JP6760056B2 - 液体水素用Ni鋼 - Google Patents
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また、代表的な液化ガスである液化天然ガス(Liquefied Natural Gas:LNG)用のタンク(LNGタンクと称する場合がある。)には、フェライト系の9%Ni鋼が使用されている。LNGは液体水素に比べて高温であるとはいえ、9%Ni鋼は優れた極低温靭性を有しており、従来から、LNGタンクに適した種々の9%Ni鋼や、7%Ni鋼が提案されている(例えば、特許文献2〜4、参照)。また、9%Ni鋼は、室温での降伏強度を590MPa以上にすることも可能であり、大型のLNGタンクにも適用できる。
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
(2)上記(1)に記載の液体水素用Ni鋼では、体積分率で2.0%以上、20.0%以下のオーステナイト相を含んでもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の液体水素用Ni鋼では、有効結晶粒径が2.0μm以上、12.0μm以下に制限してもよい。
(4)上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の液体水素用Ni鋼では、板厚が、12mm以上、40mm以下、室温での降伏応力が、590MPa以上、710MPa以下、室温での引張強さが、690MPa以上、810MPa以下であってもよい。
Cは、室温での降伏応力を上昇させる元素であり、マルテンサイトやオーステナイトの生成にも寄与する。C含有量が0.030%未満では強度が確保できず、粗大なベイナイトなどの生成によって極低温靭性が低下することがあるため0.030%以上を下限とする。好ましいC含有量の下限は0.035%以上である。一方、C含有量が0.070%を超えると、旧オーステナイト粒界にセメンタイトが析出しやすくなり、−253℃で粒界での破壊が起こり、極低温靭性が低下するため、C含有量の上限を0.070%以下とする。好ましいC含有量の上限は0.060%以下、より好ましくは0.050%以下であり、更に好ましくは0.045%以下である。
Siは、室温での降伏応力を上昇させる元素である。Si含有量が0.03%未満では室温での降伏応力の向上効果が小さいので0.03%以上を下限とする。好ましいSi含有量の下限は0.05%以上である。一方、Si含有量が0.30%を超えると、旧オーステナイト粒界のセメンタイトが粗大化しやすくなり、−253℃で粒界での破壊が起こり、極低温靭性が低下する。したがって、Si含有量の上限を0.30%以下に制限することは、−253℃での靭性を確保するために、極めて重要である。好ましいSi含有量の上限は0.20%以下、より好ましくは0.15%以下であり、更に好ましくは0.10%以下である。
Mnは、室温での降伏応力を上昇させる元素である。Mn含有量が0.10%未満では強度が確保できず、粗大なベイナイトなどの生成によって極低温靭性が低下することがあるためMn含有量の下限を0.10%以上とする。好ましいMn含有量の下限は0.30%以上である。一方、Mn含有量が0.80%を超えると、旧オーステナイト粒界に偏析したMnや粗大に析出するMnSにより−253℃で粒界での破壊が起こり、極低温靭性が低下する。したがって、Mn含有量の上限を0.80%以下に制限することも、−253℃での靭性を確保するために、極めて重要である。好ましいMn含有量の上限は0.60%以下、より好ましくは0.50%以下である。
Niは、極低温靭性を確保するために必須の元素である。Ni含有量が12.5%未満であると、−253℃での靭性を十分に確保できないため、Ni含有量の下限を12.5%以上とする。好ましいNi含有量の下限は12.8%以上である。しかし、Niは高価な元素であり、15.4%超含有すると経済性を損なうため、Ni含有量の上限を15.4%以下に制限する。
Moは、室温での降伏応力を上昇させる元素であり、また、粒界脆化を抑制する効果を有する。Mo含有量が0.03%未満では強度が確保できず、粒界破壊の発生により極低温靭性が低下するためことがあるためMo含有量の下限は0.03%以上とする。好ましいMo含有量の下限は0.05%以上である。しかし、Moは高価な元素であり、0.60%超含有すると経済性を損なうため、Mo含有量の上限は0.60%以下に制限する。
Alは、主に脱酸に使用される元素であり、また、AlNを形成し、金属組織の微細化や、極低温靭性を低下させる固溶Nの低減にも寄与する。Al含有量が0.010%未満では脱酸の効果や金属組織の微細化効果及び固溶N低減効果が小さいので、Al含有量の下限を0.010%以上とする。Al含有量の下限は0.015%以上が好ましく、より好ましくは0.020%以上である。しかし、Al含有量が0.060%を超えると、−253℃における靭性が低下するため、Al含有量の上限を0.060%以下とする。より好ましいAl含有量の上限は0.040%以下である。
Nは、窒化物の形成に寄与し、N含有量を0.0015%未満へ低減すると、熱処理時にオーステナイト粒径の粗大化を抑制する微細なAlNが不足し、オーステナイト粒が粗大化して極低温靭性が低下する場合がある。このため、N含有量の下限は、0.0015%以上とし、好ましくは0.0020%以上とする。一方、N含有量が0.0060%を超えると固溶Nが増加したり、AlNが粗大化するため−253℃での靭性が低下する。このため、N含有量の上限は0.0060%以下とし、好ましくは0.0050%以下、より好ましくは0.0040%以下とする。
Oは、不純物であり、O含有量は少ないほうが望ましいが、0.0007%未満へのO含有量の低減はコスト上昇を伴う場合があるので0.0007%以上を下限とする。一方、O含有量が0.0030%を超えるとAl2O3のクラスターが増加し、−253℃での靭性が低下する場合があるため、O含有量の上限を0.0030%以下とする。好ましいO含有量の上限は0.0025%以下であり、より好ましくは0.0020%以下、更に好ましくは0.0015%以下とする。
Pは、旧オーステナイト粒界での粒界脆化をもたらし、極低温靭性に有害な元素である。そのため、P含有量は少ないほうが望ましい。P含有量が0.008%を超えると−253℃での靭性が低下する場合がある。したがって、P含有量の上限を0.008%以下に制限する。P含有量の上限は、好ましくは、0.005%以下、より好ましくは、0.004%以下、更に好ましくは、0.003%以下とする。Pは溶鋼製造時にスクラップ等から不純物として混入する場合があるが、その下限を特に制限する必要はなく、その下限は0%以上である。
Sは、MnSとして脆性破壊の発生起点となる場合があり、極低温靭性に有害な元素である。S含有量が0.0040%を超えると−253℃での靭性が低下する場合があるため、S含有量の上限を0.0040%以下に制限する。S含有量の上限は、好ましくは0.0030%以下、より好ましくは、0.0020%以下、更に好ましくは、0.0010%以下とする。Sは溶鋼製造時にスクラップ等から不純物として混入する場合があるが、その下限を特に制限する必要はなく、その下限は0%以上である。
Cuは、室温での降伏応力を上昇させる元素であるため、含有してもよい。ただし、Cu含有量が1.00%を超えると−253℃における靭性が低下するため、Cu含有量の上限を1.00%以下とする。Cu含有量の上限は、好ましくは0.70%以下、より好ましくは0.50%以下、更に好ましくは0.30%以下とする。Cuは、溶鋼の製造時にスクラップ等から不純物として混入する場合があるが、Cu含有量の下限を特に制限する必要はなく、その下限は0%以上である。
Crは、室温での降伏応力を上昇させる元素であるため、含有してもよい。ただし、Cr含有量が1.00%を超えると−253℃における靭性が低下するため、Cr含有量の上限を1.00%以下とする。Cr含有量の上限は、好ましくは0.70%以下、より好ましくは0.50%以下、更に好ましくは0.30%以下とする。Crは、溶鋼の製造時にスクラップ等から不純物として混入する場合があるが、Cr含有量の下限を特に制限する必要はなく、その下限は0%以上である。
Nbは、室温での降伏応力を上昇させる元素であり、金属組織の微細化による極低温靭性の向上効果も有するため、含有してもよい。ただし、Nb含有量が0.020%を超えると、−253℃における靭性が低下するため、その上限を0.020%以下とする。Nb含有量の上限は、好ましくは0.015%以下、より好ましくは0.010%以下である。Nbは溶鋼の製造時にスクラップ等から不純物として混入する場合があるが、Nb含有量の下限を特に制限する必要はなく、その下限は0%以上である。
Vは、室温での降伏応力を上昇させる元素であるため、含有してもよいが、V含有量が0.080%を超えると−253℃における靭性が低下するため、V含有量の上限を0.080%以下とする。V含有量の上限は、好ましくは0.060%以下、より好ましくは0.040%以下である。Vは溶鋼の製造時にスクラップ等から不純物として混入する場合があるが、V含有量の下限を特に制限する必要はなく、その下限は0%以上である。
Tiは、TiNを形成し、金属組織の微細化や、極低温靭性を低下させる固溶Nの低減にも寄与するため、含有してもよい。しかし、Ti含有量が0.020%を超えると、−253℃における靭性が低下するため、Ti含有量の上限を0.020%以下とする。好ましいTi含有量の上限は0.015%以下であり、より好ましくは0.010%以下である。Tiは、溶鋼の製造時にスクラップ等から不純物として混入する場合があるが、Ti含有量の下限を特に制限する必要はなく、その下限は0%以上である。
Bは、室温での降伏応力を上昇させる元素であり、また、BNを形成し、極低温靭性を低下させる固溶Nの低減にも寄与するため、含有してもよい。しかし、B含有量が0.0020%超となると−253℃における靭性が低下するため、B含有量の上限を0.0020%以下とする。B含有量の上限は、好ましくは0.0015%以下であり、より好ましくは0.0012%以下、更に好ましくは0.0010%以下とする。Bは溶鋼の製造時にスクラップ等から不純物として混入する場合があるが、B含有量の下限を特に制限する必要はなく、その下限は0%以上である。
Caは、熱間圧延により延伸して極低温靭性への有害性が高まりやすいMnSをCaSとして球状化し、極低温靭性を向上させるのに有効であるため、含有してもよい。しかし、Ca含有量が0.0040%を超えると、Caを含有する酸硫化物が粗大化して、−253℃における靭性が低下する。このためCa含有量の上限を0.0040%以下に制限し、好ましくは0.0030%以下とする。Caは、溶鋼製造時にスクラップ等から不純物として混入する場合があるが、Ca含有量の下限を特に制限する必要はなく、その下限は0%以上である。
REM(希土類金属:Rare−Earth Metal)は、Caと同様に、熱間圧延によって延伸して極低温靭性への有害性が高まりやすいMnSをREMの酸硫化物として球状化し、極低温靭性を向上させるのに有効であるため、含有してもよい。しかし、REM含有量が0.0050%を超えるとREMを含有する酸硫化物が粗大化して、−253℃における靭性が低下する。このためREM含有量の上限を0.0050%以下に制限し、好ましくは0.0040%以下に制限する。REMは、溶鋼の製造時にスクラップ等から不純物として混入する場合があるが、REM含有量の下限を特に制限する必要はなく、その下限は0%以上である。
本発明者らは、−253℃の極低温では、旧オーステナイト粒界で破壊が発生し、靭性が低下しやすいことを新たに見出した。本発明のNi鋼は、熱間圧延を施し、水冷した後、中間熱処理、焼戻しという熱処理を施して製造されるが、ここで述べる旧オーステナイト粒界とは、熱間圧延後、水冷開始前に存在していたオーステナイトの粒界である。この旧オーステナイト粒界にはMn、P、Siが偏析しており、これらの元素が旧オーステナイト粒界の結合力を低下させ、−253℃での旧オーステナイト粒界での破壊が発生すると考えられる。
旧オーステナイト粒径は3.0μm以上、20.0μm以下とする必要がある。旧オーステナイト粒径を3.0μm未満に細粒化するには熱処理の回数を増加させるなど、製造コストの上昇を伴うので、旧オーステナイト粒径の下限を3.0μm以上とする。一方、旧オーステナイト粒径が20.0μmを超えると旧オーステナイト粒界に析出するセメンタイトが粗大となり、また、MnやPの粒界の濃度が上昇する。粗大なセメンタイトの析出や、Mn、Pの濃化は、旧オーステナイト粒界の結合力を弱めて旧オーステナイト粒界での破壊を招いたり、脆性破壊の発生の起点となり、−253℃での極低温靭性を低下させるので、旧オーステナイト粒径の上限を20.0μm以下とする。
旧オーステナイト粒のアスペクト比とは、圧延方向に平行な面(L面)での旧オーステナイト粒の長さと厚さとの比、すなわち、旧オーステナイト粒の圧延方向長さ:旧オーステナイト粒の板厚方向の厚さ、である。アスペクト比は、未再結晶域での圧延によって旧オーステナイトが扁平化すると大きくなる。アスペクト比が3.0未満であると、未再結晶域での圧延による転位の導入が不十分で、強度を高めることができない。このため、旧オーステナイト粒のアスペクト比の下限は3.0以上とする。一方、アスペクト比が10.0を超えると、過度な未再結晶域圧延によって旧オーステナイト粒径が50μmを超える部分が生じ、極低温靭性が低下することがある。また、圧延方向に沿った旧オーステナイト粒界ではセメンタイトが粗大化しやすく、また、作用する応力が高くなり、破壊が発生しやすくなる。このため、旧オーステナイト粒のアスペクト比の上限を10.0以下とする。
また、−253℃における靭性を一層高めるためには、オーステナイト相を体積分率で2.0%以上含有することが好ましい。そのため、オーステナイト相の体積分率の下限を2.0%以上とすることが好ましい。ただし、このオーステナイト相は旧オーステナイトとは異なり、熱処理後のNi鋼に存在するオーステナイト相であり、体積分率をX線回折法で測定する。−253℃でも安定なオーステナイト相が存在する場合、負荷される応力や歪がオーステナイトの塑性変形によって緩和されるため、靭性が向上すると考えられる。また、オーステナイト相は旧オーステナイト粒界や焼戻しマルテンサイトのブロック境界やラス境界などに、比較的、均一に微細に生成する。すなわち、オーステナイト相は脆性破壊の発生の起点となる可能性が高い硬質相の近傍に存在し、硬質相の周囲への応力や歪の集中を緩和し、脆性破壊の発生の抑制に寄与すると考えられる。更に、体積分率で2.0%以上のオーステナイト相を生成させた結果、脆性破壊の発生の起点となる粗大なセメンタイトも大幅に減少させることができると考えられる。一方、オーステナイト相の体積分率が増加すると、オーステナイト相へのCなどの濃化が不十分になり、−253℃ではマルテンサイトに変態する可能性が高くなる。極低温でマルテンサイトに変態する不安定なオーステナイトは、−253℃での極低温靭性を低下させる場合があるため、オーステナイト相の体積分率の上限は20.0%以下が好ましい。オーステナイト相の体積分率は、焼戻し後の鋼から試料を採取して、X線回折法で測定すればよい。
有効結晶粒径は2.0μm以上、12.0μm以下とすることが好ましい。有効結晶粒径は、結晶方位がほぼ同一の領域であり、微細化すると破壊亀裂の伝播の抵抗が大きくなり、靭性が一層向上する。ただし、有効結晶粒径を2.0μm未満にまで細粒化するには熱処理の回数を増加させるなど、製造コストの上昇を伴うので、有効結晶粒径を考慮する場合、有効結晶粒径の下限を2.0μm以上とする。また、有効結晶粒径が12.0μmを超えると、脆性破壊の発生の起点となる硬質相、すなわち、旧オーステナイト粒界や焼戻しマルテンサイト中の粗大なセメンタイトや、粗大なAlN、MnS、アルミナなどの介在物に作用する応力が高まり、−253℃での極低温靭性が低下する場合がある。そのため、有効結晶粒径を考慮する場合、有効結晶粒径の上限を12.0μm以下とする。
本発明における極低温用鋼の特性は、一例として、板厚は12mm以上、40mm以下、室温での降伏応力は590MPa以上、710MPa以下、引張強さは690MPa以上、810MPa以下であることが好ましい。
鋼の溶製方法は、例えば溶鋼温度を1650℃以下として、溶鋼O濃度を0.01%以下、溶鋼S濃度を0.02%以下とした状態で、元素の含有量の調整を行った後、連続鋳造により鋼片を製造する。得られた鋼片を加熱し、熱間圧延を施し、水冷した後、中間熱処理、焼戻しを順次施す熱処理を行う。
表3の製造条件No.9の鋼材は、熱間圧延時の加熱温度が好ましい範囲の上限であり、オーステナイト相が多くなり、強度と靭性とのバランスがやや劣っている。
製造条件No.10の鋼材は、中間熱処理温度が好ましい範囲より高く、オーステナイト相が少なく、有効結晶粒径が大きくなっており、強度と靭性とのバランスがやや劣っている。
No.18の鋼材はMn含有量が少ないため、極低温靭性が低下している。
No.16、17、19〜22、24の各鋼材は、それぞれ、C含有量、Si含有量、Mn含有量、P含有量、S含有量、Cr含有量、Al含有量が多く、極低温靭性が低下している。
No.25の鋼材は、Nb含有量及びB含有量が多く、旧オーステナイト粒のアスペクト比が大きくなり、また、有効結晶粒径も大きくなり、極低温靭性が低下している。
No.26の鋼材は、Ti含有量及びN含有量が多く、極低温靭性が低下している。
No.27の鋼材は、圧延時の加熱温度が高く、旧オーステナイト粒の粒径が大きくなり、また、有効結晶粒径も大きくなり、極低温靭性が低下している。
No.28の鋼材は、950℃以下での圧下率が低く、旧オーステナイト粒径が大きくなり、また、有効結晶粒径も大きくなり、極低温靭性が低下している。また、旧オーステナイト粒のアスペクト比が小さくなり、室温での降伏応力及び引張強さが低下している。
No.29の鋼材は、圧延終了温度が高く、旧オーステナイト粒径が大きくなり、また、有効結晶粒径も大きくなり、極低温靭性が低下している。また、旧オーステナイト粒のアスペクト比が小さくなり、室温での降伏応力及び引張強さが低下している。
No.30の鋼材は、熱間圧延の圧延終了温度が低く、旧オーステナイト粒のアスペクト比が大きくなり、極低温靭性が低下している。
Claims (4)
- 質量%で、
C:0.030%以上、0.070%以下、
Si:0.03%以上、0.30%以下、
Mn:0.10%以上、0.80%以下、
Ni:12.5%以上、15.4%以下、
Mo:0.03%以上、0.60%以下、
Al:0.010%以上、0.060%以下、
N:0.0015%以上、0.0060%以下及び
O:0.0007%以上、0.0030%以下
を含有し、
P:0.008%以下、
S:0.0040%以下、
Cu:1.00%以下、
Cr:1.00%以下、
Nb:0.020%以下、
V:0.080%以下、
Ti:0.020%以下、
B:0.0020%以下、
Ca:0.0040%以下及び
REM:0.0050%以下
に制限し、
残部がFe及び不純物からなり、
旧オーステナイト粒の粒径が3.0μm以上、20.0μm以下、アスペクト比が3.0以上、10.0以下であり、−253℃でのK IC 値が150MPa・√m以上であり、室温での降伏応力が590MPa以上であることを特徴とする、液体水素用Ni鋼。 - 体積分率で2.0%以上、20.0%以下のオーステナイト相を含有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の液体水素用Ni鋼。 - 有効結晶粒径が2.0μm以上、12.0μm以下
であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の液体水素用Ni鋼。 - 板厚が、12mm以上、40mm以下、
室温での降伏応力が、590MPa以上、710MPa以下、
室温での引張強さが、690MPa以上、810MPa以下
であることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の液体水素用Ni鋼。
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