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JP6794973B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池 Download PDF

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JP6794973B2 JP2017210315A JP2017210315A JP6794973B2 JP 6794973 B2 JP6794973 B2 JP 6794973B2 JP 2017210315 A JP2017210315 A JP 2017210315A JP 2017210315 A JP2017210315 A JP 2017210315A JP 6794973 B2 JP6794973 B2 JP 6794973B2
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Description

本開示は、非水電解質二次電池に関する。
特開2009−064560号公報(特許文献1)には、集電体用アルミニウム合金箔が開示されている。
特開2009−064560号公報
特許文献1には、マンガンと、鉄と、マグネシウムとを含み、残部がアルミニウムと不可避不純物とを含む、集電体用アルミニウム合金箔が開示されている。係る集電体用アルミニウム合金箔は、アルミニウム箔に比べて耐食性が低下することがなく、箔の厚みを15μm以下にしても電極の製造工程において破断することがないと考えられる。
しかしながら、特許文献1において開示される集電体用アルミニウム合金箔を用いて製造された集電体は、約630℃以上660℃以下の融点を有すると考えられる。したがって、釘刺し等で短絡が発生した際に、集電体の溶断に時間を要し、長時間短絡が継続する可能性がある。そのため電池の発熱が大きくなり、電池温度が上昇して安全性が不十分となるおそれがある。また、電池(たとえば、車載用の電池)はその性質上、高温保存後においても電池容量が維持されることが望まれている。
本開示の目的は、釘刺し時の温度上昇の抑制と、高温保存後における電池容量の維持とが両立された、非水電解質二次電池を提供することにある。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により特許請求の範囲が限定されるべきではない。
[1]非水系電池は、正極集電体と、正極集電体の表面に設けられた正極合材層とを有する正極を備える。正極集電体は、アルミニウム(Al)合金である。アルミニウム(Al)合金は、銅(Cu)を少なくとも含み、更に所望によりマグネシウム(Mg)を含む。正極集電体に含まれるマグネシウム(Mg)の量α(質量%)および正極集電体に含まれる銅(Cu)の量β(質量%)は、以下の(1)〜(3)を満たす。
0≦α≦1.5 ・・・(1)
2.7≦β≦5.0 ・・・(2)
3.4≦(α+β)≦5.9 ・・・(3)
図1は、本開示の作用メカニズムを説明するための第1断面概念図である。
図1には、釘刺しが発生した際の、非水電解質二次電池(以下、単に「電池」とも記される)の一部が示されている。電池は、正極集電体11と、正極集電体11の表面に設けられた正極合材層12とを有する正極10を備える。
図1に示すように釘刺しが発生した際には、低抵抗体である釘70を介して正極10と負極とが低抵抗で短絡し、大きなジュール熱が発生する。係るジュール熱により釘70周辺のセパレータが溶けて正極合材層12と負極合材層とが接触して、より大きな短絡電流が継続して流れて発熱し、熱暴走に至ると考えられる。なお、ジュール熱とは、抵抗のある導体(たとえば、正極10)に電流が流れた際に発生する熱のことであり、その熱量は、流れる電流の二乗と導体の抵抗と電流の流れた時間との積に比例する。すなわち、短絡時間が長くなれば、発生するジュール熱も増加する。
図2は、本開示の作用メカニズムを説明するための第2断面概念図である。
図2に示すように、釘70が本開示に係る電池に刺さった場合、以下の事象(1)および(2)により、釘刺し時における電池温度上昇が抑制されるものと期待される。
(1)Al合金(正極集電体11)が、所定量のCuと、所望により所定量のMgとを含むことにより、正極集電体11(Al合金)の融点が下がるものと考えられる。また、正極集電体11の電子抵抗率が増加し、正極集電体11の比熱が下がる(すなわち、正極集電体11の温度が、上がりやすくなる)と考えられる。
(2)短絡により発生した熱により、特に釘70周辺の正極集電体11の温度が上昇する。正極集電体11の発熱速度は、前述の通り正極集電体11の比熱が下がっているため、通常と比較して増加しているものと考えられる。加えて、正極集電体11の融点は下がっていると考えられる。したがって、釘70の周辺の正極集電体11が短時間で溶断され、溶断部71が形成され、短絡が短時間で終了すると考えられる。これにより、短絡が終了するまでに発生するジュール熱を低減すること(すなわち、電池温度上昇を抑制すること)が期待される。
図1は、本開示の作用メカニズムを説明するための第1断面概念図である。 図2は、本開示の作用メカニズムを説明するための第2断面概念図である。 図3は、本実施形態の非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略図である。 図4は、本実施形態の電極群の構成の一例を示す概略図である。 図5は、本実施形態の正極の構成の一例を示す概略図である。 図6は、本実施形態の負極の構成の一例を示す概略図である。
以下、本開示の実施形態(本明細書では「本実施形態」とも記される)が説明される。ただし以下の説明は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<非水電解質二次電池の構成>
本開示の電池は、以下で説明する正極集電体、正極合材層および正極を備える限り、従来公知の構成を備えることができる。従来公知の構成とは、たとえば正極と、負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータとを有する電極群とを備え、この電極群が非水電解質と共に電池ケースに配置される構成などをいう。電極群は、扁平に巻回した形態(巻回電極群)とすることができる。
図3は、本実施形態の非水系電池の構成の一例を示す概略図である。電池100は、電池ケース80を含む。電池ケース80は、角形(扁平直方体形)である。ただし、本実施形態の電池ケースは、円筒形であってもよい。電池ケース80は、Al合金、ステンレス(SUS)、鉄(Fe)等の金属材料、あるいは樹脂材料により構成され得る。電池ケース80は、金属材料と樹脂材料との複合材料(たとえば、アルミラミネートフィルム製の袋等)によって構成されていてもよい。
電池ケース80は密閉されている。電池ケース80には、端子81が設けられている。電池ケース80は、電流遮断機構(CID)、ガス排出弁、注液孔等を備えていてもよい(いずれも、図示せず)。電池ケース80は、電極群50および電解液を収納している。電極群50は、端子81と電気的に接続されている。
図4は、本実施形態の電極群の構成の一例を示す概略図である。電極群50は、巻回型である。すなわち電極群50は、正極10、セパレータ30、負極20、およびセパレータ30がこの順序で積層され、さらにこれらが渦巻状に巻回されることにより構成されている。電極群50は、扁平状に成形されていてもよい。巻回型の電極群50では、正極集電体11が張力を受けている。そのため釘刺し時に、正極集電体11が溶断されやすくなることが期待される。ただし、本実施形態の電極群は、積層型であってもよい。積層型の電極群は、セパレータ、正極、セパレータ、負極・・・のように、セパレータを間に挟みつつ、正極と負極とが交互に複数積層されることより構成され得る。本実施形態によれば、電極群が積層型であっても、釘刺し時の温度上昇が小さくなることが期待される。
<正極>
図5は、本実施形態の正極の構成の一例を示す概略図である。正極10は、帯状のシートである。正極10は、正極集電体11と、正極合材層12とを含む。正極合材層12は、正極集電体11の表面に形成されている。正極合材層12は、正極活物質を含む。すなわち電池100は、正極活物質を担持する正極集電体11を少なくとも含む。正極10は、端子81との接続位置として、正極集電体11が正極合材層12から露出した部分を有していてもよい。
(正極集電体)
正極集電体11は、Al合金である。Al合金は、Cuを少なくとも含み、更に所望によりMgを含む。正極集電体11に含まれるMgの量α(質量%)と、正極集電体11に含まれるCuの量β(質量%)とは、以下(1)〜(3)を満たす。これら(1)〜(3)を満たすことにより、釘刺し時の温度上昇の抑制と、高温保存後における電池容量の維持とが両立された、非水電解質二次電池が得られるものと期待される。なお、Al合金に含まれるAlとしては、純粋なAl(純Al)のみではなく、たとえば、JIS1000番台のAl合金を用いてもよい。
0≦α≦1.5 ・・・(1)
2.7≦β≦5.0 ・・・(2)
3.4≦(α+β)≦5.9 ・・・(3)
上記(1)において正極集電体11に含まれるMg量α(質量%)が1.5質量%を超える場合、高温保存後における、電池容量の維持に改善の余地が生じるものと考えられる。
上記(2)において正極集電体11に含まれるCu量β(質量%)が2.7質量%未満の場合、正極集電体11の融点が十分に下がらないものと考えられる。正極集電体11の融点が十分に下がらないため、短絡時に正極集電体11の溶断に時間を要し、短絡時間が長くなると考えられる。これにより、電池100の総発熱量の低減に改善の余地が生じる(すなわち、釘刺し時における電池温度上昇の抑制に改善の余地が生じる)ものと考えられる。また、上記(2)において正極集電体11に含まれるCu量β(質量%)が5.0質量%を超える場合、高温保存後における、電池容量の維持に改善の余地が生じるものと考えられる。
上記(3)において、正極集電体11に含まれるMg量α(質量%)とCu量β(質量%)との和(以下、「α+β」とも記す)が3.4質量%未満の場合、正極集電体11の融点が十分に下がらないため、短絡時に正極集電体11の溶断に時間を要し、短絡時間が長くなると考えられる。これにより、釘刺し時における電池温度上昇の抑制に改善の余地が生じるものと考えられる。また上記(3)において、「α+β」が5.9質量%を超える場合、高温保存後における、電池容量の維持に改善の余地が生じるものと考えられる。
(被覆層)
正極集電体11の表面に、たとえば厚さ3μm以上10μm以下の厚さの被覆層を設けてもよい。当該被覆層は、たとえばアセチレンブラック(AB)等の導電材を含んでいてもよい。これにより、高温保存後において、電池容量が維持されるものと期待される。なお、本明細書の「電池容量」とは、たとえば電池100を定格充電電圧で完全充電した後、該電池100をその定格放電電圧(終止電圧)まで1Cの放電レートで放電した場合における放電容量をいう。なお、放電レート1Cとは、定格放電電圧に至るまでの時間が1時間となる放電電流[A]で放電することをいう。
(集電体の製造方法)
集電体11の製造方法は、特に限定されるべきではないが、たとえば以下の様な方法にて製造することができる。まず、純Al板と、Cuとを少なくとも含み、更に所望によりMgを含む溶湯が調製される。溶湯が凝固されることにより、たとえば板状の鋳塊が製造される。係る鋳塊に熱間圧延または冷間圧延が施されることにより、集電体11が製造され得る。集電体11の厚さは、目的とする集電体11の厚さに応じて適宜変更され得る。集電体11は、たとえば、15〜20μmの厚さを有してもよい。
(正極合材層)
正極合材層12は、正極集電体11の表面(裏表両面)に形成されている。正極合材層12は、たとえば、10〜200μmの厚さを有してもよい。正極合材層12は、たとえば、80〜98質量%の正極活物質と、1〜15質量%の導電材と、その残部のバインダとを含み得る。
正極活物質は、特に限定されるべきではない。正極活物質は、たとえば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.82Co0.15Al0.03、LiMn、LiFePO等であってもよい。1種の正極活物質が単独で使用されてもよいし、2種以上の正極活物質が組み合わされて使用されてもよい。正極活物質は、たとえば、1〜30μmの平均粒径を有してもよい。本明細書の平均粒径は、レーザ回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において、微粒側からの累積体積が全体の体積の50%になる粒径を示す。
導電材は、特に限定されるべきではない。導電材は、たとえば、アセチレンブラック(AB)、サーマルブラック、ファーネスブラック、鱗片状黒鉛、気相成長炭素繊維等であってもよい。1種の導電材が単独で使用されてもよいし、2種以上の導電材が組み合わされて使用されてもよい。
バインダも特に限定されるべきはない。バインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸(PAA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等であってもよい。1種のバインダが単独で使用されてもよいし、2種以上のバインダが組み合わされて使用されてもよい。
<負極>
図6は、本実施形態の負極の構成の一例を示す概略図である。負極20は、帯状のシートである。負極20は、負極集電体21と、負極合材層22とを含む。負極合材層22は、負極集電体21(集電体)の表面に担持されている。負極合材層22は、負極活物質を含む。すなわち電池100は、負極活物質を担持する集電体を少なくとも含む。負極20は、端子81との接続位置として、負極集電体21が負極合材層22から露出した部分を有していてもよい。
(負極集電体)
負極集電体21は、たとえば、5〜30μmの厚さを有してもよい。負極集電体21は、たとえば、Cu箔であってもよい。Cu箔は、純Cu箔であってもよいし、Cu合金箔であってもよい。負極20が、電池100内においてLiイオン(電荷担体)とAlとの反応電位よりも、高い電位を有する場合(たとえば、負極活物質がチタン酸リチウムである場合等)、前述の正極集電体11が負極集電体21として使用されてもよい。すなわち本実施形態の集電体は、負極集電体であってもよい。
(負極合材層)
負極合材層22は、負極集電体21の表面(表裏両面)に形成されている。負極合材層22は、たとえば、10〜200μmの厚さを有してもよいし、50〜150μmの厚さを有してもよい。負極合材層22は、たとえば、80〜99.5質量%の負極活物質と、0〜15質量%の導電材と、その残部のバインダとを含む。
負極活物質は、特に限定されるべきではない。負極活物質は、たとえば、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、シリコン、酸化シリコン、錫、酸化錫、チタン酸リチウム等であってもよい。1種の負極活物質が単独で使用されてもよいし、2種以上の負極活物質が組み合わされて使用されてもよい。たとえば、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素等の非晶質炭素によって、天然黒鉛が被覆された材料(「非晶質コート黒鉛」とも称される)等が使用されてもよい。負極活物質は、たとえば、1〜30μmの平均粒径を有してもよい。
導電材も特に限定されるべきではない。導電材は、たとえば、アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック等であってもよい。1種の導電材が単独で使用されてもよいし、2以上の導電材が組み合わされて使用されてもよい。なお電子伝導性が高い負極活物質(たとえば黒鉛等)が使用される場合は、導電材が使用されないこともあり得る。
バインダも特に限定されるべきではない。バインダは、たとえば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等であってもよい。1種のバインダが単独で使用されてもよいし、2種以上のバインダが組み合わされて使用されてもよい。
<セパレータ>
セパレータ30は、帯状のシートである。セパレータ30は、正極10と負極20との間に介在している。セパレータ30は、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータ30は、たとえば、9〜30μm(典型的には16μm)の厚さを有してもよい。セパレータ30は、たとえば、ポリエチレン(PE)製、ポリプロピレン(PP)製等であり得る。セパレータ30は、多層構造を有してもよい。セパレータ30は、たとえば、PP製の多孔質膜、PE製の多孔質膜、およびPP製の多孔質膜がこの順序で積層されることにより、構成されていてもよい。
セパレータ30は、その表面(片面または両面)に耐熱層を有していてもよい。耐熱層は、たとえば、3〜10μm(典型的には5μm)の厚さを有してもよい。耐熱層は、耐熱材料およびバインダを含み得る。耐熱材料は、たとえば、酸化物材料(たとえば、アルミナ、ベーマイト、チタニア、ジルコニア、マグネシア等)、樹脂材料(たとえば、アラミド、ポリイミド等)等であってもよい。バインダは、たとえばPVdF、PVdF−HFP、PTFE、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、SBR等であってもよい。耐熱層に含まれるバインダの量は、たとえば2〜30質量%(典型的には4質量%)であってもよい。
<電解液>
電池100は電解液を含み得る。電解液は、リチウム(Li)塩および溶媒を少なくとも含む。電解液は、たとえば0.5mоl/l以上2mоl/l以下のLi塩を含んでもよい。Li塩は支持電解質である。Li塩は溶媒に溶解している。Li塩は、たとえば、LiPF、LiBF、Li[N(FSO]、Li[N(CFSO]等であってもよい。1種のLi塩が単独で使用されてもよい。2種以上のLi塩が組み合わされて使用されてもよい。
溶媒は非プロトン性である。すなわち本実施形態の電解液は非水電解質である。溶媒は、たとえば環状カーボネートおよび鎖状カーボネートの混合物であってもよい。混合比は、たとえば「環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5(体積比)」であってもよい。
環状カーボネートは、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等であってもよい。1種の環状カーボネートが単独で使用されてもよい。2種以上の環状カーボネートが組み合わされて使用されてもよい。
鎖状カーボネートは、たとえば、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等であってもよい。1種の鎖状カーボネートが単独で使用されてもよい。2種以上の鎖状カーボネートが組み合わされて使用されてもよい。
溶媒は、たとえば、ラクトン、環状エーテル、鎖状エーテル、カルボン酸エステル等を含んでもよい。ラクトンは、たとえば、γ−ブチロラクトン(GBL)、δ−バレロラクトン等であってもよい。環状エーテルは、たとえば、テトラヒドロフラン(THF)、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン等であってもよい。鎖状エーテルは、1,2−ジメトキシエタン(DME)等であってもよい。カルボン酸エステルは、たとえば、メチルホルメート(MF)、メチルアセテート(MA)、メチルプロピオネート(MP)等であってもよい。
電解液は、Li塩および溶媒に加えて、各種の機能性添加剤をさらに含んでもよい。電解液は、たとえば1質量%以上5質量%以下の機能性添加剤を含んでもよい。機能性添加剤としては、たとえば、ガス発生剤(過充電添加剤)、SEI(solid electrolyte interface)膜形成剤等が挙げられる。ガス発生剤は、たとえば、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、ビフェニル(BP)等であってもよい。SEI膜形成剤は、たとえば、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、Li[B(C]、LiPO、プロパンサルトン(PS)、エチレンサルファイト(ES)等であってもよい。
なお本実施形態の電池100は、電解液(液体電解質)に代えて、ゲル電解質および固体電解質を含んでもよい。電池100は電解液に加えて、ゲル電解質および固体電解質をさらに含んでもよい。
<用途等>
本実施形態の電池100は、釘刺し時の温度上昇の抑制と、高温保存後における電池容量の維持とが両立されていると期待される。係る特性が活かされる用途としては、たとえば、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等の駆動用電源等が挙げられる。ただし本実施形態の電池100の用途は車載用途に限定されるべきではない。本実施形態の電池100はあらゆる用途に適用可能である。
以下、実施例が説明される。ただし以下の例は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<実施例1>
1.正極集電体の製造
以下の材料が準備された。
純Al板:(Mg:0.1質量%以下、Cu:0.1質量%以下、Al:99.3質量%以上)
Cu源:銅粉(Cu)
純Al板および銅粉が高周波誘導加熱により溶解された。これにより、純AlとCuとを含む溶湯が調製された。係る溶湯を凝固させることにより鋳塊を製造した。得られた鋳塊に温度600℃で10時間の均質化処理を施した後、熱間圧延によって1mmの厚みまで圧延した。その後、熱間圧延と冷間圧延とを施す事により、15μmの厚みまで圧延した。以上より正極集電体11(厚み15μm)が製造された。正極集電体11は、3.4質量%のCuを含んでいた。
2.正極の製造
以下の材料が準備された。
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)
導電材:AB
バインダ:PVdF
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
NCM、AB、PVdFおよびNMPが混合されることにより、正極ペーストが調製された。上記で得られた正極集電体11の表面(表裏両面)に、正極ペーストが塗布され、乾燥された。これにより正極合材層12が形成された。正極合材層12が圧延された。圧延後の正極合材層12は、150μmの厚さを有していた。これにより正極10が製造された。正極10が帯状に裁断された。
3.負極の製造
以下の材料が準備された。
負極活物質:非晶質コート黒鉛
バインダ:CMC、SBR
溶媒:水(イオン交換水)
負極集電体:Cu箔(厚さ:10μm)
非晶質コート黒鉛、CMC、SBRおよび水を投入し、攪拌することにより、ペースト状の負極合材(以下、「負極合材ペースト」と記載する)が調製された。負極合材ペーストにおいて固形分の配合は、質量比で「非晶質コート黒鉛:CMC:SBR=98:1:1」とされた。負極合材層用ペーストが、負極集電体21の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥された。これにより負極合材層22が形成された。以上により、負極が形成された。負極は圧延され、帯状に裁断された。負極合材層22の厚さは80μmとされた。
4.組み立て
帯状のセパレータ30が準備された。セパレータ30は16μmの厚さを有する。セパレータ30は、PP製の多孔質膜、PE製の多孔質膜、およびPP製の多孔質膜がこの順序で積層されることにより、構成されている。
正極10、セパレータ30、負極20およびセパレータ30がこの順序で積層され、さらにこれらが渦巻状に巻回されることにより、電極群50が製造された。電極群50が扁平状に成形された。成形後の電極群50の幅寸法(図3および図4におけるX軸方向の寸法)は、130mmとされた。成形後の電極群50の高さ寸法(図3および図4のZ軸方向の寸法)は、50mmとされた。電極群50に端子が接続された。電極群50が電池ケース80に収納された。
以下の組成を有する電解液が準備された。
溶媒:[EC:EMC:DMC=3:3:4]
Li塩:LiPF(1.1mоl/l)
電解液が電池ケース80に注入された。電池ケース80が密閉された。以上より、実施例1に係る電池が製造された。なお、容量比(負極容量/正極容量)は1.8であった。
<実施例2〜実施例6、比較例1〜比較例6>
下記表1に示されるように、正極集電体11における各成分の構成比率が変更されたことを除いては、実施例1と同様に電池が製造された。なお、Mg源としては、硝酸マグネシウム(Mg(NO)を用いた。
<比較例7>
AB、PTFEおよびNMPが混合され、スラリーが調製された。固形分の配合は、質量比で「AB:PTFE=50:50」とされた。該スラリーが、正極集電体11の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥された。これにより被覆層が形成された。このようにして正極集電体11の表面(表裏両面)に、厚さ5μmの該被覆層を設けたこと、および、正極集電体11における各成分の構成比率が変更されたことを除いては、実施例1と同様に電池が製造された。
<釘刺し試験>
定電流定電圧(CCCV)方式により、25℃環境下で電池が4.25Vまで充電された。その後、電池が60℃に加温された。電池に熱電対が取り付けられた。3mmの胴部径を有する釘(N釘、記号「N65」)が準備された。電池に釘が刺し込まれた。釘が刺し込まれた位置から1cm離れた位置において、電池ケースの温度が監視された。釘刺し後の最高到達温度が測定された。結果は、下記表1の「到達温度」の欄に示されている。到達温度が低いほど、釘刺し時における電池温度上昇が抑制されていることを示している。
<初期容量測定試験>
各実施例および比較例に係る電池に対して、4.25Vから3.0VまでCCCV放電を行って、初期容量[Ah]を測定した。なお、条件は以下の通りである。
CCCV放電条件:CC電流値0.3C、終止電流0.1C。
<高温保存試験>
初期容量測定試験を経た各実施例および比較例に係る電池に対して、電流値0.3Cにて4.25VまでCCCV充電にて充電した後(終止電流0.1C)、60℃に設定された恒温槽内で電池を60日間保存した。60日後、電池を取り出し、初期容量と同様にして高温保存後の電池容量を測定した。高温保存後の電池容量を初期容量で除することにより、高温保存後容量維持率を算出した。結果は表1の「高温保存後容量維持率」の欄に示されている。高温保存後容量維持率の値が大きいほど、高温保存試験後の電池容量維持率が大きいことを示す。
Figure 0006794973
<結果>
実施例1〜実施例6は、釘刺し時の温度上昇の抑制と、高温保存後における電池容量の維持とが両立されていた。
比較例1〜比較例4は、釘刺し試験時の温度上昇が大きい。正極集電体11(Al合金)に含まれるCuおよびMgの含有量が不足しているため、正極集電体11の融点が十分に下がらなかったと考えられる。そのため、釘刺し後ジュール熱による正極集電体11の溶断に時間を要し、短絡時間が長くなり、電池温度が上昇したものと考えられる。
実施例3、比較例2、比較例3および比較例6の結果から、正極集電体11に含まれるMgの量α(質量%)が1.5質量%を超えた場合には、高温保存後容量維持率に改善の余地が生じることが理解できる。
実施例1、実施例2、比較例1、比較例4および比較例5の結果から、正極集電体に含まれるMgの量α(質量%)とCuの量β(質量%)との合計が5.9質量%を超える場合には、釘刺し時の温度上昇は抑制されるものの、高温保存後容量維持率に改善の余地が生じることが理解できる。
実施例1、実施例2および比較例5と、実施例3〜実施例6との比較から、正極集電体11にCuおよびMgの両方が含まれており、かつ、正極集電体11に含まれるMgの量α(質量%)および正極集電体11に含まれるCuの量β(質量%)が、0≦α≦1.5、2.7≦β≦5.0、および、3.4≦(α+β)≦5.9を満たす場合、高温保存後における電池容量を維持しつつ、釘刺し時の温度上昇の抑制が顕著に達成されることが理解できる。
比較例5および比較例7の結果から、正極集電体11の表面に、導電材を含む被覆層を設けることにより、高温保存後容量維持率が向上することが理解できる。
上記の実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
10 正極、11 正極集電体、12 正極合材層、20 負極、21 負極集電体、22 負極合材層、30 セパレータ、50 電極群、70 釘、71 溶断部、80 電池ケース、81 端子、100 電池(非水電解質二次電池)。

Claims (1)

  1. 正極集電体と、前記正極集電体の表面に設けられた正極合材層とを有する正極を備え、
    前記正極集電体の表面に、3μm以上10μm以下の厚さの被覆層を備え、
    前記被覆層は導電剤を含み、
    前記正極集電体は、アルミニウム合金であり、
    前記アルミニウム合金は、銅を少なくとも含み、
    前記アルミニウム合金は、更に所望によりマグネシウムを含み、
    前記正極集電体に含まれるマグネシウムの量α(質量%)および前記正極集電体に含まれる銅の量β(質量%)は、以下の(1)〜(3)を満たす、非水電解質二次電池。
    0≦α≦1.5 ・・・(1)
    2.7≦β≦5.0 ・・・(2)
    3.4≦(α+β)≦5.9 ・・・(3)
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