JP6754565B2 - グリース、転がり軸受、転がり軸受装置及び情報記録再生装置 - Google Patents
グリース、転がり軸受、転がり軸受装置及び情報記録再生装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6754565B2 JP6754565B2 JP2015236921A JP2015236921A JP6754565B2 JP 6754565 B2 JP6754565 B2 JP 6754565B2 JP 2015236921 A JP2015236921 A JP 2015236921A JP 2015236921 A JP2015236921 A JP 2015236921A JP 6754565 B2 JP6754565 B2 JP 6754565B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- grease
- rolling bearing
- kinematic viscosity
- mineral oil
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
- Lubricants (AREA)
Description
また、前記動粘度ν2に対する前記動粘度ν1の比ν1/ν2が1.3以上であることが好ましい。
前記動粘度ν1は、40mm2/s以上であることが好ましい。
前記動粘度ν2は、20mm2/s以上であることが好ましい。
前記基油の40℃における動粘度νは、25〜45mm2/sであることが好ましい。
本発明のグリースにおいて、前記基油は、米国石油協会が定める基油カテゴリーでグループIIIに分類される精製鉱油を含み、且つ、前記精製鉱油の引火点が240℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましい。
前記ポリ−α−オレフィンは、炭素数8〜12のα−オレフィンの3〜5量体の混合物を含むことが好ましい。
前記増ちょう剤は、ウレア化合物であることが好ましい。
本発明の転がり軸受装置は、シャフトと、本発明の転がり軸受と、を備える。
本発明の情報記録再生装置は、本発明の転がり軸受装置を備える。
また、本発明の転がり軸受、転がり軸受装置及び情報記録再生装置は、グリースからのアウトガス量が充分に低減されており、かつ耐久性に優れる。
本発明のグリースは、基油及び増ちょう剤を含む。
基油は、鉱油及びPAOを含む。
鉱油としては、基油として用いられる公知の鉱油を使用でき、例えば、ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油、水素化系鉱油、溶剤精製鉱油、高精製鉱油等が挙げられる。
鉱油としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。例えば、動粘度の異なる複数の鉱油を混合し、目的の動粘度(平均動粘度)に調整したものを使用してもよい。
PAOとしては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。例えば、動粘度の異なる複数のPAOを混合し、目的の動粘度(平均動粘度)に調整したものを使用してもよい。アウトガス量及び長期蒸発損失が少なく、耐酸化劣化特性に優れる点から、炭素数8〜12のα−オレフィンの3〜5量体の混合物を使用することが特に好ましい。
他の油成分としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のグリースにおいては、鉱油の40℃における動粘度ν1を、PAOの40℃における動粘度ν2よりも高くする。鉱油の動粘度ν1がPAOの動粘度ν2よりも高いことで、鉱油の耐熱性が優れたものとなる。その結果、鉱油からのアウトガス量が少なくなり、結果として基油からのアウトガス量が充分に低減される。また、鉱油の動粘度ν1よりも低い動粘度ν2のPAOが組み合わされていることで、基油の動粘度νが充分に低くなる。そのため、転がり軸受の転動体が転動している部分等のグリースを必要とする部分にグリースが充分に供給され、グリースによる潤滑効果が充分に得られる。
なお、本発明における油の動粘度は、JIS K2283に準拠して40℃で測定された値を意味する。
また、動粘度の異なる複数の同種の基油を混合させた場合には、その混合物の動粘度を基油の動粘度として考える。
増ちょう剤は、グリースを半固体状に保つ役割を果たす。
増ちょう剤としては、グリースに通常使用される公知の増ちょう剤を制限なく使用できる。増ちょう剤の具体例としては、例えば、ウレア化合物、リチウムセッケン等が挙げられる。なかでも、増ちょう剤としては、耐熱性に優れる点から、ウレア化合物であることが好ましく、1分子中に2個のウレア結合を有するジウレア化合物がより好ましい。
ジウレア化合物の具体例としては、例えば、ジイソシアネート(フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等)とモノアミン(オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、アニリン、p−トルイジン等)との反応で得られる化合物が挙げられる。
増ちょう剤としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のグリースは、必要に応じて、基油及び増ちょう剤に加えて、基油及び増ちょう剤以外の他の成分を含んでもよい。
他の成分としては、グリースに通常使用される公知の成分が使用でき、例えば、極圧剤、酸化防止剤、防錆剤、油性向上剤、金属不活性化剤等の添加剤が挙げられる。
極圧剤としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
防錆剤としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のグリース100質量%に対する基油の割合は、75〜93質量%が好ましく、80〜90質量%がより好ましい。基油の割合が前記下限値以上であれば、転がり軸受の転動面等のグリースを必要とする面にグリース又は基油が供給されやすい。基油の割合が前記上限値以下であれば、グリースは半固形状であり、漏れにくく飛散しにくい。
基油中の鉱油に対するPAOの質量比(PAO/鉱油)は、1.25〜9が好ましく、1.5〜4がより好ましい。前記質量比が前記下限値以上であれば、アウトガス量を充分に低減しやすい。前記質量比が前記上限値以下であれば、優れた耐久性、トルク平滑性が得られやすい。
本発明のグリース100質量%に対する酸化防止剤の割合は、0.05〜4質量%が好ましく、0.2〜2質量%がより好ましい。
本発明のグリース100質量%に対する防錆剤の割合は、0.2〜4質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。
本発明のグリースの用途としては、情報記録再生装置、電子機器製造装置における転がり軸受に用いられるグリースとして特に有用である。電子機器製造装置としては、例えば、半導体製造装置、液晶製造装置、プリント基板製造装置等が挙げられる。また、本発明のグリースは、リニヤガイド、ボールネジに封入されるグリースとして使用することもできる。
以上説明した本発明のグリースにおいては、PAOに加えて、PAOの動粘度ν2よりも動粘度ν1が高い鉱油を特定の割合で含むため、アウトガス量を充分に低減できるうえ、転がり軸受等のグリースが必要な装置において優れた耐久性も確保できる。前記効果が得られる要因は、以下のように考えられる。
これに対して、本発明のグリースでは、PAOに比べて分子量分布の広い鉱油をPAOと併用するため、転がり軸受の様々な動作条件への対応が可能となる。例えばスイングアームの動きが低速の場合でも、鉱油における分子量が高く粘度の高い成分の影響で充分な厚さの油膜が形成され、充分な潤滑効果が発揮される。またスイングアームの動きが高速の場合や、スイングアームが微小な範囲で動く場合でも、鉱油における分子量が低く粘度の低い成分の影響によって、転動体が転動する部分にグリースが充分に供給される。このように、転がり軸受の広範囲な動作条件に対応可能であるため、優れた耐久性を確保できる。
本発明の転がり軸受、転がり軸受装置及び情報記録再生装置は、本発明のグリースを用いる以外は公知の態様を採用できる。以下、本発明の転がり軸受、転がり軸受装置及び情報記録再生装置の一例を示して説明する。
本実施形態の情報記録再生装置1は、ディスク(磁気記録媒体)Dに対して垂直記録方式で書き込みを行う装置であって、図1に示すように、ディスクDと、スイングアーム2と、光導波路3と、レーザ光源4と、ヘッドジンバルアッセンブリ(HGA)5と、転がり軸受装置6と、アクチュエータ7と、スピンドルモータ(回転駆動部)8と、制御部9と、ハウジング10と、を備えている。
ハウジング10は、平面視四角形状の底部10aと、底部10aの周縁から立設する周壁部(不図示)と、周壁部の上部に着脱可能に固定され、開口部を塞ぐ蓋体(不図示)と、を備える。ハウジング10では、底部10a上における周壁部の内側に、各構成品が収容されるようになっている。図1では、便宜上、周壁部及び蓋体を省略している。
ハウジング10の材質は、特に限定されず、例えば、アルミニウム等の金属材料が挙げられる。
基部2aは、略直方体形状であり、転がり軸受装置6を囲うように転がり軸受装置6に回動可能に支持されている。
また、この例のスイングアーム2では、3枚のアーム部2bが、基部2aの高さ方向(垂直方向)に、各アーム部2bの間にディスクDが挟まれるように設けられている。つまり、アーム部2bとディスクDとが互いに高さ方向に交互に位置するように配置されており、アクチュエータ7の駆動によってアーム部2bがディスク面(ディスクDの表面)D1に平行な方向に移動するようになっている。
スライダ5bは近接場光発生素子を有している。レーザ光源4から光がスライダ5bに導かれた際に該近接場光発生素子から近接場光が発生される。該近接場光を利用することで、ディスクDに各種情報を記録したり、再生させたりすることができる。
近接場光発生素子は、例えば、光学的微小開口や、ナノメートルサイズに形成された突起部等により構成される。
転がり軸受装置6は、図2及び図3に示すように、シャフト20と、シャフト20の外側にシャフト20と同軸上に設置されたスリーブ21と、シャフト20とスリーブ21の間に設置された2つの転がり軸受22と、を備える。
シャフト20におけるハウジング10の底部10a側の部分には、本体部20aよりも拡径したフランジ部20bと、本体部20aよりも縮径した縮径部20cとが、基端に向かって順に設けられている。縮径部20cの外周面には雄ねじ20dが形成されている。ハウジング10の底部10aに設けられた穴10bにシャフト20の縮径部20cを挿入し、穴10bの内周面に形成された雌ねじ10cと縮径部20cの雄ねじ20dとを螺合することで、シャフト20がハウジング10の底部10aに立設される。このとき、フランジ部20bの下面がハウジング10の底部10aに接することで、シャフト20の高さ方向の位置決めがなされる。
スリーブ21は、シャフト20を径方向外側から囲むように、かつその内周面がシャフト20の外周面に対して所定間隔で離間するように設置されている。シャフト20の中心軸とスリーブ21の中心軸は一致するようになっている。
また、スリーブ21は、スイングアーム2の基部2aに形成された取付孔2e内に直接圧入されるか、波型に形成された金属リング等の弾性体を介して圧入されるか、又は接着嵌合されることで、スイングアーム2と一体的に組み合わされている。
転がり軸受装置6に備えられている2つ転がり軸受22は、同じものである。
転がり軸受22は、図3〜6に示すように、内輪30と、外輪31と、リテーナ32と、複数の転動体33と、2つのシールド板34と、を備える。
内輪30の内径は、シャフト20の挿入が可能な寸法とされる。本実施形態では、内輪30の内径は、シャフト20の外径よりも若干大きくなっている。内輪30の内側にシャフト20が挿し込まれ、接着剤等で内輪30がシャフト20に固定される。
なお、内輪30の内径は、シャフト20に設置できる範囲であれば、シャフト20の外径と同一か、若干小さくなっていてもよい。この場合は、内輪30にシャフト20が圧入固定される。
なお、転がり軸受22では、外輪31にシャフト20に対して軸方向に相対的に予圧が付与された状態で外輪31をスリーブ21に固定する、いわゆる外輪予圧を採用してもよい。
内輪30の材質としては、例えばステンレス等の金属材料が挙げられる。内輪30は、例えば鍛造や機械加工等により製造できる。
外輪31はスリーブ21の内側に固定されることで、内輪30の外側に、内輪30から離間した状態で設置される。内輪30と外輪31とは、それらの中心軸がともにシャフト20の中心軸と一致するように同軸上に設置される。
外輪31の材質としては、例えばステンレス等の金属材料が挙げられる。内輪30は、例えば鍛造や機械加工等により製造できる。
なお、爪部の対の数、すなわちボールポケットBの数は、7個には限定されず、6個以下であってもよく、8個以上であってもよい。
リテーナ32は、各々のボールポケットBにそれぞれ転動体33を転動可能に保持した状態で中心軸L2回りを回転できるようになっている。
リテーナ32の材質としては、特に限定されず、例えば、ポリアミド樹脂等の樹脂が挙げられる。
グリースポケットGを利用して転がり軸受22にグリースを使用することで、グリースの使用量を少なくすることができる。これにより、グリース量が過度となって転がり軸受22のトルクが増大することが抑制されやすくなり、またディスクDへの読み書きのために要求される充分なクリーン度が得られやすくなる。
転動体33の数は、この例では7個であるが、リテーナ32におけるボールポケットBの数に応じて決定すればよく、6個以下であってもよく、8個以上であってもよい。
転動体33の材質としては、例えば、軸受鋼等の金属材料が挙げられる。
情報記録再生装置1では、転がり軸受22におけるリテーナ32のグリースポケットGに本発明のグリースを配置する。アクチュエータ7の駆動によってスイングアーム2が回動する際には、グリースポケットGに配置したグリースが内輪30及び外輪31とリテーナ32の側面を通り、内輪30及び外輪31と転動体33の間に供給され、グリースによる潤滑効果が発揮される。
情報記録再生装置1においては、本発明のグリースを用いているため、アウトガス量が充分に低減されている。そのため、アウトガスがヘッドジンバルアッセンブリとディスクDの隙間等に溜まりにくく、安定して読み書きが行える。また、優れた耐久性を確保でき、低トルクでトルク平滑性に優れた状態を長期間維持できる。
なお、本発明の転がり軸受、転がり軸受装置及び情報記録再生装置は、本発明のグリースを用いたものであればよく、前記したものには限定されない。
例えば、転がり軸受22、転がり軸受装置6を備える情報記録再生装置1は近接場光を利用するものであったが、本発明のグリースを用いた転がり軸受及び転がり軸受装置を備える一般的なHDDや光ディスクD装置等であってもよい。
また、転がり軸受における転動体は、円筒状のころであってもよい。
[動粘度]
鉱油、PAO及び基油の動粘度は、キヤノン−フェンスケ粘度計を用い、JIS K2283に準拠して40℃で測定した。
15mm角のアルミニウム箔上に、ガラス棒によってサンプルのグリース(4.5〜5.5mg)を満遍なく塗り、測定サンプルとした。該測定サンプルを、標準試薬(ヘキサデカン)5μL(100ng)とともにオーブンにより85℃で3時間加熱し、発生したガスを捕集管に吸着させた。次いで、該捕集管を加熱脱着装置(TD−100)に設置して320℃に加熱し、該捕集管から生じるガスをガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)に送った。GC−MSでは、40℃で2分保持し、12℃/分で20分間かけて280℃まで昇温し、280℃で20分保持する温度プロファイルによってクロマトグラムデータを得て、GC−MS内部のライブラリーにより成分同定を行った。アウトガス量は、標準試薬(ヘキサデカン)のクロマトグラフピーク(100ng相当)を基に標準試薬換算として算出した。
図3〜6に例示した転がり軸受装置6を作製し、リテーナ32のグリースポケットGに各例のグリースを配置し、下記の動作条件で連続動作を行わせ、連続動作前の初期トルクに対する連続動作後のトルクの比としてトルク変動幅(ハッシュ)を測定した。
<動作条件>
動作周波数:30Hz
動作角度:10deg
動作時間:100時間
動作環境温度:80℃
図3〜6に例示した転がり軸受装置6を作製し、リテーナ32のグリースポケットGに各例のグリースを配置し、下記の動作条件で連続動作を行わせ、連続動作直後のトルクを測定し、以下の基準に従って評価した。
<動作条件>
動作周波数:15Hz
動作角度:5deg
動作時間:50時間
動作環境温度:室温
<評価基準>
○:連続動作前の初期トルクに比べて連続動作直後のトルクがほとんど変化しない。
×:連続動作前の初期トルクに比べて連続動作直後のトルクが大きく変化する。
JIS K 2220(Low Temparature Torque Test、ベアリング:6204)に準拠して0℃と−30℃において低温トルク試験を行い、起動トルク(初期トルク)と、起動後にトルクが安定した後の回転トルクとをそれぞれ測定した。
外径41mm、内径37mm、高さ8mm(収納高さ5mm)のシャーレ内にグリースを5g入れ、表面を滑らかに平らした状態で、85℃、100℃又は130℃の各温度の恒温槽に静置し、一定時間ごとに取り出してグリースの質量を測定した。恒温槽に静置する前のグリースの質量に対する各時間の質量の変化からグリースの蒸発損失(質量%)を算出した。
精製鉱油(API基油カテゴリーでグループIIIに分類されるもの。動粘度ν1=47mm2/s(40℃)、引火点250℃以上であるもの)と、PAO(炭素数8〜12のα−オレフィンの3〜5量体の混合物、動粘度ν2=30mm2/s(40℃))とを質量比3:7で混合し、基油(動粘度ν=34mm2/s(40℃))とした。
次いで、前記基油と、増ちょう剤として脂環族ジウレア化合物を用いてグリース化し、酸化防止剤及び防錆剤を添加混合した。各成分の割合は、グリース100質量%に対して、基油が86.0質量%、増ちょう剤が12.5質量%、酸化防止剤が0.5質量%、防錆剤が1.0質量%であった。
前記基油と、増ちょう剤として脂環族ジウレア化合物を用いてグリース化し、酸化防止剤及び防錆剤に加えてさらに極圧剤を添加混合した以外は、実施例1と同様にした。各成分の割合は、グリース100質量%に対して、基油が85.0質量%、増ちょう剤が12.5質量%、酸化防止剤が0.5質量%、防錆剤が1.0質量%、極圧剤が1.0質量%であった。
鉱油(動粘度ν1=52mm2/s(40℃)、引火点220℃以上)、PAO(炭素数8〜12のα−オレフィンの3〜5量体の混合物、動粘度ν2=52mm2/s(40℃))を用い、それらを質量比1:1で混合し、基油(動粘度ν=52mm2/s(40℃))とした。次いで、前記基油と、増ちょう剤として脂環族ジウレア化合物を用いてグリース化し、酸化防止剤及び防錆剤を添加混合した。
基油として、PAO(炭素数8〜12のα−オレフィンの3〜5量体の混合物、動粘度ν=30mm2/s(40℃))を用いた以外は、実施例1と同様にしてグリースを得た。
基油として、PAO(炭素数8〜12のα−オレフィンの3〜5量体の混合物、動粘度ν=30mm2/s(40℃))を用いた以外は、実施例2と同様にしてグリースを得た。
グリースとして、市販の情報記録再生装置の転がり軸受用グリースαを用意した。なお、グリースαは増ちょう剤としてウレア化合物を含む。
一方、鉱油の割合が多い比較例1のグリースは、アウトガス量が多かった。また、比較例1では、耐久試験におけるトルク変動幅が大きく、実施例1、2に比べて耐久性が劣っていた。さらに、グリースバンプ試験においては、連続動作前のトルクに比べて連続動作後のトルクが6倍程度まで上昇した。これは、連続動作における動作範囲の縁部分に酸化劣化したグリースが溜まってバンプが形成されること、もしくは連続動作における動作範囲の縁部分で摩耗が激しくなることが要因であると考えられる。
また、鉱油を用いない比較例2、3のグリースでは、アウトガス量は少ないものの、耐久性に劣っていた。
以下の4つの成分A〜Dについて、前記したアウトガス量の測定を行った。
成分A:炭素数10のα−オレフィンの3〜5量体の混合物(動粘度ν2=30mm2/s(40℃)。以下、PAO(decene)という。)。
成分B:炭素数8〜12のα−オレフィンの3〜5量体の混合物(動粘度ν2=30mm2/s(40℃)。以下、PAO(MIX)という。)。
成分C:PAO(decene)に酸化防止剤を、PAO(decene)及び酸化防止剤の総質量に対して酸化防止剤の含有量が0.2質量%となるように添加した成分。
成分D:PAO(MIX)に酸化防止剤を、PAO(MIX)及び酸化防止剤の総質量に対して酸化防止剤の含有量が0.2質量%となるように添加した成分。
結果を表3に示す。
前記成分A〜Dについて、耐酸化劣化試験を行った。具体的には、ビーカー(寸動外径×高さ:30mm×40mm)内に各成分を5g採取し、100℃の恒温槽に静置した。240時間経過後、24時間毎に各ビーカー中の成分をFT−IRで測定し、酸化劣化の有無を確認した。酸化劣化が初めて確認された時間を表4に示す。
2 スイングアーム
3 光導波路
4 レーザ光源
5 ヘッドジンバルアッセンブリ
6 転がり軸受装置
7 アクチュエータ
8 スピンドルモータ
9 制御部
10 ハウジング
20 シャフト
21 スリーブ
22 転がり軸受
30 内輪
31 外輪
32 リテーナ
33 転動体
34 シールド板
B ボールポケット
G グリースポケット
Claims (7)
- 基油及び増ちょう剤を含み、
前記増ちょう剤がウレア化合物であり、
前記基油は、鉱油及びポリ−α−オレフィンを含み、
前記ポリ−α−オレフィンが、炭素数8〜12のα−オレフィンから選ばれる2種以上の3〜5量体の混合物であり、
前記基油100質量%に対して、前記鉱油の割合が10〜40質量%であり、前記ポリ−α−オレフィンの割合が50〜90質量%であり、前記鉱油と前記ポリ−α−オレフィンの合計の割合が80質量%以上であり、
前記鉱油の40℃における動粘度ν1が40mm2/s以上、60mm2/s以下であり、
前記ポリ−α−オレフィンの40℃における動粘度ν2が20mm2/s以上、40mm2/s以下であり、
前記動粘度ν1は前記動粘度ν2よりも高く、
前記基油の40℃における動粘度νが25〜45mm2/sである、グリース。 - 前記動粘度ν2に対する前記動粘度ν1の比ν1/ν2が1.3以上である、請求項1に記載のグリース。
- 前記基油は、米国石油協会が定める基油カテゴリーでグループIIIに分類される精製鉱油を含み、且つ、前記精製鉱油の引火点が240℃以上である、請求項1又は2に記載のグリース。
- 前記基油は、米国石油協会が定める基油カテゴリーでグループIIIに分類される精製鉱油を含み、且つ、前記精製鉱油の引火点が250℃以上である、請求項1又は2に記載のグリース。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のグリースを備える転がり軸受。
- シャフトと、請求項5に記載の転がり軸受と、を備える転がり軸受装置。
- 請求項6に記載の転がり軸受装置を備える情報記録再生装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
KR1020160006537A KR102523664B1 (ko) | 2015-01-21 | 2016-01-19 | 그리스, 구름 베어링, 구름 베어링 장치 및 정보 기록 재생 장치 |
CN201610033084.8A CN105802704B (zh) | 2015-01-21 | 2016-01-19 | 润滑脂、滚动轴承、滚动轴承装置及信息记录重放装置 |
US15/002,033 US9994788B2 (en) | 2015-01-21 | 2016-01-20 | Grease, rolling bearing, rolling bearing device, and information recording and reproducing apparatus |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015009485 | 2015-01-21 | ||
JP2015009485 | 2015-01-21 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016138244A JP2016138244A (ja) | 2016-08-04 |
JP6754565B2 true JP6754565B2 (ja) | 2020-09-16 |
Family
ID=56558903
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015236921A Active JP6754565B2 (ja) | 2015-01-21 | 2015-12-03 | グリース、転がり軸受、転がり軸受装置及び情報記録再生装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6754565B2 (ja) |
KR (1) | KR102523664B1 (ja) |
Family Cites Families (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04139298A (ja) * | 1990-09-29 | 1992-05-13 | Nippon Oil & Fats Co Ltd | エステル系グリース基油 |
JPH059489A (ja) * | 1991-07-01 | 1993-01-19 | Nippon Seiko Kk | 電子計算機軸受用グリース組成物 |
JP3290752B2 (ja) * | 1993-05-20 | 2002-06-10 | 日本精工株式会社 | グリース組成物 |
JP4021532B2 (ja) * | 1997-12-02 | 2007-12-12 | 日本精工株式会社 | グリース及び転動装置 |
JP2001072990A (ja) * | 1999-09-07 | 2001-03-21 | Nsk Ltd | 転がり軸受 |
JP2002146377A (ja) * | 2000-11-06 | 2002-05-22 | Seiko Instruments Inc | ハードディスク装置用グリース組成物及びその製造方法 |
US6824671B2 (en) * | 2001-05-17 | 2004-11-30 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Low noack volatility poly α-olefins |
JP2003239954A (ja) | 2002-02-13 | 2003-08-27 | Minebea Co Ltd | ピボットアッシー用軸受 |
JP2004092722A (ja) * | 2002-08-30 | 2004-03-25 | Nsk Ltd | 転がり軸受 |
JP4688447B2 (ja) * | 2004-08-03 | 2011-05-25 | 日本グリース株式会社 | 小型モータ軸受封入用耐熱性リチウムグリース組成物 |
JP2006182806A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-13 | Toyota Motor Corp | 塑性加工潤滑油組成物 |
US7544850B2 (en) * | 2006-03-24 | 2009-06-09 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Low viscosity PAO based on 1-tetradecene |
US8530397B2 (en) * | 2007-12-12 | 2013-09-10 | Infineum International Limited | Additive compositions |
US8480880B2 (en) * | 2011-01-18 | 2013-07-09 | Chevron U.S.A. Inc. | Process for making high viscosity index lubricating base oils |
JP5826626B2 (ja) * | 2011-12-22 | 2015-12-02 | 昭和シェル石油株式会社 | グリース組成物 |
JP2013174334A (ja) * | 2012-02-27 | 2013-09-05 | Nsk Ltd | ハードディスクドライブ装置のアクチュエータ用転がり軸受 |
-
2015
- 2015-12-03 JP JP2015236921A patent/JP6754565B2/ja active Active
-
2016
- 2016-01-19 KR KR1020160006537A patent/KR102523664B1/ko active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20160090258A (ko) | 2016-07-29 |
JP2016138244A (ja) | 2016-08-04 |
KR102523664B1 (ko) | 2023-04-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6417143B1 (en) | Rolling bearings and greases for the same | |
JP2002180077A (ja) | 潤滑剤組成物および軸受 | |
CN105802716B (zh) | 滚动轴承用润滑脂、滚动轴承、滚动轴承装置以及信息记录重放装置 | |
JP2019052200A (ja) | グリース組成物および転がり軸受 | |
JP6754565B2 (ja) | グリース、転がり軸受、転がり軸受装置及び情報記録再生装置 | |
JP2004091764A (ja) | グリース組成物,転がり軸受,及び電動モータ | |
JP6858501B2 (ja) | グリース、転がり軸受、転がり軸受装置及び情報記録再生装置 | |
KR102613104B1 (ko) | 정보 기록 재생 장치의 롤링 베어링용 그리스, 롤링 베어링, 롤링 베어링 장치 및 정보 기록 재생 장치 | |
JP7381786B2 (ja) | 転がり軸受、ピボットアッシー軸受、およびディスク駆動装置 | |
KR102533043B1 (ko) | 구름 베어링용 그리스, 구름 베어링, 구름 베어링 장치 및 정보 기록 재생 장치 | |
CN105802704B (zh) | 润滑脂、滚动轴承、滚动轴承装置及信息记录重放装置 | |
JP5718267B2 (ja) | 流体動圧ベアリング用潤滑油組成物及びこれを用いたhdd用モータ | |
JP6782080B2 (ja) | 情報記録再生装置の転がり軸受用グリース、転がり軸受、転がり軸受装置及び情報記録再生装置 | |
JP2006236410A (ja) | ハードディスクドライブアクチュエータ用転がり軸受及び軸受ユニット | |
US20060252659A1 (en) | Lubricating oil for dynamic fluid-pressure bearing, dynamic-fluid-pressure bearing, motor, and information recording/reproducing apparatus | |
JP2004043719A (ja) | グリース組成物,転がり軸受,及び電動モータ | |
WO2023074695A1 (ja) | 転がり軸受、ピボットアッシー軸受、およびディスク駆動装置 | |
JP2012067173A (ja) | 転がり軸受用グリース組成物、転がり軸受用グリース組成物を用いた軸受装置、軸受装置を備えた情報記録再生装置 | |
JP2007002174A (ja) | 潤滑剤および転がり軸受 | |
JP2018009698A (ja) | グリース組成物を封入した玉軸受、該玉軸受を備えたピボットアッシー軸受および該ピボットアッシー軸受を備えたハードディスク駆動装置 | |
JP2007170431A (ja) | ハードディスクドライブのアクチュエータ用転がり軸受 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160115 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160107 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181010 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190719 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190730 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190925 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20200310 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200604 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20200626 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200611 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20200626 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20200722 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200818 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200824 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6754565 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |