以下、本発明の実施例を示して、その特徴とするところを詳しく説明する。
図1は本発明の実施形態にかかるガスグリルを備えたグリル付きガスコンロを示す斜視図である。
この実施形態では、まず、グリル付きガスコンロの基本構成を説明した後、グリル付きガスコンロが備える本発明のガスグリルの特徴的構成について説明する。
[グリル付きガスコンロの基本構成]
このグリル付きガスコンロ80は、図1に示すように、コンロ本体81に、加熱手段としてガスバーナからなるコンロバーナを備えたガスコンロ部82と、加熱手段としてガスバーナからなるグリルバーナ(上バーナ41および下バーナ42)を備えたガスグリル83とを具備するビルトインタイプのグリル付きガスコンロ80である。
なお、下バーナ42は、下左バーナ(左側領域用バーナ)42L、下右バーナ(右側領域用バーナ)42R(図6など参照)を含んでいる。)
このグリル付きガスコンロ80において、コンロ本体81の内部の左右方向中央部には、ガスグリル83が配設され、コンロ本体81の中央部前面には、グリル扉83aが配置されている。
コンロ本体81の上面には、手前側左右に各1個と、奥側中央に1個の合計3個のガスコンロ部82(82a、82b、82c)が配設されている。ここで、手前側左右に配設された各ガスコンロ部のうち左側のコンロ部82aが、なべ底の温度を検出して燃焼制御を行うようにしたサーミスタからなる温度センサ82dを有する標準火力の温度センサ付きガスコンロ部となっており、右側のコンロ部82bが、なべ底の温度を検出して燃焼制御を行うようにしたサーミスタからなる温度センサ82dを有する高火力ガスコンロ部となっている。また、奥側中央のコンロ部82cは、なべ底の温度を検出して燃焼制御を行うようにしたサーミスタからなる温度センサ82dを有する温度センサ付き小火力ガスコンロ部となっている。
各ガスコンロ部82(82a、82b、82c)には、鍋などを受け止め支持するための五徳84が配設してある。また、コンロ本体81の上面のガスコンロ部82が配設されていない部分はトッププレートTPにより覆われている。また、各ガスコンロ部82には、コンロバーナに点火する点火装置としての点火プラグと、コンロバーナの着火を検出する着火検出装置としての熱電対が設けられ、ガスグリル83にも同様に、グリルバーナに点火する点火装置としての点火プラグと、グリルバーナの着火を検出する着火検出装置としての熱電対が設けられる。
図2に示すように、点火プラグ87は、後述する加熱状態調節部85における点火操作に基づき、マイクロコンピュータからなる制御部86により点火動作が行われ、熱電対88において検出された着火(点火)情報は制御部86に認識され、制御部86により点火プラグでの点火処理を終了する。
各コンロバーナおよびグリルバーナには、図2に示すように、都市ガスなどのガス燃料を供給する燃料供給路13pからそれぞれ分岐する分岐供給路13a〜13dが接続されている。燃料供給路13pには電磁弁12が設けられているとともに、各分岐供給路13a〜13dには、ガス燃料の供給量の調節を行うための、ステッピングモータにより駆動されて弁体の開度位置の微調整が可能な流量制御弁90と、流量制御弁90の弁体の開度位置を検出する位置センサ19が設けられている。
電磁弁12および流量制御弁90は、制御部86により制御が行われ、位置センサにおける検出情報は制御部86によって認識・処理される。また、流量制御弁90は、対応するコンロバーナ、グリルバーナが使用されないときには、流量をゼロにして遮断状態となるように切り換えられる。
コンロ本体81の前面の左側上部および右側上部には、それぞれ上記複数のガスコンロ部82の点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部85(85a、85b、85c)が設けられている。詳しくは、コンロ本体81の前面の左側上部には温度センサ付き標準火力ガスコンロ部82aの点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部85aが配設され、右側上部には、温度センサ付き高火力ガスコンロ部82bの点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部85bと、温度センサ付き小火力ガスコンロ部82cの点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部85cとが配設されている。
また、コンロ本体81の前面の右側上部には、制御部86をはじめ電磁弁12や流量制御弁90、加熱状態調節部などの電気機器への通電の入切を行う自動復帰型で押し釦式の電源スイッチ92が設けられている。
上記各加熱状態調節部85は、前後方向に移動可能な押釦により構成されており、ガスコンロ部82を使用する場合には、押釦よりなる加熱状態調節部85を押し込んで点火操作をすることにより、後退していた加熱状態調節部85が前方に突出して器具栓がONとなり、流出するガス燃料にスパーク放電がなされてガスコンロ部82に点火される。
加熱状態調節部85が突出した状態で加熱状態調節部85が回動操作されると、回動角度がロータリーエンコーダにより検出されて制御部86に認識され、回動角度に応じた開度位置となるようにステッピングモータにより流量制御弁90の弁体が駆動されてガス流量が制御され、ガスコンロ部82の火力調整が行われるように構成されている。一方、消火にあたっては、突出している加熱状態調節部85を押し込み操作することにより器具栓がOFFになってガスコンロ部82が消火される。
また、コンロ本体81の前面左右の下部には、それぞれ操作パネルP(図1参照)が収納可能に設けられている。右側の操作パネルPには、ガスグリル83に関する操作を行うためのガスグリル用調理設定入力部が設けてあり、この右側の操作パネルPがグリル側操作パネル93となっている。また、左側の操作パネルPには温度センサ付き標準火力ガスコンロ部82a、温度センサ付き高火力ガスコンロ部82b、温度センサ付き小火力ガスコンロ部82cによる調理設定の入力を行うためのガスコンロ部82用調理設定入力部が設けてあり、この左側の操作パネルPがコンロ部側操作パネル94となっている。
ガスグリル83は、図5、図6に示すように、前面が開口されかつ後面部が閉塞された略箱状の調理領域(加熱室)10を形成するグリル庫1を備えている。
グリル庫1内の下部にはグリル受皿2が設けられ、グリル受皿2上には被調理物95(図5、図9、図10参照)を載置するための被調理物支持体3が配設されており、被調理物支持体3上に載置された被調理物95がグリルバーナにて加熱されるように構成されている。
図3にはガスグリル83用調理設定入力部の一例を示しており、図4にはガスコンロ部82用調理設定入力部の一例を示している。
ガスグリル83による調理設定の入力を行うためのガスグリル用調理設定入力部は、図3に示すように、ガスグリル83の点火・消火操作をするための点火・消火スイッチ93a、ガスグリル83による調理時間(焼成時間)を設定するためのタイマスイッチ(タイマ設定入力部)93b、上火、下火の火力を切換るための火力切替スイッチ93c、焼成するメニューを選んで該当する焼成物に対応した焼成制御を選択するためのメニュースイッチ93d、焼き加減を調整するための焼き加減スイッチ93e、上記タイマスイッチ(タイマ設定入力部)93b、火力切替スイッチ93c、メニュースイッチ93d、焼き加減スイッチ93eなどを操作して設定した各入力を取り消すための取消しスイッチ93fなどを備えている。
また、ガスグリル用調理設定入力部は、タイマスイッチ(タイマ設定入力部)93bにより設定された調理時間を表示する表示部120を備えている。
一方、温度センサ付きガスコンロ部82による調理設定の入力を行うためのガスコンロ部82用調理設定入力部は、図4に示すように、温度センサ付きガスコンロ部82による調理時間を設定するためのタイマスイッチ94a、揚げ物、炊飯、湯沸しなどの自動調理のメニューを設定するためのメニュースイッチ(揚げ物スイッチ94d、炊飯スイッチ94e、湯沸しスイッチ94f)、タイマスイッチ94aや上記メニュースイッチを操作して設定した各入力を取り消すための取消しスイッチ94cなどを備えている。
これらのガスコンロ部82用調理設定入力部において温度センサ付きガスコンロ部82における調理設定の入力が行われると、制御部86によりあらかじめ設定された制御内容に基づいて、温度センサ付きガスコンロ部82における火力調整、調理時間などが制御される。この場合、なべ底温度を温度センサ付きガスコンロ部82に設けた温度センサ82dにより検出して、該温度センサ82dで検出したなべ底温度を制御部86に入力し、フィードバック制御により火力調整が行われるように構成されている。
なお、このグリル付きガスコンロ80においては、温度センサ付き標準火力ガスコンロ部82a、温度センサ付き高火力ガスコンロ部82b、温度センサ付き小火力ガスコンロ部82cの内のどのコンロ部に対する調理設定を行うかを切換えるための切替スイッチ94kが設けられており、切替スイッチ94kを何回押すかにより、左コンロ(温度センサ付き標準火力ガスコンロ部82a)、右コンロ(温度センサ付き高火力ガスコンロ部82b)、後ろコンロ(温度センサ付き小火力ガスコンロ部82c)の複数のコンロ部の中から設定するコンロ部の切り替えが行われるように構成されている。
ここで、温度センサ付きガスコンロ部82において自動調理の設定を行う場合は、上記のように加熱状態調節部85を指で押して加熱状態調節部85を前方に突出させる点火操作を行った後、操作パネルPに設けたガスコンロ部82用調理設定入力部で目的とする調理設定の入力を行うことにより、制御部86により、温度センサ付きガスコンロ部82の火力調整、調理時間などが制御され、目的とする自動調理が行われる。
このように、ガスコンロ部82を使用するに際し、手動により加熱を行う場合には、コンロ本体81の前面に露出している加熱状態調節部85を直接指で操作することにより制御部86に指令が与えられ、点火、火力調整、消火が行われ、自動調理を行う場合には、加熱状態調節部85の回動操作位置によらずに制御部86によりガス流量および火力が調整され、自動調理が行われる。
また、自動調理の終了、タイマ機能、安全装置による異常の検知などにより自動消火される場合があるが、この場合には点火・消火操作部は器具栓をONとする状態であっても流量制御弁90または電磁弁12により燃料ガスが遮断されて消火される。
次に、ガスグリル83を使用する場合について説明する。まず、ガスグリル83用調理設定入力部を有する操作パネルPを備えた可動部材の前面上部を押してガスグリル83用調理設定入力部を有する操作パネルPをコンロ本体81の前面から前方に突出させる(図1参照)。
それから、ガスグリル83用調理設定入力部のメニュースイッチ93dや焼き加減スイッチ93eやタイマスイッチ(タイマ設定入力部)93bを指で押すことにより、調理メニューや焼き加減や調理時間などのガスグリル83調理の設定入力を行い、次に、点火・消火スイッチ93aを押してガスグリル83に点火する(図3参照)。
これによって、制御部86により火力調整、調理時間などの制御が行われ、自動調理が行われる。上記調理設定の入力が終わると、当該可動部材の前面上部を押すことにより、前方に突出していた操作パネルPが収納される。なお、上記ガスグリル83における自動調理中に自動調理を中止したい場合には点火・消火スイッチ93aを指で押すことにより消火して自動調理を中止することができるように構成されている。
メニュースイッチ93dにより切り替えられるメニューとしては、「姿焼」「切身」「干物」があり、焼き加減スイッチ93eについても同様に「弱め」「標準」「強め」の3段階に調節できるように構成されている。そして、調理の具体的なメニュー表(図示せず)が別途用意されており、使用者はこのメニュー表を調理内容の目安として、メニュースイッチ93dおよび焼き加減スイッチ93eを操作して設定を行う。
ガスグリル83は、図5、図6に示すように、略直方体形状を有するグリル庫1内に、複数のバーナ、被調理物支持体3、グリル受皿2などを配設することにより形成されている。また、グリル庫1の背面側には、排気用開口50が形成されている。
ガスグリル83は、グリルバーナとして、上述のように、グリル庫1の上面側に配設された上バーナ41と下バーナ42を備えている。この実施例では、下バーナ42として、グリル庫1の左右の側壁11に沿ってグリル受皿2よりも上方でかつグリル受皿2に載置された被調理物支持体3の載置部(被調理物載置部)31よりも下側で、前面視左側のグリル庫側壁に沿って配設され、グリル庫1内の調理領域10の左側領域10a(図6)を加熱する下左バーナ(左側領域用バーナ)42Lおよび右側のグリル庫側壁に沿って配設され、右側領域10b(図6)を加熱する下右バーナ(右側領域用バーナ)42Rの2つのバーナを備えている。
そして、このグリル庫1の後部に、グリルバーナの燃焼により被調理物95を加熱したときに発生する煙やグリルバーナから発生する燃焼ガスなどを含む調理排気を排気口91(図1参照)から排気させるための排気筒H(図5参照)が接続されており、この排気筒H内が排気通路5となっている。排気通路5は、グリル庫1の後端部の排気用開口50からトッププレートTPの排気口91に至るように後方へ行く程上方に位置する傾斜を有しており、調理排気は温度上昇による自然ドラフトによって排気通路5内を通って排気口91より外部に排出される。
また、グリルバーナに供給される二次空気は、二重構造となったグリル扉83aの底面に形成された通気孔83bを経て取り入れられるように構成されており、この二次空気の流動により、グリル受皿2が冷却されるように構成されている。グリル受皿2は、図7に示すように、平面視略矩形状をした上方に開口する容器からなる受け部21と、受け部21の周端から外周に連設されるフランジ部22とからなり、被調理物支持体3の下方に配置されて魚などの被調理物95からの油などを受け止めるもので、グリル庫1の左右の側壁11に設けられた固定レール(図示せず)と、固定レールに支持されて固定レールに沿ってスライド自在な可動レール113とからなるガイドにより支持される。
また、グリル受皿2は、その長手方向がグリル庫1の前後方向(奥行き方向)となるように両側の可動レール113上にそれぞれ長辺側のフランジ部22が載置される。なお、この実施例では、長辺側のフランジ部22に形成された位置決め孔24(3mm×21mmの角孔)と、可動レール113の所定の位置に形成された突起(図示せず)が嵌合することにより位置決めが行われるように構成されている。
グリル扉83aには、可動レール113の前端部が連結されており、グリル受皿2は、被調理物支持体3を載置した状態でフランジ部22が可動レール113上に載置される。そして、使用者が、把手にてグリル扉83aを開閉させることにより、グリル受皿2と被調理物支持体3の、グリル庫1への収納、あるいはグリル庫1から取り出しが行われるように構成されている。
被調理物支持体3は、図8に示すように、被調理物95が載置される載置部31と、この載置部31から下方に突設される脚部32(32a、32b)とを備えており、長手方向をグリル受皿2の長手方向(すなわちグリル庫1の前後方向)に沿わせて配置する。載置部31は、平面視で所定の幅寸法(例えば25mm)を有する帯体が略矩形状に配設された金属製の外枠部と、この外枠部に囲繞される領域に配設され、前記外枠部と接触する状態で配設された金属製の多孔部から形成されており、外枠部の長手方向の両端部の、グリル庫1の前後方向の端部となる位置に脚部32が配設されている。
また、載置部31は、複数の貫通孔101を有する多孔部110と、平面視で所定の幅寸法(例えば25mm)を有する帯状体であって、多孔部110と接触した状態で、多孔部110を囲繞するように設けられた外枠部111とを備えている。
また、図8に示すように、脚部32は、板状材料を用いて形成されており、載置部31の下方に気体を通すための開口33が形成されている。また、被調理物支持体3は前側および後側が決まっており、前側の脚部32aには略全域に亘って開口33が形成されているが、後側の脚部32bには、主に上半部に開口33が形成され、下端部には左右に長い切欠状の、冷却用二次空気(後述の被調理物95の載置状態検出用排気)の通気口34が別に設けられている。また、後側の脚部32bの開口33の下端部には整流板7が設けられている。
脚部32(32a、32b)の下端部には、グリル受皿2の所定位置に載置するための位置決め部35が形成してある。位置決め部35は、前側の脚部32aおよび後側の脚部32bの下端部に形成する突起からなり、脚部32(32a、32b)の下端部の両側に一つずつ計二つ(両脚部32で計四つ)形成されているとともに、突起位置に対応するグリル受皿2の短辺側のフランジ部22には、突起が挿入される被調理物支持体位置決め孔25が形成されている。
なお、左右の位置決め部35および被調理物支持体位置決め孔25の間の距離を前側と後側とで異ならせることにより、被調理物支持体3の前側と後側の方向に間違いが生じないようにされている。
グリル扉83aは、下半部の後面(グリル庫1内側の面)側が二重構造とされ、内部が空気流路83cとなっている。空気流路83cは上方に開口してグリル庫1内に連通しているとともに、底面に通気孔83bが形成している。
上記のように、二次空気は通気孔83bおよびグリル扉83aの空気流路83cを通ってグリル庫1内に取り入れられ、その一部が被調理物支持体3の上側を通って上バーナ41の燃焼に用いられ、上バーナ41の燃焼排気ガス(図5中の矢印イ)となる。また、二次空気の他の一部は被調理物支持体3の下側を通って下バーナ42(左側領域用バーナ42L、右側領域用バーナ42R)の燃焼に用いられ、下バーナ42の燃焼排気ガス(図5中の矢印ロ)となる。
また、二次空気のさらに他の一部は、被調理物支持体3の下側でかつグリル受皿2の上側を通り、下バーナ42の燃焼には用いられずに、グリル受皿2の冷却を行う皿上冷却空気(図5中の矢印ハ)として機能する。二次空気のさらに他の一部は、グリル受皿2の下側でかつグリル庫1の底面14の上側を通ってグリル受皿2の冷却を行う皿下冷却空気(図5中の矢印ニ)として機能する。
なお、燃焼排気ガスのうち、被調理物支持体3の下側を流れるものは、整流板7によって整流されることにより、大部分が上側の排気通路52へと流入し、残りの燃焼排気ガスが下側の排気通路51に流入する。
また、図5に示すように、ガスグリル83には、排気通路5の内部に、金網からなり、多数の貫通孔61aを有するフレームアレスター61(消炎部材)が設けられている。フレームアレスター61は、排気通路5の後端部(上端部)より前端部側(グリル庫1側)に近い位置に、排気口91を通して落下侵入した異物を受け止めて滞留させることのない状態で設けられ、排気通路5内におけるフレームアレスター61の設置箇所に、排気口91を通して落下侵入した異物をグリル庫1側に通過させる異物通路Tが形成されている。なお、異物通路Tは、排気通路5を仕切板60にて仕切った下側の排気通路51となっている。
そしてフレームアレスター61は、排気通路5における後端部よりも前端部のグリル庫1側に近い部分でかつ排気用開口50よりも後方に設けられ、排気通路5における排気用開口50の下端部に前記異物通路Tに連通する開口50a(すなわち下側の排気通路51への入口)を形成するように、排気通路5を横断するような態様で設けられている。
また、排気用開口50の被調理物支持体3の後端部近傍から排気通路5内の途中部分にかけて該排気通路5内を上下に仕切る仕切板60が、排気通路5と略平行に、かつ、排気口91(図1参照)を通して落下侵入した異物を受け止め滞留させない状態で設けられている。
そして、排気通路5の底部を構成する排気筒Hの下側面(底面)は、排気口91から落下する異物を受け止める位置から、グリル庫1に連結されるまでの間の全領域にわたり、グリル庫1に近づくほど下方に位置するように傾斜した形状に構成されている。すなわち、排気通路5の下側面と仕切板60とによって異物通路Tが形成されている。
そして、このグリル付きガスコンロ80のガスグリル83は、グリル庫1内の温度を検出する温度検出部(温度センサ)53として、熱容量判別用の上温度検出部53(53b)、および、下温度検出部(上記温度上昇勾配を検出するための温度勾配検出用の下中央温度検出部53(53a)、同じく温度勾配検出用の下左温度検出部(左側温度検出部)53(53L)および下右温度検出部(右側温度検出部)53(53R)を備えている。
なお、上述の温度検出部53(53b)が配設された位置は、加熱を開始してから所定の温度(後述の設定判別温度)に上昇するまでの時間、すなわち、熱容量判別用経過時間が被調理物95の熱負荷の大きさに応じて異なる位置である。
なお、温度検出部53(53b)は、グリルバーナによる加熱を開始した後の調理工程の初期において、被調理物支持体3における被調理物95の質量の違いに応じて変化する温度上昇勾配を計測して、被調理物95の熱容量を検出し、後述のように、制御部86が、調理完了時までの残り時間を求めることができるようにする機能を果たす。
また、温度検出部53(53a、53L、53R)は、グリルバーナによる加熱を開始した後の調理工程の初期において、グリルバーナの炎からの輻射熱が、被調理物95によって遮られることによって変化する温度上昇勾配を計測することで、被調理物95の載置位置、大きさ、形状などを認識することができるように構成されている。
そして、制御部86が、温度検出部53(53b)の検出情報に基づいて温度上昇勾配を求める判定用情報算出処理、および、その判定用情報算出処理にて求めた温度上昇勾配の情報に基づいて、判定用情報算出処理を実行してから被調理物95に対する加熱を終了するまでの残加熱時間を設定する残加熱時間設定処理を実行するように構成されている。
なお、このグリル付きガスコンロ80において、上述の温度検出部53(53b)は、被調理物95の熱容量の違いに起因して変化する、グリルバーナによる加熱を開始してから、被調理物95の熱容量を判定するために定められた設定判別温度に上昇するまでの時間である熱容量判別用経過時間を制御部86が求めることができるようにするために、グリル庫1内の温度が設定判別温度に上昇したか否かを検出する(すなわち、設定判別温度に達した時点を検出する)機能を果たす。そして、その結果に基づいて、制御部86が熱容量判別用経過時間を求める判定用情報算出処理を行い、上記温度上昇勾配から残加熱時間を設定する際に、求めた熱容量判別用経過時間の情報に基づき、適正な残加熱時間となるような補正を行うように構成されている。
[特徴的構成]
本実施形態にかかるグリル付きガスコンロ80を構成するガスグリル83は、以下に説明するような特徴的構成を備えている。
すなわち、この実施形態にかかるグリル付きガスコンロ80を構成するガスグリル83は、グリルバーナ41、42による加熱中に、温度検出部53(53b)によって検出された検出温度が上昇した異常過熱時に、制御部86がグリルバーナ41、42を強制消火するための、温度検出部53(53b)による検出温度に係る閾値としての異常過熱防止温度を設定する異常過熱防止温度設定部(図示せず)を備えている。
また、ガスグリル83は、自動調理が行われた場合、制御部86が、被調理物95の調理完了時にグリルバーナ41、42を消火するように構成されている。
グリル付きガスコンロ80に備えるガスグリル83では、調理完了時にグリル庫1内温度(例えば、温度検出部53(53b)による検出温度)が、下記の第2温度(例えば180℃)よりも高い第1温度(例えば210℃)となる被調理物95としての第1被調理物(例えば丸あじ1尾)の、グリルバーナ41、42による加熱開始から調理完了時までの加熱時間を第1調理時間(例えば600秒)とし、調理完了時にグリル庫1内温度(例えば、温度検出部53(53b)による検出温度)が、上記の第1温度(例えば210℃)よりも低い第2温度(例えば180℃)となる被調理物95としての第2被調理物(例えば、丸あじ4尾)の、グリルバーナ41、42による加熱開始から調理完了時までの加熱時間を第2調理時間(例えば。840秒)としたとき、異常過熱防止温度設定部(図示せず)が、第1温度(例えば210℃)、第1調理時間(例えば600秒)、第2温度(例えば180℃)、および、第2調理時間(例えば840秒)に基づいて、グリルバーナ41、42による加熱開始から調理完了時までの間に異常過熱防止温度を変更設定する、変更設定部(図示せず)を備えている。
上述のようにして設定された実施形態の異常過熱防止温度の一例を、図9に示す。
本実施形態にかかるガスグリル83は、上述のように構成されており、異常過熱防止温度設定部(図示せず)が、第1温度、第1調理時間、第2温度、および、第2調理時間に基づいて、グリルバーナ41、42による加熱開始から調理完了時までの間に異常過熱防止温度を変更設定する、変更設定部を備えているので、調理完了時の庫内温度が高い被調理物を調理する場合であっても、調理完了時の庫内温度が低い被調理物を調理する場合であっても、調理が完了する前にガスバーナが消火するいわゆる早切れ状態が生じること、および、被調理物に許容できないような焦げ付きが生じるまでガスバーナの燃焼が停止しない(被調理物の焦げ付きが酷くなった後にガスバーナが消火する)、いわゆる遅切れ状態が生じることを抑制、防止することができる。
なお、ガスグリル83では、第2調理時間(例えば840秒)が第1調理時間(例えば、600秒)より長いので、異常過熱防止温度設定部(図示せず)が、図9に示すように、グリルバーナ41、42による加熱開始から調理完了時までの間に、異常過熱防止温度が、第1温度(例えば210℃)より第1所定温度(例えば30℃)高く設定された第1補正温度(例えば240℃)から第2温度(例えば180℃)より第2所定温度(例えば15℃)高く設定された第2補正温度(例えば195℃)に変更設定するように構成されている。
これに対し、例えば、温度検出部53(53b)が本実施形態の場合と異なる位置に配置されることにより、第1調理時間が第2調理時間より長くなるような場合には、異常過熱防止温度設定部(図示せず)が、グリルバーナ41、42による加熱開始から調理完了時までの間に、異常過熱防止温度を、第2温度(180℃)に第2所定温度(15℃)を加えた第2補正温度(195℃)から、第1温度(210℃)に第1所定温度(30℃)を加えた第1補正温度(240℃)に変更設定するように構成することも可能である。
このように構成することにより、調理が完了する前にガスバーナが消火するいわゆる早切れ状態が生じることを抑制、防止するとともに、被調理物の焦げ付きが酷くなった後にガスバーナが消火するいわゆる遅切れ状態が生じることを抑制、防止することが可能なガスグリル83を合理的に構成することができる。
なお、本実施形態にかかるガスグリル83では、第2調理時間(例えば。840秒)が第1調理時間(例えば600秒)より長く、異常過熱防止温度設定部(図示せず)が、グリルバーナ41、42による加熱開始から調理完了時までの間に、異常過熱防止温度を、第1温度(例えば210℃)より第1所定温度(例えば30℃)高く設定された第1補正温度(例えば240℃)から第2温度(例えば180℃)より第2所定温度(例えば15℃)高く設定された第2補正温度(例えば195℃)に徐々に降下する(漸減する)ように構成されている(図9参照)。
これに対し、例えば、温度検出部53(53b)が本実施形態の場合と異なる位置に配置された場合などのように、第1調理時間が第2調理時間より長くなる場合には、異常過熱防止温度設定部(図示せず)が、グリルバーナ41、42による加熱開始から調理完了時までの間に、異常過熱防止温度を、第2温度(180℃)に第2所定温度(15℃)を加えた第2補正温度(195℃)から、第1温度(210℃)に第1所定温度(30℃)を加えた第1補正温度(240℃)に徐々に上昇させる(漸増する)ように構成することも可能である。
このように、異常過熱防止温度を、第1温度(例えば、210℃)より第1所定温度(例えば30℃)高く設定された第1補正温度(例えば240℃)から第2温度(例えば180℃)より第2所定温度(例えば15℃)高く設定された第2補正温度(例えば195℃)に漸減し、または、(もし、第1調理時間が第2調理時間より長いときには、)異常過熱防止温度を、第2温度(210℃)より第2所定温度(例えば30℃)高く設定された第1補正温度(例えば240℃)に漸増するように構成した場合、異常過熱防止温度をきめ細かく設定することが可能になり、早切れ状態が生じたり、遅切れ状態が生じたりすることを一層的確に抑制、防止することが可能なガスグリルを実現することができる。
本実施形態では、図9に示すように、異常過熱防止温度を、第1温度(例えば210℃)より第1所定温度(例えば30℃)高く設定された第1補正温度(例えば240℃)から、第2温度(例えば180℃)より第2所定温度(例えば15℃)高く設定された第2補正温度(例えば195℃)に、徐々に降下させるようにした場合について説明したが、図10に示すように、異常過熱防止温度を、第1補正温度(例えば240℃)から、第2補正温度(例えば195℃)に、ステップ状に変化させるように構成してもよい。
すなわち、異常過熱防止温度を、第1調理時間(例えば600秒)と第2調理時間(例えば840秒)との間で、第1温度(例えば210℃)より第1所定温度(例えば30℃)高く設定された第1補正温度(例えば240℃)から、第2温度(例えば180℃)より第2所定温度(例えば15℃)高く設定された第2補正温度(例えば195℃)に、徐々にではなく、図10に示すように、ステップ状に変化させるようにしてもよい。
このようにステップ状に変化させるようにした場合にも、早切れ状態が生じること、および、遅切れ状態が生じることを抑制、防止することが可能なガスグリルを提供することができる。
また、本発明のガスグリルにおいては、グリルバーナ41、42による加熱開始直後の、異常過熱防止温度を、グリルバーナ41、42による加熱開始直後のグリル庫1内温度(例えば、温度検出部53(53b)による検出温度)に応じて設定するように構成してもよい。この場合、グリル付きガスコンロ80に備えるガスグリル83の周囲温度によらず、調理が完了する前にガスバーナが消火するいわゆる早切れ状態が生じること、および、被調理物の焦げ付きが酷くなった後にガスバーナが消火するいわゆる遅切れ状態が生じることを一層的確に抑制、防止することが可能なガスグリルを提供することができる。
因みに、本実施形態にかかるガスグリル83を用いて、被調理物95として、さんまの開き2枚(第3被調理物)を調理するに当たり、グリル側操作パネル93のタイマ設定入力部93bによって、調理完了までの加熱時間として、グリル用調理タイマの設定を900秒(15分)として加熱調理を行った場合の、温度検出部53(53b)による検出温度の推移を、異常過熱防止温度を徐々に低下させるようした図9に併記しているが、この場合も、図9に示すように、異常過熱(温度検出部53(53b)による検出温度が異常加熱防止温度を超えた状態)が検出され、制御部86がグリルバーナ41、42を強制消火することになり、被調理物に許容できないような焦げ付きが生じるまでガスバーナの燃焼が停止しない(被調理物の焦げ付きが酷くなった後にガスバーナが消火する)、いわゆる遅切れ状態が生じることが抑制、防止される。
また、実施形態2のグリルを用いて、さんまの開き2枚(第3被調理物)を調理するに当たり、グリル側操作パネル93のタイマ設定入力部93bによって、グリル用調理タイマの設定を900秒(15分)として加熱調理を行った場合の、温度検出部53(53b)による検出温度の推移を、異常過熱防止温度をステップ状に低下させるようした図10に併記しているが、この場合も、図10に示すように、異常過熱(温度検出部53(53b)による検出温度が異常加熱防止温度を超えた状態)が検出され、制御部86がグリルバーナ41、42を強制消火することになり、被調理物に許容できないような焦げ付きが生じるまでガスバーナの燃焼が停止しない(被調理物の焦げ付きが酷くなった後にガスバーナが消火する)、いわゆる遅切れ状態が生じることが抑制、防止される。
[付加的な特徴的構成]
また、本実施形態にかかるグリル付きガスコンロ80に備えられているガスグリル83は、上述の特徴的構成を備えているとともに、以下に説明するような付加的な特徴的構成を備えている。
すなわち、本実施形態にかかるグリル付きガスコンロ80に備えられているガスグリル83は、調理の状態を報知する報知部120を備えている。
そして、制御部86が、異常過熱時にグリルバーナ41、42を強制消火した後に、
(a)前記温度検出部53(53b)による検出温度が、強制消火時点における異常過熱防止温度より低い所定の第1閾値温度以下に降下した場合と、
(b)前記温度検出部53(53b)による検出温度が、強制消火時点における異常過熱防止温度より高い所定の第2閾値温度以上に上昇した場合と、
に応じて、報知部120が、異なる態様で報知を行うように構成されている。
この実施形態のガスグリル83では、タイマスイッチ(タイマ設定入力部)93bにより設定された調理時間を表示する表示部(報知部)120(図3参照)が、使用者が視覚によって認識することができる態様で報知を行う視覚報知部として機能するように構成されている。
また、この実施形態のガスグリル83では、上述のような視覚に訴える報知部(視覚報知部(表示部)120)を備えた構成としているが、使用者が聴覚によって認識することができる態様で報知を行う聴覚報知部(例えばブザーなど)を備えた構成として、上記(a)の場合と(b)の場合とに応じて、異なる態様(例えば連続音と間欠音などの態様)で報知を行うように構成してもよい。
なお、報知部は視覚報知部と聴覚報知部のいずれか1つでもよいが、両方を備えることにより、使用者に対して、上記(a)の場合と(b)の場合とに応じて、より確実な報知を行うことが可能になる。
上述のように構成した場合、グリル庫1内温度が所定の異常過熱防止温度になり、グリルバーナ41、42を強制的に消火させた後におけるグリル庫1内の温度の推移に関する情報を使用者に与えることが可能で、調理の失敗をより確実に抑制、防止することが可能になる。
また、本実施形態にかかるガスグリル83においては、制御部86が、調理完了時までの残り時間をカウントダウンする形態の調理タイマ部(図示せず)を備えている。
そして、制御部86が、被調理物95の異常過熱時にグリルバーナ41、42を消火した後、図11に示すように、
(a)所定の閾値時間(例えば3分)が経過するまでに温度検出部53(53b)による検出温度が上記第2閾値温度(エラー報知温度2)以上に上昇した場合、調理完了時までの残り時間のカウントダウンを終了する形態で調理を終了し、報知部(表示部)120にて、調理が終了した旨の報知(表示)を行い、
(b)所定の閾値時間(例えば3分)が経過するまでに温度検出部53(53b)による検出温度が上記第2閾値温度(エラー報知温度2)以上に上昇しない場合、異常加熱時におけるグリルバーナの強制消火時点における調理完了時までの残り時間と同じ時間、または、それより短い時間であって、所定の閾値時間(例えば3分)が経過した時点での検出温度に応じて設定された調整残り時間のカウントダウンを継続する形態で調理を継続して行い、報知部(表示部)120にて、調理が実行中である旨の報知(表示)を行うように構成されている。
なお、所定の閾値時間(例えば3分)が経過するまでに温度検出部53(53b)による検出温度が第2閾値温度(エラー報知温度2)以上に上昇した場合の、調理が終了した旨の報知としては、上述のような視覚報知や聴覚報知などの種々の態様の報知を行うことが可能である。
また、所定の閾値時間(例えば3分)が経過するまでに温度検出部53(53b)による検出温度が第2閾値温度(エラー報知温度2)以上に上昇しない場合の、調理が実行中である旨の報知も、上述のような視覚報知や聴覚報知などの種々の態様の報知を行うことが可能である。
また、所定の閾値時間(例えば3分)が経過するまでに温度検出部53(53b)による検出温度が第2閾値温度(エラー報知温度2)以上に上昇した場合と、所定の閾値時間(例えば3分)が経過するまでに温度検出部53(53b)による検出温度が第2閾値温度(エラー報知温度2)以上に上昇しない場合とで、異なる報知手段を用いて報知したり、同じ報知手段を用いて異なる方法で報知するように構成してもよい。
このように構成することで、使用者は、調理が終了した場合には、調理が終了したことを、調理が実行中である場合には、調理が実行中であることを、確実に認識することができ、使い勝手の良好なガスグリルを提供することが可能になる。
なお、本実施形態にかかるガスグリル83は、前述のように制御部86が、点火・消火スイッチ93aによるグリルバーナ41、42による加熱開始後の温度検出部53(53b)の検出温度の変化により求めた被調理物の熱容量に応じて、調理タイマ部の設定値を自動設定するように構成されている。このように構成した場合、調理タイマの値(残加熱時間)が制御部86により自動設定されるので使い勝手の良好なガスグリルを提供することが可能になる。
また、本実施形態にかかるガスグリル83は、グリル用調理タイマ部の設定値を設定するタイマスイッチ(タイマ設定入力部)93bを備えており、このタイマスイッチ(タイマ設定入力部)93bの操作によりグリル用調理タイマ部の設定値を設定すること、すなわち、使用者が意図するタイマ設定をすることもできるように構成されている。このように構成することにより、使用者の好みに応じて調理タイマ部の設定値を設定することが可能な、使い勝手の良好なガスグリルを提供することが可能になる。
また、本実施形態にかかるガスグリル83は、異常過熱時にグリルバーナ41、42を消火した後、所定の閾値時間(例えば3分)が経過するまでに温度検出部53(53b)による検出温度が第2閾値温度(エラー報知温度2)以上に上昇しない場合、制御部86が、調理完了までの残り時間を、異常過熱時におけるグリルバーナ41、42の強制消火時点の値より短く設定した後(例えば、異常過熱時におけるグリルバーナ41、42の強制消火時点の調理完了までの残り時間の80〜90%(つまり、マイナス10〜20%)に設定した後)、カウントダウンを継続する形態で調理を継続するように構成されている。
異常過熱時によるグリルバーナ41、42の強制消火時にはグリル庫1内の温度が通常の調理時より高温であることから、上述のように構成することにより、調理完了時までの残り時間を、異常過熱時においてグリルバーナ41、42を強制消火した時点の値より短く設定した後、カウントダウンを継続する形態で調理を継続することで、適正な調理を行うことが可能になる。
なお、本実施形態にかかるガスグリル83は、異常過熱時に前記グリルバーナ41、42を消火した後、温度検出部53(53b)による検出温度が所定の第1閾値温度(エラー報知温度1)以下に降下した場合は、制御部が、調理完了時までの残り時間を、温度検出部53(53b)による検出温度が所定の第1閾値温度(エラー報知温度1)以下に降下しない場合の残り時間より長い調整残り時間に変更設定し、調整残り時間に亘って、カウントダウンを継続する形態で調理を継続するように構成されている。
因みに、異常過熱時に前記グリルバーナ41、42を消火した後、温度検出部53(53b)による検出温度が所定の第1閾値温度(エラー報知温度1)以下に降下しない場合は、制御部86が、異常過熱時におけるグリルバーナ41、42の強制消火時点の調理完了までの残り時間の80%(マイナス20%)にまで短く設定するのに対し、異常過熱時に前記グリルバーナ41、42を消火した後、温度検出部53(53b)による検出温度が所定の第1閾値温度(エラー報知温度1)以下に降下した場合は、制御部86が、異常過熱時におけるグリルバーナ41、42の強制消火時点の調理完了までの残り時間の90%(マイナス10%)まで短く設定するように構成されている。
このように構成することにより、適正な調理を行うことが可能になる。すなわち、異常過熱時にグリルバーナ41、42を消火した後、温度検出部53(53b)による検出温度が所定の第1閾値温度(エラー報知温度1)以下に降下した場合は、温度検出部53(53b)による検出温度が所定の第1閾値温度(エラー報知温度1)以下に降下しない場合と比べてグリル庫1内の温度は低くなっているので、上述のように、温度検出部53(53b)による検出温度が所定の第1閾値温度(エラー報知温度1)以下に降下しない場合に比べて、調理完了時までの残り時間を長く設定することで、調理を適正に行うことが可能になる。
また、本実施形態にかかるガスグリル83では、第1閾値温度(エラー報知温度1)、および、第2閾値温度(エラー報知温度2)が、異常過熱時にグリルバーナ41、42を消火した時点における異常過熱防止温度に基づき設定されている。
さらに具体的には、第1閾値温度(エラー報知温度1)が、異常過熱時にグリルバーナ41、42を消火した時点における異常過熱防止温度よりβ(例えば30℃)低い温度に設定され、第2閾値温度(エラー報知温度2)が、異常過熱時にグリルバーナ41、42を消火した時点における異常過熱防止温度よりα(例えば10℃)高い温度に設定されるように構成されている(図11参照)。
このように構成することにより、グリルバーナ41、42を強制的に消火させた後におけるグリル庫1内の温度の推移に関する情報(すなわち、グリルバーナ41、42を強制的に消火させた後においてグリル庫1内の温度が上昇したか否かについての情報)を的確に得ることが可能になり、より信頼性の高いガスグリルを実現することができる。
なお、本実施形態では、ガスグリルが上述の付加的な特徴的構成を備えている場合について説明したが、本発明にかかるガスグリルは、上述の付加的な特徴的構成を備えていない形態のガスグリルとして構成することも可能である。
[別実施形態]
上記実施形態では、グリル受皿2に載置した、多孔部を有する載置部31に被調理物95を載置するように構成されているが、グリル受皿2に載置した板状の調理用プレートに被調理物95を載置するように構成してもよい。
また、グリル受皿2に載置した、多孔部を有する載置部31に載置した板状の調理プレートに被調理物95を載置するように構成してもよい。
また、多孔部が形成された載置部31は、枠体に横棒を多数懸架した焼き網であってもよい。
なお、本発明は、さらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の変形を加えることが可能である。