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JP6870202B2 - 水性被覆材 - Google Patents

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JP6870202B2
JP6870202B2 JP2015254953A JP2015254953A JP6870202B2 JP 6870202 B2 JP6870202 B2 JP 6870202B2 JP 2015254953 A JP2015254953 A JP 2015254953A JP 2015254953 A JP2015254953 A JP 2015254953A JP 6870202 B2 JP6870202 B2 JP 6870202B2
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Description

本願発明は水性被覆材とその塗装物に関する。
近年、塗料分野においては、環境保全、安全衛生の面から、有機溶剤系塗料から水性塗料への転換が図られている。しかし、水性塗料は有機溶剤系塗料に比べて貯蔵安定性や、外観、耐水性、基材密着性などの塗膜性能が低いという問題があり、これらの課題の解決を目的とした水性塗料の開発が行われている。
例えば、特許文献1には、自己水分散性アクリル化芳香族エポキシ樹脂によりブロックイソシアネート化合物を内包化した水性被覆材が、耐熱性に優れることが開示されている。特許文献2には、エポキシ樹脂、アクリルコポリマーおよび水系アミン硬化剤を含む水性被覆材が、防食性とタレにくく塗装作業性に優れることが開示されている。
特開2003−12758号公報 国際公開第12/033226号
しかし、いずれの水性被覆材も得られる塗膜の外観、耐水性、耐湿性及び塗膜硬度が不足する場合があった。
本発明の目的は、優れた外観、耐水性、耐湿性、塗膜硬度を有する塗膜を形成できる水性被覆材を提供することにある。
本発明は、有機溶剤(I)、重合体(II)及び硬化剤(III)を含む溶剤系混合物の転相乳化工程により得られる水性被覆材であって、前記有機溶剤(I)の60質量%以上がFedors法による溶解性パラメーター(SP値)が9.00(cal/cm1/2以下の有機溶剤であり、前記重合体(II)が水酸基及びカルボキシル基を有する重合体であって、前記有機溶剤(I)中で、α−メチルスチレンダイマーの存在下でラジカル重合性単量体(A)を重合して得られる重合体(P)を含む分散液を得る工程(1)と、前記重合体(P)を含む分散液中で、ラジカル重合性単量体(B)を重合し、ラジカル重合性単量体(B)を重合して得られる重合体(Q)を含む分散液を得る工程(2)とを含む方法で製造されたものである水性被覆材である。
本発明は、有機溶剤(I)、重合体(II)及び硬化剤(III)を含む溶剤系混合物を転相乳化する工程を含む水性被覆材の製造方法であって、前記有機溶剤(I)の60質量%以上がFedors法による溶解性パラメーター(SP値)が9.00(cal/cm1/2以下の有機溶剤であり、前記重合体(II)が水酸基及びカルボキシル基を有する重合体であって、前記有機溶剤(I)中で、α−メチルスチレンダイマーの存在下でラジカル重合性単量体(A)を重合して得られる重合体(P)を含む分散液を得る工程(1)と、前記重合体(P)を含む分散液中で、ラジカル重合性単量体(B)を重合し、ラジカル重合性単量体(B)を重合して得られる重合体(Q)を含む分散液を得る工程(2)とを含む方法で製造されたものである水性被覆材の製造方法である。

本発明の水性被覆材を用いると、優れた外観、耐水性、耐湿性、塗膜硬度を有する塗膜が得られる。
本発明の水性被覆材(以下、本水性被覆材という。)は、有機溶剤(I)と重合体(II)と硬化剤(III)を含有するものである。
[有機溶剤(I)]
有機溶剤(I)は、Fedors法による溶解性パラメーター(SP値)が11.00(cal/cm1/2以下である有機溶剤を60質量%以上含むことが好ましい。有機溶剤(I)の総量に対するSP値が11.00(cal/cm1/2以下である有機溶剤の割合は多いほど重合体(II)により硬化剤(III)をより多く内包することができ、得られる塗膜の外観、耐水性、耐湿性、塗膜硬度が向上する傾向がある。本発明おける有機溶剤のSP値は、Fedors法(Robert F.Fedors、Polymer Engineering and Science、14、147-154(1974))により算出された値である。SP値δは、下記式(1)を用いて算出することができる。
δ=(E/V)1/2 (1)
(上記式中のEは凝集エネルギー(cal/mol)、Vはモル体積(cm/mol)を表す。)
有機溶剤(I)の60質量%以上を占める有機溶剤のSP値は10.00(cal/cm1/2以下であることがより好ましく、9.00(cal/cm1/2以下であることがさらに好ましく、8.50(cal/cm1/2以下であることが特に好ましい。
また、有機溶剤(I)に占めるSP値が11.00(cal/cm1/2以下の有機溶剤の含有量は、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
さらに、有機溶剤(I)は、20℃における水への溶解度が1g/100g以上、より好ましく3g/100g以上、さらに好ましくは9g/100g以上である有機溶剤を60質量%以上含むことが、得られる水性被覆材の粘度を低く抑えることができるため好ましい。また、20℃における水への溶解度が1g/100g以上の有機溶剤の含有量は、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
好ましい有機溶剤としては、例えば、プロピレングリコールジメチルエーテル(SP値:7.53、20℃における水への溶解度:44g/100g)、エチレングリコールジメチルエーテル(SP値:7.63、20℃における水への溶解度:∞g/100g)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(SP値:7.88、20℃における水への溶解度:53g/100g)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル(SP値:8.07、20℃における水への溶解度:24g/100g)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(SP値:8.10、20℃における水への溶解度:∞g/100g)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(SP値:8.18、20℃における水への溶解度:∞g/100g)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(SP値:8.37、20℃における水への溶解度:∞g/100g)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(SP値:8.71、20℃における水への溶解度:19g/100g)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(SP値:8.73、20℃における水への溶解度:1.6g/100g)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(SP値:9.00、20℃における水への溶解度:∞g/100g)、プロピレングリコールジアセテート(SP値:9.60、20℃における水への溶解度:8g/100g)などが挙げられる。これらの有機溶剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
本水性被覆材における有機溶剤(I)の含有量は、貯蔵安定性や環境保全、安全衛生の観点から、重合体(II)100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、5〜35質量部がより好ましい。
[重合体(II)]
ラジカル重合性単量体
重合体(II)は、後述の硬化剤(III)と反応させる目的と、重合体(II)による硬化剤(III)の内包化の観点から、水酸基を有していることが好ましい。このような重合体(II)は、水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)を(共)重合して製造することができる。水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−メチル−4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−メチル−4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、アリルグリコール、などが挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)の使用量は、重合体(II)の製造に用いる単量体の総量に対して5〜50質量%が好ましく、7〜45質量%がより好ましく、10〜40質量%が更に好ましい。この使用量は多いほど硬化剤との反応により得られる塗膜は耐水性、耐湿性、塗膜硬度などに優れる。また、少ないほど得られる塗膜は外観などに優れる。
また、重合体(II)による硬化剤(III)の内包化の観点から、重合体(II)はカルボキシル基を有していることが好ましい。このような重合体(II)は、カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体(b)を(共)重合して製造することができる。カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体(b)の具体例としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、マレイン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ブチルエステルなどが挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体(b)の使用量は、重合体(II)の製造に用いる単量体の総量に対して0.5〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましく、0.5〜2質量%が更に好ましい。この使用量は多いほど水性被覆材は貯蔵安定性に優れ、得られる塗膜は外観に優れる。また、少ないほど得られる塗膜は耐水性や耐湿性に優れる。
重合体(II)の製造に用いることができる前記単量体(a)及び(b)以外のラジカル重合性単量体(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル類;N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等のN−アルコキシ置換アミド類;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和塩基性単量体類等が挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。また、重合体(II)による硬化剤(III)の内包化の観点から、ラジカル重合性単量体(c)はエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体類が好ましい。ラジカル重合性単量体(c)の使用量は、重合体(II)の製造に用いる単量体の総量に対して0.01〜1質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましく、0.01〜0.2質量%がより好ましい。
α−メチルスチレンダイマー
α−メチルスチレンダイマー(2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン;以下、「MSD」と言う場合がある。)は付加開裂型連鎖移動剤として知られている(特開平7−2954号公報)。MSDの存在下にラジカル重合性単量体を重合すると末端にMSD由来の不飽和基を有する重合体が得られる。この重合体の存在下にラジカル重合性単量体を重合すると、この単量体から成るポリマー鎖がグラフト化された重合体を得ることができる。MSDの存在下で重合して製造された重合体(II)は、硬化剤(III)をより多く内包することができ、水性被覆材は貯蔵安定性に優れ、得られる塗膜は外観、耐水性、耐湿性に優れる。
MSDの使用量は、重合体(II)の製造に用いるラジカル重合性単量体(a)、(b)及び(c)の総量100質量部に対して0.5〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、0.5〜5質量部が更に好ましい。
重合工程
本願発明の重合体(II)は、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法等の既知の重合法により製造することができるが、なかでも溶剤として有機溶剤(I)を用いた溶液重合法で製造することが好ましい。
また、重合体(II)の重合工程には、以下に示す工程(1)と工程(2)を含むことが好ましい。
<工程(1)>
有機溶剤(I)中でラジカル重合性単量体(A)を重合して得られる重合体(P)を含む分散液を得る工程。
<工程(2)>
前記重合体(P)を含む分散液中でラジカル重合性単量体(B)を重合して重合体(Q)を含む分散液を得る工程。
工程(1)の重合はMSDの存在下で行うことが好ましい。MSDの存在により末端にMSD由来の不飽和基を有する重合体(P)が得られる。この重合体(P)を用いて工程(2)の重合を行うと、重合体(P)に重合体(Q)をグラフト化した重合体(II)が得られる。この重合体(II)は硬化剤(III)をより多く内包することができ、貯蔵安定性や得られる塗膜の外観、耐水性、耐湿性を一層向上させることができる。
さらに、同じく重合体(II)による硬化剤(III)の内包化の観点から、ラジカル重合性単量体(A)は、水酸基含有ラジカル重合性単量体(a)とエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体を含み、ラジカル重合性単量体(B)は、カルボキシル基含有ラジカル単量体(b)を含むことが好ましい。エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体を用いて重合体(P)にエポキシ基を導入すると、このエポキシ基とラジカル重合性単量体(B)に含まれるカルボキシル基含有ラジカル単量体(b)のカルボキシル基との反応により、重合体(P)に重合体(Q)をグラフト化した重合体(II)が得られ、貯蔵安定性と得られる塗膜の外観、耐水性、耐湿性を一層向上させることができる。
工程(1)において重合させる際の反応温度は、MSDの反応効率等の観点から、110℃〜200℃の範囲で行うのが好ましい。また、重合時間は通常1時間〜10時間が好ましく、さらに好ましくは1時間〜6時間である。
重量平均分子量
重合体(II)は重量平均分子量が3000〜10万であることが好ましく、3000〜5万がより好ましく、5000〜2万がさらに好ましい。重量平均分子量は大きいほど得られる塗膜は耐水性、耐湿性、耐候性、耐溶剤性などの各種耐久性に優れ、小さいほど水への分散性に優れ、得られる塗膜は外観に優れる。
なお、本明細書において、重合体(II)の重量平均分子量はテトラヒドロフラン可溶成分をGPC法によるポリスチレン換算値として以下の条件で測定された重量平均分子量を意味する。
測定装置:東ソー(株)製、高速GPC装置HLC−8320
カラム:東ソー(株)製、TSKgelSuperHZM−M、HZM−M、HZ2000
オーブン温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.3重量%
流速:0.35mL/分
注入量:10μL
開始剤
開始剤としては、一般的にラジカル重合に用いられるものが使用可能であり、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の油溶性アゾ化合物類;2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシエチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)およびその塩類、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}およびその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)およびその塩類、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]およびその塩類等の水溶性アゾ化合物;過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物類、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類が挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
その他の連鎖移動剤
分子量を調整する場合には、分子量調整剤として、MSD以外のn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化合物などの公知の連鎖移動剤も用いることができ、これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
[硬化剤(III)]
本発明の硬化剤(III)は、重合体(II)の官能基と反応可能な官能基を分子中に2個以上有する化合物であり、この様な官能基の組み合わせとしては、例えば、エポキシ基−アミノ基、エポキシ基−酸基、水酸基−イソシアネート基、水酸基−メチロール基、カルボキシル基−金属イオン、カルボキシル基−カルボジイミド基、カルボキシル基−オキサゾリン基等が挙げられる。重合体(II)による硬化剤(III)の内包化の観点から、硬化剤(III)はブロックポリイソシアネート硬化剤及び/又はメラミン樹脂硬化剤が好ましい。
ブロックポリイソシアネート硬化剤は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤でブロックしたものであり、加熱によりブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基が再生し、水酸基と容易に反応することができる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート化合物;これらのジイソシアネート化合物のビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート化合物;これらのジイソシアネ−ト化合物のビュ−レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−もしくはp−)フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;これらのジイソシアネ−ト化合物のビュ−レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物;これらのポリイソシアネート化合物のビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ルなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物;これらのウレタン化付加物のビュ−レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物等を挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
ブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、ブチルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸メチルなどのフェノール系化合物;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系化合物;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ラウリルアルコールなどの脂肪族アルコール系化合物;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノールなどのエーテル系化合物;ベンジルアルコール;グリコール酸;グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチルなどのグリコール酸エステル系化合物;乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどの乳酸エステル系;メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール系;ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系化合物;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、メチルマロン酸ジエチル、マロン酸ベンジルメチル、マロン酸ジフェニルなどのマロン酸ジアルキルエステル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸フェニルなどのアセト酢酸エステル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物;ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノールなどのメルカプタン系化合物;アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミドなどの酸アミド系;コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系化合物;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミンなどアミン系;イミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール系化合物;3,5−ジメチルピラゾールなどのピラゾール系化合物;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、ジフェニル尿素などの尿素系化合物;N−フェニルカルバミン酸フェニルなどのカルバミン酸エステル系;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのイミン系化合物;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリなどの亜硫酸塩系化合物等を挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。例えば、「SBN−70D」、「17B−60P」、「MF−B60B」、「17B−60P」などのデュラネートシリーズ(商品名、旭化成(株)製)などの市販品を使用することができる。特に、重合体(II)による硬化剤(III)の内包化の観点から、溶剤系もしくは無溶剤系の疎水性ブロックブロックポリイソシアネート硬化剤が好ましい。
メラミン樹脂硬化剤としては、例えば、メラミンとホルムアルデヒドと必要に応じてさらに水及び/又はアルコールを反応させて得られる樹脂を挙げられる。具体的には、ジ−、トリー、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−メチロールメラミンおよびそれらのアルキルエーテル化物などが挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。例えば、「サイメル202」、「サイメル232」、「サイメル254」、「サイメル325」などのサイメルシリーズ(商品名、日本サイテックインダストリーズ(株)製)、「ユーバン2 0SB」、「ユーバン28−60」などのユーバンシリーズ(商品名、三井化学(株)製)などの市販品を使用することができる。特に、重合体(II)による硬化剤(III)の内包化の観点から、溶剤系もしくは無溶剤系の疎水性メラミン樹脂硬化剤が好ましい。
硬化剤(III)の含有量は、重合体(II)による硬化剤(III)の内包化などの観点から、重合体(II)100質量部に対して10〜150質量部が好ましい。150質量部以下であれば、貯蔵安定性や得られる塗膜は外観に優れる。10質量部以上であれば、架橋の形成により、得られる塗膜は耐水性、耐湿性、塗膜硬度に優れる。より好ましくは、20〜100質量部であり、更に好ましくは40〜100質量部である。
[転相乳化工程]
本発明は、有機溶剤(I)、重合体(II)及び硬化剤(III)を含む溶剤系混合物の転相乳化工程により得られる水性被覆材である。有機溶剤(I)、重合体(II)のみを含む有機溶剤混合物を転相乳化した後、硬化剤(III)を添加した場合は、重合体(II)に硬化剤(III)を十分に内包することができないため、好ましくない。
本発明における転相乳化の手法としては、例えば、溶液重合で得られた有機溶剤(I)及び重合体(II)を含む溶剤系混合物に塩基性化合物を添加して重合体(II)のカルボキシル基の全てもしくはその一部を塩基性化合物で中和し、さらに硬化剤(III)を加えて得られた有機溶剤(I)、重合体(II)及び硬化剤(III)を含む溶剤系混合物と水を混合し、水中にこの溶剤系混合物を分散させる方法が挙げられる。溶剤系混合物と水を混合する方法としては、溶剤系混合物に水を添加するか、または、水に溶剤系混合物を添加する方法が好ましい。また、有機溶剤(I)及び重合体(II)を含む溶剤系混合物に硬化剤(III)を加えて得られた溶剤系混合物と、塩基性化合物を含む水とを混合して、溶剤系混合物を水に分散させることも可能である。本発明では、カルボキシル基の全てもしくはその一部を塩基性化合物で中和した重合体(II)も便宜上「重合体(II)」という。
重合体(II)のカルボキシル基の中和に用いる塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
塩基性化合物の使用量は、中和度、即ち、塩基性化合物のカルボキシル基に対するモル比が40〜150%、好ましくは60〜120%、より好ましくは80〜110%となるようにする。
また、転相乳化時の温度は、重合体(II)による硬化剤(III)の内包化の観点から、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、70℃以下が更に好ましい。
[その他の配合剤]
本水性被覆材には、コーティング材料として優れた性能を発現させる点から、各種顔料、消泡剤、顔料分散剤、レベリング剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、スリップ剤、防腐剤、可塑剤、造膜助剤等の各種添加剤を配合しても良い。
さらに、本水性被覆材には、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂等の他の水分散性樹脂や水溶性樹脂を配合してもよい。
[塗装物]
本発明の水性被覆材は各種の基材に塗装して塗装物とすることができる。基材としては、例えば、鉄、アルミニウム等の金属基材、各種プラスチックなどの有機基材、ガラスやセメントモルタルなどの無機基板などを挙げることができる。
水性被覆材を各種基体の表面に塗布する方法としては、例えば、噴霧コート法、ローラーコート法、バーコート法、エアナイフコート法、刷毛塗り法、ディッピング法等の各種塗装法を適宜選択することができる。
塗布後は、常温乾燥、または常温以上200℃以下で加熱乾燥することで塗膜を得ることができる。乾燥温度は100〜200℃が好ましい。
以下に本発明の実施例を示す。なお、本実施例における「部」は「質量部」を意味する。
[製造例1]
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、および滴下ポンプを備えたフラスコに下記の有機溶剤を仕込み、フラスコの内温を146℃に昇温した後に下記の単量体、開始剤及び連鎖移動剤を含む混合物Aを3時間かけて滴下した。滴下中は内温を120℃に維持した。
工程(1)
有機溶剤:
PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 30.0部
混合物A:
単量体(a):
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 14.0部
単量体(c):
スチレン 6.0部
メチルメタクリレート 25.0部
n−ブチルメタクリレート 39.8部
グリシジルメタクリルレート 0.2部
開始剤:
パーブチルI(商品名、日本油脂(株)製) 1.1部
連鎖移動剤:
α−メチルスチレンダイマー 1.0部
続いて、下記の単量体及び開始剤を含む混合物Bを1時間かけて滴下した。滴下中は内温を146℃に維持した。
工程(2)
混合物B:
単量体(a):
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10.0部
単量体(b):
アクリル酸 1.6部
単量体(c):
n−ブチルメタクリレート 3.4部
開始剤:
パーブチルI 0.3部
次いで、内温を120℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミン2.0部を0.25時間かけて滴下し、樹脂溶液1を得た。固形分は75.9%であった。
[製造例2]
有機溶剤を表1に示す通りに変更した以外は、製造例1と同様にして樹脂溶液2を得た。固形分は75.7%であった。
[実施例1]
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置および滴下ポンプを備えたフラスコに下記の樹脂溶液及び硬化剤(III)を含む溶剤系混合物を仕込み、フラスコの内温を60℃に昇温した後に下記の脱イオン水を30分間かけて滴下した。滴下中は内温を60℃に維持した。室温まで冷却し、水性被覆材を得た。
転相乳化工程
溶剤系混合物:
樹脂溶液1 135部
SBN−70D(商品名、旭化成(株)製) 78部
脱イオン水: 178部
得られた水性被覆材を用いて次の方法で光沢、耐水性、耐湿性及び鉛筆硬を評価した。その結果を表1に示す。
[評価方法]
評価用塗板の作製
水性被覆材を一点穴あきダル鋼板(電着および中塗り塗装品、三木コーティング(株)製)にバーコーター#48にて塗装し、140℃で30分間乾燥した。得られた塗板を、光沢、耐水性、耐湿性、鉛筆硬度の評価用塗板とした。
(1)光沢
評価用塗板を光沢計VG7000(商品名、日本電色工業(株)製)にて測定角度20度での光沢度を測定し、以下の基準に従って評価した。
「○」:20度での光沢が80以上
「△」:20度での光沢が70以上80未満
「×」:20度での光沢が70未満
(2)耐水性
評価用塗板を50℃の温水に500時間浸漬し、引き上げ直後の塗膜の白化度ΔLをスペクトロカラーメーターSE−2000(商品名、日本電色工業(株)製)にて測定し、以下の基準に従って評価した。
「○」:ΔLが1.0以下
「△」:ΔLが1.0より大きく2以下
「×」:ΔLが2より大きい
(3)耐湿性
評価用塗板を50℃×95%RHで500時間保管し、引き上げ直後の塗膜の白化度ΔLをスペクトロカラーメーターSE−2000(商品名、日本電色工業(株)製)にて測定し、以下の基準に従って評価した。
「○」:ΔLが1.0以下
「△」:ΔLが1.0より大きく2以下
「×」:ΔLが2より大きい
(4)鉛筆硬度
評価用塗板をJIS K5600に準拠し、三菱鉛筆ユニを用いて45度の角度で引っ掻き、傷のつかない最大硬度を鉛筆硬度とし、以下の基準に従って評価した。
「○」:鉛筆硬度がH以上
「△」:鉛筆硬度がHB以上F以下
「×」:鉛筆硬度がB以下
[実施例2〜4]
樹脂溶液、硬化剤(III)、脱イオン水を表2に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして水性被覆材を得て、評価を行った。その結果を表2に示す。
[比較例1]
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置および滴下ポンプを備えたフラスコに下記の樹脂溶液を仕込み、フラスコの内温を60℃に昇温した後に下記の脱イオン水を30分間かけて滴下した。滴下中は内温を60℃に維持した。室温まで冷却後、後配合工程として下記の硬化剤(III)および脱イオン水を添加し、水性被覆材を得て、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を表3に示す。
転相乳化工程
樹脂溶液1: 135部
脱イオン水: 118部
後配合工程
WM44−L70G(商品名、旭化成(株)製): 78部
脱イオン水: 10部
[比較例2〜5]
後配合工程の硬化剤(III)および脱イオン水を表3に示す通りに変更した以外は、比較例1と同様にして水性被覆材を得て評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0006870202
Figure 0006870202
Figure 0006870202
表1、表2および表3中の略号は、以下の化合物を示す。また、表1、表2および表3中の単位は、評価結果以外は全て質量部である。
PMA :プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
DMFDG :ジプロピレングリコールジメチルエーテル
2−HEMA :2−ヒドロキシエチルメタクリレート
St :スチレン
MMA :メチルメタクリレート
n−BMA :n−ブチルメタクリレート
GMA :グリシジルメタクリルレート
AA :アクリル酸
SBN−70D:ブロックポリイソシアネート硬化剤、商品名、旭化成(株)製
17B−60P:ブロックポリイソシアネート硬化剤、商品名、旭化成(株)製
サイメル202:メラミン樹脂硬化剤、商品名、日本サイテックインダストリーズ(株)製
WM44−L70G:水分散型ブロックポリイソシアネート硬化剤、商品名、旭化成(株)製
BWD−102:水分散型ブロックポリイソシアネート硬化剤、商品名、日本ポリウレタン(株)製
実施例1〜4はいずれも、得られた塗板の外観、耐水性、耐湿性、塗膜硬度が良好であり、優れた水性被覆材であることが言える。
一方、比較例1〜5の水性被覆材は、有機溶剤(I)、重合体(II)、硬化剤(III)を含む溶剤系混合物の転相乳化工程を含まない製造方法により得られており、重合体(II)により硬化剤(III)を十分に内包できていないため、外観、耐水性、耐湿性、塗膜硬度などが不足していた。

Claims (4)

  1. 有機溶剤(I)、重合体(II)及び硬化剤(III)を含む溶剤系混合物の転相乳化工程により得られる水性被覆材であって、前記有機溶剤(I)の60質量%以上がFedors法による溶解性パラメーター(SP値)が9.00(cal/cm1/2以下の有機溶剤であり、前記重合体(II)が水酸基及びカルボキシル基を有する重合体であって、前記有機溶剤(I)中で、α−メチルスチレンダイマーの存在下でラジカル重合性単量体(A)を重合して得られる重合体(P)を含む分散液を得る工程(1)と、前記重合体(P)を含む分散液中で、ラジカル重合性単量体(B)を重合し、ラジカル重合性単量体(B)を重合して得られる重合体(Q)を含む分散液を得る工程(2)とを含む方法で製造されたものである水性被覆材。
  2. 前記硬化剤(III)が、ブロックポリイソシアネート硬化剤及び/又はメラミン樹脂硬化剤である請求項1に記載の水性被覆材。
  3. 基材の少なくとも一部の表面を請求項1又は2に記載の水性被覆材で塗装してなる塗装物。
  4. 有機溶剤(I)、重合体(II)及び硬化剤(III)を含む溶剤系混合物を転相乳化する工程を含む水性被覆材の製造方法であって、前記有機溶剤(I)の60質量%以上がFedors法による溶解性パラメーター(SP値)が9.00(cal/cm1/2以下の有機溶剤であり、前記重合体(II)が水酸基及びカルボキシル基を有する重合体であって、前記有機溶剤(I)中で、α−メチルスチレンダイマーの存在下でラジカル重合性単量体(A)を重合して得られる重合体(P)を含む分散液を得る工程(1)と、前記重合体(P)を含む分散液中で、ラジカル重合性単量体(B)を重合し、ラジカル重合性単量体(B)を重合して得られる重合体(Q)を含む分散液を得る工程(2)とを含む方法で製造されたものである水性被覆材の製造方法。
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