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JP6818278B1 - ガラスクロス - Google Patents

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Abstract

【課題】 低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際にも、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立を図ることができるガラスクロスの提供を主な課題とする。【解決手段】 質量が10g/m2以下のガラスクロスであって、前記ガラスクロスの、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが95μm以下、及び隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが95μm以下であり、前記ガラスクロスの、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.10以上1.60以下であり、前記ガラスクロスの、バスケットホール面積割合が12%以上20%以下である、ガラスクロス。【選択図】 なし

Description

本発明は、ガラスクロスに関する。
近年、プリント配線板は、電子機器の小型化に伴い、軽量化が求められており、使用される材料も低質量であることが求められている。プリント配線板を製造するには、ガラスクロスに樹脂が含浸されたプリプレグが用いられるが、上記電子機器の軽量化に伴って、プリプレグも低質量であることが求められている。そして、プリプレグに含まれるガラスクロスも同様に低質量であることが求められている。
低質量のガラスクロスとして、例えば、下記(i)〜(iv)を満足する、ガラスクロスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
(i)下記式(1)に示す開繊度が、経糸が70〜90%であり、緯糸が95〜120%。
開繊度(%)={(25×1000)/WD−I}/(D×N)×100 (1)
WD:経糸または緯糸の織密度(本/25mm)
I:隣接する経糸間または緯糸間の隙間間隔(μm)
D:経糸または緯糸の平均フィラメント直径(μm)
N:経糸または緯糸の平均フィラメント本数(本)
(ii)隣接する前記経糸間の隙間間隔、または隣接する前記緯糸間の隙間間隔のいずれかが100μm以下。
(iii)JIS R 3420:2013 7.10.1に従って測定される厚さが14μm以下。
(iv)JIS R 3420:2103 7.2に従って測定されるクロス質量が11g/m以下。
特許文献1のガラスクロスによれば、厚さを14μm以下と薄くしつつ、例えば、厚さ20μm以下のように薄いプリプレグ及び該プリプレグを用いた基板としたときに、ピンホールの発生を抑制することができるとされている。
また、低質量のガラスクロスとして、3.0〜4.2μmの範囲の直径を備えるガラスフィラメントが14〜55本の範囲で集束されてなる経糸及び緯糸から構成され、該経糸及び緯糸の織密度が86〜140本/25mmの範囲にあり、7.5〜12.0μmの範囲の厚さと、1m当たり6.0〜10.0gの範囲の質量とを備え、ガラスクロスの厚さを経糸のガラスフィラメントの直径と緯糸のガラスフィラメントの直径との平均値で除した値(ガラスクロスの厚さ/{(経糸のガラスフィラメントの直径+緯糸のガラスフィラメントの直径)/2})として示される平均段数が2.00以上3.00未満の範囲にあるガラスクロスであって、前記経糸の開繊度(経糸の糸幅/(経糸を構成するガラスフィラメントの直径×経糸を構成するガラスフィラメントの本数))と前記緯糸の開繊度(緯糸の糸幅/(緯糸を構成するガラスフィラメントの直径×緯糸を構成するガラスフィラメントの本数))との相乗平均((経糸の開繊度×緯糸の開繊度)1/2)で示される平均開繊度が1.000〜1.300の範囲にあり、前記緯糸の糸幅に対する前記経糸の糸幅の比(経糸の糸幅/緯糸の糸幅)で示される糸幅比が0.720〜0.960の範囲にあるガラスクロスが知られている(例えば特許文献2参照)。
特許文献2のガラスクロスによれば、平均段数を3.00未満としても、該ガラスクロスを用いたプリプレグにおいてピンホールの発生を抑制することができるとともに、該ガラスクロスの毛羽立ちが少ないことで該プリプレグの優れた外観品質を維持できるとされている。
特開2017−43873号公報 特開2018−21274号公報
低質量のプリプレグは、絶縁信頼性の観点から、例えば、プリプレグの総質量に対するガラスクロスの質量の割合が10〜40質量%程度と、ガラスクロスの質量割合が低いものとして使用されることが多い。しかしながら、本発明者が検討したところ、上記特許文献1及び2のガラスクロスは、プリプレグとする際にガラスクロスの質量割合が低いものとして樹脂溶液を含浸して硬化すると、得られるプリプレグは、製造時機械方向に走るシワ(タテシワ)が発生する場合があることを知得した。
そこで、本発明は、上記問題を解決し、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際にも、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立を図ることができるガラスクロスの提供を主な課題とする。
本発明者が上記問題の原因について検討したところ、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸して硬化する際に、ガラスクロスの経糸方向(ガラスクロス長さ方向)の張力に対して緯糸方向(ガラスクロス幅方向)の張力が著しく低くなる。そして、特許文献1のガラスクロスにおいては、該ガラスクロスに含浸した樹脂を硬化する際の硬化収縮により緯糸がガラスクロス幅方向に微妙に動きやすく、結果、前記タテシワが発生しやすくなると考えた。具体的に、特許文献1のガラスクロスは、
(i)隣接する経糸間の隙間同士の間隔が、隣接する緯糸間の隙間同士の間隔に対して大きく、経糸による緯糸の把持が十分でないこと、
(ii)元々薄いガラスクロスとするものであり、経糸及び緯糸が細く柔軟であること
(iii)低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸して硬化する際には、ガラスクロスの質量割合が比較的高いものとなるよう樹脂溶液を含浸して硬化させる場合に比して、緯糸が硬化収縮によりガラスクロス幅方向により動きやすくなること、
等が相俟って、緯糸がガラスクロス幅方向に微妙に動き、これに伴ってタテシワが発生しやすくなると考えた。
また、本発明者は、特許文献2のガラスクロスにおいては、過度な開繊処理をおこなうものであり、特に緯糸を構成する各フィラメントが目曲がりを起こし、これに起因してタテシワが発生しやすくなると考えた。すなわち、緯糸を構成する各フィラメントが目曲がりを起こすと、各フィラメントが緩んだ状態でガラスクロス中に存在することとなる。そして、緩んだフィラメントはガラスクロス幅方向に動き易い状態となっており、これに低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸し硬化すれば、硬化収縮の際に上記フィラメントの緩みに起因して緯糸がガラスクロス幅方向に微妙に動き、これに伴ってタテシワが発生しやすくなると考えた。
一方、上記作用機序を考慮すれば、ピンホール発生の抑制と上記タテシワ発生の抑制との両立は、ガラスクロスの経糸密度及び緯糸密度を大きくするか、又は経糸及び緯糸中のフィラメント本数を多くすれば良いとも考えられた。しかしながら、本発明者等は、ガラスクロスの経糸密度及び緯糸密度を大きくしたり、経糸及び緯糸中のフィラメント本数を多くしたりすると、ガラスクロスの質量が大きくなってしまい、プリプレグの質量も大きくなってしまうという問題があることを知得した。また、プリプレグおいて、ガラスクロスの質量割合を高くしすぎると、ガラスクロスがプリプレグ表面から露出し、信号層と露出したガラスクロスとが直接接触することで絶縁信頼性を損なうという問題があることも知得した。
さらに、本発明者等は、ガラスクロスが薄くなるにつれて、ガラスクロスの経糸密度及び緯糸密度を大きくしたり、経糸及び緯糸中のフィラメント本数を多くしたり、過剰な開繊処理を施すことで、隣接する経糸と緯糸とで囲まれる隙間空間が極端に小さくなると、ガラスクロスに内部歪みが生じやすく、タテシワが発生しやすくなるという問題があることも知得した。
そこで、本発明者が上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、開繊処理前の、経糸及び緯糸の、フィラメント径、フィラメント本数及び織密度から計算される経糸間、緯糸間の隙間設計値を、過剰な開繊を要しないように特定数値以下として設計しておき、ガラスクロス質量を特定質量以下としながら経糸及び緯糸を相互に十分に把持するために、開繊処理後の隣接する経糸間の隙間実測値と隣接する緯糸間の隙間実測値との比を特定範囲内とし、かつ、隣接する経糸及び隣接する緯糸により形成されるバスケットホール(目開き部分)の面積割合を特定範囲とするように開繊処理をおこなうことにより、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立を図ることができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1.質量が10g/m以下のガラスクロスであって、前記ガラスクロスの、下記式(1)に示す隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが95μm以下、及び下記式(2)に示す隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが95μm以下であり、前記ガラスクロスの、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.10以上1.60以下であり、前記ガラスクロスの、下記式(3)で示すバスケットホール面積割合が12%以上20%以下である、ガラスクロス。
隣接する経糸間の隙間設計値Iwd(μm)=(25000/Ww)−(Dw×Nw) ・・・式(1)
隣接する緯糸間の隙間設計値Ifd(μm)=(25000/Wf)−(Df×Nf) ・・・式(2)
バスケットホール面積割合(%)=(Iw×If)/{(25000/Ww)×(25000/Wf)}×100 ・・・式(3)
Ww:ガラスクロスの経糸密度(本/25mm)
Wf:ガラスクロスの緯糸密度(本/25mm)
Dw:ガラスクロスを構成する経糸の平均フィラメント径(μm)
Df:ガラスクロスを構成する緯糸の平均フィラメント径(μm)
Nw:ガラスクロスを構成する経糸の平均フィラメント本数(本)
Nf:ガラスクロスを構成する緯糸の平均フィラメント本数(本)
Iw:ガラスクロス中の隣接する経糸間の隙間実測値(μm)
If:ガラスクロス中の隣接する緯糸間の隙間実測値(μm)
項2.前記隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが70μm以上95μm以下、及び前記隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが70μm以上95μm以下であり、前記ガラスクロスの、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.25以上1.45以下であり、前記ガラスクロスのバスケットホール面積割合が12%以上18%以下である、項1に記載のガラスクロス。
項3.項1又は2に記載のガラスクロスを含むプリプレグであって、該プリプレグの質量(g/m)に対する前記ガラスクロスの質量(g/m)の割合(ガラスクロスの質量/プリプレグの質量)が10〜40質量%である、プリプレグ。
項4.質量が10g/m以下のガラスクロスの製造方法であって、前記ガラスクロスの、下記式(1)に示す隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが95μm以下、及び下記式(2)に示す隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが95μm以下としつつ、前記ガラスクロスの、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.10以上1.60以下、及び、前記ガラスクロスの、下記式(3)で示すバスケットホール面積割合が12%以上20%以下となるように、開繊処理をおこなうことを特徴とする、ガラスクロスの製造方法。
隣接する経糸間の隙間設計値Iwd(μm)=(25000/Ww)−(Dw×Nw) ・・・式(1)
隣接する緯糸間の隙間設計値Ifd(μm)=(25000/Wf)−(Df×Nf) ・・・式(2)
バスケットホール面積割合(%)=(Iw×If)/{(25000/Ww)×(25000/Wf)}×100 ・・・式(3)
Ww:ガラスクロスの経糸密度(本/25mm)
Wf:ガラスクロスの緯糸密度(本/25mm)
Dw:ガラスクロスを構成する経糸の平均フィラメント径(μm)
Df:ガラスクロスを構成する緯糸の平均フィラメント径(μm)
Nw:ガラスクロスを構成する経糸の平均フィラメント本数(本)
Nf:ガラスクロスを構成する緯糸の平均フィラメント本数(本)
Iw:ガラスクロス中の隣接する経糸間の隙間実測値(μm)
If:ガラスクロス中の隣接する緯糸間の隙間実測値(μm)
本発明のガラスクロスによれば、質量が10g/m以下のガラスクロスであって、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが95μm以下、及び隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが95μmであり、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.10以上1.60以下であり、バスケットホール面積割合が12%以上20%以下であることから、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立を図ることが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のガラスクロスは、質量が10g/m以下のガラスクロスであって、前記ガラスクロスの、下記式(1)に示す隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが95μm以下、及び下記式(2)に示す隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが95μm以下であり、前記ガラスクロスの、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.10以上1.60以下であり、前記ガラスクロスの、下記式(3)で示すバスケットホール面積割合が12%以上20%以下である。
隣接する経糸間の隙間設計値Iwd(μm)=(25000/Ww)−(Dw×Nw) ・・・式(1)
隣接する緯糸間の隙間設計値Ifd(μm)=(25000/Wf)−(Df×Nf) ・・・式(2)
バスケットホール面積割合(%)=(Iw×If)/{(25000/Ww)×(25000/Wf)}×100・・・式(3)
Ww:ガラスクロスの経糸密度(本/25mm)
Wf:ガラスクロスの緯糸密度(本/25mm)
Dw:ガラスクロスを構成する経糸の平均フィラメント径(μm)
Df:ガラスクロスを構成する緯糸の平均フィラメント径(μm)
Nw:ガラスクロスを構成する経糸の平均フィラメント本数(本)
Nf:ガラスクロスを構成する緯糸の平均フィラメント本数(本)
Iw:ガラスクロス中の隣接する経糸間の隙間実測値(μm)
If:ガラスクロス中の隣接する緯糸間の隙間実測値(μm)
本発明のガラスクロスは、質量が10g/m以下であり、9.5g/m以下が好ましく、9.0g/m以下がより好ましい。上記質量の範囲の下限値については特に制限されないが、例えば、5.0g/m以上が好ましく、6.0g/m以上がより好ましく、7.0g/m以上がより好ましく、8.0g/m以上がさらに好ましい。なお、本発明において、上記質量は、JIS R 3420:2103 7.2に準じて測定、算出されるものである。
本発明のガラスクロスは、下記式(1)に示す隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが95μm以下、及び下記式(2)に示す隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが95μm以下である。上記経糸間の隙間設計値及び緯糸間の隙間設計値の下限値については特に制限されないが、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立をより一層図りやすくするという観点から、60μm以上が好ましく、70μm以上がより好ましく、85μm以上がさらに好ましい。
隣接する経糸間の隙間設計値Iwd(μm)=(25000/Ww)−(Dw×Nw) ・・・式(1)
隣接する緯糸間の隙間設計値Ifd(μm)=(25000/Wf)−(Df×Nf) ・・・式(2)
Ww:ガラスクロスの経糸密度(本/25mm)
Wf:ガラスクロスの緯糸密度(本/25mm)
Dw:ガラスクロスを構成する経糸の平均フィラメント径(μm)
Df:ガラスクロスを構成する緯糸の平均フィラメント径(μm)
Nw:ガラスクロスを構成する経糸の平均フィラメント本数(本)
Nf:ガラスクロスを構成する緯糸の平均フィラメント本数(本)
上記経糸の隙間設計値及び緯糸の隙間設計値は、まず、複数のフィラメントからなる経糸及び緯糸(ガラス糸)中において、該ガラス糸を構成する全てのフィラメントがガラス糸幅方向に隙間なく一列に配置されたと仮想する。このとき、該仮想において、仮想的なガラス糸の幅(μm)は、平均フィラメント径×平均フィラメント本数(すなわち、経糸の場合はDw×Nw)で算出できる。次に、織密度(経糸密度はWw、緯糸密度はWf)は、後述するように25mm(25000μm)間のガラス糸本数であることから、25000μmを織密度で除する(経糸の場合25000/Ww)ことで、ガラス糸の幅と隣り合うガラス糸同士の隙間間隔との和が算出できる。そして、ガラス糸の幅と隣り合うガラス糸同士の和から、上記仮想的なガラス糸幅を減じることで、上記仮想における、仮想的な隣接する経糸間の隙間間隔及び仮想的な隣接する経糸間の隙間間隔が算出でき、これらを夫々隣接する経糸間の隙間設計値及び隣接する緯糸間の隙間設計値とする。
本発明者は、特許文献2で具体的な実施例として挙げられているガラスクロスは、上記経糸の隙間設計値及び緯糸の隙間設計値が100μmを越えるものとして設計されており、これを過剰な開繊処理によって隙間を小さくする手法を採っていること、当該手法では、各フィラメントが緩んだ状態でガラスクロス中に存在することとなり、これに起因して、特に緯糸を構成する各フィラメントが目曲がりを起こし、これに起因してタテシワが発生しやすくなると考えた。そして、本発明者は、経糸の隙間設計値及び緯糸の隙間設計値を特定範囲以下とすることにより、上記タテシワの発生とピンホール抑制を図れることを見出したのである。
本発明のガラスクロスにおいて、ガラスクロスの経糸密度Ww及び緯糸密度Wf(本/25mm)は、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立をより一層図りやすくする観点から、90〜160本/25mmが好ましく、95〜150本/25mmがより好ましく、100〜120本/25mmがさらに好ましい。なお、本発明において、経糸密度及び緯糸密度は、JIS R 3420 2013 7.9に従い、測定、算出されるものである。
本発明のガラスクロスにおいて、ガラスクロスを構成する経糸(ガラス糸)を構成するフィラメントの平均フィラメント径Dw及び緯糸(ガラス糸)を構成するフィラメントの平均フィラメント径Dfは、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立をより一層図りやすくする観点から、2.5〜4.0μmが好ましく、3.0〜3.7μmがより好ましい。
本発明のガラスクロスにおいて、ガラスクロスを構成する経糸(ガラス糸)を構成するフィラメントの平均本数Nw及び緯糸(ガラス糸)を構成するフィラメントの平均フィラメント本数Nfは、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立をより一層図りやすくする観点から、25〜50本が好ましく、30〜40本がより好ましい。
なお、本発明において、上記平均フィラメント径(Dw及びDf)、並びに上記平均フィラメント本数(Nw及びNf)は、次のように測定、算出されるものである。
すなわち、得られたガラスクロスを30cm角にカットしたものを2枚用意し、一方を経糸観察用、他方を緯糸観察用として、それぞれをエポキシ樹脂(丸本ストルアス株式会社製商品名3091)に包埋して硬化させ、経糸、緯糸が観察可能な程度に研磨し、SEM(日本電子株式会社製商品名JSM−6390A)を用い、フィラメント直径は倍率1000倍で、フィラメント本数は倍率500倍で観察、測定をおこなう。
(1)ガラス糸の平均フィラメント直径(μm)
経糸、緯糸それぞれについて無作為に30本選び、該30本のガラス糸の全フィラメントの直径(最も大きい部分)を測定して平均値を算出し、経糸及び緯糸の平均フィラメント直径とする。
(2)平均フィラメント本数(本)
経糸、緯糸それぞれについて無作為に20本選び、20本のガラス糸の全フィラメント数を測定して平均値を算出し、経糸及び緯糸の平均フィラメント直径とする。
本発明のガラスクロスにおいて、経糸及び緯糸の番手(tex)としては、特に制限されないが、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立をより一層図りやすくする観点から、0.5〜1.2texが好ましく、0.6〜1.1texがより好ましく、0.9〜1.1texがさらに好ましい。なお、本発明において、経糸及び緯糸の番手は、JIS R 3420 2013 7.1に準じて、測定、算出するものである。
本発明において、経糸及び緯糸を構成するガラス材料については、特に制限されず、公知のガラス材料を用いることができる。ガラス材料としては、具体的には、無アルカリガラス(Eガラス)、耐酸性の含アルカリガラス(Cガラス)、高強度・高弾性率ガラス(Sガラス、Tガラス、UTガラス(ユニチカグラスファイバー株式会社製)等)、耐アルカリ性ガラス(ARガラス)、低誘電ガラス(NEガラス、Lガラス、LUガラス(ユニチカグラスファイバー株式会社製)等)等が挙げられる。これらのガラス材料の中でも、好ましくは汎用性の高い無アルカリガラス(Eガラス)が挙げられる。ガラス繊維布帛2を構成するガラス繊維は、1種類のガラス材料からなるものであってもよいし、異なるガラス材料からなるガラス繊維を2種類以上組み合わせたものであってもよい。
本発明のガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.10以上1.60以下であり、1.20以上1.45以下がより好ましく、1.30以上1.40以下がさらに好ましい。上記比が1.60以下とすることにより、経糸による緯糸の把持が十分となり、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸して硬化する際に、緯糸がガラスクロス幅方向に微妙に動くことを抑制し、これに起因してタテシワの発生を防ぎやすくなる。また、上記比が1.10以上とすることにより、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸して硬化する際にピンホールの発生を抑制しやすくなる。
なお、本発明において、隣接する経糸間の隙間実測値及び隣接する緯糸間の隙間実測値は、次のように測定、算出される。すなわち、まず、ガラスクロスにおいて、任意に選ばれた3箇所から、経糸、緯糸ともに隙間が連続して100箇所ずつ観察できる大きさにカットし、サンプルとする。次いで、該サンプルについて、マイクロスコープを用い、倍率150倍で隙間間隔の観察、測定をおこなう。具体的に、ガラスクロス平面の法線方向から、クロス経方向、緯方向それぞれ同一直線上に連続する隙間間隔100箇所ずつについて観察する。それを上記任意に選ばれた3箇所についておこない、経糸、緯糸ともに合計300箇所ずつ測定し、当該300箇所の平均値を隙間実測値とする。
本発明のガラスクロスにおいて、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)としては、例えば、70〜120μmが挙げられ、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立をより一層図る観点から、80〜110μmがより好ましく、100〜110μmがさらに好ましい。また、本発明のガラスクロスにおいて、隣接する緯糸間の隙間実測値(If)としては、例えば、60〜100μmが挙げられ、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立をより一層図る観点から、70〜90μmがより好ましく、75〜80μmがさらに好ましい。
本発明のガラスクロスにおいて、隣接する経糸間の隙間設計値Iwd(μm)に対する、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)の比(Iw/Iwd)としては、例えば、1.00〜1.30が挙げられ、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立をより一層図る観点から、1.10〜1.18が好ましく挙げられる。また、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifd(μm)に対する、隣接する緯糸間の隙間実測値(If)の比(If/Ifd)としては、例えば、0.70〜1.00が挙げられ、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立をより一層図る観点から、0.80〜1.00が好ましく挙げられる。
本発明のガラスクロスは、下記式(3)で示すバスケットホール面積割合が12%以上20%以下であり、12%以上18%以下が好ましく、14%以上17%以下がより好ましい。
バスケットホール面積割合(%)=(Iw×If)/{(25000/Ww)×(25000/Wf)}×100 ・・・式(3)
Iw:隣接する経糸間の隙間実測値(μm)
If:隣接する緯糸間の隙間実測値(μm)
Ww:ガラスクロスの経糸密度(本/25mm)
Wf:ガラスクロスの緯糸密度(本/25mm)
本発明のガラスクロスは、バスケットホール面積割合を12%以上とすることにより、ガラスクロスに内部歪みが生じにくくなり、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際にタテシワが発生しにくくなる。また、本発明のガラスクロスは、バスケットホール面積が20%以下とすることにより、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際にピンホールの発生を抑制しやすくなる。
本発明のガラスクロスにおいて、バスケットホール面積としては、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立をより一層図る観点から、例えば、3000〜12000μmが挙げられ、5000〜9000μmがより好ましく、7500〜8500μmがさらに好ましい。なお、上記バスケットホール面積は、前述した隣接する経糸間の隙間実測値Iw(μm)と隣接する緯糸間の隙間実測値If(μm)とを乗じることにより算出されるものである。
本発明のガラスクロスにおいて、バスケットホール面積設計値としては、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立をより一層図る観点から、例えば、例えば、3000〜12000μmが挙げられ、5000〜9000μmがより好ましく、7500〜8500μmがさらに好ましい。なお、本発明において、バスケットホール面積設計値は、前述した隣接する経糸間の隙間設計値Iwd(μm)と隣接する緯糸間の隙間設計値Ifd(μm)とを乗じることにより算出されるものである。
本発明のガラスクロスにおいて、上記したバスケットホール面積設計値に対するバスケットホール面積の比(バスケットホール面積/バスケットホール面積設計値)としては、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立をより一層図る観点から、0.8〜1.2が挙げられ、0.9〜1.1がより好ましく挙げられる。
本発明のガラスクロスの厚さとしては、例えば、12μm以下が好ましく、11μm以下がより好ましい。下限値としては、例えば、6μm以上が挙げられ、7μm以上が好ましく挙げられる。
ガラスクロスの織組織としては、特に制限されないが、例えば、平織、朱子織、綾織、斜子織、畦織などが挙げられる。中でも、平織が好ましい。また、本発明のガラスクロスは、ガラスクロスロール製品とすることが好ましい。当該ガラスクロスロール製品の長さとしては、例えば、100m以上が挙げられる。
次に、本発明のガラスクロスの製造方法について説明する。
本発明のガラスクロスの製造方法は、質量が10g/m以下のガラスクロスの製造方法であって、前記ガラスクロスの、下記式(1)に示す隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが95μm以下、及び下記式(2)に示す隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが95μm以下としつつ、前記ガラスクロスの、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.10以上1.60以下、及び、前記ガラスクロスの、下記式(3)で示すバスケットホール面積割合が12%以上20%以下となるように、開繊処理をおこなう。
隣接する経糸間の隙間設計値Iwd(μm)=(25000/Ww)−(Dw×Nw) ・・・式(1)
隣接する緯糸間の隙間設計値Ifd(μm)=(25000/Wf)−(Df×Nf) ・・・式(2)
バスケットホール面積割合(%)=(Iw×If)/{(25000/Ww)×(25000/Wf)}×100 ・・・式(3)
Ww:ガラスクロスの経糸密度(本/25mm)
Wf:ガラスクロスの緯糸密度(本/25mm)
Dw:ガラスクロスを構成する経糸の平均フィラメント径(μm)
Df:ガラスクロスを構成する緯糸の平均フィラメント径(μm)
Nw:ガラスクロスを構成する経糸の平均フィラメント本数(本)
Nf:ガラスクロスを構成する緯糸の平均フィラメント本数(本)
Iw:ガラスクロス中の隣接する経糸間の隙間実測値(μm)
If:ガラスクロス中の隣接する緯糸間の隙間実測値(μm)
上記のようにガラスクロスを構成する経糸及び緯糸の織密度、当該経糸及び緯糸を構成するフィラメントの平均直径及び本数を調整して上記隣接する経糸間の隙間設計値及び隣接する緯糸間の隙間設計値としておいて、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.10以上1.60以下、及び、バスケットホール面積割合が12%以上20%以下となるように開繊処理を施すことで、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立を図ることができる。
開繊処理する方法としては、例えば、得られたガラスクロスに水流の圧力による開繊処理、水(例えば脱気水、イオン交換水、脱イオン水、電解陽イオン水又は電解陰イオン水等)等を媒体とした高周波振動による開繊処理、ロールによる加圧での加工処理等が挙げられる。かかる開繊処理は織成と同時に行ってもよいし、織成後に行ってもよい。後述するヒートクリーニング前或いは後若しくはヒートクリーニングと同時に行ってもよいし、後述する表面処理と同時に若しくは後に行ってもよい。また、経糸と緯糸の開繊程度を調整する方法としては、公知の手法が採用でき、経糸張力を調整する方法、緯方向にもピンチエキスパンダー、湾曲ゴムローラー、回転周動ローラー、ミラボーローラー、又はテンターといった方法を採用して経糸方向と緯糸方向との張力バランスを調整、付与しながら開繊をおこなう方法、又はこれらを組み合わせる方法等が挙げられる。
中でも、開繊処理する方法として、水流加工の圧力を0.9〜1.1MPaとし、経糸方向(ガラスクロス長さ方向)の張力が18〜22N/mとし、緯糸をテンターで把持しながらヨコ方向にも5〜10N/mの張力を付与して開繊処理を施すと、より一層、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.10以上1.60以下、及び、バスケットホール面積割合が12%以上20%以下としやすくなる。
本発明のガラスクロスの製造方法において、ガラスクロスの織成方法としては、従来公知の任意の方法を採用すればよく、例えば、経糸を整経工程及び糊付工程を施した後、ジェット織機(例えば、エアージェット織機、ウォータージェット織機等)、スルザー織機、レピヤー織機等を用いて緯糸を緯糸として打ち込むことが挙げられる。
織成したガラスクロスに、集束剤等、プリプレグとする際の樹脂の密着性、含浸性を阻害する物質が付着している場合は、例えば、ヒートクリーニング処理等により該物質を除去するのが好ましい。更に、ヒートクリーニング処理されたガラスクロスは従来公知のシランカップリング剤で表面処理が施されるのが好ましい。かかる表面処理手段は、従来公知の手段でよく、例えば、シランカップリング剤をガラスクロスに含浸する方法、塗布する方法、スプレーする方法等が挙げられる。
本発明のプリプレグは、前述した本発明のガラスクロスを含み、該プリプレグの質量(g/m)に対する前記ガラスクロスの質量(g/m)の割合(ガラスクロスの質量/プリプレグの質量)が10〜40質量%であり、20〜30質量%がより好ましい。本発明のプリプレグは、本発明のガラスクロスを含むことから、プリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合を上記範囲としても、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立を図ることが可能となる。
本発明のプリプレグは、ガラスクロスに加え、熱硬化性樹脂と、ガラスクロス以外の無機充填剤を含むことができる。
熱硬化性樹脂としては、熱により硬化する樹脂であれば特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、非ハロゲン系エポキシ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、変性ビスマレイミド樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ビニル樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
無機充填剤としては、例えば、天然シリカ、溶融シリカ、アモルファスシリカ、中空シリカ等のシリカ類;ベーマイト;酸化モリブデンやモリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物;アルミナ、タルク、焼成タルク、マイカ、ガラス短繊維、球状ガラス等のガラスフィラー(EガラスやTガラス、UTガラス(ユニチカグラスファイバー株式会社製)、Sガラス、Dガラス、NEガラ、Lガラス、LUガラス(ユニチカグラスファイバー株式会社製)などをガラス材料とするガラスフィラー)などが挙げられる。
無機充填材の平均粒子径(D50)は、特に限定されないが、薄型多層プリント配線板用途に使用すること及び分散性の観点から、好ましくは10nm〜5.0μmが挙げられ、より好ましくは100nm〜2.0μm、さらに好ましくは100nm〜1.0μmが挙げられる。ここで、平均粒子径(D50)とはメジアン径を意味し、測定した粉体の粒度分布を2つに分けたときの大きい側と小さい側が等量となる径である。より具体的には、平均粒子径(D50)は、レーザ回折散乱式の粒度分布測定装置により、メチルエチルケトン中に分散させた粉体の粒度分布を測定したときの、小さい粒子から体積積算して全体積の50%に達したときの値を意味する。
無機充填材はシランカップリング剤などの表面処理剤で表面処理されたものが好ましい。無機充填材100質量%に対する前記表面処理剤の付着量(強熱減量)は、0.1〜5.0質量%であり、好ましくは0.5〜3.0質量%であり、更に好ましくは0.75〜2.0質量%である。
ガラスクロスに含浸される樹脂溶液(ワニス)の不揮発成分の濃度としては、50〜100質量%が挙げられる。また、不揮発成分中、前述した無機充填材の濃度が30〜60vol%となるようワニスを調製することができる。本発明のプリプレグにおいて、熱硬化性樹脂の質量(g/m)に対する無機充填剤の質量(g/m)の比(無機充填剤/熱硬化性樹脂)としては、例えば、0.5〜1.5が挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
(実施例1)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.6μm、平均フィラメント本数40本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が105本/25mm、緯糸密度が105本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.0MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が20N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも5〜10N/mの張力を付与して開繊処理を施し、実施例1のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが94μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが94μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.38、バスケットホール面積割合が14.9%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスを2種類調製した。
<ワニスA>
エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製 jER5045B80) 100質量部
硬化剤(三菱化学株式会社製 jERキュアDICY7) 2.7質量部(ジシアンジアミド)
硬化促進剤(三菱化学株式会社製2−エチル−4−メチルイミダゾール) 0.2質量部
希釈溶剤(キシダ化学株式会社製ジメチルホルムアミド) 20質量部
無機充填剤(球状ガラス、平均粒子径0.5μm) 25質量部
<ワニスB>
<ワニスB>
変性ビスマレイミド樹脂(株式会社プリンテック製 HR3070) 60質量部
硬化促進剤(三菱化学株式会社製2−エチル−4−メチルイミダゾール) 0.3質量部
希釈溶剤(キシダ化学株式会社製メチルエチルケトン) 40質量部
無機充填剤(球状ガラス、平均粒子径0.5μm) 25質量部
実施例1のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、さらに続けて樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥機に通してそのまま巻き取り、実施例1のプリプレグロール製品Aを得た。
また、実施例1のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、ゲルタイムが110秒前後になるように乾燥機に通してそのまま巻き取り、実施例1のプリプレグロール製品Bを得た。
(実施例2)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.6μm、平均フィラメント本数40本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が110本/25mm、緯糸密度が110本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.0MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が20N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも5〜10N/mの張力を付与して開繊処理を施し、実施例2のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが83μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが83μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.51、バスケットホール面積割合が16.0%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
実施例2のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、ゲルタイムが110秒前後になるように乾燥機に通してそのまま巻き取り、実施例2のプリプレグロール製品Aを得た。
また、実施例2のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、ゲルタイムが110秒前後になるように乾燥機に通してそのまま巻き取り、実施例2のプリプレグロール製品Bを得た。
(実施例3)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.6μm、平均フィラメント本数36本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が115本/25mm、緯糸密度が115本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.0MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が20N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも5〜10N/mの張力を付与して開繊処理を施し、実施例3のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが88μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが88μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.34、バスケットホール面積割合が16.4%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
実施例3のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、ゲルタイムが110秒前後になるように乾燥機に通してそのまま巻き取り、実施例3のプリプレグロール製品Aを得た。
また、実施例3のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、ゲルタイムが110秒前後になるように乾燥機に通してそのまま巻き取り、実施例3のプリプレグロール製品Bを得た。
(実施例4)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.6μm、平均フィラメント本数36本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が125本/25mm、緯糸密度が125本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.0MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が20N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも5〜10N/mの張力を付与して開繊処理を施し、実施例4のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが70μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが70μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.53、バスケットホール面積割合が13.3%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
実施例4のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、実施例4のプリプレグロール製品Aを得た。
また、実施例4のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、実施例4のプリプレグロール製品Bを得た。
(実施例5)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.3μm、平均フィラメント本数35本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が125本/25mm、緯糸密度が125本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.0MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が20N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも5〜10N/mの張力を付与して開繊処理を施し、実施例5のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが85μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが85μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.20、バスケットホール面積割合が19.2%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
実施例5のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、実施例5のプリプレグロール製品Aを得た。
また、実施例5のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、実施例5のプリプレグロール製品Bを得た。
(実施例6)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.1μm、平均フィラメント本数34本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が135本/25mm、緯糸密度が135本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.5MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が20N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも5〜10N/mの張力を付与して開繊処理を施し、実施例6のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが80μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが80μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.29、バスケットホール面積割合が18.4%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
実施例6のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、実施例6のプリプレグロール製品Aを得た。
また、実施例6のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、実施例6のプリプレグロール製品Bを得た。
(実施例7)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.1μm、平均フィラメント本数32本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が145本/25mm、緯糸密度が145本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)JNC株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.0MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が20N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも5〜10N/mの張力を付与して開繊処理を施し、実施例6のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが73μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが73μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.19、バスケットホール面積割合が19.5%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
実施例7のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、実施例7のプリプレグロール製品Aを得た。
また、実施例7のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、実施例7のプリプレグロール製品Bを得た。
(比較例1)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.6μm、平均フィラメント本数40本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が105本/25mm、緯糸密度が105本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力0.5MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が20N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも5〜10N/mの張力を付与して開繊処理を施し、比較例1のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが94μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが94μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.35、バスケットホール面積割合が21.5%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
比較例1のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例1のプリプレグロール製品Aを得た。
また、比較例1のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例1のプリプレグロール製品Bを得た。
(比較例2)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.6μm、平均フィラメント本数40本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が105本/25mm、緯糸密度が105本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.2MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が50N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも20〜25N/mの張力を付与して開繊処理を施し、比較例2のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが94μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが94μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.00、バスケットホール面積割合が18.7%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
比較例2のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例2のプリプレグロール製品Aを得た。
また、比較例2のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例2のプリプレグロール製品Bを得た。
(比較例3)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.6μm、平均フィラメント本数40本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が125本/25mm、緯糸密度が125本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.0MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が20N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも15〜20N/mの張力を付与して開繊処理を施し、比較例3のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが56μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが56μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.25、バスケットホール面積割合が9.8%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
比較例3のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例3のプリプレグロール製品Aを得た。
また、比較例3のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例3のプリプレグロール製品Bを得た。
(比較例4)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.6μm、平均フィラメント本数40本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が105本/25mm、緯糸密度が105本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.0MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が50N/mとし、緯方向に張力を付与せずに開繊処理を施したこと以外は、実施例1と同様に行い、比較例4のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが94μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが94μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.64、バスケットホール面積割合が17.6%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
比較例4のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例4のプリプレグロール製品Aを得た。
また、比較例4のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例4のプリプレグロール製品Bを得た。
(比較例5)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.6μm、平均フィラメント本数40本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が100本/25mm、緯糸密度が100本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.5MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が20N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも15〜20N/mの張力を付与して開繊処理を施し、比較例5のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが106μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが106μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.22、バスケットホール面積割合が15.8%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
比較例5のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例5のプリプレグロール製品Aを得た。
また、比較例5のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例5のプリプレグロール製品Bを得た。
(比較例6)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.6μm、平均フィラメント本数36本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が115本/25mm、緯糸密度が115本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力0.5MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が20N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも5〜10N/mの張力を付与して開繊処理を施し、比較例6のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが88μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが88μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.34、バスケットホール面積割合が21.5%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
比較例6のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例6のプリプレグロール製品Aを得た。
また、比較例6のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例6のプリプレグロール製品Bを得た。
(比較例7)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.6μm、平均フィラメント本数36本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が110本/25mm、緯糸密度が110本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.0MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が20N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも5〜10N/mの張力を付与して開繊処理を施し、比較例7のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが98μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが98μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.29、バスケットホール面積割合が18.9%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
比較例7のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例7のプリプレグロール製品Aを得た。
また、比較例7のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例7のプリプレグロール製品Bを得た。
(比較例8)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.6μm、平均フィラメント本数36本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が115本/25mm、緯糸密度が115本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力0.5MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が50N/mとし、緯方向に張力を付与せずに開繊処理を施したこと以外は、実施例1と同様に行い、比較例8のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが88μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが88μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.70、バスケットホール面積割合が17.1%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
比較例1のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例1のプリプレグロール製品Aを得た。
また、比較例1のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例1のプリプレグロール製品Bを得た。
(比較例9)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.6μm、平均フィラメント本数36本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が130本/25mm、緯糸密度が130本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力1.5MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が50N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも20〜25N/mの張力を付与して開繊処理を施し、比較例9のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが63μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが63μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.50、バスケットホール面積割合が8.6%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
比較例9のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例9のプリプレグロール製品Aを得た。
また、比較例9のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例9のプリプレグロール製品Bを得た。
(比較例10)
経糸及び緯糸として、ガラス材料がEガラスであり、平均フィラメント径3.6μm、平均フィラメント本数38本、撚り数0.5Zのガラス糸を用い、エアージェット織機で製織し、経糸密度が105本/25mm、緯糸密度が110本/25mmの平織130cm幅のガラスクロスロールを得た。ついで、得られたガラスクロスに付着している紡糸集束剤と製織集束剤を400℃で30時間加熱して除去した。その後、表面処理剤のシランカップリング剤(S−350:N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)チッソ株式会社)を10g/Lの濃度に調整しパダーロールで絞った後、120℃で1分乾燥・キュアリングした。そして、圧力0.8MPaの水流加工でガラスクロスの張力を経方向が20N/mとしつつ、ガラスクロスの緯方向両端をテンターで把持しながら緯方向にも5〜10N/mの張力を付与して開繊処理を施し、比較例10のガラスクロスロール製品を得た。得られたガラスクロスは、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが101μm、隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが90μm、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比が1.33、バスケットホール面積割合が21.7%であった。
次に、プリプレグを得るためのワニスとして、実施例1と同様、ワニスAとワニスBを準備した。
比較例10のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、ワニスAに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスAを塗布した。続けて、ワニスAが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスAの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例10のプリプレグロール製品Aを得た。
また、比較例10のガラスクロスロール製品を長手方向(経方向)に連続的に繰り出し、今度はワニスBに充分に浸漬させてガラスクロスにワニスBを塗布した。続けて、ワニスBが塗布されたガラスクロスをギャップロールを用いてプリプレグの質量(g/m)に対するガラスクロスの質量(g/m)の割合が表1に記載のものとなるようにワニスBの付着量を調整し、樹脂の硬化度を指標するゲルタイムが110秒前後になるように乾燥条件を調整して乾燥機に通してそのまま巻き取り、比較例10のプリプレグロール製品Bを得た。
実施例、比較例における測定及び評価は下記の方法でおこなった。
1.平均フィラメント直径Dw及びDf(μm)、平均フィラメント本数Nw及びNf(本)
前述した方法にておこなった。
2.番手(tex)
前述した方法にておこなった。
3.織密度Ww及びWf(本/25mm)
前述した方法にておこなった。
4.隣接する経糸間の隙間実測値Iw及び隣接する緯糸間の隙間実測値If(μm)
前述した方法にておこなった。
5.ガラスクロスの質量(g/m)及び厚さ(μm)
ガラスクロスの質量は、JIS R 3420 2013 7.2に準じて、測定、算出した。ガラスクロスの厚さは、JIS R 3420 2013 7.10.1A法に従い、測定、算出した。
6.ピンホール発生の評価
得られたプリプレグロール製品から400mm×400mmの四角形にカットしたプリプレグを、幅方向の任意の箇所から3枚採取し、これを長さ方向に任意に50セット(合計150枚)採取し、150枚のプリプレグそれぞれ目視でピンホールの数をカウントして4個以内であったプリプレグを良品とし、150枚のうちの良品率について評価した。良品率が90%以上のものを合格とした。
7.タテシワ発生の評価
得られたプリプレグロール製品A及びBそれぞれについて無作為に長さ100mを目視検査してタテシワの数を観察し、長さ100mあたりのタテシワの数として、以下の基準により評価した。なお、タテシワは長さ10cm以上のものをカウントした。
○:タテシワの発生が0〜2個/100mであった。
△:タテシワの数が3〜5個/100mであった。
×:タテシワの数が5個/100mを越えるものであった。
実施例及び比較例の各物性等について表1及び2に示す。

実施例1〜7のガラスクロスは、質量が10g/m以下のガラスクロスであって、前記ガラスクロスの、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが95μm以下、及び隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが95μm以下であり、前記ガラスクロスの、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.10以上1.60以下であり、前記ガラスクロスの、下記式(3)で示すバスケットホール面積割合が12%以上20%以下であることから、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立を図ることが可能となるものであった。
中でも、実施例1及び3のガラスクロスは、前記隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが70μm以上95μm以下、及び前記隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが70μm以上95μm以下であり、前記ガラスクロスの、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.25以上1.45以下であり、前記ガラスクロスの、下記式(3)で示すバスケットホール面積割合が12%以上18%以下であることから、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際に、ピンホール発生の抑制と、上記タテシワ発生の抑制との両立を図ることがより一層可能となるものであった。
一方、比較例1は、バスケットホール面積割合が20%を越えるものであったことから、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際にピンホールの発生の抑制が困難となるものであった。
比較例2は、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.10未満であったことから、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸して硬化する際にピンホールの発生の抑制が困難となるものであった。
比較例3は、バスケットホール面積割合が12%未満であることから、ガラスクロスに内部歪みが生じやすく、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際にタテシワの発生抑制が困難となるものであった。また、比較例3は、ガラスクロス質量が10g/mを超えてしまうものでもあった。
比較例4は、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.60を越えるものであったことから、経糸による緯糸の把持が不十分となり、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸して硬化する際に、緯糸がガラスクロス幅方向に微妙に動くことの抑制が困難となり、これに起因してタテシワの発生の抑制が困難となるものであった。
比較例5は、隣接する経糸間の隙間設計値Iwd、及び隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが95μmを超えるものであり、これを隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.10以上1.60以下、及び、バスケットホール面積割合が12%以上20%以下となるように開繊処理を施したため、各フィラメントが緩んだ状態でガラスクロス中に存在することとなり、これに起因して、特に緯糸を構成する各フィラメントが目曲がりを起こし、これに起因してタテシワが発生しやすくなるものであった。
比較例6は、バスケットホール面積割合が20%を越えるものであったことから、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際にピンホールの発生の抑制が困難となるものであった。
比較例7は、隣接する経糸間の隙間設計値Iwd、及び隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが95μmを超えるものであり、これを隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.10以上1.60以下、及び、バスケットホール面積割合が12%以上20%以下となるように開繊処理を施したため、各フィラメントが緩んだ状態でガラスクロス中に存在することとなり、これに起因して、特に緯糸を構成する各フィラメントが目曲がりを起こし、これに起因してタテシワが発生しやすくなるものであった。
比較例8は、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.60を越えるものであったことから、経糸による緯糸の把持が不十分となり、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸して硬化する際に、緯糸がガラスクロス幅方向に微妙に動くことの抑制が困難となり、これに起因してタテシワの発生の抑制が困難となるものであった。
比較例9は、バスケットホール面積割合が12%未満であることから、ガラスクロスに内部歪みが生じやすく、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際にタテシワの発生抑制が困難となるものであった。
比較例10は、隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが95μmを超えるものであり、これを比較的マイルドな条件で開繊処理をおこなったことから、バスケットホール面積比率が20%を越えるものとなり、低質量のガラスクロスを該ガラスクロスの質量割合が低いものとなるように樹脂溶液を含浸させてプリプレグとする際にピンホールの発生の抑制が困難となるものであった。

Claims (3)

  1. 質量が10g/m以下のガラスクロスであって、
    前記ガラスクロスの、下記式(1)に示す隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが70μm以上95μm以下、及び下記式(2)に示す隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが70μm以上95μm以下であり、
    前記ガラスクロスの、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.25以上1.45以下であり、
    前記ガラスクロスの、下記式(3)で示すバスケットホール面積割合が12%以上18%以下である、ガラスクロス。

    隣接する経糸間の隙間設計値Iwd(μm)=(25000/Ww)−(Dw×Nw) ・・・式(1)
    隣接する緯糸間の隙間設計値Ifd(μm)=(25000/Wf)−(Df×Nf) ・・・式(2)
    バスケットホール面積割合(%)=(Iw×If)/{(25000/Ww)×(25000/Wf)}×100 ・・・式(3)

    Ww:ガラスクロスの経糸密度(本/25mm)
    Wf:ガラスクロスの緯糸密度(本/25mm)
    Dw:ガラスクロスを構成する経糸の平均フィラメント径(μm)
    Df:ガラスクロスを構成する緯糸の平均フィラメント径(μm)
    Nw:ガラスクロスを構成する経糸の平均フィラメント本数(本)
    Nf:ガラスクロスを構成する緯糸の平均フィラメント本数(本)
    Iw:ガラスクロス中の隣接する経糸間の隙間実測値(μm)
    If:ガラスクロス中の隣接する緯糸間の隙間実測値(μm)
  2. 請求項1に記載のガラスクロスを含むプリプレグであって、
    該プリプレグの質量(g/m)に対する前記ガラスクロスの質量(g/m)の割合(ガラスクロスの質量/プリプレグの質量)が10〜40質量%である、プリプレグ。
  3. 質量が10g/m以下のガラスクロスの製造方法であって、
    前記ガラスクロスの、下記式(1)に示す隣接する経糸間の隙間設計値Iwdが70μm以上95μm以下、及び下記式(2)に示す隣接する緯糸間の隙間設計値Ifdが70μm以上95μm以下としつつ、
    前記ガラスクロスの、隣接する経糸間の隙間実測値(Iw)と隣接する緯糸間の隙間実測値(If)との比(Iw/If)が1.25以上1.45以下、及び、前記ガラスクロスの、下記式(3)で示すバスケットホール面積割合が12%以上18%以下となるように、開繊処理をおこなうことを特徴とする、ガラスクロスの製造方法。
    隣接する経糸間の隙間設計値Iwd(μm)=(25000/Ww)−(Dw×Nw) ・・・式(1)
    隣接する緯糸間の隙間設計値Ifd(μm)=(25000/Wf)−(Df×Nf) ・・・式(2)
    バスケットホール面積割合(%)=(Iw×If)/{(25000/Ww)×(25000/Wf)}×100 ・・・式(3)

    Ww:ガラスクロスの経糸密度(本/25mm)
    Wf:ガラスクロスの緯糸密度(本/25mm)
    Dw:ガラスクロスを構成する経糸の平均フィラメント径(μm)
    Df:ガラスクロスを構成する緯糸の平均フィラメント径(μm)
    Nw:ガラスクロスを構成する経糸の平均フィラメント本数(本)
    Nf:ガラスクロスを構成する緯糸の平均フィラメント本数(本)
    Iw:ガラスクロス中の隣接する経糸間の隙間実測値(μm)
    If:ガラスクロス中の隣接する緯糸間の隙間実測値(μm)
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