JP6826925B2 - 熱電変換材料、熱電変換素子、熱電変換モジュール、及び移動体 - Google Patents
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Description
ゼーベック効果を利用した熱電変換モジュールは、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することを可能とする。実際に熱電変換する場合は、p型熱電変換材料部とn型熱電変換材料部とを用いて、これらを交互に電気的に直列に接続する構造とする。熱電変換モジュールの性質を利用すると、産業・民生用プロセスや移動体から排出される廃熱を有効な電力に変換することができるため、熱電変換は、環境問題に配慮した省エネルギー技術として注目されている。
また、熱サイクル環境下において、熱電変換材料に経時的な熱電変換特性の劣化が生じる恐れもある。この原因の一つとして、熱電変換材料中の不純物相がある。熱電変換材料が高温下で使用されるなかで、熱電変換特性を有する母相と不純物相に元素拡散が生じ、母相の組成が変化してしまうためである。
本発明は、高温下で使用されても熱電変換特性が高く、また、熱サイクル環境下で使用されてもクラック、割れや熱電変換特性の低下が生じにくい熱電変換材料、熱電変換素子、熱電変換モジュール、及び移動体を提供することを課題とする。
さらに、本発明の他の態様に係る移動体は、上記他の態様に係る熱電変換モジュールを搭載したことを要旨とする。
なお、上記の化学式中のAがBaである場合は、上記の化学式は、以下の6つの数式0.2<a≦3.5、7.6≦a+b≦8.2、7≦c≦11、0≦d≦7、22≦e≦38、a+b+c+d+e=54をいずれも満たすことがより好ましい。
さらに、上記の化学式は、a+b=8、c+d+e=46、a+b+c+d+e=54をいずれも満たすことが特に好ましく、Siクラスレート化合物におけるSiクラスレート化合物相の割合がより多くなり、理想的な結晶構造を取り得る。
なお、本実施形態の熱電変換材料は、上記の化学式EuaAbGacAldSieで表されるSiクラスレート化合物を含有するが、このSiクラスレート化合物は、Eu、Ba、Sr、Ga、Al、Si以外の原子(例えばB(ホウ素)、Pd)を有していてもよい。すなわち、Eu、Ba、Sr、Ga、Al、Si以外の1種以上の元素を添加して、Siクラスレート化合物を製造してもよい。BやPdは、ゼーベック係数を上昇させるのに有効である場合がある。
また、熱電変換の際には、熱電変換素子におけるn型熱電変換材料部11とp型熱電変換材料部12の接続部分を高温とし、接続部分から離れたn型熱電変換材料部11及びp型熱電変換材料部12のそれぞれの端部側を低温とすることが好ましい。そして、低温とする上記端部側に、電極及び配線を接続する。
高温側絶縁基板51の材料は、熱電変換モジュール60を使用する際の上限温度(例えば800℃)以上の融点を持ち、熱電変換素子の高温側部分との間で絶縁される材料であればよく、例えばアルミナであってよい。また、低温側絶縁基板52の材料は、高温側絶縁基板51と同一であってもよいし、異なってもよいが、低温側配線42との間で絶縁される材料である必要がある。
このような本実施形態の熱電変換モジュール60は、自動車等の移動体に搭載してもよい。その際には、移動体の廃熱を利用した発電に使用できる。
〔Si相について〕
Siクラスレート化合物には、Si相が不純物相として存在することがある。熱電変換材料の熱サイクル環境下における機械的強度及び経時的特性安定性の観点から、このSi相の割合は低いことが好ましい。Si相が存在してしまう理由としては、Siクラスレート化合物におけるSi固溶域が狭いことが考えられる。Euを固溶させることで、Siクラスレート化合物におけるSi固溶域が拡大されるため、Si相の割合が低くなるものと考えられる。
Siクラスレート化合物相の最大回折ピーク強度に対するSi相の最大回折ピーク強度の割合は、Si相の最大回折ピーク強度をSiクラスレート化合物相の最大回折ピーク強度で除することにより算出することができる。
所定の原子組成を有し且つ均一なSiクラスレート化合物のインゴットを製造する。まず、所望の原子組成となるように、所定量の原料(Eu、Ba、Sr、Ga、Al、Si等)を秤量し混合する(混合工程)。原料は、元素単体であってもよいし、合金や化合物であってもよい。また、その形状は、粉末でも片状でも塊状でもよいが、短時間で均質に混ざり合った状態とするためには、微細な粉末状が好ましい。ただし、Baについては、酸化を防ぐために塊状が好ましい。なお、Siの原料として単体のSiではなくAl−Siの母合金を用いると、融点を低下させることができる。
放電プラズマ焼結法を用いる場合は、その焼結の一条件となる焼結温度は、好ましくは600℃以上1000℃以下であり、より好ましくは900℃以上1000℃以下である。焼結時間は、好ましくは1分以上10分以下であり、より好ましくは3分以上7分以下である。焼結圧力は、好ましくは40MPa以上80MPa以下であり、より好ましくは50MPa以上70MPa以下である。
上記の製造方法によってSiクラスレート化合物が生成されたか否かは、組成分析及び粉末X線回折(XRD)によって確認することができる。具体的には、Siクラスレート化合物の微粒子を焼結し、得られた焼結物を再度粉砕して粉末を得て、JIS K0131に準ずる方法により粉末の回折X線を測定する。得られたピークがタイプ1クラスレート相(Pm−3n、空間群No.223)又はタイプ8クラスレート相(I−43m、空間群No.217−1)を示すものであれば、Si系クラスレート化合物が生成したことが確認できる。
上記の製造方法によって生成されたSiクラスレート化合物には、不純物相としてSi相が生成される恐れがあり、Si相によって熱電変換材料の機械的強度や経時的特性安定性が低下する恐れがある。そのため、Siクラスレート化合物中のSi相の割合を低下させることが望まれる。
次に、上記の方法で製造された熱電変換材料(Siクラスレート化合物)の無次元性能指数ZTを算出するための特性評価方法の一例について説明する。特性評価の項目は、ゼーベック係数Sと電気抵抗率ρである。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
純度99%以上の高純度のBa、Sr、Euと、純度99.9%以上の高純度のAl、Ga、Siを、表1に示す配合比率(配合量(単位はg))で混合して、実施例1〜9及び比較例1〜4の各原料混合物を得た(混合工程)。
また、化学式EuaAbGacAldSieで表されるSiクラスレート化合物のAとしてBaが選択された場合に、熱電変換特性及び単相性の向上を確認することができた。
12 p型熱電変換材料部
60 熱電変換モジュール
Claims (5)
- 複数のSi原子によって構成された結晶格子の内部空間にゲスト原子が封じ込められたSiクラスレート化合物を含有する熱電変換材料であって、
前記ゲスト原子は、Eu原子と、Ba原子又はSr原子であり、前記結晶格子を構成するSi原子の一部は、Ga原子及びAl原子の少なくとも一方で置換されていて、前記Siクラスレート化合物は化学式EuaAbGacAldSieで表され、
前記化学式中のAはBa又はSrを示し、
また、前記化学式は、前記化学式中のAがBaである場合は、以下の6つの数式0.2≦a≦3.5、7.5≦a+b≦8.0、0≦c≦16.0、0≦d≦13.0、30.5≦e≦33.7、及びa+b+c+d+e=54をいずれも満たし、c及びdは同時に0とならず、
前記化学式中のAがSrである場合は、以下の6つの数式1.0≦a≦3.5、7.4≦a+b≦7.7、7.8≦c≦8.6、4.5≦d≦6.3、32.5≦e≦33.3、及びa+b+c+d+e=54をいずれも満たし、
前記Siクラスレート化合物はSiクラスレート化合物相とSi相を有し、
前記化学式中のAがBaである場合は、前記Siクラスレート化合物中の前記Si相の割合αは0.01≦α≦0.04であり、
前記化学式中のAがSrである場合は、前記Siクラスレート化合物中の前記Si相の割合αは0.10≦α≦0.24である熱電変換材料。 - 前記化学式中のAはBaであり、
また、前記化学式は、以下の6つの数式0.2<a≦3.5、7.6≦a+b≦8.0、7≦c≦11、0≦d≦7、30.5≦e≦33.7、及びa+b+c+d+e=54をいずれも満たす請求項1に記載の熱電変換材料。 - p型熱電変換材料部と、前記p型熱電変換材料部に接続するn型熱電変換材料部と、を備え、前記p型熱電変換材料部と前記n型熱電変換材料部の少なくとも一方が、請求項1又は請求項2に記載の熱電変換材料で形成されている熱電変換素子。
- 請求項3に記載の熱電変換素子を備える熱電変換モジュール。
- 請求項4に記載の熱電変換モジュールを搭載した移動体。
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