アルキルアリールケトンを反応させる方法が提供される。特に、一般式Iのアルキルアリールケトンを、少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケン、並びにアルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される塩基と反応させる方法であって、これにより対応するアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールが得られ、
上記一般式I中、R
1及びR
2は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
5−C
8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル、C
6−C
14−アリールから選択されるか、又は連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル若しくはC
5−C
12−シクロアルケニルを形成し、
R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
6−C
14−アリール、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、N(R
8)
2若しくはSR
8から選択され、R
8は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
6−C
14−アリール、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシから選択されるか、若しくはR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられているか、又は2つの隣接するRは式Iのベンゼン環と共に芳香族系を形成する方法が提供される。
従って、一般式Iのアルキルアリールケトンは出発物質として使用されることが理解され、
上記一般式I中、R
1及びR
2は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
5−C
8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル、C
6−C
14−アリールから選択されるか、又は連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル若しくはC
5−C
12−シクロアルケニルを形成し、
R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
6−C
14−アリール、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、N(R
8)
2若しくはSR
8から選択され、R
8は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
6−C
14−アリール、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシから選択されるか、若しくはR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられているか、又は2つの隣接するRは式Iのベンゼン環と共に芳香族系を形成する。
一般式I中のR1及びR2に関しては、それらは同じであってもよいし異なっていてもよいことに留意されたい。好ましくは、R1及びR2は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、C3−C8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C5−C8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルキニル、C6−C14−アリールから選択されるか、又は連結するC原子と共にC3−C12−シクロアルキル若しくはC5−C12−シクロアルケニルを形成する。
本発明の意味における用語「直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル」は、炭素原子数1〜8の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキル基を指し、その例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二級ブチル、第三級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル及び1,1,3,3−テトラメチルブチルが挙げられる。
本発明の意味における用語「C3−C8−シクロアルキル」は、炭素原子数3〜8の環状アルキルを指し、その例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルが挙げられる。
本発明の意味における用語「C5−C8−シクロアルケニル」は、炭素原子数3〜8の環状アルケニルを指し、その例としては、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、及びシクロヘプテニルが挙げられる。
本発明の意味における用語「直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル」は、炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルケニル基を指し、その例としては、例えば、エテニル、2−プロペニル等のプロペニル、ブテニル、トリイソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル及びオクテニルが挙げられる。本発明の意味における用語「アルケニル」は、シス異性体及びトランス異性体を含む。
本発明の意味における用語「直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルキニル」は、炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキニル基を指し、その例としては、例えば、エチニル、1−プロピニル又は2−プロピニル等のプロピニル、例えばプロパルギル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル及びオクチニルが挙げられる。
本発明の意味における用語「C6−C14−アリール」は、1以上の6員の不飽和炭化水素環を含有する基であって、その不飽和が共役二重結合によって形式的に表され、このような環の1以上の炭素原子上で、独立に選択されるアルキル基によって任意に置換されていてもよい基を指す。従って、用語「C6−C14−アリール」としては、好ましくは(非置換)C6−C10−アリール及びC6−C14−アルキルアリールが挙げられる。好適な例としては、例えば、フェニル、ナフチル、メチルフェニル、ジメトキシフェニル、5−イソプロピル−2−メチルフェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、ジメチルフェニル、t−ブチルフェニル、メチルナフチル及びジメチルナフチルが挙げられる。
本発明の意味における用語「連結するC原子と共にC3−C12−シクロアルキルを形成する」は、炭素原子数3〜12の一環式、二環式又は三環式のアルキルを指し、その例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニル及びアダマンチルが挙げられる。
本発明の意味における用語「連結するC原子と共にC5−C12−シクロアルケニルを形成する」は、炭素原子数5〜12の一環式、二環式又は三環式のアルケニルを指し、1以上、好ましくは1つ、の二重結合を備える。好適な例としては、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル及びシクロヘプテニルが挙げられる。上記C5−C12−シクロアルケニルの二重結合は、α,β−不飽和カルボニル化合物が形成されないように位置していることが理解される。従って、一般式I中のR1及びR2は、連結するC原子と共にC5−C12−シクロアルケニルを形成することができるが、ただしα,β−不飽和カルボニル化合物は形成されない。
1つの実施形態では、R1及びR2は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、C3−C8−シクロアルキルから選択されるか、又は連結するC原子と共にC3−C12−シクロアルキルを形成する。好ましくは、R1及びR2は同じであるか又は異なり、独立に、H又は直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキルから選択される。
例えば、R1及びR2は同じである。この実施形態では、R1及びR2は、好ましくは、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、C3−C8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C5−C8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルキニル、C6−C14−アリールから選択されるか、又は連結するC原子と共にC3−C12−シクロアルキル若しくはC5−C12−シクロアルケニルを形成する。
1つの実施形態では、R1及びR2は同じであり、Hである。
別の実施形態では、R1及びR2は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキルである。例えば、R1及びR2は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C3−アルキル、例えば直鎖状のC1−C3−アルキルである。R1及びR2が同じであり、C1−アルキル又はC2−アルキル、例えばC1−アルキルであることがとりわけ好ましい。
別の実施形態では、R1及びR2は、連結するC原子と共にC3−C12−シクロアルキルを形成する。例えば、R1及びR2は、連結するC原子と共に、C4−C10−シクロアルキル、好ましくはC4−C8−シクロアルキル、より好ましくはC4−C6−シクロアルキル、最も好ましくはC5−シクロアルキル又はC6−シクロアルキル、例えばC6−シクロアルキルを形成する。
別の実施形態では、R1及びR2は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C8−アルケニルである。例えば、R1及びR2は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C6−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C4−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C4−アルケニル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−アルケニル又はC3−アルケニル、例えば直鎖状のC2−アルケニル又はC3−アルケニルである。R1及びR2が同じであり、C3−アルケニルであることがとりわけ好ましい。
別の実施形態では、R1及びR2は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルキニル、例えば直鎖状のC2−C8−アルキニルである。例えば、R1及びR2は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルキニル、例えば直鎖状のC2−C6−アルキニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C4−アルキニル、例えば直鎖状のC2−C4−アルキニル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−アルキニル又はC3−アルキニル、例えば直鎖状のC2−アルキニル又はC3−アルキニルである。R1及びR2が同じであり、C3−アルキニルであることがとりわけ好ましい。
別の実施形態では、R1及びR2は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC6−C14−アリール、例えば(非置換)C6−C10−アリール又はC6−C14−アルキルアリールである。例えば、R1及びR2は同じであり、(非置換)C6−アリール又はC10−アリールである。あるいは、R1及びR2は同じであり、C8−C12−アルキルアリールである。
別の実施形態では、R1及びR2は、連結するC原子と共にC5−C12−シクロアルケニルを形成する。例えば、R1及びR2は、連結するC原子と共に、C5−C10−シクロアルケニル、好ましくはC5−C8−シクロアルケニル、最も好ましくはC5−シクロアルケニル又はC6−シクロアルケニル、例えばC6−シクロアルケニルを形成する。
R1及びR2が同じである場合、R1及びR2が、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状のC1−C8−アルキルであるか、又は連結するC原子と共にC3−C12−シクロアルキル、好ましくはC5−シクロアルキル若しくはC6−シクロアルキルを形成することが好ましい。より好ましくは、R1及びR2は、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状のC1−C8−アルキルであるか、又はC3−C12−シクロアルキルを形成する。最も好ましくは、R1及びR2は、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状のC1−C8−アルキルである。
あるいは、R1及びR2は異なる。この実施形態では、R1及びR2は、好ましくは、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、C3−C8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C5−C8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルキニル又はC6−C14−アリールから選択される。例えば、R1及びR2は異なり、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C6−アルケニル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C4−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C4−アルケニル、さらにより好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−アルケニル又はC3−アルケニル、例えば直鎖状のC2−アルケニル又はC3−アルケニル、最も好ましくはC3−アルケニル、及び直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルキニル、例えば直鎖状のC2−C8−アルキニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルキニル、例えば直鎖状のC2−C6−アルキニル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C4−アルキニル、例えば直鎖状のC2−C4−アルキニル、さらにより好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−アルキニル又はC3−アルキニル、例えば直鎖状のC2−アルキニル又はC3−アルキニル、最も好ましくはC3−アルキニルから選択される。1つの実施形態では、R1及びR2は異なり、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキルから選択される。1つの実施形態では、R1及びR2は異なり、H及びC1−アルキル又はC2−アルキル、好ましくはC2−アルキルから選択される。
R1及びR2が異なる場合、R1又はR2は、好ましくはHであり、残りのR1又はR2は、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、さらにより好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、最も好ましくはC1−アルキル又はC2−アルキル、例えばC2−アルキルである。
好ましくは、R1及びR2は同じである。
一般式Iのアルキルアリールケトンは、残基R3、R4、R5、R6及びR7をさらに含む。R3、R4、R5、R6及びR7は同じであってもよいし異なっていてもよいことが理解される。さらには、R3、R4、R5、R6及びR7は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C3−C8−シクロアルキル、C6−C14−アリール、C3−C8−シクロアルコキシ、C7−C15−アリールアルコキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、N(R8)2若しくはSR8から選択され、R8は、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C6−C14−アリール、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C3−C8−シクロアルキル、C3−C8−シクロアルコキシ、C7−C15−アリールアルコキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシから選択されるか、若しくはR8は連結するN原子と共にC3−C9−脂環系を形成するか、若しくはR8は連結するN原子と共にC3−C9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられているか、又は2つの隣接するRは式Iのベンゼン環と共に芳香族系を形成する。
本発明の意味における用語「C1−C8−アルコキシ」は、そのアルコキシ部分が炭素原子数1〜8の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキルを有することを意味し、その例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第三級ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ及びオクチルオキシが挙げられる。
本発明の意味における用語「C2−C8−アルケニルオキシ」は、そのアルケニルオキシ部分が炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルケニルを有することを意味し、その例としては、例えば、エテニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、トリイソブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、ヘキセニルオキシ、ヘプテニルオキシ及びオクテニルオキシが挙げられる。
本発明の意味における用語「C3−C8−シクロアルコキシ」は、そのシクロアルコキシ部分が炭素原子数3〜8の環状アルキルを有することを意味し、その例としては、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、及びシクロヘプチルオキシが挙げられる。
本発明の意味における用語「C7−C15−アリールアルコキシ」は、そのアルコキシ部分が炭素原子数1〜4の、好ましくは炭素原子数1又は2の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキルを有し、この鎖状アルキルがC6−C14−アリールに連結されていることを意味する。
本発明の意味における用語「C7−C15−アリールアルキル」は、そのアルキル部分が炭素原子数1〜4の、好ましくは炭素原子数1又は2の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキルであり、その鎖状アルキルがC6−C14−アリールに連結されていることを意味する。
本発明の意味における用語「C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ」は、そのアルコキシ部分が炭素原子数1〜4の、好ましくは炭素原子数1又は2の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキルを有し、この鎖状アルキルがC6−C14−アリール、好ましくはC6−アリールに連結されており、このC6−C14−アリール、好ましくはC6−アリールが直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、好ましくはC2−アルケニルにさらに連結されていることを意味する。好ましくは、アルコキシ部分及びアルケニル部分は、アリール部分のパラ位に連結されている。
1つの実施形態では、R3、R4、R5、R6及びR7は同じである。この実施形態では、R3、R4、R5、R6及びR7は同じであり、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキルから選択される。例えば、R3、R4、R5、R6及びR7は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキルである。R3、R4、R5、R6及びR7が同じであり、Hであることがとりわけ好ましい。
あるいは、R3、R4、R5、R6及びR7は異なる。この実施形態では、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの少なくとも1つは、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R8)2又はSR8から選択され、R8は直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニルから選択されるか、又はR8は連結するN原子と共にC3−C9−脂環系を形成する。
本発明の意味における用語「少なくとも1つ」は、R3、R4、R5、R6及びR7のうちの1以上が、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R8)2又はSR8から選択され、R8は直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニルから選択されるか、又はR8は連結するN原子と共にC3−C9−脂環系を形成することを意味する。
例えば、R3、R4、R5、R6及びR7のうちの1つ又は2つ又は3つは、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R8)2又はSR8から選択され、R8は直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニルから選択されるか、又はR8は連結するN原子と共にC3−C9−脂環系を形成する。例えば、R3、R4、R5、R6及びR7のうちの1つ又は2つは、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R8)2又はSR8から選択され、R8は直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニルから選択されるか、又はR8は連結するN原子と共にC3−C9−脂環系を形成する。
好ましくは、R3、R4、R5、R6及びR7のうちの1つは、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R8)2又はSR8から選択され、R8は直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニルから選択されるか、又はR8は連結するN原子と共にC3−C9−脂環系を形成する。
R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの少なくとも1つが、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R8)2又はSR8から選択され、R8が直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニルから選択されるか、又はR8が、連結するN原子と共にC3−C9−脂環系を形成する場合、残りのものが、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキルから選択されることが好ましい。例えば、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの少なくとも1つは、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R8)2又はSR8から選択され、R8は直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニルから選択されるか、又はR8は連結するN原子と共にC3−C9−脂環系を形成し、残りのものはHである。
1つの実施形態では、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの1つは、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R8)2又はSR8から選択され、R8は直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニルから選択されるか、又はR8は連結するN原子と共にC3−C9−脂環系を形成する。
例えば、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの1つは、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、例えばC2−アルケニル又はC3−アルケニルであり、残りのものはHである。
あるいは、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの1つは、C2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、例えばC3−アルケニルオキシ又はC4−アルケニルオキシ、とりわけC3−アルケニルオキシであり、残りのものはHである。
1つの実施形態では、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの1つは、C2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、例えばC3−アルケニルオキシ又はC4−アルケニルオキシ、とりわけC3−アルケニルオキシであり、残りのものは、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択される。
例えば、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの1つは、C2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、例えばC3−アルケニルオキシ又はC4−アルケニルオキシ、とりわけC3−アルケニルオキシであり、残りのもののうちの2つはHであり、残りのもののうちの2つは、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルである。
あるいは、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの1つは、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものはHである。
あるいは、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの1つはSR8であり、R8は、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、残りのものはHである。
あるいは、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの1つはN(R8)2であり、R8は、連結するN原子と共にC3−C9−脂環系、好ましくはC3−C7−脂環系、より好ましくはC4−C6−脂環系、最も好ましくはC5−脂環系又はC6−脂環系を形成し、残りのものはHである。任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられている。好ましくは、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの1つはN(R8)2であり、R8は、連結するN原子と共にC3−C9−脂環系、好ましくはC3−C7−脂環系、より好ましくはC4−C6−脂環系、最も好ましくはC5−脂環系又はC6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子はOで置き換えられており、残りのものはHである。
R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つが、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R8)2又はSR8から選択され、R8は直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニルから選択されるか、又はR8が、連結するN原子と共にC3−C9−脂環系を形成する場合、R5が、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R8)2又はSR8から選択され、R8が直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニルから選択されるか、又はR8が、連結するN原子と共にC3−C9−脂環系を形成することが好ましい。
従って、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つが、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R8)2又はSR8から選択され、R8が直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニルから選択されるか、又はR8が、連結するN原子と共にC3−C9−脂環系を形成する場合、この基がケト基に対してパラ位にあることが好ましい。
別の実施形態では、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの2つ又は3つは、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、好ましくはC1−C6−アルコキシ、最も好ましくはC1−C3−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、及びC9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものが、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択される。
例えば、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの2つは、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、好ましくはC1−C6−アルキルオキシ、最も好ましくはC1−C3−アルキルオキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、及びC9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものは、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択される。好ましくは、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの2つは、C2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシであり、残りのものは、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、好ましくは残りのものがHである。
あるいは、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの2つは、C1−C8−アルコキシ、好ましくはC1−C6−アルコキシ、最も好ましくはC1−C3−アルコキシであり、残りのものは、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、好ましくは残りのものはHである。
1つの実施形態では、R3、R4、R5、R6及びR7は異なり、それらのうちの3つは、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものは、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、好ましくは残りのものはHである。
R3、R4、R5、R6及びR7のうちの2つ又は3つが直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、好ましくはC1−C6−アルキルオキシ、最も好ましくはC1−C3−アルキルオキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、及びC9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシである場合、好ましくはR4及び/又はR5及び/又はR6が、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、例えば直鎖状のC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、好ましくはC1−C6−アルキルオキシ、最も好ましくはC1−C3−アルキルオキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、及びC9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであることが理解される。
1つの実施形態では、R3及びR4又はR4及びR5は、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式、三環式又は四環式の芳香族系、より好ましくはナフチル系、アントラセニル系及びフェナントレニル系から選択される芳香族系を形成する。この芳香族系は、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルである。
例えば、R4及びR5は、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのものは、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキル、好ましくはHから選択される。
上記残りのRのうちの1つが、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、好ましくはC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、C2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、及びC9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであってもよく、残りのものが、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキル、好ましくはHから選択されてもよいことが理解される。
1つの実施形態では、R4及びR5は、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、R3は、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、好ましくはC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、C2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、及びC9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものは、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、好ましくはHから選択される。例えば、R4及びR5は、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、R3は、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものはHである。
とりわけ好ましい一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R3、R4、R5、R6及びR7が同じであり、Hであるケトンである。
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R3、R4、R5、R6及びR7が同じであり、Hであるケトンである。
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が、連結するC原子と共にC3−C12−シクロアルキル、好ましくはC4−C10−シクロアルキル、より好ましくはC4−C8−シクロアルキル、さらにより好ましくはC4−C6−シクロアルキル、最も好ましくはC5−シクロアルキル又はC6−シクロアルキル、例えばC6−シクロアルキルを形成し、R4、R5、R6及びR7が同じであり、Hであるケトンである。
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4、R5、R6及びR7が同じであり、Hであるケトンである。
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、が直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、例えばC2−アルケニルであり、残りのものがHであるケトンである。
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、が直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、例えばC2−アルケニルであり、残りのものがHであるケトンである。
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つが、好ましくはR5、が直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、例えばC2−アルケニルであり、残りのものがHであるケトンである。
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、が直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、例えばC2−アルケニルであり、残りのものがHであるケトンである。
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、がSR8であり、R8が、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C3−アルキル、例えば直鎖状のC1−アルキル又はC3−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、残りのものがHであるケトンである。
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、がSR8であり、R8が、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、残りのものがHであるケトンである。
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、がSR8であり、R8が、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、残りのものがHであるケトンである。
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、がSR8であり、R8が、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、残りのものがHであるケトンである。
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つが、C2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、例えばC3−アルケニルオキシ又はC4−アルケニルオキシ、とりわけC3−アルケニルオキシであり、残りのもののうちの2つがHであり、残りのもののうちの2つが、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルであるケトンである。
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルでありR3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、がC2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、例えばC3−アルケニルオキシ又はC4−アルケニルオキシ、とりわけC3−アルケニルオキシであり、残りのもののうちの2つ、好ましくはR3及びR7、がHであり、残りのもののうちの2つ、好ましくはR4及びR6、が直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルであるケトンである。
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの3つ、好ましくはR3及びR4及びR5、がC9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのもの、好ましくはR6及びR7、がHであるケトンである。
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの3つ、好ましくはR3及びR4及びR5、がC9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのもの、好ましくはR6及びR7、がHであるケトンである。
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が異なり、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの2つ、好ましくはR4及びR5、がC1−C8−アルコキシ、好ましくはC1−C6−アルコキシ、最も好ましくはC1−C3−アルコキシ、とりわけC1−アルコキシであり、残りのもの、好ましくはR3、R6及びR7、がHであるケトンである。
例えば、一般式Iの一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が異なり、H及びC2−アルキルであり、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの2つ、好ましくはR4及びR5、がC1−C8−アルコキシ、好ましくはC1−C6−アルコキシ、最も好ましくはC1−C3−アルコキシ、とりわけC1−アルコキシであり、残りのもの、好ましくはR3、R6及びR7、がHであるケトンである。
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が異なり、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、がN(R8)2であり、R8が、連結するN原子と共にC3−C9−脂環系、好ましくはC3−C7−脂環系、より好ましくはC4−C6−脂環系、最も好ましくはC5−脂環系又はC6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられており、残りのもの、好ましくはR3、R4、R6及びR7、がHであるケトンである。
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が異なり、H及びC2−アルキルであり、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、がN(R8)2であり、R8が、連結するN原子と共にC3−C9−脂環系、好ましくはC3−C7−脂環系、より好ましくはC4−C6−脂環系、最も好ましくはC5−脂環系又はC6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられており、残りのもの、好ましくはR3、R4、R6及びR7、がHであるケトンである。
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4及びR5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのものが、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキル、好ましくはHから選択されるケトンである。
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R4及びR5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのものがHであるケトンである。
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4及びR5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのRのうちの1つ、好ましくはR3、が直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、好ましくはC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、C2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、及びC9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものがHであるケトンである。
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R4及びR5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのRのうちの1つが、好ましくはR3、がC9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものがHであるケトンである。
一般式Iのアルキルアリールケトンが、少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケン、並びにアルカリ金属C1−C8−アルコキシド、アルカリ土類金属C1−C8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される塩基と反応させられ、これにより対応するアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールが得られることが理解される。
上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンが、少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C6−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C6−アルケン、より好ましくは少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C4−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C4−アルケンであることが好ましい。例えば、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−アルカン若しくは少なくとも部分的にハロゲン化されたC3−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−アルケン若しくは少なくとも部分的にハロゲン化されたC3−アルケン、例えば少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−アルケンである。
上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、少なくとも部分的に塩素化及び/又は臭素化されていてもよい。例えば、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、少なくとも部分的に塩素化又は臭素化されている。あるいは、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、少なくとも部分的に塩素化及び臭素化されており、従って混合ハロゲン化C2−C8−アルカン及び/又は混合ハロゲン化C2−C8−アルケンである。
好ましくは、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、少なくとも部分的に塩素化されている。
1つの実施形態では、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、完全にハロゲン化されている。好ましくは、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、完全にハロゲン化されたC2−C6−アルカン及び/又は完全にハロゲン化されたC2−C6−アルケン、より好ましくは完全にハロゲン化されたC2−C4−アルカン及び/又は完全にハロゲン化されたC2−C4−アルケンである。例えば、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、完全にハロゲン化されたC2−アルカン若しくは完全にハロゲン化されたC3−アルカン及び/又は完全にハロゲン化されたC2−アルケン若しくは完全にハロゲン化されたC3−アルケンである。
例えば、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、完全に塩素化及び/又は臭素化されていてもよい。例えば、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、完全に塩素化又は臭素化されている。あるいは、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは完全に塩素化及び臭素化されており、従って混合ハロゲン化C2−C8−アルカン及び/又は混合ハロゲン化C2−C8−アルケンである。
好ましくは、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、完全に塩素化されている。
1つの実施形態では、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、ヘキサクロロエタン、テトラクロロエチレン、ペンタクロロプロパン、ヘキサブロモエタン、テトラブロモエチレン、ペンタブロモプロパン及びこれらの混合物から選択される。好ましくは、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、ヘキサクロロエタン、テトラクロロエチレン及びこれらの混合物である。例えば、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、ヘキサクロロエタン又はテトラクロロエチレンである。
1つの実施形態では、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンは、ヘキサクロロエタンである。
当該方法の別の必要事項(要件)は塩基の添加である。この塩基がアルカリ金属C1−C8−アルコキシド、アルカリ土類金属C1−C8−アルコキシド及びこれらの混合物を含む群から選択されることは、本発明の必要事項である。
1つの実施形態では、上記塩基は、ナトリウムC1−C6−アルコキシド、好ましくはナトリウムC1−C4−アルコキシド、最も好ましくはナトリウムC1−C2−アルコキシド、リチウムC1−C6−アルコキシド、好ましくはリチウムC1−C4−アルコキシド、最も好ましくはリチウムC1−C2−アルコキシド、カリウムC1−C6−アルコキシド、好ましくはカリウムC1−C4−アルコキシド、最も好ましくはカリウムC1−C2−アルコキシド、及びこれらの混合物を含む群から選択される。好ましくは、上記塩基は、ナトリウムC1−C6−アルコキシド、好ましくはナトリウムC1−C4−アルコキシド、最も好ましくはナトリウムC1−C2−アルコキシドである。最も好ましくは、上記塩基はナトリウムC1−アルコキシドである。
上記塩基は、それ自体で当該方法に加えることができる。あるいは、この塩基は水溶液の形態にあるか、又はこの塩基は有機溶媒中で提供され、好ましくはこの有機溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、tert−ブタノール、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びこれらの混合物を含む群から選択される。好ましくは、この塩基は有機溶媒中で提供され、好ましくはこの有機溶媒はメタノールである。
本発明の方法は、幅広い温度範囲にわたって実施することができる。例えば、当該方法は、0〜120℃の範囲、好ましくは12〜80℃の範囲、より好ましくは15〜50℃の範囲、最も好ましくは15〜30℃の範囲の温度で実施される。
好ましくは、当該方法は、室温で、すなわち約21℃(±2℃)の温度で実施される。
1つの実施形態では、当該方法が高温で実施されることが好ましい。つまり、当該方法は、室温より高い温度、好ましくは30〜120℃の範囲、より好ましくは40〜100℃の範囲、最も好ましくは40〜90℃の範囲の温度で実施される。
当該方法は有機溶媒中で実施されてもよいことがさらに理解される。好ましくは、この有機溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、tert−ブタノール、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、例えば1,3−ジオキサン又は1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル及びこれらの混合物を含む群から選択される。
上記塩基が有機溶媒中で提供される場合、この有機溶媒は、好ましくは、当該方法で使用される有機溶媒と同じである。従って、この有機溶媒は、好ましくはメタノールである。
当該反応及び接触は、上記成分、すなわち上記一般式Iのアルキルアリールケトン、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケン、並びにアルカリ金属C1−C8−アルコキシド、アルカリ土類金属C1−C8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される上記塩基を混合することにより実施される。当業者は、混合条件(例えば、混合装置の構成及び混合速度)を当業者自身のプロセス設備に応じて適合させるであろう。
上記試薬の添加の順序は当該反応の成功にとって重要ではないということが見出された。従って、上記一般式Iのアルキルアリールケトン、アルカリ金属C1−C8−アルコキシド、アルカリ土類金属C1−C8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される上記塩基、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケン、並びに、存在する場合の上記有機溶媒、は、どの順で接触させられてもよい。
好ましくは、上記一般式Iのアルキルアリールケトン、アルカリ金属C1−C8−アルコキシド、アルカリ土類金属C1−C8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される上記塩基、並びに、存在する場合の上記有機溶媒が、最初に接触させられて、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC2−C8−アルケンが供給される(metered in)。
一般式Iのアルキルアリールケトンを、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケン、並びにアルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される塩基と反応させる方法は、上記対応するアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールを生じることが理解される。得られたアリールオキシランは、好ましくは下記一般式Iaのものである。
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7並びにそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、当該方法、及び本発明の方法において出発物質として使用される一般式Iのアルキルアリールケトンの技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
得られるα−官能化アルキルアリールケタールは、好ましくは、下記一般式Ibのものである。
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7並びにそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、当該方法、及び本発明の方法において出発物質として使用される一般式Iのアルキルアリールケトンの技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
本発明の方法は、得られたアリールオキシラン若しくはα−官能化アルキルアリールケタールを単離及び/又は精製するさらなる工程を含んでもよい。
例えば、当該方法は、
i)得られたアリールオキシラン若しくはα−官能化アルキルアリールケタールを有機相から分離する工程、及び/又は
ii)得られたアリールオキシラン若しくはα−官能化アルキルアリールケタールを水の中に取り込み、得られた水相を有機溶媒で抽出する工程
をさらに含んでもよい。
1つの実施形態では、当該方法は、
i)得られたアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールを有機相から分離する工程、及び
ii)得られたアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールを水の中に取り込み、得られた水相を有機溶媒で抽出する工程
をさらに含む。
加えて、当該方法は、得られたアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールを乾燥する工程をさらに含んでもよい。
当該方法によって得られるアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールは、対応するα−官能化ケトンへとさらに反応されることができるということが理解される。
従って、1つの実施形態では、本発明の方法は、当該方法によって得られる当該アリールオキシランを、相間移動条件下で、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C1−C8−アルコキシド、アルカリ土類金属C1−C8−アルコキシド及び混合物を含む群から選択される塩基、並びにHOR9、HNHR9又はHNR10R11から選択され、R9、R10及びR11が、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C3−C8−シクロアルキル、C3−C8−シクロアルコキシ、C6−C14−アリール、C7−C15−アリールアルキル、C7−C15−アリールアルコキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR10及びR11は連結するN原子若しくはC原子と共にC3−C9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられている化合物と接触させるさらなる工程を含み、これにより対応するα−官能化ケトンが得られる。
α−官能化ケトンがアリールオキシランから調製される必要がある場合、従って、当該方法が相間移動条件下で実施されることが必要とされる。このような相間移動条件は、当該技術分野で周知であり、そのため、当業者は、上述の反応に好適な反応条件を容易に適用するであろう。当業者は、公知ではあるが本明細書中では詳細には触れられないこのような反応の変法を適用することもできる。
特に、当該アリールオキシランの反応は、相間移動触媒の存在下で、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C1−C8−アルコキシド、アルカリ土類金属C1−C8−アルコキシド及び混合物を含む群から選択される上記塩基、並びにHOR9、HNHR9又はHNR10R11から選択され、R9、R10及びR11が、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C3−C8−シクロアルキル、C3−C8−シクロアルコキシ、C6−C14−アリール、C7−C15−アリールアルキル、C7−C15−アリールアルコキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR10及びR11が、連結するN原子若しくはC原子と共にC3−C9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子がOで置き換えられている上記化合物と実施される。
上記相間移動触媒は、当該技術分野で公知のいずれの相間移動触媒から選択することができる。しかしながら、この相間移動触媒は、好ましくは第四級アンモニウム塩、テトラアルキルホスホニウム塩化物、テトラアルキルホスホニウム臭化物及びこれらの混合物から選択される。より好ましくは、この相間移動触媒は、テトラアルキルアンモニウム塩又はトリアルキルアリールアンモニウム塩であり、最も好ましくはこの相間移動触媒は、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、塩化メチルトリオクチルアンモニウム、セチルピリジニウム及びこれらの混合物を含む群から選択される。
このような相間移動触媒は、当該技術分野で周知であり、そのため、当業者は、上述の反応に好適な触媒を簡単に適用するであろう。当業者は、公知ではあるが本明細書中では詳細には触れられないこのような触媒の変更物を適用することもできる。
相間移動触媒の量は、幅広い範囲内で所望に応じて選ばれてよく、好ましくは上記アリールオキシランの重量に対して0.1〜100重量%である。
上記塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムC1−C6−アルコキシド、好ましくはナトリウムC1−C4−アルコキシド、最も好ましくはナトリウムC1−C2−アルコキシド、リチウムC1−C6−アルコキシド、好ましくはリチウムC1−C4−アルコキシド、最も好ましくはリチウムC1−C2−アルコキシド、カリウムC1−C6−アルコキシド、好ましくはカリウムC1−C4−アルコキシド、最も好ましくはカリウムC1−C2−アルコキシド、及びこれらの混合物を含む群から選択されることが好ましい。好ましくは、この塩基は、水酸化ナトリウム及びナトリウムC1−C6−アルコキシド、好ましくはナトリウムC1−C4−アルコキシド、最も好ましくはナトリウムC1−C2−アルコキシドを含む群から選択される。最も好ましくは、この塩基は水酸化ナトリウムである。
上記塩基は、それ自体で当該方法に加えることができる。あるいは、この塩基は水溶液の形態にあるか、又はこの塩基は有機溶媒中で提供され、好ましくはこの有機溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、tert−ブタノール、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、例えば1,3−ジオキサン又は1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル及びこれらの混合物を含む群から選択される。好ましくは、この塩基は水溶液の形態で提供される。
得られたアリールオキシランを対応するα−官能化ケトンへと反応させるために添加されるべき別の必須成分はHOR9、HNHR9又はHNR10R11から選択され、R9、R10及びR11は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C3−C8−シクロアルキル、C3−C8−シクロアルコキシ、C6−C14−アリール、C7−C14−アリールアルキル、C7−C14−アリールアルコキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR10及びR11は連結するN原子若しくはC原子と共にC3−C9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられている化合物である。
1つの実施形態では、上記化合物はHOR9であり、R9は、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C3−C8−シクロアルキル、C3−C8−シクロアルコキシ、C7−C14−アリールアルコキシ及びC9−C15−アルケニルアリールアルコキシから選択され、好ましくはR9は、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキル、C3−C8−シクロアルキル、好ましくはC4−C8−シクロアルキル、より好ましくはC4−C6−シクロアルキル、最も好ましくはC5−シクロアルキル又はC6−シクロアルキル、例えばC6−シクロアルキル、及びC6−C14−アリールである。
あるいは、上記化合物はHNR10R11であり、R10及びR11は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、C3−C8−シクロアルキル、C6−C14−アリールから選択されるか、又はR10及びR11は連結するN原子と共にC3−C6−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられており、好ましくはR10及びR11は、連結するN原子と共にC5−C6−脂環系を形成し、1以上の炭素原子はOで置き換えられている。
好ましくは、上記化合物はHNR10R11であり、R10及びR11は連結するN原子と共にC5−C6−脂環系、好ましくはC6−脂環系を形成し、1以上の炭素原子、好ましくは1つの炭素原子、はOで置き換えられている。
例えば、上記化合物はモルホリンである。
アリールオキシランを対応するα−官能化ケトンへと反応させるさらなる工程は、幅広い温度範囲にわたって実施することができる。例えば、この工程は、少なくとも30℃、好ましくは30〜120℃の範囲、より好ましくは40〜100℃の範囲、最も好ましくは40〜90℃の範囲の温度で実施される。
アリールオキシランを対応するα−官能化ケトンへと反応させるさらなる工程は、有機溶媒中で実施することができるということがさらに理解される。好ましくは、この有機溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、tert−ブタノール、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、例えば1,3−ジオキサン又は1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル及びこれらの混合物を含む群から選択される。
上記塩基が有機溶媒中で提供される場合、この有機溶媒は、好ましくは当該方法で使用される有機溶媒と同じである。
上記アリールオキシランを対応するα−官能化ケトンへと反応させるさらなる工程は、上記成分、すなわち上記アリールオキシラン、上記相間移動触媒、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C1−C8−アルコキシド、アルカリ土類金属C1−C8−アルコキシド及び混合物を含む群から選択される上記塩基、並びにHOR9、HNHR9又はHNR10R11から選択され、R9、R10及びR11が、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C3−C8−シクロアルキル、C3−C8−シクロアルコキシ、C6−C14−アリール、C7−C14−アリールアルキル、C7−C14−アリールアルコキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR10及びR11が、連結するN原子若しくはC原子と共にC3−C9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子がOで置き換えられている上記化合物を混合することにより実施される。当業者は、混合条件(例えば、混合装置の構成及び混合速度)を当業者自身のプロセス設備に応じて適合させるであろう。
上記試薬の添加の順序は、上記反応の成功にとって重要ではないことが見出された。従って、上記アリールオキシラン、上記相間移動触媒、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C1−C8−アルコキシド、アルカリ土類金属C1−C8−アルコキシド及び混合物を含む群から選択される上記塩基、並びにHOR9、HNHR9又はHNR10R11から選択され、R9、R10及びR11が、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C3−C8−シクロアルキル、C3−C8−シクロアルコキシ、C6−C14−アリール、C7−C15−アリールアルキル、C7−C15−アリールアルコキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR10及びR11が、連結するN原子若しくはC原子と共にC3−C9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子がOで置き換えられている上記化合物は、任意の順に接触させてもよい。
上記アリールオキシランを、相間移動条件下で、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C1−C8−アルコキシド、アルカリ土類金属C1−C8−アルコキシド及び混合物を含む群から選択される塩基、並びにHOR9、HNHR9又はHNR10R11から選択され、R9、R10及びR11が、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C3−C8−シクロアルキル、C3−C8−シクロアルコキシ、C6−C14−アリール、C7−C15−アリールアルキル、C7−C15−アリールアルコキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、C9−C15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR10及びR11が、連結するN原子若しくはC原子と共にC3−C9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子がOで置き換えられている化合物と反応させる工程は、対応するα−官能化ケトンを生じるということが理解される。
アリールオキシランを反応させる工程の後に、当該方法は、得られたα−官能化ケトンを単離及び/又は精製するさらなる工程を含んでもよい。
例えば、当該方法は、
i)得られたα−官能化ケトンを有機相から分離する工程、及び/又は
ii)得られたα−官能化ケトンを水に取り込み、得られた水相を有機溶媒で抽出する工程
をさらに含んでもよい。
1つの実施形態では、当該方法は、
i)得られたα−官能化ケトンを有機相から分離する工程、及び
ii)得られたα−官能化ケトンを水に取り込み、得られた水相を有機溶媒で抽出する工程
をさらに含む。
加えて、当該方法は、得られたα−官能化ケトンを乾燥する工程をさらに含んでもよい。
あるいは、当該方法は、当該方法によって得られたα−官能化アルキルアリールケタールを酸と接触させ、これにより対応するα−官能化ケトンを得るさらなる工程を含む。
上記酸は特定の酸に制限されないことが理解され、この酸は5未満、より好ましくは−10〜10の範囲、最も好ましくは−8〜5の範囲のpKa値を有することが好ましい。
1つの実施形態では、上記酸は、好ましくは、塩酸(塩化水素酸)、酢酸、リン酸、硫酸、クエン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、プロピオン酸、酪酸及びこれらの混合物を含む群から選択される。例えば、この酸は、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸、クエン酸及びこれらの混合物から選択される。1つの実施形態では、この酸は塩酸である。
上記酸は、それ自体で当該方法に加えることができる。あるいは、この酸は水溶液の形態にあるか又はこの酸は有機溶媒中で提供され、好ましくはこの有機溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、tert−ブタノール、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、例えば1,3−ジオキサン又は1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル及びこれらの混合物を含む群から選択される。好ましくは、この酸は水溶液の形態で提供され、従って希酸水溶液の形態にある。これは、エノールエーテルへの反応を回避できるため、好都合である。
α−官能化アルキルアリールケタールを対応するα−官能化ケトンへと反応させる引き続く工程は、幅広い温度範囲にわたって実施することができる。例えば、この工程は、0〜120℃の範囲、好ましくは12〜80℃の範囲、より好ましくは15〜50℃の範囲、最も好ましくは15〜30℃の範囲の温度で実施される。
好ましくは、この工程は、室温で、すなわち約21℃(±2℃)の温度で実施される。
α−官能化アルキルアリールケタールを対応するα−官能化ケトンへと反応させる引き続く工程は、有機溶媒中で実施することができるということがさらに理解される。好ましくはこの有機溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、tert−ブタノール、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、例えば1,3−ジオキサン又は1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル及びこれらの混合物を含む群から選択される。
上記酸が有機溶媒中で提供される場合、この有機溶媒は、好ましくは同じである。
α−官能化アルキルアリールケタールを対応するα−官能化ケトンへと反応させる工程は、上記成分、すなわち上記α−官能化アルキルアリールケタール及び上記酸、並びに、存在する場合、上記有機溶媒を混合することにより実施される。当業者は、混合条件(例えば、混合装置の構成及び混合速度)を当業者自身のプロセス設備に応じて適合させるであろう。
上記試薬の添加の順序は、この反応工程の成功にとって重要であることが見出された。上記α−官能化アルキルアリールケタール、及び、存在する場合、上記有機溶媒が最初に接触させられ、上記酸が供給される場合に、最良の収率が得られる。
このα−官能化アルキルアリールケタールを反応させる工程のあとに、当該方法は、得られたα−官能化ケトンを単離及び/又は精製するさらなる工程を備えてもよい。
例えば、当該方法は、
i)得られたα−官能化ケトンを有機相から分離する工程、及び/又は
ii)得られたα−官能化ケトンを水に取り込み、得られた水相を有機溶媒で抽出する工程
をさらに含んでもよい。
1つの実施形態では、当該方法は、
i)得られたα−官能化ケトンを有機相から分離する工程、及び
ii)得られたα−官能化ケトンを水に取り込み、得られた水相を有機溶媒で抽出する工程
をさらに含む。
加えて、当該方法は、得られたα−官能化ケトンを乾燥する工程をさらに含んでもよい。
一般式IIのα−官能化ケトンが、上記アリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールをさらに反応させることによって得られることが理解される。
上記一般式II中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は上記一般式Iで定義されたとおりであり、Zは、OR
9、NHR
9及びNR
10R
11から選択され、R
9、R
10及びR
11は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
6−C
14−アリール、C
7−C
15−アリールアルキル、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR
10及びR
11は連結するN原子若しくはC原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられている。
1つの実施形態では、ZはOR9であり、R9は、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、C1−C8−アルコキシ、C2−C8−アルケニルオキシ、C3−C8−シクロアルキル、C3−C8−シクロアルコキシ、C7−C15−アリールアルコキシ及びC9−C15−アルケニルアリールアルコキシから選択され、好ましくはR9はHであるか、又はZはNR10R11であり、R10及びR11は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、C3−C8−シクロアルキル、C6−C14−アリールから選択されるか、若しくはR10及びR11は連結するN原子と共にC3−C6−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられており、好ましくはR10及びR11は、連結するN原子と共にC5−C6−脂環系を形成し、1以上の炭素原子はOで置き換えられている。
好ましくは、ZはOR9であり、R9はH又はNR10R11であり、R10及びR11は連結するN原子と共にC5−C6−脂環系、好ましくはC6−脂環系を形成し、1以上の炭素原子、好ましくは1つの炭素原子、はOで置き換えられている。
R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7並びにそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、当該方法、及び本発明の方法において出発物質として使用される一般式Iのアルキルアリールケトンの技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
当該方法によって得られるとりわけ好ましい一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R3、R4、R5、R6及びR7が同じであり、Hであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R3、R4、R5、R6及びR7が同じであり、Hであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が、連結するC原子と共にC3−C12−シクロアルキル、好ましくはC4−C10−シクロアルキル、より好ましくはC4−C8−シクロアルキル、さらにより好ましくはC4−C6−シクロアルキル、最も好ましくはC5−シクロアルキル又はC6−シクロアルキル、例えばC6−シクロアルキルを形成し、R4、R5、R6及びR7が同じであり、Hであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
あるいは、一般式Iのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4、R5、R6及びR7が同じであり、Hであり、ZがNR10R11であり、R10及びR11がC5−C6−脂環系、好ましくはC6−脂環系を形成するケトンである。
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4、R5、R6及びR7が同じであり、Hであり、ZがNR10R11であり、R10及びR11が、連結するN原子と共にC5−C6−脂環系、好ましくはC6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられているケトンである。
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R4、R5、R6及びR7が同じであり、Hであり、ZがNR10R11であり、R10及びR11が、連結するN原子と共にC5−C6−脂環系、好ましくはC6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられているケトンである。
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、が直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、例えばC2−アルケニルであり、残りのものがHであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、が直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、例えばC2−アルケニルであり、残りのものがHであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、が直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、例えばC2−アルケニルであり、残りのものがHであり、ZがNR10R11であり、R10及びR11が、連結するN原子と共にC5−C6−脂環系、好ましくはC6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられているケトンである。
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、が直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、例えばC2−アルケニルであり、残りのものがHであり、ZがNR10R11であり、R10及びR11が、連結するN原子と共にC5−C6−脂環系、好ましくはC6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられているケトンである。
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、がSR8であり、R8が、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、残りのものがHであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、がSR8であり、R8が、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、残りのものがHであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、がSR8であり、R8が、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、残りのものがHであり、ZがNR10R11であり、R10及びR11が、連結するN原子と共にC5−C6−脂環系、好ましくはC6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられているケトンである。
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、がSR8であり、R8が、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、残りのものがHであり、ZがNR10R11であり、R10及びR11が、連結するN原子と共にC5−C6−脂環系、好ましくはC6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられているケトンである。
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つが、C2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、例えばC3−アルケニルオキシ又はC4−アルケニルオキシ、とりわけC3−アルケニルオキシであり、残りのもののうちの2つがHであり、残りのもののうちの2つが、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、がC2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、例えばC3−アルケニルオキシ又はC4−アルケニルオキシ、とりわけC3−アルケニルオキシであり、残りのもののうちの2つ、好ましくはR3及びR7、がHであり、残りのもののうちの2つ、好ましくはR4及びR6、が直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキル、とりわけC1−アルキルであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの3つ、好ましくはR3及びR4及びR5、がC9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのもの、好ましくはR6及びR7、がHであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの3つ、好ましくはR3及びR4及びR5、がC9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのもの、好ましくはR6及びR7、がHであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が異なり、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの2つ、好ましくはR4及びR5、がC1−C8−アルコキシ、好ましくはC1−C6−アルコキシ、最も好ましくはC1−C3−アルコキシ、とりわけC1−アルコキシであり、残りのもの、好ましくはR3、R6及びR7、がHであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が異なり、H及びC2−アルキルであり、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの2つ、好ましくはR4及びR5、がC1−C8−アルコキシ、好ましくはC1−C6−アルコキシ、最も好ましくはC1−C3−アルコキシ、とりわけC1−アルコキシであり、残りのもの、好ましくはR3、R6及びR7、がHであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が異なり、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、がN(R8)2であり、R8が、連結するN原子と共にC3−C9−脂環系、好ましくはC3−C7−脂環系、より好ましくはC4−C6−脂環系、最も好ましくはC5−脂環系又はC6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられており、残りのもの、好ましくはR3、R4、R6及びR7、がHであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が異なり、H及びC2−アルキルであり、R3、R4、R5、R6及びR7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR5、がN(R8)2であり、R8が、連結するN原子と共にC3−C9−脂環系、好ましくはC3−C7−脂環系、より好ましくはC4−C6−脂環系、最も好ましくはC5−脂環系又はC6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられており、残りのもの、好ましくはR3、R4、R6及びR7、がHであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4及びR5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのものが、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキル、好ましくはHから選択され、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R4及びR5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのものがHであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC1−C8−アルキル、例えば直鎖状のC1−C8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C6−アルキル、例えば直鎖状のC1−C6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC1−C4−アルキル、例えば直鎖状のC1−C4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC1−C3−アルキル、例えばC1−アルキル又はC2−アルキル、とりわけC1−アルキルから選択され、R4及びR5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのRのうちの1つ、好ましくはR3、が直鎖状若しくは分枝状のC2−C8−アルケニル、好ましくはC2−C6−アルケニル、最も好ましくはC2−C3−アルケニル、C2−C8−アルケニルオキシ、好ましくはC2−C6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC3−C5−アルケニルオキシ、及びC9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものがHであり、ZがOR9であり、R9はHであるケトンである。
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R1及びR2が同じであり、C1−アルキルであり、R4及びR5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのRのうちの1つ、好ましくはR3、がC9−C15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC9−C12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC9−C10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものがHであり、ZがOR9であり、R9がHであるケトンである。
本発明のさらなる態様は、本明細書中に規定される方法によって得られるアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールに関する。
従って、当該アリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールは、一般式Iのアルキルアリールケトンを、少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケン、並びにアルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される塩基と反応させる方法であって、これにより対応するアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールが得られ、
上記一般式I中、R
1及びR
2は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
5−C
8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル、C
6−C
14−アリールから選択されるか、又は連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル若しくはC
5−C
12−シクロアルケニルを形成し、
R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
6−C
14−アリール、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、N(R
8)
2若しくはSR
8から選択され、R
8は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
6−C
14−アリール、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシから選択されるか、若しくはR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられているか、又は2つの隣接するRは式Iのベンゼン環と共に芳香族系を形成する
方法によって得られる。
当該方法、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7並びにそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、当該方法、及び本発明の方法において出発物質として使用される一般式Iのアルキルアリールケトンの技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
本発明の別の態様は、本明細書中に規定される方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンに関する。
従って、一般式IIのα−官能化ケトンは、一般式Iのアルキルアリールケトンを、少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケン、並びにアルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される塩基と反応させ、これにより対応するアリールオキシランを得て、
上記一般式I中、R
1及びR
2は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
5−C
8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル、C
6−C
14−アリールから選択されるか、又は連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル若しくはC
5−C
12−シクロアルケニルを形成し、
R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
6−C
14−アリール、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、N(R
8)
2若しくはSR
8から選択され、R
8は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
6−C
14−アリール、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシから選択されるか、若しくはR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられているか、又は2つの隣接するRは式Iのベンゼン環と共に芳香族系を形成し、
さらに、上記反応によって得られるアリールオキシランを、相間移動条件下で、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及び混合物を含む群から選択される塩基、並びにHOR
9、HNHR
9又はHNR
10R
11から選択され、R
9、R
10及びR
11は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
6−C
14−アリール、C
7−C
15−アリールアルキル、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR
10及びR
11は連結するN原子若しくはC原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられている化合物と接触させ、これにより対応するα−官能化ケトンを得る
方法によって得られる。
あるいは、一般式IIのα−官能化ケトンは、一般式Iのアルキルアリールケトンを、少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケン、並びにアルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される塩基と反応させ、これにより対応するα−官能化ケタールを得て、
上記一般式I中、R
1及びR
2は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
5−C
8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル、C
6−C
14−アリールから選択されるか、又は連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル若しくはC
5−C
12−シクロアルケニルを形成し、
R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
6−C
14−アリール、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、N(R
8)
2若しくはSR
8から選択され、R
8は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
6−C
14−アリール、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシから選択されるか、若しくはR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられているか、又は2つの隣接するRは式Iのベンゼン環と共に芳香族系を形成し、
さらに、上記反応によって得られたα−官能化アルキルアリールケタールを、酸、好ましくは塩酸、酢酸、リン酸、硫酸、クエン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、プロピオン酸、酪酸及びこれらの混合物を含む群から選択される酸と接触させ、これにより対応するα−官能化ケトンを得る
方法によって得られる。
当該方法、上記アリールオキシラン、上記α−官能化アルキルアリールケタール、上記α−官能化ケトン及びそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、本発明の方法の技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
本発明の範囲及び関心は、本発明の特定の実施形態を説明することが意図されており非限定的である以下の実施例に基づいてよりよく理解されるであろう。
実施例1:2−メトキシ−3,3−ジメチル−2−(4−メチルチオフェニル)オキシランの調製
ナトリウムメトキシド(メタノール中30%、8.34g、154mmol)、メタノール(15.5mL)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン(3.00g、15.4mmol)及びヘキサクロロエタン(5.48g、23.2mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(25mL)に取り込み、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、溶媒を蒸発させた。2−メトキシ−3,3−ジメチル−2−(4−メチルチオフェニル)オキシランを黄色油状物として得た(2.86g、12.8mmol、82%収率)。
1H−NMR(400.1MHz,CDCl
3):δ=1.03(s,3H),1.55(s,1H),2.52(s,3H),3.23(s,3H),7.24−7.31(m,2H),7.34−7.43(m,2H)ppm。
13C−NMR(100.6MHz,CDCl
3):δ=15.5,19.8,20.0,52.6,67.3,124.7,125.8,128.4,130.3,131.4,139.0ppm。
実施例2:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オンの調製
2−メトキシ−3,3−ジメチル−2−(4−メチルチオフェニル)オキシラン(0.13g、0.58mmol)、モルホリン(2.27g、26.1mmol)、水酸化ナトリウム溶液(50%、0.28g、3.5mmol)及び硫酸水素テトラブチルアンモニウム(0.01g、0.03mmol)の混合物を還流下で8時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を水(10mL)に取り込んだ。相分離させ、水層のpHを飽和塩化アンモニウム溶液で7に調整した。この水層を酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、溶媒を蒸発させた。2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オンを無色の油状物として得た(70mg、0.25mmol、43%収率)。
1H−NMR(400.1MHz,CDCl
3):δ=1.31(s,6H),2.53(s,3H),2.55−2.61(m,4H),3.66−3.73(m,4H),7.20−7.26(m,2H),8.49−8.54(m,2H)ppm。
13C−NMR(100.6MHz,CDCl
3):δ=14.4,20.4,47.2,67.3,68.3,124.3,130.3,131.8,144.9,201.9ppm。
実施例3:2,2−ジエチル−3−メトキシ−3−フェニル−オキシランの調製
ナトリウムメトキシド(メタノール中30%、12.3g、87.1mmol)、メタノール(11.5mL)、2−エチル−1−フェニルブタン−1−オン(2.00g、11.4mmol)及びヘキサクロロエタン(2.96g、12.5mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(50mL)に取り込み、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、溶媒を蒸発させた。
上記粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ[塩基性酸化アルミニウム、c−C6H12/AcOEt、1:1 v:v]によって精製した。2,2−ジエチル−3−メトキシ−3−フェニル−オキシランを無色の油状物として得た(2.26g、11.0mmol、96%収率)。
1H−NMR(400.1MHz,CDCl3):δ=0.79−0.82(t,3H),1.06−1.10(t,3H),1.16−1.37(m,2H),1.79−1.91(m,1H),1.94−2.04(m,1H),3.21(s,3H),7.34−7.43(m,3H),7.45−7.50(m,3H)ppm。13C−NMR(100.6MHz,CDCl3):δ=8.6,9.3,22.3,22.5,52.4,73.7,91.9,127.9,128.0,128.3,134.9ppm。
実施例4:4−(1,1−ジメトキシ−2−ヒドロキシブチル)−1,2−ジメトキシベンゼンの調製
ナトリウムメトキシド(メタノール中30%、15.82g、87.87mmol)、メタノール(14.5mL)、4−ブチリル−1,2−ジメトキシベンゼン(3.00g、14.4mmol)及びヘキサクロロエタン(3.79g、16.0mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(25mL)に取り込み、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、溶媒を蒸発させた。4−(1,1−ジメトキシ−2−ヒドロキシブチル)−1,2−ジメトキシベンゼンを黄色油状物として得た(2.97g、10.9mmol、79%収率)。
1H−NMR(400.1MHz,CDCl
3):δ=0.92−0.96(t,3H),0.98−1.11(m,1H),1.46−1.56(m,1H),2.19−2.24(dd,1H),3.24(s,3H),3.36(s,3H),3.77−3.85(m,1H),3.90(s,3H),3.91(s,3H),6.85−6.89(m,1H),6.99−7.06(m,2H)ppm。
13C−NMR(100.6MHz,CDCl
3):δ=10.9,24.0,49.3,49.8,55.8,55.9,76.3,103.3,110.3,111.3,120.4,130.3,148.3,148.7ppm。
実施例5:1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−ブタン−1−オンの調製
1−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,1−ジメトキシ−ブタン−2−オール(0.50g、1.9mmol)を1,4−ジオキサン(8mL)に溶解させた。塩酸(1M、0.14g、3.7mmol)を加え、この反応混合物を室温で6時間撹拌した。その後、反応混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。上記粗生成物をシリカゲル上での分取薄層クロマトグラフィ[c−C
6H
12/AcOEt、2:1 v:v]によって精製した。1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−ブタン−1−オンを無色の油状物として得た(0.28g、1.0mmol、55%収率)。
1H−NMR(400.1MHz,CDCl
3):δ=0.94−0.97(t,3H),1.57−1.73(m,1H),1.90−2.01(m,1H),3.73−3.74(d,1H),3.95(s,3H),3.97(s,3H),4.98−5.06(m,1H),6.91−6.95(m,1H),7.51−7.54(m,2H)ppm。
13C−NMR(100.6MHz,CDCl
3):δ=9.0,29.5,56.0,56.1,73.5,110.2,110.6,123.2,126.7,149.4,154.0,200.4ppm。
実施例6:4−(1,1−ジメトキシ−2−ヒドロキシブチル)−フェニルモルホリンの調製
ナトリウムメトキシド(メタノール中30%、4.71g、26.1mmol)、メタノール(4.5mL)、4−ブチリル−フェニルモルホリン(1.00g、4.29mmol)及びヘキサクロロエタン(3.79g、4.76mmol)の混合物を還流下で6時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(25mL)に取り込み、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、溶媒を蒸発させた。4−(1,1−ジメトキシ−2−ヒドロキシブチル)−フェニルモルホリンを黄色油状物として得た(1.04g、3.52mmol、92%収率)。
1H−NMR(400.1MHz,CDCl
3):δ=0.91−0.95(t,3H),0.96−1.06(m,1H),1.46−1.55(m,1H),3.18−3.22(m,5H;2つの重なっているシグナル),3.23(s,3H),3.35(s,3H),3.79−3.84(m,1H),3.87−3.89(m,4H),6.88−6.91(m,2H),7.34−7.39(m,2H)ppm。
実施例7:2−ヒドロキシ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンの調製
1,1−ジメトキシ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−2−オール(0.50g、1.7mmol)を1,4−ジオキサン(7.5mL)に溶解させた。塩酸(1M、0.13g、3.4mmol)を加え、この反応混合物を室温で6時間撹拌した。その後、反応混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。2−ヒドロキシ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンを黄色油状物として得た(0.31g、1.0mmol、60%収率)。
1H−NMR(400.1MHz,CDCl
3):δ=0.89−0.92(t,3H),1.53−1.65(m,1H),1.82−1.96(m,1H),3.29−3.31(m,4H),3.42(幅広いs,1H),3.81−3.83(m,4H),4.91−4.97(m,1H),6.82−6.89(m,1H),7.77−7.86(m,2H)ppm。
13C−NMR(100.6MHz,CDCl
3):δ=8.9,29.3,47.4,66.5,73.3,113.1,122.8,123.8,130.3,130.6,154.7,199.7ppm。