JP6778994B2 - 茶類エキスの製造方法 - Google Patents
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Description
(A)茶類エキスの製造方法であって、以下の工程(1)〜(3)を含む、茶類エキスの製造方法。
(1)茶類を0〜30℃の温度範囲で水により抽出し、低温抽出液を得る工程、
(2)工程(1)で低温抽出液を得た後の抽出残渣を水蒸気蒸留抽出し、水蒸気蒸留抽出液を得る工程、
(3)(1)〜(2)の工程で得られた低温抽出液および水蒸気蒸留抽出液を混合し、茶類エキスを得る工程
(B)茶類エキスの製造方法であって、以下の工程(1)〜(4)を含む、茶類エキスの製造方法。
(1)茶類を0〜30℃の温度範囲で低温抽出し、低温抽出液を得る工程、
(2)工程(1)で低温抽出液を得た後の抽出残渣を水蒸気蒸留抽出し、水蒸気蒸留抽出液を得る工程、
(3)工程(2)で水蒸気蒸留抽出液を得た後の蒸留残渣を、30〜100℃の水により抽出し、高温抽出液を得る工程
(4)(1)〜(3)の工程で得られた低温抽出液、水蒸気蒸留抽出液および高温抽出液を混合し、茶類エキスを得る工程
(C)茶類が、緑茶、紅茶、ウーロン茶、麦茶および焙煎穀物茶から選ばれる1種または2種以上である、(A)または(B)の茶類エキスの製造方法。
(D)(A)〜(C)のいずれかの方法で得られる茶類エキス。
(E)(D)の茶類エキスを配合した茶類飲料。
(F)(D)の茶類エキスを配合することによる、茶類飲料の風味増強方法。
原料供給速度:300〜700L/hr
蒸気流量:5〜50Kg/hr
蒸発量:3〜35Kg/hr
カラム底部温度:40〜100℃
カラム上部温度:40〜100℃
真空度:大気圧〜−100kPa(大気圧基準)
気−液向流接触抽出後、スラリー状である水蒸気蒸留抽出残渣は温水または熱水により抽出された状態となっているため、水蒸気蒸留抽出残渣中の固形分を、遠心分離、圧搾、濾過などのそれ自体公知の方法で固液分離することによって除去し、得られた抽出液を使用することもできる。
ウーロン茶(鉄観音:K−103)400gを3リットルカラムに充填した。抽出溶剤としてイオン交換水2400gにアスコルビン酸ナトリウム1.2gを溶解し、温度を25℃に調節した溶液を調製した。カラムのジャケットを25℃に調節し、カラム上部から前記抽出溶剤を送り込み、カラム内を満たした後、90分間静置し、残りの抽出溶剤を送り込みながら、30分間かけてカラム下部より抽出液を抜き取り、200メッシュサラン濾布により濾過し、抽出液1731gを得た(Bx3.85°、pH5.14)。抽出液を3リットルフラスコに入れ、40℃に加温後、スミチーム(登録商標)TAN(新日本化学工業社製のタンナーゼ)0.067g(Bxにより計算した可溶性固形分の0.1%:抽出液量(g)×Bx/100000)を加え、40(±2)℃にて1時間撹拌反応を行った(反応終了時のBx3.95°、pH4.84)。イオン交換水222gを加えてBxを3.5°に調整し、次いで90℃にて1分間加熱することにより殺菌を兼ねて酵素失活を行い、直ちに25℃まで冷却し、低温抽出液とした(収量1953g、Bx3.5°、pH4.80)。
実施例1において、水蒸気蒸留抽出液を得た後の蒸留残渣をさらに、以下の条件により熱水抽出し高温抽出液を得た。
ウーロン茶(鉄観音:K−103)400gを3リットルカラムに充填した。抽出溶剤としてイオン交換水2400gにアスコルビン酸ナトリウム1.2gを溶解し、温度を5℃に調節した溶液を調製した。カラムのジャケットを5℃に調節し、カラム上部から前記抽出溶剤を送り込み、カラム内を満たした後、90分間静置し、残りの抽出溶剤を送り込みながら、30分間かけてカラム下部より抽出液を抜き取り、200メッシュサラン濾布により濾過し、抽出液1784gを得た(Bx2.73°、pH5.24)。抽出液を3リットルフラスコに入れ、40℃に加温後、スミチーム(登録商標)TAN(新日本化学工業社製のタンナーゼ)0.049g(Bxにより計算した可溶性固形分の0.1%:抽出液量(g)×Bx/100000)を加え、40(±2)℃にて1時間撹拌反応を行った(反応終了時のBx2.73°、pH5.11)。イオン交換水171gを加えてBxを2.5°に調整し、次いで90℃にて1分間加熱することにより殺菌を兼ねて酵素失活を行い、直ちに25℃まで冷却し、低温抽出液とした(収量1955g、Bx2.5°、pH4.80)。
ウーロン茶(鉄観音:K−103)400gを3リットルカラムに充填した。抽出溶剤としてイオン交換水2400gにアスコルビン酸ナトリウム1.2gを溶解し、温度を60℃に調節した溶液を調製した。カラムのジャケットを60℃に調節し、カラム上部から前記抽出溶剤を送り込み、カラム内を満たした後、90分間静置し、残りの抽出溶剤を送り込みながら、30分間かけてカラム下部より抽出液を抜き取り、200メッシュサラン濾布により濾過し、抽出液1654gを得た(Bx4.97°、pH5.15)。抽出液を3リットルフラスコに入れ、40℃に加温後、スミチーム(登録商標)TAN(新日本化学工業社製のタンナーゼ)0.082g(Bxにより計算した可溶性固形分の0.1%:抽出液量(g)×Bx/100000)を加え、40(±2)℃にて1時間撹拌反応を行った(反応終了時のBx4.98°、pH4.98)。イオン交換水183gを加えてBxを4.5°に調整し、次いで90℃にて1分間加熱することにより殺菌を兼ねて酵素失活を行い、直ちに25℃まで冷却し、抽出液とした(収量1837g、Bx4.5°、pH4.95)。
ウーロン茶(鉄観音:K−103)400gを3リットルカラムに充填した。イオン交換水100gにアスコルビン酸ナトリウム0.8gを溶解した溶液を散布して茶葉全体を湿潤させた後、カラム内を窒素ガスで置換した。ついで、大気圧下にてカラム下部より窒素ガスを混合した水蒸気を送り込み水蒸気蒸留を行い、カラム上部より得られた香気を含む水蒸気を冷却管にて凝縮させ、留出液(水蒸気蒸留抽出液)200g(対ウーロン茶葉50%)を得た。得られた水蒸気蒸留抽出液は窒素封入後約4℃に冷却して、密封保存した。
ウーロン茶葉(色種 S−103)100gに 90℃に加熱したイオン交換水3000g(L−アスコルビン酸ナトリウム0.05%添加)を加え、攪拌下、5分間抽出を行った。抽出液を20℃まで冷却後、No.2濾紙(ADVANTEC株式会社製)にて濾過を行い2628gの抽出液を得、ウーロン茶抽出液とした。ウーロン茶抽出液を300gに、L−アスコルビン酸ナトリウム0.05g、ならびに、本発明品1〜6または比較品1〜4をそれぞれ2g(飲料全体に対し0.2%)添加し、イオン交換水を加え総量1000gとした。これを缶に充填し、121℃にて20分間殺菌を行いそれぞれの飲料を得た。また、コントロールとして本発明品、比較品のいずれも無添加のものを調製した。殺菌後の飲料を常温にて2週間保存後、よく訓練された5名のパネリストにより官能評価を行った。評価基準は、無添加品(コントロール)を0点とした場合に、香りの強さ、香りのナチュラル感、香りのフレッシュ感、茶葉感、甘味、旨味、雑味の少なさ、すっきり感について、極めて良い:10点、非常によい:8点、良い:6点、やや良い:4点、わずかに良い:2点、として官能評価を行った。その平均点を表1に示す。なお、茶葉感とは、茶独特の呈味を形成する感覚であって、高級な茶葉の入った缶やパックを開封した時に立ち上る、乾燥リーフを想起させる香気を有し、茶葉本来の香り・風味が強いことを意味し、かつ、茶葉感の強いエキスを飲料に添加した場合には、実際に使用した茶葉の量より多く茶葉を使用したと感じさせるような飲み応えのある感覚である。
紅茶葉(ダージリン セカンドフラッシュ BOP)400gを3リットルカラムに充填した。抽出溶剤としてイオン交換水2400gにアスコルビン酸ナトリウム1.2gを溶解し、温度を25℃に調節した溶液を調製した。カラムのジャケットを25℃に調節し、カラム上部から前記抽出溶剤を送り込み、カラム内を満たした後、90分間静置し、残りの抽出溶剤を送り込みながら、30分間かけてカラム下部より抽出液を抜き取り、200メッシュサラン濾布により濾過し、抽出液1658gを得た(Bx4.04°、pH5.01)。抽出液を3リットルフラスコに入れ、40℃に加温後、スミチーム(登録商標)TAN(新日本化学工業社製のタンナーゼ)0.067g(Bxにより計算した可溶性固形分の0.1%:抽出液量(g)×Bx/100000)を加え、40(±2)℃にて1時間撹拌反応を行った(反応終了時のBx4.08°、pH4.80)。次いで90℃にて1分間加熱することにより殺菌を兼ねて酵素失活を行い、直ちに25℃まで冷却し、ロータリーエバポレーターを用いてBx60°まで濃縮し、低温抽出濃縮液110.6gを得た。
紅茶葉(ダージリン セカンドフラッシュ BOP)400gを3リットルカラムに充填した。抽出溶剤としてイオン交換水2400gにアスコルビン酸ナトリウム1.2gを溶解し、温度を60℃に調節した溶液を調製した。カラムのジャケットを60℃に調節し、カラム上部から前記抽出溶剤を送り込み、カラム内を満たした後、90分間静置し、残りの抽出溶剤を送り込みながら、30分間かけてカラム下部より抽出液を抜き取り、200メッシュサラン濾布により濾過し、抽出液1548gを得た(Bx6.83°、pH4.92)。抽出液を3リットルフラスコに入れ、40℃に加温後、スミチーム(登録商標)TAN(新日本化学工業社製のタンナーゼ)0.106g(Bxにより計算した可溶性固形分の0.1%:抽出液量(g)×Bx/100000)を加え、40(±2)℃にて1時間撹拌反応を行った(反応終了時のBx6.89°、pH4.80)。次いで90℃にて1分間加熱することにより殺菌を兼ねて酵素失活を行い、直ちに25℃まで冷却し、ロータリーエバポレーターを用いてBx60°まで濃縮し、高温抽出濃縮液173.2gを得た。
紅茶葉(ダージリン セカンドフラッシュ BOP)400gを3リットルカラムに充填した。イオン交換水100gにアスコルビン酸ナトリウム0.8gを溶解した溶液を散布して茶葉全体を湿潤させた後、カラム内を窒素ガスで置換した。ついで、大気圧下にてカラム下部より窒素ガスを混合した水蒸気を送り込み水蒸気蒸留を行い、カラム上部より得られた香気を含む水蒸気を冷却管にて凝縮させ、留出液(水蒸気蒸留抽出液)200g(紅茶葉50%)を得た。得られた水蒸気蒸留抽出液は窒素封入後約4℃に冷却して、密封保存した。
紅茶(UVA BOP)100gに 90℃に加熱したイオン交換水3000g(L−アスコルビン酸ナトリウム0.05%添加)を加え、攪拌下、5分間抽出を行った。抽出液を20℃まで冷却後、No.2濾紙(ADVANTEC株式会社製)にて濾過を行い2584gの抽出液を得、紅茶抽出液とした。紅茶抽出液を300gに、L−アスコルビン酸ナトリウム0.05g、ならびに、本発明品7または比較品5もしくは6をそれぞれ1g(飲料全体に対し0.1%)添加し、イオン交換水を加え総量1000gとした。これを缶に充填し、121℃にて20分間殺菌を行いそれぞれの飲料を得た。また、コントロールとして本発明品、比較品のいずれも無添加のものを調製した。殺菌後の飲料を常温にて2週間保存後、よく訓練された5名のパネリストにより官能評価を行った。評価基準は、無添加品(コントロール)を0点とした場合に、香りの強さ、香りの質、茶葉感、呈味の強さ、呈味の質について、極めて良い:10点、非常によい:8点、良い:6点、やや良い:4点、わずかに良い:2点、として官能評価し、また、コメントを記載させた。その平均点および平均的な評価結果を表2に示す。
静岡産緑茶葉(やぶきた、一番茶)400gを3リットルカラムに充填した。抽出溶剤としてイオン交換水2400gにアスコルビン酸ナトリウム1.2gを溶解し、温度を15℃に調節した溶液を調製した。カラムのジャケットを15℃に調節し、カラム上部から前記抽出溶剤を送り込み、カラム内を満たした後、90分間静置し、残りの抽出溶剤を送り込みながら、30分間かけてカラム下部より抽出液を抜き取り、200メッシュサラン濾布により濾過し、抽出液1677gを得た(Bx3.83°、pH5.43)。抽出液を90℃にて1分間加熱殺菌し、直ちに25℃まで冷却し、ロータリーエバポレーターを用いてBx60°まで濃縮し、低温抽出濃縮液106.2gを得た。
静岡産緑茶葉(やぶきた、一番茶)400gを3リットルカラムに充填した。抽出溶剤としてイオン交換水2400gにアスコルビン酸ナトリウム1.2gを溶解し、温度を40℃に調節した溶液を調製した。カラムのジャケットを40℃に調節し、カラム上部から前記抽出溶剤を送り込み、カラム内を満たした後、90分間静置し、残りの抽出溶剤を送り込みながら、30分間かけてカラム下部より抽出液を抜き取り、200メッシュサラン濾布により濾過し、抽出液1521gを得た(Bx5.96°、pH5.32)。抽出液を90℃にて1分間加熱殺菌し、直ちに25℃まで冷却し、ロータリーエバポレーターを用いてBx60°まで濃縮し、高温抽出濃縮液148.7gを得た。
静岡産緑茶葉(やぶきた、一番茶)400gを3リットルカラムに充填した。イオン交換水100gにアスコルビン酸ナトリウム0.8gを溶解した溶液を散布して茶葉全体を湿潤させた後、カラム内を窒素ガスで置換した。ついで、大気圧下にてカラム下部より窒素ガスを混合した水蒸気を送り込み水蒸気蒸留を行い、カラム上部より得られた香気を含む水蒸気を冷却管にて凝縮させ、留出液(水蒸気蒸留抽出液)200g(対緑茶葉50%)を得た。得られた水蒸気蒸留抽出液は窒素封入後約4℃に冷却して、密封保存した。
静岡産緑茶葉(やぶきた、二番茶)100gに 70℃に加熱したイオン交換水3000g(L−アスコルビン酸ナトリウム0.05%添加)を加え、攪拌下、5分間抽出を行った。抽出液を20℃まで冷却後、No.2濾紙(ADVANTEC株式会社製)にて濾過を行い2493gの抽出液を得、緑茶抽出液とした。緑茶抽出液を300gに、L−アスコルビン酸ナトリウム0.05g、ならびに、本発明品8または比較品7もしくは8をそれぞれ1g(飲料全体に対し0.1%)添加し、イオン交換水を加え総量1000gとした。これを缶に充填し、121℃にて20分間殺菌を行いそれぞれの飲料を得た。また、コントロールとして本発明品、比較品のいずれも無添加のものを調製した。殺菌後の飲料を常温にて2週間保存後、よく訓練された5名のパネリストにより官能評価を行った。評価基準は、無添加品(コントロール)を0点とした場合に、香りの強さ、香りの質、茶葉感、呈味の強さ、呈味の質について、極めて良い:10点、非常によい:8点、良い:6点、やや良い:4点、わずかに良い:2点、として官能評価し、また、コメントを記載させた。その平均点および平均的な評価結果を表3に示す。
砂煎り焙煎麦茶(6条麦茶、L値34)400gを3リットルカラムに充填した。抽出溶剤としてイオン交換水2400gにアスコルビン酸ナトリウム1.2gを溶解し、温度を20℃に調節した溶液を調製した。カラムのジャケットを20℃に調節し、カラム上部から前記抽出溶剤を送り込み、カラム内を満たした後、麦茶を浮かび上がらないようにして90分間静置し、残りの抽出溶剤を送り込みながら、30分間かけてカラム下部より抽出液を抜き取り、200メッシュサラン濾布により濾過し、抽出液1785gを得た(Bx2.46°、pH5.43)。抽出液に対固形分0.1%(抽出液量×Bx/100×0.1/100)のコクラーゼ(登録商標:三菱化学フーズ株式会社製のα−アミラーゼを主体としたアミラーゼ製剤)0.044gを加え、15分間攪拌した後、45℃にて2時間酵素処理を行った。酵素処理後、90℃にて1分間加熱殺菌し、直ちに25℃まで冷却し、ロータリーエバポレーターを用いてBx60°まで濃縮し、低温抽出濃縮液72.1gを得た。
砂煎り焙煎麦茶(6条麦茶、L値34)400gを3リットルカラムに充填した。抽出溶剤としてイオン交換水2400gにアスコルビン酸ナトリウム1.2gを溶解し、温度を80℃に調節した溶液を調製した。カラムのジャケットを80℃に調節し、カラム上部から前記抽出溶剤を送り込み、カラム内を満たした後、麦茶を浮かび上がらないようにして90分間静置し、残りの抽出溶剤を送り込みながら、30分間かけてカラム下部より抽出液を抜き取り、200メッシュサラン濾布により濾過し、抽出液1536gを得た(Bx10.54°、pH4.64)。抽出液に対固形分0.1%(抽出液量×Bx/100×0.1/100)のコクラーゼ(登録商標:三菱化学フーズ株式会社製のα−アミラーゼを主体としたアミラーゼ製剤)0.162gを加え、15分間攪拌した後、45℃にて2時間酵素処理を行った。酵素処理後、90℃にて1分間加熱殺菌し、直ちに25℃まで冷却し、ロータリーエバポレーターを用いてBx60°まで濃縮し、高温抽出濃縮液262.4gを得た。
砂煎り焙煎麦茶(6条麦茶、L値34)400gを3リットルカラムに充填した。イオン交換水100gにアスコルビン酸ナトリウム0.8gを溶解した溶液を散布して麦茶全体を湿潤させた後、カラム内を窒素ガスで置換した。ついで、大気圧下にてカラム下部より窒素ガスを混合した水蒸気を送り込み水蒸気蒸留を行い、カラム上部より得られた香気を含む水蒸気を冷却管にて凝縮させ、留出液(水蒸気蒸留抽出液)200g(対麦茶50%)を得た。得られた水蒸気蒸留抽出液は窒素封入後約4℃に冷却して、密封保存した。
熱風焙煎麦茶(2条大麦、L値35)100gに 95℃に加熱したイオン交換水3000g(L−アスコルビン酸ナトリウム0.05%添加)を加え、30分間抽出を行った。抽出液を20℃まで冷却後、No.2濾紙(ADVANTEC株式会社製)にて濾過を行い2647gの抽出液を得、麦茶抽出液とした。麦茶抽出液300gに、L−アスコルビン酸ナトリウム0.05g、ならびに、本発明品9または比較品9もしくは10をそれぞれ1g(飲料全体に対し0.1%)添加し、イオン交換水を加え総量1000gとした。これを缶に充填し、121℃にて20分間殺菌を行いそれぞれの飲料を得た。また、コントロールとして本発明品、比較品のいずれも無添加のものを調製した。殺菌後の飲料常温にて2週間保存後、よく訓練された5名のパネリストにより官能評価を行った。評価基準は、無添加品(コントロール)を0点とした場合に、香りの強さ、香りの質、麦感、呈味の強さ、呈味の質について、極めて良い:10点、非常によい:8点、良い:6点、やや良い:4点、わずかに良い:2点、として官能評価し、また、コメントを記載させた。その平均点および平均的な評価結果を表4に示す。なお、麦感とは麦茶独特の呈味を形成する感覚であって、煎りたての麦茶の入ったパックを開封した時に立ち上る香気を有し、麦茶本来の香り・風味が強いことを意味し、かつ、麦感の強いエキスを飲料に添加した場合には、実際に使用した麦茶の量より多く麦茶を使用したと感じさせるような飲み応えのある感覚である。
Claims (6)
- 茶類エキスの製造方法であって、以下の工程(1)〜(4)を含む、茶類エキスの製造方法。
(1)茶類を0〜30℃(ただし30℃は除く)の温度範囲で水により抽出し、低温抽出液を得る工程、
(2)工程(1)で低温抽出液を得た後の抽出残渣を常圧で水蒸気蒸留抽出し、水蒸気蒸留抽出液を得る工程、
(3)工程(2)で得られた水蒸気蒸留抽出液を−20〜30℃で保存する工程、
(4)(1)の工程で得られた低温抽出液および(3)の工程で得られた水蒸気蒸留抽出液を混合し、茶類エキスを得る工程 - 茶類エキスの製造方法であって、以下の工程(1)〜(5)を含む、茶類エキスの製造方法。
(1)茶類を0〜30℃(ただし30℃は除く)の温度範囲で低温抽出し、低温抽出液を得る工程、
(2)工程(1)で低温抽出液を得た後の抽出残渣を常圧で水蒸気蒸留抽出し、水蒸気蒸留抽出液を得る工程、
(3)工程(2)で得られた水蒸気蒸留抽出液を−20〜30℃で保存する工程、
(4)工程(2)で水蒸気蒸留抽出液を得た後の蒸留残渣を、30〜100℃の水により抽出し、高温抽出液を得る工程
(5)(1)、(3)および(4)の工程で得られた低温抽出液、水蒸気蒸留抽出液および高温抽出液を混合し、茶類エキスを得る工程 - 茶類が、緑茶、紅茶、ウーロン茶、麦茶および焙煎穀物茶から選ばれる1種または2種以上である、請求項1または2に記載の茶類エキスの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法で得られる茶類エキス。
- 請求項4に記載の茶類エキスを配合した茶類飲料。
- 請求項4に記載の茶類エキスを配合することによる、茶類飲料の風味増強方法。
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