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JP6702345B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本開示はリチウムイオン二次電池に関する。
特開2017−037776号公報(特許文献1)は、リチウムイオン二次電池の正極活物質としてニッケルコバルトマンガン酸リチウムを開示している。
特開2017−037776号公報
リチウムイオン二次電池の正極活物質としてリチウム含有金属酸化物が知られている。該正極活物質は結晶構造中に酸素を含む。釘刺し試験時、正極活物質の温度が上昇することにより、正極活物質から酸素が放出されると考えられる。正極活物質から放出された酸素は活性であり、反応性に富むと考えられる。正極活物質から放出された酸素により、各種の発熱反応が生起すると考えられる。
本開示の目的は釘刺し試験時の発熱を抑制することである。
以下本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により特許請求の範囲が限定されるべきではない。
本開示のリチウムイオン二次電池は正極、負極および電解質を少なくとも含む。正極は正極合材層を少なくとも含む。正極合材層は正極活物質およびホウ素粒子群を少なくとも含む。正極合材層にホウ素粒子群は100質量部の正極活物質に対して1質量部以上20質量部以下含まれる。ホウ素粒子群は0.1μm以上5μm以下のd50を有する。
本開示のリチウムイオン二次電池では正極合材層にホウ素粒子群が含まれている。ホウ素粒子群は実質的に単体のホウ素からなる。熱力学的な観点から、ホウ素は正極活物質(金属酸化物)よりも酸素と化合しやすいと考えられる。正極合材層にホウ素粒子群が含まれていることにより、釘刺し試験時、正極活物質から放出された酸素が速やかにホウ素と化合することが期待される。これにより釘刺し試験時の発熱が抑制されることが期待される。
ただしホウ素粒子群の含量は100質量部の正極活物質に対して1質量部以上20質量部以下である。ホウ素粒子群の含量が1質量部未満であると、発熱抑制効果が小さい可能性がある。ホウ素粒子群は電気抵抗が高い。ホウ素粒子群の含量が20質量部を超えると、無視できない程度に抵抗が増加する可能性がある。
さらにホウ素粒子群は0.1μm以上5μm以下のd50を有する。「d50」は体積基準の粒度分布において微粒側からの積算粒子体積が全粒子体積の50%になる粒径を示す。体積基準の粒度分布はレーザ回折式粒度分布測定装置により測定される。ホウ素粒子群のd50が0.1μm未満であると、粒子凝集が起こりやすくなると考えられる。粒子凝集により、正極合材層内におけるホウ素粒子群の分布にバラツキが生じ、ホウ素粒子群の存在比率が低い領域で発熱が促進される可能性がある。ホウ素粒子群のd50が5μmを超えると、個々のホウ素粒子の粒径が大きいために、ホウ素粒子群の比表面積が小さくなると考えられる。その結果、ホウ素と酸素との反応が不活発になる可能性がある。
図1は本実施形態のリチウムイオン二次電池の構成の一例を示す第1概略図である。 図2は本実施形態のリチウムイオン二次電池の構成の一例を示す第2概略図である。 図3は本実施形態の正極の構成を示す断面概念図である。
以下本開示の実施形態(本明細書では「本実施形態」と記される)が説明される。ただし以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。以下リチウムイオン二次電池が「電池」と略記され得る。
<リチウムイオン二次電池>
図1は本実施形態のリチウムイオン二次電池の構成の一例を示す第1概略図である。
電池100はリチウムイオン二次電池である。電池100はケース90を含む。ケース90はアルミラミネートフィルム製のパウチである。すなわち電池100はラミネート電池である。ただしケース90は金属製であってもよい。電池100は角形電池、円筒形電池等であってもよい。ケース90は密閉されている。正極タブ81および負極タブ82はケース90の内外を連通している。
図2は本実施形態のリチウムイオン二次電池の構成の一例を示す第2概略図である。
ケース90は電極群50および電解質(不図示)を収納している。電極群50は積層(スタック)型である。電極群50は正極10および負極20が交互にそれぞれ1枚以上積層されることにより形成されている。すなわち電池100は正極10、負極20および電解質を少なくとも含む。正極10および負極20の各間にはセパレータ30がそれぞれ配置されている。正極10の各々は正極タブ81と電気的に接続されている。負極20の各々は負極タブ82と電気的に接続されている。
電極群50は巻回型であってもよい。すなわち電極群50は正極10、セパレータ30および負極20がこの順序で積層され、さらにこれらが渦巻状に巻回されることにより形成されていてもよい。
《正極》
図3は本実施形態の正極の構成を示す断面概念図である。
正極10はシート状である。正極10は正極合材層12を少なくとも含む。正極合材層12は正極集電体11の表面に形成されていてもよい。すなわち正極10は正極集電体11をさらに含んでもよい。正極集電体11は例えばアルミニウム(Al)箔等であってもよい。正極集電体11は例えば5μm以上50μm以下の厚さを有してもよい。正極合材層12は正極集電体11の表裏両面に形成されていてもよい。
正極合材層12は正極活物質1およびホウ素粒子群2を少なくとも含む。正極合材層12がホウ素粒子群2を含むことにより、釘刺し試験時の発熱が抑制されることが期待される。正極活物質1から放出される酸素が速やかにホウ素と化合するためと考えられる。
(ホウ素粒子群)
ホウ素粒子群2はホウ素粒子の集合体(粉体)である。個々のホウ素粒子は実質的に単体のホウ素からなる。ただし釘刺し試験時に発熱抑制効果が得られる限り、個々のホウ素粒子にホウ素以外の元素が微量に含まれていてもよい。ホウ素粒子群2の含量は100質量部の正極活物質1に対して、1質量部以上20質量部以下である。ホウ素粒子群2の含量が1質量部未満であると、発熱抑制効果が小さい可能性がある。ホウ素粒子群2は電気抵抗が高い。ホウ素粒子群2の含量が20質量部を超えると、無視できない程度に抵抗が増加する可能性がある。
ホウ素粒子群2の含量は100質量部の正極活物質1に対して、例えば5質量部以上であってもよい。ホウ素粒子群2の含量は100質量部の正極活物質1に対して、例えば10質量部以下であってもよい。これらの含量範囲において、発熱抑制効果と抵抗とのバランスが向上する可能性もある。
ホウ素粒子群2は0.1μm以上5μm以下のd50を有する。ホウ素粒子群2のd50が0.1μm未満であると、粒子凝集が起こりやすくなると考えられる。粒子凝集により、正極合材層12内におけるホウ素粒子群2の分布にバラツキが生じ、ホウ素粒子群2の存在比率が低い領域で発熱が促進される可能性がある。ホウ素粒子群2のd50が5μmを超えると、個々のホウ素粒子の粒径が大きいため、ホウ素粒子群2の比表面積が小さくなると考えられる。その結果、ホウ素と酸素との反応が不活発になる可能性がある。ホウ素粒子群2のd50は正極活物質のd50よりも小さくてもよい。これにより発熱抑制効果が大きくなる可能性もある。
(正極活物質)
正極活物質1は典型的には粒子群である。正極活物質1は例えば1μm以上30μm以下のd50を有してもよい。正極活物質1はリチウムイオンを吸蔵し、放出する。正極活物質1はリチウム含有金属酸化物である。正極活物質1は例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(例えばLiMnO2、LiMn24等)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(例えばLiNi1/3Co1/3Mn1/32等)、ニッケルコバルトアルミン酸リチウム(例えばLiNi0.82Co0.15Al0.032等)等であってもよい。正極合材層12に1種の正極活物質1が単独で含まれてもよい。正極合材層12に2種以上の正極活物質1が含まれてもよい。
(導電材)
正極合材層12は導電材(不図示)をさらに含んでもよい。導電材は電子伝導性である。導電材は正極合材層12内に電子伝導経路を形成する。導電材は例えばカーボンブラック(例えばアセチレンブラック等)、黒鉛、グラフェンフレーク、炭素短繊維等であってもよい。正極合材層12に1種の導電材が単独で含まれてもよい。正極合材層12に2種以上の導電材が含まれてもよい。導電材の含量は100質量部の正極活物質1に対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。
(バインダ)
正極合材層12はバインダ(不図示)をさらに含んでもよい。バインダは正極合材層12の構成要素を結着する。バインダは正極合材層12および正極集電体11を結着する。バインダは特に限定されるべきではない。バインダは例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸(PAA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等であってもよい。正極合材層12に1種のバインダが単独で含まれてもよい。正極合材層12に2種以上のバインダが含まれてもよい。バインダの含量は100質量部の正極活物質1に対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。
《負極》
負極20はシート状である。負極20は負極合材層を少なくとも含む。負極合材層は負極集電体の表面に形成されていてもよい。すなわち負極20は負極集電体をさらに含んでもよい。負極合材層は負極集電体の表裏両面に形成されていてもよい。負極集電体は例えば銅(Cu)箔等であってもよい。負極集電体は例えば5μm以上50μm以下の厚さを有してもよい。
負極合材層は例えば10μm以上200μm以下の厚さを有してもよい。負極合材層は負極活物質を少なくとも含む。負極活物質は典型的には粒子群である。負極活物質は例えば1μm以上30μm以下のd50を有してもよい。負極活物質はリチウムイオンを吸蔵し、放出する。負極活物質は特に限定されるべきではない。負極活物質は例えば黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、珪素、酸化珪素、珪素基合金、錫、酸化錫、錫基合金、チタン酸リチウム等であってもよい。負極合材層に1種の負極活物質が単独で含まれてもよい。負極合材層に2種以上の負極活物質が含まれてもよい。
負極合材層はバインダをさらに含んでもよい。バインダは負極合材層の構成要素を結着する。バインダは負極活物質および負極集電体を結着する。バインダも特に限定されるべきではない。バインダは例えばCMCおよびスチレンブタジエンゴム(SBR)等であってもよい。バインダの含量は100質量部の負極活物質に対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。
《セパレータ》
セパレータ30は電気絶縁性である。セパレータ30は正極10および負極20の間に配置されている。正極10および負極20はセパレータ30によって互いに隔離されている。セパレータ30は多孔質膜である。セパレータ30は例えば10μm以上30μm以下の厚さを有してもよい。セパレータ30は例えばポリオレフィン製の多孔質膜等であってもよい。
セパレータ30は単層構造を有してもよい。セパレータ30は例えばポリエチレン(PE)製の多孔質膜のみから形成されていてもよい。セパレータ30は多層構造(例えば3層構造等)を有してもよい。セパレータ30は例えばポリプロピレン(PP)製の多孔質膜、PE製の多孔質膜およびPP製の多孔質膜がこの順序で積層されることにより形成されていてもよい。セパレータ30はその表面に耐熱膜を含んでもよい。耐熱膜は耐熱材料を含む。耐熱材料は例えばベーマイト等であってもよい。
《電解質》
電解質はリチウムイオン伝導体である。電解質は例えば液体電解質であってもよい。電解質は例えばゲル電解質であってもよい。電解質は例えば固体電解質であってもよい。液体電解質は例えば電解液、イオン液体等であってもよい。本明細書では一例として電解液が説明される。
電解液は支持塩および溶媒を少なくとも含む。電解液は例えば0.5mоl/L以上2mоl/L以下(0.5M以上2M以下)の支持塩を含んでもよい。支持塩は溶媒に溶解している。支持塩は、例えばLiPF6、LiBF4、Li[N(FSO22]、Li[N(CF3SO22]等であってもよい。電解液に1種の支持塩が単独で含まれてもよい。電解液に2種以上の支持塩が含まれてもよい。
溶媒は非プロトン性である。溶媒は例えば環状カーボネートおよび鎖状カーボネートの混合物であってもよい。混合比は例えば「環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5(体積比)」であってもよい。
環状カーボネートは、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等であってもよい。溶媒に1種の環状カーボネートが単独で含まれてもよい。溶媒に2種以上の環状カーボネートが含まれてもよい。
鎖状カーボネートは、例えばジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等であってもよい。溶媒に1種の鎖状カーボネートが単独で含まれてもよい。溶媒に2種以上の鎖状カーボネートが含まれてもよい。
溶媒は、例えばラクトン、環状エーテル、鎖状エーテル、カルボン酸エステル等を含んでもよい。ラクトンは、例えばγ−ブチロラクトン(GBL)、δ−バレロラクトン等であってもよい。環状エーテルは、例えばテトラヒドロフラン(THF)、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン等であってもよい。鎖状エーテルは、例えば1,2−ジメトキシエタン(DME)等であってもよい。カルボン酸エステルは、例えばメチルホルメート(MF)、メチルアセテート(MA)、メチルプロピオネート(MP)等であってもよい。
電解液は支持塩および溶媒に加えて、各種の添加剤をさらに含んでもよい。電解液は例えば0.005mоl/L以上0.5mоl/L以下の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えばガス発生剤(過充電添加剤とも称される)、SEI(solid electrolyte interface)膜形成剤、難燃剤等が挙げられる。ガス発生剤は、例えばシクロヘキシルベンゼン(CHB)、ビフェニル(BP)等であってもよい。SEI膜形成剤は、例えばビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、Li[B(C242]、LiPO22、プロパンサルトン(PS)、エチレンサルファイト(ES)等であってもよい。難燃剤は例えばリン酸エステル、ホスファゼン等であってもよい。
以下本開示の実施例が説明される。ただし以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
<リチウムイオン二次電池の製造>
《実施例1》
1.正極の製造
以下の材料が準備された。
正極活物質1:ニッケルコバルトマンガン酸リチウムの粉体
ホウ素粒子群2:ホウ素単体の粉体(d50=1μm)
導電材:アセチレンブラック
バインダ:PVdF
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン
正極集電体11:Al箔
正極活物質1、導電材、バインダ、ホウ素粒子群2および溶媒が混合されることにより正極スラリーが調製された。正極活物質1、導電材およびバインダの混合比は「正極活物質:導電材:バインダ=93:4:3(質量比)」である。ホウ素粒子群2の含量は100質量部の正極活物質1に対して1質量部である。
正極スラリーが正極集電体11の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥されることにより正極合材層12が形成された。これにより正極原反が製造された。正極原反が所定の厚さを有するように圧延された。正極原反が所定の外形寸法を有するように切断された。以上より正極10が製造された。
2.負極の製造
以下の材料が準備された。
負極活物質:黒鉛および酸化珪素
バインダ:CMCおよびSBR
溶媒:水
負極集電体:Cu箔
負極活物質、バインダおよび溶媒が混合されることにより、負極スラリーが調製された。負極活物質およびバインダの混合比は「負極活物質:バインダ=99:1(質量比)」である。負極活物質の混合比は「黒鉛:酸化珪素=95:5(質量比)」である。バインダの混合比は「CMC:SBR=1:1(質量比)」である。
負極スラリーが負極集電体の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥されることにより負極合材層が形成された。これにより負極原反が製造された。負極原反が所定の厚さを有するように圧延された。負極原反が所定の外形寸法を有するように切断された。以上より負極20が製造された。
3.組み立て
セパレータ30が準備された。セパレータ30は3層構造を有する。セパレータ30はPP製の多孔質膜、PE製の多孔質膜およびPP製の多孔質膜がこの順序で積層されることにより形成されている。
8枚の正極10と9枚の負極20とが交互に積層されることにより電極群50が形成された。正極10および負極20の各間にはセパレータ30がそれぞれ配置された。電極群50に正極タブ81および負極タブ82が取り付けられた。ケース90が準備された。ケース90はアルミラミネートフィルム製のパウチである。電極群50がケース90に収納された。
電解液が準備された。電解液は以下の成分を含む。
支持塩:LiPF6(1mоl/L)
溶媒:[EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]
電解液がケース90に注入された。ケース90が密閉された。以上より電池100(リチウムイオン二次電池)が製造された。電池100の設計容量は600mAhである。1/3Cの電流により、2.5〜4.2Vの範囲で電池100の初期充放電が実施された。これにより電池100が初期状態とされた。なお「1C」の電流では、電池100の設計容量が1時間で放電される。
《比較例1》
正極スラリーにホウ素粒子群2が混合されないことを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
《実施例2および3、比較例2および3》
下記表1に示されるように、正極合材層12におけるホウ素粒子群2の含量が変更されることを除いては、実施例1と同様に電池100がそれぞれ製造された。
《比較例5》
ホウ素粒子群2に代えて、ホウ酸の粒子群が使用されることを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
<評価>
1.直流抵抗の測定
25℃の温度環境において、電池100のSOC(state of charge)が50%に調整された。0℃の温度環境において、I1の電流により電池100が10秒間充電された。I1は0.3Cである。充電開始から10秒後の電圧が測定された。該電圧はV1とされる。
同様に0℃の温度環境において、I2の電流により電池100が10秒間充電された。I2は0.5Cである。充電開始から10秒後の電圧が測定された。該電圧はV2とされる。下記式:
直流抵抗=(V2−V1)/(I2−I1
により直流抵抗が算出された。直流抵抗はIV抵抗とも称される。直流抵抗は下記表1に示される。
2.釘刺し試験
25℃の温度環境において電池100のSOCが100%に調整された。釘が準備された。釘は3mmの胴部径を有する。ケース90(アルミラミネートフィルム)が破れない程度に、釘が電池100に押し込まれた。押し込み速度は1mm/秒である。電圧の降下が検出された時点、釘が停止された。釘の停止後、発熱の大きさが評価された。評価結果は下記表1に示される。
Figure 0006702345
<結果>
比較例1は釘刺し試験時の発熱が大きい。正極活物質1から放出された酸素により、各種の発熱反応が生起するためと考えられる。
実施例1〜4は釘刺し試験時の発熱が小さい。実施例1〜4では正極合材層12がホウ素粒子群2を含む。正極活物質1から放出された酸素がホウ素粒子群2と速やかに化合するため、発熱が抑制されていると考えられる。実施例1〜4ではホウ素粒子群2の含量が100質量部の正極活物質に対して1質量部以上20質量部以下である。実施例1〜4ではホウ素粒子群2のd50が0.1μm以上5μm以下である。
比較例2は設計容量(600mAh)を大幅に下回った。比較例2ではホウ素粒子群2の含量が20質量部を超えている。無視できない程度に抵抗が増加することにより、電池容量が低下していると考えられる。比較例2では、電池容量の低下が許容できないため、直流抵抗の測定および釘刺し試験が実施されていない。
比較例3は釘刺し試験時の発熱が大きい。比較例3ではホウ素粒子群2の含量が1質量部未満である。ホウ素粒子群2の含量が過度に少ないため、発熱抑制効果が小さいと考えられる。
比較例4は釘刺し試験時の発熱が大きい。比較例4ではホウ素粒子群2のd50が5μmを超えている。個々のホウ素粒子の粒径が大きいため、ホウ素粒子群2の比表面積が小さいと考えられる。そのためホウ素と酸素との反応が不活発になっていると考えられる。
比較例5は釘刺し試験時の発熱が大きい。比較例5ではホウ素(単体)に代えてホウ酸(ホウ素化合物の1種)が使用されている。釘刺し試験時の温度上昇により、ホウ酸は分解および脱水を経て酸化ホウ素になると考えられる。酸化ホウ素はホウ素(単体)に比して酸素と反応し難いと考えられる。そのためホウ酸によっては、ホウ素(単体)と同様の発熱抑制効果が得られないと考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
1 正極活物質、2 ホウ素粒子群、10 正極、11 正極集電体、12 正極合材層、20 負極、30 セパレータ、50 電極群、81 正極タブ、82 負極タブ、90 ケース、100 電池(リチウムイオン二次電池)。

Claims (1)

  1. 正極、負極および電解質を少なくとも含み、
    前記正極は正極合材層を少なくとも含み、
    前記正極合材層は正極活物質およびホウ素粒子群を少なくとも含み、
    前記正極合材層に前記ホウ素粒子群は100質量部の前記正極活物質に対して1質量部以上20質量部以下含まれ、かつ
    前記ホウ素粒子群は0.1μm以上5μm以下のd50を有する、
    リチウムイオン二次電池。
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