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JP6849293B2 - 車両構造 - Google Patents

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JP6849293B2
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Description

本発明は、車両に搭載されたバッテリなどの蓄電装置を、車両の衝突時において好適に保護し得るようにされた車両構造に関する。
車両構造の具体例として、特許文献1に記載のものがある。
同文献に記載の車両構造においては、車室のフロア部の段差部が形成されている箇所にリヤシートが配設されており、かつこのリヤシートの下方領域には、リチウムイオン二次電池などの大型のバッテリ(蓄電装置)が搭載されている。バッテリは、リヤシートのシートクッションフレームを兼用したバッテリ用の保護部材としての櫓状構造体によって覆われている。
このような構成によれば、バッテリを車室内にスペース効率良く搭載し得るとともに、櫓状構造体によって保護することができる。
しかしながら、前記した従来技術においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地がある。
すなわち、バッテリが、車両のフロア部の車両前後方向略中央部またはそれよりも車両後方寄りの部位に設けられている場合、車両が後突を生じた際のバッテリ保護性能を高めることが望まれる。これに対し、前記従来技術においては、櫓状構造体を利用するなどして、バッテリの周辺各部の剛性を高める手段が採用されているが、このように各部の剛性を高める手段のみによってバッテリを十分に保護しようとすれば、重量の増大や、製造コストの上昇を招く。したがって、このような点において、改善の余地がある。
特開2011−126439号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、重量の増大や、製造コストの上昇などの不具合を防止または抑制しつつ、車両の後突時におけるバッテリなどの蓄電装置の保護性能を高めることが可能な車両構造を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明により提供される車両構造は、車両のフロア部のうち、車両前後方向の略中央部またはそれよりも車両後方寄りの部位に設けられた段差部と、前記フロア部のうち、前記段差部に搭載された蓄電装置と、を備えている、車両構造であって、前記車両が後突を生じて前記車両の後部への所定以上の荷重入力があったときに、前記フロア部のうち、前記蓄電装置の搭載領域よりも車両前方側の部分を起点として前記フロア部を屈曲させ、かつ前記蓄電装置を後上がり状に回転可能とする剛性断点と、前記フロア部の前記蓄電装置の搭載領域よりも車幅方向外方側の部位に接合され、かつ車両前後方向に延びる左右一対のサイドメンバと、これら一対のサイドメンバに対応する左右一対の補強部材と、をさらに備えており、前記一対のサイドメンバは、車両前後方向において、前記蓄電装置の搭載領域とオーバラップした配置とされた後上がりの傾斜部と、この傾斜部の車両前方側に曲げ部を介して繋がった略水平状の水平部とを有しており、前記各サイドメンバおよび前記各補強部材は、前記各補強部材の前部が、前記各サイドメンバの前記水平部の下部に接合された前側接合部と、前記各補強部材の後部が、前記水平部から前記曲げ部を介して前記傾斜部に跨がり、かつこれらの部分の上部に接合された後側接合部と、を有しており、前記各サイドメンバのうち、前記前側接合部と前記後側接合部との相互間の部分が、前記剛性断点であることを特徴としている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、車両が後突を生じて車両の後部への所定以上の荷重入力があった場合、剛性断点の存在により、フロア部を蓄電装置の搭載領域よりも車両前方側の部分を起点として屈曲させ、蓄電装置を後上がり状に回転させることが可能である。蓄電装置をこのように回転させることにより、蓄電装置への直接的な荷重の入力が減少し、蓄電装置が損傷することを効果的に防止または抑制することができる。
本発明は、蓄電装置の周辺各部が変形を生じないようにその剛性を高めるのではなく、荷重入力時における変形、蓄電装置の変位を制御すべく剛性断点(脆弱部など)を設ける手段であるため、重量の増大を抑制し、生産性の向上や、製造コストの低減を適切に図ることが可能である。
さらにこのような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、車両の後突が発生し、車両後方側から各サイドメンバに大きな荷重が入力した場合に、前記した各サイドメンバと補強部材との所定の前側接合部と後側接合部との相互間の部分である剛性断点を起点として、各サイドメンバを後上がり状に曲げ変形させ、かつこれに伴わせて蓄電装置を後上がり状に回転させることができる。サイドメンバは、水平部と傾斜部との境界部分に曲げ部を有しているため、本来的には、この曲げ部を起点として屈曲変形する虞があるが、前記構成によれば、補強部材との組み合わせ作用に基づき、サイドメンバが前記曲げ部を起点として、曲げ変形しないようにすることが可能である。したがって、前記構成によれば、サイドメンバの曲げ部が、蓄電装置の搭載領域の横(車幅方向外方側)にオーバラップした箇所に存在する場合であっても、それよりも車両前方側の位置に剛性断点を設定し、車両の後突時には蓄電装置の後上がり状の回転を適切に行なわせることが可能である。
第2に、各サイドメンバの変形は、蓄電装置の搭載領域の車幅方向外方において行なわれるため、蓄電装置の搭載領域のフロア部が不必要に大きく変形するようなことも防止することができる。
第3に、一対のサイドメンバは、車両に元々設けられる部材であり、これに補強部材を所定の状態に接合することにより、本発明が意図する剛性断点が構築されている。したがって、その構成は合理的であり、製造コストの低減などを図る上で、より好ましいものとなる。
第4に、補強部材は、通常走行時における車両の剛性確保にも役立つ。
本発明において、好ましくは、前記フロア部上のうち、前記蓄電装置の搭載領域の車両前方側に位置して車幅方向に延びるクロスメンバを、さらに備えており、このクロスメンバは、上下高さ方向に起立し、かつ下部が前記フロア部に当接して接合された起立壁部を有しており、この起立壁部の下部と前記フロア部との当接接合部は、少なくとも前記蓄電装置の車幅方向の幅よりも広い範囲において、上下および車両前後方向の凹凸段差が無く、車幅方向に直線状に延びた構成とされている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、車両が側突を生じた場合には、車幅方向外方からの側突荷重をクロスメンバが受けることとなる。ここで、クロスメンバの起立壁部とフロア部との当接接合部が、上下および車両前後方向に凹凸段差が無く、車幅方向に直線状に延びた構成とされていれば、そうではない構成と比較すると、前記側突荷重の入力に対して変形を生じ難いものとすることができる(部材がその長手方向に荷重を受ける場合、この部材に凹凸段差や曲げ部などが存在するほど、その部材は曲げ変形を生じ易くなる)。このようなことから、車両の側突時において、側突荷重が蓄電装置に入力することも効果的に防止することが可能となる。
また、前記したクロスメンバの車両前方側には、剛性断点を効果的に設定することも可能となる。
本発明において、好ましくは、前記フロア部に設けられて車両前後方向に延びるフロアトンネル部を、さらに備えており、前記フロアトンネル部の後端部は、車両前後方向において、前記蓄電装置の搭載領域および前記段差部から車両前方側に離間した配置とされている。
このような構成によれば、蓄電装置の搭載領域および段差部と、フロアトンネル部の後端部との相互間の位置に、剛性断点を適切に設定することができ、車両の後突時において、蓄電装置が後上がり状に回転する動作を確実化する上で、より好ましいものとなる。
フロアトンネル部は、通常走行時における剛性確保にも役立つ。
本発明において、好ましくは、前記フロアトンネル部の後端部を、前記蓄電装置の搭載領域および前記段差部のいずれかの固定車両部材に対して橋渡し状に連結するブレースを、さらに備えている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、フロアトンネル部の車両前後方向のサイズを短くし、このフロアトンネル部の後端部が、蓄電装置の搭載領域および段差部から離間した構成にすると、その分だけ、その周辺部の剛性が低下する。これに対し、前記ブレースは、そのような剛性の低下を補い、十分な剛性を確保するのに役立つ。
また、前記ブレースの仕様により、車両の後突時における蓄電装置の回転動作をコントロールすることもできる。
なお、より好ましくは、ブレースと、その下方に位置するフロア部との相互間には、隙間が設けられた構成とされる。このような構成によれば、車両の後突時に、フロア部がブレースに相対して上昇し得ることとなるため、フロア部の屈曲(蓄電装置の後上がり状の回転)がブレースによって大きく阻害されないようにすることが可能である。
本発明において、好ましくは、前記フロア部に設けられて車両前後方向に延びるフロアトンネル部の左右一対の基端部の下面側に接合され、かつ車両前後方向に延びる左右一対のインナメンバを、さらに備えており、これら一対のインナメンバの後端部は、車両前後方向において、前記蓄電装置の搭載領域および前記段差部から車両前方側に離間した配置とされている。
このような構成によれば、一対のインナメンバの存在により、車両の通常走行時における剛性確保が図られることは勿論のこと、車両が前突し、車両前方からの荷重入力があった場合には、この荷重をフロアトンネル部のみならず、一対のインナメンバによっても受けさせ、衝撃エネルギ吸収を行なわせることができる。したがって、車両の前突時における蓄電装置保護性能をも良好にすることができる。
一方、車両の後突時においては、蓄電装置の搭載領域および段差部と各インナメンバとの相互間の位置でフロア部を適切に屈曲させることができる。すなわち、各インナメンバ
が、車両の後突時におけるフロア部の屈曲動作を大きく妨げないようにすることができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
本発明に係る車両構造の一例を示す一部破断要部概略斜視図である。 図1に示す車両構造のバッテリなどが取付けられていない状態を示す一部破断要部概略斜視図である。 図1に示す車両構造のサイドメンバの位置における要部側面断面図である。 (a)は、図1のIVa−IVa断面図であり、(b)は、図1のIVb−IVb断面図である。 図1の要部概略底面図である。 図1のVI−VI断面図である。 図3の要部拡大側面断面図である。 (a)は、図7に示す部分の要部断面斜視図であり、(b)は、(a)の要部分解断面斜視図である。 図7に示す部分の要部概略平面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1に示す車両構造Aは、たとえばハイブリッド自動車などの車両に適用されており、車両のフロア部1に設けられた段差部10、この段差部10上に搭載された蓄電装置としてのバッテリ2、櫓状構造体3、クロスメンバ4、フロアトンネル部11、ブレース50、一対のインナメンバ51、および一対のサイドメンバ7を備えている。
さらに、この車両構造Aにおいては、車両の後突が発生した際に、バッテリ2が、図4の矢印Naで示す方向に回転して後上がり状となることを可能とする剛性断点RPが、さらに具備されている。
図1および図2において、フロア部1の段差部10は、車両のフロア部1のうち、車両前後方向の略中央部、またはそれよりも車両後方寄りの部位に設けられている。図中、符号9は、後輪を示している。
本実施形態においては、フロア部1のうち、段差部10よりも車両前方側がフロントフロアパネル部1aであり、段差部10および段差部10よりも車両後方側がリヤフロアパネル部1bである。段差部10は、その前部がフロントフロアパネル部1aよりも適当な高さだけ高くなった部分であって、基本的には、車両後方側に進むほど高さが徐々に高くなるように傾斜した傾斜部を含んでいる。ただし、この傾斜部には、平坦化された領域(周囲と比較すると凹状に窪んだ領域)が設けられ、この領域が、バッテリ2の搭載領域Sとされている。バッテリ2は、駆動用メインバッテリであり、たとえば大型のリチウムイオン二次電池、あるいはニッケル水素二次電池などである。
櫓状構造体3は、たとえば複数のパイプ材を接合するなどして構成されており、バッテリ2の上方を覆うように設けられている。この櫓状構造体3は、バッテリ2を囲んでおり、バッテリ2の保護に役立つが、リヤシートのシートクッションフレームを兼用している。櫓状構造体3の上側には、リヤシートを構成するシートクッション37や、シートバック38が載せられる。櫓状構造体3の取付けは、たとえば前側の支持脚部3aがクロスメンバ4に固定され、かつ後側の支持部3bがサイドメンバ7に固定されることにより行なわれている。
図3によく表れているように、フロア部1のバッテリ2の搭載領域Sの下側には、燃料タンク91が設けられている。また、車両後部の荷室98のリヤフロアパネル部1bには、凹部18が形成され、かつこの凹部18内には、鉛蓄電池などの補機用バッテリ28が搭載されている。車両の後端部には、バックドア97により開閉される後部開口部96、その下部に位置するロアバック95などが設けられており、車両の後突時には、これらの部分に荷重Fが入力する。
図5によく表れているように、一対のサイドメンバ7は、車幅方向に間隔を隔てて互いに対向し、かつ底面視において屈曲した形態を有しつつ車両前後方向に延びている。フロア部1は、各サイドメンバ7の上面部に接合されている。図7において、各サイドメンバ7は、側面視屈曲状であり、後上がりの傾斜部7aと、この傾斜部7aの車両前方側に曲げ部7cを介して繋がった略水平状の水平部7bとを有している。傾斜部7aは、車両前後方向において、バッテリ2の搭載領域Sとオーバラップした配置(バッテリ2の車幅方向外方側)である。
図7〜図9において、各サイドメンバ7には、補強部材8が溶接(接合)されており、このことにより剛性断点RPが設けられている。
具体的には、サイドメンバ7は、図8に示すように、断面ハット状であるのに対し、補強部材8も、その基本的な形状は断面ハット状である。これらサイドメンバ7と補強部材8との組み合わせ構造においては、補強部材8の底壁部80の前部80aが、サイドメンバ7の水平部7bの底壁部70に溶接された前側接合部72aが設けられている。また、補強部材8の後部寄り領域に設けられた上側フランジ部81が、水平部7bから曲げ部7cを介して傾斜部7aまで跨がり、かつこれらの部分に位置するサイドメンバ7の上側フランジ部71に溶接された後側接合部72bも設けられている。図9に、補強部材8とサイドメンバ7との溶接部Wの配置例を示しているが、補強部材8とサイドメンバ7との互いに対向接触する側壁部どうしも適宜溶接されている。
本実施形態において、剛性断点RPは、各サイドメンバ7のうち、前側接合部72aと後側接合部72bとの相互間の部分、より厳密には、前側接合部72aの後端から後側接合部72bの前端に至る部分である(理解の容易のため、図面では、剛性断点RPを、仮想線で適宜示している)。本実施形態では、前側接合部72aの後端と後側接合部72bの前端との車両前後方向における位置が略一致しているが、これに限らず、たとえばそれらの後端と前端とが、車両前後方向において離間した配置とされていてもよい。
剛性断点RPが設けられていることに基づき、サイドメンバ7は、車両後方側から所定以上の大きな荷重入力を受けた場合に、剛性断点RPが起点となって、矢印Nbで示すように、後上がり状に屈曲変形可能である。サイドメンバ7のそのような屈曲変形は、フロア部1の屈曲変形を伴う。このため、バッテリ2も、矢印Naで示すように、後上がり状に回転することとなる(図4(a)も参照)。
本実施形態では、剛性断点RPの車両後方側に、曲げ部7cが存在するものの、荷重入力時には、あく迄も剛性断点RPをサイドメンバ7の屈曲変形の起点とすることが可能であり、サイドメンバ7が、曲げ部7cを起点として屈曲変形することは抑制される。なお、図7の符号92は、補強部材8とは別の補強部材を示している。
図1および図2において、クロスメンバ4は、一対のサイドメンバ7の相互間に橋渡し状に設けられて車幅方向に延びており、フロア部1の段差部10の前端部に沿うようにしてフロア部1上に配設されている。図4によく表れているように、このクロスメンバ4は、上下高さ方向に起立した起立壁部40を有しており、この起立壁部40の下部は、フロア部1の上面に当接して接合されている。好ましくは、起立壁部40の下部とフロア部1
との当接接合部41は、車両前後方向において、剛性断点RPよりも車両後方側とされている。また、図1および図2に示すように、前記した当接接合部41は、少なくともバッテリ2の幅Lbよりも広い範囲Laにおいて、上下および車両前後方向に凹凸段差が無く、車幅方向に直線上に延びた構成とされている。
なお、図3および図4に示すように、バッテリ2の車両後方側にも、別のクロスメンバ4Aが設けられている。このクロスメンバ4Aも、一対のサイドメンバ7の相互間に橋渡し状に設けられている。バッテリ2の前後に位置する2つのクロスメンバ4,4Aは、車体の車幅方向の強度を高め、車両の側突時に、バッテリ2を保護するのに役立つ。
フロアトンネル部11は、段差部10およびバッテリ2の搭載領域Sよりも車両前方側の位置であって、フロア部1の車幅方向中央部に設けられており、かつ車両前後方向に延びている。このフロアトンネル部11の内側には、たとえば排気管94が通されている(図5を参照)。このフロアトンネル部11の後端部11aは、クロスメンバ4の位置まで延びておらず、クロスメンバ4の車両前方側に適当な寸法だけ離間した配置に設けられている。車両前後方向において、フロアトンネル部11の後端部11aとクロスメンバ4との相互間に、剛性断点RPが位置している。
本実施形態では、フロアトンネル部11の後端部11aが、車両後方側ほど高さが徐々に低くなるように傾斜しているが、これに代えて、後端部11aが非傾斜状に断ち切られた形態とすることもできる。
ブレース50は、フロアトンネル部11の後端部11aの上部と、クロスメンバ4の上部とに前後両端部が接合されて、これらの部分を橋渡し状に連結するものである。このことにより、フロアトンネル部11とクロスメンバ4との相互間領域全体の強度を高めることが可能であるが、このブレース50の厚みや幅などの仕様変更により、車両の後突時におけるバッテリ2の回転動作の円滑さなどをコントロールすることが可能である。好ましくは、ブレース50とその直下のフロア部1との相互間には、適度な隙間52が形成されている。このような構成によれば、車両の後突時において、フロア部1が後上がり状に屈曲する際に、隙間52がフロア部1の移動可能領域となり、フロア部1の屈曲に伴わせてバッテリ2を適切に回転させることが可能となる。
図5および図6によく表れているように、一対のインナメンバ51は、フロアトンネル部11の左右一対の基端部11bの下面側に接合され、かつ車両前後方向に延びている。なお、図6において、符号93は、ロッカである。
図4および図5に示すように、各インナメンバ51の後端部51aは、フロアトンネル部11の後端部11aと同様に、車両前後方向において、クロスメンバ4の位置まで延びておらず、クロスメンバ4の車両前方側に適当な寸法だけ離間した配置に設けられている。
インナメンバ51の後端部51aは、車両後方側ほど高さが徐々に低くなるように傾斜しているが、既述したフロアトンネル部11の後端部11aと同様に、後端部51aが非傾斜状に断ち切られた形態とすることもできる。
次に、前記した車両構造Aの作用について説明する。
まず、車両が後突を生じ、車両後部に所定以上の荷重Fの入力があると、この荷重Fの一部は、一対のサイドメンバ7に入力し、各サイドメンバ7を車両前方に圧縮させる力として作用する。すると、各サイドメンバ7は、既述したように、剛性断点RPよりも車両後方側部分が、図4(a)の矢印Nbで示すように、剛性断点RPを起点として上昇するように屈曲し、かつバッテリ2は、同図の矢印Naで示すように、後上がり状に回転する。バッテリ2のこのような回転動作により、バッテリ2への直接的な荷重入力が抑制され、バッテリ2の損傷を効果的に防止することが可能である。剛性断点RPが設けられてい
るサイドメンバ7は、バッテリ2の搭載領域Sの車幅方向外方側に位置しているため、サイドメンバ7の屈曲変形度合いと比較すると、バッテリ2の回転動作を緩やかなものとすることが可能である。したがって、バッテリ2の搭載領域Sが、不必要に大きく変形・変位しないようにすることも可能である。
バッテリ2の損傷防止手段として、各サイドメンバ7に剛性断点RPを設け、荷重Fの入力時における各部の変形や、バッテリ2の変位を制御する手段が採用されているため、車両の重量の増大を抑制し、生産性の向上、ならびに製造コストの低減を適切に図ることができる。
剛性断点RPは、車両に元々設けられるサイドメンバ7に、補強部材8を接合することにより設けられている。したがって、その構成は合理的であり、製造コストを一層低減することが可能である。
クロスメンバ4,4Aは、車両の側突時において、車幅方向外方から入力する側突荷重を受け、バッテリ2に側突荷重が直接的に入力することを防止する役割を果たす。とくに、クロスメンバ4の起立壁部40の下部とフロア部1との当接接合部41は、バッテリ2の幅Lbよりも広い範囲Laにわたって上下および車両前後方向に凹凸段差が無く、車幅方向が延びた直線状とされているため、範囲Laは、車幅方向外方から入力する荷重によって容易に曲げ変形を生じ難いものとすることができる。その結果、側突荷重がバッテリ2に入力することを、より効果的に防止することが可能となる。また、クロスメンバ4の車両前方側の位置には、剛性断点RPを効果的に設定することも可能となる。
フロアトンネル部11の後端部11aは、既述したように、クロスメンバ4の車両前方側に離間している。このため、車両の後突時において、各サイドメンバ7が剛性断点RPを起点として屈曲する場合に、これに伴わせて、フロア部1のうち、後端部11aとクロスメンバ4との相互間の位置を適切に屈曲させることが可能である。本発明においては、本実施形態とは異なり、フロアトンネル部11の後端部11aをクロスメンバ4に接続した構成とすることも可能であるが、この場合には、フロアトンネル部11の剛性が大きいため、車両の後突時に、剛性断点RPに対応する箇所でフロア部1を適切に屈曲変形させることが難しくなる場合がある。これに対し、本実施形態の構成によれば、そのような虞を適切になくすことが可能であり、好ましい。
ブレース50は、フロアトンネル部11の後端部11aとクロスメンバ4とを接続しているが、このような構成によれば、後端部11aとクロスメンバ4との相互間領域の強度を高めることができる。したがって、フロアトンネル部11をクロスメンバ4に接続していないことに起因して、車両に強度不足が発生するといった不具合を生じないようにすることが可能である。ブレース50の仕様を変更することにより、車両の後突時におけるバッテリ2の回転動作をコントロールすることもできる。好ましくは、ブレース50とフロア部1との相互間には、隙間52が設けられており、車両の後突時に、フロア部1の屈曲(バッテリ2の回転)がブレース50によって阻害されないようにすることも可能である。
一対のインナメンバ51は、フロアトンネル部11の剛性を高める。車両の前突時においては、フロアトンネル部11とともに、これらインナメンバ51も前突荷重を受け、そのエネルギを吸収し得ることとなる。このため、車両の前突荷重が、バッテリ2に直接的に入力することを抑制する作用も優れたものとすることが可能である。一方、インナメンバ51の後端部51aは、フロアトンネル部11の後端部11aと同様に、車両前後方向において、クロスメンバ4の車両前方側に離間した配置とされている。このため、車両の後突時において、フロア部1が剛性断点RPに対応する箇所で屈曲する動作が、インナメ
ンバ51の後端部51aによって阻害されるといったこともない。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る車両構造の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
上述の実施形態においては、一対のサイドメンバ7のそれぞれに補強部材8を接合し、サイドメンバ7自体の剛性を低下させず、サイドメンバ7を補強しつつ、剛性断点RPを設けており、車両の強度不足を生じないようにする上で好ましい構成である
蓄電装置は、必ずしもリヤシートなどの車両用シートの下方スペースに配置されていなくてもよい(つまり、蓄電装置の上方に車両用シートを設置しなくてもよい)。蓄電装置は、フロア部の段差部に搭載されていればよい。段差部は、必ずしも後上がりの傾斜状でなくてもよく、フロア部の他の領域と比較して段差を生じている領域とされていればよい。
蓄電装置の具体的な種類や数なども限定されない。本発明でいう蓄電装置には、各種のバッテリの他、キャパシタも含まれる。
A 車両構造
RP 剛性断点
S バッテリの搭載領域(蓄電装置の搭載領域)
1 フロア部
10 段差部
11 フロアトンネル部
11a 後端部(フロアトンネル部の)
2 バッテリ(蓄電装置)
4 クロスメンバ
40 起立壁部
41 当接接合部
50 ブレース
51 インナメンバ
51a 後端部(インナメンバの)
7 サイドメンバ
7a 傾斜部(サイドメンバの)
7b 水平部(サイドメンバの)
7c 曲げ部
72a 前側接合部
72b 後側接合部
8 補強部材

Claims (5)

  1. 車両のフロア部のうち、車両前後方向の略中央部またはそれよりも車両後方寄りの部位に設けられた段差部と、
    前記フロア部のうち、前記段差部に搭載された蓄電装置と、
    を備えている、車両構造であって、
    前記車両が後突を生じて前記車両の後部への所定以上の荷重入力があったときに、前記フロア部のうち、前記蓄電装置の搭載領域よりも車両前方側の部分を起点として前記フロア部を屈曲させ、かつ前記蓄電装置を後上がり状に回転可能とする剛性断点と、
    前記フロア部の前記蓄電装置の搭載領域よりも車幅方向外方側の部位に接合され、かつ車両前後方向に延びる左右一対のサイドメンバと、
    これら一対のサイドメンバに対応する左右一対の補強部材と、
    をさらに備えており、
    前記一対のサイドメンバは、車両前後方向において、前記蓄電装置の搭載領域とオーバラップした配置とされた後上がりの傾斜部と、この傾斜部の車両前方側に曲げ部を介して繋がった略水平状の水平部とを有しており、
    前記各サイドメンバおよび前記各補強部材は、前記各補強部材の前部が、前記各サイドメンバの前記水平部の下部に接合された前側接合部と、前記各補強部材の後部が、前記水平部から前記曲げ部を介して前記傾斜部に跨がり、かつこれらの部分の上部に接合された後側接合部と、を有しており、
    前記各サイドメンバのうち、前記前側接合部と前記後側接合部との相互間の部分が、前記剛性断点であることを特徴とする、車両構造。
  2. 請求項1に記載の車両構造であって、
    前記フロア部上のうち、前記蓄電装置の搭載領域の車両前方側に位置して車幅方向に延びるクロスメンバを、さらに備えており、
    このクロスメンバは、上下高さ方向に起立し、かつ下部が前記フロア部に当接して接合された起立壁部を有しており、
    この起立壁部の下部と前記フロア部との当接接合部は、少なくとも前記蓄電装置の車幅方向の幅よりも広い範囲において、上下および車両前後方向の凹凸段差が無く、車幅方向に直線状に延びた構成とされている、車両構造。
  3. 請求項1または2に記載の車両構造であって、
    前記フロア部に設けられて車両前後方向に延びるフロアトンネル部を、さらに備えており、
    前記フロアトンネル部の後端部は、車両前後方向において、前記蓄電装置の搭載領域および前記段差部から車両前方側に離間した配置とされている、車両構造。
  4. 請求項に記載の車両構造であって、
    前記フロアトンネル部の後端部を、前記蓄電装置の搭載領域および前記段差部のいずれかの固定車両部材に対して橋渡し状に連結するブレースを、さらに備えている、車両構造。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の車両構造であって、
    前記フロア部に設けられて車両前後方向に延びるフロアトンネル部の左右一対の基端部の下面側に接合され、かつ車両前後方向に延びる左右一対のインナメンバを、さらに備えており、
    これら一対のインナメンバの後端部は、車両前後方向において、前記蓄電装置の搭載領域および前記段差部から車両前方側に離間した配置とされている、車両構造。
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