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JP6782106B2 - 改質装置 - Google Patents

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Description

本明細書によって開示される技術は、改質装置に関する。
炭化水素(例えばメタン)を含む燃料ガスから一酸化炭素と水素とを含む改質ガスを生成する改質装置が知られている。改質装置は、例えば、燃料電池に供給する水素を得るために、あるいは、水素および一酸化炭素をさらに炭化水素転換することによって液体炭化水素燃料を製造する技術(GTL(Gas to Liquid)と呼ばれる)のために利用される。
炭化水素の改質技術の1つとして、炭化水素と水との反応(C+nHO→nCO+(n+m/2)H)を利用する水蒸気改質がある。水蒸気改質は、反応が安定して進行しやすいという利点を有するため、広く利用されている。しかし、水蒸気改質反応は吸熱反応であり、反応の進行のために改質装置を加熱する必要があるため、効率が低いという問題がある。
炭化水素の改質技術の他の1つとして、部分酸化改質反応(C+(n/2)O→nCO+(m/2)H)を利用する部分酸化改質がある。部分酸化改質反応は、発熱反応であるため、改質装置を加熱する必要はない。しかし、部分酸化改質のために改質装置に酸素を含む空気を供給すると、空気中に含まれる窒素を改質装置の運転温度まで加熱するためのエネルギーが必要となり、その分だけ効率が低くなるという問題がある。
従来、酸素透過膜を用いて空気から酸素を選択的に取り出し、取り出された酸素を部分酸化改質に利用する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。酸素透過膜は、酸化物イオン伝導性と電子伝導性または正孔伝導性とを有し、酸素透過膜により隔離された第1の空間と第2の空間との間の酸素分圧差を駆動力として、第1の空間から第2の空間へと酸素を透過させる膜である。酸素透過膜を備える改質装置において、第1の空間としての空気室に空気を供給すると共に第2の空間としての燃料室に炭化水素を含む燃料ガスを供給すると、空気室に供給された空気中の酸素が酸素透過膜を透過して燃料室へと進入し、燃料室において炭化水素と酸素との部分酸化改質反応が生じ、これにより炭化水素が改質される。このような酸素透過膜を備える改質装置では、窒素を加熱するためのエネルギーが不要であるため、高い効率を実現することができる。
特表2001−518014号公報
酸素透過膜を透過する酸素の量は、酸素透過膜により隔離された2つの空間(空気室および燃料室)の酸素分圧差に応じて変化する。上記従来の酸素透過膜を備える改質装置では、燃料室内で部分酸化改質反応が起こることによってガス組成が変化するため、燃料室内の各位置で酸素分圧が異なり得る。例えば、燃料室内におけるガスの出口側に近い部分では、ガスの入口側に近い部分と比較して、炭化水素の改質が進んでいるために酸素分圧が高くなり、その結果、空気室との間の酸素分圧差が小さくなって酸素透過膜を透過する酸素の量が少なくなる。このように、酸素透過膜を備える改質装置では、酸素分圧差に応じて酸素透過膜を透過する酸素の量が変化するため、酸素の透過量を制御することは困難である。酸素透過膜を透過する酸素の量が変化すると、燃料室内での部分酸化改質反応の量が変化し、その結果、生成される改質ガスの組成も変化する。従って、従来の酸素透過膜を備える改質装置では、改質ガスの組成の安定化の点で向上の余地がある。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される改質装置は、炭化水素と酸素との部分酸化改質反応を利用して、炭化水素を含む燃料ガスから一酸化炭素と水素とを含む改質ガスを生成する改質装置において、酸化物イオン伝導性と、電子伝導性または正孔伝導性と、を有し、第1の空間と第2の空間との間に配置され、前記第1の空間と前記第2の空間との間の酸素分圧差を駆動力として前記第1の空間から前記第2の空間へと酸素を透過させる酸素透過膜と、前記第2の空間に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、前記第2の空間から排出される前記改質ガスの酸素分圧が、下限値Pmin以上、かつ、上限値Pmax以下の所定の範囲内になるように、前記第2の空間における部分酸化改質反応の反応量を制御する制御部と、を備える。本改質装置によれば、改質ガスの酸素分圧に基づく簡便な制御により、改質ガスの酸素分圧が過剰に低くなることに伴って改質ガス中に含まれる炭化水素の量が増加し、改質装置の効率が低下することを抑制しつつ、改質ガスの酸素分圧が過剰に高くなることに伴って改質ガスの組成が良好でないものとなることを抑制することができる。従って、本改質装置によれば、改質ガス中に含まれる炭化水素の量を抑制することによって効率の低下を抑制しつつ、改質ガスの組成を安定的に水素や一酸化炭素の含有比率が高い良好な組成とすることができる。
(2)上記改質装置において、前記上限値Pmaxは、前記改質ガスに占める水素の体積比率と水の体積比率との合計に対する水素の体積比率の比である水素選択性(%)が予め設定された第1の基準値以上になるという第1の条件と、前記改質ガスに占める一酸化炭素の体積比率と二酸化炭素の体積比率との合計に対する一酸化炭素の体積比率の比である一酸化炭素選択性(%)が予め設定された第2の基準値以上になるという第2の条件と、の少なくとも一方が満たされるように設定された値である構成としてもよい。本改質装置によれば、改質ガスの組成を、安定的に、水素選択性と一酸化炭素選択性との少なくとも一方が高い良好な組成とすることができる。
(3)上記改質装置において、前記第1の基準値は、95(%)である構成としてもよい。本改質装置によれば、改質ガスの組成を、安定的に、水素選択性が95(%)以上と非常に高い良好な組成とすることができる。
(4)上記改質装置において、前記第2の基準値は、96(%)である構成としてもよい。本改質装置によれば、改質ガスの組成を、安定的に、一酸化炭素選択性が96(%)以上と非常に高い良好な組成とすることができる。
(5)上記改質装置において、前記下限値Pminは、前記燃料ガスに含まれる炭化水素の量である炭化水素投入量に対する、前記炭化水素投入量と前記改質ガスに含まれる炭化水素の量との差である炭化水素消費量の比である炭化水素転化率(%)が、予め設定された第3の基準値以上となるという第3の条件が満たされるように設定された値である構成としてもよい。本改質装置によれば、安定的に炭化水素転化率を高くして効率を向上させることができる。
(6)上記改質装置において、前記第3の基準値は、75(%)である構成としてもよい。本改質装置によれば、安定的に炭化水素転化率が75(%)以上と非常に効率の高い改質装置を実現することができる。
(7)上記改質装置において、前記制御部は、前記燃料ガス供給部による前記第2の空間への前記燃料ガスの供給量を制御することにより、前記第2の空間における部分酸化改質反応の反応量を制御する構成としてもよい。本改質装置によれば、簡便な制御により、第2の空間における部分酸化改質反応の反応量を制御することができ、効率の低下を抑制しつつ、改質ガスの組成を安定的に良好な組成とすることができる。
(8)上記改質装置において、前記下限値Pminは、1000℃において1×10−23(atm)であり、前記上限値Pmaxは、1000℃において1×10−17(atm)である構成としてもよい。本改質装置によれば、第2の空間から排出される改質ガスの酸素分圧が1×10−23(atm)以上、かつ、1×10−17(atm)以下の範囲内になるように、第2の空間における部分酸化改質反応の反応量を制御することにより、改質ガス中に含まれる炭化水素の量を抑制することによって効率の低下を抑制しつつ、改質ガスの組成を安定的に水素や一酸化炭素の含有比率が高い良好な組成とすることができる。
(9)上記改質装置において、前記下限値Pminは、1000℃において1×10−22(atm)であり、前記上限値Pmaxは、1000℃において1×10−19(atm)である構成としてもよい。本改質装置によれば、第2の空間から排出される改質ガスの酸素分圧が1×10−22(atm)以上、かつ、1×10−19(atm)以下の範囲内になるように、第2の空間における部分酸化改質反応の反応量を制御することにより、改質ガス中に含まれる炭化水素の量を抑制することによって効率の低下を効果的に抑制しつつ、改質ガスの組成を安定的に水素や一酸化炭素の含有比率が非常に高い良好な組成とすることができる。
(10)上記改質装置において、前記燃料ガス中の炭化水素全体に占めるメタンの体積比率(%)は50(%)以上である構成としてもよい。本改質装置によれば、このような燃料ガスを用いて、第2の空間から排出される改質ガスの酸素分圧が上記範囲内になるように、第2の空間における部分酸化改質反応の反応量を制御することにより、改質ガス中に含まれる炭化水素の量を抑制することによって効率の低下を抑制しつつ、改質ガスの組成を安定的に水素や一酸化炭素の含有比率が高い良好な組成とすることができる。
(11)上記改質装置において、さらに、前記第2の空間から排出される前記改質ガスの酸素分圧を測定する酸素センサを備える構成としてもよい。本改質装置によれば、簡便な手段で改質ガスの酸素分圧を測定することができる。
(12)上記改質装置において、前記酸素センサは、酸化物イオン伝導体であるジルコニアに発生する起電力に基づき前記改質ガスの酸素分圧を測定するセンサである構成としてもよい。本改質装置によれば、簡便な手段で精度良く改質ガスの酸素分圧を測定することができる。
(13)上記改質装置において、前記制御部は、前記改質ガスに占める水素と一酸化炭素と炭化水素とのそれぞれの体積比率(%)の合計が95(%)以上となるように、前記第2の空間における部分酸化改質反応の反応量を制御する構成としてもよい。本改質装置によれば、改質ガスの組成を、安定的に、水や二酸化炭素の含有比率が低い良好な組成とすることができる。
(14)上記改質装置において、前記制御部は、前記改質ガスに占める一酸化炭素の体積比率(%)に対する水素の体積比率(%)の比が、1.9以上、2.1以下になるように、前記第2の空間における部分酸化改質反応の反応量を制御する構成としてもよい。本改質装置によれば、改質ガスの組成を、安定的に、例えばFischer−Tropsch反応過程で合成する飽和炭化水素に必要となる原料ガスの水素−一酸化炭素比とほぼ同じ組成とすることができる。
(15)上記改質装置において、前記燃料ガス中の炭化水素はメタンであることを特徴とする構成としてもよい。本改質装置によれば、メタンを含む燃料ガスを用いて、第2の空間から排出される改質ガスの酸素分圧が上記範囲内になるように、第2の空間における部分酸化改質反応の反応量を制御することにより、改質ガス中に含まれる炭化水素の量を抑制することによって効率の低下を抑制しつつ、改質ガスの組成を安定的に水素や一酸化炭素の含有比率が高い良好な組成とすることができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、改質装置、改質装置の制御方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態の改質装置10の構成を概略的に示す説明図である。 酸素透過膜構造体110の詳細構成を示す説明図である。 酸素透過膜構造体110の詳細構成を示す説明図である。 改質装置10の燃料流量制御の流れを示すフローチャートである。 評価用の改質装置300の構成を概略的に示す説明図である。 性能評価結果を示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.装置の構成:
図1は、本実施形態の改質装置10の構成を概略的に示す説明図である。図1には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとする。図2以降についても同様である。
改質装置10は、炭化水素を含む燃料ガスFGから、一酸化炭素と水素とを含む改質ガスRGを生成する装置である。改質装置10は、燃料ガス供給部210と、燃料ガス供給配管220と、反応部100と、改質ガス排出配管230と、酸素センサ240と、制御部250とを備える。
燃料ガス供給部210は、燃料ガスFGを反応部100に向けて供給するための装置である。燃料ガス供給部210は、ガス源211と、流量調整部212とを備えている。ガス源211は、例えば、燃料ガスFGを貯蔵するガスボンベまたはガスタンク、もしくは、燃料ガスFGが供給される燃料ラインに接続される接続流路等により構成されている。また、流量調整部212は、例えば、流量調整弁により構成されており、ガス源211から供給される燃料ガスFGの流量を調整する。なお、燃料ガス供給部210により供給される燃料ガスFGは、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等の炭化水素を含んでいる。燃料ガスFGは、1種類の炭化水素を含むとしてもよいし、複数種類の炭化水素を含むとしてもよい。また、燃料ガスFGは、炭化水素以外のガス(例えば二酸化炭素)を含んでいてもよい。
燃料ガス供給配管220は、燃料ガス供給部210と反応部100とを接続する配管であり、反応部100の一方の端部に接続されている。また、改質ガス排出配管230は、反応部100において生成された改質ガスRGを取り出すための配管であり、反応部100の他方の端部に接続されている。
反応部100は、燃料ガスFGの改質のための改質反応を生じさせる部分である。反応部100は、酸素透過膜構造体110と、供給側接続管121と、排出側接続管122と、収容管130とを備える。
収容管130は、略円筒形状の部材であり、例えばガラス管により構成されている。収容管130の内部空間には、酸素透過膜構造体110が収容されている。収容管130の内部空間における酸素透過膜構造体110の外周側の部分は、空気室S1を構成している。空気室S1には、例えば送風機(不図示)により空気(AIR)が供給される。空気室S1は、特許請求の範囲における第1の空間に相当する。
酸素透過膜構造体110は、略円筒形状の部材である。酸素透過膜構造体110の内部の空間は、燃料室S2を構成している。酸素透過膜構造体110の構成については、後に詳述する。燃料室S2は、特許請求の範囲における第2の空間に相当する。
供給側接続管121は、酸素透過膜構造体110の一方の端部に接続されており、燃料ガス供給部210から燃料ガス供給配管220を介して供給された燃料ガスFGを、酸素透過膜構造体110内の燃料室S2へと導く。排出側接続管122は、酸素透過膜構造体110の他方の端部に接続されており、酸素透過膜構造体110内の燃料室S2から排出された改質ガスRGを、改質ガス排出配管230へと導く。供給側接続管121および排出側接続管122は、例えば、ジルコニアにより構成されている。
図2および図3は、酸素透過膜構造体110の詳細構成を示す説明図である。図2には、図1のII−IIの位置における酸素透過膜構造体110のYZ断面構成が示されており、図3には、図2のIII−IIIの位置における酸素透過膜構造体110のXZ断面構成が示されている。上述したように、酸素透過膜構造体110は、略円筒形状の部材である。図2および図3に示すように、酸素透過膜構造体110は、支持体114と、燃料極112と、酸素透過膜111と、空気極113とから構成されている。支持体114は、酸素透過膜構造体110の最内周側(燃料室S2に面する側)に配置されており、そこから外周側(空気室S1に面する側)に向けて順に、燃料極112と、酸素透過膜111と、空気極113とが積層されている。
支持体114は、多孔質の略円筒形状部材であり、酸素透過膜111を構成する他の層(燃料極112、酸素透過膜111、空気極113)を支持する。支持体114は、例えば、安定化ジルコニア等により形成される。
空気極113は、多孔質の略円筒形状部材であり、空気室S1に供給された空気中の酸素をイオン化させる反応(1/2O+2e→O2−)を促進する触媒層として機能する。空気極113は、例えば、La0.8Sr0.2MnOやLa0.8Sr0.2CrOのような複合酸化物等により形成される。
酸素透過膜111は、酸化物イオン伝導性と電子伝導性または正孔伝導性とを有するガス不透過性の略円筒形状の膜である。なお、以下の説明では、電子伝導性と正孔伝導性とをまとめて電気伝導性という。酸素透過膜111は、酸素透過膜111により隔離された空気室S1と燃料室S2との間の酸素分圧差を駆動力として、高酸素分圧側の空気室S1から低酸素分圧側の燃料室S2へと酸素を選択的に透過させる。酸素透過膜111は、例えば、酸化物イオン伝導性を有する物質(以下、「酸化物イオン伝導体」という)と、電気伝導性を有する物質(以下、「電気伝導体」という)との混合物により形成される。なお、酸素透過膜111は、酸化物イオン伝導性と電気伝導性との両方を備える物質(以下、「混合伝導体」という)により形成されてもよい。また、酸素透過膜111は、酸化物イオン伝導体と電気伝導体との少なくとも一方と、混合伝導体との混合物により形成されてもよい。
なお、酸化物イオン伝導体としては、例えば、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア、セリア系固溶体等を用いることができる。電気伝導体としては、例えば、ペロブスカイト構造を有する酸化物、スピネル型結晶構造を有するフェライト、貴金属等の金属材料等を用いることができる。混合伝導体としては、例えば、LaGaO系化合物において、SrをLaサイトに添加すると共にFeをGaサイトに添加したペロブスカイト構造を有するLSGF系酸化物、SrCoO系化合物において、BaをSrサイトに添加すると共にFeをCoサイトに添加したペロブスカイト構造を有するBSCF系酸化物、層状ペロブスカイト構造を有する酸化物、蛍石型構造を有する酸化物、オキシアパタイト構造を有する酸化物、メリライト構造を有する酸化物等を用いることができる。
燃料極112は、多孔質の略円筒形状部材であり、燃料室S2から多孔質部材である支持体114内を通って供給された燃料ガスFG中の炭化水素と、酸素透過膜111を透過してきた酸素(酸化物イオン)との部分酸化改質反応(C+nO2−→nCO+(m/2)H+2ne)を促進する触媒層として機能する。燃料極112は、例えば、ペロブスカイト構造を有するLaCrO系酸化物であって、SrをLaサイトに添加すると共に、NiをCrサイトに添加した複合酸化物等により形成される。
酸素センサ240(図1)は、改質ガス排出配管230に取り付けられており、酸素透過膜構造体110の燃料室S2から排出される改質ガスRGの酸素分圧Pxを測定するセンサである。本実施形態では、酸素センサ240として、ジルコニア式酸素センサが用いられる。ジルコニア式酸素センサは、酸化物イオン伝導体であるジルコニアに発生する起電力に基づきガスの酸素分圧を測定するセンサであり、酸素分圧を精度良く測定することができる。なお、酸素センサ240(ジルコニア式酸素センサ)の出力電圧と改質ガスRGの酸素分圧Pxとの関係は、以下の式(1)により表される。
E=−(R・Ts/4F)ln{Px/Po}・・・(1)
(ただし、Px:改質ガスRGの酸素分圧、Po:空気が導入されるガスの酸素分圧(=0.21atm)、R:気体定数、F:ファラデー定数、Ts:センサ測定温度(絶対温度)、E:起電力)
なお、改質ガスRGの酸素分圧Pxは温度に変わり得る。上記式(1)におけるPxは、反応式
O+CO⇔H+CO+O
のセンサ測定温度Tsにおける平衡定数をKsとしたとき、以下の式(2)により表される。
Px={([HO]×[CO])/([H]×[CO])}×Ks・・・(2)
また、基準温度1000℃における酸素分圧Px(1000)は、上記反応式の基準温度1000℃における平衡定数K(1000)を用いて、以下の式(3)により表される。
Px(1000)=Px・K(1000)/Ks・・・(3)
ここで、任意の温度Tにおける平衡定数K(T)はエンタルピー変化ΔH(T)、エントロピー変化ΔS(T)を用いて、以下の式(4)により表される。
K(T)=exp(−(ΔH(T)−T・ΔS(T))/(R・T))・・・(4)
なお、ΔH(T)およびΔS(T)は、電気化学便覧(丸善出版、第6版)等に記載されている定圧モル熱容量Cp(T)から算出すればよい。
制御部250(図1)は、例えばCPUと記憶部とを備えるコンピュータにより構成されており、改質装置10の制御を行う。例えば、制御部250は、酸素センサ240から改質ガスRGの酸素分圧Pxを示す酸素分圧信号Spを取得し、酸素分圧信号Spに基づき燃料ガスFGの供給量を設定し、燃料ガス供給部210に対して燃料ガスFGの供給量を指示する供給量指令信号Sfを送信する燃料供給量制御を実行する。燃料供給量制御については、後に詳述する。
A−2.改質装置10の動作:
改質装置10において、空気室S1に空気が供給されると、空気室S1に面する空気極113の触媒効果により、空気中の酸素をイオン化させる反応(1/2O+2e→O2−)が起こる。この反応により生じた酸化物イオンは、酸化物イオン伝導性を有する酸素透過膜111内を燃料室S2側へと移動する(図3参照)。
また、燃料ガス供給部210から燃料ガス供給配管220を介して反応部100に燃料ガスFGが供給されると、供給された燃料ガスFGは、供給側接続管121を介して酸素透過膜構造体110の内部の燃料室S2に進入する。燃料室S2に進入した燃料ガスFGが多孔質部材である支持体114の内部を通って燃料極112に至ると、燃料極112の触媒効果により、燃料ガスFG中の炭化水素と酸素透過膜111を透過してきた酸素(酸化物イオン)との部分酸化改質反応(C+nO2−→nCO+(m/2)H+2ne)が起こる。この反応により、炭化水素を含む燃料ガスFGが、水素と一酸化炭素とを含む改質ガスRGに改質される。なお、部分酸化改質反応により生じた電子は、電気伝導性を有する酸素透過膜111内を空気室S1側へと移動し、上述した酸素のイオン化反応に供される(図3参照)。
反応部100において生成された改質ガスRGは、排出側接続管122を介して、改質ガス排出配管230から取り出される。取り出された改質ガスRG(水素および一酸化炭素を含むガス)は、例えば、燃料電池における発電に利用されたり、水素および一酸化炭素をさらに炭化水素転換することによって液体炭化水素燃料を製造するGTLに利用されたりする。
A−3.改質装置10の燃料流量制御:
改質装置10の燃料室S2では、上述した炭化水素の部分酸化改質反応の他に、完全酸化反応(C+(n+m/4)O→(m/2)HO+nCO)も起こり得る(便宜上、炭化水素と酸素との反応で表す)。そのため、改質装置10により生成される改質ガスRGには、水素および一酸化炭素に加えて、水および二酸化炭素も含まれ得る。改質ガスRGにおける水および二酸化炭素の濃度が高くなると、その分、燃料電池やGTLに利用することができる水素および一酸化炭素の濃度が低下するため、好ましくない。なお、以下の説明では、改質ガスRGに占める水素の体積比率と水の体積比率との合計に対する、水素の体積比率の比を、水素選択性SP1(%)と呼ぶ。また、改質ガスRGに占める一酸化炭素の体積比率と二酸化炭素の体積比率との合計に対する、一酸化炭素の体積比率の比を、一酸化炭素選択性SP2(%)と呼ぶ。水素選択性SP1および一酸化炭素選択性SP2は、共に高いことが好ましい。
本願発明者は、水素選択性SP1および一酸化炭素選択性SP2を高めるためには、改質装置10の燃料室S2に供給される炭化水素の量を、空気室S1から酸素透過膜111を透過して燃料室S2に供給される酸素の量から求められる部分酸化改質反応の量論量に対し、やや多い量とすることが重要であることを見出した。これは、熱力学的平衡上、燃料室S2における炭化水素の存在量が量論量より多いと、余剰分の炭化水素が水および二酸化炭素と反応し、水素および一酸化炭素が生成されるからであると考えられる。ただし、炭化水素の量が過剰であると、燃料室S2に供給された炭化水素の内、反応に供されずに燃料室S2から排出される炭化水素の量が多くなり、改質装置10の効率が低下するため、好ましくない。以下の説明では、炭化水素投入量(燃料ガスFGに含まれる炭化水素の量)に対する、炭化水素消費量(炭化水素投入量と改質ガスRGに含まれる炭化水素の量との差)の比を、炭化水素転化率IR(%)と呼ぶ。炭化水素転化率IRが高いほど、改質装置10の効率が高いこととなるため、好ましい。
本願発明者は、以下に説明する改質装置10の燃料流量制御を実行することにより、水素選択性SP1および一酸化炭素選択性SP2の向上と、炭化水素転化率IRの向上との両立を、簡便にかつ安定的に実現することができることを見出した。以下、改質装置10の燃料流量制御について説明する。
図4は、改質装置10の燃料流量制御の流れを示すフローチャートである。はじめに、改質装置10の制御部250は、燃料ガス供給部210に燃料ガスFGの供給を開始させる(S110)。次に、制御部250は、酸素センサ240から酸素分圧信号Spを取得し、酸素分圧信号Spに基づき改質ガスRGの酸素分圧Pxを特定する(S120)。
次に、制御部250は、特定された改質ガスRGの酸素分圧Pxが予め設定された適正範囲内であるか否かを判定し、改質ガスRGの酸素分圧Pxが適正範囲外であると判定された場合に燃料ガスFGの供給量を変更する処理を行う(S130〜S160)。ここで、改質ガスRGの酸素分圧Pxの上記適正範囲は、水素選択性SP1および一酸化炭素選択性SP2の向上と、炭化水素転化率IRの向上とを両立させることができるように設定されている。
より詳細には、上記適正範囲の上限値Pmaxは、水素選択性SP1が予め設定された第1の基準値Th1以上になるという第1の条件と、一酸化炭素選択性SP2が予め設定された第2の基準値Th2以上になるという第2の条件と、の両方が満たされるように設定されている。改質ガスRGの酸素分圧Pxが高すぎる状態は、燃料室S2に供給される炭化水素の量が少ないために、燃料室S2における部分酸化改質反応の反応量が少ない状態である。また、この状態では、燃料室S2において生じた水および二酸化炭素の多くが炭化水素と反応することなくそのまま燃料室S2から排出され、水素選択性SP1および一酸化炭素選択性SP2が低くなっている。そのため、適正範囲の上限値Pmaxを定めることにより、水素選択性SP1および一酸化炭素選択性SP2が高い状態を維持することができる。第1の基準値Th1は、95(%)に設定されることが好ましく。第2の基準値Th2は、96(%)に設定されることが好ましい。また、適正範囲の上限値Pmaxは、基準温度1000℃換算で、1×10−17(atm)に設定されることが好ましく、1×10−19(atm)に設定されることがさらに好ましい。
また、上記適正範囲の下限値Pminは、炭化水素転化率IRが予め設定された第3の基準値Th3以上となるという第3の条件が満たされるように設定されている。改質ガスRGの酸素分圧Pxが低すぎる状態は、燃料室S2に供給される炭化水素の量が多いために、燃料室S2における部分酸化改質反応の反応量が多い状態である。また、この状態では、燃料室S2に供給された炭化水素の多くがそのまま燃料室S2から排出され、炭化水素転化率IRが低くなっている。そのため、適正範囲の下限値Pminを定めることにより、炭化水素転化率IRが高い状態を維持することができる。第3の基準値Th3は、60(%)に設定されることが好ましく、75(%)に設定されることがさらに好ましい。また、適正範囲の下限値Pminは、基準温度1000℃換算で、1×10−23(atm)に設定されることが好ましく、1×10−22(atm)に設定されることがさらに好ましい。
改質ガスRGの酸素分圧Pxに応じた燃料ガスFGの供給量の変更処理の具体的内容は以下の通りである。制御部250は、改質ガスRGの酸素分圧Pxが上記適正範囲の下限値Pminより低いか否かを判定し(S130)、改質ガスRGの酸素分圧Pxが適正範囲の下限値Pminより低いと判定した場合には(S130:YES)、燃料ガス供給部210に燃料ガスFGの供給量を減らすように指示する(S140)。これにより、燃料室S2に供給される炭化水素の量が少なくなり、その結果、燃料室S2における部分酸化改質反応の反応量が少なくなって改質ガスRGの酸素分圧Pxが高くなると共に、燃料室S2から排出される炭化水素の量が少なくなって炭化水素転化率IRが高くなる。その後、制御部250は、所定時間の経過を待ち(S170)、所定時間が経過すると(S170:YES)、上述したS120の処理を再度実行する。
また、制御部250は、改質ガスRGの酸素分圧Pxが上記適正範囲の下限値Pmin以上であると判定した場合には(S130:NO)、改質ガスRGの酸素分圧Pxが上記適正範囲の上限値Pmaxより高いか否かを判定し(S150)、改質ガスRGの酸素分圧Pxが適正範囲の上限値Pmaxより高いと判定した場合には(S150:YES)、燃料ガス供給部210に燃料ガスFGの供給量を増やすように指示する(S160)。これにより、燃料室S2に供給される炭化水素の量が多くなり、その結果、燃料室S2における部分酸化改質反応の反応量が多くなって改質ガスRGの酸素分圧Pxが低くなると共に、余剰分の炭化水素が水および二酸化炭素と反応して水素および一酸化炭素が生成され、水素選択性SP1および一酸化炭素選択性SP2が高くなる。その後、制御部250は、所定時間の経過を待ち(S170)、所定時間が経過すると(S170:YES)、上述したS120の処理を再度実行する。
制御部250は、改質ガスRGの酸素分圧Pxが上記適正範囲内であると判定した場合には(S130:NO、かつ、S150:NO)、上述した燃料ガスFGの供給量の変更処理(S140,S160)を実行しない。この場合には、制御部250は、改質装置10の運転終了指示を受け取ったか否かを判定し(S180)、運転終了指示を受け取っていないと判定した場合には(S180:NO)、所定時間の経過を待って(S170:YES)、上述したS120の処理を再度実行する。制御部250は、運転終了指示を受け取ったと判定した場合には(S180:YES)、燃料流量制御処理を終了する。
A−4.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の改質装置10は、酸素透過膜111と燃料ガス供給部210と制御部250とを備える。酸素透過膜111は、酸化物イオン伝導性と、電子伝導性または正孔伝導性と、を有し、空気室S1と燃料室S2との間に配置され、空気室S1と燃料室S2との間の酸素分圧差を駆動力として空気室S1から燃料室S2へと酸素を透過させる。また、燃料ガス供給部210は、燃料室S2に燃料ガスFGを供給する。また、制御部250は、燃料室S2から排出される改質ガスRGの酸素分圧Pxが、予め設定された下限値Pmin以上、かつ、上限値Pmax以下の適正範囲内になるように、燃料室S2における部分酸化改質反応の反応量を制御する。そのため、本実施形態の改質装置10によれば、改質ガスRGの酸素分圧Pxに基づく簡便な制御により、改質ガスRGの酸素分圧Pxが過剰に低くなることに伴って改質ガスRG中に含まれる炭化水素の量が増加し、改質装置10の効率が低下することを抑制しつつ、改質ガスRGの酸素分圧Pxが過剰に高くなることに伴って改質ガスRGの組成が良好でないものとなることを抑制することができる。従って、本実施形態の改質装置10によれば、改質ガスRG中に含まれる炭化水素の量を抑制することによって効率の低下を抑制しつつ、改質ガスRGの組成を安定的に水素や一酸化炭素の含有比率が高い良好な組成とすることができる。
より具体的には、本実施形態の改質装置10では、制御部250は、燃料ガス供給部210による燃料室S2への燃料ガスFGの供給量を制御することにより、燃料室S2における部分酸化改質反応の反応量を制御する。そのため、本実施形態の改質装置10によれば、簡便な制御により、燃料室S2における部分酸化改質反応の反応量を制御することができ、効率の低下を抑制しつつ、改質ガスの組成を安定的に良好な組成とすることができる。
また、本実施形態の改質装置10では、改質ガスRGの酸素分圧Pxの適正範囲の上限値Pmaxは、水素選択性SP1が予め設定された第1の基準値Th1以上になるという第1の条件と、一酸化炭素選択性SP2が予め設定された第2の基準値Th2以上になるという第2の条件と、の両方が満たされるように設定された値である。そのため、本実施形態の改質装置10によれば、改質ガスRGの組成を、安定的に、水素選択性SP1および一酸化炭素選択性SP2の高い良好な組成とすることができる。
なお、第1の基準値Th1は95(%)であることが好ましい。このようにすれば、改質ガスRGの組成を、水素選択性SP1が95(%)以上と非常に高い良好な組成とすることができる。また、第2の基準値Th2は96(%)であることが好ましい。このようにすれば、改質ガスRGの組成を、安定的に、一酸化炭素選択性SP2が96(%)以上と非常に高い良好な組成とすることができる。
また、本実施形態の改質装置10では、改質ガスRGの酸素分圧Pxの適正範囲の下限値Pminは、炭化水素転化率IRが予め設定された第3の基準値Th3以上となるという第3の条件が満たされるように設定された値である。そのため、本実施形態の改質装置10によれば、安定的に炭化水素転化率IRを高くして効率を向上させることができる。
なお、第3の基準値Th3は75(%)であることが好ましい。このようにすれば、安定的に炭化水素転化率IRが75(%)以上と非常に効率の高い改質装置10を実現することができる。
また、本実施形態の改質装置10は、燃料室S2から排出される改質ガスRGの酸素分圧Pxを測定する酸素センサ240を備えるため、簡便な手段で改質ガスRGの酸素分圧Pxを測定することができる。また、本実施形態の改質装置10では、酸素センサ240は、酸化物イオン伝導体であるジルコニアに発生する起電力に基づき改質ガスRGの酸素分圧Pxを測定するジルコニア式酸素センサであるため、簡便な手段で精度良く改質ガスRGの酸素分圧Pxを測定することができる。
なお、上記実施形態において、制御部250は、改質ガスRGに占める水素と一酸化炭素と炭化水素とのそれぞれの体積比率の合計が95(%)以上となるように、燃料室S2における部分酸化改質反応の反応量を制御することが好ましい。このようにすれば、改質ガスRGの組成を、安定的に、水や二酸化炭素の含有比率が低い良好な組成とすることができる。
また、上記実施形態において、制御部250は、改質ガスRGに占める一酸化炭素の体積比率に対する水素の体積比率の比(以下、「H/CO比Rhc」という)が、1.9以上、2.1以下になるように、燃料室S2における部分酸化改質反応の反応量を制御することが好ましい。このようにすれば、改質ガスRGの組成を、安定的に、例えばFischer−Tropsch反応過程で合成する飽和炭化水素に必要となる原料ガスの水素−一酸化炭素比とほぼ同じ組成とすることができる。
A−5.性能評価:
酸素透過膜を備える改質装置の性能評価を行うため、評価用の改質装置300を作成し、改質装置300を種々の条件で運転したときの改質ガスRGの特性を調べることによって性能評価を行った。はじめに、評価用の改質装置300について説明する。
(酸素透過膜構造体の作製)
酸素透過膜用の原料粉末として、酸化ランタン(La)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、および酸化クロム(Cr)の粉末を準備し、これらの原料粉末を、金属元素の割合がLa0.8Sr0.2CrO3−zの組成式となる比率で秤量した。なお、組成式中のzは、酸素の欠損量を表す酸素不定比である(以下同様)。これらの原料粉末にエタノールを加え、セラミックスボールと樹脂ポットを用いて15時間、湿式混合粉砕を行なった。その後、湯煎乾燥してエタノールを除去し、得られた混合粉末を1500℃で24時間仮焼成して、仮焼粉末であるLa0.8Sr0.2CrO3−zの粉末を得た。
さらに、市販のScSZ(Sc0.1Ce0.01Zr0.89)の粉末とLa0.8Sr0.2CrO3−zとの混合物におけるLa0.8Sr0.2CrO3−zの混合割合が30(vol%)となるように、上述した仮焼粉末を含む粉末をScSZに混合し、ScSZとLa0.8Sr0.2CrO3−zとの混合粉末を得た。さらに、直径20mmのディスク状になるようにハンドプレス成型を行い、静水圧プレスにて1000kg/cmで加圧し、1500℃で24時間の焼成を行い、焼結体を得た。その後、両面を平面研削盤にて研削研磨し、200μmの厚さとした。
また、燃料極材料として、市販の酸化ニッケル粉末と、市販のScSZ(Sc0.1Ce0.01Zr0.89)の粉末とを、体積比率で50:50となるように混合し、バインダー、アミン系分散剤、可塑剤を添加して、ブチルカルビトールを溶媒としてペースト状にした。上述したディスク状焼結体に、スクリーン印刷にて燃料極材料のペーストを塗布したのち、1400℃、1時間の条件で焼き付けた。これにより、酸素透過膜と燃料極との積層体を得た。
また空気極材料として、市販のLa0.8Sr0.2MnOと市販のScSZ(Sc0.1Ce0.01Zr0.89)の粉末とを体積比率で70:30となるように混合し、バインダー、アミン系分散剤、可塑剤を添加して、ブチルカルビトールを溶媒としてペースト状にした。上述した酸素透過膜と燃料極との積層体における酸素透過膜の表面に、スクリーン印刷にて空気極材料のペーストを塗布したのち、1300℃、1時間の条件で焼き付けた。これにより、酸素透過膜と燃料極と空気極との積層体である酸素透過膜構造体310を得た。
(評価用の改質装置300)
図5は、評価用の改質装置300の構成を概略的に示す説明図である。改質装置300は、酸素透過膜構造体310と、2本の透明石英管(第1透明石英管331および第2透明石英管332)と、2本のアルミナチューブ(第1アルミナチューブ321および第2アルミナチューブ322)と、電気炉350と、熱電対340とを備える。
第1透明石英管331および第2透明石英管332は、互いに同軸となるように配置されている。第1透明石英管331と第2透明石英管332との間には、酸素透過膜構造体310が、燃料極側が第1透明石英管331側(上側)を向くような姿勢で配置されて接合されている。第1透明石英管331および第2透明石英管332と酸素透過膜構造体310とを接合する際には、酸素透過膜構造体310上に内径10mmの金の薄膜リング302を載置し、薄膜リング302に第1透明石英管331および第2透明石英管332を押し付けた状態で1050℃に昇温することにより金を軟化させ、ガスシール性を確保した。
第1アルミナチューブ321は、第1透明石英管331の内側空間に配置されている。第1アルミナチューブ321は、その一端が酸素透過膜構造体310の燃料極表面に対向しており、メタンを酸素透過膜構造体310の燃料極近傍に供給する。また、第2アルミナチューブ322は、第2透明石英管332の内側空間に配置されている。第2アルミナチューブ322は、その一端が酸素透過膜構造体310の空気極表面に対向しており、空気を酸素透過膜構造体310の空気極近傍に供給する。
電気炉350は、第1透明石英管331および第2透明石英管332の間に配置された酸素透過膜構造体310を取り囲むように配置され、酸素透過膜構造体310を均一に加熱する。熱電対340は、第2アルミナチューブ322内における酸素透過膜構造体310に近い位置に配置され、酸素透過膜構造体310の温度を測定する。
(評価方法)
図6は、性能評価結果を示す説明図である。本性能評価では、改質装置300において、第1アルミナチューブ321を介して酸素透過膜構造体310の燃料極側に燃料ガスFGとしてのメタンを供給すると共に、第2アルミナチューブ322を介して酸素透過膜構造体310の空気極側に空気を供給することにより、酸素透過膜構造体310の燃料極表面で改質反応をおこして改質ガスRGを生成した。なお、このとき、電気炉350を制御して、熱電対340により測定される酸素透過膜構造体310の温度(運転温度)を1000℃に維持した。メタンの供給量を種々変更しつつ、第1透明石英管331から取り出される改質ガスRGの組成を、四重極質量分析計(不図示)を使用して測定した。測定された改質ガスRGの組成から、上述したH/CO比Rhc、水素選択性SP1、一酸化炭素選択性SP2、炭化水素転化率IRを算出した。また、改質ガスRGの酸素分圧Pxを、ジルコニア式酸素センサ(不図示)を用いて測定した。
(評価結果)
図6に示すように、条件1〜18のそれぞれは、メタン供給量(ml/分)が互いに異なっている。具体的には、条件1から条件18にかけて、メタン供給量を徐々に増加させている。なお、条件1〜18のすべてにおいて、運転温度(酸素透過膜構造体310の温度)は1000℃である。
図6に示すように、メタン供給量が少ないほど、改質ガスRGの酸素分圧Pxは高くなり、水素選択性SP1および一酸化炭素選択性SP2は低くなり、炭化水素転化率IRは高くなり、H/CO比Rhcは小さくなる傾向にある。反対に、メタン供給量が多いほど、改質ガスRGの酸素分圧Pxは低くなり、水素選択性SP1および一酸化炭素選択性SP2は高くなり、炭化水素転化率IRは低くなり、H/CO比Rhcは大きくなる傾向にある。
条件5〜15では、改質ガスRGの酸素分圧Pxが、1×10−23(atm)以上、1×10−17(atm)以下の範囲となっている。条件5〜15では、水素選択性SP1が95(%)以上と良好であり、かつ、一酸化炭素選択性SP2も96(%)以上と良好である。また、H/CO比Rhcも2.0±0.05の範囲内にあって良好であり、炭化水素転化率IRも60(%)以上とまずまず良好である。また、これらの条件では、改質ガスRGに占める水素と一酸化炭素とメタンとのそれぞれの体積比率の合計が95(%)以上となっており、完全酸化された燃料や、合成ガスとしての価値が低い水や二酸化炭素などの不純物が少なくなっている。以上のことから、上述した改質装置の制御の際の改質ガスRGの酸素分圧Pxの適正範囲として、1000℃において、1×10−23(atm)以上、1×10−17(atm)以下という範囲が設定されることが好ましいと言える。
また、条件5〜15の内、特に条件5〜13では、炭化水素転化率IRが75(%)以上と良好であり、メタンの余剰量が比較的少なく、効果的に水素および一酸化炭素を生成できていると言える。そのため、上述した改質装置の制御の際の改質ガスRGの酸素分圧Pxの適正範囲として、1000℃において、9×10−23(atm)以上、1×10−17(atm)以下という範囲が設定されることがさらに好ましいと言える。
また、条件5〜13の内、特に条件8〜12では、水素選択性SP1および一酸化炭素選択性SP2が共に99.5(%)以上と極めて良好であり、H/CO比Rhcも2.0と理想的であり、さらに炭化水素転化率IRも85(%)以上と極めて良好である。このように、条件8〜12では、理想的な改質が行えたと言える。そのため、上述した改質装置の制御の際の改質ガスRGの酸素分圧Pxの適正範囲として、1000℃において、1×10−22(atm)以上、1×10−19(atm)以下という範囲が設定されることが一層好ましいと言える。
なお、条件1〜4については、メタン供給量が極端に少ないことから、水素選択性SP1および一酸化炭素選択性SP2が低くなっているため、好ましくないと言える。特に、条件1,2については、H/CO比Rhcが1.9未満と好ましくなく、水素選択性SP1および一酸化炭素選択性SP2も極めて低いため、特に好ましくないと言える。また、条件16〜18については、メタン供給量が極端に多いことから、炭化水素転化率IRが低くなっているため、好ましくないと言える。
なお、本性能評価は、炭化水素としてメタンを用いたが、他の炭化水素(メタンと他の炭化水素との混合ガスを含む)を用いる場合についても、上述した改質装置の制御の際の改質ガスRGの酸素分圧Pxの適正範囲を採用することが好ましいと言える。酸素透過膜を備える改質装置においては、下記式(11)に示す部分酸化反応と下記式(12)に示す完全酸化反応とが起こる。各係数(α、β、γ、δ、ε、ζ)は使用する炭化水素の種類に応じて変化するが、炭化水素が理想的に(11)および(12)の反応に用いられれば、炭化水素の種類に依らず下記式(13)の反応になると考えられる。本願発明は、水素選択性SP1および一酸化炭素選択性SP2の向上と炭化水素転化率IRの向上との両立のために、理想的に炭化水素が反応するように制御を行うことを特徴の1つとしており、炭化水素の種類によらず、上述した改質ガスRGの酸素分圧Pxの適正範囲を採用すれば、上記の両立を実現することができると言える。なお、改質装置から排出される改質ガスRGに含まれる炭化水素の量が所定値以下であると、ほぼ下記式(13)とみなすことができるため、上述した改質ガスRGの酸素分圧Pxの適正範囲を採用することが好ましいと言える。
CnHm+αO→βH+γCO・・・(11)
CnHm+δO→εHO+ζCO・・・(12)
O+CO→H+CO+O・・・(13)
また、燃料ガスFG中の炭化水素全体に占めるメタンの体積比率が50(%)以上であると、上述した改質装置の制御の際の改質ガスRGの酸素分圧Pxの適正範囲を採用することが特に好ましいと言える。
A−6.実施例:
上述した改質装置10の実施例について説明する。
(酸素透過膜構造体110の作製方法)
カルシウム安定化型ジルコニア(CSZ)の粉末に、セルロース系バインダーと、造孔材としてのポリメタクリル酸メチル(PMMA)ビーズ粉末とを加え、十分に混合し、さらに水を添加して粘土状になるまで混合した。なお、造孔材の添加量は、CSZ粉末の体積に対し、60(vol%)が気孔となるように設定した。粘土状の混合体を、押出成形機に投入して、外径12mmの円筒状の支持体用成形体を作製した。
次に、燃料極構成材料としてLa0.8Sr0.2Cr0.85Ni0.153−zを作製した。原料としては、酸化ランタン(La)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、酸化クロム(Cr)、および酸化ニッケル(NiO)の粉末を用いた。これらの原料粉末を、金属元素の割合が上記組成式の比率となるように秤量した。これらの原料粉末にエタノールを加え、セラミックスボールと樹脂ポットを用いて湿式混合粉砕を15時間行なった。その後、湯煎乾燥してエタノールを除去し、得られた混合粉末を1500℃にて24時間仮焼成して、仮焼粉末であるLa0.8Sr0.2Cr0.85Ni0.153−zの粉末を得た。得られたLa0.8Sr0.2Cr0.85Ni0.153−zの粉末と、市販のScSZ(Sc0.1Ce0.01Zr0.89)の粉末とを、体積比率で50:50となるように秤量し、ポリビニルブチラールと、アミン系分散剤と、可塑剤とを、メチルエチルケトン及びエタノールを溶媒として混合し、燃料極形成用コーティング用スラリーを作製した。
さらに、酸素透過膜を形成するために、上述した性能評価における作製方法と同様の方法で作製したScSZとLa0.8Sr0.2CrO3−zとの混合粉末と、ポリビニルブチラールと、アミン系分散剤と、可塑剤とを、メチルエチルケトン及びエタノールを溶媒として混合し、酸素透過膜形成用コーティング用スラリーを作製した。
次に、上述した支持体用成形体を所定の長さに切断し、燃料極を形成しない位置にマスキングを行った上で、上述した燃料極形成用コーティング用スラリーに浸漬させた後、ゆっくりと引き上げることで、支持体用成形体の表面に、燃料極前駆体を形成した。さらに、酸素透過膜を形成しない位置にマスキングを行った上で、酸素透過膜形成用コーティング用スラリーに浸漬させた後、ゆっくりと引き上げることで、支持体用成形体の表面に形成された燃料極前駆体の表面に、酸素透過膜前駆体を形成した。その後、1500℃にて、支持体用成形体と燃料極前駆体および酸素透過膜前駆体とを同時焼成することにより、燃料極112と酸素透過膜111と支持体114とを備える筒状焼結体を得た。
さらに、空気極を形成するため、市販のLa0.8Sr0.2MnOと市販のScSZ(Sc0.1Ce0.01Zr0.89)の粉末とを体積比率で70:30となるように混合した粉末と、ポリビニルブチラールと、アミン系分散剤と、可塑剤とを、メチルエチルケトン及びエタノールを溶媒として混合し、空気極形成用スラリーを作製した。上述した筒状焼結体を、空気極を形成しない位置にマスキングを行った上で、空気極形成用スラリーに浸漬させた後、ゆっくりと引き上げることで、空気極前駆体を形成した。その後、1300℃にて焼付け処理を行うことにより、空気極113を作製した。以上の方法により、支持体114と燃料極112と酸素透過膜111と空気極113とを備える酸素透過膜構造体110を作製した。
作製した酸素透過膜構造体110を用いて上述した改質装置10を構成し、改質ガス排出配管230に設けられた酸素センサ240により測定される改質ガスRGの酸素分圧Pxが1.0×10−21(atm)となるように、燃料ガスFGとしてのメタンの供給量を制御しながら、改質運転を行った。その結果、改質ガスRGの組成が、メタン2%、水素65%、一酸化炭素32%という組成でほぼ安定した状態で運転を行うことができた。以上より、改質ガスRGの酸素分圧Pxに基づきメタンの供給量を制御することで、安定した改質が行えることが確認された。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における改質装置10の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、酸素透過膜構造体110は、支持体114と、燃料極112と、酸素透過膜111と、空気極113とから構成されるとしているが、酸素透過膜構造体110は、支持体114を備えないとしてもよいし、燃料極112と空気極113との少なくとも一方を備えないとしてもよい。
また、上記実施形態では、酸素透過膜111は略円筒形状の部材であるとしているが、酸素透過膜111の形状は種々変形可能であり、例えば平板形状であってもよい。
また、上記実施形態では、酸素透過膜111(酸素透過膜構造体110)の内周側が燃料室S2として利用され、外周側が空気室S1として利用されているが、反対に、酸素透過膜111の内周側が空気室S1として利用され、外周側が燃料室S2として利用されるとしてもよい。また、改質装置10において、複数の酸素透過膜111を積層し、積層された各酸素透過膜111の間に、空気室S1と燃料室S2とを交互に設ける構成を採用することもできる。
また、上記実施形態における各部材を構成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、酸素透過膜構造体110の燃料室S2から排出される改質ガスRGの酸素分圧Pxを測定する酸素センサ240として、ジルコニア式酸素センサが用いられているが、他の種類の酸素センサ(例えば、ガルバニ電池式酸素センサや磁気式酸素センサ)が用いられるとしてもよい。また、上記実施形態において、酸素センサ240に代えて、他の手段(例えば、ガス分析計)により改質ガスRGの酸素分圧Pxを測定するものとしてもよい。
また、上記実施形態では、空気室S1に空気が供給されるとしているが、酸素を含有する気体であれば空気以外の気体が供給されるとしてもよい。
また、上記実施形態における改質装置10の燃料流量制御の内容は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、改質ガスRGの酸素分圧Pxの適正範囲の上限値Pmaxは、水素選択性SP1が予め設定された第1の基準値Th1以上になるという第1の条件と、一酸化炭素選択性SP2が予め設定された第2の基準値Th2以上になるという第2の条件と、の両方が満たされるように設定されるとしているが、第1の条件と第2の条件との少なくとも一方が満たされるように設定されるとしてもよい。
また、上記実施形態における改質ガスRGの酸素分圧Pxの適正範囲の上限値Pmaxおよび下限値Pminの値や、上限値Pmaxを設定するために参照する第1の基準値Th1および第2の基準値Th2の値、下限値Pminを設定するために参照する第3の基準値Th3の値は、あくまで一例であり、諸条件に応じて適宜設定すればよい。
また、上記実施形態では、制御部250は、燃料ガス供給部210による燃料室S2への燃料ガスFGの供給量を制御することによって、燃料室S2における部分酸化改質反応の反応量を制御しているが、これに代えて、あるいは、これと共に、他の方法によって燃料室S2における部分酸化改質反応の反応量を制御するとしてもよい。例えば、制御部250は、反応部100(燃料室S2)の温度を制御することによって、燃料室S2における部分酸化改質反応の反応量を制御するとしてもよい。図示しないヒーターによって反応部100の温度を上昇させることにより、燃料室S2における部分酸化改質反応の反応量を多くすることができる。
10:改質装置 100:反応部 110:酸素透過膜構造体 111:酸素透過膜 112:燃料極 113:空気極 114:支持体 121:供給側接続管 122:排出側接続管 130:収容管 210:燃料ガス供給部 211:ガス源 212:流量調整部 220:燃料ガス供給配管 230:改質ガス排出配管 240:酸素センサ 250:制御部 300:改質装置 302:薄膜リング 310:酸素透過膜構造体 321:第1アルミナチューブ 322:第2アルミナチューブ 331:第1透明石英管 332:第2透明石英管 340:熱電対 350:電気炉

Claims (13)

  1. 炭化水素と酸素との部分酸化改質反応を利用して、炭化水素を含む燃料ガスから一酸化炭素と水素とを含む改質ガスを生成する改質装置において、
    酸化物イオン伝導性と、電子伝導性または正孔伝導性と、を有し、第1の空間と第2の空間との間に配置され、前記第1の空間と前記第2の空間との間の酸素分圧差を駆動力として前記第1の空間から前記第2の空間へと酸素を透過させる酸素透過膜と、
    前記第2の空間に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
    前記第2の空間から排出される前記改質ガスの酸素分圧が、下限値Pmin以上、かつ、上限値Pmax以下の所定の範囲内になるように、前記第2の空間における部分酸化改質反応の反応量を制御する制御部と、
    を備え
    前記制御部は、前記燃料ガス供給部による前記第2の空間への前記燃料ガスの供給量を制御することにより、前記第2の空間における部分酸化改質反応の反応量を制御し、
    前記下限値Pminは、1000℃において1×10 −23 (atm)であり、
    前記上限値Pmaxは、1000℃において1×10 −17 (atm)であることを特徴とする、改質装置。
  2. 請求項1に記載の改質装置において、
    前記上限値Pmaxは、前記改質ガスに占める水素の体積比率と水の体積比率との合計に対する水素の体積比率の比である水素選択性(%)が予め設定された第1の基準値以上になるという第1の条件と、前記改質ガスに占める一酸化炭素の体積比率と二酸化炭素の体積比率との合計に対する一酸化炭素の体積比率の比である一酸化炭素選択性(%)が予め設定された第2の基準値以上になるという第2の条件と、の少なくとも一方が満たされるように設定された値であることを特徴とする、改質装置。
  3. 請求項2に記載の改質装置において、
    前記第1の基準値は、95(%)であることを特徴とする、改質装置。
  4. 請求項2に記載の改質装置において、
    前記第2の基準値は、96(%)であることを特徴とする、改質装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の改質装置において、
    前記下限値Pminは、前記燃料ガスに含まれる炭化水素の量である炭化水素投入量に対する、前記炭化水素投入量と前記改質ガスに含まれる炭化水素の量との差である炭化水素消費量の比である炭化水素転化率(%)が、予め設定された第3の基準値以上となるという第3の条件が満たされるように設定された値であることを特徴とする、改質装置。
  6. 請求項5に記載の改質装置において、
    前記第3の基準値は、75(%)であることを特徴とする、改質装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の改質装置において、
    前記下限値Pminは、1000℃において1×10−22(atm)であり、
    前記上限値Pmaxは、1000℃において1×10−19(atm)であることを特徴とする、改質装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の改質装置において、
    前記燃料ガス中の炭化水素全体に占めるメタンの体積比率(%)は50(%)以上であることを特徴とする、改質装置。
  9. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の改質装置において、さらに、
    前記第2の空間から排出される前記改質ガスの酸素分圧を測定する酸素センサを備えることを特徴とする、改質装置。
  10. 請求項に記載の改質装置において、
    前記酸素センサは、酸化物イオン伝導体であるジルコニアに発生する起電力に基づき前記改質ガスの酸素分圧を測定するセンサであることを特徴とする、改質装置。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の改質装置において、
    前記制御部は、前記改質ガスに占める水素と一酸化炭素と炭化水素とのそれぞれの体積比率(%)の合計が95(%)以上となるように、前記第2の空間における部分酸化改質反応の反応量を制御することを特徴とする、改質装置。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の改質装置において、
    前記制御部は、前記改質ガスに占める一酸化炭素の体積比率(%)に対する水素の体積比率(%)の比が、1.9以上、2.1以下になるように、前記第2の空間における部分酸化改質反応の反応量を制御することを特徴とする、改質装置。
  13. 請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載の改質装置において、
    前記燃料ガス中の炭化水素はメタンであることを特徴とする、改質装置。
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