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JP6811428B2 - 電気錠システム及び電気錠装置 - Google Patents

電気錠システム及び電気錠装置 Download PDF

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Description

本発明は、一般に、電気錠システム及び電気錠装置に関し、より詳細には、建物の出入口を電動で解錠又は施錠する電気錠システム及び電気錠装置に関する。
従来、携帯機器と電気錠とを備えたロックシステムがあった(例えば特許文献1参照)。携帯機器は錠前の施解錠に必要なキーデータを記憶する。電気錠は、携帯機器から取得したキーデータの正当性を判別し、正常に認証したときに錠前を解錠制御する。
特開2007−239347号公報
上記のロックシステムにおいて、携帯機器(携帯端末)の送信電力、及び電気錠(電気錠装置)の受信感度には個体ごとにばらつきがあるため、携帯機器を用いた電気錠の操作が有効な操作範囲が個体ごとにばらつく可能性があった。
本発明の目的は、携帯端末を用いた電気錠装置の操作が有効な操作範囲のばらつきを低減できる電気錠システム及び電気錠装置を提供することにある。
本発明の一態様の電気錠システムは、建物の出入口を解錠又は施錠する電気錠を制御する錠制御部と、電波を媒体とする無線通信を行う鍵側通信部を有し前記出入口の解錠操作及び施錠操作のうち少なくとも一方の操作を行うための携帯端末との間で電波を媒体する無線通信を行う錠側通信部と、前記携帯端末による電気錠装置の前記操作が有効な操作範囲に関わる設定を行う設定部と、比較部と、を備える。錠制御部の動作モードには通常モードと調整モードとがある。前記設定部は、前記動作モードが前記調整モードである場合に、前記錠側通信部及び前記鍵側通信部の少なくとも一方における受信信号強度の測定結果に基づいて前記携帯端末ごとに閾値を設定する。前記比較部は、前記錠側通信部及び前記鍵側通信部の少なくとも一方における受信信号強度と前記閾値との高低を比較する。前記錠制御部は、前記動作モードが前記通常モードである場合に、前記比較部の比較結果が前記受信信号強度が前記閾値よりも高いという結果であり、かつ、前記錠側通信部が受信した無線信号に含まれる鍵情報の認証に成功すると、前記電気錠を制御する。前記閾値は第1閾値と第2閾値とを含む。前記錠制御部は、前記携帯端末が前記建物の屋外にある場合は前記受信信号強度と前記第1閾値との高低を比較し、前記携帯端末が前記建物の屋内にある場合は前記受信信号強度と前記第2閾値との高低を比較する。
本発明の一態様の電気錠システムは、建物の出入口を解錠又は施錠する電気錠を制御する錠制御部と、電波を媒体とする無線通信を行う鍵側通信部を有し前記出入口の解錠操作及び施錠操作のうち少なくとも一方の操作を行うための携帯端末との間で電波を媒体する無線通信を行う錠側通信部と、前記携帯端末による電気錠装置の前記操作が有効な操作範囲に関わる設定を行う設定部と、比較部と、を備える。錠制御部の動作モードには通常モードと調整モードとがある。前記設定部は、前記動作モードが前記調整モードである場合に、前記錠側通信部及び前記鍵側通信部の少なくとも一方における受信信号強度の測定結果に基づいて前記携帯端末ごとに閾値を設定する。前記比較部は、前記錠側通信部及び前記鍵側通信部の少なくとも一方における受信信号強度と前記閾値との高低を比較する。前記錠制御部は、前記動作モードが前記通常モードである場合に、前記比較部の比較結果が前記受信信号強度が前記閾値よりも高いという結果であり、かつ、前記錠側通信部が受信した無線信号に含まれる鍵情報の認証に成功すると、前記電気錠を制御する。前記設定部は、前記鍵側通信部での前記受信信号強度の測定結果と、前記錠側通信部での前記受信信号強度の測定結果とに基づいて、前記閾値を設定する。
本発明の一態様の電気錠システムは、建物の出入口を解錠又は施錠する電気錠を制御する錠制御部と、電波を媒体とする無線通信を行う鍵側通信部を有し前記出入口の解錠操作及び施錠操作のうち少なくとも一方の操作を行うための携帯端末との間で電波を媒体する無線通信を行う錠側通信部と、前記携帯端末による電気錠装置の前記操作が有効な操作範囲に関わる設定を行う設定部と、比較部と、通知部と、を備える。錠制御部の動作モードには通常モードと調整モードとがある。前記設定部は、前記動作モードが前記調整モードである場合に、前記錠側通信部及び前記鍵側通信部の少なくとも一方における受信信号強度の測定結果に基づいて前記携帯端末ごとに閾値を設定する。前記比較部は、前記錠側通信部及び前記鍵側通信部の少なくとも一方における受信信号強度と前記閾値との高低を比較する。前記錠制御部は、前記動作モードが前記通常モードである場合に、前記比較部の比較結果が前記受信信号強度が前記閾値よりも高いという結果であり、かつ、前記錠側通信部が受信した無線信号に含まれる鍵情報の認証に成功すると、前記電気錠を制御する。前記通知部は、前記動作モードが前記通常モードである場合の前記比較部の比較結果と認証結果との履歴に基づいて、前記履歴が所定の条件を満たすと前記設定部による前記閾値の設定を促す通知信号を前記携帯端末に送信する。
本発明の一態様の電気錠装置は、前記電気錠システムにおける電気錠装置であって、前記設定部を有する。
本発明によれば、携帯端末を用いた電気錠装置の操作が有効な操作範囲のばらつきを低減することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る電気錠システムの使用例の説明図である。 図2は、同上の電気錠システムの構成を示すブロック図である。 図3は、同上の電気錠システムの動作を説明するシーケンス図である。 図4は、実施形態2の電気錠システムの動作を説明するシーケンス図である。
以下に説明する実施形態は、本発明の種々の実施形態の一つに過ぎない。本発明の実施形態は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外も含み得る。また、下記の実施形態は、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(1)電気錠システムの構成
本実施形態に係る電気錠システム1は、図1に示すように、建物40の出入口を電動で解錠及び施錠するためのシステムである。ここでいう建物40の「出入口」とは、建物40の外(屋外41)と内(屋内42)とを隔てる扉(開き戸、引き戸など)又は窓であり、本実施形態では例えば玄関扉43である。ただし、建物40の出入口は玄関扉43に限定されず、勝手口に設けられた扉、掃き出し窓などでもよい。本実施形態では、建物40が戸建て住宅である場合を例にして説明する。この場合、電気錠システム1のユーザ50は、建物40の住人のうち、携帯端末3を所持(携帯)する人である。
本実施形態の電気錠システム1は、図1及び図2に示すように、玄関扉43に設けられた電気錠装置2と、玄関扉43の解錠及び施錠を許可されたユーザ50が使用する1以上(例えば3台)の携帯端末3(3A,3B,3C)と、を備えている。携帯端末3は例えば電話機能を有する携帯電話端末であり、電気錠装置2と携帯端末3との間では電波を媒体とする無線通信が行われる。
電気錠システム10の基本的な機能としては、携帯端末3に予め記憶されている鍵情報を、携帯端末3が電気錠装置2に送信することによって、電気錠装置2での玄関扉43の解錠及び施錠を可能にする。すなわち、電気錠装置2と携帯端末3とが通信し、電気錠装置2において携帯端末3の持つ鍵情報の認証が成功した場合に、電気錠装置2は玄関扉43の解錠及び施錠が可能な状態となる。ここで、電気錠装置2は、認証の成功後、操作部25(図2参照)の所定の操作(解錠操作)を待って玄関扉43の解錠を行ってもよいし、解錠操作の有無にかかわらず、認証の成功後、直ちに玄関扉43の解錠を行ってもよい。結果的に、電気錠装置2は、携帯端末3との通信によって、施錠状態から解錠状態へ切り替える解錠動作、及び解錠状態から施錠状態へ切り替える施錠動作の少なくとも一方の動作を行う。
上述したような電気錠装置2による解錠動作は、ユーザ50が屋外41に居るとき、つまりユーザ50の帰宅時と、ユーザ50が屋内42に居るとき、つまりユーザ50の外出時との少なくとも一方において行われる。本実施形態では、ユーザ50の帰宅時と外出時の両方において、電気錠装置2による解錠動作が行われる。
ユーザ50の帰宅時には、屋外41に居るユーザ50が玄関扉43に近付いて、電気錠装置2を中心とする所定の操作範囲に携帯端末3が入った状態で、ユーザ50の所持する携帯端末3が電気錠装置2と通信することで、玄関扉43が解錠可能となる。同様に、ユーザ50の外出時には、屋内42に居るユーザ50が玄関扉43に近付いて、電気錠装置2を中心とする所定の操作範囲に携帯端末3が入った状態で、ユーザ50の所持する携帯端末3が電気錠装置2と通信することで、玄関扉43が解錠可能となる。ここにおいて、所定の操作範囲とは、携帯端末3を用いた電気錠装置2の操作が有効な範囲であり、所定の操作範囲の外側では携帯端末3を用いて解錠操作を行っても、電気錠装置2は解錠可能な状態とはならない。
また、電気錠装置2は、玄関扉43が解錠されている状態において、携帯端末3との通信によって携帯端末3の鍵情報と認証情報との認証が成功し、操作部25にて所定の操作(施錠操作)がなされると、玄関扉43の施錠を行う。つまり、電気錠装置2は、解錠操作だけでなく、携帯端末3との通信によって、解錠状態から施錠状態へ切り替える施錠動作も行うことができる。
ところで、図1及び図2の例では、扉(玄関扉43)の解錠及び施錠を許可された携帯端末3の台数が3台であるが、携帯端末3の台数は1台でも、2台以上でもよく、電気錠システム1が適用される建物40ごとに携帯端末3の台数は変化する。以下の説明において、複数台の携帯端末3のそれぞれについて説明する場合は、携帯端末3A,3B,3Cと記載し、携帯端末3A,3B,3Cに共通する説明を行う場合は携帯端末3と記載する。
また、電気錠システム1が適用される建物40に出入口が2箇所以上ある場合に、2箇所以上の出入口のそれぞれに電気錠装置2が設けられてもよく、電気錠装置2の台数は適宜変更が可能である。
電気錠装置2は、錠側制御回路21と、錠側通信部22と、電気錠23と、錠側記憶部24と、操作部25と、報知部26と、開閉センサ27と、を備えている。電気錠装置2の動作モードには、電気錠23の動作を制御する通常モードと、調整モードとがある。
錠側制御回路21は、例えばプロセッサとメモリとを有するマイクロコンピュータを備えている。プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することによって、比較部211、認証部212、錠制御部213、設定部214、通知部215などの機能が実現される。プロセッサが実行するプログラムは、マイクロコンピュータのメモリに予め記憶されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、電気通信回線を通じて提供されてもよい。
比較部211は、錠側通信部22が携帯端末3から受信した無線信号の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)と、錠側記憶部24が携帯端末3ごとに記憶している閾値との高低を比較する。比較部211は、例えば、受信信号強度が閾値よりも高いか否かの判定を行う。
認証部212は、錠側通信部22が携帯端末3から受信した鍵情報を、錠側記憶部24が記憶する認証情報と照合することによって、鍵情報を送信してきた携帯端末3が、電気錠23の操作を許可された携帯端末3であるか否かを認証する。
錠制御部213は、動作モードが通常モードである場合に、比較部211の比較結果が受信信号強度が閾値よりも高いという結果であり、かつ、認証部212が携帯端末3の認証に成功すると、電気錠23を制御(解錠制御及び施錠制御)する。
設定部214は、電気錠装置2の動作モードが調整モードである場合に、錠側通信部22及び鍵側通信部32の少なくとも一方における受信信号強度の測定結果に基づいて、携帯端末3による電気錠装置2の操作が有効な操作範囲に関わる設定を行う。本実施形態では、設定部214は受信信号強度の閾値を設定することによって操作範囲を設定する。設定部214は、携帯端末3ごとに設定した閾値を錠側記憶部24に記憶する。
通知部215は、電気錠装置2の動作モードが通常モードである場合の比較部211の比較結果と認証部212の認証結果との履歴に基づいて、履歴が所定の条件を満たすと通知信号を錠側通信部22から携帯端末3に送信する。ここにおいて、所定の条件とは、閾値の設定値が適切か否かを判定するための条件である。例えば、所定の条件は、認証部212が認証に成功しているにもかかわらず、比較部211の比較結果が受信信号強度が閾値以下となるために、携帯端末3を用いた操作が行われない失敗回数が、所定の判定回数を超えるという条件である。また、通知信号は、設定部214による閾値の設定を、携帯端末3を所持するユーザ50に促すための信号である。
錠側通信部22は、例えばアンテナと、通信回路とを備え、電波を媒体とする無線通信を行う。錠側通信部22は、例えばBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)の規格に準拠した近距離無線通信を行うように構成されている。BLEとは、無線PAN(Personal Area Network)技術であるBluetooth(登録商標)の仕様における、バージョン4.0の呼称である。錠側通信部22は、錠側制御回路21からの指令に従って、ビーコン信号を間欠的に送信する。また、錠側通信部22は、ビーコン信号に応答して鍵側通信部32から送信される応答信号を受信すると、携帯端末3の認証を行うための認証通信を電気錠装置2との間で開始する。
錠側通信部22は、受信した無線信号の受信信号強度を測定する測定機能を有しており、受信信号強度の測定結果を錠側制御回路21に出力する。
電気錠23は、建物40の玄関扉43(図1参照)を解錠及び施錠する。電気錠23は、デッドボルトと、駆動部と、駆動回路とを備えている。駆動回路は、錠制御部213から出力される制御信号(解錠信号又は施錠信号)に応じて駆動信号を生成し、生成した駆動信号を駆動部に出力する。駆動部は、電動モータと、電動モータの駆動力をデッドボルトに伝達する伝達機構とを備える。駆動部は、駆動回路から入力される駆動信号に従って駆動モータを駆動する。駆動モータの駆動力が伝達機構を介してデッドボルトに伝達されることによって、デッドボルトが施錠位置又は解錠位置に移動する。ここで、デッドボルトが施錠位置に移動した状態では、デッドボルトの少なくとも一部が、玄関扉43を支持する扉枠に設けられたボルト穴に挿入されており、この状態では玄関扉43が閉じた状態で保持される。デッドボルトが解錠位置に移動した状態では、デッドボルトの全体がボルト穴の外に出ており、この状態では玄関扉43の開閉が可能になる。
錠側記憶部24は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory)のような電気的に書き換え可能な不揮発性メモリを備える。錠側記憶部24は、電気錠23の解錠操作及び施錠操作が許可された1台以上の携帯端末3の鍵情報を認証情報として記憶する。本実施形態では複数の携帯端末3のそれぞれに個別の鍵情報が付与されており、錠側記憶部24は、携帯端末3の識別情報と、当該携帯端末3に付与した鍵情報とを対応付けて記憶する。
操作部25は、例えば、玄関扉43の屋外41側に設けられた押釦スイッチと、玄関扉43の屋内42側に設けられた押釦スイッチとを備える。操作部25は、錠側制御回路21に電気的に接続されている。使用者が屋外41側又は屋内42側の押釦スイッチを押すと、操作部25から錠側制御回路21に操作信号が入力される。
報知部26は、例えば、複数の発光ダイオードを備えている。報知部26は、発光ダイオードの消灯、点灯、点滅によって、電気錠装置2の動作状態を報知する。
開閉センサ27は、玄関扉43が開いているか、閉じているかを検知する。開閉センサ27は、例えば、玄関扉43において扉枠と対向する部位に設けられた近接スイッチを備えている。開閉センサ27の近接スイッチが扉枠を検知していれば、開閉センサ27は、玄関扉43が閉じた状態(閉状態)にあると検知する。開閉センサ27の近接スイッチが扉枠を検知していなければ、開閉センサ27は、玄関扉43が開いた状態(開状態)にあると検知する。
本実施形態では、図1に示すように、建物40の玄関扉43に取り付けられるケース28に、電気錠装置2の全ての構成要素が収納されている。
携帯端末3は例えばスマートホンである。携帯端末3は、鍵側制御回路31と、鍵側通信部32と、表示部33と、鍵側記憶部34と、操作部35と、を備えている。
鍵側制御回路31は、例えばプロセッサとメモリとを有するマイクロコンピュータを備えている。プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することによって、鍵側制御回路31の機能が実現される。プロセッサが実行するプログラムは、マイクロコンピュータのメモリに予め記憶されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、電気通信回線を通じて提供されてもよい。
鍵側通信部32は、例えばアンテナと、通信回路とを備えている。鍵側通信部32は、錠側通信部22との間で、例えばBLEの規格に準拠した近距離無線通信を行うように構成されている。鍵側通信部32は、鍵側制御回路31からの指令に従って、応答信号を送信する。また、鍵側通信部32は、錠側通信部22から間欠的に送信されるビーコン信号を受信する。鍵側通信部32は、ビーコン信号を受信すると、ビーコン信号を受信したことを通知するACK(ACKnowledgement)を電気錠装置2に送信する。携帯端末3からのACKを電気錠装置2が受信することにより、携帯端末3の認証を行うための認証通信が電気錠装置2と携帯端末3との間で開始される。また、鍵側通信部32は、受信した無線信号の受信信号強度を測定する機能を備えている。
表示部33は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの薄型ディスプレイ装置である。表示部33は、鍵側制御回路31によって表示内容が制御される。
鍵側記憶部34は、例えば、EEPROMのような電気的に書き換え可能な不揮発性メモリを備える。鍵側記憶部34は、携帯端末3に割り当てられた個別の識別情報、及び電気錠装置2から付与された鍵情報などを記憶する。また、鍵側記憶部34には、携帯端末3のコンピュータが実行するプログラムが記憶されている。このプログラムは予めメモリに記憶されていてもよいし、電気通信回線を介して、あるいは記録媒体に記憶された状態で提供されてもよい。
操作部35は、例えば表示部33を構成するディスプレイ装置に設けられたタッチパネルを備える。タッチパネルは静電容量方式、感圧式などのタッチセンサを備える。使用者が表示部33を構成するディスプレイ装置に触れる操作(タップ操作、スワイプ操作など)を行うと、操作部35は操作に応じた信号を鍵側制御回路31に出力する。
(2)動作
以下に、本実施形態の電気錠システム1の動作について説明する。電気錠装置2の動作モードには通常モードと調整モードとがあり、各モードの動作を以下に説明する。
(2.1)調整モードの動作
通常モードにおいて電気錠装置2から携帯端末3が離れた位置にある状態で携帯端末3の認証が成功し、電気錠装置2が玄関扉43を解錠可能な状態になると、玄関扉43の解錠を許可されていない人が玄関扉43を解錠してしまう可能性がある。そこで、携帯端末3を用いて電気錠装置2の解錠及び施錠の操作が可能な操作範囲を制限する必要があり、本実施形態では受信信号強度に閾値を設定することによって、携帯端末3で電気錠装置2を操作可能な操作範囲を設定する。すなわち、調整モードでは、電気錠装置2の設定部214が受信信号強度の閾値を設定する。
調整モードでの電気錠システム1の動作について図3を参照して説明する。
ユーザが電気錠装置2の操作部25を用いて所定の操作(例えば屋外41側の押釦スイッチを一定時間以上連続して押す操作など)を行うと、錠側制御回路21が操作部25からの操作信号に応じて動作モードを調整モードに設定する(ステップS1)。
ユーザは、電気錠装置2の動作モードを調整モードにした後、調整対象の携帯端末3を所持した状態で、屋外41において電気錠装置2から所定の距離L1(例えば1m)だけ離れた場所に立つ。
錠側制御回路21が調整モードで動作を開始すると、錠側制御回路21は錠側通信部22からビーコン信号を所定の周期で連続的に送信する(ステップS2,S4,…,S6)。錠側制御回路21は、調整モードで動作を開始すると、報知部26の発光ダイオードを例えば所定の周期で点滅させることによって、動作モードが調整モードであることをユーザ50に報知する。
携帯端末3の鍵側通信部32は、電気錠装置2から送信されたビーコン信号を受信すると、ビーコン信号に対する応答信号(ビーコン応答)を錠側通信部22に送信する(ステップS3,S5,…,S7)。錠側通信部22は、携帯端末3の鍵側通信部32からのビーコン応答を受信すると、受信したビーコン応答の受信信号強度を測定する。
電気錠装置2の動作モードが調整モードである状態で、設定部214は、錠側通信部22における受信信号強度、つまり錠側通信部22が受信した無線信号の受信信号強度に基づいて、閾値の設定を行う(ステップS8)。
設定部214は、調整モードにおいて錠側通信部22が所定時間の間に受信した複数の無線信号(ビーコン応答)の受信信号強度に基づいて、閾値の設定を行う。例えば、錠側通信部22が0.1秒程度の間隔でビーコン信号を定期的に送信し、錠側通信部22が10秒程度の間に受信した約100回分のビーコン応答の受信信号強度に基づいて設定部214が閾値を設定する。本実施形態の設定部214は、複数のビーコン応答の受信信号強度から受信信号強度の最高値X1(dB)を求め、受信信号強度の最高値X1(dB)に基づいて受信信号強度の閾値に設定する。
ここで、携帯端末3を用いて電気錠装置2を操作可能な操作範囲内で電気錠装置2から最も離れた位置に携帯端末3があるときの携帯端末3と電気錠装置2との間の距離をL2とする。距離L2は例えば数十cm程度の距離であり、距離L2は調整モードでの距離L1よりも短い距離に設定されている。そして、電気錠装置2から携帯端末3までの距離が距離L1のときの受信信号強度と、距離L2のときの受信信号強度との差分が調整値Z1(dB)として錠側記憶部24に予め設定されている。
したがって、本実施形態の設定部214は、電気錠装置2と携帯端末3との距離がL1であるときの受信信号強度の最高値X1(dB)に、調整値Z1(例えば5dB)を加えた値を閾値として決定する。すなわち、閾値Y1は下記の式(1)で求められる。
Y1=X1+Z1(dB) …(1)
これにより、閾値Y1は、電気錠装置2と携帯端末3との間の距離が調整時の距離L1よりも短い距離L2であるときの受信信号強度に対応した値に設定される。
ところで、通信環境の変化などによって無線信号の受信信号強度は低下する可能性はあるが、複数回の受信信号強度の最高値X1よりも受信信号強度が高くなる可能性は少ない。設定部214は、複数回の受信信号強度の最高値X1に基づいて閾値Y1を設定しているので、閾値Y1を適切な値に設定することができる。
また、錠側通信部22が受信したビーコン応答には携帯端末3の識別情報が含まれており、設定部214は閾値Y1を決定すると、この閾値Y1と携帯端末3の識別情報とを対応付けて錠側記憶部24に記憶する。これにより、電気錠装置2の錠側記憶部24は、複数台の携帯端末3に対して複数の閾値Y1をそれぞれ記憶することができる。つまり、設定部214は、複数台の携帯端末3のそれぞれについて個別の閾値Y1を設定することができる。
設定部214による閾値Y1の設定が終了すると、錠側制御回路21は電気錠装置2の動作モードを通常モードに設定する(ステップS9)。錠側制御回路21は、電気錠装置2の動作モードを通常モードに設定すると、報知部26の発光ダイオードを、例えば一定時間点灯させた後に消灯させることで、調整モードが終了したことを報知する。
ここで、調整モードにおいて、錠側制御回路21が、調整モードでのユーザ50の動作を指示する指示画面を表示部33に表示させる制御命令を、錠側通信部22から携帯端末3に送信してもよい。指示画面は、例えば、調整モードにおいて携帯端末3の向きや位置を変化させるようにユーザ50に指示する内容を表示する画面であり、静止画面でも動画面でもよい。これにより、調整モードにおいて携帯端末3の向きや位置を変化させることでき、携帯端末3の向きや位置が様々に変化した状態で、携帯端末3から電気錠装置2に送信されたビーコン応答の受信信号強度に基づいて、設定部214が閾値Y1を設定できる。
(2.2)通常モードの動作
通常モードでの電気錠システム1の動作について図1に基づいて説明する。以下では、帰宅時に携帯端末3を用いて玄関扉43を解錠する場合の動作について説明する。
電気錠装置2の錠側通信部22は、通常モードでは、錠側制御回路21からの指令に従って、ビーコン信号を間欠的(例えば0.1〜2秒程度の間隔)に送信する。錠側制御回路21は、ビーコン信号を送信する処理と、ビーコン信号の送信後に一定時間、ビーコン応答を待ち受ける処理とを、所定の周期で繰り返す。
屋外41に居るユーザ50が玄関扉43に近付き、ユーザ50が所持する携帯端末3が、電気錠装置2を基準にして、携帯端末3と電気錠装置2との間で通信が可能な範囲(通信可能範囲)に入ると、鍵側通信部32が電気錠装置2からのビーコン信号を受信する。ここにおいて、通信可能範囲は上記の操作範囲よりも広い範囲である。鍵側制御回路31は、鍵側通信部32がビーコン信号を受信すると、ビーコン応答を鍵側通信部32から電気錠装置2に送信する。
電気錠装置2の錠側通信部22がビーコン応答を受信すると、比較部211が、錠側通信部22が受信したビーコン応答の受信信号強度と、錠側記憶部24が記憶する閾値Y1との高低を比較する。
また、電気錠装置2の錠側通信部22がビーコン応答を受信すると、認証部212が認証処理を開始する。認証部212が、認証処理を開始すると、錠側通信部22から携帯端末3へ鍵情報を要求する要求信号を送信する。携帯端末3の鍵側通信部32が要求信号を受信すると、鍵側制御回路31が、鍵側記憶部34に記憶された鍵情報を含めた応答信号を作成し、この応答信号を鍵側通信部32から電気錠装置2へ送信する。錠側通信部22が携帯端末3から応答信号を受信すると、認証部212は、応答信号に含まれる鍵情報及び携帯端末3の識別情報を、錠側記憶部24が記憶している認証情報と照合することによって、携帯端末3の認証を行う。
ここで、比較部211の比較結果が受信信号強度が閾値Y1以下であるという結果であるか、又は、認証部212の認証が失敗すると、錠制御部213は電気錠23の解錠を行わない。
一方、比較部211の比較結果が受信信号強度が閾値Y1より高いという結果であり、かつ、認証部212の認証が成功すると、錠制御部213は電気錠23の解錠が可能な状態となる。ここで、受信信号強度などの2値間の比較において、「以下」としているところは、2値が等しい場合、及び2値の一方が他方を下回っている場合との両方を含む。ただし、これに限らず、ここでいう「以下」は、2値の一方が他方を下回っている場合のみを含む「より低い」と同義であってもよい。つまり、2値が等しい場合を含むか否かは、閾値の設定次第で任意に変更できるので、「以下」か「より低い」かに技術上の差異はない。同様に、「より高い」においても「以上」と同義であってもよい。
錠制御部213が電気錠23の解錠を可能な状態で、ユーザ50が操作部25の屋外41側の押釦スイッチを押すと、錠制御部213が解錠信号を生成し、錠制御部213で生成された解錠信号は電気錠23の駆動回路に入力される。駆動回路は、解錠信号に従ってデッドボルトを解錠位置に移動させる駆動信号を生成し、生成した駆動信号を駆動部に出力する。そして、駆動部は、駆動回路からの駆動信号に従ってデッドボルトを解錠位置に移動させる。デッドボルトが解錠位置に移動した状態では、玄関扉43を開けることができ、携帯端末3のユーザ50は玄関扉43を開けて、建物40の中に入ることができる。
電気錠23が玄関扉43を解錠している状態で、開閉センサ27が玄関扉43の開状態を検知した後、玄関扉43の閉状態を検知すると、錠制御部213が施錠信号を生成し、錠制御部213で生成された施錠信号は電気錠23の駆動回路に入力される。駆動回路は、施錠信号に従ってデッドボルトを施錠位置に移動させる駆動信号を生成し、生成した駆動信号を駆動部に出力する。そして、駆動部は、駆動回路からの駆動信号に従ってデッドボルトを施錠位置に移動させており、電気錠23が玄関扉43を施錠する。
また、錠制御部213が電気錠23の解錠を可能にした時点から所定の待機時間が経過するまで、操作部25の押釦スイッチが押されなかった場合、錠制御部213は電気錠23の解錠が可能な状態を終了する。
上記した通常モードの動作説明は、帰宅時に携帯端末3を用いて玄関扉43を解錠する場合の動作であったが、外出時などに玄関扉43を施錠する場合の動作も同様であるので、その説明は省略する。
ところで、通常モードにおいて通信環境の悪化等によって電気錠装置2の錠側通信部22が携帯端末3から受信するビーコン応答の受信信号強度が低下すると、携帯端末3が所定の操作範囲にある場合でも、受信信号強度が閾値Y1よりも低くなる可能性がある。この場合、認証部212の認証は成功しているのに、比較部211の比較結果が受信信号強度が閾値Y1以下となるために、錠制御部213が電気錠23を解錠しない回数、つまり、携帯端末3を用いた玄関扉43の解錠に失敗する回数が増加する。
ここで、電気錠装置2の通知部215は、動作モードが通常モードである場合の比較部211の比較結果と認証部212の認証結果との履歴に基づいて、当該履歴が所定の条件を満たすと設定部214による閾値Y1の再設定を促す通知信号を携帯端末3に送信している。電気錠装置2の錠制御部213は、携帯端末3の認証を行うごとに、比較部211の比較結果と認証部212の認証結果との履歴を錠側記憶部24に記憶する。通知部215は、認証部212が認証に成功した回数から比較部211の比較結果が受信信号強度が閾値Y1以下となる回数を引いた失敗回数と所定の判定回数との高低を比較する。通知部215は、失敗回数が判定回数以上になると、携帯端末3が電気錠装置2と通信可能な領域に入ったときに、設定部214による閾値Y1の設定を促す通知信号を錠側通信部22から携帯端末3に送信する。携帯端末3の鍵側通信部32が電気錠装置2から通知信号を受信すると、鍵側制御回路31は、スピーカから報知音を出力させるとともに、閾値Y1の再設定をユーザ50に促す通知内容を表示部33に表示する。携帯端末3のユーザ50が、表示部33に表示された通知内容を確認し、電気錠装置2の操作部25を用いて閾値Y1の設定を行うための所定の操作を行うと、「(2.1)調整モードの動作」で説明した動作によって閾値Y1が設定される。
(3)変形例
以下に、上記実施形態の変形例に係る電気錠システム及び電気錠装置を列記する。以下に説明する変形例の各構成は、上記実施形態で説明した各構成と適宜組み合わせて適用可能である。
(3.1)変形例1
上記の実施形態において、設定部214には閾値Y1の下限値及び上限値が予め設定されていてもよい。設定部214は、「(2.1)調整モードの動作」で説明した式(1)で求めた閾値Y1の計算結果を下限値及び上限値とそれぞれ比較する。設定部214は、閾値Y1の計算結果が下限値を下回っていれば閾値Y1を下限値に設定し、閾値Y1の計算結果が上限値を上回っていれば閾値Y1を上限値に設定する。
これにより、設定部214は、下限値と上限値との間の所望の範囲内の値に閾値Y1を設定することができる。したがって、閾値Y1が下限値よりも低い値や、上限値よりも高い値に設定されることがなく、携帯端末3を用いて電気錠装置2の解錠及び施錠を行える操作範囲を適正な範囲に設定することができる。
(3.2)変形例2
上記の実施形態及び変形例1において、屋内42にある携帯端末3を用いて電気錠装置2の解錠及び施錠の操作を行えるようにしてもよい。この場合、設定部214は、閾値Y1として、携帯端末3が屋外41にあるときに使用される第1閾値と、携帯端末3が屋内42にあるときに使用される第2閾値とを設定してもよい。
ここで、電気錠装置2の錠側制御回路21は、操作部25の屋外41側の押釦スイッチが押された場合は屋外41にある携帯端末3を用いた操作と判断し、操作部25の屋内42側の押釦スイッチが押された場合は屋内42にある携帯端末3を用いた操作と判断する。
屋外41にいるユーザ50が、操作部25の屋外41側の押釦スイッチを用いて動作モードを調整モードにするための操作を行うと、錠側制御回路21は、操作部25からの操作信号に基づいて動作モードを第1閾値を調整する調整モードに設定する。設定部214は、「(2.1)調整モードの動作」で説明した調整モードの動作を行い、受信信号強度の測定結果に基づいて第1閾値を設定し、第1閾値を錠側記憶部24に記憶する。
また、屋内42にいるユーザ50が、操作部25の屋内42側の押釦スイッチを用いて動作モードを調整モードにするための操作を行うと、錠側制御回路21は、操作部25からの操作信号に基づいて動作モードを第2閾値を調整する調整モードに設定する。設定部214は、「(2.1)調整モードの動作」で説明した調整モードの動作を行い、受信信号強度の測定結果に基づいて第2閾値を設定し、第2閾値を錠側記憶部24に記憶する。
これにより、設定部214は、閾値として、携帯端末3が屋外41にある場合の第1閾値と、携帯端末3が屋内42にある場合の第2閾値とを錠側記憶部24に記憶する。
そして、電気錠装置2の動作モードが通常モードの状態では、電気錠装置2の錠側通信部22は、錠側制御回路21からの指令に従って、ビーコン信号を間欠的(例えば0.1〜2秒程度の間隔)に送信する。錠側制御回路21は、ビーコン信号を送信する処理と、ビーコン信号の送信後に一定時間、ビーコン信号に対する応答信号(ビーコン応答)を待ち受ける処理とを、所定の周期で繰り返す。
屋内42又は屋外41に居るユーザ50が玄関扉43に近付き、ユーザ50が所持する携帯端末3が、電気錠装置2を基準にして、携帯端末3と電気錠装置2との間で通信が可能な範囲に入ると、鍵側通信部32が電気錠装置2からのビーコン信号を受信する。鍵側制御回路31は、鍵側通信部32がビーコン信号を受信すると、ビーコン応答を鍵側通信部32から電気錠装置2に送信する。
電気錠装置2の錠側通信部22がビーコン応答を受信すると、認証部212が認証処理を開始する。認証部212が、認証処理を開始すると、錠側通信部22から携帯端末3へ鍵情報を要求する要求信号を送信する。携帯端末3の鍵側通信部32が要求信号を受信すると、鍵側制御回路31が、鍵側記憶部34に記憶された鍵情報を含めた応答信号を作成し、この応答信号を鍵側通信部32から電気錠装置2へ送信する。錠側通信部22が携帯端末3から応答信号を受信すると、認証部212は、応答信号に含まれる鍵情報及び携帯端末3の識別情報を、錠側記憶部24が記憶している認証情報と照合することによって、携帯端末3の認証を行う。
ここで、屋外41にいるユーザ50が屋外41側の押釦スイッチを操作すると、錠側制御回路21は屋外41からの操作と判断し、比較部211が、錠側通信部22の受信信号強度と第1閾値との高低を比較する。
比較部211の比較結果が受信信号強度が第1閾値以下であるという結果であるか、又は、認証部212の認証が失敗すると、錠制御部213は電気錠23の解錠を行わない。
一方、比較部211の比較結果が受信信号強度が第1閾値より高いという結果であり、かつ、認証部212の認証が成功すると、錠制御部213は電気錠23を解錠する。すなわち、錠制御部213が解錠信号を生成し、錠制御部213で生成された解錠信号は電気錠23の駆動回路に入力され、電気錠23が玄関扉43を解錠する。
また、屋内42にいるユーザ50が屋内42側の押釦スイッチを操作すると、錠側制御回路21は屋内42からの操作と判断し、比較部211が、錠側通信部22の受信信号強度と第2閾値との高低を比較する。
比較部211の比較結果が受信信号強度が第2閾値以下であるという結果であるか、又は、認証部212の認証が失敗すると、錠制御部213は電気錠23の解錠を行わない。
一方、比較部211の比較結果が受信信号強度が第2閾値より高いという結果であり、かつ、認証部212の認証が成功すると、錠制御部213は電気錠23を解錠する。すなわち、錠制御部213が解錠信号を生成し、錠制御部213で生成された解錠信号は電気錠23の駆動回路に入力され、電気錠23が玄関扉43を解錠する。
そして、電気錠23が玄関扉43を解錠している状態で、開閉センサ27が玄関扉43の開状態を検知した後、玄関扉43の閉状態を検知すると、錠制御部213が施錠信号を生成する。錠制御部213で生成された施錠信号は電気錠23の駆動回路に入力され、電気錠23が玄関扉43を施錠する。
また、錠制御部213が電気錠23を解錠している状態で、所定の待機時間が経過すると、錠制御部213は電気錠23に施錠信号を出力し、電気錠23が玄関扉43を施錠する。
携帯端末3が屋外41にある場合と携帯端末3が屋内42にある場合とでは、電気錠装置2と携帯端末3との距離が同じでも、電気錠装置2の錠側通信部22で受信される無線信号の受信信号強度が異なる。変形例2では、設定部214が、比較部211の閾値として第1閾値と第2閾値とを設定しているので、携帯端末3が屋外41にある場合と屋内42にある場合とでそれぞれ操作範囲を所望の範囲に設定することができる。
(3.3)変形例3
上記の実施形態及び変形例1、2において、設定部214は、鍵側通信部32での受信信号強度の測定結果と、錠側通信部22での受信信号強度の測定結果とに基づいて、閾値Y2を設定してもよい。
この場合の調整モードにおける動作を以下に説明する。
ユーザ50が電気錠装置2の操作部25を用いて所定の操作を行うと、錠側制御回路21が操作部25からの操作信号に応じて動作モードを調整モードに設定する。
ユーザ50は、電気錠装置2の動作モードを調整モードにした後、調整対象の携帯端末3を所持した状態で、屋外41において電気錠装置2から所定の距離L1だけ離れた場所に立つ。
錠側制御回路21が調整モードで動作を開始すると、錠側制御回路21は錠側通信部22からビーコン信号を所定の周期で連続的に送信する。
携帯端末3の鍵側通信部32は、電気錠装置2から送信されたビーコン信号を受信すると、ビーコン信号の受信信号強度を測定し、受信信号強度の測定結果の情報を含めたビーコン応答を錠側通信部22に送信する。
錠側通信部22は、携帯端末3の鍵側通信部32からのビーコン応答を受信すると、受信したビーコン応答の受信信号強度を測定するとともに、受信したビーコン応答に含まれる携帯端末3での受信信号強度の測定結果の情報を取得する。
そして、設定部214は、電気錠装置2の動作モードが調整モードである状態で、錠側通信部22での受信信号強度の測定結果と、鍵側通信部32での受信信号強度の測定結果とに基づいて、閾値Y2の設定を行う。
設定部214は、調整モードにおいて、鍵側通信部32が所定時間の間に受信した複数の無線信号(ビーコン信号)の受信信号強度と、錠側通信部22が所定時間の間に受信した複数の無線信号の受信信号強度とに基づいて、閾値Y2の設定を行う。
設定部214は、錠側通信部22が受信した複数回のビーコン応答の受信信号強度をもとに錠側通信部22での受信信号強度の最高値X1を求め、鍵側通信部32が受信した複数回のビーコン信号の受信信号強度をもとに鍵側通信部32での最高値X2を求める。
設定部214は、電気錠装置2と携帯端末3との距離がL1であるときの、電気錠装置2での受信信号強度の最高値X1(dB)と、携帯端末3での受信信号強度の最高値X2(dB)との総和に、調整値Z1(例えば5dB)を加えた値を閾値Y2として決定する。すなわち、閾値Y2は下記の式(2)で求められる。
Y2=X1+X2+Z1(dB) …(2)
このようにして、設定部214が閾値Y2を設定すると、動作モードが通常モードである場合に、比較部211は、携帯端末3での受信信号強度の測定結果と電気錠装置2での受信信号強度の測定結果とに基づいて、閾値Y2との比較を行う。
電気錠装置2が通常モードで動作中に、屋外41において携帯端末3を所持するユーザ50が玄関扉43に近付き、携帯端末3が、電気錠装置2の通信可能範囲に入ると、鍵側通信部32が電気錠装置2からのビーコン信号を受信する。鍵側制御回路31は、鍵側通信部32がビーコン信号を受信すると、ビーコン信号の受信信号強度の測定結果の情報を含めたビーコン応答を鍵側通信部32から電気錠装置2に送信する。
電気錠装置2の錠側通信部22がビーコン応答を受信すると、比較部211が、錠側通信部22が受信したビーコン応答の受信信号強度及び鍵側通信部32での受信信号強度と、錠側記憶部24が記憶する閾値Y2との高低を比較する。すなわち、比較部211は、鍵側通信部32での受信信号強度X3に錠側通信部22での受信信号強度X4を加算した値(X3+X4)と、上記の閾値Y2との高低を比較する。
また、電気錠装置2の錠側通信部22がビーコン応答を受信すると、認証部212が認証処理を開始する。認証部212が認証処理を開始すると、認証部212は錠側通信部22から携帯端末3へ鍵情報を要求する要求信号を送信する。携帯端末3の鍵側通信部32が要求信号を受信すると、鍵側制御回路31が、鍵側記憶部34に記憶された鍵情報を含めた応答信号を作成し、この応答信号を鍵側通信部32から電気錠装置2へ送信する。錠側通信部22が携帯端末3から応答信号を受信すると、認証部212は、応答信号に含まれる鍵情報及び携帯端末3の識別情報を、錠側記憶部24が記憶している認証情報と照合することによって、携帯端末3の認証を行う。
ここで、比較部211の比較結果が受信信号強度(X3+X4)が閾値Y2以下であるという結果であるか、又は、認証部212の認証が失敗すると、錠制御部213は電気錠23の解錠を行わない。
一方、比較部211の比較結果が受信信号強度(X3+X4)が閾値Y2より高いという結果であり、かつ、認証部212の認証が成功すると、錠制御部213は電気錠23の解錠が可能な状態となる。錠制御部213が電気錠23の解錠を可能な状態で、ユーザ50が操作部25の押釦スイッチを押すと、錠制御部213が解錠信号を電気錠23に出力し、電気錠23が玄関扉43を解錠する。
電気錠23が玄関扉43を解錠している状態で、開閉センサ27が玄関扉43の開状態を検知した後、玄関扉43の閉状態を検知すると、錠制御部213が施錠信号を生成する。錠制御部213で生成された施錠信号は電気錠23の駆動回路に入力され、電気錠23が玄関扉43を施錠する。
また、錠制御部213が電気錠23の解錠を可能にした時点から所定の待機時間が経過するまで、操作部25の押釦スイッチが押されなかった場合、錠制御部213は電気錠23に施錠信号を出力し、電気錠23が玄関扉43を施錠する。
このように、変形例3では、比較部211は、携帯端末3での受信信号強度及び電気錠装置2での受信信号強度の両方に基づく値と閾値Y2との高低を比較している。したがって、電気錠装置2の送信電力及び携帯端末の送信電力にそれぞればらつきがある場合でも、携帯端末3による操作範囲のばらつきを抑制できる。
(3.4)その他の変形例
上記の実施形態及び変形例1〜3では、設定部214が、調整モードでの複数の受信信号強度の測定結果の最高値に基づいて閾値を設定しているが、複数の受信信号強度の測定結果に基づいて閾値を設定すればよい。設定部214は、調整モードでの複数の受信信号強度の測定結果をもとに、例えば複数の受信信号強度の平均値、最頻値、中央値、最低値などに基づいて閾値を設定してもよい。
上記の実施形態及び変形例1〜3において、錠側通信部22と鍵側通信部32とは、使用する周波数帯域に周波数が異なる複数の周波数チャネルを設定し、周波数チャネルの切り替えを行いながら無線通信を行っている。例えば、錠側通信部22がビーコン信号を送信する場合は、錠側通信部22は3つの周波数チャネルでビーコン信号を送信している。ここで、錠側通信部22と鍵側通信部32との間の伝送損失などは、使用する周波数チャネルによって異なるため、設定部214は複数の周波数チャネルに対して複数の閾値をそれぞれ設定するのが好ましい。
電気錠装置2の比較部211は、通常モードにおいて、錠側通信部22が受信した無線信号の無線信号強度と、使用した周波数チャネルでの閾値との高低を比較している。したがって、電気錠装置2と携帯端末3との間で複数の周波数チャネルを使用して無線通信を行う場合でも、携帯端末3を用いて電気錠装置2の操作が行える操作範囲のばらつきを低減することができる。
また、上記の実施形態及び変形例1〜3において、錠側通信部22は、複数のアンテナを有するダイバーシティアンテナを使用して無線通信を行っていてもよい。ここで、複数のアンテナのそれぞれで利得や通信特性が異なるため、設定部214は、ダイバーシティアンテナが有する複数のアンテナに対して複数の閾値をそれぞれ設定してもよい。すなわち、設定部214は、調整モードにおいて、錠側通信部22が使用するアンテナを順番に切り替え、各々のアンテナについて、錠側通信部22が受信した複数回の受信信号強度に基づいて閾値を設定する。
そして、電気錠装置2の比較部211は、通常モードにおいて、錠側通信部22が受信した無線信号の無線信号強度と、使用したアンテナでの閾値との高低を比較している。したがって、電気錠装置2と携帯端末3との間でダイバーシティアンテナを使用して無線通信を行う場合でも、携帯端末3を用いて電気錠装置2の操作が行える操作範囲のばらつきを低減することができる。
上記の実施形態及び変形例1〜3において、錠側通信部22と鍵側通信部32とは、BLEの規格に準拠した近距離無線通信方式で通信を行っているが、錠側通信部22と鍵側通信部32との通信方式はBLEの規格に準拠した近距離無線通信方式に限定されない。錠側通信部22と鍵側通信部32とは、ZigBee(登録商標)の規格に準拠した無線通信方式などでもよい。
上記の実施形態及び変形例1〜3では、錠制御部213が電気錠23を制御可能な状態で操作部25が操作されると電気錠23を制御するが、操作部25の操作は必須ではない。すなわち、錠制御部213は、比較部211の比較結果が受信信号強度が閾値以上であるとの比較結果であり、かつ、認証部212の認証に成功すると、電気錠23を解錠又は施錠する制御を行ってもよい。
上記の実施形態及び変形例1〜3では、通常モードにおいて失敗回数が判定回数以上になるという条件が成立すると、通知部215が閾値の設定を促す通知信号を携帯端末3に送信しているが、所定の条件は上記の条件に限定されない。通知部215は、例えば、認証に成功した回数に対する失敗回数の割合が所定の判定値以上になるという条件が成立すると、閾値の設定を促す通知信号を携帯端末3に送信してもよい。
上記の実施形態及び変形例1〜3では、携帯端末3がスマートホンのような電話機能を有する携帯端末であるが、携帯端末3に電話機能は必須ではない。携帯端末3は、コンピュータを電気錠装置2の鍵として動作させるためのプログラム(アプリ)を実行可能な携帯端末であれば、タブレット型のコンピュータなどでもよい。
上記の実施形態及び変形例1〜3では、携帯端末3が、電気錠23の解錠及び施錠の両方の操作を行うことができるが、携帯端末3は、電気錠23の解錠及び施錠の一方の操作だけを行うものでもよい。
上記の実施形態及び変形例1〜3では、建物40の「出入口」が、建物40の内(屋内42)と外(屋外41)とを隔てる扉(開き戸又は引き戸)又は窓であったが、建物40の一部の区画の内と外とを隔てる扉であってもよい。例えば、建物40に複数の住戸が入居する集合住宅、建物40に複数の店舗が入居するテナントビル、及び建物40に複数の事務所が入居するオフィスビルでは、個々の区画(住戸、店舗、事務所)の内と外とを隔てる扉が各区画の出入口となる。
上記の実施形態及び変形例1〜3では、電気錠システム1が戸建て住宅に適用されているが、集合住宅の各住戸に適用されてもよく、集合住宅の共用部玄関に設置された共用玄関(いわゆるロビーインターホン)を操作するものでもよい。また、電気錠システム1は、例えば事務所、店舗、又は工場などの非住宅用の建物40に適用されてもよい。
上記の実施形態及び変形例1〜3では、玄関扉43に取り付けられたケース28に、電気錠装置2の全ての構成要素が収納されているが、電気錠装置2の構成要素が複数のケースに分散して収納されてもよい。例えば、電気錠装置2の構成要素が、玄関扉43に取り付けられる第1ケースと、建物40の屋内42に設置される第2ケースとに、分散して収納されていてもよい。
(実施形態2)
上記の実施形態1(変形例を含む)では、電気錠装置2が、閾値を設定する設定部214を備えていたが、本実施形態では、携帯端末3が閾値を設定する設定部を備えている。すなわち、携帯端末3の鍵側制御回路31が、閾値を設定する設定部の機能を備えている。実施形態2で説明した構成は、実施形態1で説明した構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
本実施形態の電気錠システム1では、電気錠装置2の動作モードとして通常モードと調整モードとがあり、携帯端末3の動作モードとして通常モードと調整モードとがある。
本実施形態の電気錠システム1の調整モードでの動作を図4を参照して説明する。
ユーザが電気錠装置2の操作部25を用いて所定の操作(例えば押釦スイッチを一定時間以上連続して押す操作など)を行うと、錠側制御回路21が操作部25からの操作信号に応じて動作モードを調整モードに設定する(ステップS11)。錠側制御回路21は、調整モードで動作を開始すると、報知部26の発光ダイオードを例えば所定の周期で点滅させることによって、動作モードが調整モードであることをユーザ50に報知する。
ユーザ50は、電気錠装置2の動作モードを調整モードにした後、調整対象の携帯端末3を所持した状態で、屋外41において電気錠装置2から所定の距離L1(例えば1m)だけ離れた場所に立つ。
錠側制御回路21が調整モードで動作を開始すると、錠側制御回路21は錠側通信部22から携帯端末3の動作モードを調整モードにするモード設定信号を送信する(ステップS12)。
携帯端末3の鍵側通信部32が電気錠装置2からモード設定信号を受信すると、鍵側制御回路31は、動作モードを調整モードとして(ステップS13)、ビーコン信号の受信に備える。
錠側制御回路21は、モード設定信号の送信後に所定の待機時間(例えば1秒から数秒程度の時間)が経過すると、錠側通信部22から所定の送信出力でビーコン信号を送信する(ステップS14,S15,…,S16)。錠側通信部22は、例えば、所定の周期(0.1秒程度の周期)でビーコン信号を定期的に送信する。
携帯端末3の鍵側通信部32は、電気錠装置2から送信されたビーコン信号を受信すると、ビーコン信号の受信信号強度を測定する。鍵側制御回路31は、鍵側通信部32が受信した複数のビーコン信号の受信信号強度に基づいて、受信信号強度の閾値を設定する(ステップS17)。ここにおいて、鍵側制御回路31は、複数のビーコン信号の受信信号強度から、受信信号強度の最高値X1を求め、受信信号強度の最高値X1に所定の調整値Z1を加えた値を閾値Y1として決定する。設定部としての鍵側制御回路31は、受信信号強度の閾値を決定すると、決定した閾値の情報を含めた無線信号を鍵側通信部32から電気錠装置2に送信し(ステップS18)、動作モードを通常モードとする(ステップS19)。また、電気錠装置2の錠側通信部22が携帯端末3から送信された無線信号を受信すると、錠側制御回路21は、無線信号に含まれる閾値を錠側記憶部24に記憶し、動作モードを通常モードとする(ステップS20)。
電気錠装置2の錠側制御回路21が錠側記憶部24に受信信号強度の閾値を設定すると、電気錠システム1は「(2.2)通常モードの動作」で説明した通常モードでの動作を行う。
ところで、実施形態2において、携帯端末3の鍵側制御回路31が受信信号強度と閾値との高低を比較してもよい。つまり、携帯端末3が、電気錠装置2の比較部211の機能を備えていてもよい。この場合、鍵側制御回路31は、通常モードにおいて、鍵側通信部32が受信したビーコン信号の受信信号強度が閾値よりも高ければ、鍵側通信部32から電気錠装置2にビーコン応答を送信してもよい。
以上説明したように、第1の態様の電気錠システム1は、電気錠装置2と、携帯端末3と、設定部214とを備える。電気錠装置2は、建物40の出入口(玄関扉43)を解錠又は施錠する電気錠23を制御する。携帯端末3は、出入口の施錠操作及び解錠操作のうち少なくとも一方の操作を行う。設定部214は、携帯端末3による操作が可能な操作範囲に関わる設定を行う。携帯端末3は、認証のための鍵情報を記憶する鍵側記憶部34と、電波を媒体とする無線通信を行う鍵側通信部32とを備える。電気錠装置2の動作モードには通常モードと調整モードとがある。電気錠装置2は、錠側通信部22と、錠側記憶部24と、比較部211と、錠制御部213とを備える。錠側通信部22は電波を媒体とする無線通信を行う。錠側記憶部24は、1以上の携帯端末3の鍵情報を含む認証情報、及び設定部214が携帯端末3ごとに設定した閾値を記憶する。比較部211は、錠側通信部22及び鍵側通信部32の少なくとも一方における受信信号強度と閾値との高低を比較する。設定部214は、動作モードが調整モードである場合に、錠側通信部22及び鍵側通信部32の少なくとも一方における受信信号強度の測定結果に基づいて閾値を設定する。錠制御部213は、動作モードが通常モードである場合に、比較部211の比較結果が受信信号強度が閾値よりも高いという結果であり、かつ、錠側通信部22が受信した無線信号に含まれる鍵情報と認証情報との認証に成功すると、電気錠23を制御する。
第1の態様の電気錠システム1によれば、錠制御部213は、動作モードが通常モードである場合に、比較部211の比較結果が受信信号強度が閾値よりも高いという結果であり、かつ、認証に成功すると、電気錠23を制御している。設定部214は、動作モードが設定モードにおいて、携帯端末3ごとに受信信号強度の閾値を設定しているので、携帯端末3の送信電力などが携帯端末3ごとにばらつく場合でも、携帯端末3による操作が可能な操作範囲のばらつきを低減することができる。
第2の態様の電気錠システム1では、第1の態様において、閾値は第1閾値と第2閾値とを含んでもよい。錠制御部213は、携帯端末3が建物40の屋外41にある場合は受信信号強度と第1閾値との高低を比較し、携帯端末3が建物40の屋内42にある場合は受信信号強度と第2閾値との高低を比較すればよい。
第2の態様の電気錠システム1によれば、携帯端末3が屋外41にある場合、及び携帯端末3が屋内42にある場合の両方で、携帯端末3による操作が可能な操作範囲のばらつきを低減することができる。
第3の態様の電気錠システム1では、第1又は第2の態様において、設定部214が、鍵側通信部32での受信信号強度の測定結果と、錠側通信部22での受信信号強度の測定結果とに基づいて、閾値を設定してもよい。
第3の態様の電気錠システム1によれば、鍵側通信部32での受信信号強度及び錠側通信部22での受信信号強度の両方が個体ごとにばらつく場合でも、携帯端末3による操作が可能な操作範囲のばらつきを低減することができる。
第4の態様の電気錠システム1では、第1〜第3のいずれか1つの態様において、鍵側通信部32及び錠側通信部22は、複数の周波数チャネルを使用して無線通信を行っており、設定部214は、複数の周波数チャネルに対して複数の閾値をそれぞれ設定してもよい。
第4の態様の電気錠システム1によれば、鍵側通信部32及び錠側通信部22が、複数の周波数チャネルを使用して無線通信を行う場合でも、携帯端末3による操作が可能な操作範囲のばらつきを低減することができる。
第5の態様の電気錠システム1では、第1〜第4のいずれか1つの態様において、設定部214は、受信信号強度の複数回の測定結果に基づいて閾値を設定してもよい。
第5の態様の電気錠システム1によれば、設定部214が、受信信号強度の複数回の測定結果に基づいて閾値を設定しているので、通信環境の変化などで受信信号強度が変動した場合でも、携帯端末3による操作が可能な操作範囲のばらつきを低減することができる。
第6の態様の電気錠システム1では、第1〜第5のいずれか1つの態様において、鍵側通信部32及び錠側通信部22が、複数のアンテナを有するダイバーシティアンテナを使用して無線通信を行ってもよい。設定部214は、複数のアンテナに対して複数の閾値をそれぞれ設定してもよい。
第6の態様の電気錠システム1によれば、鍵側通信部32及び錠側通信部22が、ダイバーシティアンテナを使用して無線通信を行う場合でも、携帯端末3による操作が可能な操作範囲のばらつきを低減することができる。
第7の態様の電気錠システム1では、第1〜第6のいずれか1つの態様において、設定部214が、受信信号強度の測定結果をもとに求めた閾値の値が下限値を下回ると閾値を下限値に設定してもよい。設定部214が、受信信号強度の測定結果をもとに求めた閾値の値が上限値を上回ると閾値を上限値に設定してもよい。
第7の態様の電気錠システム1によれば、下限値よりも低い値や上限値よりも高い値に閾値が設定されることがないので、設定部214は、下限値以上かつ上限値以下の範囲で閾値を設定することができる。
第8の態様の電気錠システム1では、第1〜第7のいずれか1つの態様において、電気錠装置2が通知部215をさらに備えてもよい。通知部215は、動作モードが通常モードである場合の比較部211の比較結果と認証結果との履歴に基づいて、履歴が所定の条件を満たすと設定部214による閾値の設定を促す通知信号を携帯端末3に送信する通知部215をさらに備える。
第8の態様の電気錠システム1によれば、通信環境の変化などによって、比較部211の比較結果と認証結果との履歴が所定の条件を満たした場合には、通知部215が通知信号を携帯端末3に送信する。これにより、電気錠システム1は、携帯端末3を所持するユーザ50に閾値の設定を促すことができる。
一態様の電気錠装置2は、第1〜第8のいずれか1項に記載の電気錠システム1における電気錠装置2であって、設定部214を有する。
電気錠装置2は、携帯端末3の送信電力などが携帯端末3ごとにばらつく場合でも、携帯端末3による操作が可能な操作範囲のばらつきを低減することができる。
1 電気錠システム
2 電気錠装置
3,3A,3B,3C 携帯端末
21 錠側制御回路
211 比較部
212 認証部
213 錠制御部
214 設定部
215 通知部
22 錠側通信部
23 電気錠
24 錠側記憶部
32 鍵側通信部
34 鍵側記憶部
40 建物
41 屋外
42 屋内
43 玄関扉
Y1,Y2 閾値

Claims (9)

  1. 建物の出入口を解錠又は施錠する電気錠を制御する錠制御部と、
    電波を媒体とする無線通信を行う鍵側通信部を有し前記出入口の解錠操作及び施錠操作のうち少なくとも一方の操作を行うための携帯端末との間で電波を媒体する無線通信を行う錠側通信部と、
    前記携帯端末による電気錠装置の前記操作が有効な操作範囲に関わる設定を行う設定部と、
    比較部と、を備え
    錠制御部の動作モードには通常モードと調整モードとがあり
    前記設定部は、前記動作モードが前記調整モードである場合に、前記錠側通信部及び前記鍵側通信部の少なくとも一方における受信信号強度の測定結果に基づいて前記携帯端末ごとに閾値を設定し、
    前記比較部は、前記錠側通信部及び前記鍵側通信部の少なくとも一方における受信信号強度と前記閾値との高低を比較し、
    記錠制御部は、前記動作モードが前記通常モードである場合に、前記比較部の比較結果が前記受信信号強度が前記閾値よりも高いという結果であり、かつ、前記錠側通信部が受信した無線信号に含まれる鍵情報の認証に成功すると、前記電気錠を制御し、
    前記閾値は第1閾値と第2閾値とを含み、
    前記錠制御部は、前記携帯端末が前記建物の屋外にある場合は前記受信信号強度と前記第1閾値との高低を比較し、前記携帯端末が前記建物の屋内にある場合は前記受信信号強度と前記第2閾値との高低を比較する、
    ことを特徴とする電気錠システム。
  2. 建物の出入口を解錠又は施錠する電気錠を制御する錠制御部と、
    電波を媒体とする無線通信を行う鍵側通信部を有し前記出入口の解錠操作及び施錠操作のうち少なくとも一方の操作を行うための携帯端末との間で電波を媒体する無線通信を行う錠側通信部と、
    前記携帯端末による電気錠装置の前記操作が有効な操作範囲に関わる設定を行う設定部と、
    比較部と、を備え、
    錠制御部の動作モードには通常モードと調整モードとがあり、
    前記設定部は、前記動作モードが前記調整モードである場合に、前記錠側通信部及び前記鍵側通信部の少なくとも一方における受信信号強度の測定結果に基づいて前記携帯端末ごとに閾値を設定し、
    前記比較部は、前記錠側通信部及び前記鍵側通信部の少なくとも一方における受信信号強度と前記閾値との高低を比較し、
    前記錠制御部は、前記動作モードが前記通常モードである場合に、前記比較部の比較結果が前記受信信号強度が前記閾値よりも高いという結果であり、かつ、前記錠側通信部が受信した無線信号に含まれる鍵情報の認証に成功すると、前記電気錠を制御し、
    前記設定部は、前記鍵側通信部での前記受信信号強度の測定結果と、前記錠側通信部での前記受信信号強度の測定結果とに基づいて、前記閾値を設定する、
    ことを特徴とする電気錠システム。
  3. 建物の出入口を解錠又は施錠する電気錠を制御する錠制御部と、
    電波を媒体とする無線通信を行う鍵側通信部を有し前記出入口の解錠操作及び施錠操作のうち少なくとも一方の操作を行うための携帯端末との間で電波を媒体する無線通信を行う錠側通信部と、
    前記携帯端末による電気錠装置の前記操作が有効な操作範囲に関わる設定を行う設定部と、
    比較部と、
    通知部と、を備え、
    錠制御部の動作モードには通常モードと調整モードとがあり、
    前記設定部は、前記動作モードが前記調整モードである場合に、前記錠側通信部及び前記鍵側通信部の少なくとも一方における受信信号強度の測定結果に基づいて前記携帯端末ごとに閾値を設定し、
    前記比較部は、前記錠側通信部及び前記鍵側通信部の少なくとも一方における受信信号強度と前記閾値との高低を比較し、
    前記錠制御部は、前記動作モードが前記通常モードである場合に、前記比較部の比較結果が前記受信信号強度が前記閾値よりも高いという結果であり、かつ、前記錠側通信部が受信した無線信号に含まれる鍵情報の認証に成功すると、前記電気錠を制御し、
    前記通知部は、前記動作モードが前記通常モードである場合の前記比較部の比較結果と認証結果との履歴に基づいて、前記履歴が所定の条件を満たすと前記設定部による前記閾値の設定を促す通知信号を前記携帯端末に送信する、
    ことを特徴とする電気錠システム。
  4. 前記鍵側通信部及び前記錠側通信部は、複数の周波数チャネルを使用して無線通信を行っており、
    前記設定部は、前記複数の周波数チャネルに対して複数の前記閾値をそれぞれ設定する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気錠システム。
  5. 前記設定部は、前記受信信号強度の複数回の測定結果に基づいて前記閾値を設定する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気錠システム。
  6. 前記鍵側通信部及び前記錠側通信部は、複数のアンテナを有するダイバーシティアンテナを使用して無線通信を行っており、
    前記設定部は、前記複数のアンテナに対して複数の前記閾値をそれぞれ設定する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気錠システム。
  7. 前記設定部は、前記受信信号強度の測定結果をもとに求めた前記閾値の値が下限値を下回ると前記閾値を前記下限値に設定し、前記受信信号強度の測定結果をもとに求めた前記閾値の値が上限値を上回ると前記閾値を前記上限値に設定する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気錠システム。
  8. 前記出入口の解錠操作及び施錠操作のうち少なくとも一方の操作を行うための前記携帯端末をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気錠システム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気錠システムにおける電気錠装置であって、
    前記設定部を有することを特徴とする電気錠装置。
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