、各試験板を得た。
評価試験
得られた各試験板について、下記の試験方法により評価を行なった。評価結果を表3に示す。
初期水接触角
試験板作成後72時間以上経過後に蒸留水0.4μLを滴下し5秒経過後の接触角(単位:°)を測定した。該接触角測定に用いた接触角計は、「CA−X150型」(協和界面科学株式会社製)である。
耐水試験後の水接触角
試験板を90℃の温水に96時間浸漬し、その後25℃の室温に24時間静置するサイクルを3回行った後に水接触角を上記と同様の方法で測定した。
初期オレイン酸接触角
試験板作成後72時間以上経過後にオレイン酸0.4μLを滴下し5秒経過後の接触角(単位:°)を測定した。該接触角測定に用いた接触角計は、「CA−X150型」(協和界面科学株式会社製)である。
耐水試験後のオレイン酸接触角
試験板を90℃の温水に300時間浸漬した後にオレイン酸接触角を上記と同様の方法で測定した。
なお、接触角の保持率は以下の式で定義する。
保持率(%)=耐水試験後の接触角/初期接触角×100
耐汚染性
試験板に泥土、カーボンブラック、鉱油及びクレーの混合物からなる汚染物質をネルに付着させて各試験塗板の塗面に軽くこすりつけた。これを20℃で75%RHの恒温恒湿室中に24時間放置後、塗面を流水で洗浄し、塗膜の汚染度を塗板の明度差(ΔL)により下記の基準により評価した。ΔL値が小さいほど耐汚染性は良好である。ΔLは以下の式により算出した:
ΔL=(耐汚染性試験前のL値)−(耐汚染性試験後のL値)
L値の測定はコニカミノルタ製CR400(商品名、三刺激値直読式色彩計 D65光源 2°視野 拡散照明垂直受光(d/0))を用いて行なった。なお、上記L値はCIE 1976 L*a*b*表色系に基づく値である:
Aは、ΔL<0.2、
Bは、0.2≦ΔL<1、
Cは、1≦ΔL<2、
Dは、2≦ΔL。
耐擦り傷性
耐擦り傷性試験機として、染色物堅牢度摩擦試験機(商品名「FR−II」、スガ試験機社製)を用いた。磨き粉(商品名「ダルマクレンザー」、ダルマクレンザー本舗社製)3gに対して、水2gの割合で、混合して、研磨剤とした。この研磨剤を、ネルに3滴程度付着させ、そのネルを試験機端子で押さえ、0.5kgの荷重をかけて25往復した。その後、塗面を流水で洗浄し、自然乾燥後、塗面を下記基準にて評価した。
A:塗面のツヤに変化が認められず、耐擦り傷性に優れる。
B:塗面にツヤビケが少し認められ、耐擦り傷性やや不良。
C:塗面にツヤビケが著しく認められ、耐擦り傷性不良。
付着性
試験板を60℃の水に240時間浸漬した後、JIS K 5600−5−6(1999)付着性、クロスカット法に準じて、塗装板の塗膜面に素地に達するようにナイフを使用して約1mmの間隔で縦、横それぞれ平行に11本の切目を入れてゴバン目を形成し、その表面にセロハン粘着テープを貼着し、テープを急激に剥離した後のゴバン目塗面を下記基準にて評価した。
A:塗膜の剥離が全く認められない。
B:ナイフ傷の角の塗膜の一部にわずかに剥離が認められる。
C:100個のゴバン目のうち剥離したものが1以上である。
Figure 0006912849
Figure 0006912849

Claims (5)

  1. ガラス転移温度(Tg)が10℃〜85℃の範囲内である水酸基含有アクリル樹脂(A)、1以上の反応性基を有し、重量平均分子量が500〜10,000であるシリコーン系化合物(B)及びポリイソシアネート化合物(C)を含む塗料組成物であって、
    前記水酸基含有アクリル樹脂(A)が、ガラス転移温度(Tg)が10℃〜50℃の範囲内である水酸基含有アクリル樹脂(A1)及びガラス転移温度(Tg)が51℃〜85℃の範囲内のアクリル樹脂(A2)を含み、
    被塗面に、硬化塗膜として35μmとなるように塗装せしめて形成された塗膜の初期水接触角が90〜110°の範囲内であって、初期オレイン酸接触角が40〜60°の範囲内であり、
    且つ、上記塗膜を90℃の温水に300時間浸漬した後の水接触角及びオレイン酸接触角の保持率が、それぞれの初期接触角の90%以上であることを特徴とする塗料組成物。
  2. シリコーン系化合物(B)が、ポリシロキサン骨格を有する請求項に記載の塗料組成物。
  3. 被塗物上に、水酸基含有樹脂及び着色顔料を含む着色塗料を塗装して着色塗膜を形成し、形成された着色塗膜上に請求項1又は2に記載された塗料組成物を塗装してクリヤー塗膜を形成する複層塗膜形成方法。
  4. 被塗物上に着色顔料を含む着色塗料を塗装して着色塗膜を形成し、形成された着色塗膜上に光輝性顔料を含む光輝性塗料を塗装して光輝性塗膜を形成し、形成された光輝性塗膜上に請求項1又は2に記載された塗料組成物を塗装してクリヤー塗膜を形成する複層塗膜形成方法。
  5. 前記着色塗膜及び/又は光輝性塗膜並びにクリヤー塗膜を、60℃〜150℃の温度に加熱して同時に硬化させる請求項又はに記載の複層塗膜形成方法。
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